特許第6249749号(P6249749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249749情報処理装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249749
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20171211BHJP
   H04N 21/274 20110101ALI20171211BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04N5/91
   H04N21/274
   H04N5/225
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-253488(P2013-253488)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-111785(P2015-111785A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】工藤 利道
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−065078(JP,A)
【文献】 特開2004−194130(JP,A)
【文献】 特開2004−078437(JP,A)
【文献】 特開2007−200284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/91
H04N 5/225
H04N 21/274
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データ及び該動画データにする動画管理情報を記録する動画記録装置と通信する情報処理装置であって、
前記動画記録装置から転送される動画データを第1の記録媒体に記録する記録手段と、
前記第1の記録媒体に記録した動画データにする動画管理情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した動画管理情報を前記動画記録装置に送信する送信手段とを有し、
前記生成手段は、前記動画記録装置からの動画データの転送開始の後、転送終了通知が通知されることなく初期通信処理が実行された場合に、前記第1の記録媒体に記録した動画データに関する動画管理情報を生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記動画記録装置が動画データと動画管理情報とを記録する第2の記録媒体は、該動画記録装置と着脱可能であり、かつ個体を識別する識別情報を有し、
前記初期通信処理の後、前記動画記録装置から前記識別情報を受信する受信手段をさらに有することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記動画記録装置からの動画データの転送開始の際に受信した識別情報と転送終了通知が通知されることなく初期通信処理が実行された後に受信した識別情報とが合致する場合、前記生成手段により生成した動画管理情報を前記動画記録装置に送信することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記動画記録装置から、該動画記録装置で記録した動画データのサイズを取得する取得手段をさらに有し
前記取得手段により取得したサイズと、前記第1の記録媒体に記録した動画データのサイズとを比較して、前記第1の記録媒体に記録した動画データのサイズの方が大きいとき、前記送信手段はこれら動画データの差分データを前記動画記録装置に送信することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、既に前記第1の記録媒体に記録された動画データのうち、最後のGOP(Group Of Picture)境界より前の動画データに基づき前記動画管理情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動画記録装置は、ビデオカメラであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動画管理情報は、ファイルとして生成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
動画データ及び該動画データにする動画管理情報を記録する動画記録装置と通信する情報処理装置の制御方法であって、
前記動画記録装置から転送される動画データを第1の記録媒体に記録するステップと、
前記第1の記録媒体に記録した動画データにする動画管理情報を生成するステップと、
前記生成した動画管理情報を前記動画記録装置に送信するステップとを有し、
前記動画管理情報を生成するステップでは、前記動画記録装置からの動画データの転送開始の後、転送終了通知が通知されることなく初期通信処理が実行された場合に、前記第1の記録媒体に記録した動画データに関する動画管理情報を生成することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画データ及び該動画データに対する動画管理情報を記録する動画記録装置と、情報処理装置とが通信するネットワークシステム、それに用いられる情報処理装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等では、動画データを記録する際に、該動画データに対する動画管理情報を記録媒体に書き込むようにしたものがある。
この種の技術として、特許文献1には、記録中の停電対策のため不揮発性メモリを備え、動画管理情報を構築するために必要となる情報を不揮発性メモリに退避させておくデジタルビデオレコーディング装置が開示されている。この方法では、停電発生から復帰したとき、この不揮発性メモリに蓄積した情報を用いて動画管理情報を再構築する。
また、特許文献2には、動画管理情報を生成するために必要となる情報を動画データに多重化し、これを用いて修復する情報記録再生装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−084498号公報
【特許文献2】特開2001−266496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、不揮発性メモリが必要となり、コストアップの要因となる。また、停電中にメディア交換ができないディスクを記録媒体とする機器や、HDDを内蔵する機器では不揮発性メモリでも良いが、例えばSDカードを記録媒体とする機器では停電中もSDカードの交換が容易にできる機器が一般的であるため、停電復帰時に同一のSDカードが装着されているとは限らない。
また、特許文献2では、動画管理情報を修復するために動画データを記録媒体から読み出す必要がある。そのため、動画管理情報を修復するために比較的長い時間が必要となり、この間ユーザは待たされてしまうこととなる。
【0005】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、記録中の停電対策のために不揮発性メモリを必要とせず、短時間で動画管理情報の修復を完了させられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、動画データ及び該動画データにする動画管理情報を記録する動画記録装置と通信する情報処理装置であって、前記動画記録装置から転送される動画データを第1の記録媒体に記録する記録手段と、前記第1の記録媒体に記録した動画データにする動画管理情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した動画管理情報を前記動画記録装置に送信する送信手段とを有し、前記生成手段は、前記動画記録装置からの動画データの転送開始の後、転送終了通知が通知されることなく初期通信処理が実行された場合に、前記第1の記録媒体に記録した動画データに関する動画管理情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報処理装置が必要に応じて動画管理情報を生成し、動画記録装置に送信することができるので、記録中の停電対策のために不揮発性メモリを必要とせず、短時間で動画管理情報の修復を完了させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るデジタルビデオカメラの構成を説明する図である。
図3】第1の実施形態に係るサーバの構成を説明する図である。
図4】圧縮ビデオデータを説明するための図である。
図5】圧縮ビデオ管理データを説明するための図である。
図6】メモリカードに記録するファイル構成を示す図である。
図7】第1の実施形態におけるデジタルビデオカメラとサーバとの通信を示すシーケンスチャートである。
図8】第1の実施形態におけるデジタルビデオカメラとサーバとの通信を示すシーケンスチャートである。
図9】第2の実施形態におけるデジタルビデオカメラとサーバとの通信を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
<ネットワークシステムの構成>
図1は、第1の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
100は動画記録装置であるデジタルビデオカメラであり、無線通信機能を備える。51は無線基地局であり、無線端末をネットワーク通信接続させる。52はネットワークである。200は情報処理装置であるサーバであり、ネットワーク52を介して接続しようとする機器に対してユーザ認証を行う機能、その機器とデータを送受信する機能、及びその機器から転送されるデータを蓄積可能なストレージを備える。
デジタルビデオカメラ100は、動画データである圧縮ビデオデータ、及び該圧縮ビデオデータに対する動画管理情報である圧縮ビデオ管理データを記録する。また、デジタルビデオカメラ100は、基地局51を介してネットワーク52に接続し、サーバ200とユーザ認証手続きを行う。その後、必要に応じてサーバ200にデータ蓄積要求を発し、圧縮ビデオデータをサーバ200に転送する。
サーバ200は、デジタルビデオカメラ100から転送されて蓄積した圧縮ビデオデータを解析し、必要に応じて圧縮ビデオ管理データを生成し、デジタルビデオカメラ100に送信する機能を有する。
【0010】
<デジタルビデオカメラの構成>
図2は、第1の実施形態に係るデジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。
101はレンズユニットであり、集光のための固定レンズ群、変倍レンズ群、絞り、変倍レンズ群の動きで移動した結像位置を補正する機能と焦点調節を行う機能とを兼ね備えた補正レンズ群により構成される。102は撮像素子であり、光学像を電気信号に変換する。103はカメラ信号処理回路であり、撮像素子102で生成される電気信号に対して所定の色変換処理、縮小処理等の画像処理を行い、画像データを出力する。105はビデオ信号処理回路であり、カメラ信号処理回路103や圧縮伸張回路106からの画像データを受け、各ブロックに適した画像処理を行い、出力する。また、ビデオ信号処理回路105は、ビットマップを重畳することができ、これにより機器の状態、警告、各種設定画面等の表示を行う。
【0011】
106は圧縮伸張回路であり、画像データをMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式にて圧縮し、バス121を介してメモリ114に圧縮ビデオデータを書き出すビデオ圧縮処理を行う。また、圧縮伸張回路106は、メモリ114に格納された圧縮ビデオデータを読み込み、画像データに再生し、ビデオ信号処理回路105に出力するビデオ伸張処理を行う。
MPEG2ビデオ圧縮技術(動画像圧縮方式)では、フレーム内符号化であるIフレーム、フレーム間符号化であるP(前方予測)フレーム、及びB(双方向予測)フレームがある。このうちIピクチャは、そのフレーム単独で再生することが可能である。また、所定フレーム数ごとにGOP(Group Of Pictures)と称する単位で管理される。本実施形態では、IBBPBBPBBPBBPBBのように15枚のフレームで構成され、圧縮ビデオデータ内の各GOPの先頭にIフレームが配置される。
また、MPEG2システムでは、再生時刻を示すPTS(Presentation Time Stamp:再生時刻情報)があり、各フレームに付与することで、再生時に各フレームの再生すべき時刻を制御することができる。
圧縮伸張回路106では、圧縮動作時にGOPを生成するごとに、GOPサイズ、GOP先頭からIフレーム終端までのサイズ、及びIフレームのPTSの各情報を生成し、マイクロコンピュータ111が読み出せるようにする機能を有する。この情報を蓄積し記録することで、任意のIピクチャの位置を検索し、再生させることができる。
【0012】
111はマイクロコンピュータであり、システム全体の制御を行う。113はフラッシュROMであり、マイクロコンピュータ111が実行するプログラム、及び各種パラメータ等が格納されている書き換え可能不揮発性メモリである。114はメモリであり、マイクロコンピュータ111や圧縮伸張回路106等が作業領域として使用するメモリである。121はバスである。115はメモリカードインターフェース(カードI/F)、116はメモリカードである。カードI/F115は、メモリカード116を格納し、コマンドやデータを送受信する。メモリカード116は、例えばSDカードのようなメモリカードであり、圧縮伸張回路106で生成される圧縮ビデオデータを、FATファイルシステム等のコンピュータで利用可能な所定フォーマットに従って記録するための記録媒体である。
【0013】
107は液晶パネルであり、ビデオ信号処理回路105から画像データを受け、表示させるためのものである。また、特に図示していないが、音声についてもマイクユニット、スピーカーや外部出力経路を設け、画像と共に圧縮伸張回路106で圧縮、多重化される。112は操作スイッチ群であり、ユーザが操作入力するためのものである。操作スイッチ群112には、主としてカメラ撮影を行うためのカメラモード、主として再生させるための再生モード、及び電源オフとするパワーオフモードを選択するためのスイッチも設けられている。
130は無線通信回路であり、マイクロコンピュータ111の指示に従って無線接続可能な機器、サーバ200と通信制御を行い、データ転送を行うことが可能である。これにより、メモリカード116に圧縮ビデオデータを記録するとともに、サーバ200にも転送し、蓄積することができる。
【0014】
<サーバの構成>
図3は、第1の実施形態に係るサーバ200の構成を示すブロック図である。
201はCPU、202はROM、203はRAM、204はネットワークとの接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)である。CPU201は、例えばROM202に記憶されたソフトウェアを実行することで、サーバ200の各部を総括的に制御する。RAM203は、CPU201の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
【0015】
<圧縮ビデオデータ及び圧縮ビデオ管理データ>
図4を参照して、デジタルビデオカメラ100の圧縮伸張回路106で生成される圧縮ビデオデータについて説明する。
401は圧縮ビデオデータであり、複数のGOPで構成される。402はGOPサイズである。各GOPサイズ402は一定ではないので、任意のGOP先頭位置を高速に検索するためには、圧縮ビデオデータ401の先頭から各GOP先頭位置までの距離(サイズ)を記録しておく必要がある。403のサイズが一例であり、これをI_OFFSETとする。I_OFFSETは、圧縮伸張回路106で生成される各GOPサイズを足し込むことで生成できる。
GOPにおいて、405はGOP先頭からGOP先頭に配置されているIフレームの終端までのサイズであり、I_SIZEとする。さらに各IフレームのPTSを組み合わせることで、PTSからI_OFFSET、I_SIZEを高速に検索することが可能となり、早送りやレジューム再生といったような機能を実現することができる。
【0016】
図5を参照して、圧縮ビデオ管理データについて説明する。
本実施形態では、各IフレームのPTS、I_OFFSET、及びI_SIZEを含む圧縮ビデオ管理データを記録する。
501は圧縮ビデオ管理データであり、圧縮ビデオデータごとに記録される。502は圧縮ビデオデータ属性情報であり、圧縮ビデオデータ401の属性を示す。属性とは、例えば圧縮ビデオデータサイズ、記録機器に関する情報、記録日時、フレームレート、解像度等である。本実施形態では、圧縮ビデオデータサイズを使用するため図示するが、他の要素は省略する。503はIピクチャ検索テーブルである。IDは先頭からGOPの番号であり、それぞれのPTS、I_OFFSET、及びI_SIZEを記録する。ID_Numは、IDの個数を記録する。
【0017】
<ファイル構成>
図6を参照して、メモリカード116に記録するファイル構成について説明する。
601はルートディレクトリであり、メモリカード116に記録される最上位のディレクトリである。
602はディレクトリ名を“VIDEO“とする、ルート下に配置されるVIDEOディレクトリであり、記録フォーマットのファイル群を記録する。
603はディレクトリ名を“PLYLIST”とする、VIDEOディレクトリ602下に配置されるディレクトリであり、プレイリストを記録する。604はPLAYLISTディレクトリ603下に記録されるファイルであり、ファイル名は“00000.PL”である。このファイルをPLファイルと称す。
605はディレクトリ名を“STREAM”とする、VIDEOディレクトリ602下に配置されるディレクトリであり、圧縮ビデオデータファイルを記録する。606は圧縮ビデオデータファイル群であり、それぞれ5桁の数字+“.MTS”というファイルである。このファイルをMTSファイルと称す。
607はディレクトリ名を“INFO”とする、VIDEOディレクトリ602下に配置されるディレクトリであり、圧縮ビデオ管理データファイルを記録する。608は圧縮ビデオ管理データファイル群であり、それぞれ5桁の数字+“.INF”というファイルである。このファイルをINFファイルと称す。
同一番号のMTSファイルとINFファイルはセットとなっている。例えば、00000.MTSファイルに関する情報が、00000.INFファイルに記録されている。INFファイルには、対応するMTSファイルを再生するための情報が格納されている。また、MTSファイルの再生順序は、PLファイル604に記録する。
【0018】
<デジタルビデオカメラとサーバとの通信>
図7は、デジタルビデオカメラ100とサーバ200との通信を示すシーケンスチャートである。図7は、正常に圧縮ビデオデータの転送が行われる場合のシーケンスである。なお、図7は上から下に向けて時間軸となる。
701はデジタルビデオカメラ100とサーバ200との間でのユーザ認証、転送速度等の初期通信処理である。
【0019】
702はデジタルビデオカメラ100がサーバ200に送信する、メモリカード116ごとに固有に割振られている個体識別情報であるメモリカードIDである。703はサーバ200がデジタルビデオカメラ100に送信する、メモリカードIDを受信したことを確認するメモリカードID受信確認信号である。
【0020】
704はユーザの操作によりデジタルビデオカメラ100で撮影要求が発生すると発行される圧縮データファイル作成信号である。このとき、ファイル名も決定される。705はサーバ200が圧縮データファイル作成信号704を受け付けたことをデジタルビデオカメラ100に知らしめるデータ蓄積開始確認信号である。デジタルビデオカメラ100は、データ蓄積開始確認信号を受信すると、圧縮ビデオデータの転送を開始する。図7では、706が圧縮ビデオデータの転送処理である。なお、サーバ200が所定量の圧縮ビデオデータを受信するごとに、データ受信確認信号をデジタルビデオカメラ100に発行するようにしても良い。
【0021】
707はデジタルビデオカメラ100において記録を停止し、圧縮ビデオデータの記録完了後、該圧縮ビデオデータに対する圧縮ビデオ管理データを記録する処理である。
708はデジタルビデオカメラ100がサーバ200に送信する転送終了通知である。サーバ200は、転送終了通知を受信すると、ファイルを閉じ記録を終了する。709はサーバ200がデジタルビデオカメラ100に送信する、転送終了通知を受信したことを伝達する信号である。
【0022】
次に、図8を参照して、圧縮ビデオデータの転送処理706の途中で無線接続が切断された場合について説明する。なお、図8でも上から下に向けて時間軸となり、図7と同じ符号を付しているものは、同じ処理である。また、図8では既に撮影が開始され、圧縮ビデオデータの転送処理706が行われている時点から図示している。
次のステップとして、サーバ200は転送終了通知708を期待する。しかしながら、デジタルビデオカメラ100が停電等の要因により、転送終了通知708を送信してこないケースがある。この場合、初期通信処理701以降のシーケンスから再開されることになり、サーバ200はこれを異常シーケンスと判断する。異常シーケンスでは、デジタルビデオカメラ100が圧縮ビデオ管理データの記録処理707を完了していない可能性が高い。そこで、サーバ200は、受信した圧縮ビデオデータから圧縮ビデオ管理データを生成する。また、圧縮ビデオデータ終端がGOP境界ではないとき、最後のGOP境界以降削除してから圧縮ビデオ管理データを生成する。
【0023】
801はサーバ200がデジタルビデオカメラ100に送信する圧縮ビデオ管理データである。サーバ200は、受信したメモリカードID702が異常シーケンス発生時と同一であるとき、圧縮ビデオ管理データ801の送信処理を実行する。802はデジタルビデオカメラ100が受信した圧縮ビデオ管理データ801をメモリカード116に記録した後、サーバ200に完了通知するための圧縮ビデオ管理データ受信完了信号である。サーバ200は、圧縮ビデオ管理データ受信完了信号802を受信して、異常シーケンスの修復完了と判断する。
【0024】
上述のように、デジタルビデオカメラ100は、サーバ200から受信した圧縮ビデオ管理データをメモリカード116に記録する。このとき、圧縮ビデオ管理データに記録されている圧縮ビデオデータサイズと、メモリカード116に記録されている圧縮ビデオデータのファイルサイズとを比較し、整合性をとるとなお良い。
また、PLファイル604への記録は、圧縮ビデオ管理データ801の受信以降、任意のタイミングでデジタルビデオカメラ100が行えばよい。
また、デジタルビデオカメラ100側の記録媒体として、本体と着脱可能であるメモリカード116を例に説明したが、HDD、エンベデットフラッシュメモリ等、着脱不可である記録媒体を備えていても良い。このとき、修復対象の確認には、メモリカードIDではなく、デジタルビデオカメラのモデルID、シリアルID等、修復対象を特定できる情報であれば良い。
また、無線通信機能を有するデジタルビデオカメラの形態で説明してきたが、無線通信機能を有するメモリカードをデジタルビデオカメラに装着する形態でも良い。
【0025】
以上説明したように、記録中の停電対策のため不揮発性メモリを備え、圧縮ビデオ管理データを構築するために必要となる情報を不揮発性メモリに退避する必要がない。また、圧縮ビデオデータを読み出すといった比較的時間を要する処理を実行する必要もない。したがって、停電対策のためのコストアップや、修復処理中のユーザへのストレスをなくすことが可能となり、ユーザは停電が発生した後であってもすぐに次の記録を行うことができる。
【0026】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、撮影時にメモリカード116に圧縮ビデオデータを記録するとともに、サーバ200にも圧縮ビデオデータを転送することを利用して、圧縮ビデオ管理データの修復を行う例を説明した。
第2の実施形態では、さらに圧縮ビデオデータの修復にもサーバ200のデータを利用する例について説明する。なお、デジタルビデオカメラ100及びサーバ200の構成や基本的な処理動作は第1の実施形態と同様であり、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0027】
図9を参照して、圧縮ビデオデータの転送処理706の途中で無線接続が切断された場合について説明する。なお、図9でも上から下に向けて時間軸となり、図7図8と同じ符号を付しているものは、同じ処理である。また、図9では既に撮影が開始され、圧縮ビデオデータの転送処理706が行われている時点から図示している。
次のステップとして、サーバ200は転送終了通知708を期待する。しかしながら、デジタルビデオカメラ100が停電等の要因により、転送終了通知708を送信してこないケースがある。この場合、初期通信処理701以降のシーケンスから再開されることになり、サーバ200はこれを異常シーケンスと判断する。異常シーケンスでは、デジタルビデオカメラ100が圧縮ビデオ管理データの記録処理707を完了していない可能性が高い。そこで、サーバ200は、受信した圧縮ビデオデータから圧縮ビデオ管理データを生成する。また、圧縮ビデオデータ終端がGOP境界ではないとき、最後のGOP境界以降削除してから圧縮ビデオ管理データを生成する。
【0028】
サーバ200は、受信したメモリカードID702が異常シーケンス発生時と同一であるとき、以下のシーケンスを実行する。
901はサーバ200がデジタルビデオカメラ100に送信する、修復対象となる圧縮ビデオデータファイルのサイズを要求する圧縮ビデオデータファイルサイズ要求コマンドである。902はデジタルビデオカメラ100がサーバ200に送信する、圧縮ビデオデータファイルサイズ要求コマンド901のレスポンスであり、圧縮ビデオデータファイルのサイズをサーバに通知する。この圧縮ビデオデータファイルのサイズは、ファイルシステム情報から取得することができる。
【0029】
次に、サーバ200は、サーバ200で蓄積している圧縮ビデオデータファイルのサイズと、圧縮ビデオデータファイルサイズ通知902とを比較し、サーバ200で蓄積している方が大きいとき、ファイル差分データ通知処理903を実行する。ファイル差分データ通知処理903では、デジタルビデオカメラ100のメモリカード116に蓄積された圧縮ビデオデータファイルと、サーバ200で蓄積した圧縮ビデオデータファイルとの差分データ、サイズ、及び連結位置情報である。連結位置情報とは、圧縮ビデオデータファイル先頭から、連結すべき位置までのオフセットである。デジタルビデオカメラ100は、ファイル差分データ通知を受け、圧縮ビデオデータファイルの差分を連結する。これにより、デジタルビデオカメラ100だけでは救うことのできないデータを修復することができる。
圧縮ビデオ管理データ801、圧縮ビデオ管理データ受信完了信号802は第1の実施形態で説明したとおりである。
【0030】
以上説明したように、第1の実施形態の効果に加え、デジタルビデオカメラ100のメモリカード116に記録できていなかった圧縮ビデオデータの領域についても修復することが可能となる。
【0031】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0032】
100:デジタルビデオカメラ、106:圧縮伸張回路、111:マイクロコンピュータ、116:メモリカード、130:無線通信回路、200:サーバ、201:CPU、202:ROM、203:RAM、204はネットワークインターフェースコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9