(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記欠陥判定処理部は、前記評価対象振幅特性および前記基準振幅特性それぞれにおける前記ピークから所定量だけ低下させた振幅に対応する、該ピークの周波数よりもマイナス側の波の周波数であるマイナス側周波数を、それぞれ前記第1指標および第2指標として求め、これら第1指標と第2指標とを比較し、該第1指標の方が該2指標よりもこのマイナス側周波数が小さい場合、超音波が反射した境界面部分に微細欠陥があると判定する請求項1に記載の超音波探傷システム。
前記欠陥判定処理部は、前記評価対象振幅特性および前記基準振幅特性それぞれにおける前記ピークから所定量だけ低下させた振幅に対応する、波の周波数帯域幅を、それぞれ前記第1指標および第2指標として求め、これら第1指標と第2指標とを比較し、該第1指標の方が該2指標よりも周波数帯域幅が大きい場合、超音波が反射した境界面部分に微細欠陥があると判定する請求項1に記載の超音波探傷システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示す従来の欠陥判定処理は、反射エコー高さが所定の閾値以下となるような小さな欠陥の有無については判定することができないという問題がある。
【0006】
より具体的には、従来の欠陥判定処理のように、欠陥のない健全な境界面で得られる反射エコー高さと、欠陥のある境界面で得られる反射エコー高さとを弁別するように閾値を設定する場合、反射エコー高さがこの閾値を超える欠陥については判定することができる。しかしながら、反射エコーのエコー高さがこの閾値以下となる小さな欠陥については判定することが困難となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射エコー高さが、所定の閾値以下となるような小さな欠陥について、その有無を判定することができる超音波探傷検査システム、および超音波探傷検査システムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る超音波探傷システムは、上記した課題を解決するために、複合材における異材間の境界面に生じる欠陥の有無を、超音波を利用して評価する超音波探傷システムであって、評価対象とする前記複合材に超音波を照射するとともに、該複合材の前記境界面で反射した超音波の反射波を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子が受信した反射波から該反射波の周波数−振幅特性である評価対象振幅特性を得る反射波処理部と、前記評価対象振幅特性と、健全な境界面で反射した超音波の反射波の周波数−振幅特性である基準振幅特性とを比較し、超音波が反射した境界面部分における欠陥の有無を判定する欠陥判定処理部と、を備える。
【0009】
上記構成によると、超音波探触子と反射波処理部とを備えているため、評価対象とする複合材の境界面で反射した反射波の振幅特性を求めることができる。なお、振幅特性(周波数−振幅特性)とは、周波数ごとにどのくらいの振幅の強さを持っているかを示す関数であり、周波数応答関数の絶対値である。
【0010】
また、欠陥判定処理部を備えているため、評価対象振幅特性と基準振幅特性とを比較し、評価対象とする複合材の境界面における欠陥の有無を判定することができる。すなわち、反射エコー高さを評価基準にすることなく欠陥の有無を判定することができる。このため、反射エコー高さに基づき欠陥の有無を判定する従来技術の欠陥判定処理では、反射エコー高さが小さくその有無を判定することができないような欠陥について、欠陥判定処理部ではその有無を反射波の振幅特性の違いから判定することができる。
【0011】
したがって、本発明に係る超音波探傷システムでは、反射エコー高さが、所定の閾値以下となるような小さな欠陥について、その有無を判定することができるという効果を奏する。
【0012】
本発明に係る超音波探傷システムは、上記した構成において、前記欠陥判定処理部は、前記評価対象振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第1指標と、前記基準振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第2指標とを比較し、前記超音波が反射した境界面部分における欠陥の有無を判定するように構成されていてもよい。
【0013】
上記構成によると、欠陥判定処理部は、評価対象振幅特性のピークを含む波の波幅(第1指標)と、基準振幅特性のピークを含む波の波幅(第2指標)とを比較して欠陥の有無を判定することができる。すなわち、欠陥部分からの反射波と健全な部分からの反射波との干渉に起因して、欠陥の有無により振幅特性における波幅に相違がみられる。換言すると、ピークを含む波の広がり方が欠陥の有無に応じて異なる。そこで、本発明に係る超音波探傷システムでは、欠陥判定処理部がこの振幅特性における波幅の相違を利用して欠陥の有無を判定することができる。
【0014】
本発明に係る超音波探傷システムは、上記した構成において、前記欠陥判定処理部は、前記評価対象振幅特性および前記基準振幅特性それぞれにおける前記ピークから所定量だけ低下させた振幅に対応する、該ピークの周波数よりもマイナス側の波の周波数であるマイナス側周波数を、それぞれ前記第1指標および第2指標として求め、これら第1指標と第2指標とを比較し、該第1指標の方が該2指標よりもこのマイナス側周波数が小さい場合、超音波が反射した境界面部分に欠陥があると判定するように構成してもよい。
【0015】
ここでマイナス側周波数によって、所定の振幅高さでの、ピークの周波数との差を示すことができる。すなわち、マイナス側周波数が小さくなればなるほどピークの周波数との差が大きくなり、ピークを含む波の波幅が大きくなることを示す。
【0016】
上記構成によると、欠陥判定処理部は、評価対象振幅特性のマイナス側周波数(第1指標)と基準振幅特性のマイナス側周波数(第2指標)とを比較し、第1指標のマイナス側周波数が第2指標のマイナス側周波数よりも小さくなるか否かで欠陥の有無を判定することができる。すなわち、欠陥がある場合、ピークを含む波において、ピーク周波数よりも周波数軸方向のマイナス側で特に波幅に大きな相違がみられるが、その性質を利用して欠陥の有無を判定することができる。このため、欠陥部での反射波と健全な境界面での反射波との干渉に起因して生じる、振幅特性における波幅の相違に基づき小さな欠陥であっても容易にその有無を判定することができる。
【0017】
本発明に係る超音波探傷システムは、上記した構成において、前記欠陥判定処理部は、前記評価対象振幅特性および前記基準振幅特性それぞれにおける前記ピークから所定量だけ低下させた振幅に対応する、波の周波数帯域幅を、それぞれ前記第1指標および第2指標として求め、これら第1指標と第2指標とを比較し、該第1指標の方が該2指標よりも周波数帯域幅が大きい場合、超音波が反射した境界面部分に欠陥があると判定するように構成してもよい。
【0018】
上記構成によると、欠陥判定処理部は、評価対象振幅特性の周波数帯域幅(第1指標)と基準振幅特性の周波数帯域幅(第2指標)とを比較し、第1指標の周波数帯域幅が第2指標の周波数帯域幅よりも大きくなるか否かで欠陥の有無を判定することができる。すなわち、欠陥がある場合、ピークを含む波において、所定の振幅高さにおける周波数帯域幅に相違がみられるが、その性質を利用して欠陥の有無を判定することができる。このため、欠陥部での反射波と健全な境界面での反射波との干渉に起因して生じる、振幅特性における波幅(周波数帯域幅)の相違に基づき小さな欠陥であっても容易にその有無を判定することができる。
【0019】
本発明に係る超音波探傷システムの制御方法は、上記した課題を解決するために、複合材における異材間の境界面に生じる欠陥の有無を、超音波を利用して評価する超音波探傷システムの制御方法であって、前記超音波探傷システムは、超音波を評価対象となる前記複合材に照射するとともに、該複合材の前記境界面で反射した超音波の反射波を受信する超音波探触子を備えており、前記超音波探触子が受信した反射波から該反射波の振幅特性である評価対象振幅特性を得る反射波処理ステップと、前記評価対象振幅特性と、健全な境界面で反射した超音波の反射波の振幅特性である基準振幅特性とを比較し、超音波が反射した境界面部分における欠陥の有無を判定する欠陥判定処理ステップと、を含んでいる。
【0020】
上記方法によると、欠陥判定処理ステップでは、評価対象振幅特性のマイナス側周波数(第1指標)と基準振幅特性のマイナス側周波数(第2指標)とを比較し、第1指標のマイナス側周波数が第2指標のマイナス側周波数よりも小さくなるか否かで欠陥の有無を判定することができる。すなわち、欠陥の有無によって特に周波数軸においてピーク周波数よりもマイナス側で波幅に大きな相違がみられるが、その性質を利用して欠陥の有無を判定することができる。このため、欠陥部での反射波と健全な境界面での反射波との干渉による振幅特性における波幅の相違に基づき、小さな欠陥であっても容易にその有無を判定することができる。
【0021】
したがって、本発明に係る超音波探傷システムの制御方法では、反射エコー高さが、所定の閾値以下となるような小さな欠陥について、その有無を判定することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以上に説明したように構成され、反射エコー高さが、所定の閾値以下となるような小さな欠陥について、その有無を判定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の一形態を得るに至った経緯)
本発明者は複合材における異材間の境界面である接合界面での欠陥の有無を判定する、従来の欠陥判定処理について鋭意研究した。特に、接合界面からの反射波の反射エコー高さによる欠陥判定処理に関して検討した。そして、この従来の欠陥判定処理では、健全な接合界面から得られる反射エコー高さよりも、反射エコー高さが小さくなるような接合界面における欠陥の場合、その有無については効率よく判定することができないという問題点を見出した。例えば、従来の欠陥判定処理では、球状の小さい空隙、気泡など欠陥エコー高さが健全な接合界面での反射エコー高さ以下となるような欠陥について、その有無を判定することができない。
【0025】
つまり、異材間の接合界面における欠陥の有無を評価する場合、欠陥の有無を判定する閾値を健全な接合界面で反する反射波の反射エコー高さ以下に設定することができない。このため、反射エコー高さが、健全な接合界面で反射した反射波の反射エコー高さ以下となるような欠陥については、従来の反射エコー高さによる欠陥判定処理では、その有無を判定することができない。そこで本発明者はこの問題点に関し、検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
【0026】
すなわち、
図1に示すように、超音波が健全な接合界面で反射した反射波の振幅特性と欠陥部のある接合界面の反射波の振幅特性とを比較した。なお、
図1は、接合界面で反射した超音波の振幅特性の一例を示す図であり、同図(a)は、健全な接合界面から得られる反射波の振幅特性を示し、同図(b)は、欠陥部のある接合界面から得られる反射波の振幅特性を示す。
図1(a)および
図1(b)では横軸を周波数、縦軸を振幅(振幅の対数(dB))として周波数ごとにどのくらいの振幅の強さを持っているか示す関数のグラフを表している。また、それぞれグラフにおいて最大値となるピークを0dBとなるように設定し、振幅の低下量に応じた周波数の相対評価を示すようにしている。
【0027】
図1(a)と
図1(b)とを比較検討したところ、健全な接合界面からの反射波の振幅特性を示す波形と、欠陥部の接合界面からの反射波の振幅特性を示す波形とが異なることを発見した。特に、最大値となるピークを含む波(山形の関数)の広がりの程度が異なることを発見した。
【0028】
すなわち、
図2の表で示すように、健全な接合界面からの反射波(健全部)では、ピーク周波数は4.303MHzであるのに対して欠陥部のある接合界面からの反射波では、ピーク周波数は4.242MHzとなった。これらのピークからそれぞれ所定量(ここでは6dB)だけ振幅を低下させた位置に対応する、ピークよりも周波数軸方向にマイナス側となる波の周波数(マイナス側周波数)が、健全部で3.357MHz、欠陥部で1.831MHzとなり、欠陥部の方が、健全部よりも周波数が小さくなることが分かった。
【0029】
さらに健全部と欠陥部それぞれについて、所定量だけ振幅をピークから低下させた位置に対応する、ピークよりも周波数軸においてプラス側となる波の周波数(プラス側周波数)を調べた。プラス側周波数は
図2の表に示すように健全部で5.310MHz、欠陥部で5.341となり、欠陥部の方が今度は周波数が大きくなることが分かった。すなわち、健全部と欠陥部とでは、ピークから所定量だけ低下させた振幅の値に対応する周波数帯域幅が健全部で1.952MHzであるのに対して欠陥部で3.510MHzとなり、前者よりも後者の方が大きくなることが分かった。なお、
図2は、
図1に示す健全な接合界面から得られる反射波の振幅特性と欠陥部のある接合界面から得られる反射波の振幅特性とにおいて、ピーク周波数、ピークから6B低下させた振幅に対応するマイナス側周波数およびプラス側周波数、ならびにこれらの差を示す表である。
【0030】
これは、欠陥部のある接合界面からの反射波は、その欠陥部分で反射された反射波と接合界面部分で反射された反射波とが干渉し合う。このため、欠陥部分からの反射波の振幅特性における波幅(周波数帯域幅)は、接合界面で反射された反射波の振幅特性における波幅(周波数帯域幅)よりも大きくなったものと考えられる。特に、欠陥部の場合、健全部よりも、最大値となるピークを含む波において、そのピークよりも周波数軸上でマイナス側に位置する波の広がりが大きくなっていることがわかる。これは、欠陥部分で反射した反射波のピーク周波数が、接合界面部分で反射した反射波のピーク周波数よりも小さくなるため、両者の干渉により特に上記したマイナス側に位置する波の広がりに大きな差異が出るものと考えられる。
【0031】
これらの知見に基づいて、本発明者らは、接合界面から得られた反射波の振幅特性から反射エコー高さが所定の閾値以下となるような小さな欠陥の有無を判定することができることを見出し、本発明に至った。
【0032】
そこで、本発明では以下に示す実施形態を提供する。以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の参照符号を付して、その説明については省略する。
【0033】
(超音波探傷システムの構成)
図3に示すように、本実施の形態に係る超音波探傷システム100は、水浸法に則って、超音波探触子2と複合材10を共に水中に浸漬しつつ超音波を用いて探傷を行うシステムである。
図3は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100の要部構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る超音波システム100は水浸法により超音波探傷を行う構成を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、直接接触法により超音波探傷を行う構成であってもよい。
【0034】
超音波探傷システム100は、超音波探触子2と、超音波送受信器3と、A/D変換器4と、演算制御装置5と、入力装置61と、出力装置62と、超音波探触子2と複合材10とを水中に浸漬させるための水槽7とを備えている。さらに、超音波探傷システム100は、超音波探触子2を走査させる超音波探触子走査機8と、超音波探触子走査機8を動作させる走査ドライバ9とを備えている。
【0035】
超音波探傷システム100では、欠陥の有無の評価対象を複合材10としている。なお、この複合材10は、例えばFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)等の異材を組み合わせて構成される。
【0036】
超音波探触子2は、超音波を、評価対象となる複合材10に照射するとともに、この複合材10における異材間の境界面(接合界面10A)で反射した超音波の反射波を受信する。超音波探触子2は、点集束型探触子であることが好ましく、焦点位置は複合材10の接合界面10A付近に設定されている。この超音波探触子2は超音波送受信器3と接続されている。
【0037】
超音波送受信器3は、パルス発振部31と、受信部32と、増幅部33とを備えている。パルス発振部31は、超音波探触子2へパルス信号を送信する。受信部32は、超音波探触子2が受けた超音波の反射波の検出信号(反射波信号)を受信する。増幅部33は、この反射波信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器4へ送信する。A/D変換器4は、超音波送受信器3から受けたアナログの反射波信号をデジタル化し、そのデジタルデータを演算制御装置5へ出力する。なお、超音波送受信器3の増幅部33の増幅率は、超音波探傷システム100の探傷感度に相当するものである。探傷感度の基準感度は、標準的な複合材について超音波探傷を行う位置に超音波の焦点を合わせたときに得られる、反射エコー高さの最大反射波強度が80%となるように設定されている。より具体的には、エコー高さで判断可能な最大の欠陥反射強度が80%となるように設定されている。
【0038】
演算制御装置5は、発振制御部51と、反射波処理部52と、欠陥判定処理部53と、記憶部54と、走査制御部55とを備えている。演算制御装置5には、演算制御装置5に対し情報を入力するためのキーボードなどの入力装置61と、演算制御装置5から処理結果を出力するためのディスプレイやプリンタなどの出力装置62とが接続されている。演算制御装置5は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、このCPUにより実行されるプログラムおよびプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリと、プログラム実行時にデータを一時的に記憶する例えばRAM(Random Access Memory)などを含んで構成することができる。
【0039】
演算制御装置5をCPUで構成する場合、このCPUで所定のプログラムを実行することにより、演算制御装置5が備える各機能部(発振制御部51、反射波処理部52、欠陥判定処理部53、および走査制御部55)の機能を実現する。これら各機能部の処理内容については後述する。なお、
図3では、1つの演算制御装置5によって上述した各機能部が実現される構成となっているが、これらを複数の演算処理装置で分散させて実現させる構成としてもよい。
【0040】
超音波探触子走査機8は、複合材10の接合界面10Aと略平行な平面(xy−平面)内で変位する移動体81を備えている。この移動体81に超音波探触子2が固定されており、超音波探触子2は移動体81の移動に伴ってこの平面内で変位することができる。このような超音波探触子走査機8は、例えば、移動体81、x軸方向(紙面の左右方向)に延伸するリニアスライダ82、平面内でx軸と略直交するy軸方向に延伸するリニアスライダ83、および移動体81をリニアスライダ82,83上で移動させるモータ84を備える。そして、モータ84の駆動は走査ドライバ9によって制御される。
【0041】
より具体的には演算制御装置5の走査制御部55から走査ドライバ9へ、移動体81の目標座標信号が出力され、走査ドライバ9はこの目標座標信号に該当する座標へ超音波探触子2を移動させるべくモータ84の駆動を制御する。なお、超音波探触子走査機8および走査ドライバ9の構成は上記した構成に限定されるものではない。例えば、超音波探触子走査機8が複合材10上を自走可能とする移動体81を有した構成としてもよい。このように構成される場合、移動体81は無端状履帯とその駆動源とを備え、この駆動源を走査ドライバ9からの制御指示により制御される。
【0042】
ここで上記した構成を有する超音波探傷システム100における超音波探傷検査について説明する。超音波探傷システム100において接合界面10Aに対して超音波探傷を行なう場合、まず、入力装置61から演算制御装置5に探傷条件が入力される。探傷条件には、複合材10のデータ、探傷感度、超音波の周波数、ビームの焦点位置、焦点径(ビーム径)、および探傷ピッチ等が含まれる。なお、複合材10のデータには、複合材の厚さ(接合界面10Aと直交する方向の大きさ)、超音波が照射される側の表面から接合界面10Aまでの厚さ、複合材の構成材料などの情報を含んでいる。
【0043】
超音波探傷システム100において、上記した探傷条件が入力されると、超音波探触子2で発生させる超音波の焦点位置を、複合材10の接合界面10Aの位置となるように設定する。また、超音波探触子2で発生させる超音波の周波数を、5MHzとなるように設定する。なお、超音波の周波数はこの5MHzに限定されるものではなく複合材10を構成する材料、接合界面10Aに発生する欠陥の種類などを考慮して適宜設定される。
【0044】
また、焦点径を、例えば、以下のように設定してもよい。すなわち、焦点径は、検出対象とする欠陥のうち最小となる欠陥の径の2倍以下に設定してもよい。焦点径が最小となる欠陥の径の2倍より大きくなると、最小の欠陥からの欠陥エコーを逃さずに検出することが困難となる。一方、焦点径が小さすぎると探傷ピッチPが細かくなり探傷に膨大な時間を要することとなる。したがって、焦点径は、上記条件を考慮して適宜設定されることが好適である。
【0045】
複合材10を水槽7に沈めた後、演算制御装置5の走査制御部55は、超音波探触子走査機8を作動させて、超音波探触子2を所望の探傷点(探傷単位領域)へ移動させる。そして、演算制御装置5は、超音波探触子2を作動させて超音波探傷を開始する。演算制御装置5の発振制御部51は、入力装置61から入力された探傷条件に基づいて、超音波の周波数、および焦点位置などの情報を含むパルス生成指令を超音波送受信器3へ送信する。超音波送受信器3のパルス発振部31は、発振制御部51から受信したパルス生成指令に基づきパルスを発振する。超音波送受信器3のパルス発振部31が発振したパルス電圧が超音波探触子2(詳細には、超音波探触子2が備える振動素子)に加えられて、超音波探触子2から超音波(縦波)が発生する。超音波探触子2から発生した超音波は、水槽7に湛えられた媒体(水)を介して複合材10へ入射する。
【0046】
ここで、
図4を参照して超音波探触子2から発生させられた超音波の反射波の種類について説明する。
図4は本実施の形態に係る超音波探傷システム100における、超音波探触子2が受信する反射波の種類を模式的に示す図である。
図4に示すように、複合材10は、第1異材10aおよび第2異材10bから構成され、第2異材10b上に第1異材10aが積層されている。そして、第1異材10a側から超音波が発生させられるものとする。
【0047】
このような複合材10に対して超音波探触子2から超音波が照射されると、まず、第1異材10aの表面でその一部が反射する。この反射した反射波を「表面反射エコー」と称する。続いて、第1異材10aに入射した超音波の一部は、第1異材10aと第2異材10bとの接合界面10Aで反射する。この反射波のうち健全な接合界面10Aからの反射波を、以下では「界面反射エコー」と称する。また、欠陥部がある接合界面10Aから反射した反射波を、以下では「欠陥エコー」と称する。なお、
図4では説明の便宜上、界面反射エコーと欠陥エコーとを並べて示してある。また、界面反射エコーと欠陥エコーとを区別しない場合は、単に「反射エコー」と称する。
【0048】
超音波探触子2は、前述のような反射波を受信(検出)し、反射波信号を超音波送受信器3の受信部32へ送信する。この反射波信号は、超音波送受信器3の増幅部33で増幅されて、A/D変換器4でデジタルデータに変換されて、演算制御装置5へ出力される。なお、超音波探触子2で受信した反射波信号は、例えば、
図5に示すように時間軸上に表面反射エコー、界面反射エコー(欠陥エコー)の順にそれぞれの波形が出現する。
図5では、縦軸を反射波の反射エコー高さとし、横軸が時間とするグラフ上に表面反射エコー、界面反射エコー(欠陥エコー)それぞれの波形がプロットされている。なお、この
図5は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100の演算制御装置5が受信する反射波信号の反射エコー高さを時間軸上に表したグラフの一例である。
【0049】
演算制御装置5の反射波処理部52では、デジタルデータに変換された反射波信号を処理して反射エコー高さを測定する。そして、反射波処理部52は、この反射エコー高さデータを探傷点の座標情報とともに記憶部54に格納する。さらに、反射波処理部52は、反射波信号の振幅特性(周波数−振幅特性)も求め、座標情報と対応づけて記憶部54に格納する。具体的には、反射波処理部52は、FFT(Fast Fourier Transform)により
図5に示す時間軸波形で示された反射波信号から
図6に示す周波数軸波形で示された振幅特性を求める。
図6は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100における超音波探触子2で受信した界面反射エコーの振幅特性と欠陥エコーの振幅特性との関係を模式的に示したグラフである。
図6に示すグラフでは横軸を周波数(MHz)とし、縦軸を振幅(振幅の対数(dB))としている。
【0050】
また、説明の便宜上、
図6では欠陥エコーを示す波のピーク周波数b0およびピークの振幅と、界面反射エコーを示す波のピーク周波数a0およびピークの振幅とが一致するものとしている。また、
図6では、欠陥エコーおよび界面反射エコーの振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波のみを示している。この
図6では、各ピークから6dB低下させた振幅に対応する、界面反射エコーのマイナス側周波数をa1、欠陥エコーのマイナス側周波数をb1としている。
【0051】
このように、超音波探傷システム100では、1つの探傷点に対する一連の探傷動作を、複合材10に対して所定の間隔ごとに行う。そして、反射波処理部52が複数の探傷点の各々について反射エコー高さのデータおよび反射波信号の振幅特性を示すデータを演算により求め、記憶部54へ順次格納する。
【0052】
また、超音波探触子2への反射波の到達時間差に基づき、表面反射エコーと界面反射エコーまたは欠陥エコーとを区別することができる。つまり、最初に表面反射エコーの反射波信号が検出され、続いて界面反射エコーまたは欠陥エコーの反射波信号が順に検出される。このため、接合界面10Aにおける欠陥の有無を判定する場合、超音波探触子2への到達時間差を利用して評価対象とする反射エコー(界面反射エコーまたは欠陥エコー)の反射波信号を抽出することができる。そして、抽出した反射エコーの反射波信号から、欠陥判定処理部53が接合界面10Aにおける欠陥の有無を判定する。
【0053】
ところで欠陥エコーのエコー高さの値は、欠陥寸法などにより変動する。そのため、ある程度、寸法が大きい欠陥の場合、欠陥エコーのエコー高さの方が、界面反射エコーのエコー高さよりも大きくなる。逆に、寸法が小さい欠陥の場合、欠陥エコーのエコー高さは、界面反射エコーのエコー高さ以下となる。なお、欠陥のうち、エコー高さが界面反射エコーのエコー高さ以下となる欠陥を以下では微細欠陥と称するものとする。
【0054】
そこで、超音波探傷システム100では、欠陥の有無を判定する場合、まず「界面反射エコー」の反射エコー高さの値よりもエコー高さの値が高くなる「欠陥エコー」を弁別できるように閾値を設定する。この閾値は、予め演算制御装置5内において記憶部54に保持されており、欠陥判定処理部53がこの記憶部54から閾値を読み出し利用することができる。なお、閾値は、超音波探傷システム100を用いて予め試験的に探傷を行い、得られた「界面反射エコー」の反射エコー高さデータの値に基づいて定めることができる。
【0055】
このように定められた閾値を利用して、欠陥判定処理部53は、記憶部54に記憶されている複数の反射エコー高さデータの値それぞれについて、この閾値より高いか否か判定する。反射エコー高さデータの値が閾値よりも高くなる場合、欠陥判定処理部53はその反射エコー高さデータの値が取得された接合界面10Aの座標位置に欠陥が有ると判断する。
【0056】
さらに、反射波のエコー高さの値が閾値以下となる場合であっても上述したように微細欠陥が含まれている場合がある。そこで、超音波探傷システム100では、今度は超音波探触子2で受信した反射波信号から求めた振幅特性(評価対象振幅特性)を、界面反射エコーの標準的な振幅特性(基準振幅特性)と比較することで接合界面10Aにおける微細欠陥の有無を判定するように構成されている。つまり、予め試験的に探傷を行い、標準的な界面反射エコーの振幅特性(基準振幅特性)を求め、演算制御装置5内において記憶部54に保持しておく。そして、欠陥判定処理部53は、上記した閾値を用いた判定により欠陥が有ると判定された座標位置の反射波信号を除く他の座標位置の反射波信号から求めた振幅特性である評価対象振幅特性と記憶部54に保持している基準振幅特性とを比較する。具体的には欠陥判定処理部53は、以下のようにして評価対象振幅特性と基準振幅特性とを比較する。
【0057】
すなわち、上記した「本発明の一形態を得るに至った経緯」で述べたとおり、欠陥エコーの場合、ピークから所定量だけ低下させた振幅に対するマイナス側周波数が界面反射エコーのよりも小さくなる(a1>b1)という知見を得た。そこで、欠陥判定処理部53は、上述したa1とb1との関係を求めることで、受信した反射波信号から欠陥の有無を判定することができる。
【0058】
(欠陥判定処理)
ここで、
図7、8を参照にしながら、演算制御装置5の欠陥判定処理部53による欠陥判定処理の流れを説明する。
図7は本実施の形態に係る超音波探傷システム100における欠陥判定処理の一例を示すフローチャートである。
図8は本実施の形態に係る超音波探傷システム100における微細欠陥判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
図7に示すように超音波探傷システム100では、まず、欠陥判定処理部53が、上述した反射エコー高さによる欠陥判定処理を実施する(ステップS1)。そして、接合界面10Aの各探傷点で取得した反射エコーの反射波信号のうちステップS1で欠陥が存在すると判定された探傷点の反射波信号を除く反射波信号に対して欠陥判定処理部53は微細欠陥判定処理を実施する(ステップS2)。
【0060】
ステップS1に示す反射エコー高さによる欠陥判定処理についてはすでに公知であるため説明は省略する。そして、ここでは、
図8を参照してステップS2に示す微細欠陥判定処理について説明する。
【0061】
(微細欠陥判定処理)
図8に示すように欠陥判定処理部53は、まず、評価対象となる反射エコーの振幅特性とその座標情報を取得する(ステップS21)。すなわち、欠陥判定処理部53は、接合界面10Aにおける各探傷点の反射エコーの反射波信号のうち、エコー高さによる欠陥判定処理で欠陥が存在すると判定された反射波信号を除いた残余の反射波信号の評価対象振幅特性と、その座標情報とを記憶部54から読み出す。そして、欠陥判定処理部53は、評価対象振幅特性と、予め記憶部54に保持している基準振幅特性とを比較する(ステップS22)。すなわち、欠陥判定処理部53は、評価対象振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第1指標と、基準振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第2指標とを比較する。
【0062】
具体的には、第1指標および第2指標として各ピークから6dB低下させた振幅位置(振幅高さ)に対応するマイナス側周波数同士を比較する。これは、「本発明の一形態を得るに至った経緯」で観察したように、欠陥エコーの振幅特性では、欠陥部分での反射波と接合界面10Aでの反射波との干渉の結果、プラス側周波数に位置する波の広がりよりも、マイナス側周波数に位置する波の広がりの方がより大きな影響がでるためである。
【0063】
そして、評価対象振幅特性の方が基準振幅特性よりもマイナス側周波数が低くなるか否か判定する(ステップS23)。ステップS23において「YES」の場合、欠陥判定処理部53は、評価対象の反射エコーの座標位置に欠陥が有ると判定する(ステップS24)。一方、ステップS23において「NO」の場合、すなわち、評価対象となる反射エコーと界面反射エコーとの両者の振幅特性が一致する場合、欠陥判定処理部53は、判定対象となる反射エコーが得られた座標位置には欠陥が無いと判定する(ステップS25)。
【0064】
以上の微細欠陥判定処理により、欠陥判定処理部53は、反射エコーの高さが界面反射エコーのエコー高さ以下となるような欠陥についても、その有無を判定することができる。なお、本実施形態では、第1指標および第2指標として、各ピークから6dB低下させた振幅を基準にして、この振幅の高さに対応するマイナス側周波数を欠陥判定処理部53が求める構成であった。しかしながら、このマイナス側周波数を求める基準は、各ピークから6dB低下させた振幅の高さに限定されるものではない。例えば、基準振幅特性の上記したピーク高さの半分となる振幅の高さを基準にして、この振幅に対応するマイナス側周波数を求める構成であってもよい。
【0065】
また、微細欠陥判定処理による欠陥の有無の判定結果は、例えば、
図9に示すように画像として出力装置62において出力することができる。
図9は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100で実施した微細欠陥判定処理結果に基づく画像と従来技術での欠陥判定処理結果に基づく画像との対比を示す図である。
図9に示すように従来技術では微細欠陥の有無を判定することができず微細欠陥の接合界面10Aにおける分布状態を出力装置62において出力できなかった。具体的には全体としてグレーの色で表現されており、微細欠陥が有るべき位置をマッピングした画像となっていない。
【0066】
これに対して、本実施の形態に係る超音波探傷システム100では、上記した第1微細欠陥判定処理により接合界面10Aにおける微細欠陥の位置を判定し、その分布状態を出力装置62において出力できる。具体的には、
図9に示す画像では、探傷結果画像に表れる総ての探傷点のうち欠陥として抽出された探傷点のみを黒色でマッピングした画像となっている。
【0067】
(変形例)
上記した超音波探傷システム100では、欠陥判定処理部53が、評価対象振幅特性の方が基準振幅特性よりもマイナス側周波数が低くなるか否か判定することにより欠陥の有無を評価する構成であった。しかしながら、欠陥の有無を評価するための判定基準はこれに限定されるものではない。以下に変形例として
図10を参照して説明する。
図10は本実施の形態の変形例に係る超音波探傷システム100における微細欠陥判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
本実施の形態の変形例に係る超音波探傷システム100では、上記した実施の形態に係る超音波探傷システム100と比較して、第1指標および第2指標に用いる情報のみが異なる。すなわち、欠陥判定処理部53は、
図10に示すように、まず評価対象となる反射エコーの振幅特性である評価対象振幅特性と座標情報を取得する(ステップS31)。このステップS31は、
図8に示すステップS21の処理と同様であるため説明は省略する。
【0069】
そして、欠陥判定処理部53は、評価対象振幅特性と、予め記憶部54に保持されている基準振幅特性とを比較する(ステップS32)。すなわち、欠陥判定処理部53は、評価対象振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第1指標と、基準振幅特性を示す波形において最大値となるピークを含む波の波幅を示す第2指標とを比較する。
【0070】
具体的には、第1指標および第2指標として各ピークから6dB低下させた振幅の高さ位置に対応するマイナス側周波数とプラス側周波数との間の周波数帯域幅同士を比較する。つまり、欠陥判定処理部53は、第1指標として評価対象振幅特性におけるマイナス側周波数b1とプラス側周波数b2との間の周波数帯域幅(=b2−b1)を求め、第2指標として基準振幅特性のマイナス側周波数a1とプラス側周波数a2との間の周波数帯域幅(=a2−a1)を求める。そして、欠陥判定処理部53は、この第1指標と第2指標とを比較する。
【0071】
そして、欠陥判定処理部53は、評価対象の反射エコーの方が界面反射エコーよりも周波数帯域幅が大きくなるか否か判定する(ステップS33)。ステップS33において「YES」の場合、欠陥判定処理部53は、この評価対象となる反射エコーの座標位置に欠陥が有ると判定する(ステップS34)。一方、ステップS33において「NO」の場合、欠陥判定処理部53は、評価対象となる反射エコーが得られた座標位置には欠陥が無いと判定する(ステップS35)。
【0072】
以上のように本実施の形態の変形例に係る超音波探傷システム100は、所定の振幅の高さ位置における波幅(周波数帯域幅)の大きさに応じて、接合界面10Aにおける欠陥の有無を判定することができる。
【0073】
なお、欠陥判定処理部53による欠陥判定処理は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100で実施する欠陥判定処理と本実施の形態の変形例に係る超音波探傷システム100で実施する欠陥判定処理とを組み合わせてもよい。すなわち、欠陥判定処理部53は、本実施の形態に係る超音波探傷システム100における欠陥判定処理を実施した後、この欠陥判定処理で欠陥があると判定された欠陥部に対してさらに上述した変形例に係る超音波探傷システム100における欠陥処理を実施する構成としてもよい。
【0074】
また、上述した超音波探傷システム100では、欠陥判定処理部53が各探傷点で欠陥の有無を判定する構成であった。そして、この判定結果に基づき、接合界面が健全であるか否か(合格か否か)について評価する構成であった。つまり、探傷点において1つでも欠陥ありと判定されると、接合界面は健全ではない(不合格である)と評価する構成であった。
【0075】
しかしながら、欠陥判定処理部53は、連続する複数の探傷点で欠陥が有るか否かに応じて、接合界面が健全か否か評価する構成としてもよい。すなわち、超音波探傷システム100においてどの寸法までの欠陥ならば接合界面を健全として扱うことができるかについては、複合材10の用途や機能などによって異なる。接合界面が健全か否かを評価する条件として微細な欠陥が1つでもあれば、接合界面が健全ではなく不合格であると評価する方が好ましい場合があるし、逆にある程度の寸法以下の微細な欠陥については無視して、接合界面は健全であり合格であると評価する方が好ましい場合がある。
【0076】
そこで、欠陥判定処理部53は、探傷点ごとに欠陥の有無を判定した結果を記憶部54に記憶していき、連続する所定個の探傷点において欠陥が有るか否かさらに判定する。そして、欠陥判定処理部53は、連続する所定個の探傷点において欠陥が有ると判定された場合、接合界面は健全ではなく不合格であると評価する。なお、この探傷点の個数(所定個)は、接合界面において欠陥とみなすべき欠陥寸法に基づき適宜設定できる。
【0077】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。