特許第6249693号(P6249693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249693画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249693
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20171211BHJP
   G06F 1/32 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G06F3/12 321
   G06F3/12 329
   G06F3/12 360
   G06F1/32 Z
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-186095(P2013-186095)
(22)【出願日】2013年9月9日
(65)【公開番号】特開2015-52970(P2015-52970A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(74)【代理人】
【識別番号】100145827
【弁理士】
【氏名又は名称】水垣 親房
(72)【発明者】
【氏名】三平 善郎
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−123167(JP,A)
【文献】 特開2011−018983(JP,A)
【文献】 特開2003−220742(JP,A)
【文献】 特開2013−041541(JP,A)
【文献】 特開2004−318624(JP,A)
【文献】 特開2011−090567(JP,A)
【文献】 特開2012−164171(JP,A)
【文献】 特開2001−092609(JP,A)
【文献】 特開2012−022503(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0214657(US,A1)
【文献】 特開2011−150429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて印刷する印刷装置に接続可能であり、受信した印刷ジョブに基づいて画像データを生成し、生成した画像データを前記印刷装置に送信可能な、画像処理装置であって、
予約時間が設定された予約印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記予約印刷ジョブに基づいて画像データを生成する生成手段と、
生成された前記画像データを前記予約時間の前に前記印刷装置に送信し、前記予約時間に前記印刷装置が前記画像データに基づいて印刷するよう予約する、送信手段と、
前記印刷装置の状態を受信する受信手段を備え、
前記印刷装置は、前記予約時間に、前記画像処理装置から受信した前記画像データに基づいて印刷し、
前記送信手段は、前記印刷装置の状態が第1電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信し、前記印刷装置の状態が前記第1電力状態より省電力の第2電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信しない、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記印刷装置の状態が前記第2電力状態であれば、前記予約時間に前記画像データを送信する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷装置の状態が前記第2電力状態であれば、前記生成手段は前記予約時間の前に前記画像データを生成し、前記送信手段は前記予約時間に前記画像データを送信する、ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記画像データを送信する前に、前記印刷装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させる移行指示を送信する、ことを特徴とする請求項又はに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記印刷装置の画像データを記憶する領域の空き容量が所定値より小さい場合に、前記予約時間に前記画像データを前記印刷装置に送信する、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
予約された前記印刷装置での印刷をキャンセルするキャンセル手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置を第3電力状態から前記第3電力状態より省電力の第4電力状態に移行させる電力制御手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記画像データを前記印刷装置に送信した後、前記予約時間の前に、前記画像処理装置を前記第4電力状態に移行させることが可能である、ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像データに基づいて印刷する印刷装置に接続可能であり、受信した印刷ジョブに基づいて画像データを生成し、生成した画像データを前記印刷装置に送信可能な、画像処理装置の制御方法であって、
予約時間が設定された予約印刷ジョブを入力する入力ステップと、
前記予約印刷ジョブに基づいて画像データを生成する生成ステップと、
生成された前記画像データを前記予約時間の前に前記印刷装置に送信するステップと、 前記予約時間に前記印刷装置が前記画像データに基づいて印刷するよう予約するステップと、
前記印刷装置の状態を受信するステップと、を有し、
前記印刷装置は、前記予約時間に、前記画像処理装置から受信した前記画像データに基づいて印刷
前記送信するステップにおいて、前記印刷装置の状態が第1電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信し、前記印刷装置の状態が前記第1電力状態より省電力の第2電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信しない、ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
画像データに基づいて印刷する印刷装置と、受信した印刷ジョブに基づいて画像データを生成し、生成した画像データを前記印刷装置に送信する画像処理装置と、を備える印刷システムであって、
前記画像処理装置は、
予約時間が設定された予約印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記予約印刷ジョブに基づいて画像データを生成する生成手段と、
生成された前記画像データを前記予約時間の前に前記印刷装置に送信し、前記予約時間に前記印刷装置が前記画像データに基づいて印刷するよう予約する、送信手段と、
前記印刷装置の状態を受信する受信手段を備え、
前記印刷装置は、
前記予約時間に、前記画像処理装置から受信した前記画像データに基づいて印刷する印刷手段を備え
前記送信手段は、前記印刷装置の状態が第1電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信し、前記印刷装置の状態が前記第1電力状態より省電力の第2電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信しない、ことを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
前記送信手段は、前記印刷装置の状態が前記第2電力状態であれば、前記予約時間に前記画像データを送信する、ことを特徴とする請求項に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記印刷装置の状態が前記第2電力状態であれば、前記生成手段は前記予約時間の前に前記画像データを生成し、前記送信手段は前記予約時間に前記画像データを送信する、ことを特徴とする請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記送信手段は、前記画像データを送信する前に、前記印刷装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させる移行指示を送信する、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記送信手段は、前記印刷装置の画像データを記憶する領域の空き容量が所定値より小さい場合に、前記予約時間に前記画像データを前記印刷装置に送信する、ことを特徴とする請求項乃至12の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項14】
前記画像処理装置は、
予約された前記印刷装置での印刷をキャンセルするキャンセル手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項乃至13の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項15】
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置を第3電力状態から前記第3電力状態より省電力の第4電力状態に移行させる電力制御手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記画像データを前記印刷装置に送信した後、前記予約時間の前に、前記画像処理装置を前記第4電力状態に移行させることが可能である、ことを特徴とする請求項乃至14の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記印刷装置は、
少なくとも第1電力状態と、前記第1電力状態より省電力の第2電力状態とを有し、 前記予約時間に、前記印刷装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させる移行手段をさらに備え、
前記印刷手段は、前記移行手段が前記印刷装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させた後に、前記画像データに基づいて印刷する、ことを特徴とする請求項に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外付け画像処理コントローラを有する画像形成システムにおけるスケジュール印刷ジョブ実行時の省電力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの電化製品と同じように、画像形成装置に対しても省電力化が求められている。具体的には、画像形成装置が使用されていない場合には、スリープ状態に移行して、できるだけ無駄な電気を消費しないようにしている。これは、外付けの画像処理コントローラについても同様で、画像処理コントローラも、使われていない状態では、スリープ状態に移行して消費電力を低下させることが求められている。
【0003】
一方、画像形成装置や外付けの画像処理コントローラには、スケジュール印刷機能を有するものがある。スケジュール印刷機能とは、具体的には、ユーザが時刻を設定してスケジュール印刷ジョブを投入すると、設定された時刻になると、設定された印刷ジョブが印刷されるというものである。
【0004】
このようなスケジュール印刷の節電方法としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、スリープ状態に移行するまでの時間内(スリープタイマ時間内)にスケジュール印刷ジョブが存在する場合、該スケジュール印刷ジョブも連続して行って節電モードに入る回数を減らし、電力消費を軽減する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−220742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、スリープタイマ内のスケジュール印刷ジョブに対しては、前倒しで実行することにより節電効果があるが、スリープタイマ以降に設定されたスケジュール印刷ジョブに対しては節電効果がない。すなわち、受け付け済みのスケジュール印刷ジョブを印刷するためだけに、外付け画像処理コントローラや画像形成装置を一時的にスリープ状態から起動復帰する必要があり、無駄な電力を消費してしまうという課題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、スケジュール印刷ジョブの処理に関連した、外付け画像処理コントローラや画像形成装置の復帰を極力抑え、より省電力を期待できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像データに基づいて印刷する印刷装置に接続可能であり、受信した印刷ジョブに基づいて画像データを生成し、生成した画像データを前記印刷装置に送信可能な、画像処理装置であって、予約時間が設定された予約印刷ジョブを入力する入力手段と、前記予約印刷ジョブに基づいて画像データを生成する生成手段と、生成された前記画像データを前記予約時間の前に前記印刷装置に送信し、前記予約時間に前記印刷装置が前記画像データに基づいて印刷するよう予約する、送信手段と、前記印刷装置の状態を受信する受信手段を備え、前記印刷装置は、前記予約時間に、前記画像処理装置から受信した前記画像データに基づいて印刷前記送信手段は、前記印刷装置の状態が第1電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信し、前記印刷装置の状態が前記第1電力状態より省電力の第2電力状態であれば、前記予約時間の前に前記画像データを送信しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予約印刷ジョブの処理に関連した画像形成装置のスタンバイ状態への復帰を極力抑え、より省電力を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例を示す画像形成システムの構成を例示する図。
図2】外付け画像処理コントローラ101のハードウェア構成を例示する図。
図3】外付け画像処理コントローラ101のソフトウェア構成を例示する図。
図4】画像形成装置102のハードウェア構成を例示する図。
図5】画像形成装置102のソフトウェア構成を例示する図。
図6】画像形成システムの第1の動作モードにおけるシーケンス図。
図7】画像形成システムの第2の動作モードにおけるシーケンス図。
図8】外付け画像処理コントローラ101上のスケジュール印刷ジョブの受信時の処理を例示するフローチャート。
図9】外付け画像処理コントローラ101のスケジュール印刷ジョブの実行日時までの処理を例示するフローチャート。
図10】外付け画像処理コントローラ101のスケジュール印刷ジョブの実行日時における処理を例示するフローチャート。
図11】画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブの実行日時における処理を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、外付け画像処理コントローラ101は、画像形成装置102の外付けの画像処理コントローラである。外付け画像処理コントローラ101と画像形成装置102とは、ネットワーク105経由で接続されている。
【0013】
画像形成装置102は、外付け画像処理コントローラ101と組み合わされて一つの画像形成システムとなる画像形成装置である。外付け画像処理コントローラ101は、外部から受信した印刷ジョブを画像処理(後述するRIP等)し、画像処理済みの印刷ジョブを画像形成装置102に投入する画像処理装置である。
【0014】
PCクライアント103は、ネットワーク104に接続している。PCクライアント103は、ネットワーク104を介して、外付け画像処理コントローラ101と画像形成装置102からなる画像形成システムに対して、印刷指示やスケジュール印刷ジョブの設定指示を行うことができる。即ち、PCクライアント103から印刷ジョブやスケジュール印刷ジョブが外付け画像処理コントローラ101に送信される。なお、スケジュール印刷ジョブとは、指定された日時に実行することが設定された印刷ジョブ(予約印刷ジョブ)である。
【0015】
ネットワーク104は、外付け画像処理コントローラ101、PCクライアント103が接続したネットワークである。ネットワーク104は、例えば、イーサネット(登録商標)などLAN接続を実現するネットワークである。
【0016】
ネットワーク105は、外付け画像処理コントローラ101と画像形成装置102が接続したネットワークである。例えばイーサネット(登録商標)などLAN接続を実現するネットワークである。
【0017】
図2は、外付け画像処理コントローラ101のハードウェア構成の概略の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、外付け画像処理コントローラ101は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、電源制御部205、電源ユニット206、電源プラグ207、主電源スイッチ208を有する。また、外付け画像処理コントローラ101は、外部表示I/F209、キーボードI/F210、マウスI/F211、LAN I/F1(212)、LAN I/F2(213)、内部バス225を有する。
【0018】
内部バス225は、例えばPCIバスなどによって構成される。各モジュール201〜205及び209〜213は、内部バス225を介して、データ通信が可能である。
【0019】
CPU201は、ROM202やHDD204に記録されたプログラム(例えば図3に示すようなソフトウェア)を読み出して実行することにより、各種制御を実行する。ROM202は、プログラム及び各種データを格納する。RAM203は、CPU201の作業領域として使用される。HDD204は、例えば図3に示すようなソフトウェア、各種データ、印刷ジョブ等を格納するハードディスクドライブである。なお、ハードディスクドライブの代わりにソリッドステートドライブ(SSD)等の他の記憶装置を用いてもよい。
【0020】
外部表示I/F209は、ディスプレイ214を接続するためのインタフェースである。キーボードI/F210は、キーボード215を接続するためのインタフェースである。マウスI/F211は、マウス216等のポインティングデバイスを接続するためのインタフェースである。
【0021】
外付け画像処理コントローラ101は、LAN I/F1(212)を介してネットワーク104に繋がる。そして、外付け画像処理コントローラ101は、ネットワーク104を介して、PCクライアント103と通信でき、PCクライアント103からのスケジュール印刷ジョブなどの印刷ジョブを受け取ることができる。
【0022】
加えて、外付け画像処理コントローラ101は、LAN I/F2(213)を介してネットワーク105に繋がる。そして、外付け画像処理コントローラ101は、ネットワーク105を介して、画像形成装置102と通信でき、画像形成装置102に対して、起動指示や印刷指示を行うことができる。
【0023】
電源ユニット206は、主電源スイッチ208を介して、電源プラグ207に接続されている。ユーザにより主電源スイッチ208が押下(ON)されると、電源プラグ207より交流電源が電源ユニット206に供給され、電源ユニット206が起動する。電源ユニット206は、電源プラグ207より供給される交流電源の電圧・直流変換を行う。そして、電源ユニット206は、スタンバイ電源供給線224と主電源供給線223を用いて、電源ユニット206より各モジュールに電源を供給する。
【0024】
電源制御部205は、内部バス225及び電源ユニット206に接続している。また、電源制御部205は、時計機能を有し、スケジュール印刷ジョブの実行時刻を設定可能である。電源制御部205は、設定された時刻になると、電源ユニット制御線221を用いて、電源ユニット206へ起動通知を行う。電源制御部205から電源ユニット制御線221を介して起動通知を受けると、電源ユニット206は、主電源供給線223への電源供給を有効にする。
【0025】
スタンバイ電源供給線224は、主電源スイッチ208がONの間、常時電源が供給される供給線である。スタンバイ電源供給線224は、スケジュール印刷ジョブの時刻になった時に電源オン通知の処理を行う電源制御部205や、LAN I/F1(212)、LAN I/F2(213)に対して、常時電力を供給する。主電源供給線223は、電源制御部205からの指示によって制御される、主たる電源供給線であり、スタンバイ状態(起動状態ともいう)において電力供給し、スリープ状態(省電力状態ともいう)において電力供給しないものである。
【0026】
以上のような構成により、電源制御部205は、CPU201やLAN I/F1(212)、LAN I/F2(213)等からの指示や上述の時計機能等により、スタンバイ状態(主電源供給線223から電力供給)と、スタンバイ状態より消費電力の小さいスリープ状態(主電源供給線223から電力供給しない)とを切り替え制御する。なお、電源制御部205は、スケジュール印刷ジョブの実行日時に応じて、スリープ状態からスタンバイ状態に装置を復帰させる。
【0027】
図3は、外付け画像処理コントローラ101のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示す各ソフトウェアは、外付け画像処理コントローラ101のROM202、RAM203、HDD204のいずれかに記憶され、CPU201により実行される。即ち、CPU201は、図3に示す各ソフトウェアを実行することにより、以下に示す図3の各ソフトウェアの機能を実現する。
【0028】
OS321は、外付け画像処理コントローラ101の基本ソフトであるオペレーティングシステム(OS)を示している。プリントサーバアプリケーション301は、CPU201で実行されるOS321上で動くアプリケーションソフトウェアである。プリントサーバアプリケーション301は、組み版編集部311、Job制御部312、RIP処理部313、またスケジュール印刷ジョブ処理部314を含む。
【0029】
組み版編集部311は、PCクライアント103からの指示に基づき、ページ毎の画像データを製本組み版フォーマットに編集する、組み版編集処理を行う編集部である。Job制御部312は、PCクライアント103からの指示に基づき、印刷Jobの制御を行う制御部である。具体的には、Job制御部312は、PCクライアント103からの印刷データの受信やその指示とスケジュール印刷ジョブ処理部314から実行されるジョブなど印刷Jobの印刷順番制御を行う。
【0030】
RIP処理部313は、組み版編集部311による組み版時やスケジュール印刷ジョブ処理部314によるRIP時や、Job制御部312において実際の画像形成処理を行う場合に呼び出される。RIP処理部313は、PDL(ページ記述言語;Page description language)を印刷用のラスターイメージに変換処理をする処理部である。
【0031】
スケジュール印刷ジョブ処理部314は、PCクライアント103から設定されたスケジュール印刷ジョブの制御を行う処理部である。例えば、スケジュール印刷ジョブ処理部314は、後述する図8図10に示すような処理を実行する。
【0032】
図4は、画像形成装置102のハードウェア構成の概略の一例を示すブロック図である。
図4において、コントローラユニット401は、スキャナ416やプリンタ417と接続する。また、コントローラユニット401は、外付け画像処理コントローラ101とネットワーク105を経由して通信を行う。コントローラユニット401は、これらの機器と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
【0033】
CPU402は、画像形成装置102内のシステム全体を制御するコントローラである。RAM403は、CPU402が動作するためのシステムワークメモリであり、且つ画像データを一時記憶するための画像メモリである。ROM407は、ブートROMであり、画像形成装置102のシステムのブートプログラムが格納されている。
【0034】
メモリ408は、画像形成装置102のハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置である。メモリ408は、例えば、図5に示すシステムソフトウェアやアプリケーションソフトウェア、画像データを格納する。メモリ408の画像データ用格納領域としては、PCクライアント103や外付け画像処理コントローラ101から受信したスケジュール印刷ジョブなどの印刷ジョブを格納する。
【0035】
操作部I/F404は、操作部405とのインタフェース部であり、操作部405に表示する画像データを操作部405に対して出力する。また、操作部I/F404は、操作部405から画像形成装置102のユーザが入力した情報をCPU402に伝える機能を有する。LAN I/F406は、ネットワーク105に接続され、情報の入出力を行う。
【0036】
イメージバスI/F(Image Bus I/F)409は、データ構造を変換するバスブリッジであり、システムバス418及び画像データを高速で転送する画像バス419に接続されている。画像バス419は、PCIバス又はIEEE1394で構成される。画像バス419上には、ラスターイメージプロセッサ(RIP)411、デバイスI/F412、スキャナ画像処理部413、プリンタ画像処理部414、画像回転部415、及び画像圧縮伸張・密度変換部410の各デバイスが配置される。
【0037】
RIP411は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F412は、スキャナ416やプリンタ417とコントローラユニット401とを接続する。スキャナ画像処理部413は、スキャナ416より入力された画像データに対して補正、加工、及び編集を行う。スキャナ416は、文書等の画像を読み取って画像データを入力する画像入力デバイスである。
【0038】
プリンタ画像処理部414は、プリンタ417に出力する画像データに対して印刷補正、解像度変換等を行う。プリンタ417は、画像データに基づいてシートに印刷を行う画像出力デバイスである。画像回転部415は、画像データの回転を行う。画像圧縮伸張・密度変換部410は、多値画像データをJPEGに変換したり、2値画像データに対してJBIG、MMR、又はMHの圧縮伸張処理をしたりする。
【0039】
電源制御部420は、システムバス418に接続し、主電源スイッチ424に主電源スイッチ線423を介して接続している。電源制御部420は、ユーザの主電源スイッチ424の押下を検知できる。電源制御部420は、主電源スイッチ424の押下を検知すると、電源ユニット制御線426を用いて、電源ユニット421へ起動通知を行う。また、電源制御部420には、時計機能を有し、スケジュール印刷ジョブの実行時刻を設定可能である。電源制御部420は、設定された時刻になると、電源ユニット制御線426を用いて、電源ユニット421へ起動通知を行う。電源制御部420から電源ユニット制御線426を用いて起動通知を受けると、電源ユニット421は、主電源供給線425への電源供給を有効にする。
【0040】
電源ユニット421は、電源制御部420からの通知を元に、電源プラグ422より供給される交流電源の電圧・直流変換を行う。そして、電源ユニット421は、スタンバイ電源供給線427と主電源供給線425を用いて、電源ユニット421より各モジュールに電源を供給する。
【0041】
スタンバイ電源供給線427は、常時電源が供給される供給線である。スタンバイ電源供給線427は、スケジュール印刷ジョブの時刻になった時に電源オン通知の処理を行う電源制御部420や、LAN I/F406に対して、常時電力が供給される。主電源供給線425は、電源制御部420からの指示によって制御される、主たる電源供給線であり、スタンバイ状態(起動状態ともいう)において電力供給し、スリープ状態(省電力状態ともいう)において電力供給しないものである。
【0042】
以上のような構成により、電源制御部420は、CPU402やLAN I/F406等からの指示や上述の時計機能等により、スタンバイ状態(主電源供給線425から電力供給)と、スタンバイ状態より消費電力の小さいスリープ状態(主電源供給線425から電力供給しない)とを切り替え制御する。
【0043】
図5は、画像形成装置102のソフトウェア機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示す各ソフトウェアは、図4のメモリ408に格納され、CPU402により実行される。即ち、CPU402は、図5に示す各ソフトウェアを実行することにより、以下に示す図5の各ソフトウェアの機能を実現する。
【0044】
図5において、502はScan機能部で、スキャナ416を用いたスキャン機能を実現するための機能部である。Scan機能部502は、紙文書を読み取り、二値または多値画像データに変換する機能を有する。503はPrint機能部で、プリンタ417を用いたプリント機能を実現するための機能部である。Print機能部503は、先にScan機能部502により読み取られて画像データに変換された画像などを、プリンタ417に対するコマンドを付加してプリンタ417に出力する機能を有する。
【0045】
504はジョブ制御部である。ジョブ制御部504は、Scan機能部502から受信した画像データを印刷ジョブとしてキューイングする。また、ジョブ制御部504は、ネットワーク機能部505やスケジュール印刷ジョブ処理部507から受けた印刷ジョブをキューイングする。そして、ジョブ制御部504は、キューイングしたジョブを、順次Print機能部503や、後述するネットワーク機能部505に対して適宜出力する。
【0046】
505はネットワーク機能部を表す。ネットワーク機能部505は、TCP/IP、HTTP、FTP、LDAP、SNMP、SMTP、SSL、SMB等の各種ネットワークプロトコル機能を有する。例えば、ネットワーク機能部505は、LAN I/F406を経由して、PCクライアント103や外付け画像処理コントローラ101からのスケジュール印刷ジョブや印刷ジョブを受信する。
【0047】
506はユーザインターフェース機能部(UI機能部)である。UI機能部506は、画像形成装置501の操作部405のユーザによる入出力を管理する。加えて、UI機能部506は、操作部405上に入力フィールド、出力メッセージフィールド等を表示し、ユーザからの入力フィールドに対する入力値を受け取り、他機能部に通知する。また、UI機能部506は、他機能部からのユーザに対するメッセージを予めデザインされた画面に表示する機能を有する。
【0048】
507はスケジュール印刷ジョブ処理部である。スケジュール印刷ジョブ処理部507は、外付け画像処理コントローラ101から設定されたスケジュール印刷ジョブの制御を行う。例えば、スケジュール印刷ジョブ処理部507は、後述する図11に示すような処理を実行する。
【0049】
図6図7は、PCクライアント103からスケジュール印刷ジョブが設定された場合の外付け画像処理コントローラ101と画像形成装置102の各タイミングでの電源状態による動作を示す図である。
【0050】
601と701は、外付け画像処理コントローラ101がスタンバイ状態(起動状態)に入っている場合の電源状態に対応する。602と702は、外付け画像処理コントローラ101がスリープで節電状態に入っている場合の電源状態に対応する。また同様に、603と703は、画像形成装置102がスタンバイ状態(起動状態)に入っている場合の電源状態に対応する。604と704は、画像形成装置102がスリープで節電状態に入っている場合の電源状態に対応する。
【0051】
そして、601,602,701,702上の実線で示した部分が、外付け画像処理コントローラ101の各タイミングでの電源状態を示している。例えば、709は、外付け画像処理コントローラ101がスリープ状態であることを示している。また、603,604,703,704上の実線で示した部分が、画像形成装置102の各タイミングでの電源状態を示している。例えば、608は、画像形成装置102がスリープ状態であることを示している。
【0052】
まず、図6は第1の動作モードに対応する画像形成システムのシーケンスを示している。第1の動作モードでは、スケジュール印刷ジョブの投入時に、画像形成装置102がスリープ状態である場合には、画像形成装置102を復帰する必要がない。
【0053】
例えば、605のタイミングで、PCクライアント103からスケジュール印刷ジョブの指示が実行される。ここでは、画像形成装置102の電源状態はスリープ状態(608)であるため、後述する図8に示すように、外付け画像処理コントローラ101は画像形成装置102を起動させず(608)、スケジュール印刷ジョブに対するRIP処理を行う。さらに、外付け画像処理コントローラ101は、RIP処理後のスケジュール印刷ジョブをHDD204に保持する(607)。このような動作により、スケジュール印刷ジョブの受信時に、画像形成装置102は不要な起動をせず、画像形成装置102が起動する場合と比較して、画像形成システム全体として省電力を期待できる。
【0054】
そして、外付け画像処理コントローラ101は、スケジュール印刷ジョブの実行時刻(606)になったところで、後述する図10に示す処理によって、画像形成装置102に起動指示を行い(609,610)、スケジュール印刷ジョブの印刷を実行する。
【0055】
一方、図7はスケジュール印刷ジョブを印刷実行する実行時刻に外付け画像処理コントローラ101がスリープ状態である場合には、外付け画像処理コントローラ101を復帰する必要がない。
【0056】
例えば、705のタイミングで、PCクライアント103からスケジュール印刷ジョブの指示が実行される。ここでは、画像形成装置102の電源状態はスタンバイ状態(707)であるため、後ほど示す図8に示すように、外付け画像処理コントローラ101は、スケジュール印刷ジョブに対するRIP処理を行う。さらに、外付け画像処理コントローラ101は、RIP処理後のスケジュール印刷ジョブを、画像形成装置102に転送し、画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブ設定に登録する。そのため、スケジュール印刷ジョブの実行時刻706になったところでは、外付け画像処理コントローラは起動しない(708,709)。実行時刻706では、画像形成装置102のみが起動し(710)、スケジュール印刷ジョブを実行する(詳細は図11でて説明する)。このような動作により、スケジュール印刷ジョブの実行時に、外付け画像処理コントローラ101は不要な起動をせず、外付け画像処理コントローラ101が起動する場合と比較して、画像形成システム全体として省電力を期待できる。
【0057】
以下、図8図10を参照して、外付け画像処理コントローラ101の動作について説明する。
図8は、外付け画像処理コントローラ101上のCPU201により実行されるスケジュール印刷ジョブ処理部314のソフトウェアのスケジュール印刷ジョブ設定時の処理を示したフローチャートである。この処理は、外付け画像処理コントローラ101のROM202、RAM203、HDD204のいずれかの記憶装置に記憶されたプログラムに従ってCPU201におり処理される。
【0058】
まず、CPU201は、PCクライアント103のユーザにより指示されてPCクライアント103から送られてきたスケジュール印刷ジョブを受信すると(S801)、S802に処理を進める。
S802では、CPU201は、現在の画像形成装置102の電源状況をLAN I/F213経由で確認する(S802)。ここで、画像形成装置102がスリープ状態であったり電源がOFFであったりした場合(S802で「スリープ状態」または「オフ状態」の場合)、CPU201は、S803に移行し、外付け画像処理コントローラ101にスケジュール印刷ジョブを保持する。一方、画像形成装置102がスタンバイ状態であると判定した場合(S802で「スタンバイ状態」の場合)、CPU201は、S806に処理を移行する。
【0059】
S803は、画像形成装置102がスリープであったり電源がOFFであったりした場合で、外付け画像処理コントローラから画像形成装置102に対して指示ができない場合である。S803では、まず、CPU201は、外付け画像処理コントローラ101においてスケジュール印刷ジョブ設定時に事前にRIP処理を行うかどうかの設定を判定する。そして、事前にRIPする設定と判定した場合(S803でYesの場合)、CPU201は、S804に移行する。一方、事前にRIP処理しない設定と判定した場合(S803でNoの場合)、CPU201は、S805に移行する。
【0060】
なお、前もってRIP処理を行うかどうかの設定は、外付け画像処理コントローラ101の不揮発メモリである、HDD204に保持されている。その設定変更は、PCクライアント103や、外付け画像処理コントローラ101のキーボード215・マウス216からの操作によって行える。それらの設定変更指示は、CPU201において実行される、スケジュール印刷ジョブ処理部314のアプリケーションによって処理され、HDD204に記録される。
【0061】
S804では、CPU201は、RIP処理部313において、上記S801で受信したスケジュール印刷ジョブに含まれるPDLデータに対するRIP処理を行い、S805に移行する。
【0062】
S805では、CPU201は、上記S804でRIP処理した場合にはRIP画像データを、RIP処理しない場合には上記PDLデータを、HDD204に保持する。さらに、CPU201は、スケジュール印刷ジョブ処理部314においてスケジュール設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、スケジュール印刷ジョブ処理部314は、スケジュール設定において、電源制御部205にスケジュール印刷ジョブの実行日時を起動復帰日時として設定する。即ち、第1の動作モード(S803〜S805)では、CPU201は、スケジュール印刷ジョブの実行を外付け画像処理コントローラ101自身に予約する。
【0063】
また、S806では、CPU201は、画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブを保持するメモリ408の空き容量が十分あるかを、画像形成装置102に対してネットワーク105経由で問い合わせをして確認する。そして、メモリ408の空き容量が所定の容量を下回る場合、メモリ408の空き容量が十分に無いと判定し(S806でNoの場合)、CPU201は、スケジュール印刷ジョブを画像形成装置102に蓄積することができないため、S803に移行する。これにより、外付け画像処理コントローラ101で保持する処理に移る。一方、メモリ408の空き容量が十分あると判定した場合(S806でYesの場合)、CPU201は、S807に移行する。
【0064】
S807では、CPU201は、上記S801で受信したスケジュール印刷ジョブをRIP処理部313でRIP処理する。さらに、CPU201は、画像形成装置102に対して、上記RIP処理した画像データを転送し、画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブ処理部507に、スケジュール印刷ジョブ設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。即ち、第2の動作モード(S807)では、CPU201は、スケジュール印刷ジョブを画像形成装置102に投入し、該予約印刷ジョブの実行を画像形成装置102に予約する。
【0065】
図9は、外付け画像処理コントローラ101上のCPU201により実行されるスケジュール印刷ジョブ処理部314の動作の一例を示すフローチャートの一つである。具体的には、図8のS805で外付け画像処理コントローラ101に設定したスケジュール印刷ジョブを、スケジュール印刷ジョブの実行日時まで、再度、画像形成装置102に前もって転送可能かを試みる処理のフローチャートに対応する。また、この処理は外付け画像処理コントローラ101のROM202、RAM203、HDD204のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムに従ってCPU201により処理される。
【0066】
まず、CPU201は、画像形成装置102の電源復帰検知処理をネットワーク105経由で行う(S901)。そして、画像形成装置102の電源復帰していないと判定した場合(S901でNoの場合)、CPU201は、一定時間の間隔をおいて再度、S901の処理を行う。一方、画像形成装置102の電源復帰を検知したと判定した場合(S901でYesの場合)、S902に移行する。
【0067】
S902では、CPU201は、PCクライアント103から、キャンセル指示やジョブの印刷設定変更がされていて、それらのキャンセル・変更がまだ画像形成装置102上のスケジュール印刷ジョブに反映されているか否かを判定する。そして、まだ反映されていないと判定した場合(S902でYesの場合)、CPU201は、S903に移行する。一方、既に反映されていると判定した場合(S902でNoの場合)、CPU201は、S904に移行する。
【0068】
S903では、CPU201は、該当する画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブに対してキャンセル通知や印刷設定変更通知を行い、S904に移行する。
【0069】
S904では、CPU201は、スケジュール印刷ジョブ設定時に画像形成装置102がスリープ状態であったため、第1の動作モードにおいて、外付け画像処理コントローラ101で保持したままのジョブがあるかを判定する。そして、外付け画像処理コントローラ101で保持したままのジョブがあると判定した場合(S904でYesの場合)、CPU201は、S905に移行する。一方、外付け画像処理コントローラ101で保持したままのジョブがないと判定した場合(S904でNoの場合)、CPU201は、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0070】
S905、S906では、CPU201は、図8のS806、S807と同様の処理を行う。具体的には、S905では、CPU201は、画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブを保持するメモリ408の空き容量が十分あるかを、画像形成装置102に対してネットワーク105経由で問い合わせをして確認する。そして、メモリ408の空き容量が十分に無いと判定した場合(S905でNoの場合)、CPU201は、スケジュール印刷ジョブを画像形成装置102に蓄積することができないため、本フローチャートの処理を終了する。一方、メモリ408の空き容量が十分あると判定した場合(S905でYesの場合)、CPU201は、S906に移行する。
【0071】
906では、CPU201は、上記スケジュール印刷ジョブがRIP済みでない場合、上記スケジュール印刷ジョブをRIP処理部313でRIP処理する。さらに、CPU201は、画像形成装置102に対して、上記RIP処理した画像データを転送し、画像形成装置102のスケジュール印刷ジョブ処理部507に、スケジュール印刷ジョブ設定を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0072】
この一連の処理により、ユーザがスケジュール印刷ジョブを設定変更した場合でも、実行時に、外付け画像処理コントローラ101はスリープ状態のまま、画像形成装置102のみで、適切に、設定変更されたスケジュール印刷ジョブを実行できる。よって、外付け画像処理コントローラ101を復帰させる場合に比べて省電力が期待できる。
【0073】
図10は、外付け画像処理コントローラ101上のCPU201により実行されるスケジュール印刷ジョブ処理部314のソフトウェアのスケジュール印刷ジョブ実行時刻606に実行される印刷処理の一例を示す図である。この動作は、スケジュール印刷ジョブの実行日時までに、画像形成装置102がスリープから復帰する機会がなかったり、画像形成装置102に十分なスケジュール印刷ジョブを保持する容量が無かったりした場合の動作に該当する。そして、シーケンス図としては、図6に示した第1の動作モードが該当する。また、この処理は、外付け画像処理コントローラ101のROM202、RAM203、HDD204のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムに従ってCPU201により処理される。
【0074】
まず、CPU201は、HDD204に、現在の時刻に該当する実行すべきスケジュール印刷ジョブがあるか否かを判定する(S1001)。そして、実行すべきスケジュール印刷ジョブがないと判定した場合(S1001でNoの場合)、CPU201は、一定時間(例えば1分間)待って(S1005)、再度、S1001に戻る。一方、実行すべきスケジュール印刷ジョブがあると判定した場合(S1001でYesの場合)、CPU201は、S1002に移行する。
【0075】
S1002では、CPU201は、画像形成装置102の電源状態を確認する(S1002)。画像形成装置102がスリープ中である(起動中(スタンバイ状態)でない)と判定した場合(S1002でNoの場合)、CPU201は、画像形成装置102に対してネットワーク105経由で起動指示を行う(S1003)。そして、CPU201は、一定時間待って、再度、S1002に戻る。一方、画像形成装置102が起動中(スタンバイ状態)であると判定した場合(S1002でYesの場合)、CPU201は、S1004に移行する。
【0076】
S1004では、CPU201は、上記S1001で実行すべきと判断した全てのスケジュール印刷ジョブを実行するように、画像形成装置102に対して、ネットワーク105経由で、印刷指示を行う(S1004)。即ち、CPU201は、上記S1001で実行すべきと判断した全てのスケジュール印刷ジョブを画像形成装置102に投入する。そして、CPU201は、一定時間(例えば1分間)待って(S1005)、再度、S1001に戻り、実行すべきスケジュール印刷ジョブがあるか判定する。
【0077】
次に、図11を参照して、画像形成装置102動作について説明する。
図11は、画像形成装置102上のCPU402により実行されるスケジュール印刷ジョブ処理部507のソフトウェアのスケジュール印刷ジョブ実行時刻706に実行される印刷処理の一例を示すフローチャートである。また、この処理は画像形成装置102のRAM403、ROM407、メモリ408のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムに従ってCPU402により処理される。
【0078】
まず、CPU402は、メモリ408に、現在の日時に該当する実行すべきスケジュール印刷ジョブがあるか否かを判定する(S1101)。そして、実行すべきスケジュール印刷ジョブがないと判定した場合(S1101でNoの場合)、CPU402は、一定時間(例えば1分間)待って(S1103)、再度、S1101に戻る。一方、実行すべきスケジュール印刷ジョブがあると判定した場合(S1101でYesの場合)、CPU402は、S1102に移行する。
【0079】
S1102では、CPU402は、上記S1101で実行すべきと判断した全てのスケジュール印刷ジョブを実行するように、ジョブ制御部504に対して印刷指示を行い、印刷を実行する(S1102)。そして、CPU402は、一定時間(例えば1分間)待って(S1103)、再度、S1101に戻り、実行すべきスケジュール印刷ジョブがあるか判定する。
【0080】
以上によって、外付け画像処理コントローラ101に設定したスケジュール印刷ジョブ設定時に、図8に示したように、画像形成装置102の電力状態に応じて、第1の動作モードと第2の動作モードを切り替えて動作することで、省電力を期待できる。
【0081】
加えて、スケジュール印刷ジョブ設定時に第1の動作モードで動作しても、図9に示したように、その後、画像形成装置102がスタンバイ状態になれば、第2の動作モードに切り替えて、省電力を期待できる。さらに、図8のS804や図9のS904に示したように、第2の動作モードで動く場合にも、画像形成装置102の残容量を確認することで、適切な動作モード切り替え制御を行うことができる。
【0082】
さらに、図9のS902やS903で示したように、第2の動作モードで動いている場合に、ユーザがスケジュール印刷ジョブをキャンセルや設定変更した場合にも、無駄に画像形成装置102を起動させないため、省電力を期待できる。また、スケジュール印刷ジョブ実行時刻までに、画像形成装置102が他の要因で起動したときに、適宜キャンセル・設定変更することで、省電力を期待できる。
【0083】
また、RIP処理のタイミングを、スケジュール印刷ジョブ設定直後に実施するかしないかを設定できることで、印刷設定が変わる可能性の高いスケジュール印刷ジョブを無駄なRIP処理をせず、省電力を期待できる。
【0084】
以上示したように、スケジュール印刷ジョブ設定時の画像形成装置の電源状態によって動作モードを切り替えることで、画像形成システムは、以下の節電効果を奏する。第1の動作モードでは、スケジュール印刷ジョブ投入時の画像形成装置のスリープ状態からの復帰をする必要がなく、より省電力を期待できる。第2の動作モードではスケジュール印刷ジョブを印刷実行するためだけに外付け画像処理コントローラがスリープ状態から復帰する必要がなく、より省電力を期待できる。でに受け付け、印刷設定されたスケジュール印刷ジョブを印刷するためだけに、外付け画像処理コントローラ101が一時的にスリープ状態から起動復帰する必要がなく、その分無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0085】
以上より、スケジュール印刷ジョブの処理に関連した、外付け画像処理コントローラや画像形成装置の復帰を極力抑え、より省電力を期待できる仕組みを提供することである。
【0086】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0087】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
101 外付け画像処理コントローラ
102 画像形成装置
103 PCクライアント
104 ネットワーク
105 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11