(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
図1は、本発明の一実施の形態に係わる放射線撮影システム(以下、X線撮影システムと呼ぶ)の構成の一例を示す図である。
【0010】
X線撮影システムでは、X線撮影制御装置1と、RIS(放射線部門内情報システム)12と、PACS(画像サーバ)13と、放射線撮影の進捗を管理するHIS(院内情報システム)11とが接続されている。HIS11には、会計情報を管理するサーバを含んでいても良い。X線撮影が必要と判断されると、HIS(Hospital Information System)端末より検査指示を入力し、依頼先である放射線部門に伝達する。この依頼情報を検査オーダといい、この検査オーダには依頼元の部門名や、検査項目、患者の個人データなどが含まれる。放射線部門はRIS(Radiology Information System)にて検査オーダを受信すると、撮影条件などを付加し、X線検査システムへ転送する。X線検査システムでは受信した検査オーダに従ってX線撮影を実施する。撮影された画像は検査情報に付与し、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)への転送やプリント出力が行われる。また、X線検査システムでの検査の実施情報は、HISへ転送される。HISへ転送された実施情報は、検査の進捗管理以外に、検査後の会計処理にも用いられる。
【0011】
これら各装置間は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等で構成されるネットワーク15を介して接続される。なお、これら各装置には、1又は複数のコンピュータが含まれる。コンピュータには、例えば、CPU等の主制御手段、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶手段が具備される。また、コンピュータには、ネットワークカード等の通信手段、キーボード、ディスプレイ又はタッチパネル等の入出力手段等、が具備されていてもよい。これら各構成手段は、バス等により接続され、主制御手段が記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで制御される。
【0012】
ここで、X線撮影制御装置1は、撮影装置表示部2と、撮影装置操作部3と、X線発生装置制御部4と、撮影装置制御部5と、表示制御部16と、受信部17及び送信部18を含む通信部20と、画像取得部21とを有する。
【0013】
X線発生装置制御部4は、ケーブルを介してX線発生部8bに接続されており、当該X線発生部8bからのX線の照射を制御する。ここで、X線発生部8bは、放射線発生部として機能する。X線発生部8bは、例えば、X線管球により実現され、被写体(例えば、患者の特定部位)に向けてX線を照射する。
【0014】
撮影装置操作部3は、X線撮影制御装置1における処理を統括制御する。撮影装置表示部2は、例えば、液晶ディスプレイ等で実現され、各種情報をオペレータ(撮影技師、医師)に向けて表示する。撮影装置操作部3は、例えば、マウスや操作ボタン等で実現され、オペレータからの各種指示を装置内に入力する。なお、撮影装置表示部2及び撮影装置操作部3は、それらが一体となったタッチパネルで実現されてもよい。
【0015】
X線撮影制御装置1は、ケーブル10を介してX線検出器7bに接続されており、当該ケーブル10により両者の間では、電源、画像信号や制御信号等が授受される。X線検出器7bは、被写体を透過したX線を検出し、当該被写体に基づくX線画像(放射線画像)を取得する検出器として機能する。すなわち、X線発生部8b及びX線検出器7bが連携して動作することによりX線撮影部が実現される。なお、X線検出器7bは、立位または臥位の撮影台6bに設置されている。
【0016】
かかる放射線撮影システムにおいて、通信部20の受信部17は、RIS12から放射線撮影のオーダ情報を1または複数受信する。オーダ情報には、例えば被検者情報と当該被検者についての1または複数の撮影部位が含まれる。
【0017】
撮影装置制御部5は、受信したオーダ情報のうち少なくとも1つに対応する放射線撮影の開始を指示する指示部として機能する。ここで、開始の指示はたとえば撮影装置操作部3がユーザの入力を受けて指示される。あるいは、撮影装置制御部5が撮影すべきオーダ情報を選択して撮影の開始を指示することとしてもよい。
【0018】
この撮影開始の指示に応じて、送信部18はHIS11に対して当該オーダ情報についての放射線撮影を開始したことを示す情報(第一の信号)を送信する。これによりHIS11では当該オーダについてのステータスを変更し、検査が開始されたことを示すステータスとする。その後、当該オーダ情報に対応する全ての放射線撮影が終了し、ユーザが撮影装置操作部3を介してオーダの完了を確認する入力を行うと、送信部18は該オーダ情報について放射線撮影が終了したことを示す情報(第二の信号)をHIS11に送信する。これにより、HIS11は当該オーダについてのステータスを変更し、検査が終了したことを示すステータスとする。
【0019】
ここで、終了済みの検査について更に再開し、追加の撮影を行いたい場合がある。そのような場合には、完了したオーダ情報について、放射線撮影を再開する旨の指示を行い、RIS12からのオーダによらない放射線撮影を実行させることができる。かかる指示は、新規の放射線撮影の開始の指示と同様に例えば撮影装置操作部3が受け付けたユーザからの操作入力を受けて撮影装置制御部5が行う。ここで再開される放射線撮影には、既に撮影済みの放射線画像と同一の撮影条件で再度撮影する場合と、異なる撮影条件で行われる放射線撮影とを含む。
【0020】
新規の放射線撮影であれば送信部18はHIS11に放射線撮影を開始したことを示す情報(第一の信号)が送信されるが、検査の再開の場合には、一度HISへ検査終了を通知した検査に対してはその後の再検査開始、撮影の追加が認められていない。またRIS12から発行されたオーダにより要求された放射線撮影とは異なる放射線撮影であるため、HIS11上でエラーとなる可能性がある。そこで、撮影制御部5は係る第一の信号の送信を送信させないようにする。例えば、撮影装置制御部5は指示部により開始が指示されたオーダ情報が、新規オーダであるか、放射線撮影がいったん終了された後に再開されたオーダであるか否かを判定する。かかる判定は、例えばいったん終了されたオーダ情報について付加される情報により判定することができる。かかる情報は終了のタイミングで終了されたことを示す情報を撮影装置制御部5が付加する。撮影装置制御部5は判定に応じて当該オーダ情報について放射線撮影を開始したことを示す第一の信号の外部の装置への送信を制限する。
【0021】
このようにすることで、RIS12からのオーダを受信して撮影を行う放射線撮影装置においても、撮影者の判断によりRIS12からのオーダによらない撮影を可能としつつ、HIS11とのデータ上の齟齬を減らすことができる。
【0022】
再開、新規に関わらず、オーダ情報に対応する撮影条件に応じて撮影装置制御部5はX線発生装置制御部4に放射線の発生を指示する。放射線検出器7bで発生された放射線を検出し放射線画像を生成する。生成された放射線画像は画像取得部21が取得し、表示制御部16により撮影装置表示部2に表示される。
【0023】
再開されたオーダ情報に対応する追加の放射線撮影については、撮影制御部5はその完了後に得られた放射線画像に再開されたオーダに関する情報を付加し、送信部18によりPACS13に送信される。
【0024】
以上がX線撮影システムの構成の一例についての説明である。なお、
図1に示す構成は、あくまで一例であり、適宜変更できる。例えば、
図1では、X線撮影制御装置1に対してネットワーク15を介して各種装置が接続されているが、必ずしもX線撮影制御装置1は、このような装置と接続される必要はない。また、このネットワーク15は有線で構成されていても、一部が無線信号伝送路で構成されていても良い。
【0025】
ここで、
図1に示すX線撮影システムにおいて、検査の流れに沿ってX線画像を撮影する際の処理の流れについて説明する。
【0026】
まず、検査依頼書またはRIS12からの検査依頼によりX線撮影制御装置1に対して患者情報および検査情報を入力する。患者情報は、患者名、患者IDなどを含み、検査情報は、患者に対して実施する撮影の内容を規定した撮影情報を含む。
【0027】
X線撮影制御装置1は、撮影装置表示部2において、表示制御部16の制御により、
図2に示す新規検査入力画面を表示する。新規検査入力画面は、
図2(a)に示すように、患者情報入力領域101と、患者情報確定ボタン102と、依頼検査リスト103と、患者情報表示領域104と、撮影情報表示領域105と、撮影情報入力ボタン106と、検査開始ボタン107とを含んで構成される。
【0028】
依頼検査リスト103(第一のリスト)には、RIS12より受信した検査が並べられ一覧表示される。依頼検査リスト103よりいずれかの検査を選択すると、
図2(b)に示すように、患者情報表示領域104には、当該選択された患者に対応する患者情報(患者ID、患者名、生年月日等)が表示される。また、撮影情報表示領域105には、検査IDが表示され、その直ぐ下の領域には、当該検査IDに対応する撮影情報が表示される。撮影情報は、上述した通り、RIS12から受信する。
図2の場合、撮影情報に対応した撮影方法ボタン(胸部正面ボタン109a、胸部側面ボタン109b)109が配されている。撮影情報入力ボタン106を押下に伴って、
図2(c)に示すように撮影情報入力領域108を表示し、さらに撮影方法を追加することもできる。
図2(c)では、撮影情報入力領域108に複数の撮影方法選択ボタン114が表示されており、これを選択することで撮影方法を追加できる。追加された撮影方法は撮影情報表示領域105に胸部正面ボタン109a、胸部側面ボタン109bに並べて表示される。
【0029】
オペレータは、患者情報及び撮影情報を確認した後、検査開始ボタン107を押下する。これにより、実施する検査が確定する。
【0030】
ここで、X線撮影制御装置1は、撮影装置制御部5において、新規検査を実施する場合にHIS11に対して検査が開始されたことを通知する。なお、HIS11は検査開始通知を受けて、検査オーダの進捗情報を更新する。
【0031】
図3(a)には、依頼検査リスト103(第一のリスト)に表示されたオーダー情報のうち、放射線撮影が完了したオーダー情報が並べられた過去検査リスト302(第二のリスト)が表示される過去検査表示画面301の実施形態の1例を示す。かかる過去検査リスト302は、撮影装置操作部3からの操作に応じて表示制御部16が撮影装置表示部2に表示させる。過去検査リスト302には、依頼検査リスト103と同様に検査ID、患者(被検者)ID、患者(被検者)名、性別、生年月日の情報が1行に表示され、複数の終了済みオーダ情報がある場合には複数行に並べられて表示される。検査再開ボタン303は終了済みオーダ情報から再度放射線撮影を開始するオーダ情報を選択するためのボタンである。撮影装置操作部3のマウスデバイスやタッチパネルを介して再開させるオーダ情報が選択され、検査再開ボタン303が押下されると、かかる撮影装置制御部5が第二のリストに並べられたオーダ情報から放射線撮影を再開するオーダ情報を選択する。再開させるオーダ情報として選択されたことに応じて、表示制御部16は再度
図2に示す依頼検査リスト(第一のリスト)103を表示させるとともに、依頼検査リスト103に選択されたオーダ情報を表示させる。例えば、依頼検査リスト103の末尾に追加される。
【0032】
撮影装置操作部3により依頼検査リスト103に追加された、再開されたオーダ情報を選択する入力がされると、指示部を構成する撮影装置制御部5は当該検査の再開を指示し、撮影装置表示部2の表示を撮影画面へと遷移させる。
【0033】
この画面遷移のタイミングで、送信部18は、依頼検査リスト103(第一のリスト)に並べられたオーダ情報でありかつ検査終了を示す情報(第二の信号)がHIS11に送信されていないオーダ情報についての検査の開始が指示された場合には、検査が開始されたことを示す情報(第一の信号)をHIS11に送信する。さらにここで、送信部18は、依頼検査リスト103(第一のリスト)に並べられたオーダ情報でありかつ検査終了を示す情報(第二の信号)がHIS11に送信されていないオーダ情報について、検査の開始が指示された場合には、検査を開始したことを示す情報(第一の信号)をHIS11に送信しない。このように、再開した検査と新規の検査との違いに関わらず、選択に応じて撮影画面に遷移させつつ、再開した検査と新規の検査とで内部処理を変更し、HIS11とのデータ上の齟齬を避けることができる。
【0034】
ここで、表示制御部16は放射線撮影が終了したオーダ情報についても依頼検査リスト103(第一のリスト)に表示させるとすれば、再検査を容易にすることができる。なお、依頼検査リスト103には表示させないが、依頼検査リスト103が表示される
図2に示す新規検査入力画面に過去検査リストを表示することとすれば、同様に再検査を容易にすることができる。
【0035】
一方で、終了済みの検査と非実施の検査との見分けがつきにくくなり、検査者による誤操作の可能性が高くなる場合もある。そこで、表示制御部16は送信部18により第二の信号が送信されることに応じて、対応するオーダ情報を依頼検査リスト103から第一のリストから削除し過去検査リスト301(第二のリスト)へと移動させることができる。
【0036】
放射線撮影が終了したオーダ情報を依頼検査リスト103から削除し過去検査リスト301に移動させるか否かを設定することができる。かかる設定は撮影装置操作部3からの操作入力に応じて撮影装置制御部5により行われる。これにより、ユーザが所望の形態でオーダ情報を管理することができる。
【0037】
再検査の場合は、X線撮影制御装置1は、検査開始を通知せず、再撮影情報を蓄積する。再撮影情報は
図3のようなテーブルとしてデータベースに保存される。再撮影情報には検査を特定する検査IDや、患者を特定する患者IDや、検査の内容を表す撮影枚数やフィルム枚数などが含まれる。
【0038】
検査開始ボタン107の押下に伴って、X線撮影制御装置1は、撮影装置表示部2において、
図4に示す撮影画面を表示する。撮影画面は、撮影時に用いられる画面である。
【0039】
撮影画面は、基本的には、
図2で説明した新規検査入力画面と同様の表示領域を有して構成される。新たに追加される表示領域としては、
図4に示すように、画像表示領域110と、メッセージ領域111と、画像処理設定領域112と、検査終了ボタン113とが挙げられる。
【0040】
撮影画面が表示されると、撮影情報表示領域105内で最も上部に配された撮影方法ボタン109aがデフォルトで選択状態になっている。これに伴って、X線撮影制御装置1は、撮影装置制御部5において、当該撮影方法ボタン(撮影方法)に対応して設定された撮影条件(管電圧、管電流、照射時間等)をX線発生装置制御部4に向けて送信する。すると、撮影装置制御部5は、当該撮影条件に従ってX線検出器7bを制御して撮影の準備を整える。
【0041】
準備が整うと、X線撮影制御装置1は、撮影可能状態へ遷移する。このとき、メッセージ領域111には、撮影可能状態であることを示す「Readyメッセージ」が表示される。
【0042】
続いて、オペレータは、撮影方法を確認し、撮影のセッティング及び患者のポジショニングを行なう。一連の撮影準備が完了すると、オペレータは、メッセージ領域111を参照して撮影可能状態であることを確認した後、X線照射スイッチ(不図示)を押下する。すると、X線撮影制御装置1は、X線発生部8bにおいて、被写体(患者の特定部位)に向けてX線を照射させ、X線検出器7bにおいて、当該被写体を透過したX線を検出させる。これにより、X線画像の撮影が行なわれる。
【0043】
撮影が済むと、X線撮影制御装置1は、撮影装置制御部5において、X線検出器7bから撮影画像を取得するとともに、当該取得した撮影画像に対して所定の画像処理条件に基づいて画像処理を実施する。所定の画像処理条件は、撮影方法に対応して予め規定されている。
【0044】
画像処理が終了すると、X線撮影制御装置1は、当該画像処理された撮影画像を撮影画像表示領域110に表示する。オペレータは、例えば、当該撮影画像のコントラスト等を変更したい場合、画像処理設定領域112に設けられたコントラストや輝度等のボタンを操作する。これにより、オペレータは、当該撮影画像表示領域110に表示された撮影画像に対して追加の画像処理を実施できる。なお、オペレータが、未撮影の撮影方法ボタン109を押下した場合には、当該画像の撮影条件、画像処理条件を保存し、次の撮影が始まる。
【0045】
オペレータは、上述した手順を繰り返して撮影情報表示領域105内の全撮影方法の撮影を実施する。全ての撮影が終了すると、オペレータは、検査終了ボタン113を押下する。これにより、一連の検査が終了し、X線撮影制御装置1は、再度、検索条件入力画面を表示する。このとき、X線撮影制御装置1は、撮影装置制御部5において、撮影画像や検査情報等を、例えば、PACS13、プリンタ14、自装置におけるROM等に出力する。なお、RIS12やROM等においては、当該撮影画像と患者情報とを関連付けて格納する。
【0046】
また、X線撮影制御装置1は、撮影装置制御部5において、新規検査の場合は、HIS11に検査が終了したことを通知する。なお、HIS11は検査終了通知を受けて、検査オーダの進捗情報を更新する。再検査の場合、再撮影情報を更新し、HIS11へ通知する。
【0047】
また、終了した検査は依頼検査リスト103における検査状況欄が「検査済」となる。
【0048】
次に、
図5に示すフローチャートを用いて、本実施の形態におけるX線撮影システムの検査開始時の動作について具体的に説明する。
【0049】
ステップS301で撮影装置制御部5は検査開始指示を受ける。ステップS302では開始指示を受けた検査が新規検査であるかを確認する。新規検査であった場合、ステップS303において、撮影装置制御部5はHIS11へ検査開始通知を行う。再検査であった場合、ステップS304にて、撮影装置制御部5は再検査情報をデータベースに保存する。
【0050】
次に、
図6に示すフローチャートを用いて、本実施の形態におけるX線撮影システムの検査終了時の動作について具体的に説明する。
【0051】
ステップS311で撮影装置制御部5は検査終了指示を受ける。ステップS312では終了指示を受けた検査が新規検査であるかを確認する。新規検査であった場合、ステップS313において、撮影装置制御部5はHIS11へ検査終了通知を行う。再検査であった場合、ステップS314にて、撮影装置制御部5は再検査情報をHIS11へ送信する。ステップS315で撮影装置制御部5はPACS13へ撮影画像を出力する。このとき、再検査で撮影された画像には、例えば画像ヘッダなどに再検査情報が補足情報として付与された画像が出力される。
【0052】
[実施例2]
次に、実施形態2について説明する。実施形態1においては、検査の実施実績に応じて実施情報通知方法を切り替える例を説明した。これに対して、実施形態2においては、再検査を開始する際にその目的を選択させ、選択結果に応じて実施情報通知方法を切り替える場合について説明する。
【0053】
図2に示される新規検査入力画面にて、依頼検査リスト103から検査済の検査の検査開始が指示されたとする。撮影装置制御部5は、
図7に示す再検査目的を確認するダイアログを表示する。追加撮影ボタン131は、検査済の検査に撮影を追加する場合に追加撮影の指示をするボタンである。再撮影ボタン132は、検査済の検査の撮影を写損とし、撮影をやりなおす再撮影を指示するボタンである。ここでの再検査目的は、再検査が終了するまで撮影装置制御部5が保持する。
【0054】
次に撮影装置制御部5は撮影装置表示部2に撮影画面を表示し、X線撮影制御装置1は、撮影可能状態へ遷移する。
【0055】
次に、
図8に示すフローチャートを用いて、本実施の形態におけるX線撮影システムの検査開始時の動作について具体的に説明する。
【0056】
ステップS301、ステップS303は実施形態1と同様であるので説明を省略する。ステップS302において再検査に対する指示と判定された場合、ステップS305で再検査目的確認ダイアログを表示する。ステップS306では再検査目的を確認する。再検査目的が追加撮影であれば、ステップS307においてHIS11に追加撮影開始を通知する。再検査目的が再撮影であれば、ステップS304にて、撮影装置制御部5は再検査情報をデータベースに保存する。さらにステップS308で、再検査となった検査の画像を写損とする。
【0057】
次に、
図9に示すフローチャートを用いて、本実施の形態におけるX線撮影システムの検査終了時の動作について具体的に説明する。
【0058】
ステップS311、ステップS313は実施形態1と同様であるので説明を省略する。ステップS312において再検査に対する指示と判定された場合、ステップS316で検査開始時に保持した再検査目的を確認する。追加撮影の場合、ステップS317でHIS11へ追加撮影終了を通知する。再撮影の場合、撮影装置制御部5は再検査情報をHIS11へ送信する。なお、再検査情報を受信したHIS11は再検査情報より再検査が行われた検査を特定し、会計情報を更新する。ステップS315では、再検査での撮影画像をPACS13、プリンタ14へ出力する。ともに、ステップS308で写損とした撮影画像に対し写損情報を付与したうえでPACS13へ出力する。
【0059】
[実施例3]
本発明の第3の実施例を以下説明する。実施例3のシステム構成は
図1に示すものと同様であるため説明を省略する。また、上述の実施例とは異なる点について主に説明する。
【0060】
図10のフローチャートに従い本実施例に係るX線撮影制御装置1による処理の流れを説明する。
図10では、
図2(b)に示す検査の選択画面が撮影装置表示部2に表示され、撮影装置操作部3からの操作入力により検査開始ボタン107が押下された場合の処理を説明する。
【0061】
ステップS1001で撮影装置制御部5は検査開始ボタン107が押下されたことを判定する。これに応じて撮影装置制御部5は検査の開始が指示されたこと認識し、検査開始指示があったことを示す情報をメモリに格納する。
ステップS1002で撮影装置制御部5は検査ボタン107が押下されたときに選択されている検査が、未完了の検査であるか検査済みの検査であるかを判定する。ここで新規の検査とは、送信部18がHIS11に対してMPPS(Modality Performed Procedure Step)の仕様に基づき検査が終了したことを示す通知を送信していない検査を指す。または送信部18が検査終了通知を送信したが、HIS11からその受領通知を受信部17で受信していない検査を指す。検査開始の通知が行われているか否かは判定対象とはならない。また検査済みの検査とは、MPPSの仕様に基づき検査が終了したことを示す通知を送信し、HISからその受領通知を受信部17で受信した検査を指す。撮影装置制御部5のメモリに上述の終了通知の送信が完了したか否かを示すフラグ情報を記憶させておき、かかる情報を参照することにより未完了検査か否かが判定される。
【0062】
ステップS1003で撮影装置制御部5は選択されている検査がRIS12から発行された撮影オーダに対応する検査であるか、あるいはX線撮影装置制御部5側で発行した撮影オーダに対応する検査であるかを判定する。例えば、
図2(a)や(b)に示す患者情報入力領域101で入力され、患者情報確定ボタン102が押下されることにより生成された撮影オーダである場合には、RIS12から発行された撮影オーダに対応する検査ではないと判定する。発行元の判定には例えば検査ID(StudyInstanceUID)が用いられる。
図2(a)や(b)に示す検査画面に表示されているように、検査IDがOで始まるものはRIS12から受信した撮影オーダ(検査)、Mで始まるものはX線撮影装置制御部5(モダリティ)側で発行された撮影オーダであると判定する。
【0063】
逆に、RIS12から受信部17が受信した撮影オーダに対応する検査である場合には、ステップS1003の判定はYesとなりステップS1004に進む。
【0064】
ステップS1035で撮影装置制御部5は選択されている検査について検査が開始されたことを示す通知がHIS11に送信されているか否かを判定する。これについても、HIS11への開始通知が完了することに応じて撮影装置制御部5のメモリに完了フラグ情報を格納しておき、この情報を参照することにより判定する。検査開始通知が送信されていない場合にはステップS1004に進む。
【0065】
S1004で送信部18は、検査開始通知が送信されていないRISオーダに応じた検査についてMPPSの仕様に基づき検査開始通知をHIS11に送信する。なお、ここで送信先はRIS12でも良く、あるいはHIS11とRIS12が一体型となったシステムを採用している場合には当該一体型となった装置に対して送信する。送信先は導入先のシステムに応じて適宜設定される。
【0066】
ここでステップS1035で検査開始通知が送信済みと判定された場合には、再度の検査開始通知が制限されることとなる。かかる制御は撮影装置制御部5がステップS1035の処理を実行することにより実現される。
【0067】
ステップS1005で表示制御部16は選択された検査に対応する検査画面を撮影装置表示部2に表示させる。検査開始画面は、例えば
図4のような画面である。なお、検査開始時で関連する撮影済み画像が存在しない場合には、
図4左側の画像表示領域にはX線画像が表示されないこととなる。
【0068】
なお、モダリティで発行された検査の場合には、検査対象の部位が定まっていない場合もあるため、この場合には例えば
図2(c)に示すような撮影方法一覧表示画面を表示させた後に検査画面を表示させるよう表示制御部16が表示制御を行うこととする。
【0069】
ステップS1002で未完了の検査でないと判定された場合にはステップS1006に進む。ステップS1006で表示制御部16は撮影装置表示部2に確認用のダイアログの表示を行う。例えば確認用のダイアログは
図7に示すようなウィンドウであり、「検査の目的を選択する」旨の指示を表示するとともに、追加撮影ボタン131、再撮影ボタン132が表示される。
【0070】
なお
図7に示すようにキャンセルボタンを表示させた場合には、その押下に応じて検査の開始がキャンセルされ、表示制御部16により
図2(a)または
図2(b)の表示が維持される。
【0071】
ステップS1006に進んだ場合、選択されている検査は一旦完了済みの検査である。かかる一旦完了済みの検査を選択して検査を開始(再開)しようとする意図には少なくとも2つの状況が考えられる。
【0072】
第1の状況とは、撮影済み画像による当初想定していた診断に加えて、追加の診断を行う必要が生じ、追加の撮影が必要となった場合である。この場合には、新たな撮影を行うとともに当該追加の撮影について新たな会計処理が必要となる。これは追加の診断に対応して追加の費用請求が可能となるためである。よってこの場合、HIS11への実施情報の通知が必要となる。
【0073】
第2の状況とは、一旦検査を完了したが診断には適さないX線画像であった場合に再撮影を要するという場合である。この場合には、新たな撮影を行う必要はあるが、HIS11に実施情報を通知して新たな会計処理が発生する撮影には該当しない。この場合にはX線撮影が行われ画像がPACSに送信されるが、新たな撮影オーダの発行による費用請求には適さないため、HIS11による新たな会計処理は不要若しくは禁止される方が良い場合がある。
【0074】
これら2つの場合に対応して、ステップS1007以下の処理が行われることとなる。
【0075】
ステップS1007で撮影装置制御部5は検査の再開が指示されたか否かを判定する。ここで上述の通り、確認用のダイアログに表示された追加撮影ボタン131が撮影装置操作部3に対する操作入力により押下された場合には、追加検査が指示されたと判定する。これは上述の第1の状況であることを判定する処理に対応する。この場合、ステップS1008の処理に進む。
【0076】
ステップS1008で撮影装置制御部5は追加検査に対応する新たな検査情報を生成する。この新たな検査情報は、検査開始指示がされたときに選択されていた完了済みの検査とは異なる検査IDが関連付けられる。また、モダリティ側で発行された検査であるためMから始まる検査IDが生成されることとなる。この新たな検査情報は撮影装置制御部5のメモリに格納される。ステップS1008の終了後、ステップS1005に進み、表示制御部16により当該新たに生成された検査情報に対応する検査画面が表示されることとなる。
【0077】
また、ステップS1007で、確認用のダイアログに表示された再撮影ボタン132が撮影装置操作部3に対する操作入力により押下された場合に、撮影装置制御部5は検査の再開が指示されたと判定する。これは現在上述の第2の状況にあることを判定する処理に対応する。この場合、ステップS1009の処理に進む。以下の処理では、診断に適さないX線画像があると想定されるため、当該X線画像を写損として設定するとともに、当該写損となったX線画像の撮影条件に基づくあらたな撮影情報(プロトコル)を発行する処理が行われる。
【0078】
ステップS1009で撮影装置制御部5は、選択されている完了済みの検査について、検査が再開されたことを示す情報を当該完了済みの検査に関連付け、メモリに保存する。以下、当該検査の検査IDをO006として話を進める。
【0079】
ステップS1010で撮影装置制御部5は、選択されている完了済みの検査IDに対応する撮影画像が1枚のみか、複数あるかを判定する。当該判定は、検査IDがO006に対応する検査に関連付けられたX線画像の数により判定する。画像が1枚のみと判定された場合にはステップS1011に進む。なおここでX線画像の数としては、写損つまり失敗撮影として判定されたX線画像を含まない数とすることができる。
【0080】
ステップS1011で撮影装置制御部5は当該検査IDに関連付けられた1枚のX線が像を指定する。ステップS1012で撮影装置制御部5は当該指定されたX線画像について写損であることを示す情報を関連付け、メモリに保存する。ステップS1013で撮影装置制御部5は写損としたX線画像の撮影条件に基づいて新たな撮影情報(プロトコル)を発行する。このプロトコルには、撮影方法、撮影部位、撮影方向の情報を少なくとも含むほか、付加的な情報を含ませることができる。発行したプロトコル情報はメモリに格納される。
【0081】
ステップS1010で検査IDがO006の検査に複数の画像が関連付けられていると判定された場合、ステップS1014に進み、表示制御部16は検査IDO006に関連付けられたX線画像データのリストを表示する。かかるリストでは、X線画像データのサムネイル画像と、各画像に関連する撮影情報が表示される。撮影装置操作部3からの操作入力に応じて写損とするX線画像を1枚または複数枚指定する。その後、指定されたX線画像について、S1012、S1013の処理が上述の通り行われ、対応するプロトコルが発行される。
【0082】
ここで、上述の第1の状況の場合、モダリティで検査が発行される場合には、対応する検査がRIS12により発行される可能性があるため、検査開始の時点ではMPPSに基づく検査開始通知を出力しない制御が撮影装置制御部5によりなされることとなる。
【0083】
また、上述の第2の状況の場合、終了済みの検査が再開される場合には、HIS11側への通知を行わず検査を開始するよう、撮影装置制御部5により制御される。これにより、MPPSに基づく通知に対応する会計処理がHIS11で実行されることがなくなる。また、一旦完了した検査に対応するMPPSの検査開始処理が発行されることによるエラーを減らすことができる。
【0084】
[実施例4]
上述の実施例3では、ある検査に関連して追加の検査が必要となった場合、IHEフレームワーク及び会計処理の点から新たな検査オーダが発行される。この場合、各検査で別々の検査ID(StudyInstanceUID)が振られているため、PACS側では別々の検査として扱われることとなり、診断が煩雑になる恐れがある。そこで検査同士の関連性を示す関連情報を当該追加の検査に付与し、PACS側で複数の検査の参照を容易にする。
【0085】
図11及び
図12に基づき本発明の第四の実施例を説明する。なおシステム構成は
図1に示すものと同様であるため説明を省略する。
図11は例えば
図10のステップS1008による新規検査の情報の作成における処理の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
ステップS1101で撮影装置制御部5は追加の検査に対応する新たな検査ID(StudyInstanceUID)を生成する。当該検査IDは当該撮影装置制御部5が制御するモダリティを示す文字Mに例えば3桁のユニークな数字を付した検査IDとする。ここでは生成された検査IDをM001とする。
【0087】
ステップS1102で撮影装置制御部5はM001の検査と関連づける他の検査があるか否かを判定する。ここで例えば、
図10で説明した処理S1001においてO006の検査が選択された状態で検査開始が指示されるものである場合には、撮影装置制御部5は当該O006の検査を関連する検査として判定する。関連する検査がない場合としては、例えば
図2(a)に示す患者入力画面に対する入力により新たに検査を発行した場合には、関連する検査がないと判定される。例えばここで、上述の通り関連する検査があると判定された場合に、当該M001の検査とO006の検査とを関連付けてよいかの承認を受けるためのGUIや、あるいはO006以外の検査の一覧を表示させ、M001と関連付ける検査を選択するためのGUIを表示制御部16により表示させることすれば、より確実に関連検査を設定することができる。また撮影装置制御部5は当該GUIを表示させるか否かを設定し当該設定情報をメモリに記憶させるとともに、表示制御部16は当該設定情報を参照してGUIの表示のオンオフを切り替えることとすれば、必要に応じてユーザの操作負担を軽減することができる。
【0088】
ステップS1102で関連検査があると判定された場合にはステップS1103に進み、あると判定されなかった場合にはステップS1107に進む。
【0089】
ステップS1103で関連検査があると判定された場合には、撮影装置制御部5は当該関連検査の検査ID(StudyInstanceUID)をメモリから取得する。
【0090】
ステップS1104で撮影装置制御部5は検査情報を生成する。ここで検査情報は、例えば被検者である患者のIDや患者名等の患者情報、撮影数や撮影部位等の撮影情報、画像処理、フィルム出力をするか否かといった出力形式などの情報を含むものである。ステップS1105で撮影装置制御部5は生成した検査情報にステップS1103で取得された検査IDの情報を検査情報に関連付ける。具体的には生成された検査情報に関連検査情報として検査IDを含める。
【0091】
ステップS1106で撮影装置制御部5は関連検査情報を含む検査情報をメモリに記憶させる。
【0092】
一方でステップS1107に進んだ場合は、関連検査がない場合であり、ステップS1104と同様に撮影装置制御部5が検査情報を生成する。以上で新規検査の情報を作成する処理を終了する。
【0093】
なお上述の関連検査の情報を関連付ける処理は、新規の検査情報を生成したときに限らず、撮影時や画像をPACS13に出力する際に行うこととしてもよい。
【0094】
図12に基づいて、撮影画像をPACS13に出力する際の処理を説明する。この撮影画像は、上述した
図11の処理に基づき生成された検査情報に対応した撮影により得られたものとする。
【0095】
ステップS1201で撮影装置制御部5は、検査情報を参照してX線画像に検査IDを関連付ける。具体的にはDICOM画像のヘッダー部に当該関連する検査IDを埋め込む。
【0096】
ステップS1202で撮影装置制御部5は検査情報を参照して関連検査のIDが関連付けられているかを判定する。関連検査のIDが関連付けられていた場合にはステップS1203に進む。ステップS1203で撮影装置制御部5は、関連する検査の情報をX線画像に関連付ける。具体的にはDICOM画像のヘッダー部に当該関連する検査IDを埋め込む。ステップS1202で関連検査がないと判定された場合には、関連検査のIDの関連付け処理は行われない。
【0097】
ステップS1204で送信部18はX線画像をPACS13に対して送信する。
【0098】
以上の処理により、PACS13側で関連検査の情報を参照した処理を実行することにより、ユーザは複数の検査の参照が容易になる。例えばPACS13はX線画像に関連付けられた関連検査の情報を参照して、関連検査と本検査のいずれか一方が選択された場合には他方を枠囲みや表示色変更をして表示形態を変更し、複数の検査が関連することを分かりやすく表示部に表示させる。または関連検査と本検査を並べて表示させることとし、複数の検査をまとめて参照しやすくする。
【0099】
なお、ステップS1201−S1203の処理は、撮影画像の出力指示があった後ではなく、X線画像が撮影されDICOMフォーマットの画像が生成されるタイミングで行うこととしてもよい。
【0100】
その他、本実施例では関連検査情報として検査IDを一方の検査に関連付けることとしたが実施形態はこれに限らない。例えば1の検査と他の検査に共通な検査グループのIDを関連付けて保存し、当該検査グループのIDを利用することによっても、同様の目的が達成される。
【0101】
[実施例5]
本実施例では、再開された検査については、実施情報のうち一部の情報のみ外部の装置に送信し、一部の情報のみ送信しない例を説明する。例えばMPPSで定められる実施情報には線量値情報を含めることができるとされており、HIS側で各患者の線量を管理する場合には会計処理の如何に関わらず線量値情報は受信することが望ましいため、これに対応する処理を行うものである。
【0102】
図13に基づいてHIS11に送信する線量情報1300のフォーマット例を示す。線量情報には例えば、線量リスト1301、患者名等の被検者名1302、合計線量値情報1303を有する。線量リスト1301は撮影に用いた「モダリティ」、検査単位を示す「検査」あるいは検査ID、静止画や透視等の撮影単位を示す「撮影」、REX(Reached Exposure Index)値やEI(Exposure Index)値で表わされる「線量値」、撮影オーダの「発行元」、「費用請求」をするか否か、の情報がそれぞれリストとして保持される。
【0103】
図13の例ではモダリティは「DX」(静止画撮影モダリティ、)検査単位は「1」または「2」、撮影は「A」−「F」、発行元は「RIS」または「モダリティ」、費用請求があることを示す「C」及びないことを示す無印、でそれぞれ表わされている。当該リストにより、撮影枚数と、どの撮影でどれだけの線量が照射されたのかを把握することができる。また、RIS12で発行されたオーダか、あるいは撮影装置(モダリティ)側で発行されたオーダかを把握することができる。
【0104】
合計線量値情報1303には、例えば合計の線量値がどの程度であったかを示す合計線量値レンジと、各検査での合計線量値レンジの情報が含まれる。もちろんいずれか一方でも良い。ここで線量値の合計をそのまま含めることとしてもよい。被検者に提示する観点で言えば、どの程度の値であったのかを、例えば1−10、10−100、100−1000といったEI値のレンジで表示させることにより、分かりやすい情報とすることができる。またこのほか、EI値の偏差値であるDI値を含めることで、標準的な線量値との差を提示することができる。その他、EI値の目標値を表示させる事も有用である。
【0105】
線量情報1300は、撮影が行われ線量値が特定されるたびに適宜更新され、更新後の線量情報がメモリに保存される。
【0106】
図14のフローチャートに基づいて実施情報の送信についての処理の流れを説明する。
図14の処理は、例えば
図4の検査終了ボタン113が押下され検査終了が指示された際の処理の流れを示している。
【0107】
ステップS1401で
図4の検査終了ボタン113が押下されたことを撮影装置制御部5が検知し、検査終了が指示される。ステップS1402で撮影装置制御部5は終了される検査が新規検査であるか否かを判定する。ここでの判定は
図10のステップS1002と同様に、既に検査終了通知がHIS11に送信された検査か否かで判定する。新規検査と判定された場合にはステップS1403に進み、既に終了通知が送信済みの検査である場合にはステップS1408に進む。
【0108】
ステップS1403で撮影装置制御部5は当該検査がRISからの撮影オーダによるものか否かを判定する。当該判定処理も
図10のステップS1003の処理と同様である。RISのオーダによる検査と判定された場合にはステップS1404に進む。RISからのオーダによるものでない場合、例えばモダリティ側で発行されたオーダによる検査である場合にはステップS1407に進む。
【0109】
ステップS1404で送信部18は例えばMPPSの仕様に基づき検査終了通知をHIS11に対して送信する。
【0110】
ステップS1407に進んだ場合、この場合にはモダリティ側で発行されたオーダに対応する検査の場合であるから、事後的にRIS11で発行された撮影オーダと合体させる処理が行われる場合を考慮して、検査終了までMPPSの検査開始通知を送信していない。そこで、検査終了のタイミングに、送信部18は検査開始通知をHIS11に送信する。この場合、ステップS1404での検査終了通知が続けて行われることとなる。
【0111】
ステップS1405で、送信部18は線量情報1300をHIS11に送信する。ここで線量情報は、S1404の検査終了通知とまとめた情報としてHIS11に送信することとすればより通信処理が簡略化される。
【0112】
ステップS1406で送信部18は検査で撮影されたX線画像をPACS13に出力する。
【0113】
ここで、ステップS1402にて、新規の検査でないと判定された場合には、ステップS1408に進む。ステップS1408で撮影装置制御部5は再開された検査が再度終了したことを示す情報を当該検査に関連付け、メモリに保存する。よって当該検査には、検査が再開されたことを示す情報と検査が再度終了したことを示す情報とが関連付けられることとなる。その後、ステップS1405で送信部18が線量値情報1300をHIS11に送信する。
【0114】
ステップS1402からステップS1408に処理を進めた場合、検査終了情報は外部に送信されない。これは、一旦終了した検査に対して検査終了情報が送信されることによりHIS11でエラーを生じないようにするための処理である。
【0115】
また、
図10の処理と
図14の処理とを実行することにより、一旦終了した検査に対しては検査開始通知も終了通知もHIS11に送信されないこととなる。これにより、一旦終了した検査について実施情報が通知されることにより生ずるHIS11のエラーを減らすことができる。一方で線量情報としてはHIS11に出力することで、被検者の線量管理を適切に行うことができる。
【0116】
本実施例では線量値情報をHIS11に送信するものとして説明したが、これに限らず線量値を管理するための専用のサーバやRIS12、PACS13等であっても良い。
【0117】
[その他の実施例]
本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラムその他記憶媒体等の種々の実施形態を取ることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0118】
または、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPUにより実行することで、上述の実施形態の機能を実現するプログラムを有するソフトウェアとして実現してもよい。その場合には、プログラムには上述の
図5−12及び14のフローチャートに記載の各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムコードが含まれる。
【0119】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。