(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249741
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20171211BHJP
G06F 1/28 20060101ALI20171211BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20171211BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20171211BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
B41J29/38 Z
G06F1/28 C
G06F3/12 310
G06F3/12 334
B41J29/38 D
B41J29/46 Z
G03G21/00 398
G03G21/00 500
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-247500(P2013-247500)
(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公開番号】特開2015-104842(P2015-104842A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(74)【代理人】
【識別番号】100145827
【弁理士】
【氏名又は名称】水垣 親房
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広樹
【審査官】
大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−035743(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0022805(US,A1)
【文献】
特開2011−238108(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102244709(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0282512(US,A1)
【文献】
特開2011−076073(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0052243(US,A1)
【文献】
特開2009−015649(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101339416(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0010671(US,A1)
【文献】
特開2011−053400(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0052217(US,A1)
【文献】
特開2013−111862(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0156568(US,A1)
【文献】
特開2013−096902(JP,A)
【文献】
特開2013−007890(JP,A)
【文献】
特開2014−123345(JP,A)
【文献】
特開2012−218348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/46
G03G 21/00
G06F 1/28
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
第1の電力を供給する第1の電源手段と、
第2の電力を供給する第2の電源手段と、
前記第2の電力を受信し、第3の電力を供給する第3の電源手段と、
前記第3の電力の電圧が閾値を超えたことに基づいて第1信号を出力する第1の監視手段と、
前記第3の電力を受信し、前記情報処理装置を制御する制御手段と、
前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチと、
前記第1の電力を受信し、前記第1の監視手段から前記第1信号を受信したことに従って、前記第1スイッチをオンする電力制御手段と、を備え、
前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力又は前記第3の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給が停止されるよう制御する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の電源手段の一次側に配置される第2スイッチをさらに備え、
前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力又は前記第3の電源手段の出力が異常になった場合に、前記第2スイッチをオフにする、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電力制御手段は、前記第2スイッチをオンした後、所定時間内に前記第1信号を受信しない場合に、前記第2スイッチをオフし、そして、当該第2スイッチをオンする、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、さらに、前記第1の電力を受信する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の電力の電圧が閾値を超えたことに基づいて第2信号を出力する第2の監視手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記第2の監視手段から前記第2信号を受信したことに従って、前記第2スイッチをオンする、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記情報処理装置のメインプロセッサである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記負荷は、用紙に画像を印刷するプリンタ部である、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
第1の電力を供給する第1の電源手段と、第2の電力を供給する第2の電源手段と、第2の電力を受信し、第3の電力を供給する第3の電源手段と、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記第1の電源手段をオンする第1電源オン工程と、
前記第1の電源手段から供給される前記第1の電力が第1閾値を超えたことに従って、前記第2の電源手段をオンする第2電源オン工程と、
前記第3の電源手段から供給される前記第3の電力の電圧が第2閾値を超えたことに従って、前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチをオンするスイッチオン工程と、
前記第1スイッチがオンされた後に、前記第2の電源手段の出力又は前記第3の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給を停止する停止工程と、を有する情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記停止工程は、前記第1スイッチがオンされた後に、前記第2の電源手段の出力又は前記第3の電源手段の出力が異常になった場合に、前記第2の電源手段の一次側に配置される第2スイッチをオフにする工程である、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記第2の電源手段をオンした後、所定時間内に前記第3の電源手段から供給される前記第3の電力の電圧が第2閾値を超えない場合に、前記第2の電源手段をオフし、そして、前記第2の電源手段をオンするオフオン工程、をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
情報処理装置であって、
第1の電力を供給する第1の電源手段と、
第2の電力を供給する第2の電源手段と、
第3の電力の電圧が閾値を超えたことに基づいて第1信号を出力する第1の監視手段と、
前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチと、
前記第1の電力を受信し、前記第1の監視手段から前記第1信号を受信したことに従って、前記第1スイッチをオンする電力制御手段と、を備え、
前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給が停止されるよう制御する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記第2の電源手段の一次側に配置される第2スイッチをさらに備え、
前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力が異常になった場合に、前記第2スイッチをオフにする、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記電力制御手段は、前記第2スイッチをオンした後、所定時間内に前記第1信号を受信しない場合に、前記第2スイッチをオフし、そして、当該第2スイッチをオンする、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記負荷は、用紙に画像を印刷するプリンタ部である、ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
第1の電力を供給する第1の電源手段と、第2の電力を供給する第2の電源手段と、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記第1の電源手段をオンする第1電源オン工程と、
前記第1の電源手段から供給される前記第1の電力が第1閾値を超えたことに従って、前記第2の電源手段をオンする第2電源オン工程と、
前記第2の電源手段から供給される前記第2の電力の電圧が第2閾値を超えたことに従って、前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチをオンするスイッチオン工程と、
前記第1スイッチがオンされた後に、前記第2の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給を停止する停止工程と、を有する情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
前記停止工程は、前記第1スイッチがオンされた後に、前記第2の電源手段の出力が異常になった場合に、前記第2の電源手段の一次側に配置される第2スイッチをオフにする工程である、ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項17】
前記第2の電源手段をオンした後、所定時間内に前記第2の電源手段から供給される前記第2の電力の電圧が第2閾値を超えない場合に、前記第2の電源手段をオフし、そして、前記第2の電源手段をオンするオフオン工程、をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置でもある情報処理装置、及び情報処理装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、ユーザーによる電源ON時、または省電力モードから省電力モードからの起動時に予め決められた箇所に通電を行い、起動の処理を行う。しかし、電源ON時や省電力モードからの起動時には、電源回路の起動や通電箇所の負荷に応じて突入電流が発生する。
商用電源では、安定して電力を供給できない場合がある。例えば、停電時や瞬間的な電圧降下、電源投入時の電圧の過渡状態などでは、後段に接続された機器に対して、安定して電力を供給することができない。
このような商用電源の状態では、画像形成装置の突入電流により、画像形成装置内部の電源回路において、過電流保護やUVLO(Under Voltage Lock Out)などの保護機能が働き、電源回路の出力が停止したままとなってしまうことがある。
これらの保護機能は、機器の安全のため、異常を検知した場合には出力を停止し、ラッチするものである。そのため、出力が停止したままとなってしまい、復帰させるためには、電源回路の電源を入れ直す必要がある。
例えば、特許文献1に記載された発明では、商用電源の電源供給に異常が発生した場合に、商用電源の異常を検知し、商用電源からの電源供給が回復した際に商用電源の異常の有無と機器状態に応じて、自動復帰処理を行なうものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−213042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明において、商用電源の異常に伴って機器内の電源回路に発生した異常が、OFF/ONを行なっても自動復帰ができないような電源回路の異常の場合、自動復帰処理によって無意味なOFF/ON動作を繰り返えしてしまう等の課題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、いずれかの電源系統に電源を供給する電源手段で自動復帰できない異常が発生したことを特定して、特定の電源手段に対してオン/オフ制御が繰り返されてしまうことを防止できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置でもある情報処理装置は以下に示す構成を備える。
情報処理装置であって、第1の電力を供給する第1の電源手段と、
第2の電力を供給する第2の電源手段と、前記第2の電力を受信し、第3の電力を供給する第3の電源手段と、前記第3の電力の電圧が閾値を超えたことに基づいて第1信号を出力する第1の監視手段と、前記第3の電力を受信し、前記情報処理装置を制御する制御手段と、前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチと、前記第1の電力を受信し、前記第1の監視手段から前記第1信号を受信したことに従って、前記第1スイッチをオンする電力制御手段と、を備え、前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力又は前記第3の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給が停止されるよう制御する、ことを特徴とする。
また、別の本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
情報処理装置であって、
第1の電力を供給する第1の電源手段と、第2の電力を供給する第2の電源手段と、第3の電力の電圧が閾値を超えたことに基づいて第1信号を出力する第1の監視手段と、前記第2の電源手段と負荷との間に配置される第1スイッチと、前記第1の電力を受信し、前記第1の監視手段から前記第1信号を受信したことに従って、前記第1スイッチをオンする電力制御手段と、を備え、前記電力制御手段は、前記第1スイッチをオンした後に前記第2の電源手段の出力が異常になった場合に、前記負荷への電力供給が停止されるよう制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、いずれかの電源系統に電源を供給する電源手段で自動復帰できない異常が発生したことを特定して、特定の電源手段に対してオン/オフ制御が繰り返されてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】画像形成装置の制御構成を説明するブロック図である。
【
図3】画像形成システムの電源ブロックの構成を説明するブロック図である。
【
図4】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【
図5】画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す画像形成システムの一例を示す図である。本例は、ネットワーク上に画像形成装置と、サーバ装置やクライアントPCが接続されるシステム例である。
図1において、画像印刷ユニット101は、各種の入力データを処理し、記録用紙上に画像印刷を行う。フィニッシングユニット102は、出力される印刷物を所望の出力形態に合わせてソート、ステイプル、折りなどを行うフィニッシングユニットである。
読み取り装置103は、原稿を読み取って原稿画像を取得する。プリントサーバ105は、ネットワーク104を介して接続されたクライアントPC106からの印刷要求を受け、プリントジョブを画像印刷ユニット101へ送信する。画像印刷ユニット101は、ネットワーク104を介してプリントサーバ105やクライアントPC106などと接続されている。
ユーザーはクライアントPC106において、画像の印刷を行うべくプリントジョブを作成し、印刷処理を実行する。これにより、プリントジョブはプリントサーバ105、ネットワーク104を介して画像印刷ユニット101にもたらされる。
【0010】
図2は、
図1に示した画像形成装置の制御構成を説明するブロック図である。
図2において、201は、画像印刷ユニット101に含まれる画像形成コントローラを示す。104はネットワークを示し、本実施例ではLAN(Local Area Network)を想定している(以下LANと表記する)。LAN104は、
図1のプリントサーバ105、クライアントPC106と接続されLAN通信を行う。
LAN制御部203は、LAN104とのLAN通信を制御する。すなわち、LAN104から受信入力された画像データ(例えばPDLデータ)を受信したり、システム内の各種画像データや装置情報などを、LAN104を介して送信したりする。
操作部205は、ユーザーが各種の操作を行うための操作パネル、及び操作情報を表示するための表示器を備えたユーザーインターフェースである。CPU部206は、画像形成コントローラ201の各部を制御する処理部である。また、CPU部206は、LAN104から受信入力された画像データ(例えばPDLデータ)を解読し、ビットマップデータに展開する。
【0011】
メモリ部207は、本実施例装置ではCPU部206がアクセス可能な記憶装置であり、各種の制御を行うためのプログラムを格納したプログラムメモリを兼ね備えている。また、画像形成時の画像の保存用としても、メモリ部207は使用される。メモリ部207は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等で構成される。
【0012】
印刷画像処理部208は、CPU部206で展開されたビットマップデータに対して、スクリーン処理など印刷するための画像処理を行い、印刷用データに変換する。機構プロセス制御部209は、例えば用紙などのシート上に画像の印刷を行う際に、
図1の画像印刷ユニット101、フィニッシングユニット102を制御して、印刷、記録紙搬送制御を行う。画像印刷ユニット101での印刷処理、フィニッシングユニット102での記録紙排紙処理において、シート上への印刷制御、シートの搬送機構制御は、全て機構プロセス制御部209によって制御される。
電源制御部210は、例えばCPUやPLD(Programmable Logic Device)等で構成される。電源制御部210は、CPU部206が通電されていない時には
図1に不図示の電源のON、OFFの制御を行う。また電源制御部210は、CPU部206が通電されている時には、CPU部206が電源制御部210を制御することによって、各ユニットへの電源ON、OFFの制御を行う。また、電源制御部210は、CPUにてプログラムを実行することによって各電源を制御してもよいし、PLDにてハードロジックにてステートマシンが動作することによって各電源を制御してもよい。
【0013】
図3は、本実施形態を示す画像形成システムの電源ブロックの構成を説明するブロック図である。以下電源系統の構成について説明する。
図3において、301は商用電源である。画像形成システムは、商用電源301から電源を受け内部で画像印刷ユニット101、フィニッシングユニット102などの各ユニットに電力を供給している。第1電源部302は、商用電源301と接続されており、電源ケーブルにより商用電源301と接続されている限り常時通電される。また第1電源部302は、商用電源301から受けた電源からAC−DC変換し、例えば電位として3.3V、1.8V、1.2Vなどの比較的低いDC電源を生成し、接続されている各ユニットに電源供給を行なう。
【0014】
リレースイッチで構成されるスイッチ303は、ユーザーがアクセス可能な主電源スイッチである。スイッチ304は、ユーザーによりスイッチ303がOFFされた場合に、電源制御部210に電力を供給し続けるためのスイッチである。ユーザーによりスイッチ303がOFFされると、CPU部206が電源制御部210経由でスイッチ303のOFFを検知し、CPU部206上で動作するソフトウェアがシャットダウン処理を開始する。CPU部206上で動作するソフトウェアがシャットダウン処理を終了した後、電源制御部210がスイッチ304をOFFする。これにより、スイッチ303とスイッチ304が共にOFFされ第1電源部302からの電源供給を遮断する。
【0015】
第2電源部306は、スイッチ305を介して商用電源301と接続される。電源制御部210がCPU部206上で動作するソフトウェアの制御に応じて、スイッチ305のON、OFFを行うことで、第2電源部306に通電される。また第2電源部306は、商用電源301から受けた電源からAC−DC変換し、例えば24Vなどの比較的高いDC電源を生成し、接続されている各ユニットに電源供給を行なう。
【0016】
第3電源部310は、第2電源部306と接続され、第2電源部306から受けた電源からDC−DC変換し、例えば12V、5V、3.3V、1.8V、1.2Vなどの比較的低い電源を生成し、接続されている各ユニットに電源供給を行なう。
電源制御部210は、スイッチ304、スイッチ305、スイッチ307、スイッチ311のON、OFFの制御を行い、第1電源部302からの電源供給と第2電源部306からの電源供給と第3電源部310からの電源供給の制御を行っている。
第1電源監視部308は、第1電源部302の電源状態を監視し、第2電源監視部309は、第3電源部310の電源状態を監視している。CPU部206は、スイッチ303を介し、第1電源部302に接続される。CPU部206は省電力モード時には、動作クロックを止めるなどを行い、電力消費を抑える機能を有する。LAN制御部203は、スイッチ303、スイッチ307を介して第1電源部302に接続される。
【0017】
画像形成システムの電源OFFの状態から、ユーザーによりスイッチ303がONされた場合、第1電源部302からスイッチ303を介して、電源制御部210、CPU部206の一部、メモリ部207の一部へ電力が供給される。その後、第1電源監視部308において、電源が安定したことを検知した場合には、第1電源監視部308から電源制御部210に対して、パワーグッド信号が出力される。
【0018】
電源制御部210は、第1電源監視部308からのパワーグッド信号を受け、スイッチ304、スイッチ305、スイッチ307をONする。それにより、第1電源部302からLAN制御部203に電力が供給される。また、第2電源部306から第3電源部310へ電力が供給され、さらに第3電源部310から、CPU部206、メモリ部207、操作部205、印刷画像処理部208、機構プロセス制御部209の一部へ電力が供給される。
【0019】
その後、第2電源監視部309において、電源が安定したことを検知した場合には、第2電源監視部309から電源制御部210に対して、パワーグッド信号が出力される。電源制御部210は、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け、スイッチ311をONする。それにより、第2電源部306からスイッチ311を介して機構プロセス制御部209へ電力が供給される。 以上の動作により、画像形成システムに電力が供給され、電源ONの状態となる。
【0020】
ここで、第1電源監視部308、第2電源監視部309は、それぞれ第1電源部302、第3電源部310の電圧を監視しており、電圧が閾値を超えて印加されたことを検知すると、電源制御部210に対し、パワーグッド信号を出力する。また、電圧が印加された状態から、閾値を下回った場合には、パワーグッド信号を出力しない。
【0021】
また、画像形成システムは一定時間印刷ジョブなどを行わなかった場合には、省電力モードへ移行する。CPU部206は不図示のタイマーで一定時間印刷ジョブを検知しなかった場合には、省電力モードへの移行を開始する。省電力モードへ移行するため、CPU部206は電源制御部210に対しスイッチ305、スイッチ311をOFFする制御を行う。電源制御部210は、CPU部206からの指示を受け、スイッチ305をOFFする。スイッチ305、スイッチ311をOFFすることで、第2電源部306、第3電源部310から電力が遮断され、省電力モードとなる。
【0022】
また、電源制御部210は、スイッチ307を独立して制御が可能である。そのため、省電力モード時にLAN104から印刷ジョブなどを受信して、省電力モードから起動したい場合には、LAN制御部203への電力を供給しておくことで、LAN104から印刷ジョブを受け起動することが可能となる。
LAN制御部203は、LAN104から印刷ジョブを受けた場合、電源制御部210に対して、起動するための通知を行う。すると、電源制御部210は、CPU部206に対して、起動するための通知を行う。すると、CPU部206が起動し、印刷ジョブがあることを検知して、印刷ジョブを実行する。ユーザーにより印刷ジョブが投入された場合、CPU部206は印刷ジョブを検知し印刷を行うため、電源制御部210に対しスイッチ305とスイッチ311をONする制御を行う。電源制御部210は、CPU部206からの指示を受け、スイッチ305とスイッチ311をONする。スイッチ305をONすることで、第2電源部306から印刷画像処理部208、さらにスイッチ311をONすることで機構プロセス制御部209に電力が供給される。
【0023】
機構プロセス制御部209は、それぞれスイッチ311を介して第2電源部306に接続される。電源制御部210は、CPU部206に制御され、スイッチ311を独立して制御が可能である。印刷を行っていない場合には、CPU部206が機構プロセス制御部209をOFFするため、電源制御部210が、スイッチ311をOFFすることにより、余分な電力消費を削減する。このように、余分な電力消費を削減するためにそれぞれのスイッチを独立して制御を行うことが可能である。
【0024】
図4は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ユーザーによりスイッチ303がONされたことにより、電源制御部210が画像処理システムの電源制御を行って、画像形成システムを電源OFFの状態から、画像形成システム全体の電源をONするフローである。
ユーザーによりスイッチ303がONされると、第1電源部302からスイッチ303を介して、電源制御部210、CPU部206の一部、メモリ部207の一部へ電力が供給されはじめる。ここで、第1電源監視部308は、第1電源部302の出力電圧を監視している。電源制御部210に必要な電力が供給され、電源制御部210自身のリセットが解除されると
図4の処理フローが開始される。なお、各ステップは、電源制御部210が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0025】
S401において、第1電源監視部308が、第1電源部302の電源供給が安定したことを検知した場合には、第1電源監視部308から電源制御部210に対して、パワーグッド信号が出力される。電源制御部210は、第1電源監視部308からのパワーグッド信号を受け、第1電源部302が正常に起動したことを判断する。電源制御部210が、第1電源部302は正常に起動したことを判断した場合(S401/Yes)、S402に処理を進める。
【0026】
一方、電源制御部210が、第1電源部302は正常に起動していないと判断した場合(S401/No)、S401に処理を進める。S402において、電源制御部210は、スイッチ304、スイッチ305、スイッチ307をONする。スイッチ307がONされることにより、第1電源部302からLAN制御部203に電力が供給される。
また、スイッチ305がONされることにより、商用電源301から第2電源部306に電力が供給される。さらに、第2電源部306から第3電源部310へ電力が供給され、さらに第3電源部310から、CPU部206、メモリ部207、操作部205、印刷画像処理部208、機構プロセス制御部209の一部へ電力が供給される。ここで、第2電源監視部309は、第3電源部310の出力電圧を監視している。
【0027】
S403において、第2電源監視部309は、第3電源部310の出力電圧が閾値を超えて印加されたことを検知すると、電源制御部210に対し、パワーグッド信号を出力する。電源制御部210は、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け、第3電源部310が正常に起動したことを判断する。
【0028】
また、電源制御部210は、図示しないタイマーを持ち、スイッチ305をONしてから、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け取るまでの時間を計測している。スイッチ305をONしてから一定時間までに第2電源監視部509からのパワーグッド信号を受け取れなかった場合は、第2電源部306か第3電源部310に異常が発生していると判断する。
【0029】
ここで、電源制御部210が、第3電源部310は正常に起動したことを判断した場合(S403/Yes)、S404に処理を進める。また、電源制御部210が、第3電源部310は正常に起動していないと判断した場合(S401/No)、S407に処理を進める。
S404において、電源制御部210は、スイッチ311をONする。スイッチ311がONされることにより、第2電源部306から機構プロセス制御部209に電力が供給され、画像形成システムが電源ONの状態となる。これにより、ユーザーが印刷などの機能を使用することが可能となる。
S405において、電源制御部210は、第1電源監視部308と第2電源監視部309からのパワーグッド信号により、第1電源部302、第2電源部306、第3電源部310に異常がないか監視する。
電源制御部210が、第1電源部302、第2電源部306、第3電源部310のいずれかに異常が発生していると判断した場合(S405/Yes)、S406に処理を進める。
【0030】
S406において、電源制御部210は、第1電源監視部308と第2電源監視部309からのパワーグッド信号により、S405で検知した電源異常が、第2電源部306、第3電源部310のみの電源異常か、あるいは、第1電源部302にも異常が発生したか、を判断する。
ここで、電源制御部210が検知した電源異常が、第2電源部306、第3電源部310のみの電源異常である場合(S406/Yes)、電源制御部210は、検知した電源異常が自動復帰不可能な電源異常であると判断し、S407に処理を進める。
また、電源制御部210が検知した電源異常が、第2電源部306、第3電源部310のみならず第1電源部302においても異常があると判断した場合(S406/No)、電源制御部210は、検知した電源異常が自動復帰可能な電源異常であると判断し、S411に処理を進める。
【0031】
S407において、電源制御部210は、スイッチ305をOFFして第2電源部306、第3電源部310をOFFする。
一方、S408において、電源制御部210は、スイッチ305をOFF(オフ状態)して第2電源部306、第3電源部310の電源供給状態をOFFする。
S409において、電源制御部210は、第2電源部306と第3電源部310の電荷が抜けるまでの間、電源OFFを維持する。例えば1秒などをタイマーで計測し、スイッチ305をOFFのまま維持する。電源制御部210は、電源OFF時間経過後、スイッチ305をONし、再度、第2電源部306と第3電源部310をON(オン状態)する。
【0032】
そして、S410において、電源制御部210は、一度目の電源ONと同様に、スイッチ305をONしてから、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け取るまでの時間を計測する。ここで、電源制御部210が、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け、第2電源部306、第3電源部310が正常に起動したと判断した場合(S410/Yes)、S404に処理を進める。
【0033】
また、電源制御部210が、スイッチ305をONしてから一定時間までに第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け取れなかった場合は、第2電源部306、第3電源部310に異常が発生していて、かつ自動復帰が不可能な電源異常であると判断し(S410/NO)、S407に処理を進める。
そして、S411において、電源制御部210は、スイッチ304、スイッチ305、スイッチ307、スイッチ311をOFFし、S401に処理を進める。
電源に異常が発生する原因はいくつかあり、自動復帰が可能なケースと不可能なケースがある。
例えば自動復帰が可能なケースとしては、商用電源301が安定して供給できない期間が発生するケースである。商用電源301が安定して供給できない期間において、画像形成システムの電源ON時や省電力モードからの起動時に生じる突入電流が流れることで、電源に異常が起こる場合がある。このとき、商用電源301では、瞬間的な電圧降下、電源投入時の電圧の過渡状態などでは、後段に接続された機器に対して、安定して電力を供給することができない。
【0034】
このような商用電源301の状態において、画像形成システムの突入電流により、画像形成システム内部の電源回路において、過電流保護やUVLOなどの保護機能が働き、電源回路の出力が停止したままとなってしまうことがある。ここで、電源回路とは第1電源部302、第2電源部306、第3電源部310などが挙げられる。そのため、出力が停止したままとなってしまい、自動復帰させるためには、S408、S409にて行なう電源回路の電源を入れ直す必要がある。
以上の方法により、画像形成装置において電源異常発生時に自動復帰が可能な異常時には自動復帰が可能で、かつ自動復帰が不可能な異常時には不要な自動復帰処理によって無意味なOFF/ON動作を繰り返えすことを防ぐことが可能となる。
【0035】
〔第2実施形態〕
なお、第1実施形態において説明をした構成図や、フローチャートの図に関する説明は省略することとする。第2実施形態と第1実施形態との違いは、
図4のフローであり、具体的には電源異常が自動復帰可能な電源異常か否かを判断する方法が異なる。
次に
図4の代わりに
図5に示すフローチャートを用いて、第2実施形態の電源制御の説明を行なう。また、S401〜S405とS407〜S411は第1実施形態と同様である
【0036】
図5は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ユーザーによりスイッチ303がONされたことにより、電源制御部210が画像処理システムの電源制御を行って、画像形成システムを電源OFFの状態から、画像形成システム全体の電源をONするフローである。
S501において、第1電源監視部308と第2電源監視部309からのパワーグッド信号が遷移した場合、その遷移パターンを読み取り、内部の一時記憶部(不図示)に一時的に記憶する。この一時的に記憶した遷移パターンは、電源制御部210がリセットされると消去される。
電源制御部210は、内部の記憶部(不図示)に各種電源異常時の第1電源監視部308と第2電源監視部309からのパワーグッド信号の遷移パターンとその遷移パターンの電源異常が自動復帰可能か否かを、予め記憶している。電源制御部210は、読み取ったパワーグッド信号の遷移パターンと、予め記憶されている自動復帰可能なパターンと比較して電源異常が自動復帰不可能な電源異常かを判断する。
【0037】
ここで、電源制御部210が検知した電源異常が、自動復帰不可能な電源異常であると判定した場合(S501/No)、S502に処理を進める。電源制御部210が検知した電源異常が、自動復帰可能な電源異常であると判定した場合(S501/Yes)、S411に処理を進める。
【0038】
S502において、電源制御部210は、スイッチ305をOFFして第2電源部306、第3電源部310をOFFする。S503において、電源制御部210は、第2電源部306と第3電源部310の電荷が抜けるまでの間、電源OFFを維持する。例えば1秒などをタイマーで計測し、スイッチ305をOFFのまま維持する。電源制御部210は、電源OFF時間経過後、スイッチ305をONし、再度、第2電源部306と第3電源部310をONする。
【0039】
S504において、電源制御部210は、一度目の電源ONと同様に、スイッチ305をONしてから、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け取るまでの時間を計測する。電源制御部210が、第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け、第2電源部306、第3電源部310が正常に起動したと判断した場合(S504/Yes)、S505に処理を進める。
電源制御部210が、スイッチ305をONしてから一定時間までに第2電源監視部309からのパワーグッド信号を受け取れなかった場合は、第2電源部306、第3電源部310に異常が発生していて、かつ自動復帰が不可能な電源異常であると判断し(S504/NO)、S407に処理を進める。
【0040】
S505において、電源制御部210は、S501にて一時的に記憶したパワーグッド信号の遷移パターンを内部の記憶部(不図示)に、新たな自動復帰可能な遷移パターンとして記憶する。ここで、遷移パターンとは、第2電源部306の電源状態を監視して得られる第2電源の電位の変化(監視状態の変化)を特定する遷移パターンである。
以上の方法により、画像形成装置において電源異常発生時に自動復帰が可能な異常時には自動復帰が可能で、自動復帰が不可能な異常時には不要な自動復帰処理によって無意味なOFF/ON動作を繰り返えすことを防ぐことが可能である。また同時に自動復帰が可能か否かが不明な異常時には1回だけ自動復帰を試みることによって自動復帰が可能か否かを判断することが可能である。
【0041】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0042】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0043】
102 フィニッシングユニット
103 スキャナユニット
104 LAN
105 プリントサーバ
106 クライアントPC