(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体装置、例えば光電池および太陽電池などの製造は、半導体の前面および裏面上に導電性接点または電流トラックを形成することを伴う。電荷担体が妨害されずに半導体から導電性の接点に現われることを確実にするために、金属被膜は半導体とオーミック接触を確立することができなければならない。電流の損失を避けるために、金属化された接触グリッドは適切な電流伝導度、すなわち、高い導電率または十分に高い導体トラック断面を有していなければならない。
【0003】
上記の要件を満足する、太陽電池の裏面を金属コーティングするための多数の方法が存在する。例えば、太陽電池の裏面の電流の伝導を改善するために、裏面の直下のp型ドーピングが増強される。通常、アルミニウムがこの目的に使用される。アルミニウムは、例えば、蒸着によるかまたは印刷されることによって裏面に適用され、組み込まれるか、またはそれぞれ合金化される。厚膜技術を用いる金属コーティングは、導電トラックを金属化するための従来法である。使用されるペーストには金属粒子が含まれ、結果として導電性である。これらのペーストは、スクリーン、マスク、パッド印刷またはペースト描画によって塗布される。慣用される方法は、スクリーン印刷法であり、そこでは80μm〜100μmの最小線幅を有する指形の金属被膜線が作成される。このグリッド幅でさえも、純粋金属構造と比較すると導電率の損失は明白である。このことは、直列抵抗に、さらに太陽電池の曲線因子(filling factor)および効率に、有害作用を有することがある。この方法は導体トラックをより平らにするので、より小さい印刷された導体トラック幅でこの効果は強められる。金属粒子間の非伝導性の酸化物およびガラス成分が、この導電率の低下の基本的な原因をなす。
【0004】
前面、すなわち光入射面を金属コーティングする場合、その目的は、光子を捕捉するためにできるだけ多くその表面を使用するために、活性半導体表面の遮光量を最小限にすることである。前面接点を作り出すための複雑なプロセスは、導体トラック構造を画定するためにレーザーおよびその他の画像形成技術を活用する。ウエハの前面は、所望により、反射を低減する改良された光入射ジオメトリを表面に付与するために、結晶配向テクスチャエッチングに供することができる。半導体接合部を作るために、リン拡散またはイオン注入がウエハの前面で行われてnドープ(n+またはn++)領域を作り出し、ウエハにPN接合部をもたらす。nドープ領域は、エミッタ層とも呼ばれ得る。
【0005】
反射防止層はウエハの前面またはエミッタ層に付加される。その上、反射防止層は、パッシベーション層としても機能することができる。適した反射防止層としては、SiO
xなどの酸化シリコン層、Si
3N
4などの窒化シリコン層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層の組み合わせが挙げられる。上記式中、xは酸素原子の数であり、一般にxは整数の2である。そのような反射防止層は、いくつかの技法によって、例えば様々な蒸着法、例えば化学気相成長法および物理的蒸着などによって堆積させることができる。
【0006】
次に、開口部またはパターンが前面に画定される。パターンは反射防止層を貫通してウエハの半導体本体の表面を露出させる。多様な方法、例えば、限定されるものではないが、レーザー切断、機械的手段、化学的方法およびリソグラフィ法などを用いてパターンを形成することができる。そのような機械的手段としては、ソーイングおよびスクラッチングが挙げられる。典型的なフォトリソグラフィ法には、像形成可能な材料をウエハの表面に配置し、像形成可能な材料をパターン形成して反射防止層に開口部を形成し、該パターンをウエハに転写し、開口部に金属層を堆積させ、像形成可能な材料を除去することが含まれる。前面に開口部を形成する化学的方法の一例は、エッチング組成物、例えば緩衝酸化物エッチ液などによるエッチングである。そのような緩衝酸化物エッチ液には、1種以上の無機酸が、緩衝剤、例えばアンモニウム化合物などと組み合わせて含まれてよい。エッチング工程の前に、エッチング液のエッチング活性に抵抗性のマスクを、電流トラックの場所のパターンに対してネガのパターンに適用する。エッチングの後、マスクは通常電流トラックの金属化の前に除去される。
【0007】
電流トラックの形成中にしばしば生じる主な問題は、アンダーカッティングである。この結果、欠陥のある役に立たない半導体装置となる。電流トラックが、エッチングレジストとしても公知のマスクとエッチング方法を組み合わせて用いて形成される場合に、この問題は一般的である。選択的にマスクされた半導体にエッチ液を適用する際、エッチ液は、マスクに覆われていない反射防止層の部分を除去するだけでなく、毛管作用によってマスクと反射防止層の境界面でマスクの下に漏れ出し、マスクによって覆われている反射防止層の部分を不必要にエッチングによって除去する可能性がある。この結果、電流トラックが不規則な幅を有し、その結果、最終の金属化された装置において不規則で不均一な電流の流れがもたらされる。その上、そのようなアンダーカッティングは、隣接する電流トラックを接合する支流を形成して、その結果電気的短絡をもたらす可能性がある。
【0008】
電流トラックの形成における別の問題は、半導体ウエハの表面の親水性の性質に関係する。光起電力素子の製造で使用される多くの従来のマスキング材料は、親水性表面に対する粘着力が弱い。ウエハ表面の親水性が高いほど、マスクのウエハ表面に対する粘着力は損なわれ、よってエッチング液によるマスクのアンダーカッティングをさらに悪化させる。単結晶および多結晶ウエハおよび反射防止層は、通常、性質が親水性よりも疎水性である傾向があるが、それでもある程度の親水性の特徴があり、それはマスクのそれらの表面への粘着力を損なう可能性がある。その上、ハイブリッドモノウエハとしても公知のモノキャストウエハは、光起電産業においてより一般的になりつつある。これらのウエハは多結晶および単結晶シリコンの両方の組み合わせである。それらは従来の多結晶ウエハよりも高い電圧効率を有し、従来の単結晶ウエハほど費用がかからないので、光起電産業での使用にますます望ましい。しかし、そのようなモノキャストウエハは、実質的に多結晶および単結晶ウエハよりも親水性が高いので、多くの従来のマスクはアンダーカッティングを防止するために望ましい程度までその表面に接着しない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書を通して使用される、用語「堆積させる」および「めっきする」は、同義的に使用される。用語「電流トラック」および「電流線」は、同義的に使用される。用語「ホットメルトインクジェットレジスト」、「インクジェットレジスト」、「エッチングレジスト」、「レジスト」および「組成物」は、同義的に使用される。用語「ロジン樹脂」、「樹脂」および「ロジン」は、同義的に使用される。不定冠詞「a」および「an」は、単数形と複数形の両方を含むことが意図される。用語「選択的に堆積する」とは、材料の堆積が基体上の具体的な所望の領域で起こることを意味する。用語「レジスト」とは、無機酸または有機酸を含有するエッチング液によって物理的または化学的に変えられない組成物を意味する。用語「水素化」とは、その不飽和化学結合(−C=C−)の一部または全部が化学的に処理されて、その結合を水素で破壊もしくは飽和させた化合物(−CH
2−CH
2−)を意味する。用語「親水性」とは、水に対して親和性を有することを意味する。用語「疎水性」とは、水をはじく、水と化合しない傾向がある、または水に溶けないことを意味する。
【0014】
以下の略語は、文脈上明らかに示されている場合を除いて、次の意味を有する:℃=摂氏度;g=グラム;mg=ミリグラム;cps=センチポアズ、1cps=1×10
−3パスカル(Pas)=0.01ポアズ=1.02×10
−4kps/m
2;A=アンペア;dm=デシメートル;μm=ミクロン;nm=ナノメートル;およびUV=紫外線。
【0015】
すべての百分率および比は、特に明記しない限り重量による。すべての範囲は包括的であり、そのような数値範囲が合計して100%とすることが明らかである場合を除いて、任意の順序で組み合わせ可能である。
【0016】
光電池および太陽電池は、単結晶、多結晶またはモノキャストシリコン半導体ウエハで構成することができる。シリコンウエハは一般にp型系ドーピングを有する。
【0017】
ウエハの前面は、所望により、反射を低減する改良された光入射ジオメトリを表面に付与するために、結晶配向テクスチャエッチングに供することができる。半導体接合部を作るために、リン拡散またはイオン注入がウエハの前面で行われてnドープ(n+またはn++)領域を作り出し、ウエハにPN接合部をもたらす。n++ドープされた前面は、n+ドープされた前面と対照的に、電流線の導電率を上昇させる。nドープ領域は、エミッタ層とも呼ばれ得る。
【0018】
反射防止層はウエハの前面またはエミッタ層に付加され得る。その上、反射防止層は、パッシベーション層としても機能することができる。適した反射防止層としては、それに限定されないが、SiO
xなどの酸化シリコン層、Si
3N
4などの窒化シリコン層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層の組み合わせが挙げられる。上記式中、xは酸素原子の数であり、一般にxは整数の2、すなわち二酸化ケイ素である。そのような反射防止層は、いくつかの技法によって、例えば様々な蒸着法、例えば化学蒸着法および物理的蒸着などによって堆積させることができる。酸化シリコン層および窒化シリコン層に厚みの制限はないが、一般に、それらの厚みは100〜200nmである。
【0019】
ホットメルトインクレジストは、インクジェット印刷、エアゾールまたはスクリーン印刷によって選択的に堆積させることができる。ホットメルトインクジェットレジストは、電流トラックに対してネガであってもよいし電流トラックに対してポジであってもよい像を形成するために、選択的に適用される。国際公開第2005/013323号および国際公開第2005/011979号は、光起電力素子の製造においてレジストをスクリーン印刷する方法を開示している。一般に、ホットメルトインクレジストは、インクジェット印刷またはエアロゾルを用いて反射防止層またはドープエミッタ層に選択的に適用される。より一般的に、それらはインクジェット印刷を用いて選択的に適用される。インクジェット印刷またはエアロゾルによる適用中のホットメルトインクジェットレジストの粘度は、7cpsから21cpsに及び、好ましくは9cpsから15cpsに及ぶ。最も好ましくは、ホットメルトは10cps〜12cpsの粘度で適用される。
【0020】
インクジェット印刷方法は連続的インクジェット方法またはドロップオンデマンド方法であってよい。この連続的方法は、ポンプを用いてインクレジストを連続的に噴射すると同時に、電磁場を変化させることによりインクレジストの方向を調節する印刷方法である。ドロップオンデマンドは、電子信号に基づいて必要とされる場合だけインクレジストを分配する方法である。ドロップオンデマンドは、電気によって機械的変化を引き起こす圧電プレートを使用することによって圧力が生じる圧電インクジェット方法と、熱によって生じる泡の膨張によって生じる圧力を用いる熱インクジェット方法に分けることができる。
【0021】
インクジェット印刷方法とは対照的に、エアロゾル方法は最初にインクレジストのエアロゾルを形成する。このエアロゾルは加圧ノズルを介して半導体基体に導かれ、加圧ノズルはプリントヘッドに取り付けられている。エアロゾルは集束用ガスと混合されて、集束された形態で加圧ノズルに輸送される。集束用ガスを用いてインクレジストを分配することにより、ノズルの詰まりの確率が低下し、インクジェット装置を用いるよりも微細な電流トラック、より大きなアスペクト比の形成も可能となる。
【0022】
ホットメルトインクレジストは、95℃以下、好ましくは80℃〜55℃の温度で隣接する反射防止層の表面または隣接するドープエミッタ層の表面に適用され得る。そのような低いインクジェット温度は、大部分のインクジェットプリントヘッドモジュールでそのインクが使用されることを可能にする。また、インクジェットレジストは低温でさらに長い貯蔵寿命を有する。ホットメルトインクジェットレジストは適用後に速やかに固化し、反射防止層またはドープエミッタ層の表面に接着するので、硬化剤または架橋剤はレジスト組成物に含まれていない。したがって、UV適用工程およびその他の従来の固化工程は本方法から排除される。
【0023】
好ましくは、ドープエミッタ層はリンでn++ドープされている。n++ドーピングは、金属化された電流トラックの導電率を上昇させる。理論に縛られるものではないが、そのようなn++ドープ電流トラックは、高い正電荷ドーピングに起因して電流トラックへの電子の流れを増加させる。この種類のエミッタ層は選択的エミッタ層として知られている。また、ホットメルトインクジェットレジストは、適用された隣接するSiO
xまたは窒化シリコン反射防止コーティングでもあり得る。ホットメルトインクジェットレジストは、電流線に対してポジであっても電流線に対してネガであってもよい。エミッタ層が選択的エミッタ層である場合、好ましくは、レジストは電流線に対してポジである。金属成分はこの段階で半導体基体上にない。本方法によって作成される電流線の厚さに制限はないが、一般に、ホットメルトインクジェットレジストが選択的に適用されて、幅100μm以下、または例えば80μm〜20μmなど、または例えば70μm〜30μmなどの電流線を形成する。
【0024】
ホットメルトインクジェットレジストには、室温にて固体の1種以上の水素化ロジン樹脂、および室温にて液体の1種以上の水素化ロジン樹脂エステルが含まれる。1種以上の水素化ロジン樹脂:1種以上の水素化ロジン樹脂エステルの重量比は、2:1〜4:1、好ましくは2.3:1〜3.8:1、より好ましくは2.5:1〜3.3:1である。水素化ロジン樹脂および水素化ロジン樹脂エステルの具体的な量は、2つの成分の量が、列挙される重量範囲の比の中にあり、インクジェットレジストがアンダーカッティングを防止すると同時に半導体基体に対する望ましい粘着力を提供するような量で含められていれさえすれば、重要でない場合がある。
【0025】
ロジン樹脂には完全水素化または部分水素化ロジン酸またはその塩が挙げられ、これらはフェナントレン核を含む一般式C
19H
29COOHをもつアビエチンおよびピマル型のロジン酸に由来する。異性体としては、限定されるものではないが、レボピマル酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸(3つが有望)およびテトラヒドロアビエチン酸が挙げられる。好ましくは、ロジン樹脂は完全に水素化されている。重量平均分子量は、300〜308、または例えば302〜306などである。酸価は少なくとも150、または例えば155〜190など、または例えば160〜180など(mg KOH/g)である。ロジンはマツの木(主として、ダイオウマツ(Pinus palustris)およびスラッシュマツ(Pinus elliotii))から得られる。ガムロジンは生きている木から採取された含油樹脂由来のテレピン油を蒸留した後に得られる残留物である。ウッドロジンはマツの幹をナフサで抽出し、揮発性画分を蒸留除去することにより得られる。トール油はトール油の分画の副生成物である。水素化ロジン樹脂は、商業的に入手することもできるし、または文献に開示される方法に従ってその天然源から抽出して精製することもできる。市販の部分水素化ロジン樹脂の一例は、Pinova Incorporatedより入手可能なSTAYBELITE(登録商標)A水素化ロジンである。別の市販の部分水素化ロジン樹脂は、Eastman Chemical Companyより入手可能なSTAYBELITE(登録商標)樹脂−Eである。市販の完全水素化ロジンの一例は、Eastman Chemical Companyより入手可能なFORAL(商標)AX−Eである。通常、水素化ロジン樹脂は、ホットメルトインクジェットレジストに15重量%〜35重量%、または例えば20重量%〜30重量%などの量で含めることができる。
【0026】
ロジン樹脂は、一般に上に記載される樹脂であり、それらはメチルアルコール、トリエチレングリコールまたはそれらの組み合わせと反応してエステルを形成する。通常、メチルエステルの重量平均分子量は316〜320であり、トリエチレングリコールエステルは、718から726に及ぶ。通常、そのようなロジンエステルは、4〜16mg KOH/gの低い酸価を有する。ロジン樹脂のエステルを形成する方法は当分野で周知であり、文献に開示されている。市販の水素化ロジンエステルの例は、ロジンのメチルエステルであるABALYN(登録商標)、水素化ロジンのメチルエステルであるHERCOLYN(登録商標)Dおよび水素化ウッドロジンのメチルエステルであるHERCOLYN(登録商標)DW、ならびにSTAYBELITE(商標)エステル3−E(すべてPinova,Inc.より入手可能);ロジンのメチルエステルであるABALYN(商標)D−E、水素化ロジンのメチルエステルであるFORALYN(商標)5020−FおよびMETALYN(商標)200メチルエステル(すべてEastman Chemical Companyより入手可能);ならびにSYLVATAC(商標)RE 12、25および40(すべてArizona Chemicalより入手可能)である。通常、ロジンエステルは、5重量%〜15重量%、または例えば7重量%〜12重量%などの量で含められる。
【0027】
また、ホットメルトインクジェットレジストには、式R
1COO−Mを有する1種以上の脂肪酸またはその塩が含まれ、上式で、R
1は、7〜48個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有する線状、分枝状または環状のアルキルまたはアルケニル基であり、Mは、水素、または、ナトリウム、カリウム、カルシウムアンモニウムまたはNH
y(CH
2CH
2OH)
z(式中、yおよびzは0〜4の整数であり、それらの合計は常に4である)などの対イオンである。そのような脂肪酸としては、限定されるものではないが、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸およびステアリン酸またはその塩が挙げられる。一般に、脂肪酸は、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびその塩から選択される。好ましくは、脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸およびその塩から選択される。そのような脂肪酸およびその塩の酸価は200以上、一般に、215〜250mg KOH/gである。これらの脂肪酸またはその塩の多くは、天然油、例えば魚油、ナタネ油(rapseed)、獣脂、トール油、ダイズ油、綿実油およびココナッツ油などに由来するものであり得る。そのような脂肪酸、塩および混合物は、市販されているものであるか、または当分野で公知の技法によって製造されてもよい。脂肪酸は、組成物の残部を構成する量で含めることができる。通常、そのような脂肪酸およびその塩は、ホットメルトインクジェットレジスト中に、少なくとも55重量%、または例えば55重量%〜80重量%など、または例えば65重量%〜75重量%などの量で含めることができる。
【0028】
所望により、ホットメルトインクジェットレジストには、1種以上の光学的光沢剤が含まれる。従来の光学的光沢剤、例えば蛍光増白剤などが使用されてよい。そのような光学的光沢剤としては、限定されるものではないが、4,4’−ビス[2−(2−メトキシフェニル)エテニル]−1,1’−ビフェニル;1,4−ビス(2−シアノスチリル)ベンゼン;2,2’−(1,4−ナフタレンジイル)ビスベンゾオキサゾール;2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス[5−(1,1−ジメチルエチル)]−ベンゾオキサゾール;2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール);および2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾオキサゾールが挙げられる。市販の蛍光増白剤(white agents)の例は、Ciba スイス国によるUVITEX(商標)FPおよびUVITEX(商標)OBならびにBayer A.G.,ドイツ国によるBLANKOPHOR(商標)ERである。そのような光学的光沢剤は、ホットメルトインクジェットレジストに0.01重量%〜3重量%または例えば0.05重量%〜0.5重量%などの量で含めることができる。
【0029】
ホットメルトインクジェットレジスト成分は、従来の方法を用いて一緒に混合またはブレンドされて、室温にて実質的に固体であるホットメルトインクジェットレジストをもたらす。このレジストの軟化点は、35℃から55℃に及び、一般に40℃から50℃に及ぶ。
【0030】
エッチング液は、当分野で公知の任意の適した方法によって、選択的に適用されたホットメルトインクジェットレジストを備えた半導体基体に適用することができる。そのような方法には、インクジェット印刷、エアロゾルによるかまたは従来の噴霧装置を用いて選択的に適用する、エッチング液浴での半導体基体の浸漬が含まれる。エッチング液は、多くの従来のエッチング法と対照的に、温和な温度で適用される。温和な温度はレジストへの作用を低減しまたは妨げ、よってインクジェットレジストはエッチングの間にその完全性を維持し、エッチング液によるアンダーカッティングを防止する。エッチング温度は、室温から50℃に及ぶ、または例えば25℃から40℃に及ぶ。
【0031】
エッチング液には、1種以上の無機酸および1種以上のポリオールと残部の水が含まれてよい。エッチング液は、80秒以下、一般に5秒〜60秒、好ましくは20秒〜40秒の時間にわたって適用される。
【0032】
無機酸としては、限定されるものではないが、フッ化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。一般に無機酸は水性形態で濃縮または希釈水溶液として提供される。好ましくは、無機酸はフッ化水素酸である。無機酸は、エッチング液の1重量%〜20重量%の量で含めることができる。
【0033】
ポリオールは室温にて水溶性であり、安定性の問題がないように無機酸に適合性である。そのようなポリオールとしては、限定されるものではないが、グリコール類、例えば多価アルコール類など、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびグリセリンなどが挙げられる。好ましくは、ポリオールは、エチレングリコールおよびプロピレングリコールから選択される。そのようなポリオールは、20容積%〜80容積%、または例えば40容積%〜70容積%など、または例えば50容積%〜60容積%などの量でエッチング液に含めることができる。
【0034】
無機酸およびポリオールに加えて、アンモニウム化合物もエッチング液に含めることができる。好ましくは、エッチング液には1種以上のアンモニウム化合物が含まれる。アンモニウム化合物としては、限定されるものではないが、フッ化アンモニウムおよび酸性フッ化アンモニウムが挙げられる。好ましくは、アンモニウム化合物はフッ化アンモニウムである。一般に、アンモニウム化合物は、水性濃縮液として、または希釈液として提供される。そのようなアンモニウム化合物は、エッチング液の10重量%〜40重量%の量で含めることができる。
【0035】
一般に、アンモニウム化合物をエッチング液に含める場合、アンモニウム化合物:無機酸の容積比は、10:1から4:1まで変動する。好ましいエッチング液は、1種以上のポリオールを40容積%〜60容積%の量で含む、10:1〜4:1の容積:容積比のフッ化アンモニウム水溶液およびフッ化水素水溶液である。配合物の残部は、水であってよい。
【0036】
ホットメルトインクジェットレジストは、アンダーカッティングを防止して、電流線が実質的に均一な幅を有し、隣接する電流線との支流形成を実質的に行わないようにする。ホットメルトインクジェットレジストは、ホットメルトインクジェットレジストとエミッタ層のドープ表面、またはSiO
xもしくは窒化シリコンとの境界面で毛管作用を阻止し、よってアンダーカッティングを防止し、規則的な寸法を有する電流線および効率的な電流の伝導を提供する。
【0037】
エッチングが完了すると、半導体を水ですすいでエッチング液を除去してよい。次に、ホットメルトインクジェットレジストを半導体基体から剥離する。ホットメルトインクジェットレジスト全体の酸価は、少なくとも180mg KOH/gから、または例えば180から230mg KOH/gなど、または例えば185から215mg KOH/gなどに及ぶ。ホットメルトインクジェットレジストは、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの希アルカリ水溶液で剥離する。水酸化物濃度は0.1重量%〜5重量%の範囲であり得る。そのような穏やかなアルカリ水溶液は、室温から50℃の温度で適用される。剥離は迅速であり、要する時間は1分以下であり得る。レジストの剥離は実質的に完了している。レジストは、多くの従来のレジストのような持上げまたは浮動と対照的に、ドープエミッタ層、SiO
xまたは窒化シリコン層の表面から溶ける。微量の残留物は水で半導体からすすぎ落とせばよい。
【0038】
エッチングおよび剥離の後、基体の金属化を次に行う。前面の金属化の前に、半導体ウエハの裏面を例えばアルミニウムによるなどして金属化して、低抵抗ウエハをもたらす。どんな従来法を用いてもよい。一般に、半導体ウエハの表面抵抗(シート抵抗としても公知)は、40〜90オーム/スクエアの範囲であり得る。
【0039】
次に、金属の層を前面電流線に付着させる。一般に銀ペーストを電流線に適用して火を通す。この後に、電流トラックにその他の金属、例えば銀、銅およびニッケルなどを堆積させてよい。
【0040】
以下の実施例は、本発明の様々な態様を説明するために含められるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0041】
実施例1−4
下表に開示される処方を有する4種類のホットメルトインクジェットレジストを調製した。完全水素化ロジン樹脂は室温で固体であり、および完全水素化ロジン樹脂のメチルエステルは液体であった。これらの成分の混合物は室温で固体のホットメルトインクジェットレジストを形成した。
【0042】
【表1】
【0043】
各々のホットメルトを、DoD300インクジェットプリンター(Schmid GmbH,Freudenstadt,Germanyより入手可能)のリザーバに入れた。リザーバの温度を85℃まで上昇させてレジストを溶かした。各々のレジストを、テクスチャ加工してリンn++ドープした多結晶シリコンウエハ(Q−Cellsより入手)の窒化シリコン反射防止層に選択的に印刷した。
【0044】
ウエハは15分間室温で保った。次に、各々のウエハの線幅を、MIS,Inc.(アメリカ、テネシー州サーゴーインズビル)製のPAXcamデジタル顕微鏡カメラを同梱のPAX−it画像解析ソフトウェアとともに用いて求めた。レジスト堆積物のエッジを横切って線幅を測定した。
【0045】
次に、各々のウエハを、20%フッ化水素酸水溶液を用いて30℃で90秒間エッチングした。フッ化水素酸は、レジストによって覆われていなかった窒化シリコン反射防止層の部分をエッチングによって除去した。次に、ウエハをエッチング溶液から除去し、室温の水ですすいでエッチング液およびエッチング残留物を除去した。
【0046】
剥離後のウエハの線幅を、PAXcamデジタル顕微鏡カメラを同梱のPAX−it画像解析ソフトウェアと用いて求めた。面あたりのアンダーカットは、(エッチング前の線幅−エッチング後の線幅)/2によって求めた。アンダーカットは、実施例1に関して17〜20μm/面、実施例2は13〜15μm/面、実施例3は7〜10μm/面、実施例4は33〜35μm/面であった。液体ロジン樹脂を含まない実施例4は、最も大きいアンダーカットを示した。対照的に、液体ロジン樹脂を固体ロジン樹脂と組み合わせて含むレジストは、液体ロジン樹脂および固体ロジン樹脂混合物を含まないレジストよりも低下したかまたは改善されたアンダーカッティング結果を有した。
【0047】
実施例5
次のホットメルトインクジェットレジストを調製した。完全水素化ロジンは室温で固体であり、部分水素化ロジンのメチルエステルは室温で液体であった。下の表2の成分すべての混合物が室温で固体のホットメルトインクジェットレジストを生じた。
【0048】
【表2】
【0049】
ホットメルトインクジェットレジストを、DoD300インクジェットプリンター(Schmid GmbH,Freudenstadt,Germanyより入手可能)のリザーバに入れた。リザーバの温度を85℃まで上昇させてレジストを溶かした。レジストを、テクスチャ加工してリンn++ドープした多結晶シリコンウエハ(Q−Cellsより入手)の疎水性エミッタ層の表面に選択的に印刷して、選択的エミッタパターンをウエハに形成した。このレジストは導体トラックに対してポジであった。
【0050】
レジストを備えたウエハは15分間室温で保持した。次に、ウエハの線幅を、PAXcamデジタル顕微鏡カメラを同梱のPAX−it画像解析ソフトウェアとともに用いて求めた。測定は、リンガラス(PSG)除去の前に行った。これにより、正確な線幅測定を提供するためのダークカラーコントラストがもたらされた。レジスト堆積物のエッジを横切って線幅を測定した。線幅測定値は、490から550μmに及んだ。
【0051】
次に、15〜25g/Lのフッ化水素酸および250〜350g/L硝酸溶液の6〜15℃の水性混合物を用いて、60〜80秒間ウエハをエッチングした。水性酸混合物は、レジストによって覆われていなかったPSGを含むn++ドープエミッタ層の部分をエッチングによって除去した。次に、ウエハをエッチング溶液から取り出し、室温の水ですすいでエッチング液およびエッチング残留物を除去した。
【0052】
エッチング後のウエハの線幅を、PAXcamデジタル顕微鏡カメラを同梱のPAX−it画像解析ソフトウェアと用いて求めた。線幅測定値は、470から540μmに及んだ。幅の低下は、ホットメルトレジストをアンダーカットするエッチング液に起因した。アンダーカットは、5〜10μm/面であると求められた。
【0053】
前述の手順を、ホットメルトインクジェットレジストがステアリン酸レジストであることを除いて、同じ種類のテクスチャ加工しドープした多結晶ウエハを用いて繰り返した。対照レジストは、Sun Chemicalより入手した。エッチングの前の線幅範囲は、460〜520μmと測定された。エッチング後、線幅範囲は440〜490μmと測定された。アンダーカットは、10から15μmに及んだ。これらの結果は、固体および液体のロジン樹脂の混合物を含む上の表2中の配合物が、対照レジストと比較してアンダーカットを減少させたことを示した。
【0054】
実施例6
使用したウエハがモノキャストまたはハイブリッドモノウエハであることを除いて、実施例5に記載される手順を繰り返した。ウエハをテクスチャ加工し、リンn++ドープエミッタ層をその前面に施した。ウエハ表面は親水性であった。エッチング前に、上の表2中の配合物を有するレジストを含むウエハの線幅は、490から550μmに及び、対照レジストの線幅は460〜520μmであった。エッチング後、表2中の配合物からなるレジストを備えたウエハの線幅は、470から520μmに及んだ。エッチング後の対照の線幅は、420から460μmに及んだ。表2中の配合物のレジストに関するアンダーカットは、10〜15μm/面であり、対照レジストのアンダーカットは20〜30μm/面であった。これらの結果は、固体および液体のロジン樹脂両方の混合物を含むレジストが、対照レジストと比較してアンダーカットを減少させたことを示した。