特許第6249618号(P6249618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6249618-基板処理装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249618
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20171211BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H01L21/02 D
   H01L21/68 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-63935(P2013-63935)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-207304(P2013-207304A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2016年3月16日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0031327
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506406663
【氏名又は名称】株式会社テラセミコン
【氏名又は名称原語表記】TERASEMICON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ハン・キル
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−116089(JP,A)
【文献】 特開2002−299262(JP,A)
【文献】 特開平9−320915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/02
H01L21/31
H01L21/67−21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間が形成された下部本体と、
前記下部本体の上側に設けられ、内部には基板が処理される空間のチャンバが形成され、前記下部本体に対して連通または遮断される上部本体と、
前記下部本体の内部に昇降可能に設けられ、前記チャンバを出入りし、複数の基板が積載格納されるボートと、
前記下部本体の内部に設けられ、前記下部本体の外部に格納された基板を移送して前記ボートに積載したり、前記ボートに積載された前記基板を前記下部本体の外部に移送したりするロボットと、
前記下部本体に設けられ、前記下部本体の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を前記下部本体の外部にそれぞれ排出する排出手段とを含み、
前記排出手段が、
前記下部本体の一側面に設けられ、前記下部本体の内部に送風する送風機と、
前記下部本体に設けられ、前記下部本体の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を、前記送風機によって送風された空気と共に、前記下部本体の外部にそれぞれ排出する第1の排出管および第2の排出管とを含み、
前記第1の排出管の一端部側が前記下部本体の内部下側部位に位置し、他端部側が前記下部本体の外側に位置し、
前記第2の排出管の一端部側が前記下部本体の内部上側部位に位置し、他端部側が前記下部本体の外側に位置することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記排出手段が、前記送風機が設けられた前記下部本体の内部一側面に設けられたフィルタを更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の排出管の他端部側および前記第2の排出管の他端部側が、前記下部本体の上面外側に位置し、相互連通することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理工程中に発生する異物を効果的に外部に排出することができる基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、半導体素子の製造時に用いられ、蒸着(Vapor Deposition)装置と、アニーリング(Annealing)装置とに大別される。
【0003】
蒸着装置は、半導体素子の核心構成をなす透明導電層、絶縁層、金属層などを形成する装置であって、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)またはPECVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)などのような化学気相蒸着装置と、スパッタリング(Sputtering)などのような物理気相蒸着装置がある。そして、アニーリング装置は、基板に膜を蒸着した後、蒸着された膜の特性を向上させる装置であって、蒸着された膜を結晶化または相変化させる熱処理装置である。
【0004】
一般的に、基板処理装置は、下部本体と、前記下部本体の上面に設けられた上部本体とを含む。前記下部本体の内部には、複数の基板が積載格納されるボートと、前記下部本体の外部に格納された基板を前記ボートに積載したり、前記ボートに積載された基板を前記下部本体の外部に移送したりするロボットとが設けられる。そして、前記上部本体の内部には基板が処理される空間のチャンバが形成され、前記チャンバには基板を加熱するためのヒータが設けられる。
【0005】
前記ボートは、昇降可能に設けられ、基板の処理のために基板を前記上部本体に移送する時は上昇し、処理された基板を前記下部本体に移送する時は下降する。基板が前記上部本体に投入されて処理される時は、前記上部本体は密閉される。
【0006】
このような従来の基板処理装置は、基板処理工程中に発生する異物によって基板が損傷する恐れがある。
【0007】
詳細に説明すれば、前記下部本体の内部には前記ボートや前記ロボットなどのような部品が設けられているため、前記ボートの駆動または前記ロボットの駆動によって発生する異物が前記下部本体の内部に存在する。
【0008】
しかし、従来の基板処理装置は、前記下部本体の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を効果的に外部に排出させるための何らかの手段がないため、前記下部本体の内部に存在する異物によって基板が損傷する恐れがある。これにより、基板処理工程の信頼性が低下するという欠点があった。
【0009】
基板処理装置に関連する先行技術は、韓国特許公開公報第10−2009−0070199号などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許公開公報第10−2009−0070199号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の従来技術の問題を解消するためになされたものであって、本発明の目的は、基板処理装置の下部本体の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を効果的に外部に排出できるように構成し、基板処理工程の信頼性を向上させることができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための、本発明にかかる基板処理装置は、内部に空間が形成された下部本体と、前記下部本体の上面に設けられ、内部には基板が処理される空間のチャンバが形成され、前記下部本体と連通または遮断される上部本体と、前記下部本体の内部に昇降可能に設けられ、前記チャンバを出入りし、複数の基板が積載格納されるボートと、前記下部本体の内部に設けられ、前記下部本体の外部に格納された基板を移送して前記ボートに積載したり、前記ボートに積載された前記基板を前記下部本体の外部に移送するロボットと、前記下部本体に設けられ、前記下部本体の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を前記下部本体の外部にそれぞれ排出する手段とを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる基板処理装置は、下部本体の内部下側部位および内部上側部位にそれぞれ存在する異物が、第1の排出管および第2の排出管を介して下部本体の内部下側部位および内部上側部位を介してそれぞれ排出されるため、下部本体の内部に存在する異物が効果的に外部に排出される。すると、異物によって基板が損傷することが防止されるため、基板処理工程の信頼性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の斜視図である。
図2図1の内部構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述する本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施できる特定の実施形態を例として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、特定の構造および特性は一実施形態に関連し、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲内で他の実施形態で実現可能である。また、各々の開示された実施形態における個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲内で変更可能であることが理解されなければならない。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味ではなく、本発明の範囲は、適切に説明された場合、その請求項が主張するのと均等なすべての範囲と共に添付した請求項によってのみ限定される。図示の実施形態における長さ、面積、厚さおよび形態は、便宜上、誇張して表現されてもよい。
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置を詳細に説明する。
【0017】
以下、基板の処理とは、基板を加熱および冷却する工程、基板上に所定の膜を蒸着するためのすべての工程、基板上に蒸着された膜をアニーリング、結晶化または相変化するためのすべての熱処理工程を含む。そして、基板の材質は特に制限されないが、半導体素子用基板の半導体ウエハ、例えば、シリコンウエハであることが好ましい。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の斜視図であり、図2は、図1の内部構成を示す斜視図である。
【0019】
図示のように、本実施形態にかかる基板処理装置は、下部本体110と、上部本体150とを含む。
【0020】
下部本体110は、内部に空間が形成された略直方体形状に形成され、一側面には基板50が出入りする出入口113が形成される。出入口113が形成された下部本体110の一側面には他の基板処理装置200が結合され、下部本体110の内部は他の基板処理装置200によって密閉される。
【0021】
下部本体110の内部にはボート120とロボット(図示せず)とが設けられる。
【0022】
ボート120は、下部本体110の内部一側に昇降可能に設けられ、複数の基板50が積載格納される。前記ロボットは、下部本体110の内部他側に設けられ、他の基板処理装置200に保管された基板50を移送してボート120に積載したり、ボート120に積載された基板50を他の基板処理装置200に移送したりする。
【0023】
上部本体150は、下部本体110の上側に設けられ、内部には基板50が処理される空間のチャンバが形成される。上部本体150と下部本体110とは選択的に連通または遮断される。詳細に説明すれば、基板50を前記チャンバにローディングするためにボート120が上昇する場合、または基板50を前記チャンバからアンローディングするためにボート120が下降する場合、上部本体150と下部本体110とは連通する。そして、前記チャンバに基板50をローディングした状態で基板50を処理する場合、上部本体150と下部本体110とは遮断される。上部本体150と下部本体110とを連通または遮断させるために、下部本体110の内部上面には開閉板(図示せず)が設置できる。
【0024】
上部本体150の前記チャンバには、基板50の処理に必要なヒータ(図示せず)、ガス供給管(図示せず)およびガス排出管(図示せず)などが設けられる。
【0025】
前記ヒータは、基板50を処理するための熱を発生する。そして、前記ガス供給管は、Ar、N、Hなどのような雰囲気ガスを上部本体150の内部に供給し、前記ガス排出管は、雰囲気ガスを上部本体150の外部に排出する。雰囲気ガスは、基板50の処理時に必要な雰囲気を組成すると同時に、上部本体150の内部の温度を調整する。
【0026】
下部本体110の内部にはボート120や前記ロボットなどが設けられるため、ボート120の駆動または前記ロボットの駆動によって異物が発生する。そして、前記チャンバに流入した雰囲気ガスが下部本体110の内部に流入することがある。すると、ボート120に積載格納された基板50が雰囲気ガスを含む異物によって損傷し得る。
【0027】
本実施形態にかかる基板処理装置は、下部本体110の内部下側部位および内部上側部位に存在する異物を下部本体110の外部に排出する排出手段が用意される。
【0028】
詳細に説明すれば、前記排出手段は、送風機(図示せず)と、フィルタ131と、第1の排出管133および第2の排出管135とを含む。
【0029】
前記送風機は、下部本体110の一側面に設けられ、下部本体110の内部に送風し、フィルタ131は、前記送風機が設けられた下部本体110の内部一側面に設けられ、前記送風機によって送風された空気をフィルタリングする。
【0030】
第1の排出管133は、下部本体110に設けられ、一端部側は下部本体110の内部下側に位置し、他端部側は下部本体110の外部に位置する。そして、第2の排出管133は、下部本体110に設けられ、一端部側は下部本体110の内部上側部位に位置し、他端部側は下部本体110の外側に位置する。
【0031】
すると、下部本体110の内部に存在する異物のうち、下部本体110の内部下側に存在する異物は、第1の排出管133の一端部側に流入して下部本体110の外部に排出され、下部本体110の内部上側に存在する異物は、第2の排出管135の一端部側に流入して下部本体110の外部に排出される。
【0032】
本実施形態にかかる基板処理装置は、下部本体110の内部下側部位および内部上側部位にそれぞれ存在する異物が、下部本体110の内部下側部位および内部上側部位を介してそれぞれ排出されるため、下部本体110の内部に存在する異物が効果的に外部に排出される。
【0033】
そして、ボート120に複数の基板50が積載格納された状態で下部本体110の一側を介してのみ異物が外部に排出されれば、相対的に基板50の干渉を多く受ける。しかし、本実施形態にかかる基板処理装置は、下部本体110の内部下側部位および内部上側部位を介して異物が外部に排出されるため、相対的に基板50の干渉をより少なく受けながら、下部本体110の内部に存在する異物が外部に排出される。
【0034】
第1の排出管133の他端部側および第2の排出管135の他端部側は、下部本体110の上面外側に位置し、相互連通してもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態に関する図面は、詳細な輪郭ラインを省略し、本発明の技術思想に属する部分が分かりやすいように概略的に示したものである。また、上記の実施形態は、本発明の技術思想を限定する基準とはなり得ず、本発明の請求の範囲に含まれた技術事項を理解するための参照的な事項に過ぎない。
【符号の説明】
【0036】
110:下部本体
120:ボート
131:フィルタ
133:第1の排出管
133:第2の排出管
150:上部本体
図1
図2