(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、チューブプレートとコルゲートフィンとを積層して構成した積層構造体の一つである熱交換器において、チューブプレートとコルゲートフィンとの接合状態を検査するために、積層構造体の外表面を構成するチューブプレートの表面に温度センサを取り付ける技術が記載されている。この技術は、チューブプレートを間に挟んだ2つの通路の間での熱交換を行うプレートフィン型熱交換器において、各通路の外側に位置するチューブプレートの外表面のそれぞれに熱電対を取り付け、その2つのチューブプレートの温度差から、チューブプレートとコルゲートフィンとの、ろう付け状態の良否を判断するようにしている。
【0003】
また、特許文献2には、プレートフィン型の熱交換器において、コアへの流入口が形成されている、コアの外表面に、ヘッダータンクを貫通するように熱電対を配置することで、最も高温になり得るコアの流入口付近の温度を計測することが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、コア内に設けた通路に隣接するヒーターを加熱源としたプレートフィン型熱交換器において、そのヒーター部分に熱電対を内蔵してヒーターの加熱温度を計測することが記載されている。具体的に、このプレートフィン型熱交換器は、薄板状のヒーターを用い、チューブプレート、コルゲートフィン、及び前記のヒーターを、所定の順番で積層することにより、チューブプレートによって区画された流体通路と流体通路との間に、ヒーターを介在させるようにしている(引用文献3の
図3参照)。
【0005】
さらに、特許文献4には、プレートフィン型熱交換器の構造を利用した触媒反応器が記載されている。この触媒反応器は、チューブプレートによって区画した通路内にコルゲートフィンを配置し、チューブプレートとコルゲートフィンとをろう付けにより固定することで、コア(つまり、積層構造体)を構成すると共に、コルゲートフィンによって区画された複数のチャンネルのそれぞれに、触媒担持体を挿入して構成されている。この触媒反応器は、流体が通路内の各チャンネル内を流れる際に、触媒反応が行われるよう構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献4に記載されているような触媒反応器においては、触媒反応はコアの内部において行われるため、その反応状態を把握するために、コア(つまり、積層構造体)の内部における温度状態、例えばチューブプレートを介した流体間の温度でもあるチューブプレートの温度を計測したいという要求がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に記載されている技術は、積層構造体の外表面の温度計測は可能であるものの、内部の温度を計測することはできない。また、特許文献3に記載されている技術は、積層構造体の内部に埋め込んだヒーターの温度を計測する技術であり、流体間の温度計測を意図していない。また、この技術は、チューブプレートに挟まれたヒーターの温度を計測するように構成されており、通路同士を区画して流体間の伝熱を行うチューブプレートの温度を計測する構成とは異なる。
【0009】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、積層構造体の内部の温度計測を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ここに開示する技術は、積層構造体に係り、この積層構造体は、隣り合う通路の間に介在しかつ、各通路内を流れる流体間の伝熱を行うよう構成されたチューブプレートと、前記チューブプレートに積層した状態でろう付けされかつ、前記通路内に配設されるよう構成されたコルゲートフィンと、を備える。
【0011】
そして、前記チューブプレートは、
前記通路を区画する面が平らであって、当該チューブプレート内に埋め込まれかつ、該チューブプレートの積層方向に直交する方向の外表面を構成する側面に開口すると共に、前記チューブプレートの内方に向かって延びるよう構成されたパイプと、前記開口を通じて前記パイプ内に内挿されかつ、前記チューブプレートの内方位置での温度を計測するセンサと、を有している。
【0012】
この構成によると、チューブプレートとコルゲートフィンとを積層してろう付けすることにより構成された積層構造体において、そのチューブプレートにはパイプが埋め込まれている。パイプは、チューブプレートの側面に開口すると共に、そこからプレートの内方に向かって延びている。従って、パイプは、積層構造体の側面(つまり、積層構造体において、その積層方向に直交する方向の外表面を構成する面)に開口することになる。
【0013】
このパイプには、温度を計測するセンサが内挿されており、このセンサは、チューブプレートの内方位置での温度を計測する。このようなセンサは、例えば熱電対としてもよい。前述したように、このパイプは、チューブプレートの側面に開口していることで、積層構造体の側面に開口しているから、積層構造体の側面の開口を通じてパイプの内部にセンサを挿入することができ、そのセンサを、チューブプレートの内方位置に、言い換えると積層構造体の内方位置に位置づけることが可能になる。その結果、チューブプレートを間に挟んで隣り合う通路内のそれぞれを流れる流体間の熱交換状態を、積層構造体の内部におけるチューブプレートの温度に基づいて把握することが可能になる。センサは、チューブプレートに埋設されており、チューブプレートによって区画される通路内には現れないため、センサを、積層構造体の内部に配設しても、流体の流れに支障が生じることがない。
【0014】
ここで、チューブプレートにパイプを埋め込むことは、チューブプレートとコルゲートフィンとをろう付けする際に、ろう材によって、センサを配設するための孔が塞がってしまうことを回避して、チューブプレートの内方位置へのセンサの配設を確実に行い得るという利点がある。
【0015】
また、パイプ内にセンサを内挿し、そのセンサをパイプに対して固定しないようにすれば、例えばセンサの故障等が発生したときに、センサの交換を容易に行い得る。さらに、チューブプレートの各所に、予め複数のパイプを埋め込んでおけば、センサの配設位置を変更することによって、積層構造体内部の各所における温度を計測することも可能になる。
【0016】
ここで、前記隣り合う通路のうちの少なくとも一方の通路内には、触媒担持体が配設されており、当該通路内を流れる流体について触媒反応が行われるよう構成されている、としてもよい。
【0017】
つまり、この構成は、チューブプレートとコルゲートフィンとを積層して構成したプレートフィン型の熱交換器の構造を有する触媒反応器において、チューブプレートの内方位置の温度計測を可能にする。触媒反応器は、その内部で触媒反応が行われるため、内部の温度が、流体の流入口や流出口が形成されている積層構造体の側面付近の温度よりも高くなり得る。従って、触媒反応器では、内部の温度を計測したいという要求があるものの、前述のように、チューブプレートに、センサが内挿されるパイプを埋め込むことによって触媒反応器の内部の温度が計測可能になるから、反応状態を正確に把握することが可能になる。従って、この技術は、触媒反応器に、特に適している。
【0018】
前記チューブプレートは、前記パイプと、当該パイプを板厚方向に挟み込むように配置されかつ、前記通路を区画する面を構成する第1及び第2の板材と、前記第1及び第2の板材の間で、前記パイプを間に挟んだ両側のそれぞれに配置される、少なくとも第3及び第4の板材と、を、ろう付けにより相互に接合することで構成されている、としてもよい。
【0019】
こうすることで、チューブプレートに対するパイプの埋め込みが容易になる。すなわち、チューブプレートに対して、その内方位置にセンサを配設するための孔を形成しようとすれば、例えばチューブプレートの側面から内方に向かって延びる孔を開けることが考えられる。しかしながら、チューブプレートは、これを挟んだ流体間での伝熱を行うことから、その板厚を比較的薄くしなければならない。そのため、板厚の薄いチューブプレートに対して、その側面から内方に孔を開けることは、加工が困難であると共に、加工コストが高くなる。
【0020】
前述した複数枚の板材を組み合わせる構成は、板材に孔を開けることなく、チューブプレート内にパイプを埋め込むことにより、センサ配設用の孔を設けることを可能にする。また、第1〜第4の板材を、互いに同じ板厚の板材とすることも可能であり、こうすることで、製造コストの低減に有利になる。尚、第1〜第4の板材を同じ板厚に設定する場合は、パイプの両側に配置する第3及び第4の板材は、パイプの外径以上に設定する必要性がある一方で、第1〜第4の板材を積層して構成されるチューブプレート全体の板厚を、伝熱性を考慮して薄くする必要性もあるため、各板材の板厚は、これらを考慮して、適切な板厚に設定することが好ましい。
【0021】
また、第1〜第4の板材及びパイプは、チューブプレートとコルゲートフィンとの積層方向と同じ方向に積層されたチューブプレートを構成するから、チューブプレートとコルゲートフィンとのろう付けと同時に、第1〜第4の板材及びパイプを、ろう付けすることが可能である。このようにすれば、製造工程が簡略化することによるコスト低減に有利になる。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、前記の積層構造体によると、チューブプレートの側面に開口するパイプをチューブプレートに埋め込むと共に、そのパイプにセンサを内挿することによって、積層構造体の内部の温度計測が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、触媒反応器の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は例示である。
図1は、実施形態に係る触媒反応器1の構成を概略的に示しており、
図2は、
図1のII−II断面の一部を示している。尚、説明の便宜上、
図1における紙面上下方向をX方向、左右方向をZ方向、紙面に直交する方向をY方向と呼ぶと共に、各図において、紙面における上側を上、下側を下と呼ぶ場合がある。但し、以下の説明における「上」や「下」が、実際の触媒反応器における上や下に対応しないこともある。
【0025】
この触媒反応器1は、基本的にはプレートフィン型の熱交換器と同じ構造のコア2を有している。コア2は、
図2にその一部を示すように、第1流体が流れる複数の第1通路21と第2流体が流れる複数の第2通路22とを、チューブプレート23を介在しつつ、Y方向に交互に積層することで構成されている(尚、
図2においては、一つの第1通路21と、一つの第2通路22とだけを図示している)。第1通路21及び第2通路22におけるZ方向の側部は、サイドバー24によって区画される。チューブプレート23の構成の詳細は、後述する。
【0026】
第1流体は、
図1に実線の矢印で示すように、コア2の上端面から第1通路21内に流入してコア2内を下向きに流れた後、コア2の下端部における側面からZ方向に流出するように構成されている。第2流体は、
図1に白抜きの矢印で示すように、コア2の下端面から流入してコア2内を上向きに流れた後、コア2の上端部における側面からZ方向に流出するように構成されている。このように、コア2は、第1流体と第2流体とがX方向に対向して流れる対向流型に構成されている。但し、コア2の構成はこれに限らず、第1流体と第2流体との流れ方向が互いに並行に設定された並行流型としてもよいし、第1流体と第2流体との流れ方向が互いに直交する直交流型としてもよい。
【0027】
コア2における各第1通路21内には、
図2に示すように、コルゲートフィン211が配設されている。このコルゲートフィン211によって、各第1通路21は、Z方向に並ぶと共に、それぞれX方向に延びる複数のチャンネルに区画されている。また、各第2通路22内にも、コルゲートフィン221が配設されており、このコルゲートフィン221によって各第2通路22もまた、Z方向に並ぶと共に、それぞれX方向に延びる複数のチャンネルに区画されている。第1通路21及び第2通路22内に配置されるコルゲートフィン211、221は、チューブプレート23に当接する上壁2111、2211及び下壁2112、2212と、上壁2111、2211及び下壁2112、2212を互いに連結するように、Y方向に真っ直ぐに延びる側壁2113、2213とを有して構成されている。第1通路21及び第2通路22において、上壁2111、2211又は下壁2112、2212、2つの側壁2113、2213、及びチューブプレート23によって区画される各チャンネルは、ほぼ長方形状の横断面形状を有している。尚、チャンネルの横断面形状は、この形状に限定されるものではない。
【0028】
各第1通路21内にはまた、
図1に概念的に示すように、コア2の下端部に対応する流出側に、三角形状に切り出されたディストリビュータフィン212が配設されている。ディストリビュータフィン212は、第1通路21内の流れ方向を、X方向の下向きからZ方向の水平向き(
図1の紙面左向き)へと変更する。また、各第2通路22内にも、コア2の上端部に対応する流出側に、三角形状のディストリビュータフィン222が配設されており、これによって、第2通路22内の流れ方向が、X方向の上向きから、Z方向の水平向き(
図1の紙面右向き)へと変更されている。こうしてコア2の上端面が第1流体の流入面31になると共に、コア2の下部における側面が第1流体の流出面32になる。一方、コア2の下端面が第2流体の流入面33になると共に、コア2の上部における側面が第2流体の流出面34になる。
【0029】
コア2に対し、第1流体の流入面31には、第1流体を各第1通路21の各チャンネルに分配して流入させるための、流入ヘッダータンク41が取り付けられている。流入ヘッダータンク41には、第1流体が流入する流入ノズル411が取り付けられている。一方、コア2における、第1流体の流出面32には、各第1通路21の各チャンネルを通過した第1流体を集合させて流出させるための、流出ヘッダータンク42が取り付けられている。流出ヘッダータンク42には、第1流体が流出する流出ノズル421が取り付けられている。また、第2流体の流入面33には流入ヘッダータンク43が取り付けられると共に、第2流体の流出面34には流出ヘッダータンク44が取り付けられる。第2流体の流入ヘッダータンク43及び流出ヘッダータンク44は、第1流体の流入ヘッダータンク41及び流出ヘッダータンク42と同じ構成であり、それぞれ、流入ノズル431及び流出ノズル441が取り付けられている。
【0030】
第1通路21内の第1のコルゲートフィン211は、その上端及び下端がそれぞれ、流体の流れ方向(つまり、X方向)に直交するように構成されている。この第1のコルゲートフィン211と、ディストリビュータフィン212との間には、第2のコルゲートフィン213が配設されている。
【0031】
第2のコルゲートフィン213は、ディストリビュータフィン212と同様に、三角形状に切り出されたフィンであると共に、第1のコルゲートフィン211と同様に、第1通路21を、Z方向に並ぶ複数のチャンネルに区画するように構成されている。第2のコルゲートフィン213を第1のコルゲートフィン211に対して突き合わせて配置することにより、第1通路21内の各チャンネルがX方向に連続する。
【0032】
また、第2通路22内の第1のコルゲートフィン221も、その上端及び下端がそれぞれ、流体の流れ方向(つまり、X方向)に直交するように構成されていると共に、詳細な図示は省略するが、第1のコルゲートフィン221、ディストリビュータフィン222との間には、三角形状に切り出された第2のコルゲートフィン223が配設されている。
【0033】
そうして、この触媒反応器1においては、第1通路21内の各チャンネル内に、触媒担持体215が挿入されている。触媒担持体215は、
図1、2に概念的に示すように、X方向に延びると共に、チャンネルの横断面形状に対応する横断面を有する角棒状であり、第1のコルゲートフィン211の一端から他端までの全域に亘って延びている(
図1の「第1通路の触媒挿入領域」参照。尚、
図1においては、理解容易のために、一つの触媒担持体215のみを図示している。)。また、第2通路22内でも同様に、各チャンネル内に、X方向に延びる角棒状の触媒担持体225が挿入されている(
図2参照)。第2通路22内においても、触媒担持体225は、第1のコルゲートフィン221の一端から他端までの全域に亘って延びており(
図1の「第2通路の触媒挿入領域」参照)、第1通路21の触媒挿入領域と第2通路22の触媒挿入領域とが重複する領域で、2つの触媒反応の相互作用が期待できる。尚、触媒担持体215、225の形状は、チャンネルの横断面形状に対応する横断面形状とすればよく、図示は省略するが、チャンネルの横断面形状が、例えば台形状になれば、触媒担持体215、225の横断面形状も台形状とし、チャンネルの横断面形状が、例えば正方形状になれば、触媒担持体215、225の横断面形状も正方形状とすればよい。
【0034】
このように、コア2は、チューブプレート23とコルゲートフィン211、221とを積層し、それらをろう付けすることによって構成した積層構造体として構成されている。
【0035】
ここで、触媒反応器1の製造方法について簡単に説明をすると、コア2は、チューブプレート23とコルゲートフィン211、212、213、221、222、223を所定の順番で積層して、ろう付けすることによって作成可能である。ヘッダータンク41、42、43、44はそれぞれ、コア2に対し溶接により取り付けられる。第1通路21内の触媒担持体215は、ヘッダータンク41を取り付ける前の、コア2の上端面である第1流体の流入面31が露出した状態で、当該流入面31に開口するチャンネルの一つ一つに挿入される。同様に、第2通路22内の触媒担持体225は、ヘッダータンク43を取り付ける前の、コア2の下端面である第2流体の流入面33が露出した状態で、当該流入面33に開口するチャンネルの一つ一つに挿入される。
【0036】
こうして、この構成の触媒反応器1においては、各触媒担持体215、225はチャンネル内で固定しないため、コア2に取り付けたヘッダータンク41、43を取り外して、コア2の流入面31及び流入面33を露出することによって、交換を容易に行うことが可能である。
【0037】
次に、
図3、4を参照しながら、チューブプレート23の構成について詳細に説明する。
図3(a)は、チューブプレート23の分解斜視図を、同図(b)は、4枚の板材等を組み合わせた状態のチューブプレート23の組立斜視図を、
図4は、チューブプレート23の横断面図の一部を、それぞれ示している。コア2を構成する多数のチューブプレート23の内の少なくとも1のチューブプレート23には、
図3、4に示すように、パイプ235が埋め込まれている。このパイプ235は、温度を計測するセンサの一例として、熱電対(つまり、熱電対線)236(
図4参照)を、コア2の内部に配設するためのパイプ235である。このチューブプレート23は、第1〜第4の4枚の板材231、232、233、234と、パイプ235とを互いに接合することで構成されている。
【0038】
第1〜第4の板材231〜234の内、第1の板材231及び第2の板材232は、コア2の第1通路21又は第2通路22を区画する面を構成する板材である。第1の板材231及び第2の板材232は、コア2の積層方向(つまり、この例ではY方向)に、パイプ235を挟んで、対面するように配設される。これに対し、第3の板材233及び第4の板材234は、第1の板材231と第2の板材232との間に配設される板材であり、パイプ235を間に挟んだ両側に、それぞれ配設されている。
【0039】
パイプ235は、
図2、3に示すように、チューブプレート23の側面に開口するよう、その基端の開口が、各板材231〜234の側縁に位置する一方、その先端が、チューブプレート23の内方に位置するように、図例ではZ方向に延びている。こうしてパイプ235は、コア2の側面に開口することになり、この開口から熱電対236をパイプ235に内挿することで、コア2の内部に熱電対236を配置することが可能になる。
【0040】
第1〜第4の板材231〜234は、図例では全て同じ板厚を有しており、同一の板材から、それぞれ所定の大ききに切り出されることによって構成されている。こうすることで、製造コストの低減に有利になる。第1〜第4の板材231〜234は、この例では、パイプ235の外径と同じ板厚を有しているが、パイプ235の外径よりも大きい板厚であれば、第1の板材231と第2の板材232との間に、パイプ235、並びに、第3及び第4の板材233、234を挟み込んで、チューブプレート23を構成することが可能である。但し、第1〜第4の板材231〜234の板厚が分厚くなりすぎると、チューブプレート23全体の板厚が分厚くなる結果、コア2における、第1通路21及び第2通路22間の伝熱性能が低下する虞がある。従って、第1〜第4の板材231〜234の板厚は、パイプ235の外径と同程度にすることが好ましい。
【0041】
第1〜第4の板材231〜234及びパイプ235は、ろう付けによって互いに接合されることで、一枚のチューブプレート23を構成する。このろう付けは、前述したチューブプレート23とコルゲートフィン211、221とろう付けしてコア2を製造する際に、同時に行うことが可能である。つまり、第1〜第4の板材231〜234及びパイプ235もまた、チューブプレート23とコルゲートフィン211、212との積層方向と同じ方向に積層されることから、第1〜第4の板材231〜234及びパイプ235と、コルゲートフィン211、212とを、所定の順番で積層した上でろう付けを行うことで、コア2を製造することが可能である。このときに、パイプ235は、ろう材によって塞がることなく、熱電対236の配設経路を確実に確保することを可能にする。
【0042】
ここで、チューブプレート23に対するパイプ235の配設形態は、様々な形態を採用することが可能である。すなわち、図示は省略するが、パイプ235は、チューブプレート23の一端から他端まで、チューブプレート23を貫通するように配置してもよい。また、パイプ235は、チューブプレート23の一端から内方の途中位置まで延びるように配置してもよい。
【0043】
パイプ235は、チューブプレート23に沿ってX方向やZ方向に延びて配設する他にも、X方向やZ方向に対して斜めになる方向に延びて配設してもよい。
【0044】
さらに、パイプ235は、一枚のチューブプレート23に対し、一つだけ埋め込むのではなく、複数を並列するように配置して、埋め込むようにしてもよい。そのように複数のパイプ235を埋め込む場合には、前述した様々な配置形態を、適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば、いくつかのパイプ235は、チューブプレート23における所定位置で、そのチューブプレート23の一端から他端まで貫通するようにかつ、所定の方向に並列して配置する一方、別のいくつかのパイプ235は、チューブプレート23における所定位置で、チューブプレート23の一端から内方の途中位置まで延びるようにかつ、所定の方向に並列して配置し、さらに、別のいくつかのパイプ235は、チューブプレート23における所定位置で、チューブプレート23の他端から内方の途中位置まで延びるようにかつ、所定の方向に並列して配置してもよい。尚、2本以上のパイプ235をチューブプレート23に埋め込む構成では、第1及び第2の板材231、232の間に、3枚以上の板材が配置されることになる。
【0045】
このような構成によって、この触媒反応器1は、そのコア2の内部の温度を熱電対236によって計測することが可能になる。このときに、チューブプレート23に、パイプ235を埋め込んでいるため、コア2において流体が流れる各通路21、22には、温度計測のための構成が、何ら現れない。このことは、触媒反応器1の性能に影響を与えることなく、コア2の内部の温度計測を可能にするという利点がある。触媒反応器1は、そのコア2の内部において触媒反応が行われるため、コア2の内部の温度状態を計測することが反応状態の把握に有効である。前記の構成によってコア2の内部の温度計測を可能にすることは、触媒反応器1の適切な運転制御を可能にする。また、コア2の内部の温度状態を監視することで、触媒担持体215、225の劣化状態を把握することも可能になり、前述の通り交換可能に構成された触媒担持体215、225を、適切な時期に交換することが可能になる。
【0046】
(変形例)
図5〜7は、変形例を示している。この内、
図5は、一枚のチューブプレート23に対して、その側面から内方に向かって孔237を開け、その孔237内に、パイプ235を内挿する構成である。孔237とパイプ235との間は、ろう材によって埋められている。チューブプレート23に形成する孔237は、
図5(a)に示すように、横断面が円形状でもよいし、同図(b)に示すように、横断面矩形状でもよい。尚、この構成は、チューブプレート23は、前述の通り、伝熱性を考慮して比較的板厚が薄く設定されるため、板厚の薄いチューブプレート23に対して孔237を形成することが困難(特に、チューブプレート23の側面から内方に長く延びる孔を形成する場合)であったり、前述した第1〜第4の板材231〜234を組み合わせる構成と比較して、加工コストが高くなったりするという不利益がある。
【0047】
図6は、チューブプレート23の表面に、その表面から凹陥する凹溝238を形成し、そこにパイプ235を配設している。凹溝238内は、パイプ235の部分を除いて、ろう材によって埋められている。
図6(a)は、凹溝238の底を円弧状に形成した例であり、
図6(b)は、凹溝238の底を直線状に形成した例である。チューブプレート23の表面に凹溝238を加工することは、前述したような孔237を加工する場合と比較して、加工自体は容易になるものの、加工コストは、依然として高くなってしまうという不利益がある。また、こうした凹溝238を形成する構成は、チューブプレート23とコルゲートフィン211、221とをろう付けする際に、チューブプレート23において、コルゲートフィン211、221が当接する表面に凹溝238が形成されていることになるから、チューブプレート23とコルゲートフィン211、221とのろう付け性に支障が生じる場合がある。
【0048】
図7は、
図6と同様に、チューブプレート23の表面に凹溝238を形成して、そこにパイプ235を配設すると共に、凹溝238の上部開口を別部材239で閉塞している。このうち、
図7(a)は、チューブプレート23の表面から凹陥すると共に、パイプ235の外径と同程度の幅を有する凹溝238を形成し、そこにパイプ235を配設すると共に、当該凹溝238の溝幅に相当する別部材(蓋部材239)を、凹溝238内に配設している。これによって、凹溝238の上部開口を閉塞しつつ、チューブプレート23の表面が面一になるようにしている。また、
図7(b)は、同図(a)と同様に、チューブプレート23の表面から凹陥する凹溝238を形成するものの、この凹溝238は、相対的に溝幅の広い第1凹溝2381と、相対的に溝幅の狭い第2凹溝2382と、を連続して形成し、チューブプレート23の板厚方向の途中で段差を設けている。第2凹溝2382は、パイプ235の外径と同程度の溝幅及び溝深さであり、パイプ235は、第2凹溝2382内に配置される。一方、第1凹溝2381内には、当該第1凹溝2381の溝幅及び溝深さに対応する別部材(蓋部材239)を配設することで、凹溝238の上部開口を閉塞しつつ、チューブプレート23の表面が面一になるようにしている。
図7(c)は、
図7(a)と同様に、主プレート2311の表面から凹陥する凹溝238を形成し、その凹溝238内にパイプ235を配置している一方で、主プレート2311に副プレート2312を積層することで、凹溝238の上部開口を塞ぐと共に、チューブプレート23の表面(つまり、コア2における第1又は第2通路21、22を区画する面)を構成するようにしている。尚、
図7に示す各構成は、板厚の異なる複数の板材等を用意しなければならず、
図3、4に示すような構成と比較して、製造コストが高くなるという不都合がある。
【0049】
尚、触媒反応器1の用途によっては、第2通路22には触媒担持体225を挿入しない構成もあり得る。
【0050】
また、ここに開示する技術は、触媒反応器に限らず、プレートフィン型熱交換器等の積層構造体において、内部の温度状態を正確に計測することを可能にするから、様々な種類又は用途の積層構造体に広く適用することが可能である。