特許第6249663号(P6249663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249663
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/33 20060101AFI20171211BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20171211BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20171211BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20171211BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   A61K8/33
   A61K8/891
   A61K8/31
   A61Q19/10
   A61Q1/14
   C11D3/37
   C11D3/20
   C11D1/66
【請求項の数】7
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-159806(P2013-159806)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-30684(P2015-30684A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】陳 貞儒
(72)【発明者】
【氏名】山本 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】友國 敦史
【審査官】 中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−242340(JP,A)
【文献】 特開2000−191438(JP,A)
【文献】 特開平08−104610(JP,A)
【文献】 特開2007−055925(JP,A)
【文献】 特開2010−168293(JP,A)
【文献】 特開2004−175774(JP,A)
【文献】 特開2012−201601(JP,A)
【文献】 特開2010−280597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C11D 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(D)
(A)炭素数6以上15以下のアルキル基を2個有するジアルキルエーテル油 1〜70質量%、
(B)25℃における粘度が30mPa・s以下のポリオルガノシロキサン
(D)30℃における粘度が18mPa・s以下の炭化水素油 1〜50質量%
を含有し、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))が、0.4〜0.95であり、成分(A)、(B)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比、((A)+(B))/((A)+(B)+(D))が0.1〜0.9である洗浄剤組成物。
【請求項2】
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1.5質量%以上である請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、(C)水を含有する請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
さらに、(E)アニオン性ポリマー及びノニオン性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を5質量%以下含有する請求項1〜のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
さらに、(F)非イオン性界面活性剤を30質量%以下含有する請求項1〜のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
さらに、(G)ポリオールを50質量%以下含有する請求項1〜のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
クレンジング剤である請求項1〜のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクを拭き取って使用する、または、すすぎ落とすクレンジング組成物として、カルボキシビニルポリマーと油剤を組み合わせた皮膚洗浄剤が検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−280597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの従来の洗浄剤組成物では、洗浄力が不十分であり、さらに拭き取り後、または、すすぎ後の肌に油性感が残るという課題があった。
本発明は、ウォータープルーフマスカラなどの落ちにくいメイクも十分に落とすことができ、洗浄中のきしみが抑制され、また洗浄後、乾くのが速く、更にはさらっとすべすべとした肌感が得られる洗浄剤組成物に関する。
「洗浄中のきしみ」とは、洗浄剤を手に取り、顔につけてマッサージしたときに、指が顔の上で止まるような感じのことをいう。また、「洗浄後、乾くのが速い」とは、化粧綿に皮膚洗浄剤を適量取り、顔を拭いた後の乾きの速さ、皮膚洗浄剤で顔を洗浄後にティッシュなどで皮膚洗浄剤を拭き取った後の肌の乾きの速さ、または、皮膚洗浄剤で顔を洗浄後に、水で洗い流し、タオルで拭いた後の肌の乾きの速さを示す。「さらっとすべすべとした肌感」は、指で顔を擦った際に、べたつく感触がなく、指が顔の肌の上で抵抗感なく滑らかに動くことを示す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特定のエーテル油とポリオルガノシロキサンを特定の割合で組み合わせて用いれば、上記課題を解決した洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0006】
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)炭素数6以上15以下のアルキル基を2個有するジアルキルエーテル油 1〜70質量%、
(B)25℃における粘度が30mPa・s以下のポリオルガノシロキサン
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))が、0.4〜0.95である洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗浄剤組成物は、ウォータープルーフマスカラなどの落ちにくいメイクに対しても高い洗浄力が得られ、洗浄中のきしみが抑制され、洗浄後は素早く乾いて、さらっとすべすべとした肌感が得られるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明で用いる成分(A)の炭素数6以上15以下のアルキル基を2個有するジアルキルエーテル油は、洗浄力の点から、アルキル基の炭素数は15以下であり、好ましくは炭素数12以下であり、よりこの好ましくは炭素数8以下ある。
成分(A)としては、例えば、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジラウリルエーテル等が挙げられる。これらのうち、高い洗浄力と洗浄後のべたつきのなさの点から、ジオクチルエーテルが好ましい。
【0009】
成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、洗浄力の点から、含有量は、全組成中に、1質量%以上であり、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、洗浄後のべたつきのなさの点から、70質量%以下であり、60質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に1〜70質量%であり、1.5〜60質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。
さらに、拭き取りで使用する皮膚洗浄剤の場合、使用後の肌をさらっとすべすべする感触にするため20質量%以下が好ましい。
【0010】
成分(B)のオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が30mPa・s以下のものであり、1〜10mPa・sのものが好ましく、1〜5mPa・sのものがより好ましい。
ここで、粘度は、BM型粘度計(トキメック社製、TVB−10形粘度計、測定条件:ローターNo.1、60rpm)により測定される。
成分(B)としては、25℃における粘度が2cs、5cs、10cs等のジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサンが挙げられる。具体的には、KF−96L−2cs、KF−96A−5cs、KF−96A−10cs、KF995(信越化学工業社製)、SH200C Fluid-2cs、SH200C Fluid-5cs、SH200C Fluid-10cs、SH244、SH245、SH246(東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を使用することができる。これらのうち、洗浄後の素早く乾く感じの点から、粘度が2csのジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましく、粘度2csのジメチルポリシロキサンがより好ましい。
【0011】
成分(B)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、洗浄後の肌が素早くさらっとする感じが得られる点から、含有量は、全組成中に、0.05質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.05〜60質量%が好ましく、0.15〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。
【0012】
本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))は、洗浄力、きしみ感のなさ及び拭き取って使用した場合又は洗い流して使用した場合の両方の使用法で洗浄後の肌の乾きが早くなる点から、0.4以上であり、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、洗浄後に油っぽさがなく、さらっとすべすべする点から、0.95以下であり、0.9以下が好ましく、0.87以下がより好ましい。成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))は、0.4〜0.95であり、0.5〜0.9が好ましく、0.6〜0.87がより好ましい。
【0013】
本発明において、成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、洗浄力の点から、全組成中に1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、べたつきを抑制する点、洗浄中の油っぽさを防ぐ点から、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、全組成中に1.5〜90質量%が好ましく、2〜50質量%がより好ましく、2.5〜45質量%がさらに好ましい。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物は、さらに、使用中にさっぱりした感触を得るため、成分(C)水を含有することができる。水の含有量としては、全組成中2〜98質量%が好ましく、4〜90質量%がより好ましく、5〜85質量%がよりさらに好ましい。
【0015】
本発明の洗浄剤組成物は、さらに、(D)30℃における粘度が18mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の炭化水素油を含有することができ、より優れた洗浄力を得ることができる。
ここで、粘度は、BM型粘度計(トキメック社製、測定条件:ローターNo.1、60rpm)により測定される。
成分(D)としては、例えば、軽質流動イソパラフィン、水添ポリイソブテン等の流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。これらのうち、高い洗浄力とさっぱり感が得られる点から、軽質流動イソパラフィン、イソドデカンが好ましい。
【0016】
成分(D)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、洗浄力の点から、含有量は、全組成中に、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、さっぱり感の点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、4〜20質量%がさらに好ましい。
【0017】
本発明において、成分(A)、(B)及び(D)の質量割合、成分(A)、(B)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比、((A)+(B))/((A)+(B)+(D))は、洗浄後にさらっとする感触の点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.9以下が好ましく、0.88以下がより好ましく、0.85以下がさらに好ましい。成分(A)、(B)及び(D)の質量割合、成分(A)、(B)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比、((A)+(B))/((A)+(B)+(D))は、0.1〜0.9が好ましく、0.2〜0.88がより好ましく、0.3〜0.85がさらに好ましい。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は、更に(E)アニオン性ポリマー及びノニオン性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有することができ、洗浄力及び洗浄中や洗浄後の肌の感触を調整することができる。成分(E)のポリマーとしては、(E−1)、(E−2)、(E−3)、(E−4)のポリマーが挙げられる。
【0019】
(E−1)(e1)、(e2)及び(e3)から選ばれるモノマーを構成単位として1種または2種以上含むコポリマー
(e1)アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれるモノマー、
(e2)アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル、
(e3)アクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステル及びメタクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステル:
成分(E−1)のコポリマーは、(e1)、(e2)及び(e3)から選ばれるモノマーを構成単位として1種または2種以上含ものであれば制限されず、その含有割合や、ブロック結合、ランダム結合等の結合様式も制限されない。また、他のモノマーを含有していても良く、架橋構造を有していても良い。
(a1)、(a2)及び(a3)から選ばれるモノマー以外を構成単位としてコポリマーに含む場合は、全モノマーに対して10モル%未満が好ましく、5モル%以下がより好ましく、1モル%以下がさらに好ましい。
【0020】
(e2)のアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルにおいて、アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜22であり、更に好ましくは炭素数1〜18である。
(E−1)に(e2)を構成単位として含有する場合、(E−1)のコポリマー中の(e2)のモル比は、洗浄後の肌にさらっとすべすべした感じを得る点から、全モノマーに対するモル比で10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20%モル以上がさらに好ましく、安定性を得る点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下より好ましく、60モル%以下さがらに好ましい。また、コポリマー中の(e2)のモル比は、全モノマーに対するモル比で10〜70モル%が好ましく、15〜65モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。なお、モル比はポリマー1分子中の構成単位の全モノマーのモル数における(e2)の構成単位のモル数をいう。
【0021】
また、(e3)のアクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステル及びメタクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステルとしては、ポリオキシエチレンの付加モル数が、好ましくは10〜30であり、更に好ましくは12〜25であり、アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数12〜22であり、更に好ましくは炭素数18〜22である。(e3)としては、アクリル酸とポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルとのエステル、メタクリル酸とポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルとのエステル、アクリル酸とポリオキシエチレン(25)ベヘニルエーテルとのエステル、メタクリル酸とポリオキシエチレン(25)ベヘニルエーテルとのエステルがより好ましい。
【0022】
(E−1)のポリマーのうち、(e1)及び(e2)から選ばれるモノマーを構成単位として1種または2種以上含むコポリマーとしては、例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの共重合体、ポリクオタニウム‐51、ポリクオタニウム‐61、(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマー、アクリル酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、(アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸セテス-20)コポリマー、(アクリレーツ/アミノアクリレート/C10-30アクリルPEG-20イタコン酸)コポリマー等が挙げられる。
また、カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981、カーボポール ULTREZ10(以上、ルーブリゾール社製)等;アクリル酸またはメタクリル酸とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの共重合体として、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2、カーボポールETD2020、カーボポール ULTREZ20、カーボポール ULTREZ21(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、下記の非架橋のアニオン性両親媒性高分子等を用いることができる。
【0023】
非架橋のアニオン性両親媒性高分子:
下記一般式(1)で表される構成単位及び下記一般式(2)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位(以下、アニオン性構成単位ということがある)を全構成単位中50〜90質量%と、下記一般式(3)で表される構成単位からなる構成単位(以下、疎水性構成単位ということがある)を全構成単位中10〜50質量%含む非架橋のアニオン性両親媒性高分子。
【0024】
【化1】
【0025】
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R1及びR2は、水素原子が好ましい。一般式(1)及び(2)中、M1、M2及びM3は、それぞれ水素原子又は陽イオン基を示す。陽イオン基としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;アンモニウムイオンなどが挙げられ、ナトリウム、カリウムが好ましい。また、カルボキシル基の5モル%以上が塩となっていることが好ましい。
【0026】
一般式(3)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は炭素数4〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、洗浄性と乳化安定性の点から、炭素数8〜30のものが好ましく、炭素数12〜22のものがより好ましい。具体的には、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0027】
上記のようなアニオン性両親媒性高分子の全構成単位中のアニオン性構成単位の割合は、洗浄性と乳化安定性の点から、50〜90質量%であり、50〜85質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。また、アニオン性両親媒性高分子の全構成単位中の疎水性構成単位の割合は、洗浄性と乳化安定性の点から、10〜50質量%であり、15〜50質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
このようなアニオン性両親媒性高分子は、例えば、特開2007−238549号公報に記載の方法により製造することができ、特開2007−238549号公報に記載の合成例1、2、3の化合物及び(アクリル酸/アクリル酸ステアリル)コポリマーを用いることができる。
【0028】
また、ポリクオタニウム‐51として、リピジュアPMB、リピジュアB(日油社製);ポリクオタニウム‐61として、リピジュアS、リピジュアNR、リピジュアNA、(日油社製);(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマーとして、セラキュートF、セラキュートL、セラキュートV(日油社製)等の市販品を用いることができる。
【0029】
(E−1)のポリマーのうち、(e1)、(e2)及び(e3)のモノマーを構成単位として含むものとしては、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー等が挙げられる。
また、アキュリン22、アキュリン88、アキュリン28(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の市販品を用いることができる。なお、アキュリン22は30質量%水溶液、アキュリン28は20質量%水溶液、アキュリン88は29質量%水溶液である。
【0030】
成分(E−1)としては、(e2)を構成単位として全モノマーに対するモル比で10モル%以上含有するものが好ましく、かかるコポリマーとしては、
ポリクオタニウム‐51として、リピジュアPMB、リピジュアB(日油社製)、
特開2007−238549号公報に記載の合成例1、2、3の化合物及び(アクリル酸/アクリル酸ステアリル)コポリマー、
(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマーとして、アキュリン22、アキュリン88、アキュリン28(以上、ローム・アンド・ハース社製)等が挙げられる。
【0031】
(E−1)としては、洗浄後の肌にさらっとすべすべした感触を得る点から、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマーが好ましい。
【0032】
(E−2)平均分子量300〜100000のポリオキシアルキレン鎖を有し、一般式(4):
【0033】
【化2】
【0034】
〔式中、Rは同一又は異なって、(d)水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、(e)ポリオキシアルキレン基を含む置換基、(f)スルホアルキル基、(g)カルボキシアルキル基、(h)カチオン性置換基から選ばれる基を示し、Qは同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、a、b及びcは、同一又は異なって、0〜10の数を示す。QO基、R基、a、b及びcは、繰り返し単位内で、又は繰り返し単位間で、同一でも異なってもよく、置換基(e)〜(h)がヒドロキシ基を有する場合、当該ヒドロキシ基は更に他の置換基(e)〜(h)で置換されていてもよい。ただし、Rとして少なくとも1以上の置換基(e)を有する〕
で表される構成単位を有する多糖誘導体:
(E−2)は、多糖類又はその誘導体におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、(e)ポリオキシアルキレン基を含む置換基で置換されている多糖誘導体が好ましく、(e)は、次の一般式(5)で表される基であるのが好ましい。
−E1−(OA1q−E2−R6 (5)
〔式中、E1はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、qは8〜300の数を示し、q個のA1は同一又は異なって、炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基を示し、R6はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基を示す〕
【0035】
一般式(5)における炭化水素基E1は、ヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、炭素数2又は3のものが好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシメチルエチレン基、1−オキソエチレン基、1−オキソトリメチレン基、1−メチル−2−オキソエチレン基等が挙げられる。
【0036】
一般式(5)における2価の炭化水素基A1は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、炭素数2又は3のものが好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基及びトリメチレン基が挙げられる。qは−(OA1)−のくり返し単位の平均数であり、洗浄力及び乳化安定性の点から、8〜100が好ましく、10〜60がより好ましく、q個のAは同一でも異なっても良い。E2 はエーテル結合(−O−)又はオキシカルボニル基(−OCO−又は−COO−)を示し、エーテル結合が好ましい。
【0037】
一般式(5)における長鎖アルキル基R6は、炭素数4〜30であり、炭素数5〜25が好ましく、6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基等が挙げられる。中でも、洗浄力と乳化安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。
【0038】
多糖誘導体における一般式(5)で表わされる基の置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0であるのが好ましく、0.0005〜0.5がより好ましく、0.001〜0.1がさらに好ましい。
【0039】
(E−2)の多糖誘導体は、上記置換基(e)に加え、更に以下に示す置換基(f)、(g)及び(h)から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。また、置換基(e)〜(h)のヒドロキシ基の水素原子は、更に置換基(e)〜(h)で置換されていてもよい。
【0040】
(f)ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩:
置換基(f)としては、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、なかでも安定面や製造面より、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。これら置換基(f)は、その全てあるいは一部が、Na、K、Ca、Mg等の1族又は2族元素、アミン類、アンモニウム等の有機カチオンなどとの塩となっていてもよい。これら置換基(f)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜1.0が好ましく、0〜0.8がより好ましく、0〜0.5の範囲がさらに好ましい。
【0041】
(g)ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数2〜6のカルボキシアルキル基又はその塩:
置換基(g)としては、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基等が挙げられ、なかでも安定面や製造面より、カルボキシメチル基が好ましい。これら置換基(g)は、その全てあるいは一部が、Na、K、Ca、Mg等の1族又は2族元素、アミン、アンモニウム等の有機カチオンなどとの塩となっていてもよい。これら置換基(g)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜1.0が好ましく、0〜0.8がより好ましく、0〜0.5の範囲がさらに好ましい。
【0042】
(h)下記一般式(6)で表される基:
【0043】
【化3】
【0044】
〔式中、D1はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R7、R8及びR9は同一又は異なって、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、X-はヒドロキシイオン、ハロゲンイオン又は有機酸イオンを示す。〕
カチオン性置換基(h)におけるD1としては、炭素数2又は3のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、トリメチレン、2−ヒドロキシトリメチレン、1−ヒドロキシメチルエチレン等が好ましい。
カチオン性置換基(h)におけるR7、R8及びR9としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられ、中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
カチオン性置換基(h)におけるX-で表されるハロゲンイオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が、有機酸イオンとしては、CH3COO-、CH3CH2COO-、CH3(CH22COO-等が挙げられる。X-としては、ヒドロキシイオン、塩素イオン及び臭素イオンが好ましい。
これらカチオン性置換基(h)による置換度は、構成単糖残基当たり0〜0.5が好ましく、0〜0.3の範囲がより好ましい。
【0045】
このような多糖誘導体としては、例えば、国際公開第00/73351号パンフレット、特開2005−336116号公報に記載されたものを使用することができ、ヒドロキシエチル(ヒドロキシプロピルポリエチレングリコールドデシルエーテル)セルロース(ラウレス−13 PG−ヒドロキシエチルセルロース)等が挙げられる。
(E−2)としては、洗浄感を得る点から、ヒドロキシエチル(ヒドロキシプロピルポリエチレングリコールドデシルエーテル)セルロースと(ラウレス−13 PG−ヒドロキシエチルセルロース)が好ましい。
【0046】
(E−3)水溶性アルキル置換多糖誘導体:
多糖類又はその誘導体を基本骨格にもち、ヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、以下の置換基(i)と置換基(j)に置換されたものであることが好ましい。置換基(i)は、炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基及び炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基から選ばれる疎水部を有するグリセリルエーテル基であることが好ましい。置換基(j)は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩であることが好ましい。
ここで水溶性とは25℃で水に0.001質量%以上溶解するものをいう。
【0047】
置換基(i)の具体例としては、2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基が挙げられ、これらの基は多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子と置換していてもよい。これらのグリセリルエーテル基に置換している炭素数10〜40のアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数12〜36、更に炭素数16〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、乳化化粧料の保存安定性の点から、アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。なお、置換基(i)がヒドロキシル基を有する場合には、当該ヒドロキシル基は更に他の置換基(i)又は(j)で置換されていてもよい。
【0048】
また、置換基(j)具体例としては、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、その全てあるいは一部がNa、K等のアルカリ金属、Ca、Mg等のアルカリ土類金属、アミン類等の有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていてもよい。なお、置換基(j)がヒドロキシル基を有する場合には、当該ヒドロキシル基は更に他の置換基(i)又は(j)で置換されていてもよい。
【0049】
置換基(i)の置換度は、構成単糖残基当たり0.001〜1が好ましく、0.002〜0.5がより好ましく、0.003〜0.1であるのが更に好ましい。置換基(j)の置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.5が好ましく、0.02〜2がより好ましく、0.1〜1.5であるのが更に好ましい。また、置換基(i)と置換基(j)の数の比率は1:1000〜100:1が好ましく、1:500〜10:1がより好ましく、1:300〜10:1が更に好ましい。なお、水溶性アルキル置換多糖誘導体においては、多糖類又はその誘導体の各繰り返し単位中に必ず置換基(i)及び(j)が存在していなくてもよく、一分子全体として見たときに、置換基(i)及び(j)が導入されていればよい。その置換度が平均して前記範囲内にあるのが好ましい。
【0050】
また、(E−3)水溶性アルキル置換多糖誘導体の基本骨格となる多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
これらの多糖類のメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の置換基は、単一の置換基で置換されたものでもよいし、複数の置換基で置換されたものでもよく、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましい。
また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万が好ましく、10万〜500万がより好ましく、30万〜200万が更に好ましい。
【0051】
(E−3)水溶性アルキル置換多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体の水酸基の水素原子を部分的に疎水化(置換基(i)の導入)又はスルホン化(スルホン酸基を有する置換基(j)の導入)した後、残りの水酸基の全ての又は一部の水素原子をスルホン化又は疎水化することにより、又は同時に疎水化及びスルホン化を行うことにより製造することができる。
【0052】
多糖誘導体における置換基(i)及び(j)は、原料として用いた多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基のみならず、他の置換基(i)や置換基(j)が有するヒドロキシル基に置換する場合もあり、更にかかる置換は重畳的に起こる場合もある。すなわち、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子のみが置換基i)及び(j)で置換された化合物のほか、疎水化後にスルホン化した場合には、置換基(i)に更に置換基(i)又は(j)が置換し、また置換基(j)に更に置換基(j)が置換したものが含まれることがある。また、スルホン化後に疎水化した場合には、置換基(i)に更に置換基(i)が置換し、また置換基(j)に更に置換基(j)又は(i)が置換したものが含まれることがある。さらに、疎水化とスルホン化を同時に行った場合には、置換基(i)に更に置換基(i)又は(j)が置換し、置換基(j)に更に置換基(i)又は(j)が置換したものが含まれることがあり、更にかかる他の置換基への置換が重畳的に起こったものが含まれることもある。本発明においては、このような多糖誘導体のいずれをも使用することができる。
具体的には、特開2007−169185号公報の製造例1や、ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Naなどが挙げられる。ステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Naとしては、ポイズ310(花王製)等の市販品を用いることができる。
(E−3)としては、保形性と保存安定性の点からステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸Naが好ましい。
【0053】
(E−4)一般式(7)
【0054】
【化4】
【0055】
〔式中、A2は炭素数2〜6のアルキレン基、nは平均値で5〜1000の数、pは平均値で5〜100の数であり、(n×p)個のA2は同一でも異なっていても良い。〕
で表される構成単位を有するポリエーテルポリカーボネート:
一般式(7)において、A2は炭素数2〜6のアルキレン基を示し、(n×p)個のA2は同一でも異なっていても良いが、(n×p)個のA2が、少なくとも2種以上のアルキレン基であることが好ましい。また、A2は炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、エチレン基とプロピレン基の混合基が更に好ましい。また、異なるアルキレンオキシ基からなる場合、これらはブロック構造でも、ランダム構造でもよいが、ランダム構造がより好ましい。
【0056】
一般式(7)において、nは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示す5〜1000の数であり、10〜500の数が好ましい。pは[(A2O)nCOO]基の平均繰り返し数を示す5〜100の数であり、5〜50の数が好ましい。
【0057】
ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量は、洗浄性の点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上が更に好ましく、20万以上が特に好ましい。また洗浄性の点から、100万以下が好ましく、70万以下がより好ましく、50万以下が更に好ましい。
【0058】
成分(E−4)のポリエーテルポリカーボネートは、例えば、特開2009−41004号公報に記載の方法により、製造することができ、特開2009−41004号公報の合成例1、2、3の化合物を用いることができる。
(E−4)としては、拭き取り後の肌のべたつき感を抑制する点から、特開2009−41004号公報の合成例1、2、3の化合物が好ましい。
【0059】
また、成分(E)としては、前記以外に、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を使用することもできる。
【0060】
成分(E)としては、洗浄力と使用後の肌をさらっとすべすべした感じを得る点から、(E−1)が好ましく、(a1)、(a2)及び(a3)を構成単位として含むコポリマーがより好ましく、(a2)を構成単位として全モノマーに対するモル比で10モル%以上含有するものがさらに好ましく、アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマーがよりさらに好ましい。
【0061】
成分(E)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、保存安定性と感触の点から、含有量は、全組成中に、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜3質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物は、さらに、(F)非イオン性界面活性剤を含有することができ、より優れた安定性を得ることができる。
成分(F)としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらのうち、安定性の点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルが好ましい。
【0063】
成分(F)としては、安定性の点から、HLB3〜20のものが好ましく、HLB4〜18がより好ましい。
ここで、HLBとは、親水性−親油性のバランス(Hydrophilic-Lypophilic Balance)を示す指標であり、本発明においては小田・寺村らによる次式を用いて算出した値を用いている。
【0064】
【数1】
【0065】
さらに、成分(F)は、HLB8以上の非イオン性界面活性剤と、HLB8未満の非イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることが5℃〜40℃の温度範囲での安定性を向上させる点から好ましい。HLB8未満の非イオン性界面活性剤としては、例えばエチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(2)モノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(5)デシルペンタデシルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(5)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油などのポリエチレングリコール系界面活性剤;プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルの酸化エチレン誘導体などのプロピレングリコール系界面活性剤;グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテルが好ましい。
【0066】
成分(F)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、安定性の点から、含有量は、全組成中に、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜25質量%がより好ましく、0.1〜20質量%がさらに好ましい。
さらに、拭き取りで使用する皮膚洗浄剤の場合、使用後の肌をさっぱりとした感触にするため0.5質量%以下が好ましい。
【0067】
本発明の洗浄剤組成物は、更に、(G)ポリオールを含有することができ、洗浄後の肌の保湿感を向上できる。
ポリオールとしては、多価アルコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、糖、プロピレンオキシド付加モル数3以上のポリオキシプロピレン構造を有し、炭素原子数4以上のアルキル基とポリオキシエチレン構造を有さない水溶性化合物等が挙げられる。
より具体的には、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
【0068】
また、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールとしては、ジグリセリン、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1540、ジプロプレングリコール、ポリプロピレングリコール(3)、ポリプロピレングリコール(7)等の分子量2000以下のポリグリセリン、分子量10000以下のポリエチレングリコール、分子量1000以下のポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
さらに、糖としては、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、エチルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0069】
また、プロピレンオキシド付加モル数3以上のポリオキシプロピレン構造を有し、炭素原子数4以上のアルキル基とポリオキシエチレン構造を有さない水溶性化合物としては、プロピレンオキシド付加モル数3以上のポリオキシプロピレン構造にグリセリル基、ポリグリセリル基又は糖残基等の親水性基が結合した化合物であることが好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルは、ジグリセリンにプロピレンオキシドを付加重合したものである。このうちで、プロピレンオキシドの付加モル数は、ウォータープルーフマスカラのポリマー被膜に対する洗浄力の点から4〜24モルが好ましく、更に6〜18モルが好ましい。ポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合したものである。このうちで、プロピレンオキシドの付加モル数は、ポリマー被膜に対する洗浄力の点から8〜24モルが好ましく、更に8〜16モルが好ましい。ポリオキシプロピレンメチルグルコシドは、メチルグルコシドにプロピレンオキシドを付加重合したものである。このうちで、プロピレンオキシドの付加モル数は、ポリマー被膜に対する洗浄力の点から5〜25モルが好ましく、更に10〜20モルが好ましい。
成分(G)としては、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルやポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、組成物の肌なじみをよくする効果がある上、使用後にべたつかず、しっとりとした感触を与えるため好ましく、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルが特に好ましい。
【0070】
成分(G)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、洗浄後の肌の保湿感の点から、全組成中に、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさら好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、42質量%以下がさらに好ましい。また、成分(G)の含有量は、全組成中に1〜50質量%が好ましく、2〜45質量%がより好ましく、3〜42質量%がさらに好ましい。
【0071】
本発明の洗浄剤組成物は、前記成分以外に、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有することができる。例えば、前記成分(A)、(B)及び(D)以外の油剤、カチオン性ポリマー、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、塩類、パール化剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。
【0072】
前記成分(A)、(B)及び(D)以外の油剤としては、30℃で液状のエステル油、30℃における粘度が18mPa・sを超える液状の流動パラフィン等の炭化水素油や植物油、30℃でペーストまたはワックス状の油脂などが挙げられる。
30℃で液状のエステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル(6.6mPa・s)、パルミチン酸イソプロピル(10mPa・s)、イソノナン酸イソノニル(7mPa・s)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(19mPa・s)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)ジグリセリル(26mPa・s)などが挙げられ、さらに30℃での粘度が30mPa・s以下が好ましく、15mPa・s以下がより好ましい。これらのうち、洗浄性の点から、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニルが好ましい。30℃で液状のエステル油は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2量%以上がさら好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。さらに、粘度が30mPa・sを超えるエステル油を含有する場合、成分(A)の含有量に対する粘度が30mPa・sを超えるエステル油の含有量の質量比は、洗浄性の点から、1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましく、1/10以下がよりさらに好ましい。
【0073】
30℃における粘度が18mPa・sを超える液状の流動パラフィン等の炭化水素油や植物油としては、洗浄性の点から、水添ポリイソブテン、流動パラフィンが好ましい。30℃における粘度が18mPa・sを超える液状の炭化水素油や植物油は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2量%以上がさら好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。
【0074】
30℃でペーストまたはワックス状の油脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
さらに、洗浄性の点から、成分(A)の含有量に対する30℃でペーストまたはワックス状の油脂の合計含有量の質量比は、1/10以下が好ましく、1/20以下がより好ましく、1/30以下がよりさらに好ましい。
【0075】
また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、含有しないのがよりさらに好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、全組成中に1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましく、含有しないのがよりさらに好ましい。
【0076】
本発明の洗浄剤組成物は、配合成分を撹拌混合することにより、また、必要に応じて加熱して製造することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、オイル状、液状、二層式、ジェル状、クリーム状、乳液状、シート状等のいずれの形態にもすることができる。
本発明の洗浄剤組成物は、例えば、洗顔料、クレンジング剤等の皮膚洗浄剤組成物として好適であり、クレンジング剤がより好ましい。また、顔に塗布されたメイク化粧料をクレンジングするのに用いるのが更に好ましい。
【0077】
本発明の洗浄剤組成物は、例えば、組成物をそのまま、又は分離したものを振り混ぜて均一化した後、コットン等に浸して拭き取る方法、手に取ってなじませた後、コットン等で拭き取る方法、手に取ってなじませた後、洗い流す方法、コットン等に浸してなじませた後洗い流す方法、上記の方法で拭き取った後、洗い流す方法などにより、使用することができる。さらに、シートに含浸させた形態として、使用することもできる。また、コットン等に浸して拭き取る方法が好ましく、手に取ってなじませた後、コットン等で拭き取る方法がより好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0078】
<1>次の成分(A)及び(B):
(A)炭素数6以上15以下のアルキル基を2個有するジアルキルエーテル油 1〜70質量%、
(B)25℃における粘度が30mPa・s以下のポリオルガノシロキサン
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))が、0.4〜0.95である洗浄剤組成物。
【0079】
<2>成分(A)が、好ましくは、アルキル基の炭素数は12以下であって、炭素数8以下がより好ましく、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジラウリルエーテルがさらに好ましく、ジオクチルエーテルがよりさらに好ましい前記<1>記載の洗浄剤組成物。
<3>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に、1.5質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、60質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、また、成分(A)の含有量は、好ましくは、全組成中に1.5〜60質量%であって、2〜30質量%がより好ましい前記<1>又は<2>記載の洗浄剤組成物。
【0080】
<4>成分(B)のオルガノポリシロキサンは、好ましくは、25℃における粘度が1〜10mPa・sであって、1〜5mPa・sがより好ましく、粘度が2csのジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンがさらに好ましく、粘度2csのジメチルポリシロキサンがよりさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<5>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.05質量%以上であって、0.15質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、また、成分(B)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.05〜60質量%であって、0.15〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
【0081】
<6>成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))が、好ましくは、0.5以上であって、0.6以上がより好ましく、0.9以下が好ましく、0.87以下がより好ましく、また、成分(A)及び(B)の質量割合、成分(A)と成分(B)の合計の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比、((A)/((A)+(B)))は、好ましくは、0.5〜0.9であって、0.6〜0.87がより好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<7>成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、好ましくは、全組成中に1.5質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましく、また、成分(A)及び(B)の合計含有量((A)+(B))は、好ましくは、全組成中に1.5〜90質量%であって、2〜50質量%がより好ましく、2.5〜45質量%がさらに好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
【0082】
<8>さらに、(C)水を含有する前記<1>〜<7>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<9>(C)水の含有量が、好ましくは、全組成中2〜98質量%であって、4〜90質量%がより好ましく、5〜85質量%がよりさらに好ましい前記<8>記載の洗浄剤組成物。
<10>さらに、(D)30℃における粘度が18mPa・s以下の炭化水素油を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
<11>成分(D)が、好ましくは、30℃における粘度が10mPa・s以下の炭化水素油であって、軽質流動イソパラフィン、水添ポリイソブテン、イソドデカン、イソヘキサデカンがより好ましく、軽質流動イソパラフィン、イソドデカンがより好ましい前記<10>記載の洗浄剤組成物。
【0083】
<12>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に、1質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、また、成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に1〜50質量%であって、3〜40質量%がより好ましく、4〜20質量%がさらに好ましい前記<10>又は<11>記載の洗浄剤組成物。
<13>成分(A)、(B)及び(D)の質量割合、成分(A)、(B)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比、((A)+(B))/((A)+(B)+(D))が、好ましくは、0.1以上であって、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.9以下が好ましく、0.88以下がより好ましく、0.85以下がさらに好ましく、また、成分(A)、(B)及び(D)の質量割合、成分(A)、(B)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)及び(B)の合計含有量の質量比、((A)+(B))/((A)+(B)+(D))は、好ましくは、0.1〜0.9であって、0.2〜0.88がより好ましく、0.3〜0.85がさらに好ましい前記<10>〜<12>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
【0084】
<14>さらに、(E)アニオン性ポリマー及びノニオン性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有する前記<1>〜<13>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<15>成分(E)が、好ましくは、(E−1)(e1)、(e2)及び(e3)から選ばれるモノマーを構成単位として1種または2種以上含むコポリマーである前記<14>記載の洗浄剤組成物。
(e1)アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれるモノマー、
(e2)アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル、
(e3)アクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステル及びメタクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエステル:
【0085】
<16>(E−1)が、好ましくは、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの共重合体、ポリクオタニウム‐51、ポリクオタニウム‐61、(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマー、アクリル酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、(アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸セテス-20)コポリマー、(アクリレーツ/アミノアクリレート/C10‐30アクリルPEG-20イタコン酸)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマーであって、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマーがより好ましい前記<15>記載の洗浄剤組成物。
<17>成分(E)が、好ましくは、(E−2)平均分子量300〜100000のポリオキシアルキレン鎖を有し、一般式(4):
【0086】
【化5】
【0087】
〔式中、Rは同一又は異なって、(d)水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、(e)ポリオキシアルキレン基を含む置換基、(c)スルホアルキル基、(g)カルボキシアルキル基、(h)カチオン性置換基から選ばれる基を示し、Qは同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、a、b及びcは、同一又は異なって、0〜10の数を示す。QO基、R基、a、b及びcは、繰り返し単位内で、又は繰り返し単位間で、同一でも異なってもよく、置換基(e)〜(h)がヒドロキシ基を有する場合、当該ヒドロキシ基は更に他の置換基(e)〜(h)で置換されていてもよい。ただし、Rとして少なくとも1以上の置換基(e)を有する〕
で表される構成単位を有する多糖誘導体である前記<14>記載の洗浄剤組成物。
【0088】
<18>(E−2)が、好ましくは、多糖類又はその誘導体におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、(e)ポリオキシアルキレン基を含む置換基で置換されている多糖誘導体であって、(e)は、次の一般式(5)で表される基である前記<17>記載の洗浄剤組成物。
−E1−(OA1q−E2−R6 (5)
〔式中、E1はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、qは8〜300の数を示し、q個のA1は同一又は異なって、炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基を示し、R6はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基を示す〕
<19>成分(E)が、好ましくは、(E−3)水溶性アルキル置換多糖誘導体であって、多糖類又はその誘導体を基本骨格にもち、ヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、以下の置換基(i)と置換基(j)に置換されたものがより好ましい前記<14>記載の洗浄剤組成物。
置換基(i):炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル基及び炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルケニル基を有するアルケニルグリセリルエーテル基から選ばれる疎水部を有するグリセリルエーテル基。
置換基(j):ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩。
<20>成分(E)が、好ましくは、(E−4)一般式(7)
【0089】
【化6】
【0090】
〔式中、A2は炭素数2〜6のアルキレン基、nは平均値で5〜1000の数、pは平均値で5〜100の数であり、(n×p)個のA2は同一でも異なっていても良い。〕
で表される構成単位を有するポリエーテルポリカーボネートである前記<14>記載の洗浄剤組成物。
【0091】
<21>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.001質量%以上であって、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、また、成分(E)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.001〜5質量%であって、0.005〜3質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい前記<14>〜<20>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<22>さらに、(F)非イオン性界面活性剤を含有する前記<1>〜<21>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<23>成分(F)が、好ましくは、HLB3〜20のものであって、HLB4〜18がより好ましく、HLB8以上の非イオン性界面活性剤と、HLB8未満の非イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることがさらに好ましい前記<22>記載の洗浄剤組成物。
<24>成分(F)の含有量が、好ましくは、全組成中に、0.01質量%以上であって、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、また、成分(E)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜30質量%であって、0.05〜25質量%がより好ましく、0.1〜20質量%がさらに好ましい前記<22>又は<23>記載の洗浄剤組成物。
【0092】
<25>さらに、(G)ポリオールを含有する前記<1>〜<24>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
<26>成分(G)が、好ましくは、多価アルコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、糖、プロピレンオキシド付加モル数3以上のポリオキシプロピレン構造を有し、炭素原子数4以上のアルキル基とポリオキシエチレン構造を有さない水溶性化合物である前記<25>記載の洗浄剤組成物。
<27>成分(G)の含有量が、好ましくは、全組成中に、1質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさら好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、42質量%以下がさらに好ましく、また、成分(G)の含有量は、好ましくは、全組成中に1〜50質量%であって、2〜45質量%がより好ましく、3〜42質量%がさらに好ましい前記<25>又は<26>記載の洗浄剤組成物。
<28>クレンジング剤である前記<1>〜<27>のいずれか1記載の洗浄剤組成物。
【実施例】
【0093】
実施例1〜10、比較例1〜6
表1及び表2に示す組成の洗浄剤組成物を製造し、洗浄力、洗浄中のきしみ感のなさ、洗浄中の油っぽくない感じ、洗浄直後のべたつき感のなさ、洗浄後の乾く速さ及び洗浄後のさらっとすべすべする感じを評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
なお、実施例1〜8は参考例であって、本発明の範囲に含まれるものではない。
【0094】
(製造方法)
室温で、配合成分を混合撹拌して、洗浄剤組成物を製造した。
【0095】
(評価方法)
(1)洗浄力:
油性マスカラ(ウォータープルーフマスカラ)として、コーセー スポーツ ビューティ ファシオ パワーステイマスカラ(カールロング)BK001(商品名)0.005gを、スライドガラス上で直径1.2cmの円状に均一塗布し、12時間放置して乾燥させた。各洗浄剤組成物約0.02gを油性マスカラの上にのせ、指でマスカラを除去するのに必要なマッサージ回数を測定した。除去するのに必要なマッサージ回数が少ないほど洗浄力が良好である。
【0096】
(2)洗浄中のきしみ感のなさ:
女性専門パネラー10名が、各洗浄剤組成物約3gを手に取り、ファンデーション(ソフィーナ プリマヴィス タリキッドファンデーション オークル05。以下の評価でも同じファンデーションを使用)を塗布した顔に塗布し、約30秒間マッサージした。マッサージ中の肌のきしまない感じについて、「5:きしまない」、「4:ほとんどきしまない」、「3:ややきしむ」、「2:きしむ」、「1:かなりきしむ」の5段階で官能評価し、10名の合計点を求めた。
なお、「洗浄中のきしみ」とは、前述のとおり、洗浄剤を手に取り、顔につけてマッサージしたときに、指が顔の上で止まるような感じのことをいう。
【0097】
(3)洗浄中の油っぽくない感じ:
女性専門パネラー10名が、各洗浄剤組成物約3gを手に取り、ファンデーションを塗布した顔に塗布し、約30秒間マッサージした。マッサージ中の肌の油っぽくない感じについて、「5:油っぽくない」、「4:ほとんど油っぽくない」、「3:やや油っぽい」、「2:油っぽい」、「1:かなり油っぽい」の5段階で官能評価し、10名の合計点を求めた。
【0098】
(4)洗浄直後のべたつき感のなさ:
女性専門パネラー10名が、各洗浄剤組成物約3gを手に取り、ファンデーションを塗布した顔に塗布し、約30秒間マッサージした。その後、水で5回すすぎ、タオルで顔を拭き取り、洗浄直後の肌のべたつきのなさについて、「5:べたつかない」、「4:ほとんどべたつかない」、「3:ややべたつく」、「2:べたつく」、「1:かなりべたつく」の5段階で官能評価し、10名の合計点を求めた。
【0099】
(5)洗浄後の乾く速さ:
女性専門パネラー10名が、各洗浄剤組成物約3gを手に取り、ファンデーションを塗布した顔に塗布し、約30秒間マッサージした。その後、水で5回すすぎ、タオルで顔を拭き取り、洗浄直後から5秒後に、肌の乾いた感じについて、「5:乾いた感じ」、「4:ほとんど乾いた感じ」、「3:やや乾いた感じ」、「2:あまり乾いていない感じ」、「1:ほとんど乾いていない感じ」の5段階で官能評価し、10名の合計点を求めた。
【0100】
(6)洗浄後のさらっとすべすべする感:
女性専門パネラー10名が、各洗浄剤組成物約3gを手に取り、ファンデーションを塗布した顔に塗布し、約30秒間マッサージした。その後、水で5回すすぎ、タオルで顔を拭き取った洗浄直後から15秒後に顔を指で触り、乾いてさらっとすべすべする感じについて、「5:指が全く止る感じがなく肌をすべる」、「4:指が止まる感じがほとんどなく肌をすべる」、「3:指がやや止まる感じがあり肌をすべらない」、「2:指が止まる感じがあり肌をすべらない」、「1:指が止まる感じがかなりあり肌をすべらない」の5段階で官能評価し、10名の合計点を求めた。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
実施例11〜13、比較例7、8(リキッドクレンジング)
表3に示す組成のリキッドクレンジングを製造し、洗浄力、洗浄中のきしみ感のなさ、洗浄直後のべたつき感のなさ及び洗浄後のさらっとすべすべする感じを評価した。結果を表3に併せて示す。
リキッドクレンジングは、適量を化粧綿に均一に浸し、化粧綿で顔を拭き取って使用することができる。また、リキッドクレンジングの適量を手の平にとり、顔につけてマッサージ後、ティッシュで拭き取るか、水で顔を洗い流して使用することができる。
【0104】
(製造方法)
室温で、成分(A)、(B)、(D)と油剤を混合撹拌し、さらに、(F)と(G)を加え、60℃に加熱溶解し油相を得た。また、60℃で、水にメチルパラベンを加え溶解し、さらにカルボキシビニルポリマーを加え撹拌し、均一にした後、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)共重合体、フェノキシエタノールを加え撹拌し、水相を調製した。その後、水相に油相を加え撹拌し、48%KOHで中和し、室温まで冷却した後、香料を加え、さらに撹拌し、リキッドクレンジングを得た。
【0105】
(評価方法)
(1)洗浄力:
油性マスカラ(ウォータープルーフマスカラ)として、コーセー スポーツ ビューティ ファシオ パワーステイマスカラ(カールロング)BK001(商品名)0.005gを、スライドガラス上で直径1.2cmの円状に均一塗布し、12時間放置して乾燥させた。各洗浄剤組成物約2gを化粧綿(リリーベル リランパフ/スズラン社。以下の評価でも、同じ化粧綿を使用)に均一に浸し、化粧綿を油性マスカラにあてて、10秒間軽く押さえてから一定圧(7.8kPa)でふき取りを行い、マスカラを除去するのに必要なふき取り回数を測定した。
【0106】
(2)洗浄中のきしみ感のなさ:
女性専門パネラー1名が、各洗浄剤組成物約2gを化粧綿に均一に浸し、化粧綿で顔を拭き取っているときに、化粧綿が顔の上で止まるような感じをきしみ感とし、「5:きしまない」、「4:ほとんどきしまない」、「3:ややきしむ」、「2:きしむ」、「1:かなりきしむ」の5段階で官能評価した。
【0107】
(2)洗浄直後のべたつき感のなさ:
女性専門パネラー1名が、各洗浄剤組成物約2gを化粧綿に均一に浸し、化粧綿で顔を拭き取って洗浄し、洗浄直後の肌のべたつきのなさについて、「5:べたつかない」、「4:ほとんどべたつかない」、「3:ややべたつく」、「2:べたつく」、「1:かなりべたつく」の5段階で官能評価した。
【0108】
(3)洗浄後のさらっとすべすべする感:
女性専門パネラー1名が、各洗浄剤組成物約2gを化粧綿に均一に浸し、化粧綿で顔を拭き取り、洗浄直後のさらっとすべすべする感じについて、「5:指が全く止る感じがなく肌をすべる」、「4:指が止まる感じがほとんどなく肌をすべる」、「3:指がやや止まる感じがあり肌をすべらない」、「2:指が止まる感じがあり肌をすべらない」、「1:指が止まる感じがかなりあり肌をすべらない」の5段階で官能評価した。
【0109】
【表3】
【0110】
実施例14、15、比較例9(2層式クレンジング)
表4に示す組成の2層式クレンジングを製造し、実施例11〜13と同様にして、洗浄力を評価し、実施例11〜13と同様にして、女性専門パネラー1名が、洗浄中のきしみ感のなさを評価し、実施例1〜10と同様にして、女性専門パネラー1名が、洗浄中の油っぽくない感じを評価した。結果を表4に併せて示す。
2層式クレンジングは、適量を化粧綿に均一に浸し、化粧綿で顔を拭き取って使用することができる。また、2層式クレンジングの適量を手にとり、顔につけてマッサージ後、ティッシュで拭き取るか、水で顔を洗い流して使用することができる。
【0111】
(製造方法)
60℃に加熱した水にメチルパラベンを加え均一に溶解し、さらに成分(E)を添加し、撹拌して均一に溶解させた。その後、残りの成分を添加し撹拌し、室温まで冷却して2層式クレンジングを得た。
【0112】
【表4】
【0113】
実施例16(ジェル状クレンジング)
表5に示す組成のジェル状クレンジングを製造した。
ジェル状クレンジングは、適量を手にとり、顔につけてマッサージ後、水で顔を洗い流して使用することができる。
【0114】
(製造方法)
成分(B)、香料、水を除く成分を混合し、70℃で加熱撹拌する。その度、60℃まで冷却し、成分(B)及び水を加えて撹拌し、さらに室温まで冷却後、香料を加え、ジェル状クレンジングを得る。
【0115】
【表5】
【0116】
実施例17(オイルクレンジング)
表6に示す組成のオイルクレンジングを製造した。
オイルクレンジングは、適量を手にとり、顔につけてマッサージ後、水で顔を洗い流して使用することができる。
【0117】
(製造方法)
60℃で、成分(F)とメチルパラベンを混合後、室温まで冷却し、成分(A)、(B)、(D)とその他の油剤を加え撹拌する。さらに残りの成分を加え撹拌し、オイルクレンジングを得る。
【0118】
【表6】
【0119】
実施例18(リキッドクレンジング)
表7に示す組成のリキッドクレンジングを製造した。
リキッドクレンジングは、適量を手にとり、顔につけてマッサージ後、水で顔を洗い流して使用することができる。
【0120】
(製造方法)
70℃で、成分(A)、(B)と(D)以外の油剤と成分(E)を加え撹拌する。これにあらかじめ室温で混合した成分(C)と(G)を加える。その後、30℃まで冷却し、成分(A)、(B)、(D)を加え撹拌し、更に(F)と香料を加え撹拌し、リキッドクレンジングを得る。
【0121】
【表7】
【0122】
実施例19(シート状クレンジング)
表8に示す組成のシート状クレンジングを製造した。
シート状クレンジングは、シートで顔を拭き取って使用することができる。
【0123】
(製造方法)
60℃で、メチルパラベンを水に溶解し、さらに(E)を加え撹拌し、30℃まで冷却し、48%KOHで中和する。さらに残りの成分を加え撹拌し、O/W乳化物を得る。このO/W乳化物を不織布に含浸させ、シート状クレンジグを得る。
【0124】
【表8】
【0125】
実施例16〜19で得られた洗浄剤組成物はいずれも、ウォータープルーフマスカラなどの落ちにくいメイクも十分に落とすことができ、使用直後の肌はべたつかず、素早くさらっとして、さっぱり感が得られるものである。