(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249615
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】カスタム・カラー・トナー製造システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G03G 9/09 20060101AFI20171211BHJP
G03G 9/087 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
G03G9/08 361
G03G9/08 381
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-54501(P2013-54501)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2013-214062(P2013-214062A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】13/436,623
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンティアゴ・フォーシェ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト・パウェルカ
(72)【発明者】
【氏名】マジッド・カメル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エス・ホーキンス
(72)【発明者】
【氏名】スィア・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ピー・エヌ・ヴェアジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・バービサン
【審査官】
野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−211681(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0012645(US,A1)
【文献】
特開平02−156266(JP,A)
【文献】
特開昭63−165208(JP,A)
【文献】
特開2003−223013(JP,A)
【文献】
特開2010−191057(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0044755(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムであって、
第1のカラートナーとその第1のカラートナーの色と異なる色の第2のカラートナーとをトナーカートリッジに供給するように構成されたトナーカートリッジ充填装置を含み、前記色は電子的に提示された要求に基づいて決定され、前記カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムは広域通信網に接続するように構成されており、
前記トナーカートリッジにより含まれているトナーを混合するように構成された混合システムを含み、前記トナーは、前記カートリッジにより含まれている間にトナー混合物を作るために混合され、
少なくとも前記トナーカートリッジと前記カートリッジに封じ込めた前記トナーとの共振周波数で、前記トナーカートリッジを振動させるように構成された前記混合システムをさらに含み、前記カートリッジは密閉されたカートリッジである、
カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システム。
【請求項2】
前記カートリッジを包装するための包装システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
トナーカートリッジ内で混合するために前記トナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーとその第1のカラートナーの色と異なる色の第2のカラートナーとを供給することと、
前記トナーカートリッジに少なくとも前記第1のカラートナーと前記第2のカラートナーとを供給するシステムを、広域通信網に接続することと、
を含み、
前記カートリッジを密閉して混合するために、前記少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを含む前記カートリッジを閉じることと、
前記少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを前記供給するように構成されたトナー供給装置から、前記トナーカートリッジ内で前記トナーを混合させるように構成された共振混合装置に前記カートリッジを移動させることと、を含む、カスタム・カラー・トナー製造方法。
【請求項4】
前記トナーを混合させるために少なくとも前記カートリッジの共振周波数で、前記カートリッジと、前記カートリッジに封じ込めたトナーとを混合することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
包装するために前記カートリッジを前記混合装置からコンベヤベルトに移動させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
包装の際に、前記カートリッジ内で混合されたトナーを含む前記カートリッジを取り囲むことを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
トナーカートリッジ内で混合するために前記トナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーとその第1のカラートナーの色と異なる色の第2のカラートナーとを供給することと、
前記トナーカートリッジに少なくとも前記第1のカラートナーと前記第2のカラートナーとを供給するシステムを、広域通信網に接続することと、
を含み、
前記トナーカートリッジと、前記トナーカートリッジの内容物と、前記トナーカートリッジを保持するための機械的ホルダとの共振周波数である周波数に共振混合装置を設定することと、
前記共振周波数である周波数で所定時間振動させることと、
前記共振周波数である周波数で所定時間振動させた後、前記共振混合装置の通電を止めて、前記トナーカートリッジを取り外して前記トナーカートリッジを分析し、前記トナーカートリッジが混合中に損傷を受けなかったことを確認することと、
を含む、カスタム・カラー・トナー製造方法。
【請求項8】
カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムであって、
第1のカラートナーとその第1のカラートナーの色と異なる色の第2のカラートナーとをトナーカートリッジに供給するように構成されたトナーカートリッジ充填装置を含み、前記色は電子的に提示された要求に基づいて決定され、前記カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムはローカルエリア通信網に接続するように構成されており、
前記トナーカートリッジにより含まれているトナーを混合するように構成された混合システムを含み、前記トナーは、前記カートリッジにより含まれている間にトナー混合物を作るために混合され、
少なくとも前記トナーカートリッジと前記カートリッジに封じ込めた前記トナーとの共振周波数で、前記トナーカートリッジを振動させるように構成された前記混合システムをさらに含み、前記カートリッジは密閉されたカートリッジである、
カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システム。
【請求項9】
トナーカートリッジ内で混合するために前記トナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーとその第1のカラートナーの色と異なる色の第2のカラートナーとを供給することと、
前記トナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを供給するシステムを、ローカルエリア通信網に接続することと、
を含み、
前記カートリッジを密閉して混合するために、前記少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを含む前記カートリッジを閉じることと、
前記少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを前記供給するように構成されたトナー供給装置から、前記トナーカートリッジ内で前記トナーを混合させるように構成された共振混合装置に前記カートリッジを移動させることと、を含む、カスタム・カラー・トナー製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、カスタム・カラー・トナー製造のためのシステムおよび方法に関する。特に、本明細書は、トナーカートリッジ内でカスタム・カラー・トナーを作るためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー製造のための従来技術のシステムおよび方法は、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのトナーを作るように設計されており、ヘンシェルミキサーおよび関連機器の準備、製造、掃除に関連する高い費用のため、カスタム・カラー・トナー製造には向かない。顧客が、印刷エンジンで印刷するためのカスタム・カラー・トナーを要求する場合が多い。トナーの製造者は、カスタムカラーの混合物を作るために大きなヘンシェルミキサー内でいっしょに混ぜ合わされた原色トナーを使用することで、このような要求に通常対応する。出荷するために混合物をカートリッジの中に包装するが、費用検討の結果、混合物を通常大量に作って出荷する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カスタム・カラー・トナー製造のためのシステムおよび方法を開示する。システムおよび方法は、費用対効果に優れた真のカスタム・カラー・トナー製造を可能にする。
【0004】
本明細書は、記載した特定のシステム、装置、および方法には限定されず、その理由は、これらが変化してもよいためである。説明で使用する用語は、あくまで特定のバージョンまたは実施形態を説明するためのものに過ぎず、範囲を限定するものではない。
【0005】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に他の指示がある場合を除き、複数の内容を含んでいる。他に規定がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有している。本開示に記載する実施形態には先行発明によるような開示に先行する権利がないことを認めているとは、本開示のいかなる内容も解釈すべきではない。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」は、「含むが、これらに限らない」を意味している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、システムが、少なくとも1つのカラートナーをトナーカートリッジに供給するように構成されたトナーカートリッジ充填装置を含むカスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムを含んでいてもよく、色は電子的に提示された要求に基づいて決定され、カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムはローカルエリア通信網または広域通信網に接続するように構成されている。一実施形態では、システムが、トナーカートリッジに第1のカラートナーを供給するように構成された第1のカラーフィーダと、トナーカートリッジに第2のカラートナーを供給するように構成された第2のカラーフィーダと、を含む複数のカラーフィーダをさらに含むトナーカートリッジ充填装置を含んでいてもよい。
【0007】
一実施形態では、システムが、トナーカートリッジにより含まれているトナーを融合させるように構成された混合システムを含んでいてもよく、トナーはカートリッジにより含まれている間に混合される。一実施形態では、システムが、カートリッジに封じ込めたトナーを融合させるためにトナーカートリッジを振動させるように構成された共振混合器を含んでいてもよい。システムは、少なくともトナーカートリッジと、カートリッジに封じ込めたトナーと、カートリッジ用の締め付けアセンブリとの共振周波数で、トナーカートリッジを振動させるように構成された音響混合器を含んでいてもよい。一実施形態では、システムが、カートリッジを、箱、容器、ビニール包装、または他の好適な包装内に挿入するように構成されたシステムなどの、カートリッジを包装するための包装システムを含んでいてもよい。
【0008】
一実施形態では、カスタム・カラー・トナー・カートリッジ製造システムが、カートリッジ内でトナーを混合するためにトナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを供給するように構成されたトナーカートリッジ充填装置を含んでいてもよい。システムは、トナーカートリッジに第1のカラートナーを供給するように構成された第1のカラーフィーダと、トナーカートリッジに第2のカラートナーを供給するように構成された第2のカラーフィーダと、を含む複数のカラーフィーダをさらに含むトナーカートリッジ充填装置を含んでいてもよい。カラーフィーダは、トナー容器に連結された流体送出ラインなどの、トナーを送出するのに適している機構または構造を含んでいてもよい。
【0009】
一実施形態では、システムが、混合物を作るためにトナーカートリッジにより含まれている第1のカラートナーと第2のカラートナーとを混合するように構成された混合システムを含んでいてもよい。一実施形態では、システムが、カートリッジに封じ込めたトナーを混合するためにトナーカートリッジを振動させて、それにより、第1のカラートナーと第2のカラートナーとをいっしょに混ぜ合わせるように構成された共振混合器をさらに含む混合システムを含んでいてもよく、混合物は第1のカラートナーおよび第2のカラートナーの色とは異なる色になる。システムは、少なくともトナーカートリッジと、カートリッジに封じ込めたトナーとの共振周波数で、トナーカートリッジを振動させるように構成された共振混合器を含んでいてもよい。
【0010】
一実施形態では、システムが、第1のカラートナーと第2のカラートナーとを有するカートリッジを包装するための包装システムを含んでいてもよい。システムは、トナーカートリッジに供給するように構成されたトナーカートリッジ充填装置を含んでいてもよく、カスタム・カラー・トナーを含む1つ以上のカートリッジに対して少なくとも第1の色と第2の色とをローカルエリア通信網または広域通信網から受け取るユーザの要求に基づいて決定する。
【0011】
一実施形態では、カスタム・トナー・カラー製造方法が、トナーカートリッジ内で融合させるためにトナーカートリッジに少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを供給することを含んでいてもよい。方法は、少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを含むカートリッジを閉じることと、少なくとも第1のカラートナーと第2のカラートナーとを供給するように構成されたトナー供給装置から、共振混合装置にカートリッジを移動させることと、を含んでいてもよい。方法は、少なくとも第1のカラートナーと少なくとも第2のカラートナーとを、トナーの色の群の中から選択することと、供給装置が複数の供給ラインを含むことと、カラートナーを送出するように各供給ラインを構成することと、を含んでいてもよい。方法は、顧客の要求に基づいて決定された少なくとも第1および第2のカラートナーを供給するのに使用する供給ラインと、通信網を通じて顧客の要求を提示することと、供給装置を通信網に接続することと、を含んでいてもよい。
【0012】
一実施形態では、方法が、カートリッジと、カートリッジに含まれるトナーと、カートリッジ締め付け装置との共振周波数で、カートリッジと、カートリッジに封じ込めたトナーとを振動させることを含んでいてもよい。方法は、包装するためにカートリッジを混合装置からコンベヤベルトに移動させることを含んでいてもよい。一実施形態では、方法が、包装の際に、カートリッジ内で混合されたトナーを含むカートリッジを取り囲むことを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、例示的実施形態のカスタムカラー製造プロセスのステップにおけるカスタム・カラー・トナー製造システムの側面図である。
【
図1B】
図1Bは、例示的実施形態のカスタムカラー製造プロセスのステップにおけるカスタム・カラー・トナー製造システムの側面図である。
【
図1C】
図1Cは、例示的実施形態のカスタムカラー製造プロセスのステップにおけるカスタム・カラー・トナー製造システムの側面図である。
【
図1D】
図1Dは、例示的実施形態のカスタムカラー製造プロセスのステップにおけるカスタム・カラー・トナー製造システムの側面図である。
【
図1E】
図1Eは、例示的実施形態のカスタムカラー製造プロセスのステップにおけるカスタム・カラー・トナー製造システムの側面図である。
【
図2】
図2は、例示的実施形態のカスタム・カラー・トナー製造のための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
システムおよび方法が、カスタム・カラー・トナーの費用対効果に優れた製造を提供する。これは、例えば、トナー製造者が大小さまざまな大きさのカスタム・カラー・トナーの注文に対応できるようにする。顧客が、インターネット接続のユーザインタフェースを通して、例えば、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータデバイスを通じて注文してもよい。たとえカスタム・カラー・トナーの単一のカートリッジだけの注文であっても、カスタム・カラー・トナー製造システムが注文を受け取り、変換または解釈して、自動的に充填してもよい。注文を満たすために、カスタムカラー製造システムは、タールを塗る予定のロードセルまで空のトナーカートリッジを運ぶように仕向けてもよい。その後、特定の色のトナーをカートリッジに送出してもよい。色は、カスタムカラーの注文に応じるのに必要な色の決定に基づいて選択してもよい。関連するコントローラおよび/またはソフトウェアが決定を行ってもよい。
【0015】
カートリッジを閉じて、共振混合器の中に取り付けてもよい。共振混合器は、トナーと、カートリッジと、カートリッジホルダとの共振周波数に対応する周波数に設定してもよく、例えば、約0.5分未満の間、共振混合器にトナーカートリッジを共振周波数でかくはんさせてもよい。共振混合器は、トナーを融合させて望ましいカラートナーを作るために、トナーをかくはんしたり、またはカートリッジを振動させたりするように構成してもよい。カートリッジを混合器から取り外したり、販売に向けて包装したりしてもよい。あるいは、カートリッジそれの包装を共振混合器上に取り付けて、振動させることができる。
【0016】
図1Aは、実施形態のカスタムカラー製造システムの略図を示している。
図1Aは、トナーカートリッジを充填するステップにおけるカスタムカラー製造システムを示している。カスタムカラー製造システム100が、トナーなどのマーキング材料を送出するためのトナー送出システム105を含んでいる。例えば、トナー送出システム105は、トナーカートリッジ107に1色以上のトナー108を送出するように構成されたトナーカートリッジ充填装置であってもよい。
【0017】
トナー送出システム105は、特定の色のトナーをトナーカートリッジ107に送出するための供給ラインまたは流体送出ライン112a〜112dなどの送出を含んでいてもよい。送出ライン112a〜112dのそれぞれを各トナー容器に連結してもよい。トナー容器のそれぞれは、原色などの特定の色のトナーを含んでいてもよく、連結された送出ラインは特定の色のトナーを送出するように構成してもよく、連結された送出ラインは1つ以上の個別のトナー容器115からトナーを送出するために選択的に作動するように構成してもよい。
【0018】
例えば、流体送出ライン112aをイエローのトナーを含むためのトナー容器に連結してもよい。流体送出ライン112bをマゼンタのトナーを含むためのトナー容器に連結してもよい。流体送出ライン112cをシアンのトナーを含むためのトナー容器に連結してもよい。流体送出ライン112dをブラックのトナーを含むためのトナー容器に連結してもよい。カスタムカラー製造システムは、1つまたは複数の流体送出ライン、および/またはカスタム・カラー・トナーを作る必要に応じてトナーカートリッジに任意の個数のトナー色を送出するように構成されたトナー送出システムを含んでいてもよい。トナー送出システム105は、トナーカートリッジ107の重さをはかるためのロードセル120を含んでいてもよい。
【0019】
カスタム・カラー・トナー製造システムは、トナーカートリッジまたはマーキング材料容器を閉じるためのカートリッジ閉鎖システムを含んでいてもよい。システムからシステムまで、例えば、トナー送出システム105からカートリッジ閉鎖システムまで、トナーカートリッジ107を運ぶのにコンベヤシステム(図示せず)を実行してもよい。送出したトナー108でトナーカートリッジ107を満たした後に、
図1Bに示すように、例えば、ふた128などでカートリッジを密閉するために、トナーカートリッジ107を閉鎖システムに運んでもよい。
【0020】
ふた128を有する密封したカートリッジ107を、
図1Cに示すように、混合システムに運び、および/または混合システム内に取り付けてもよい。例えば、送出したトナー108を含むカートリッジを共振混合器145内に取り付けてもよい。カートリッジホルダによりカートリッジを共振混合器145内に取り付けてもよい。共振混合器145は、トナーカートリッジ107内のトナーを混合するために、送出したトナー108をかくはんするように構成してもよい。共振混合器は、
図1Dに示すように、送出したトナー108を混合して、融合済みのトナー155製造するために、密封したカートリッジ107と、送出したトナー108と、カートリッジホルダとの共振周波数でカートリッジを、例えば、振動させるように構成してもよい。
【0021】
図1Eに示すように包装するために、ふた128を有して融合済みのトナー155を含むトナーカートリッジ107を、カートリッジ包装システムに運んでもよい。例えば、保護および/または販売のためにトナーカートリッジ107を箱の中に挿入したり、プラスチックに包んだり、または他の方法で包装したりしてもよい。
【0022】
カスタム・カラー・トナー製造システムは、ユーザまたは顧客の要求に呼応してカスタムカラーを自動的に作るように構成してもよい。例えば、カスタム・カラー・トナー製造システム100は、電子通信のためにローカルエリア通信網または広域通信網に接続してもよい。カスタム・カラー・トナー製造システム100のシステムは、例えば、カスタム・カラー・トナーの注文書を受け取るためにLANおよび/またはWANに操作可能に接続してもよい。注文書に呼応して、カスタム・トナー・カラーを作るのにどんなトナーカラーが必要かを、カスタム・カラー・トナー製造システム100に決定させてもよい。システムが決定した特定のカラートナー、または混合したときに要求されたカスタムカラーをもたらすとオペレータが判断した特定のカラートナーを送出する必要に応じて、流体送出ライン112a〜112dおよび/または他の流体送出ラインを、システム100に選択的に作動させてもよい。システム100は、送出したトナー108を含むカートリッジを密閉して、例えば、注文書などに指示されたカスタムカラーの混合したトナー155を作るために送出したトナー混合物108を混合して、注文書に従って納入するためにカートリッジを包装するように構成してもよい。
【0023】
図2は、例示的実施形態のカスタム・カラー・トナー製造の方法を示している。
図2は、S201で、トナーカートリッジまたは他の好適なマーキング材料容器を、トナーなどのマーキング材料で充填することを含む方法を示している。カートリッジいっぱいまでトナーを満たしてもよいし、または満たさなくてもよい。S201では、1つ以上の選択的に係合できる流体送出ラインからカートリッジにトナーを送出してもよい。特定のカラーマーキング材料、例えば、トナーなどを含む各容器に、流体送出ラインのそれぞれを連結してもよい、カスタムカラーの特別注文で融合させたトナーを作る必要に応じて、特定の色の各インク容器と関連する特定の送出ラインを選択的に係合させたり、および/または作動させたりしてもよい。方法は、S205で、トナーをカートリッジの中に封じ込めるように構成されたふたで、充填したトナーカートリッジを覆うことを含んでいてもよい。トナー送付の前に、カートリッジをロードセルにセットしてもよい。ロードセルで、カートリッジにタールを塗ってもよい。1つ以上の流体送出ラインを含むトナー送出装置から、カートリッジを閉じるための閉鎖システムまでカートリッジを運んでもよい。例えば、カートリッジを複数の処理システムに運ぶように構成されたコンベヤベルトを含む運搬システムなどを用いてカートリッジを運んでもよく、これらの複数の処理システムは、流体送出システム、カートリッジ閉鎖システム、共振混合システム、および包装システムを含んでいてもよい。
【0024】
方法は、S207で、共振混合システム内にカートリッジを取り付けることを含んでいてもよい。共振混合システムは、含まれたトナーを混合するためにトナーカートリッジをかくはんしたり、またはカートリッジに封じ込めたトナーを振動させたりするように構成された共振混合器を含んでいてもよい。カートリッジホルダによりカートリッジを共振混合システム内に取り付けてもよい。カートリッジホルダは、カートリッジおよび/またはカートリッジの内容物の処理および/または運搬するためにトナーカートリッジを支持するように構成してもよい。
【0025】
方法は、トナーカートリッジに送出したトナーを、共振混合システムを用いて混合することを含んでいてもよい。
図2に示すように、方法は、S210で、共振混合システムを用いてトナーカートリッジ内のトナーを混合することを含んでいてもよい。共振混合システムは、例えば、Resodyn LabRAM500g型などの共振混合器を含んでいてもよい。方法は、例えば、カートリッジと、カートリッジホルダと、カートリッジに封じ込めたトナーとの共振周波数などで、カートリッジおよび/またはカートリッジの内容物をかくはんしたり、または振動させたりすることを含んでいてもよい。混合は、トナーを融合させて、トナーカートリッジに送出したカラートナーに基づいてカスタムカラーを作ってもよい。
【0026】
方法は、S215で、カスタム・カラー・トナーを含むカートリッジを包装材料で包装することを含んでいてもよい。例えば、S215で、カートリッジを箱などの包装材料内に挿入したり、または例えば、カートリッジをプラスチックに包んだりして、混合したトナーおよび/またはカスタムカラーのトナーを含むカートリッジ処理してもよい。
【0027】
一実施形態のシステムおよび方法を用いて作ったカスタム・カラー・トナーの実施例を下記に提供する。
【0028】
実施例I:
ソレントバイオレットのトナー。100mlのプロピレンボトル内でシアンのトナー18gにマゼンタのトナー42gを加えた。材料を共振混合器内にセットした。好適な共振混合システムは、Resodyn LabRAM500g型の混合器を含んでいてもよい。ボトルと、ボトルの内容物と、ボトルを支持するための機械的ホルダとの共振周波数である61Hzの周波数に共振混合器を設定した。共振混合器に通電した。通電中、共振混合器は、容器および容器の内容物に30〜100Gの加速度を伝達した。この周波数で30秒振動させた後、共振混合器の通電を止めて、共振混合器からボトルを取り出した。結果として得られた混合物を分光器で分析して、従来の大規模ブレンディング装置を用いて作った製造サンプルと比較した。実験的混合物と比較混合物の間のdE0.62。dEが2.5未満であることが好ましく、この2.5とは、その点のあたりで平均的な人の目が色差をもはや検出できなくなる点である。したがって、システムおよび方法は、カスタムカラーを作るのにトナーを30秒で融合させることができる費用対効果に優れたカスタム・カラー・トナー製造を提供する。
【0029】
システムおよび方法は、小規模または大規模な製造のためのカスタム・カラー・トナー製造を提供する実際に、システムおよび方法は、カスタム・カラー・トナーを含む単一のトナーカートリッジの製造を提供してもよい。システムおよび方法は、カスタム・カラー・トナー混合物を作るためにトナーを混合することを含んでいてもよく、トナーを混合して融合させて、トナーカートリッジ内でカスタム・カラー・トナーを作る。システムおよび方法が、典型的なトナーカートリッジの効果的な使用を提供することが分かっている。例:
【0030】
実施例II:
補充カートリッジにマゼンタのトナー60gおよびシアン30gを送出した。カートリッジを音響共振混合器上に取り付けた。好適な共振混合器は、例えば、Resodyn LabRAM500g型などであってもよい。カートリッジと、カートリッジの内容物と、カートリッジを保持するための機械的ホルダとの共振周波数である61Hzの周波数に音響共振混合器を設定した。この周波数で5分振動させた後、音響共振混合器の通電を止めて、カートリッジを取り外した。カートリッジを分析して、混合中にカートリッジが損傷を受けなかったことを確認した。