特許第6249676号(P6249676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249676
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20171211BHJP
【FI】
   H01R12/71
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-171060(P2013-171060)
(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2015-41449(P2015-41449A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】513314171
【氏名又は名称】宏致電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACES ELECTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 功生
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−344524(JP,A)
【文献】 特開2013−026159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00 − 12/91
H01R 13/56 − 13/72
H01R 24/00 − 24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板面に実装される第1コネクタと、電線に接続された第2コネクタとを備える電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
前記回路基板面に直交する方向から前記第2コネクタが挿入される挿入部を有する第1ハウジングと、
前記挿入部に配置された複数の第1コンタクトと、
前記第1ハウジングの前記第1コンタクト配列方向の両端に設けられた、弾性部を有し前記第2コネクタの抜脱を阻止する第1ロック金具と、を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コネクタの前記挿入部に挿入される第2ハウジングと、
複数の前記第1コンタクトと接続される複数の第2コンタクトと、
前記第1ロック金具と係合する第2ロック金具とを備え、
前記電線は、前記第2コネクタに前記回路基板面と平行、且つ前記第2コンタクト配列方向と直交する方向に挿入され、
前記第2ロック金具は、前記第2ハウジングの前記第2コンタクト配列方向の両端に設けられたロック係止部と、前記ロック係止部のそれぞれを前記第2ハウジングの前記電線が挿入される側で連結する連結部を有することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記連結部は前記電線が挿通される開口部を有していることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記第2ロック金具は、前記第2ハウジングにインサート成形されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線と基板を接続する電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板に実装される樹脂製のハウジングを有するベースコネクタと、ベースコネクタに対して回路基板と直交する方向に嵌合される樹脂製のハウジングを有するソケットコネクタとを備えた電気コネクタが存在する(例えば、特許文献1参照)。この電気コネクタによれば、ハウジング間の摩擦を利用することによりソケットコネクタをベースコネクタにロックすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−128033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の電気コネクタにおいては、ハウジングが樹脂で形成されているため、コネクタの挿抜を繰り返すことによりハウジングが摩耗し、ロック強度が弱くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ロック強度の高い電気コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気コネクタは、回路基板面に実装される第1コネクタと、電線に接続された第2コネクタとを備える電気コネクタであって、前記第1コネクタは、前記回路基板面に直交する方向から前記第2コネクタが挿入される挿入部を有する第1ハウジングと、前記挿入部に配置された複数の第1コンタクトと、前記第1ハウジングの前記第1コンタクト配列方向の両端に設けられた、弾性部を有し前記第2コネクタの抜脱を阻止する第1ロック金具と、を備え、前記第2コネクタは、前記第1コネクタの前記挿入部に挿入される第2ハウジングと、複数の前記第1コンタクトと接続される複数の第2コンタクトと、前記第1ロック金具と係合する第2ロック金具とを備え、前記電線は、前記第2コネクタに前記回路基板面と平行、且つ前記第2コンタクト配列方向と直交する方向に挿入され、前記第2ロック金具は、前記第2ハウジングの前記第2コンタクト配列方向の両端に設けられたロック係止部と、前記ロック係止部のそれぞれを前記第2ハウジングの前記電線が挿入される側で連結する連結部を有する。
【0007】
また本発明の電気コネクタは、前記連結部が前記電線が挿通される開口部を有していてもよい。
【0008】
また本発明の電気コネクタは、前記第2ロック金具が前記第2ハウジングにインサート成形されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロック強度の高い電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図2】実施の形態に係る電線側コネクタの斜視図である。
図3】実施の形態に係る電線側コネクタの斜視図である。
図4】実施の形態に係る電線側ロック金具の斜視図である。
図5】実施の形態に係る基板側コネクタの斜視図である。
図6】実施の形態に係る電線側コネクタと基板側コネクタが嵌合した状態を示す斜視図である。
図7】実施の形態に係る電線側コネクタと基板側コネクタが嵌合した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電気コネクタについて説明する。図1は、実施の形態に係る電気コネクタの斜視図である。図1に示すように、電気コネクタ2は、電線3に接続された電線側コネクタ4と、図示しない回路基板面に実装される基板側コネクタ6とを備えている。
【0012】
図2は電線側コネクタ4を上方から見た斜視図であり、図3はコネクタ4を下方から見た斜視図である。図2、3に示すように、電線側コネクタ4は、基板側コネクタ6に対して回路基板面に直交する方向(以下、基板直交方向という。)に挿入される直方体状のハウジング8を備えている。ここで、ハウジング8は絶縁性を有する樹脂部材により形成されている。
【0013】
また、ハウジング8内には、電線側コネクタ4を基板側コネクタ6に嵌合させた場合に基板側コンタクト20(図5参照)と電気的に接続される電線側コンタクト10が複数配置されている。また、ハウジング8には、基板側ロック金具22(図5参照)と係合する電線側ロック金具12がインサート成形されている。
【0014】
図4は電線側ロック金具12を示す斜視図である。図4に示すように、電線側ロック金具12は、ハウジング8の電線側コンタクト10の配列方向(以下、コンタクト配列方向という。)の両端部8bに位置し、基板側ロック金具22を係止するためのロック係止部12aが設けられている。また、ハウジング8の電線3が挿入される側(以下、電線挿入側という。)の端部8aに位置し、ロック係止部12aのそれぞれを連結する連結部12bが設けられている。また、連結部12bには、電線3を挿通させるための開口部12cが形成されている。
【0015】
また、ハウジング8の両端部8bには、基板直交方向に延びる溝8cが形成され、電線側ロック金具12のロック係止部12aを露出させている。また、ハウジング8の端部8aには、電線側コンタクト10に接続される電線3を挿通させるための開口部8dが形成されている。また、ハウジング8の端部8aと反対側の端部8eには、基板側コンタクト20が嵌挿される切欠き部8fが形成されている。
【0016】
図5は、基板側コネクタ6の斜視図である。図5に示すように、基板側コネクタ6は、絶縁性を有する樹脂部材から成る直方体状のハウジング18を備えている。ここで、ハウジング18には、基板直交方向から挿入される電線側コネクタ4を受け入れるための矩形状の挿入凹部19が設けられている。挿入凹部19は、電線挿入側と反対側に設けられた壁部18aと、コンタクト配列方向の両端部に形成された一対の側壁部18bとによって囲まれた凹状の空間である。
【0017】
また、挿入凹部19には、平板状の基板側コンタクト20が複数配置されている。また、ハウジング18には、電線側コネクタ4の基板側コネクタ6からの脱抜を阻止する基板側ロック金具22がインサート成形されている。
【0018】
ここで、基板側ロック金具22には、一対の側壁部18bのそれぞれに位置し電線側ロック金具12のロック係止部12aと係合する係合部22aが設けられている。係合部22aの上端には、挿入凹部19側に屈曲し弾性を有する屈曲部22bが設けられている。また、基板側ロック金具22の回路基板面側には、基板側ロック金具22を回路基板に固定するための固定部22cが備えられている。
【0019】
図6は実施の形態に係る電線側コネクタ4と基板側コネクタ6が嵌合した状態を示す斜視図であり、図7はその断面を示す図である。電線側コネクタ4が基板側コネクタ6の挿入凹部19に挿入され、電線側コネクタ4が下方に押下されると、ロック係止部12aの下面が屈曲部22bの上面と接触する。更に電線側コネクタ4が押下されると、屈曲部22bが挿入凹部19の外側方向に押し広げられ、ロック係止部12aが屈曲部22bの先端部分22dの下側に移動する。この場合、先端部分22dは、屈曲部22bの弾性力によって挿入凹部19の内側に戻り、先端部分22dがロック係止部12aの上側に位置する状態となる。
【0020】
これにより、ロック係止部12aの上面が屈曲部22bの先端部分22dと係合し、電線側コネクタ4が基板側コネクタ6にロックされる。従って、電線側コネクタ4の基板側コネクタ6からの脱抜を防止することができる。
【0021】
この実施の形態に係る電気コネクタ2によれば、電線側コネクタ4が電線側ロック金具12を備えると共に、基板側コネクタ6が基板側ロック金具22を備え、電線側コネクタ4を基板側コネクタ6に嵌合させた場合においてロック係止部12aの上面が屈曲部22bの先端部分22dと係合するため、電気コネクタ2のロック強度を向上させることができる。
【0022】
また、電線側ロック金具12及び基板側ロック金具22は、それぞれ金属で形成されているため、電気コネクタ2の挿抜を繰り返した場合でも摩耗することがなく、長期に亘って電気コネクタ2のロック強度を維持することができる。
【0023】
また、電線3が電線側ロック金具12の開口部12c内に挿通され、ハウジング8の端部8aが電線側ロック金具12によって保護されるため、電線3を引っ張って電線側コネクタ4を基板側コネクタ6から取り外した場合に、電線3によってハウジング8が破壊されることを防止することができる。
【0024】
なお、上述の実施の形態においては、電線側ロック金具12の連結部12bには、電線3を挿通させる開口部12cが形成されているが、電線側ロック金具の連結部は、電線3よりも上側で両側のロック係止部を連結する形状であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
2…電気コネクタ、3…電線、4…電線側コネクタ、6…基板側コネクタ、8…ハウジング、10…電線側コンタクト、12…電線側ロック金具、12a…ロック係止部、12b…連結部、12c…開口部、18…ハウジング、19…挿入凹部、20…基板側コンタクト、22…基板側ロック金具、22a…係合部、22b…屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7