特許第6249703号(P6249703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249703セメント焼成装置及び含水有機廃棄物の処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249703
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】セメント焼成装置及び含水有機廃棄物の処理方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/36 20060101AFI20171211BHJP
   C02F 11/12 20060101ALI20171211BHJP
   F23G 5/04 20060101ALI20171211BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   C04B7/36
   C02F11/12 B
   C02F11/12 A
   F23G5/04 F
   F23J15/00 G
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-199136(P2013-199136)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-63432(P2015-63432A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小竹 将
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−122888(JP,A)
【文献】 特開2010−167369(JP,A)
【文献】 特開2002−273480(JP,A)
【文献】 特開2008−007348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02,
C04B 40/00−40/06,
C04B 103/00−111/94
C02F 11/00−11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼排ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスからサイクロンで粗粉を分離し、該粗粉分離後の抽気ガスから微粉を回収する塩素バイパスシステムを備えるセメント焼成装置であって、
前記サイクロンで前記粗粉を分離する前の抽気ガス、又は前記サイクロンで前記粗粉を分離した後の微粉を含む抽気ガスを用いて含水有機廃棄物を乾燥させることを特徴とするセメント焼成装置。
【請求項2】
前記抽気ガスによって前記含水有機廃棄物を乾燥させる間接熱交換装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のセメント焼成装置。
【請求項3】
前記間接熱交換装置で乾燥させた含水有機廃棄物の一部、又は/及び前記粗粉の一部を前記乾燥前の含水有機廃棄物に混合した後、前記抽気ガスによって前記間接熱交換装置で乾燥させることを特徴とする請求項2に記載のセメント焼成装置。
【請求項4】
前記含水有機廃棄物を乾燥させた後の排ガスを該セメント焼成装置のガス温度が500℃以上の部分に戻すルートを備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のセメント焼成装置。
【請求項5】
セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼排ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから粗粉を分離し、該粗粉分離後の抽気ガスから微粉を回収する塩素バイパスシステムにおいて、
前記粗粉を分離する前の抽気ガス、又は前記粗粉を分離した後の微粉を含む抽気ガスを用いて含水有機廃棄物を乾燥させることを特徴とする含水有機廃棄物の処理方法。
【請求項6】
前記抽気ガスによって前記含水有機廃棄物を間接加熱方式で乾燥させることを特徴とする請求項5に記載の含水有機廃棄物の処理方法。
【請求項7】
前記乾燥させた含水有機廃棄物の一部、又は/及び前記粗粉の一部を前記乾燥前の含水有機廃棄物に混合した後、前記抽気ガスによって間接加熱方式で乾燥させることを特徴とする請求項6に記載の含水有機廃棄物の処理方法。
【請求項8】
前記含水有機廃棄物を乾燥させた後の排ガスを該セメントキルンを含む焼成装置のガス温度が500℃以上の部分に戻すことを特徴とする請求項5、6又は7に記載の含水有機廃棄物の処理方法。
【請求項9】
前記乾燥後の含水有機廃棄物をセメント原料又は/及び燃料として使用することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の含水有機廃棄物の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水汚泥等の含水有機廃棄物を臭気ガスの発生を抑えながら効率的に乾燥させるセメント焼成装置、及び同装置を利用した含水有機廃棄物の乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水汚泥等の含水有機廃棄物を処理するにあたって、特許文献1には、含水汚泥を配管を通じてセメント製造装置の窯尻部又は仮焼炉に直接供給して処理する方法が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、セメント焼成工程においてロータリーキルンの窯尻から高温ガスを抽気し、この高温ガスにより有機系廃棄物を乾燥処理又は炭化処理し、処理された後の乾燥物又は炭化物をセメント焼成工程に利用する有機系廃棄物の処理方法が記載されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、乾燥装置等の爆発を防止しながら効率よく高含水有機廃棄物を乾燥させるセメント焼成装置等が記載され、このセメント焼成装置31は、図3に示すように、セメントキルン32と、プレヒータ33と、仮焼炉34と、セメント原料回収サイクロン36と、破砕気流乾燥機37と、高含水有機廃棄物貯蔵タンク38と、乾燥有機廃棄物回収サイクロン41等で構成される。
【0005】
このセメント焼成装置31では、破砕気流乾燥機37の上部に、廃棄物貯蔵タンク38からの廃棄物W31を供給すると共に、下部にセメント原料回収サイクロン36からの800〜900℃程度の燃焼ガスG31を導入して高含水有機廃棄物を乾燥させる。破砕気流乾燥機37に導入された燃焼ガスG31は、酸素濃度が2〜8%程度と低いため、破砕気流乾燥機37等が爆発する虞もない。
【0006】
一方、破砕気流乾燥機37から排出される乾燥排ガスG32を、ファン42によって循環ダクト40を介してプレヒータ33に戻し、有機汚泥等を乾燥させた後に発生する乾燥排ガスG32が含有する臭気成分の脱臭処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−226236号公報
【特許文献2】特開2005−97063号公報
【特許文献3】特開2008−195584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1〜3の方法では、含水有機廃棄物等の乾燥のためにセメント焼成工程の熱を利用しているため、乾燥用に燃料が新たに必要になるという問題がある。
【0009】
また、含水有機廃棄物等の乾燥後のガスには臭気(有機)成分が含まれるため、特許文献2、3に記載の処理方法では、臭気成分の処理が必要となるが、含水有機廃棄物の乾燥に必要なガス量が多いため、処理施設が大規模なものとなり、さらなるエネルギー損失に繋がる。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、含水有機廃棄物を乾燥させるにあたって新たな燃料を必要とせず、小規模の設備でエネルギーの損失を最小限に抑えながら臭気ガスを処理することのできるセメント焼成装置及び含水有機廃棄物の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼排ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスからサイクロンで粗粉を分離し、該粗粉分離後の抽気ガスから微粉を回収する塩素バイパスシステムを備えるセメント焼成装置であって、前記サイクロンで前記粗粉を分離する前の抽気ガス、又は前記サイクロンで前記粗粉を分離した後の微粉を含む抽気ガスを用いて含水有機廃棄物を乾燥させることを特徴とする。ここで、含水有機廃棄物とは、製紙汚泥、下水汚泥、ビルピット汚泥、食品汚泥等の含水有機汚泥、及び比較的含水率の高いその他の有機廃棄物である。
【0012】
本発明によれば、塩素バイパスシステムの抽気ガスを用いて含水有機廃棄物を乾燥させるため、新たな燃料を必要とせず、従来利用されていなかった塩素バイパスシステムの抽気ガスの有効利用を図ることができる。
【0013】
上記セメント焼成装置に、前記含水有機廃棄物を乾燥させる間接熱交換装置を設け、これにより、直接加熱する場合に比較して格段に臭気成分を含むガスの量を抑え、臭気ガスの処理を小規模の設備でエネルギーの損失を最小限に抑えながら行うことができる。
【0014】
前記間接熱交換装置で乾燥させた含水有機廃棄物の一部、又は/及び前記粗粉の一部を前記乾燥前の含水有機廃棄物に混合した後、前記粗粉分離後の抽気ガスによって前記間接熱交換装置で乾燥させることができ、小規模の間接熱交換装置を用いて効率よく含水有機廃棄物を乾燥させることができる。
【0015】
また、前記含水有機廃棄物を乾燥させた後の排ガスを該セメント焼成装置のガス温度が500℃以上の部分に戻すルートを備えることで、臭気ガスの処理を小規模の設備で最小限のエネルギーの損失で行うことができる。
【0016】
さらに、本発明の含水有機廃棄物の処理方法は、セメントキルンの窯尻からプレヒータの最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼排ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから粗粉を分離し、該粗粉分離後の抽気ガスから微粉を回収する塩素バイパスシステムにおいて、前記粗粉を分離する前の抽気ガス、又は前記粗粉を分離した後の微粉を含む抽気ガスを用いて含水有機廃棄物を乾燥させることを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、新たな燃料を必要とせず、塩素バイパスシステムの抽気ガスの有効利用を図ることができる。
【0017】
上含水有機廃棄物の処理方法において、前記含水有機廃棄物を間接加熱方式で乾燥させ、前記乾燥させた含水有機廃棄物の一部、又は/及び前記粗粉の一部を前記乾燥前の含水有機廃棄物に混合した後、前記粗粉分離後の抽気ガスによって間接加熱方式で乾燥させることができる。
【0018】
また、前記含水有機廃棄物を乾燥させた後の排ガスを該セメントキルンを含む焼成装置のガス温度が500℃以上の部分に戻してもよく、乾燥後の含水有機廃棄物をセメント原料又は/及び燃料として使用し、含水有機廃棄物の有効利用を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、含水有機廃棄物を乾燥させるにあたって新たな燃料が不要で、臭気ガスの処理を小規模の設備でエネルギーの損失を最小限に抑えながら行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るセメント焼成装置の第1の実施形態の全体構成を示す概略図である。
図2】本発明に係るセメント焼成装置の第2の実施形態の全体構成を示す概略図である。
図3】従来のセメント焼成装置の一例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明にかかるセメント焼成装置の第1の実施形態を示し、このセメント焼成装置1は、セメントキルン2と、仮焼炉3と、プレヒータ(不図示)と、塩素バイパスシステムを構成するプローブ5及びサイクロン6等と、間接熱交換装置7と、間接熱交換装置7へ含水有機廃棄物(以下「廃棄物」という。)W1を供給するための貯蔵・供給装置12及び解砕・混合装置11と、間接熱交換装置7から排出された乾燥有機廃棄物(以下「乾燥廃棄物」という。)W3を固気分離する2基のサイクロン8、9と、間接熱交換装置7の排ガスG3を処理する冷却器13及びバグフィルタ14等で構成される。
【0022】
セメントキルン2、仮焼炉3及びプレヒータは、一般的なセメント焼成装置に設けられているものであって、従来のものと同様の機能を有する。
【0023】
プローブ5、サイクロン6、排気ファン10、冷却器13、バグフィルタ14は、従来の塩素バイパスシステムの構成要素である。プローブ5は、セメントキルン2の窯尻4から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部Gを冷却ファン(不図示)からの冷風で冷却しながら抽気する。サイクロン6は、プローブ5で抽気した抽気ガスG1に含まれるダストの粗粉D1を分離する分級機として機能する。冷却器13は、間接熱交換装置7からの排ガスG3を冷却し、バグフィルタ14は、冷却器13からの排ガスG4に含まれる微粉ダストD4を集塵する。排気ファン10は、サイクロン8、9からの排ガスG5、G6の一部(排ガスG7)をセメントキルン2の排ガス系に戻すと共に、残り(排ガスG8)を解砕・混合装置11に導入する。
【0024】
貯蔵・供給装置12及び解砕・混合装置11は、間接熱交換装置7に廃棄物W1を供給するために設けられる。解砕・混合装置11は、貯蔵・供給装置12からの廃棄物W1を解砕すると共に、サイクロン9から戻された乾燥廃棄物W5を解砕物に混合するために設けられ、貯蔵・供給装置12及び解砕・混合装置11には一般的に用いられる装置を用いることができる。また、サイクロン6で分離した粗粉D1を解砕・混合装置11に投入することもできる。
【0025】
間接熱交換装置7は、サイクロン6からの微粉D2を含む抽気ガスG2によって解砕・混合装置11からの廃棄物W2を間接加熱するために備えられ、一般的な間接熱交換装置を用いることができる。
【0026】
次に、上記構成を有するセメント焼成装置1の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
セメント焼成装置1のプレヒータにセメント原料を供給して予熱し、仮焼炉3で仮焼し、セメントキルン2によって焼成する。一方、受け入れた廃棄物W1は、貯蔵・供給装置12に一時的に貯蔵する。
【0028】
排気ファン10を運転し、セメントキルン2の窯尻4から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路から燃焼ガスの一部Gをプローブ5によって抽気しながら600℃以下に冷却する。これによって、塩素化合物の微結晶が生成される。この塩素化合物の微結晶は、抽気ガスG1に含まれるダストの微粉D2側に偏在しているため、サイクロン6で分級した粗粉D1をセメントキルン2に付設されたプレヒータ等にセメント原料として戻す。
【0029】
一方、貯蔵・供給装置12に一時的に貯蔵した廃棄物W1を解砕・混合装置11に供給し、解砕・混合装置11において廃棄物W1を解砕した後、間接熱交換装置7に導入する。ここで、解砕・混合装置11には、乾燥廃棄物W5又は/及びサイクロン6で分離した粗粉D1を投入し、水分を調整することもできる。解砕・混合装置11で解砕・混合された廃棄物W2の水分は、15〜40%に調整するが、ハンドリングや乾燥効率に支障がない限りその水分を増やすこともできる。
【0030】
解砕・混合装置11より間接熱交換装置7に導入した廃棄物W2をサイクロン6からの微粉D2を含む450℃程度の抽気ガスG2によって間接加熱により乾燥させる。乾燥廃棄物W3はサイクロン8、9へ導入され、サイクロン8で回収された乾燥廃棄物W4は、セメントキルン2に付設されたプレヒータ等にセメント原燃料として戻す。一方、サイクロン9で回収された乾燥廃棄物W5は、解砕・混合装置11に戻して廃棄物W1と混合する。また、解砕・混合装置11にサイクロン6で分離した粗粉D1を投入することもできる。
【0031】
解砕・混合装置11に戻す乾燥廃棄物W5の量は、乾燥廃棄物W3(W4、W5)の含水率によって調整することができ、乾燥廃棄物W3は安定してハンドリングすることのできる水分5〜20%に調整する。間接熱交換装置7における乾燥熱量が不足する場合には、サイクロン6の出口の温度を上げることで、プローブ5における冷却空気量を減少させて抽気ガスG1の量を増加させて対応することもできる。
【0032】
サイクロン8、9からの排ガスG5、G6の一部(排ガスG7)を排気ファン10によってセメントキルン2の排ガス系のガス温度が500℃以上の部分、例えばクリンカクーラ及びその排気ダクト、仮焼炉及びその出口ダクト、プレヒータ等に戻す。これによって排ガスG7が含有する臭気成分の脱臭処理を行うことができる。残りの排ガスG8を解砕・混合装置11に供給して乾燥廃棄物W3等のガス搬送及び廃棄物W1の予熱に利用する。
【0033】
一方、間接熱交換装置7から排出された200〜250℃程度の排ガスG3は、冷却器13によって冷却された後、バグフィルタ14で排ガスG4に含まれる微粉ダストD4を回収する。回収した微粉ダストD4は、冷却器13から回収された微粉ダストD3と共に塩素バイパスダストとして処理される。バグフィルタ14からの排ガスは、セメントキルン2の排ガス系に戻すことができ、臭気成分を含まないため、戻す場所のガス温度が高くなくともよい。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、塩素バイパスシステムのサイクロン6からの微粉D2を含む抽気ガスG2の熱を利用したクローズドシステムで廃棄物W1を乾燥させることで、従来廃棄していた熱を利用しながら安定して廃棄物W1を乾燥させることができる。
【0035】
尚、サイクロン6からの微粉D2を含む抽気ガスG2を用いるのではなく、サイクロン6で粗粉D1を分離する前の抽気ガスG1を用いて廃棄物W1を間接的に乾燥させることもできる。
【0036】
さらに、上述のようにして回収した乾燥廃棄物W4をセメント焼成装置1とは別の装置等に搬送して処理することもできる。
【0037】
次に、本発明にかかるセメント焼成装置の第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。
【0038】
このセメント焼成装置21は、間接熱交換装置7から排出される排ガスG3の温度をバグフィルタ14の耐熱温度、例えば150℃程度に低下させることで、排ガスG3を直接バグフィルタ14に導入することを可能とし、上記第1の実施形態におけるセメント焼成装置1の冷却器13を省略し、装置構成を簡略化している。尚、高温耐熱タイプの集塵装置に置き換えた場合には、その耐熱温度にまで低下させる。その他の構成要素は、セメント焼成装置1と同じであるため、同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0039】
1 セメント焼成装置
2 セメントキルン
3 仮焼炉
4 窯尻
5 プローブ
6 サイクロン
7 間接熱交換装置
8、9 サイクロン
10 排気ファン
11 解砕・混合装置
12 貯蔵・供給装置
13 冷却器
14 バグフィルタ
21 セメント焼成装置
D1 粗粉
D2 微粉
D3、D4 微粉ダスト
G 燃焼ガス
G1、G2 抽気ガス
G3〜G8 排ガス
W1、W2 廃棄物
W3〜W5 乾燥廃棄物
図1
図2
図3