(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249679
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/207 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
B60R21/207
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-171936(P2013-171936)
(22)【出願日】2013年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-39960(P2015-39960A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉浦 幸平
【審査官】
鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0156412(US,A1)
【文献】
米国特許第05967603(US,A)
【文献】
米国特許第05749597(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートの側部であってシートバックの所定の厚みを有する前面パッドの後側と後面パッドの前側との間に形成された収納空間に、車両の衝突時にインフレータから出力されたガスが充填されて膨張するエアバッグが収納されて前記シートの固定部に固定され、前記エアバッグが膨張することにより、前記シートの側面と前面との境界付近に配置された縫製によるシートカバー脆弱部を破断し、前記エアバッグが外部に膨出してサイドドアと乗員との間に展開するサイドエアバッグ装置において、
前記シート内部の前記固定部の裏側で一方端側がともに結合され他方端側に力布脆弱部が形成され、前記エアバッグを包被して一方が前記収納空間の内側面に沿い、他方が前記前面パッドの外側面および前記後面パッドの外側面に沿ってそれぞれ配設されて前記他方端側を移動自在に前記一方端側が保持された少なくとも2枚の力布を備え、
前記両力布の前記結合部が、前記固定部の裏側において前記シート外部に露出した状態でファスナーにより結合されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員とサイドドアとの間に膨張・展開されるサイドエアバッグ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の側突時の乗員の安全性の確保を目的としてサイドエアバッグ装置が提案されており、この種のサイドエアバッグ装置は、車両の側突時に、瞬時に乗員とサイドドアとの間にエアバッグを膨張・展開させて乗員を保護するものである。そして近年では、車両内装の意匠性の向上などの理由から、通常走行時にはサイドエアバッグ装置を車両シートの内部に収納する構成が採用されており、膨張・展開前のエアバッグが折り畳まれた状態で車両シートの内部に収納され、車両の側突時に、車両シートの脆弱部を破って膨張・展開されるようになっている。
【0003】
ところで、サイドエアバッグ装置の性質上、他車両の側方衝突時に、乗員がサイドドアと衝突する前にエアバッグの膨張・展開を完了する必要があり、このように折り畳まれた状態のエアバッグを如何に早期に膨張・展開させるかが重要となる。例えば、サイドエアバッグ装置では、ガス発生器(インフレータ)およびエアバッグを収納容器内に収納し、収容容器ごとボルト・ナットによりシートフレームの側部に固着し、シートフレームにパッド材を取り付けるとともに、メイン布、メインサイド布、横マチ布から成る表皮材を取り付け、ガス発生器が作動してガスが折り畳まれたエアバッグに充填されたときに、エアバッグ本体が収容容器のガス噴出用開口から膨出してメインサイド布と横マチ布との縫製部分である脆弱部を破断し、エアバッグ本体がサイドドアと乗員との間に展開するよう構成される(特許文献1参照)。
【0004】
一方、シートバックのサイドドア側の内部に、折り畳まれたエアバッグおよびインフレータを収納したモジュールカンを配設し、モジュールカンの側面をボルト・ナットにより取付部材に取り付け、パッドのモジュールカンの開口の略前方部位に、エアバッグの展開圧によりパッドが破断し始める起点となる他の部位よりも脆弱な切込溝部を形成し、シートバッグを覆う表皮材の切込溝部の前方に位置する部位には、エアバッグの展開圧を受けて開口するように脆弱部を形成し、インフレータからガスが充填されることによるエアバッグの展開圧により、パッドの切込溝部および表皮材の脆弱部が順次破断し、エアバッグが前方に膨張してサイドドアと乗員との間に展開するよう構成することも考えられている。このとき、エアバッグが膨張するときの圧力により脆弱部を破断し易くするために、脆弱部の縫製部を、その開口部両端の表皮材をそれぞれ折り返して第1の縫製糸により縫い合わせ、その表皮材の両折り返し部の先端同士を第2の縫製糸により縫い合わせるいわゆるダブルステッチが採用され、第1、第2の縫製糸の強度が他の縫製部よりも低く設定されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−225052号公報(段落0013−0021および
図1、
図2、
図3)
【特許文献2】特開2006−143213号公報(段落0020−0026および
図1、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した特許文献1に記載のサイドエアバッグ装置では、エアバッグ装置を収納した収納容器をシートフレームに固定する構造であるため、シート内部に裏側から手を入れて収納容器の固定作業を行わなければならず、固定作業が煩雑で作業効率が悪いという問題がある。他方、特許文献2に記載の装置では、パッドを切込溝部で破断してから表皮材を破断する構成であるため、表皮材の脆弱部を破断し易くするために複雑な縫製を施す必要があり、縫製作業に熟練を要する上、作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は、エアバッグを包被する力布の取り付け作業を簡単に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明のサイドエアバッグ装置は、車両用シートの側部であってシートバックの所定の厚みを有する前面パッドの
後側と後面パッドの前側との間に形成された収納空間に、車両の衝突時にインフレータから出力されたガスが充填されて膨張するエアバッグが収納されて前記シートの固定部に固定され、前記エアバッグが膨張することにより、前記シートの側面と前面との境界付近に配置された縫製によるシートカバー脆弱部を破断し、前記エアバッグが外部に膨出してサイドドアと乗員との間に展開するサイドエアバッグ装置において、前記シート内部の前記固定部の裏側で一方端側がともに結合され他方端側に力布脆弱部が形成され、前記エアバッグを包被して
一方が前記収納空間の内側面
に沿い、他方が前記前面パッドの外側面
および前記後面パッドの外側面に沿ってそれぞれ配設されて前記他方端側を移動自在に前記一方端側が保持された少なくとも2枚の力布を備え、前記両力布の前記結合部が、前記固定部の裏側
において前記シート外部に露出した状態でファスナーにより結合されていることを特徴としている(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、両力布の一方端側が固定部の裏側
においてシート外部に露出した状態でファスナーにより結合されて他方端側に形成された力布脆弱部を移動自在に保持するため、両力布内部にエアバッグを包被するようにエアバッグを配設すればよく、従来のようにパッド内部に裏側から手を入れてエアバッグの固定作業を行ったり、表皮材にダブルステッチ等の複雑な縫製技術による縫製を施したりする必要がなく、ファスナーにより両力布の他方端側を隙間なく結合することができ、エアバッグを包被する力布の取り付け作業を簡単に行うことが可能になって作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるサイドエアバッグ装置の側面図である。
【
図2】
図1のサイドエアバッグ装置の断面図である。
【
図3】
図1におけるシートバックを斜め後方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明に係るサイドエアバッグ装置の一実施形態について、
図1および
図2参照して詳細に説明する。なお、以下は左側シートへの適用例を示す。
【0012】
図1に示すように、サイドエアバッグ装置1は、折り畳まれたエアバッグ2と、このエアバッグ2に出力する膨張用ガスを発生させるガス発生器であるインフレータ3とを備え、通常時は車両用シートSのシートバック5の車室外側の側部内に配設される。そして、他車両の側方衝突(以下、側突という)時などに、インフレータ3から出力されたガスが折り畳まれた状態のエアバッグ2に充填されてエアバッグ2が膨張することにより、シートバック5を覆うシートカバー(図示せず)に形成されたシートカバー脆弱部から前方に向かって膨出し、車両のサイドドアと乗員Mとの間に展開されて乗員を保護する。なお、このシートカバー脆弱部は、シートカバーの前面(乗員の背中と接触する面)部分と側面部分とを結合した上下方向に延びた縫合部分である。
【0013】
エアバッグ2は、
図1に示すように、乗員Mが車両用シートSに座ってシートバック5にもたれた状態で、乗員Mの脇から腰の範囲に膨張・展開され、車両の側突時などに加わる乗員Mへの衝撃を吸収する。
【0014】
インフレータ3は、点火装置、伝火剤、ガス発生剤等で構成されており、ガス発生剤は、車両の側突時などに、エアバッグ2を膨張・展開させるための窒素ガス発生源となっている。また、このインフレータ3は、後述するようにシートバック5の内部に固定され、この実施形態では、上端部にガス噴出口3aが配設されるとともに、該ガス噴出口3aの対極に位置する下端部にハーネス3bが配設されている。
【0015】
車両用シートSのシートバック5は、
図2に示すように、シートバック5の上部を形成するコ字状のシートパイプ5aと、シートパイプ5aに接合されたシートフレーム5bと、これらシートパイプ5aおよびシートフレーム5bの回りを覆うウレタンなどで形成された弾性シートパッド5cと、シートパッド5cの回りを覆うシートカバー(図示せず)とを備える。ここで、シートパッド5cは、シートフレーム5bの前方に配置された所定の厚みを有する前面パッド5c1と、それぞれシートフレーム5bの後方に配置された第1、第2後面パッド5c2,5c3とを備える。
【0016】
そして、インフレータ3がシートフレーム5bにねじで固定されることにより、以下に説明するように、各パッド5c1〜5c3に囲まれて形成された収納空間Kにサイドエアバッグ装置1が収納される。ここで、シートパイプ5aが本発明における固定部に相当する。
【0017】
すなわち、サイドエアバッグ装置1は、
図2に示すように、車両の側突時などに、エアバッグ2が膨張・展開する際、その膨張力を後述するシートカバー脆弱部にまで素早く伝達できるように、エアバッグ2の膨張時の圧力に対する伸びが小さい材質で形成された2枚の力布6a,6bにより覆われている。内側力布6aは、弾性シートパッド5cの収納空間内面に沿って配設され、外側力布6bは、外側面に沿って配設されており、これらの両力布6a,6bによりサイドエアバッグ装置1が包被されるようにサイドエアバッグ装置1が配設されている。また、外側力布6bおよびシートパッド5cの外側を、図示省略のシートカバーが覆っている。
【0018】
より詳細には、
図2に示すように、内側力布6aおよび後側力布6bの後端部は、両後面パッド5c2,5c3との境界付近に引き出されるように配設され、内側力布6aは、前面パッド5c1とサイドエアバッグ装置1との間の隙間を通ってその前端部がシートカバー脆弱部の位置まで引き出される一方、後側力布6bは、第1後面パッド5c2の外側面に沿いその前端部がシートカバー脆弱部Pの位置まで引き回され、両力布6a,6bの前端がシートカバー脆弱部の後側位置で互いに縫合されて力布脆弱部Pが形成され、両力布6a,6bの後端は両後面パッド5c2,5c3との境界付近において、
図3に示すようにファスナーFにより強固に結合されて上下方向の結合部Qが形成される。
【0019】
このように配設された両力布6a,6bのさらに外側に、シートバック5の回りを覆う図示しないシートカバーが配設されるとともに、力布脆弱部Pの近傍の前側において、上下方向にシートカバーが縫合されてシートカバー脆弱部(図示せず)が形成され、両力布6a,6bは、結合部Qを回転中心として力布脆弱部P側が水平方向に回転移動可能に配設されている。なお、
図2には、両力布6a,6bの前端から後端にかけて、一般的な目盛を表わす標線を付すことによってその配策状態を示しており、特に両力布6a,6bの前端部分は一緒に重なった状態で前面パッド1c1の外側面に沿って配策されていることがわかる。
【0020】
ここで、シートカバー脆弱部およびその裏側に近接した配置された力布脆弱部Pは、いずれもエアバッグ2の膨張・展開時の圧力により容易に破断するように縫合される一方、両力布6a,6bの後端の結合部QのファスナーFによる結合力は、エアバッグ2の膨張・展開時の圧力で破断しないように、力布脆弱部Pよりも耐膨張力が高くなるように結合されている。
【0021】
そして、上記した両力布6a,6bやエアバッグ装置1をシートバック5に組み付ける場合、シートバック5の収納空間Kに、両力布6a,6bの後端が固定部であるシートパイプ5aの裏側の両後面パッド5c2,5c3の境界部分に位置するように引き回し、両力布6a,6bの後端に荒占め取り付けられたファスナーFを締め、両力布6a,6bの後端を隙間なく結合して強固な結合部Qを形成し、収納空間Kの内側面に沿って内側力布6aを配設するとともに、その内側にエアバッグ装置1を配設する。このとき、シートバック5の側部から収納空間K内に手を入れて、インフレータ3をシートフレーム5bにボルトにより固定することができる。
【0022】
さらに、内側力布6aの前端部分および外側力布6bの前端部分を重ねた状態にして前面パッド5c1の外側面に沿って引き回し、力布脆弱部Pを所定の縫合糸等により縫合し、外側力布6およびシートパッド5cの回りをシートカバーにより覆うように引き回し、このときシートカバーをその端部の縫合箇所が力布脆弱部Pに近接するように引き回し、縫合箇所を所定の縫合糸等により縫合してシートカバー脆弱部を形成する。これによりシートカバー脆弱部の裏側に力布脆弱部Pが近接して位置することになる。
【0023】
続いて、上記したサイドエアバッグ装置1の膨張・展開プロセスについて簡単に説明すると、サイドエアバッグ装置1のエアバッグ2の膨張・展開は、マイクロコンピュータ構成のエアバッグコンピュータ(エアバッグECU)で制御されており、このエアバッグECUが、車両に設けられた加速度センサにより検出された車両の減速度の情報などに基づいて、障害物が車両の側面に衝突したか、すなわち、エアバッグ2を膨張・展開させるか否かを判断する。そして、エアバッグECUがエアバッグ2を膨張・展開させると判断すると、インフレータ3の点火装置に通電を開始する。この通電により点火装置内のフィラメントが加熱し、これにより着火剤に着火する。その後、伝火剤、ガス発生剤へと極めて短時間で火炎が伝播し、ガス発生剤から多量の窒素ガスが発生する。この窒素ガスがフィルタを通過して、冷却および燃えかすの除去が行われてエアバッグ2内に噴出される。
【0024】
そして、インフレータ3から出力されたガスが充填されてエアバッグ2が膨張し、その際の膨張力が、力布脆弱部Pと、該縫合部とほぼ同じ位置にあるシートカバー脆弱部とに作用し、力布脆弱部Pが破断すると略同時にシートカバー脆弱部が破断し、エアバッグ2が弾性シートパッド5cの所定の厚みを有する前面パッド5c1を押しのけて前方に膨出し、エアバッグ2が車両のサイドドアと乗員との間に展開される。
【0025】
このとき、エアバッグ2の膨張時に、エアバッグ2が弛みを取るために膨張し始める段階で、両力布6a,6bの力布脆弱部P側が結合部Qを中心として回転移動し始めることとなり、力布脆弱部Pにいち早く負荷がかかって力布脆弱部Pが素早く破断する。その後、力布脆弱部Pに近接したシートカバー脆弱部にエアバッグ2の膨張圧に加えて回転移動する両力布6a,6bの圧力が伝わり、シートカバー脆弱部も素早く破断する。
【0026】
したがって、上記した実施形態によれば、両力布6a,6bは、その後端側が固定部であるシートパイプ5aの裏側でファスナーFにより結合され、これにより前端側に形成された力布脆弱部Pを回転移動自在に保持するため、両力布6a,6bの内部にエアバッグ2を包被するようにエアバッグ2を配設すればよく、従来のようにパッド内部に裏側から手を入れてエアバッグの固定作業を行ったり、表皮材にダブルステッチ等の複雑な縫製技術による縫製を施したりする必要がなく、結合部Qにおいて両力布6a,6bを隙間なく結合でき、エアバッグ2を包被する両力布6a,6bの取り付け作業を簡素化でき、作業効率の向上を図ることができる。
【0027】
また、両力布6a,6bの前端側の縫合された力布脆弱部Pが水平方向に回転移動可能な状態でシートカバー脆弱部の裏側に近接して配置されるため、エアバッグ2の膨張時に、エアバッグ2が弛みを取るために膨張し始める段階で、両力布6a,6bの力布脆弱部P側が回転移動し始めることとなり、力布脆弱部Pにいち早く負荷をかけて力布脆弱部Pを素早く破断することができるのとほぼ同時に、力布脆弱部Pに近接したシートカバー脆弱部をエアバッグの膨張圧に加えて回転移動する両力布6a,6bの圧力により素早く破断することができ、その結果エアバッグ2が前面パッド5c1を押しのけて展開し、エアバッグ2を時間ロスなく展開することが可能になる。
【0028】
また、力布脆弱部Pがシートカバー脆弱部の裏側に近接しているため、上記した特許文献2のように、パッド材に切込溝部を形成しておき、パッド自体をエアバッグの展開圧で破断してから表示材を破断し終えるまでに時間を要することもなく、エアバッグ2を時間ロスなく素早く展開することが可能である。
【0029】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
【0030】
例えば、
図2に示す収納空間Kに収納された状態のエアバッグ装置1と外側力布6bとの間に、もう1つのパッドが配設されていてもよい。また、上記した実施形態では、エアバッグ2が展開する際に前面パッド5c1を押しのけて展開すると説明したが、エアバッグ2の展開の際には、展開スペースとの関係で必ずしも前面パッド5c1を押しのける必要はない。
【0031】
また、上記した実施形態では、本発明を、左側シートに適用した場合について説明したが、右側シートにも同様に適用可能であるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0032】
1 …エアバッグ装置
2 …エアバッグ
3 …インフレータ
5 …シートバック
5a …シートパイプ(固定部)
5c1 …前面パッド
6a …内側力布
6b …外側力布
S …車両シート
P …力布脆弱部
K …収納空間
F …ファスナー