(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一つ以上の側面に、二つの前記谷折目部同士が交わる交点領域を有し、該交点領域から前記谷折面状領域の外方に延在する谷折目部を有することを特徴とする請求項2に記載の流体容器。
前記流体容器は、一つ以上の前記谷折目部が前記側面の幅方向の略中央部に高さ方向に沿って設けられ、該幅方向に折畳及び展張可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の流体容器。
前記第二側面は、完全展張時において、前記中央折目部を谷底として前記流体容器内部に向かって僅かに窪んだ形態となるように構成されることを特徴とする請求項6乃至11の何れかに記載の流体容器。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を適用した流体容器について図面を参照して説明する。なお、流体容器については、以下の順に沿って説明する。
1.第一実施形態の流体容器の説明
2.第一実施形態の流体容器の変形例の説明
3.第二実施形態の流体容器の説明
4.流体容器の変形例の説明
【0026】
[1.第一実施形態の流体容器の説明]
本発明を適用した流体容器1は、例えば、ウォータサーバ等の流体供給装置に着脱可能に装着され、内部に収容されているミネラルウォータ等の流体を流体供給装置に供給するものである。流体容器1は、後述する折目部12を有することにより、折り畳み可能に設けられており、
図1に示すように、折目部12に沿って完全に折り畳まれた完全折畳形態と、
図2に示すように、折目部12が少し展張された半容積形態と、
図3に示すように、折目部12が完全に展張された完全展張形態とに設けることが出来る。
【0027】
図3に示すように、流体容器1は、折目部12が完全に展開された完全展張形態において、略四角筒状となるように形成された容器であり、内部にミネラルウォータ等の液体からなる流体が収容される収容部を有している。更に、流体容器1は、可撓性を有する容器であり、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、この他、ポリアミドやポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料を用いてブロー成形等することによって形成されている。例えば、流体容器1は、12リットル程度の容量を有するように形成されている。なお、流体容器1の容量は、12リットルに限定されるものではなく、12リットル以下又は12リットル以上であっても良い。
【0028】
具体的に、流体容器1は、高さ方向(Z方向)の一端側の上面1aと、他端側の下面1bと、縦幅方向(Y方向)の一端側の前側面1cと、他端側の後側面1dと、横幅方向(X方向)の一端側の右側面1eと、他端側の左側面1fとを有している。
【0029】
上面1aには、例えば流体供給装置のジョイント部と接続する接続口10が設けられている。なお、この接続口10は、例えば流体容器1の内部にミネラルウォータ等の流体が収容された後にキャップや栓等の閉塞手段(不図示)によって開封可能に閉塞される。下面1bは、
図4に示すように、略中央部に横幅(X)方向に沿って所定の長さだけ山折りに設けられた下面中央折目部11aと、この下面中央折目部11aの端と各コーナ部との間に山折りに設けられた下面コーナ折目部11bとを有し、高さ(Z)方向の他端側に向けて凸状に設けられている。更に、下面1bは、下面中央折目部11aと下面コーナ折目部11bとで、下前面1b
1、下後面1b
2、下右面1b
3及び下左面1b
4の四つの面に区画されている。更に、前側面1cは、縦幅(Y)方向の一端側に向けて凸円弧状に設けられ、後側面1dは、縦幅(Y)方向の他端側に向けて凸円弧状に設けられている。従って、前側面1c及び後側面1dは、他の面よりも高強度に設けられている。
【0030】
このような流体容器1には、各種の折目部12が設けられている。
【0031】
具体的に、
図5及び
図6に示すように、右側面1eには、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って谷折りに右側面中央折目部12aが設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの一端と右側面1eの上面1a側の各コーナ部との間に谷折りに右側面第一コーナ折目部12b,12bが設けられている。更に、
図5及び
図7に示すように、下面1bの下右面1b
3には、右側面中央折目部12aの他端と連続乃至略連続するように、谷折りに下右面中央折目部12cが設けられている。ここで、略連続とは、各々の折目部を延長する仮想線同士が交点を持つように設定されながら、略線状を成す折目部同士は、略線状の状態から略面状の状態に変化して線としての存在ではなくなる構成を言う。以下、「略連続」の記述は同様のものとして用いる。
【0032】
更に、
図6及び
図8に示すように、左側面1fには、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って谷折りに左側面中央折目部12dが設けられている。更に、
図8に示すように、左側面1fには、左側面中央折目部12dの一端と左側面1fの上面1a側の各コーナ部との間に谷折りに左側面第一コーナ折目部12e,12eが設けられている。更に、
図7及び
図8に示すように、下面1bの下左面1b
4には、左側面中央折目部12dの他端と連続乃至略連続するように、谷折りに下左面中央折目部12fが設けられている。
【0033】
更に、
図2及び
図5に示すように、前側面1cには、上面1aから下面1b側に向けて所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに前側面折目部12gが設けられている。また、後側面1dには、上面1aから下面1b側に向けて前側面折目部12gと同じ所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに後側面折目部12hが設けられている。
【0034】
更に、右側面1eには、
図2及び
図5に示すように、右側面中央折目部12aの一端と前側面1cの前側面折目部12gとが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第二コーナ折目部12iが設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの一端と後側面1dの後側面折目部12hとが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第三コーナ折目部12jが設けられている。
【0035】
更に、左側面1fには、
図8に示すように、左側面中央折目部12dの一端と前側面1cの前側面折目部12gとが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第二コーナ折目部12kが設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの一端と後側面1dの後側面折目部12hとが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第三コーナ折目部12lが設けられている。
【0036】
即ち、流体容器1は、
図5及び
図8に示すように、右側面中央折目部12aの前側面1c側に設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部12b,12bと、右側面1eと上面1aとの間に設けられた山折りの山折目部12mとによって囲繞されて成る第一谷折面状領域17aとを有する。更に、流体容器1は、左側面中央折目部12dの前側面1c側に設けられた一対の谷折りの左側面第一コーナ折目部12e,12eと、左側面1fと上面1aとの間に設けられた山折りの山折目部12nとによって囲繞されて成る第二谷折面状領域17bとを有する。従って、流体容器1は、これら予め設定される谷折目部や山折目部に沿ってそれら各折目部に連なる各面が流体容器20の内側に向かって内向変位し得、これによって、より容積の小さな折畳形態に形態変化することが出来る。
【0037】
更に、
図5に示すように、右側面1e及び下面1bの下右面1b
3には、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って溝状部13aが形成されている。この溝状部13aは、
図6及び
図7に示すように、外側から内側に向けた略円弧の凸部であり、右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12cに沿って形成されている。更に、左側面1f及び下面1bの下左面1b
4には、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って溝状部13bが形成されている。この溝状部13bは、溝状部13aと同様に、外側から内側に向けた略円弧の凸部であり、左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12fに沿って形成されている。
【0038】
従って、流体容器1は、溝状部13a,13bにより、右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12fに沿って、より内側に折り畳まれ易くなり、より確実に内側に折り畳むこと或いは自発的な折り畳みが出来る。
【0039】
更に、
図5及び
図6に示すように、右側面1e及び/又は下面1bの下右面1b
3の面上の適宜の部位には、側面展張ストッパ14a,14bが形成されている。この側面展張ストッパ14a,14bは、内側に向けて凸設されており、右側面1e及び/又は下面1bの下右面1b
3の内壁部に縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成されている。ここでは、側面展張ストッパ14a,14bは、右側面1eの面上に高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて四つ、下面1bの下右面1b
3の内壁部に一つ形成されている。更に、側面展張ストッパ14aは、前側面1cの近傍から溝状部13a(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c)まで形成され、側面展張ストッパ14bは、後側面1dの近傍から溝状部13a(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c)まで形成されている。
【0040】
更に、左側面1f及び/又は下面1bの下左面1b
4の内壁部には、側面展張ストッパ14c,14dが形成されている。この側面展張ストッパ14c,14dは、内側に向けて凸設されており、左側面1f及び/又は下面1bの下左面1b4の面上に縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成されている。ここでは、側面展張ストッパ14c,14dは、側面展張ストッパ14a,14bと同様に、左側面1fの内壁部に高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて四つ、下面1bの下左面1b
4の内壁部に一つ形成されている。更に、側面展張ストッパ14cは、前側面1cの近傍から溝状部13b(左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)まで形成され、側面展張ストッパ14dは、後側面1dの近傍から溝状部13b(左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)まで形成されている。
【0041】
従って、流体容器1は、互いに対を成す位置に設けられる側面展張ストッパ14aと側面展張ストッパ14b及び側面展張ストッパ14cと側面展張ストッパ14dにより、右側面1e、下面1bの下右面1b
3、左側面1f、下面1bの下左面1b
4等の強度を高めつつ、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)以外の箇所で内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来、また流体容器1の完全展張形態時において、互いに対向する側面展張ストッパ14a(14c)の端部と側面展張ストッパ14b(14d)の端部とが相反方向に圧接され、当該側面部が予め規定している最大展張形態よりも外側に張出することを防止することが出来る。よって、流体容器1は、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)に沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより折り畳まれ易くなり、意図しない展張や折り畳みを防止しつつ、より確実に展張したり折り畳むことが出来る或いは自発的に展張され又折り畳まれる。
【0042】
更に、
図5及び
図8に示すように、前側面1cには、側面補強リブ15aが形成されている。この側面補強リブ15aは、外側に向けて凸設されており、前側面1cの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成されている。ここでは、側面補強リブ15aは、高さ(Z)方向に所定の間隔を五つ形成されている。更に、後側面1dには、側面補強リブ15bが形成されている。この側面補強リブ15bは、外側に向けて凸設されており、後側面1dの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成されている。ここでは、側面補強リブ15bは、側面補強リブ15aと同様に、高さ(Z)方向に所定の間隔で五つ形成されている。
【0043】
従って、流体容器1は、側面補強リブ15a,15bにより、前側面1c及び後側面1dの強度を高めることが出来る。更に、流体容器1は、側面補強リブ15a,15bによって前側面1c及び後側面1dの強度を高めることにより、前側面1c及び後側面1dが内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来る。よって、流体容器1は、より確実に、右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12fに沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより形態変化させ得、意図しない変形を防止しつつ、予め設定している完全折畳形態に向かって折り畳むことが出来る或いは自発的に折り畳まれる。
【0044】
更に、右側面1eと下面1bの下右面1b
3との間の辺1gには、
図9(A)〜(D)及び
図10(A)〜(D)に示すように、側面に変形促進部16a,16bが形成されている。この変形促進部16a,16bは、内側に向けて凸設されており、変形促進部16aは、辺1gの前側面1c側から溝状部13a(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c)の近傍まで形成され、変形促進部16bは、辺1gの後側面1d側から溝状部13a(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c)の近傍まで形成されている。即ち、この変形促進部16a,16bは、一体に連結されておらず、所定の間隔をあけて形成されている。
【0045】
更に、左側面1fと下面1bの下左面1b
4との間の辺1hには、
図9(A)〜(D)及び
図10(A)〜(D)に示すように、側面に変形促進部16c,16dが形成されている。この変形促進部16c,16dは、変形促進部16a,16bと同様に、内側に向けて凸設されており、変形促進部16cは、辺1hの前側面1c側から溝状部13b(左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)の近傍まで形成され、変形促進部16dは、辺1hの後側面1d側から溝状部13b(左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)の近傍まで形成されている。即ち、この変形促進部16a,16bは、一体に連結されておらず、所定の間隔をあけて形成されている。
【0046】
更に、変形促進部16a,16b,16c,16dは、
図9(A)〜(D)に示すように、辺1g,1hに対して略平行に形成するようにしても良く、
図10(A)〜(D)に示すように、辺1g,1hに対して傾斜させて形成するようにしても良い。
【0047】
更に、変形促進部16a,16b,16c,16dは、辺1g,1hに対して略平行に形成する場合、対向する先端部を、
図9(A)に示すように、円弧状に形成するようにしても良く、
図9(B)に示すように、傾斜面状に形成するようにしても良く、
図9(C)に示すように、先細状に形成するようにしても良く、
図9(D)に示すように、一方を凸円弧状他方を凹円弧状に形成するようにしても良い。
【0048】
更に、変形促進部16a,16b,16c,16dは、辺1g,1hに対して傾斜させて形成する場合、
図10(A)に示すように、変形促進部16a,16cの軸部と変形促進部16b,16dの軸部とを一致させるように形成しても良く、
図10(B)〜(D)に示すように、異ならせて形成するようにしても良い。更に、変形促進部16a,16b,16c,16dは、辺1g,1hに対して傾斜して形成しつつ、変形促進部16a,16b,16c,16dの軸部を異ならせて形成する場合、
図10(B)に示すように、変形促進部16a,16b,16c,16dの軸部は平行でありながら、段違いに形成するようにしても良く、
図10(C)及び
図10(D)に示すように、V字状に形成するようにしても良い。更に、変形促進部16a,16b,16c,16dは、V字状に形成する場合、
図10(C)に示すように、先端部の高さ(Z)方向の位置を一致させるように形成しても良く、
図10(D)に示すように、段違いに形成するようにしても良い。
【0049】
従って、流体容器1は、変形促進部16a,16b,16c,16dにより、辺1g,1hの強度を高めることが出来、辺1g,1hが溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12f)以外の箇所で内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来る。また、変形促進部16a,16b,16c,16dは、それらが設けられている側面が、面外方向に屈曲する、即ち、変形促進部16a,16b,16c,16dを起点として山折り状に屈曲することを促進するためのものであり、成形時及び折畳時、即ち、半容積形態並びに折畳形態では谷折目部を介して谷状に傾斜して互いに向き合う断面略V字形の一つの側面を成し、展張形態に変形する際には、当該一側面のV字形断面がより平坦な断面形状に近づいて、略平面状となる一方で、変形促進部16a,16b,16c,16dによって該側面が面外方向に屈曲して略L字形断面を成すように変形することを促進するように構成される。
【0050】
また、変形促進部16a,16b,16c,16dは、谷折りの折目部12a(12d)を介して途切れる断続的な形態に形成され、これら断続的に設けられる変形促進部16a,16b,16c,16d同士が、一直線状、平行線状、段違い状、非平行状の何れか一つ以上の構成を採るように設けることが出来る。このように断続的に変形促進部16a,16b,16c,16dを構成することで、半容積形態から最大展張形態に変形させる際に、変形促進部16a,16b,16c,16d同士が互いに突っ張る方向を相異ならせ、変形抵抗を極力小さくすることが出来るように構成することが可能である。
【0051】
勿論、このような構成とすれば、半容積形態から最大展張形態に変形させる過程での変形抵抗を低減することが出来るだけでなく、最大展張形態から完全折畳形態に向かって変形させる際の変形抵抗も極力小さくすることが出来、予め設定している形態間をスムーズに移行させることが出来る。
【0052】
よって、流体容器1は、より確実に、右側面中央折目部12a,12d(13a,13b)及び下右面中央折目部12c並びに左側面中央折目部12d及び下左面中央折目部12fに沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより形態変化させ得、意図しない変形を防止しつつ、予め設定している完全折畳形態に向かって折り畳むことが出来る或いは自発的に折り畳まれる。
【0053】
以上のような構成を有する流体容器1は、次のようにして製造される。
【0054】
先ず、ブロー成形に用いる金型を、
図2に示すような半容積形態の半容積流体容器1に対応するように形成する。そして、容器メーカにおいて、この金型を用いて合成樹脂材料を適宜の形態にプレフォームされたパリソンを用いてブロー成形等によって半容積形態の流体容器1を成形する。以上のようにして、流体容器1は、半容積形態で製造される。
【0055】
ここで形成された流体容器1は、半容積形態、即ち、流体容器1に内圧を付与して展張すれば容積が増容された展張形態に容易に変形可能であり、また流体容器1内を減圧したり、外力によって折り畳めば容積がより減容された折畳形態に容易に変形可能な、謂わば、完全折畳形態と完全展張形態との中間的形態とされる。つまり、成形時には流体容器1が成し得る完全展張形態、即ち、最大容積形態の容積よりも小容積の半容積形態で成形するため、最大容積形態の物を成形することに比して成形時に必要とされるガスの吹込量を削減出来、成形効率を向上させることが可能となる。
【0056】
半容積形態で製造された流体容器1は、段ボール箱等の梱包材に収納され、容器メーカから飲料メーカにトラック等の運搬手段によって運搬されて、飲料メーカにおいて、内部に飲料が充填される。この際、流体容器1は、半容積形態のまま、容器メーカから飲料メーカに運搬することが可能であり、この場合、半容積形態の流体容器1は、完全展張形態に比して容積が小さいことにより、占有体積も小さくなることから梱包状体等もコンパクトなものとすることが可能となって好ましく、更に、流体容器1の成形後に、流体容器1をより減容した状態、即ち、完全折畳形態とすれば、より省スペースな状態で運搬或いは保管等することが可能となるが、これに限定されず、逆に半容積形態から増容させた完全展張形態として運搬或いは保管等するようにしてもよい。
【0057】
更に、流体容器1は、飲料メーカに運搬されるまでの間、半容積形態のまま、容器メーカに保管され、飲料メーカに運搬された後に、半容積形態のまま、飲料メーカに保管されることが好ましいが、容器メーカ又は飲料メーカにおいて、半容積形態から、
図1に示すように完全に折り畳んだ後に、保管されるようにしても良い。
【0058】
以上のような各種の折目部12を有して折畳及び展張可能な流体容器1は、半容積形態で製造された後に、内部にミネラルウォータ等の流体が収容されることで、各種の折目部12が展張されて、
図3に示すように、完全展張形態に変形することが出来る。
【0059】
なお、流体容器1は、
図6(B)に示すように、右側面1eが右側面中央折目部12aを中心に若干内側に折り曲げられ、左側面1fが左側面中央折目部12dを中心に内側に若干折り曲げられて、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dを谷底として流体容器1の内部に向かって僅かに窪んだ形態を、完全展張形態として設けるようにしても良い。これにより、流体容器1は、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dに沿って内側に折り畳まれ易くなり、より確実に折り畳むことが出来る。
【0060】
更に、流体容器1は、収容したミネラルウォータ等の流体が減少するに連れて、
図2に示すように、漸次、右側面中央折目部12aと右側面第一コーナ折目部12b,12bと下右面中央折目部12cとが内側に谷折りに折り畳まれ、左側面中央折目部12dと左側面第一コーナ折目部12e,12eと下左面中央折目部12fとが内側に谷折りに折り畳まれ、前側面折目部12gと後側面折目部12hとが内側に谷折りに折り畳まれ、右側面第二コーナ折目部12iと右側面第三コーナ折目部12jとが内側に向かって山折りに折り畳まれ、左側面第二コーナ折目部12kと左側面第三コーナ折目部12lとが内側に向かって山折りに折り畳まれることで、上面1aの平面形状を維持しつつ、前側面1cと後側面1dとを近接し、半容積形態に設けることが出来る。
【0061】
更に、流体容器1は、最後までミネラルウォータを流体供給装置に供給すると、
図1に示すように、側面視略T字状になるまで各種の折目部12が折り畳まれて、完全折畳形態に変形させることが出来る。
【0062】
以上のように、流体容器1は、半容積形態で製造されることにより、容器メーカにおいてブロー成形する際に流体容器1の最大展張時相当容量分の空気等のガスを圧入する必要がなく、例えば、折目部12を完全展開した際に12L収容可能な場合、12L分のガスを圧入する必要がなく、流体容器1の半容積形態における容量分のガスを圧入すれば良い。従って、流体容器1は、折目部12を完全展張したものよりも省スペース化可能で、一回に注入するガスの量を減少させることが出来、或いは、同時に成形する数量を増やすことが出来、生産効率の向上を図ることが出来る。
【0063】
更に、流体容器1は、半容積形態又は完全折畳形態で運搬されるので、運搬される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器1は、完全展張形態の物よりも、トラック等の運搬手段により多く積載することが出来、運搬効率の向上を図ることが出来る。
【0064】
更に、流体容器1は、半容積形態又は完全折畳形態で保管されるので、保管される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器1は、同じ保管数量ならば完全展張形態の物よりもより小さい領域で保管することが出来、同じ領域で保管するのであれば、より数多く保管することが出来、保管効率の向上を図ることが出来る。
【0065】
[2.第一実施形態の流体容器の変形例の説明]
第一実施形態の変形例の流体容器2は、第一実施形態の流体容器1が、右側面1e及び左側面1fにそれぞれ谷折面状領域を一つ設けて、
図1に示すように、上面1aの平面形状を維持しつつ前側面1cと後側面1dとが近接するように側面視略T字状に折り畳まれるのに対して、右側面1e及び左側面1fにそれぞれ谷折面状領域を二つ設けて、
図11に示すように、上面1a及び下面1bの平面形状を維持しつつ、前側面1cと後側面1dとが近接するように、側面視略I字状(横H字状)に折り畳まれるものである。なお、上述した流体容器1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
【0066】
具体的に、流体容器2は、後述する折目部12を有することにより、折り畳み可能に設けられており、
図11に示すように、折目部12に沿って完全に折り畳まれた完全折畳形態と、
図12に示すように、折目部12が少し展張された半容積形態と、
図13に示すように、折目部12が完全に展張された完全展張形態とに設けることが出来る。
【0067】
図13に示すように、流体容器2は、折目部12が完全に展開された完全展張形態において、略四角筒状となるように形成された容器であり、内部にミネラルウォータ等の液体からなる流体が収容される収容部を有している。更に、流体容器2は、可撓性を有する容器であり、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、この他、ポリアミドやポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料を用いてブロー成形等することによって形成されている。例えば、流体容器2は、12リットル程度の容量を有するように形成されている。なお、流体容器2の容量は、12リットルに限定されるものではなく、12リットル以下又は12リットル以上であっても良い。
【0068】
具体的に、流体容器2は、高さ方向(Z方向)の一端側の上面1aと、他端側の下面1bと、縦幅方向(Y方向)の一端側の前側面1cと、他端側の後側面1dと、横幅方向(X方向)の一端側の右側面1eと、他端側の左側面1fとを有している。
【0069】
上面1aには、例えば流体供給装置のジョイント部と接続する接続口10が設けられている。なお、この接続口10は、例えば流体容器2の内部にミネラルウォータ等の流体が収容された後にキャップや栓等の閉塞手段(不図示)によって開封可能に閉塞される。
【0070】
このような流体容器2には、各種の折目部12が設けられている。
【0071】
具体的に、
図13に示すように、右側面1eには、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って谷折りに右側面中央折目部12aが設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの一端と右側面1eの上面1a側の各コーナ部との間に谷折りに右側面第一コーナ折目部12b
1,12b
1が設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの他端と右側面1eの下面1b側の各コーナ部との間に谷折りに右側面第一コーナ折目部12b
2,12b
2が設けられている。
【0072】
更に、
図14に示すように、左側面1fには、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って谷折りに左側面中央折目部12dが設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの一端と左側面1fの上面1a側の各コーナ部との間に谷折りに左側面第一コーナ折目部12e
1,12e
1が設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの他端と左側面1fの下面1b側の各コーナ部との間に谷折りに左側面第一コーナ折目部12e
2,12e
2が設けられている。
【0073】
更に、
図13に示すように、前側面1cには、上面1aから下面1b側に向けて所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに前側面折目部12g
1が設けられている。更に、前側面1cには、下面1bから上面1a側に向けて所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに前側面折目部12g
2が設けられている。また、
図14に示すように、後側面1dには、上面1aから下面1b側に向けて前側面折目部12g
1と同じ所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに後側面折目部12h
1が設けられている。更に、後側面1dには、下面1bから上面1a側に向けて前側面折目部12g
2と同じ所定の距離の位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに後側面折目部12h
2が設けられている。
【0074】
更に、右側面1eには、
図13に示すように、右側面中央折目部12aの一端と前側面1cの前側面折目部12g
1とが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第二コーナ折目部12i
1が設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの一端と後側面1dの後側面折目部12h
1とが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第三コーナ折目部12j
1が設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの他端と前側面1cの前側面折目部12g
2とが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第二コーナ折目部12i
2が設けられている。更に、右側面1eには、右側面中央折目部12aの他端と後側面1dの後側面折目部12h
2とが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第三コーナ折目部12j
2が設けられている。
【0075】
更に、左側面1fには、
図14に示すように、左側面中央折目部12dの一端と前側面1cの前側面折目部12g
1とが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第二コーナ折目部12k
1が設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの一端と後側面1dの後側面折目部12h
1とが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第三コーナ折目部12l
1が設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの他端と前側面1cの前側面折目部12g
2とが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第二コーナ折目部12k
2が設けられている。更に、左側面1fには、左側面中央折目部12dの他端と後側面1dの後側面折目部12h
2とが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第三コーナ折目部12l
2が設けられている。
【0076】
即ち、流体容器2は、
図13に示すように、右側面1eに設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部12b
1,12b
1と、右側面1eと上面1aとの間に設けられた山折りの山折目部12mとによって囲繞されて成る第一谷折面状領域17a
1を有する。更に、流体容器2は、
図14に示すように、左側面1fに設けられた一対の谷折りの左側面第一コーナ折目部12e
1,12e
1と、左側面1fと上面1aとの間に設けられた山折りの山折目部12nとによって囲繞されて成る第二谷折面状領域17b
1を有する。更に、流体容器2は、
図13に示すように、右側面1eに設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部12b
2,12b
2と、右側面1eと下面1bとの間に設けられた山折りの山折目部12pとによって囲繞されて成る第一谷折面状領域17a
2を有する。更に、流体容器2は、
図14に示すように、左側面1fに設けられた一対の谷折りの左側面第一コーナ折目部12e
2,12e
2と、左側面1fと下面1bとの間に設けられた山折りの山折目部12qとによって囲繞されて成る第二谷折面状領域17b
2を有する。従って、流体容器2は、これら予め設定される谷折目部や山折目部に沿ってそれら各折目部に連なる各面が流体容器20の内側に向かって内向変位し得、これによって、より容積の小さな折畳形態に形態変化することが出来る。
【0077】
以上のような構成を有する流体容器2は、次のようにして製造される。
【0078】
先ず、ブロー成形に用いる金型を、
図12に示すような半容積形態の半容積流体容器2に対応するように形成する。そして、容器メーカにおいて、この金型を用いて合成樹脂材料を適宜の形態にプレフォームされたパリソンを用いてブロー成形等によって半容積形態の流体容器2を成形する。以上のようにして、流体容器2は、半容積形態で製造される。
【0079】
ここで形成された流体容器2は、半容積形態、即ち、流体容器2に内圧を付与して展張すれば容積が増容された展張形態に容易に変形可能であり、また流体容器2内を減圧したり、外力によって折り畳めば容積がより減容された折畳形態に容易に変形可能な、謂わば、完全折畳形態と完全展張形態との中間的形態とされる。つまり、成形時には流体容器2が成し得る完全展張形態、即ち、最大容積形態の容積よりも小容積の半容積形態で成形するため、最大容積形態の物を成形することに比して成形時に必要とされるガスの吹込量を削減出来、成形効率を向上させることが可能となる。
【0080】
半容積形態で製造された流体容器2は、段ボール箱等の梱包材に収納され、容器メーカから飲料メーカにトラック等の運搬手段によって運搬されて、飲料メーカにおいて、内部に飲料が充填される。この際、流体容器2は、半容積形態のまま、容器メーカから飲料メーカに運搬することが可能であり、この場合、半容積形態の流体容器2は、完全展張形態に比して容積が小さいことにより、占有体積も小さくなることから梱包状体等もコンパクトなものとすることが可能となって好ましく、更に、流体容器2の成形後に、流体容器2をより減容した状態、即ち、完全折畳形態とすれば、より省スペースな状態で運搬或いは保管等することが可能となるが、これに限定されず、逆に半容積形態から増容させた完全展張形態として運搬或いは保管等するようにしてもよい。
【0081】
更に、流体容器2は、飲料メーカに運搬されるまでの間、半容積形態のまま、容器メーカに保管され、飲料メーカに運搬された後に、半容積形態のまま、飲料メーカに保管されることが好ましいが、容器メーカ又は飲料メーカにおいて、半容積形態から、
図11に示すように完全に折り畳んだ後に、保管されるようにしても良い。
【0082】
以上のような各種の折目部12を有して折畳及び展張可能な流体容器2は、半容積形態で製造された後に、内部にミネラルウォータ等の流体が収容されることで、各種の折目部12が展張されて、
図13に示すように、完全展張形態に変形することが出来る。
【0083】
なお、流体容器2は、
図6(B)に示すように、右側面1eが右側面中央折目部12aを中心に若干内側に折り曲げられ、左側面1fが左側面中央折目部12dを中心に内側に若干折り曲げられて、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dを谷底として流体容器2の内部に向かって僅かに窪んだ形態を、完全展張形態として設けるようにしても良い。これにより、流体容器2は、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dに沿って内側に折り畳まれ易くなり、より確実に折り畳むことが出来る。
【0084】
更に、流体容器2は、収容したミネラルウォータ等の流体が減少するに連れて、
図12に示すように、漸次、右側面中央折目部12aと右側面第一コーナ折目部12b
1,12b
2とが内側に谷折りに折り畳まれ、左側面中央折目部12dと左側面第一コーナ折目部12e
1,12e
2とが内側に谷折りに折り畳まれ、前側面折目部12g
1,12g
2と後側面折目部12h
1,12h
2とが内側に谷折りに折り畳まれ、右側面第二コーナ折目部12i
1,12i
2と右側面第三コーナ折目部12j
1,12j
2とが内側に向かって山折りに折り畳まれ、左側面第二コーナ折目部12k
1,12k
2と左側面第三コーナ折目部12l
1,12l
2とが内側に向かって山折りに折り畳まれることで、上面1a及び下面1bの平面形状を維持しつつ、前側面1cと後側面1dとを近接し、半容積形態に設けることが出来る。
【0085】
更に、流体容器2は、最後までミネラルウォータを流体供給装置に供給すると、
図11に示すように、側面視略I字状(横H字状)になるまで各種の折目部12が折り畳まれて、完全折畳形態に変形させることが出来る。
【0086】
以上のように、流体容器2は、半容積形態で製造されることにより、流体容器1と同様に、容器メーカにおいてブロー成形する際に流体容器2の最大展張時相当容量分の空気等のガスを圧入する必要がなく、例えば、折目部12を完全展開した際に12L収容可能な場合、12L分のガスを圧入する必要がなく、流体容器2の半容積形態における容量分のガスを圧入すれば良い。従って、流体容器2は、折目部12を完全展張したものよりも省スペース化可能で、一回に注入するガスの量を減少させることが出来、或いは、同時に成形する数量を増やすことが出来、生産効率の向上を図ることが出来る。
【0087】
更に、流体容器2は、流体容器1と同様に、半容積形態又は完全折畳形態で運搬されるので、運搬される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器2は、完全展張形態の物よりも、トラック等の運搬手段により多く積載することが出来、運搬効率の向上を図ることが出来る。
【0088】
更に、流体容器2は、流体容器1と同様に、半容積形態又は完全折畳形態で保管されるので、保管される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器2は、同じ保管数量ならば完全展張形態の物よりもより小さい領域で保管することが出来、同じ領域で保管するのであれば、より数多く保管することが出来、保管効率の向上を図ることが出来る。
【0089】
なお、流体容器2は、流体容器1と同様に、右側面1eに、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って溝状部13aが形成され、左側面1fに、縦幅(Y)方向の略中央部に高さ(Z)方向に沿って溝状部13bが形成されるようにしても良い。この溝状部13a,13bは、外側から内側に向けた略円弧の凸部であり、例えば右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dに沿って形成される。
【0090】
このような場合、流体容器2は、流体容器1と同様に、溝状部13a,13bにより、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dに沿って、より内側に折り畳まれ易くなり、より確実に内側に折り畳むこと或いは自発的な折り畳みが出来る。
【0091】
更に、流体容器2は、流体容器1と同様に、右側面1eの面上の適宜の部位に、側面展張ストッパ14a,14bが形成され、左側面1fの面上の適宜の部位に、側面展張ストッパ14c,14dが形成されるようにしても良い。この側面展張ストッパ14a,14bは、内側に向けて凸設され、右側面1eの内壁部に縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。更に、側面展張ストッパ14aは、前側面1cの近傍から溝状部13aまで形成され、側面展張ストッパ14bは、後側面1dの近傍から溝状部13aまで形成される。更に、この側面展張ストッパ14c,14dは、内側に向けて凸設され、左側面1fの面上に縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。更に、側面展張ストッパ14cは、前側面1cの近傍から溝状部13bまで形成され、側面展張ストッパ14dは、後側面1dの近傍から溝状部13bまで形成される。
【0092】
このような場合、流体容器2は、流体容器1と同様に、互いに対を成す位置に設けられる側面展張ストッパ14aと側面展張ストッパ14b及び側面展張ストッパ14cと側面展張ストッパ14dにより、右側面1e及び左側面1f等の強度を高めつつ、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12d)以外の箇所で内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来、また、流体容器2の完全展張形態時において、互いに対向する側面展張ストッパ14a(14c)の端部と側面展張ストッパ14b(14d)の端部とが相反方向に圧接され、当該側面部が予め規定している最大展張形態よりも外側に張出することを防止することが出来る。よって、流体容器2は、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12d)に沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより折り畳まれ易くなり、意図しない展張や折り畳みを防止しつつ、より確実に展張したり折り畳むことが出来る或いは自発的に展張され又折り畳まれる。
【0093】
更に、流体容器2は、流体容器1と同様に、前側面1cに、側面補強リブ15aが形成され、後側面1dに、側面補強リブ15bが形成されるようにしても良い。側面補強リブ15aは、外側に向けて凸設され、前側面1cの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。側面補強リブ15bは、外側に向けて凸設され、後側面21dの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。
【0094】
このような場合、流体容器2は、流体容器1と同様に、側面補強リブ15a,15bにより、前側面1c及び後側面1dの強度を高めることが出来る。更に、流体容器2は、側面補強リブ15a,15bによって前側面1c及び後側面1dの強度を高めることにより、前側面1c及び後側面1dが内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来る。よって、流体容器2は、より確実に、右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12dに沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより形態変化させ得、意図しない変形を防止しつつ、予め設定している完全折畳形態に向かって折り畳むことが出来る或いは自発的に折り畳まれる。
【0095】
[3.第二実施形態の流体容器の説明]
本発明を適用した流体容器20は、流体容器1,2が幅方向に折畳及び展張可能に設けられるのに対して、高さ方向に折畳及び展張可能に設けられるものである。なお、上述した流体容器1,2と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
【0096】
図15及び
図16に示すように、本発明を適用した流体容器20は、折目部32が完全に展開された完全展張形態において、略四角筒状となるように形成された容器であり、内部にミネラルウォータ等の液体を主成分とする流体が収容される収容部を有している。更に、流体容器20は、可撓性を有する容器であり、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、この他、ポリアミドやポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料を用いてブロー成形等することによって形成されている。例えば、流体容器20は、12リットル程度の容量を有するように形成されている。なお、流体容器20の容量は、12リットルに限定されるものではなく、12リットル以下又は12リットル以上であっても良い。
【0097】
具体的に、流体容器20は、高さ方向(Z方向)の一端側の上面21aと、他端側の下面21bと、縦幅方向(Y方向)の一端側の前側面21cと、他端側の後側面21dと、横幅方向(X方向)の一端側の右側面21eと、他端側の左側面21fとを有している。
【0098】
上面21aには、例えば流体供給装置のジョイント部と接続する接続口30が設けられている。なお、この接続口30は、例えば流体容器20の内部にミネラルウォータ等の流体が収容された後にキャップや栓等の閉塞手段(不図示)によって開封可能に閉塞される。
【0099】
このような流体容器20には、各種の折目部32が設けられている。
【0100】
具体的に、右側面21eには、高さ(Z)方向の略中央部に縦幅(Y)方向に沿って谷折りに右側面中央折目部32aが設けられている。更に、右側面21eには、右側面中央折目部32aの一端と右側面21eの前側面21c側の各コーナ部との間及び右側面中央折目部32aの他端と右側面21eの後側面21d側の各コーナ部との間にそれぞれ谷折りに右側面第一コーナ折目部32bが設けられている。
【0101】
更に、
図16に示すように、左側面21fには、高さ(Z)方向の略中央部に縦幅(Y)方向に沿って谷折りに左側面中央折目部32dが設けられている。更に、左側面21fには、左側面中央折目部32dの一端と左側面21fの前側面21c側の各コーナ部との間及び左側面中央折目部32dの他端と左側面21fの後側面21d側の各コーナ部との間にそれぞれ谷折りに左側面第一コーナ折目部32eが設けられている。
【0102】
更に、
図15及び
図16に示すように、前側面21cには、上面21aから下面21b側に向けて所定の距離の位置に、好ましくは、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dと同じ高さ位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに前側面折目部32gが設けられている。また、後側面21dには、上面21aから下面21b側に向けて前側面折目部32gと同じ所定の距離の位置に、好ましくは、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dと同じ高さ位置に、横幅(X)方向に沿って谷折りに後側面折目部32hが設けられている。
【0103】
更に、右側面21eには、右側面中央折目部32aの一端と前側面21cの前側面折目部32gとが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第二コーナ折目部32iが設けられている。更に、右側面21eには、右側面中央折目部32aの他端と後側面21dの後側面折目部32hとが連続乃至略連続するように、山折りに右側面第三コーナ折目部32jが設けられている。以下、「略連続」の記述は同様のものとして用いる。
【0104】
更に、左側面21fには、
図16に示すように、左側面中央折目部32dの一端と前側面21cの前側面折目部32gとが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第二コーナ折目部32kが設けられている。更に、左側面21fには、左側面中央折目部32dの他端と後側面21dの後側面折目部32hとが連続乃至略連続するように、山折りに左側面第三コーナ折目部32lが設けられている。
【0105】
即ち、流体容器20は、右側面中央折目部32aの前側面21c側に設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部32b,32bと、右側面21eと前側面21cとの間に設けられた山折りの山折目部21mとによって囲繞されて成る第一谷折面状領域22aと、右側面中央折目部32aの後側面21d側に設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部32b,32bと、右側面21eと後側面21dとの間に設けられた山折りの山折目部21nとによって囲繞されて成る第二谷折面状領域22bとを有する。更に、流体容器20は、左側面中央折目部32dの前側面21c側に設けられた一対の谷折りの左側面第一コーナ折目部32e,32eと、左側面21fと前側面21cとの間に設けられた山折りの山折目部21pとによって囲繞されて成る第三谷折面状領域22cと、左側面中央折目部32dの後側面21d側に設けられた一対の谷折りの右側面第一コーナ折目部32e,32eと、左側面21fと後側面21dとの間に設けられた山折りの山折目部21qとによって囲繞されて成る第四谷折面状領域22dとを有する。更に、流体容器20は、右側面中央折目部32aが、第一谷折面状領域22aを構成する一対の右側面第一コーナ折目部32b,32bの交点領域23aから、第一谷折面状領域22aの外方に延在すると共に、第二谷折面状領域22bを構成する一対の右側面第一コーナ折目部32b,32bの交点領域23bから、第二谷折面状領域22bの外方に延在する。更に、流体容器20は、左側面中央折目部32dが、第三谷折面状領域22cを構成する一対の右側面第一コーナ折目部32e,32eの交点領域23cから、第三谷折面状領域22cの外方に延在すると共に、第四谷折面状領域22dを構成する一対の右側面第一コーナ折目部32e,32eの交点領域23dから、第四谷折面状領域22dの外方に延在する。従って、流体容器20は、これら予め設定される谷折目部や山折目部に沿ってそれら各折目部に連なる各面が流体容器20の内側に向かって内向変位し得、これによって、より容積の小さな折畳形態に形態変化することが出来る。
【0106】
以上のような構成を有する流体容器20は、次のようにして製造される。
【0107】
先ず、ブロー成形に用いる金型を、
図15及び
図16に示すような半容積形態の半容積流体容器20に対応するように形成する。そして、この金型を用いて合成樹脂材料を適宜の形態にプレフォームされたパリソンを用いてブロー成形等によって半容積形態の流体容器20を成形する。以上のようにして、流体容器20は、半容積形態で製造される。
【0108】
ここで形成された流体容器20は、半容積形態、即ち、流体容器20に内圧を付与して展張すれば容積が増容された展張形態に容易に変形可能であり、また流体容器20内を減圧したり、外力によって折り畳めば容積がより減容された折畳形態に容易に変形可能な、謂わば、完全折畳形態と完全展張形態との中間的形態とされる。つまり、成形時には流体容器20が成し得る完全展張形態、即ち、最大容積形態の容積よりも小容積の半容積形態で成形するため、最大容積形態の物を成形することに比して成形時に必要とされるガスの吹込量を削減出来、成形効率を向上させることが可能となる。
【0109】
半容積形態で製造された流体容器20は、段ボール箱等の梱包材に収納され、容器メーカから飲料メーカにトラック等の運搬手段によって運搬されて、飲料メーカにおいて、内部に飲料が充填される。この際、流体容器20は、半容積形態のまま、容器メーカから飲料メーカに運搬することが可能であり、この場合、半容積形態の流体容器20は、完全展張形態に比して容積が小さいことにより、占有体積も小さくなることから梱包状体等もコンパクトなものとすることが可能となって好ましく、更に、流体容器20の成形後に、流体容器20をより減容した状態、即ち、完全折畳形態とすれば、より省スペースな状態で運搬或いは保管等することが可能となるが、これに限定されず、逆に半容積形態から増容させた完全展張形態として運搬或いは保管等するようにしてもよい。
【0110】
更に、流体容器20は、飲料メーカに運搬されるまでの間、半容積形態のまま、容器メーカに保管され、飲料メーカに運搬された後に、半容積形態のまま、飲料メーカに保管されることが好ましいが、容器メーカ又は飲料メーカにおいて、半容積形態から、完全に折り畳んだ後に、保管されるようにしても良い。
【0111】
以上のような各種の折目部32を有して高さ(Z)方向に折畳及び展張可能な流体容器20は、半容積形態で製造された後に、内部にミネラルウォータ等の流体が収容されることで、各種の折目部32が展張されて、完全展張形態に変形することが出来る。
【0112】
なお、流体容器20は、右側面21eが右側面中央折目部32aを中心に若干内側に折り曲げられ、左側面21fが左側面中央折目部32dを中心に内側に若干折り曲げられて、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dを谷底として流体容器20の内部に向かって僅かに窪んだ形態を、完全展張形態として設けるようにしても良い。これにより、流体容器20は、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dに沿って内側に折り畳まれ易くなり、より確実に折り畳むことが出来る。
【0113】
更に、流体容器20は、収容したミネラルウォータ等の流体が減少するに連れて、
図15及び
図16に示すように、漸次、右側面中央折目部32aと右側面第一コーナ折目部32bとが内側に谷折りに折り畳まれ、左側面中央折目部32dと左側面第一コーナ折目部32eとが内側に谷折りに折り畳まれ、前側面折目部32gと後側面折目部32hとが内側に谷折りに折り畳まれ、右側面第二コーナ折目部32iと右側面第三コーナ折目部32jとが内側に向かって山折りに折り畳まれ、左側面第二コーナ折目部32kと左側面第三コーナ折目部32lとが内側に向かって山折りに折り畳まれることで、上面21aの平面形状を維持しつつ、上面21aと下面21bとを近接させて、半容積形態に設けることが出来る。
【0114】
更に、流体容器20は、最後までミネラルウォータを流体供給装置に供給すると、各種の折目部32が完全に折り畳まれて、完全折畳形態に変形させることが出来る。
【0115】
以上のように、流体容器20は、半容積形態で製造されることにより、容器メーカにおいてブロー成形する際に流体容器20の最大展張時相当容量分の空気等のガスを圧入する必要がなく、例えば、折目部32を完全展開した際に12L収容可能な場合、12L分のガスを圧入する必要がなく、流体容器20の半容積形態における容量分のガスを圧入すれば良い。従って、流体容器20は、折目部32を完全展張したものよりも省スペース化可能で、一回に注入するガスの量を減少させることが出来、或いは、同時に成形する数量を増やすことが出来、生産効率の向上を図ることが出来る。
【0116】
更に、流体容器20は、半容積形態又は完全折畳形態で運搬されるので、運搬される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器20は、完全展張形態の物よりも、トラック等の運搬手段により多く積載することが出来、運搬効率の向上を図ることが出来る。更に、流体容器1では上面1aの平面形状を維持しつつ幅方向に折り畳んでいたのに対して、流体容器20は、上面1aの平面形状を維持しつつ高さ(Z)方向に折り畳むので、流体容器1よりも高さ(Z)方向の寸法が短く、その分、流体容器1よりもさらに占有体積が小さい。従って、流体容器20は、流体容器1よりも、トラック等の運搬手段により多く積載することが出来、運搬効率の向上を図ることが出来る。
【0117】
更に、流体容器20は、半容積形態乃至完全折畳形態で保管されるので、保管される際は完全展張形態の物よりも占有体積が小さい。従って、流体容器20は、同じ保管数量ならば完全展張形態の物よりもより小さい領域で保管することが出来、同じ領域で保管するのであれば、より数多く保管することが出来、保管効率の向上を図ることが出来る。更に、流体容器1では上面1aの平面形状を維持しつつ幅方向に折り畳んでいたのに対して、流体容器20は、上面1aの平面形状を維持しつつ高さ(Z)方向に折り畳むので、流体容器1よりも高さ(Z)方向の寸法が短く、その分、流体容器1よりもさらに占有体積が小さい。従って、流体容器20は、同じ保管数量ならば流体容器1よりもより小さい領域で保管することが出来、同じ領域で保管するのであれば、より数多く保管することが出来、保管効率の向上を図ることが出来る。
【0118】
なお、流体容器20は、流体容器1と同様に、右側面21eに、高さ(Z)方向の略中央部に縦幅(Y)方向に沿って溝状部13aが形成され、左側面21fに、高さ(Z)方向の略中央部に縦幅(Y)方向に沿って溝状部13bが形成されるようにしても良い。この溝状部13a,13bは、外側から内側に向けた略円弧の凸部であり、例えば右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dに沿って形成される。
【0119】
このような場合、流体容器20は、流体容器1と同様に、溝状部13a,13bにより、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dに沿って、より内側に折り畳まれ易くなり、より確実に内側に折り畳むこと或いは自発的な折り畳みが出来る。
【0120】
なお、前側面21cに、高さ(Z)方向の略中央部(前側面折目部32g)に横幅(X)方向に沿って溝状部13aが形成され、後側面21dに、高さ(Z)方向の略中央部(後側面折目部32h)に横幅(X)方向に沿って溝状部13bが形成されるようにしても良い。
【0121】
更に、流体容器20は、流体容器1と同様に、右側面21eの面上の適宜の部位に、側面展張ストッパ14a,14bが形成され、左側面21fの面上の適宜の部位に、側面展張ストッパ14c,14dが形成されるようにしても良い。この側面展張ストッパ14a,14bは、内側に向けて凸設され、右側面21eの内壁部に高さ(Z)方向に沿って、縦幅(Y)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。更に、側面展張ストッパ14aは、上面21aの近傍から溝状部13a(右側面中央折目部32a)まで形成され、側面展張ストッパ14bは、下面21bの近傍から溝状部13a(右側面中央折目部32a)まで形成される。更に、この側面展張ストッパ14c,14dは、内側に向けて凸設され、左側面21fの面上に高さ(Z)方向に沿って、縦幅(Y)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。更に、側面展張ストッパ14cは、上面21aの近傍から溝状部13b(左側面中央折目部12d)まで形成され、側面展張ストッパ14dは、下面21bの近傍から溝状部13b(左側面中央折目部12d)まで形成される。
【0122】
このような場合、流体容器20は、流体容器1と同様に、互いに対を成す位置に設けられる側面展張ストッパ14aと側面展張ストッパ14b及び側面展張ストッパ14cと側面展張ストッパ14dにより、右側面21e及び左側面21f等の強度を高めつつ、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12d)以外の箇所で内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来、また、流体容器20の完全展張形態時において、互いに対向する側面展張ストッパ14a(14c)の端部と側面展張ストッパ14b(14d)の端部とが相反方向に圧接され、当該側面部が予め規定している最大展張形態よりも外側に張出することを防止することが出来る。よって、流体容器20は、溝状部13a,13b(右側面中央折目部12a及び左側面中央折目部12d)に沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより折り畳まれ易くなり、意図しない展張や折り畳みを防止しつつ、より確実に展張したり折り畳むことが出来る或いは自発的に展張され又折り畳まれる。
【0123】
なお、前側面21cの面上の適宜の部位、例えば、高さ(Z)方向に沿って、横幅(X)方向に、側面展張ストッパ14a,14bが少なくとも一つ形成され、後側面21dの面上の適宜の部位、例えば、高さ(Z)方向に沿って、横幅(X)方向に、側面展張ストッパ14c,14dが少なくとも一つ形成されるようにしても良い。
【0124】
更に、流体容器20は、流体容器1と同様に、前側面21cに、側面補強リブ15aが形成され、後側面21dに、側面補強リブ15bが形成されるようにしても良い。側面補強リブ15aは、外側に向けて凸設され、前側面21cの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。側面補強リブ15bは、外側に向けて凸設され、後側面21dの外部側の外壁部に横幅(X)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ形成される。
【0125】
このような場合、流体容器20は、流体容器1と同様に、側面補強リブ15a,15bにより、前側面21c及び後側面21dの強度を高めることが出来る。更に、流体容器20は、側面補強リブ15a,15bによって前側面21c及び後側面21dの強度を高めることにより、前側面21c及び後側面21dが内側や外側に折り曲げられてしまうこと防止することが出来る。よって、流体容器20は、より確実に、右側面中央折目部32a及び左側面中央折目部32dに沿って、最大展張形態まで展張し得、逆に最大展張形態から完全折畳形態に向かってより形態変化させ得、意図しない変形を防止しつつ、予め設定している完全折畳形態に向かって折り畳むことが出来る或いは自発的に折り畳まれる。
【0126】
なお、右側面21eに、例えば、縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ側面補強リブ15aが形成され、左側面21fに、例えば、縦幅(Y)方向に沿って、高さ(Z)方向に所定の間隔をあけて少なくとも一つ側面補強リブ15bが形成されるようにしても良い。
【0127】
[4.流体容器の変形例の説明]
なお、流体容器1,2,20に収容される流体は、ミネラルウォータの他に、水、アルコール、ジュース、コーヒー、紅茶、スープ、味噌汁等の飲料系液体の他、酢、油、醤油、みりん等のような液体調味料やケチャップ、マヨネーズ、はちみつ等のゲル状又はスラリー状、若しくは粘性流体の他、塩、砂糖、胡椒等の粉粒状の流体であっても良い。勿論、充填物としては、上記の如くの食品系の他、化粧品、医療品、燃料、化学薬品等を収容したものであってもよい。
【0128】
更に、流体容器1,2,20は、ウォータサーバ等の流体供給装置に流体を供給するものであることに限定されるものではなく、単に流体を収容する容器であっても良い。また、流体容器1,2,20に収容される流体は、上述した流体の他に、小麦粉やそば粉等のような粉体、或いは米や穀類、種子類等のような粒体、液状のりや粘性洗剤等のようなゲル状体等から成る流体であっても良く、ガス等の気体からなる流体であっても良い。
【0129】
更に、流体容器1,2,20は、内部に流体が充填された完全展張形態において、四角筒状となるように形成されることに限定されるものではなく、折り畳み可能であり、半容積形態で製造可能なものであれば、如何なる形状であっても良く、少なくとも一側面に上述したような各種の折目部12,32を有する、略三角筒、略五角筒、略六角筒等や略星形筒のような内側に向かって凸形状を有するような形状等、略四角筒以外の略多角筒状に形成されるようにしても良い。更に、流体容器1,2,20は、完全展張形態の際に、略円筒状、略長円筒状や略楕円筒状となるように形成されるようにしても良い。
【0130】
以上の説明のように、半容積形態で形成された流体容器1,2,20は、ミネラルウォータ等の流体充填物を充填する際に、その事前、又は充填と共にインフレータガスや充填流体等の圧力によって半容積形態から各所の折目部に沿って自発的に、予め設定した完全展張形態に向かって変形させながら増容させて完全展張形態にすることが出来、また収容した流体の減少に伴って空気等の侵入を防ぎながら略無空気状態のまま予め設定している完全折畳形態に向かって各所の折目部に沿って自発的に変形させながら減容させて完全折畳形態にすることが出来るように構成することが出来る。
【0131】
更に、流体容器1,2,20は、合成樹脂材料でブロー成形等することによって形成されることに限定されるものではなく、紙を成形することで形成されるようにしても良い。
【0132】
以上説明の流体容器は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形や形態を採ることが出来る。