特許第6249775号(P6249775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249775
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】点灯装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20171211BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20171211BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20171211BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171211BHJP
【FI】
   F21S2/00 431
   G02B6/00 331
   G02B5/02 C
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-544622(P2013-544622)
(86)(22)【出願日】2011年12月9日
(65)【公表番号】特表2014-502775(P2014-502775A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】US2011064145
(87)【国際公開番号】WO2012082549
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2014年10月27日
(31)【優先権主張番号】10195737.1
(32)【優先日】2010年12月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】シュムック, エリック
(72)【発明者】
【氏名】フォルマース, ハンス‐ゲルド
(72)【発明者】
【氏名】ボスラー, マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】レムホフ, ティロ
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−069189(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/093087(WO,A1)
【文献】 特開平04−221236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 5/02
G02B 6/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光抽出面を画定する第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、光源からの光を受光するための、前記光抽出面に垂直な副面と、を有する光導体と、
前記光抽出面を画定する前記光導体の前記主面に配置された少なくとも1つの繊維層と、を含み、
前記少なくとも1つの繊維層が、前記光抽出面を画定する前記光導体の前記主面に、前記繊維層で形成された複数の別個の結合領域で結合され、前記繊維層は、当該結合領域が存在しなければ前記第1主面と前記第2主面との間の内部全反射によって前記光導体内を伝搬する光を前記光導体から抽出する、点灯装置。
【請求項2】
前記光源を用いて照明するための、請求項1に記載の点灯装置の使用。
【請求項3】
前記光導体の前記副面の近傍に配置された光源をさらに含み、前記光源から放射された光は、前記光導体の前記副面から前記光導体に入射する、請求項1に記載の点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導体を含む点灯装置に関する。詳細には、本発明は、光導体及び繊維層を含む点灯装置に関する。本発明は、点灯装置を備える車両、及び周囲照明を用いて車両の内部を照明するための点灯装置の使用にも関する。本発明は更に、点灯装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光導体は、装飾的及び機能的な点灯の目的で、様々な場所において、ますます使用されるようになっており、それらの目的の一部では、光導体がその主面の1つに沿って光を選択的に放射することが要求される。対向する主面を有し、各主面の1つに沿って光が抽出される、概ね平面的な光導体は、本出願ではフラット光導体と呼ばれる。点灯装置でのフラット光導体の使用は、例えば、発光ダイオード光源などの低電圧光源を使用する可能性、及び光の放射領域から離して光源を配置することなどの特定の利点をもたらす。
【0003】
光導体の一形態である細長い光導体は、欧州特許出願公開第0 594 089号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)に記載されている。その光導体は、その長さに沿って離間された光抽出要素を有し、光導体の少なくとも一端から光導体に沿って伝播している光が、光導体の壁部内の光放射領域を通じて選択的に放射されるようにする。この場合、光抽出要素は、光導体内に切り欠き(notch)を含み、各切り欠きは、光学的品質の少なくとも1つの反射表面、すなわち、それに入射する光のうちのごく少量(一般に20%未満)を拡散的に散乱させる表面を有する。欧州特許出願公開第0 956 472号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)及び同第1 153 240号(3M Innovative Properties Companyの名義で)の双方に、このタイプの他の光導体について記載されており、同第0 956 472号に記載されている光導体では、異なる長手方向軸に沿って中央に位置する2組の切り欠きが、光導体によって放射された光の側方分布を制御する目的で備えられており、一方で、欧州特許出願公開第1 153 240号に記載されている光導体では、切り欠きは、光導体によってもたらされる照明において所定パターンを生じさせる目的で、異なる切り欠き角度を有している。一般に、このタイプの光導体は、事前に選択した分布で、光導体の長さに沿って、かつ好ましい方向に光を非常に効率的に放射するように光導体を設計することができるという利点をもたらし、幅広い多数の用途における点灯装置での使用を好適なものにする。他の形態の光導体が、例えば、国際公開第99/22173号、同第00/25159号、及び同第01/51851号に記載されている。国際公開第99/22173号(3M Innovative Properties Companyの名義で)は、クラッディングに囲まれたコアを含む光導体について記載しており、そのクラッディングの内側表面は、光が光導体から抽出されるようにする窪みを備えて形成されている。抽出された光の一部を特定の方向に向け直すために、光反射部材が、光導体の一部分の周辺に提供されてもよい。国際公開第00/25159号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)は、二部クラッディング層によって囲まれたコアを含む光導体について記載しており、そのクラッディングは、光導体によって放射された光の、長さに沿った抽出性及び均一性を向上させるために、様々な反射材料を組み込んでいる。国際公開第01/51851号(3M Innovative Properties Companyの名義で)は、光抽出構造を有する光導体について記載しており、その光抽出構造は、光を光導体から拡散反射層に向かわせるように長さ方向に沿って離間されており、この拡散反射層は、次に光導体を通じて光を戻し、その結果、光は、最終的に、光抽出構造が配置された光導体の領域を通じて放射される。
【0004】
国際公開第2010/017087号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)は、光源及び光学物品を含む光学デバイスについて記載している。光学物品は、光導体と光導体上に配置された粘弾性層とを含む。光源によって放射された光は、光導体に入射し、内部全反射によって光導体内に移送される。粘弾性層は光を管理し、例えば、光導体に入射する光の少なくとも約50%、又は約10%未満が抽出され得る。光学デバイスは、標示、マーク、表示装置、キーパッドアセンブリ、テールライトアセンブリ、及び照明装置のための様々な構成体で使用されることができる。
【0005】
国際公開第2010/005655号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)は、光源及び粘弾性光導体を有する光学デバイスについて記載している。光源からの光は、粘弾性光導体に入射し、内部全反射によって光導体内に移送される。粘弾性光導体は、感圧接着剤を含んでもよい。粘弾性光導体内を移送される光を放射する様々な構成の光学デバイスを使用することができる。こうした構成としては、標示、マーク、照明装置、標示装置、キーパッドアセンブリ、及び車両用のテールライトアセンブリに使用されるものが挙げられる。
【0006】
国際公開第2001/27529号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)は、入力端面、裏面、及び出力面を含む光導体について記載している。反射体は、例えば接着剤結合により、裏面に直接固定される。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0080055号(Lightfoodら)は、結合剤と結合剤中に分散された可視光線の散乱体とを含む結合剤層を少なくとも1面に有する不織布シートを含む可視光線の拡散反射体について記載している。これらの拡散反射体は、ラップトップコンピュータ及びテレビ用のバックリット液晶ディスプレイなどの光学ディスプレイでの光の管理に有用である。
【0008】
米国特許出願公開第2006/0262310号(Starryら)は、光学キャビティを画定する構造体内に配置された光の拡散反射体を含む拡散反射物品について記載している。拡散反射体は、最適な光散乱寸法の複数の繊維間及び繊維内孔を含む不織布シートである。また、(i)光学キャビティを画定する構造体、(ii)光学キャビティ内に配置された光源、(iii)光源からの光が透過するディスプレイパネル、及び(iv)光源からの光をディスプレイパネルに向けて反射させるための光学キャビティ内に配置された拡散反射体、を含む光学ディスプレイも提供し、拡散反射体は、最適な光散乱寸法の複数の繊維間及び繊維内孔を含む不織布シートである。
【0009】
光導体は、可撓性及び硬質な形態の双方で、また破断又は粉砕することがなく、かつ比較的長い耐用年数を有する材料において利用可能である。それらはまた、高度な照明を省エネルギー方式でもたらすことが可能である。光導体を組み込んだ点灯装置は、様々な場所で既に使用されている。それらは、例えば、費用効果的で、安全で、汎用的な、蛍光灯に対する代替物として、商業用、建築用、及び消費者用の点灯用途において使用されることができるが、蛍光灯が実用的でない状況において、及び/又は、従来の点灯装置を使用して得ることのできない効果を達成するためにも使用することができる。例えば、車両内の点灯装置において光導体を使用することへの関心が高まっており、そのような装置を車両の外側で使用して、リアウインドウ又はブーツなどの特徴の輪郭を際立たせることが既に提案されている。より最近では、メーカーは、例えば、ドイツ特許出願公開第100 31 527号(Volkswagen AGの名義で)及び同第102 59 623号(Hella KG Hueck & Co.の名義で)に記載されているように、実用的及び美的の両方の理由から車両内部での点灯装置に光導体を使用することに関心を持ち始めている。点灯装置において、欧州特許第594089号に記載されている種類の細長い側方光導体は、所要の位置に維持して確実に光が所要の方向に放射されるように、通常幾つかの方法で支持される。光導体を支持する既知の方法としては、(例えば、3M Innovative Properties Companyの米国特許第6 763 172号に記載されているような)ブラケット又はクリップ、及び(例えば、同様に3M Innovative Properties Companyの米国特許出願公開第2004/0240829号、Minnesota Mining and Manufacturing Companyの国際公開第99/22174号、及び上述の国際公開第00/25159号に記載されているような)チャネル又はレールを使用することが挙げられる。車両の内装に光導体が点灯装置として使用されている特定の場合において、上述のドイツ特許出願公開第100 31 527号及び同第102 59 623号は、光導体が車両の内装の裏張りにおけるギャップに配置されてもよいということを記載している。国際公開第2008/022007号(3M Innovative Properties Company)は、点灯装置の組み立てを容易にするための、様々な形態の光導体及び支持体について記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現状では点灯装置用の更なる光導体を見出すことが望ましいであろう。光導体は、製造が容易かつ便利であり、低コストであることが望ましい。光導体は良好な光出力を有し、所望の又は要求される光出力及び最小限の消費電力を可能とすることが望ましい。自動車の用途においては、消費電力が低いことはかなり重要であることが一般的である。光導体が点灯装置内に低コストで容易にあるいは簡単に取り付け可能であることもまた、一般的に望まれるであろう。点灯装置内への光導体の取り付け及びその結果得られる点灯装置が、光学的性能に対する取り付けの容易さ及びコストにおいて良好な又は優れたバランスを有することが望ましい。特に可撓性の又は弾性の光導体については、光学的性能(すなわち、光出力)、取り付け容易性、及び信頼性の間の良好なバランスを見出すことが困難であることが証明されている。更に、光導体自体のコストを最小限に抑えるためには、廉価な材料を使用し異なる材料の使用を最小限に止めることが一般的に望まれる。この要求が、光導体の光学特性を最大限保持しながらコスト効率の良い取り付け方法を見出すことを更に面倒にすることが明らかになった。ドア部品、ルーフ部品などの車両の部品に簡単かつ確実に組み込み可能な点灯装置用の光導体を見出すことが特に望ましいであろう。また、点灯装置の光出力を損なうことなく、内部車両部品の安全面に加えてガタつき防止などの車両の要件が満たされることが望ましい。更に、光導体の性能は、典型的に光導体の表面に蓄積するほこり及び指紋などの影響を受けやすい。したがって、例えば車両などの最終用途に組み立てる前に、典型的に光導体を注意して取り扱う必要がある。これにより、光導体の取り扱い及び組み立てがより厄介になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一態様では、光導体を有する点灯装置を提供する。光導体は、光抽出面を画定する少なくとも1つの主面を有する。点灯装置は、光抽出面を画定する光導体の主面に配置された少なくとも1つの繊維層(典型的には不織又は織布繊維層)を更に有する。光抽出面において、点灯装置は、少なくとも1つの繊維層が光導体の主面に結合された複数の別個の結合領域を有する。
【0012】
特定の態様では、結合領域は、光抽出面で光抽出要素を画定する。このような構成は、例えば、車両内部の照明などの様々な用途に有用な、簡単、確実、かつ費用効率の高い点灯装置を典型的に提供する。点灯装置は、ガタつきなどを示すことなく、車両の部品に容易に組み込まれ得る。均一かつ良好な光出力を供給する一方で、自動車製造要件に従って、車両内部のカバーに典型的に使用される発泡体層又は布地カバー層などの更なる層を容易かつ費用効果的に点灯装置に結合することができる。また、繊維層は、光導体の表面を更に保護することから、ほこり及び指紋が蓄積する影響を受けにくくする。
【0013】
「光抽出面」という用語は、光源によって光導体に入射された光のかなりの部分又は大部分が放出される光導体の面を表すことを意味する。
【0014】
「別個の結合領域」という用語は、繊維層が光導体に結合されている個々の領域を表すことを意味する。結合領域は、光導体の屈折率と同等又はそれより高い屈折率を典型的に有する。結合領域が光導体の屈折率と同等又はそれより高い屈折率を有するとき、別個の結合領域は光導体の光抽出要素として機能できる。ただし、特定の実施形態では、結合領域の屈折率は、光導体の屈折率より低いことがある。結合領域の形状及び寸法は大きく異なっていてもよい。形状は、任意の規則的又は不規則な形状であってもよい。好適な形状には、一般に円形、楕円形、正方形、又は方形であり得る点が挙げられる。また、別個の結合領域は、望ましい場合には縞又は線であってもよい。典型的には、別個の結合領域の寸法は、2mm以下、例えば1.5mm以下、又は1mm以下、又は0.8mm以下、又は0.5mm以下であろう。一般に、別個の結合領域は、別個の結合領域が設けられる光導体の主面で光導体の全表面積のわずかな部分のみを占めるであろう。典型的には、別個の結合領域は、別個の結合領域が設けられる光導体の主面で全表面積の30%未満、例えば20%以下、又は10%以下を占めるであろう。特定の実施形態では、占有する表面の量は5%以下である。
【0015】
典型的には、点灯装置の光導体は、2つの対向する主面と、主面にほぼ垂直な主面間の少なくとも1つの面とを有する、立方体形状を有する。主面は、正方形又は方形の断面を有していてもよい。主面に垂直な1つ以上の面は、光入力面を画定してもよい。光入力面に入射した光は、光導体に沿って伝搬するであろう。断面が円形又は楕円形の主面を有する円盤形などの他の形状も、同様に考えられる。
【0016】
光源によって光導体の1面に入射した光は、光導体と空気などの周囲物質との境界面での全反射により、光導体の面内の直交する2方向(例えば、長さ及び幅)に実質的に沿って光導体に沿って一般に伝搬するであろう。
【0017】
好ましい実施形態では、結合領域は、光抽出面を画定する光導体の主面の表面で光抽出要素を画定する。結合領域が配置された光導体の内表面に当たる光は、光導体から、すなわち結合領域で光導体の光抽出面に結合された繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)の方向に、抽出されるであろう。所望の光出力によっては、光抽出面の切り欠き又は任意の他の手段などの更なる光抽出要素を必要としないことがある。これは、簡単かつ費用効率の高い点灯装置の製造を助ける。ただし、特定の実施形態では、更なる追加の光抽出要素が提供されることがある。
【0018】
一実施形態では、結合領域は、熱結合により提供されてもよい。光導体及び繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)は熱可塑性材料を含み、熱を点状に適用することで結合領域の生成を容易にし、光導体及び/又は繊維層のそれぞれの材料を融解し、それぞれ結合領域を形成することができる。
【0019】
別の実施形態では、結合は、超音波溶接又はレーザー溶接などの溶接により提供されてもよく、このことは、光導体及び/又は繊維層が結合領域の生成を容易にするために熱可塑性材料を含むことを意味する。結合は、それぞれの材料が融解して結合領域を形成するように、光導体と繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)との接点に超音波エネルギー又はレーザーを点状に適用することで達成されてもよい。このような溶接作業は、迅速かつ費用効果的に結合領域を与える方法を提供することができる。更なる(結合)材料は不要である。これは、簡単かつ費用効率の高い点灯装置の製造を更に助ける。
【0020】
更なる実施形態では、結合領域は、例えば感圧接着剤又はホットメルト接着剤を含む、接着剤により提供されてもよい。好適な接着剤は、硬化接着剤、溶媒型接着剤、又は水系接着剤であってもよい。典型的には、自動車産業で承認されている接着剤は、一般に低いガス放出性を示すため、特に点灯装置を車両に使用している場合に好適である。結合は、それぞれの材料が共に接着して結合領域を形成するように、それぞれ光導体及び/又は繊維層の表面に接着剤を点状又は面状に適用することで達成されてもよい。接着剤結合領域は、光導体又は繊維層が熱可塑性材料を含む必要がないため、有利である。また、接着剤の適用は、容易に費用効率の高い方法で行われ得る。これは、簡単かつ費用効率の高い点灯装置の製造を更に助ける。
【0021】
接着剤は、透明又は半透明であってもよい。接着剤は、光導体の屈折率と同等又はそれより高い屈折率を典型的に有する。
【0022】
別の実施形態では、結合領域は、光抽出面を画定する光導体の主面に印刷されてもよい。したがって、結合をもたらす材料は、スクリーン印刷などの印刷によって光導体の表面に適用されることができる。これには、接着剤、熱可塑性材料、又は架橋可能材料の適用が挙げられ得る。
【0023】
一実施形態では、光抽出要素は、光導体から光を抽出するために光導体の少なくとも1つの主面に提供され得る。特定の実施形態では、光抽出要素は、光抽出面を画定する主面の反対側の光導体の主面に配置される。例えば、欧州特許第594089号(Minnesota Mining and Manufacturing Companyの名義で)で細長い光導体に関して記載されるような光抽出面の反対側の光導体の主面の表面にある切り欠きは、上記のように配置され得る。例えば反射材により少なくとも1つの主面に形成された、他の光抽出要素も考えられる。別の実施形態では、光抽出要素は、少なくとも1つの主面に配置され、例えば光導体の表面のエッチング、粗面化、又はつや消しにより形成されてもよい。また、光導体の少なくとも1つの主面に形成された白色点も考えられる。
【0024】
光抽出要素を光導体の片面又は両面に形成できることは、当業者に理解される。また、本明細書に記載の光抽出要素を互いに組み合わせて及び/又は光抽出要素に相当する結合領域と組み合わせて使用できることは、理解されるべきである。
【0025】
別の実施形態では、光抽出要素は、光抽出面の反対側の光導体の主面に配置された材料により提供されてもよい。特定の実施形態では、光抽出要素は、例えばスクリーン印刷により、光抽出面の反対側の光導体の主面に印刷されてもよい。光抽出要素は、反射材を含むことができる。
【0026】
一実施形態では、点灯装置は、規則的又は不規則なパターンで配置される結合領域を含む。これは、例えば一定の光抽出が求められるとき、上記の結合領域が光抽出要素を形成する場合に特に有用である。例えば、光導体の面内の少なくとも1方向に沿って光導体から抽出される光の量は、異なっていてもよい。
【0027】
一実施形態では、結合領域の密度は、光導体の少なくとも1つの主面の面内の少なくとも1方向(例えば、長さ方向)で異なっていてもよい。例えば、個々の結合領域間の間隔は、1方向又は互いに垂直な両方向及び光導体の面内で増加又は減少してもよい。一般に、高密度の光抽出要素は、より多くの光抽出をもたらす。更に、一定密度の光抽出要素を有する光導体では、光源からの距離が増すにつれて典型的に光抽出が減少する。
【0028】
例えば、光導体の面内の少なくとも1つの直交方向(例えば、長さ方向)で光導体の光抽出面に沿ってほぼ均一な出力照明を維持するには、光源からの距離が増すにつれて連続する結合領域の間隔を減少させる。
【0029】
点灯装置に使用するための光導体は、中空又は中実の光導体であってもよい。光導体は厚さが大きく異なってもよいが、典型的な実施形態では、光導体は10mm以下、例えば3mm以下又は2mm以下の厚さを有するであろう。光導体は、典型的には(標準許容誤差の範囲内で)おおむね均一な厚さを有することができるが、側面に沿って厚さが異なる光導体(例えば、先細の光導体)を使用することも想到される。
【0030】
点灯装置が薄型又は軽量であるほど、点灯装置は可撓性になり得、点灯装置は魅力的になり得る。また、薄型の点灯装置は、典型的に更なる組み立ての柔軟性を提供するであろう。更に、より薄型の点灯装置はより軽量でもあると考えられるため、例えば自動車、バス、トラック、又は鉄道車両などの動力車の部品としてこのような点灯装置を含む自動車の燃料消費を軽減するのに役立つことができる。本発明による点灯装置は、その他の車両にも同様に使用することができる。
【0031】
特定の実施形態では、点灯装置の光導体は、内部に光散乱粒子が分散された透明な高分子材料を含む中実な光導体である。特定の実施形態では、光導体に使用される光散乱粒子は、光導体が作製される透明な高分子材料の屈折率とは異なる屈折率を有することができる。したがって、光導体に光散乱をもたらすための粒子の屈折率と、粒子が分散されたマトリックスを形成する透明な高分子材料の屈折率とは、互いに異なる。屈折率間の差は、光導体の高分子マトリックス内で光の最適な散乱を得るように、かつ光導体内で光の所望の均一分布を達成するように、当業者により都合よく選定可能である。
【0032】
光導体は、ポリウレタン、ポリカーボネート、又はポリメチルメタクリレートを含むことができる。光導体は、熱可塑性ポリマー又は架橋ポリマー、例えば熱硬化性ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂を含むことができる。
【0033】
一実施形態では、光導体は、架橋ポリマーの層と、結合層を画定する熱可塑性ポリマーの層とを含んでいてもよい。これにより、光導体が架橋ポリマーを実質的に含む場合でも、熱結合及び/又は溶接を伴う繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)の光導体への結合作業が可能になる。光導体の結合層は、光抽出面を画定する光導体の主面に、すなわち繊維層に面して、配置されてもよい。その場合、結合層は、光抽出面を画定する光導体の主面に相当する。更に、結合層中の熱可塑性材料は、典型的に光導体と同等の屈折率を有する。あるいは、結合層の屈折率は、光導体に比べて高くてもよい。
【0034】
更なる実施形態では、点灯装置は、その製造中に非架橋ポリウレタンを含む別個の結合領域をその光抽出面に含んでいてもよく、非架橋ポリウレタンは、架橋又は硬化工程後に別個の結合領域を形成するであろう。光導体は、この場合、既にそれぞれ架橋又は硬化されているが、架橋可能なポリウレタンからも構成され得る。非架橋材料を適用した後、非架橋ポリウレタンを含む結合領域に接するように光抽出面に繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)を配置し、この配置を架橋又は硬化工程へ送ると、繊維層は光導体の光抽出面に結合されるであろう。非架橋ポリウレタンの屈折率は、典型的に光導体の屈折率と同等である。
【0035】
更なる実施形態では、例えば光導体を形成する層を繊維層上に押し出すことにより、光導体を繊維層の表面に形成することができる。それにより、繊維層の繊維は、光導体を形成する層に少なくとも部分的に埋め込まれることができ、それによって光導体を繊維層に結合することができる。別個の結合領域を2層間に形成するために、繊維層及び/又は光導体に部分的に圧力を加えてもよい。
【0036】
更に別の実施形態では、光導体は、その光抽出面に接着剤を含む別個の結合領域のパターンを含み、反対側の主面に連続的な接着剤の層を含んでいてもよい。この場合、光導体の主面に全体的にコーティングされた接着剤は、光導体の屈折率より低い屈折率を有していてもよく、例えば反射材であってもよい。
【0037】
一実施形態では、光導体は、実質的に曲げることができないように剛性である。特定の実施形態において、光導体は可撓性であり、好ましくは弾性でもある。光導体を形成するために使用できる一般的な材料はポリウレタンであり、特に架橋ポリウレタンである。「ポリウレタン」という用語は、多官能イソシアネートとポリオールとの反応生成物であって他の構成成分を含み得るポリマーを意味する。
【0038】
光導体に使用できるその他の材料としては、ポリアクリレート類及びシリコーン類が挙げられる。
【0039】
点灯装置は、繊維層を含む。繊維層は、典型的に半透明である。半透明の繊維層は、典型的に光の少なくとも20%、例えば少なくとも50%を繊維層に透過させることができる。一般に、半透明の繊維層は、20g/m〜500g/m、例えば50g/m〜250g/mの基材重量(base weight)を有することができる。
【0040】
好ましい実施形態では、繊維層は、その光導体に面していない主面にポリコートがコーティングされていてもよい。好適な繊維層は、Pegas Nonwovens(Znojrno,Czechia)から市販されている、50g/mの坪量及び2デニールの繊維寸法を有するPegatex−S型の不織繊維層を含むことができ、その1面には不織繊維層上に押し出された28g/mのポリエチレン/ポリプロピレン混合物がコーティングされており、ポリコート層を形成している。このようなコーティングされた不織繊維層は、結合領域による光抽出に対する悪影響を有し得る、装着用接着剤(光導体の光抽出面の反対側の面で点灯装置を車両部品に装着するために使用される)の不織繊維層内への浸透又は不織繊維層を介した浸透を最小化又は防止するであろうという利点を有する。
【0041】
本発明は、更なる態様では、点灯装置の製造方法であって、
−光抽出面を画定する少なくとも1つの主面を有する光導体を提供する工程と、
−光抽出面を画定する光導体の主面に繊維層(典型的には織布又は不織繊維層)を設ける工程と、
−光抽出要素を画定する光導体の少なくとも1つの主面に複数の別個の結合領域で繊維層を光導体に結合する工程と、
を含む方法を提供する。
【0042】
この方法により、製造が容易で費用効率の高い点灯装置がもたらされる。このような点灯装置は、ドア部品又はルーフ部品などの車両の部品に容易かつ確実に組み込まれることもできる。
【0043】
特定の実施形態では、点灯装置は光源を更に含む。光源は、発光ダイオード(LED)を含んでいてもよい。特定の実施形態では、点灯装置は、例えばNichia(Tokyo,Japan)から市販されているNSSW 088T型などの、側方LEDを含んでいてもよい。側方LED型のLEDは、例えばプリント基板上に表面実装され得るため(SMD装置)、光源及び点灯装置の小型構成体を提供する。一般に、他のSMD型LEDは、小型構成体に好適なことがある。
【0044】
一実施形態では、点灯装置は、光源の周囲に配置された反射材を含むことができる。このような反射材は、2つの対向する主面を有していてもよく、一方の主面がそれぞれ光源、光導体、及び繊維層に面していてもよい。この主面は、拡散反射材又は鏡面反射材を含んでいてもよく、その結果、光抽出面を画定する繊維層の主面からの発光の損失と考えられる、光源によって光導体から又は繊維層から放射された光は、反射されてそれぞれ光源、光導体、及び/又は繊維層に戻される。それにより、このような光の損失が減少するため、照明が更に増強され得る。
【0045】
一態様では、本発明は、周囲照明を用いて照明するための上記の光導体の用途を提供する。更に別の態様では、本発明は、上記の点灯装置を含む車両を提供する。また別の態様では、本発明は、例えば車両内部の照明が提供され得る車両内に、周囲照明を提供するための点灯装置の用途を提供する。この実施形態によると、点灯装置は、車両のドア又はルーフに配置される。点灯装置は、典型的に、周囲照明を提供する車両内部の照明のために、例えばドア部品又はルーフ部品などの車両の部品に容易に組み込まれ得る。したがって、点灯装置は、光抽出面を画定する主面の反対側の主面でドア部品又はルーフ部品などの車両の基材に結合され得る。
【0046】
この態様では、点灯装置は、光抽出面を画定する主面の反対側の光導体の主面に配置された第2の繊維層(例えば、織布又は不織)を更に含むことができる。第2の繊維層は、連続した又は不連続な接着層により基材に結合されてもよい。発泡体層などの更なる層を繊維層上に配置し、連続した又は不連続な接着層により繊維層に結合してもよい。発泡体層の上に、カバー布地などの更なるカバー層を配置し、連続した又は不連続な接着層により発泡体層に結合してもよい。このような布地カバーは、車両の内部に面するドア又はルーフの側面をカバーするために典型的に使用される。更に、光を光導体の1面に入射させるように光源を配置してもよい。光源を固定及び/又は装着する手段を設けてもよい。
【0047】
光源によって光導体に入射された光は、光導体に沿って(光導体の主面間で)伝搬すると考えられ、光抽出面に設けられた光抽出要素により及び/又はこのような光抽出要素として機能する光抽出面を画定する主面の結合領域により抽出され得る。光抽出面を画定する光導体の主面から抽出された光は、典型的に光抽出面を画定する光導体の主面に配置された繊維層に入射されるであろう。光は、一般に、そこから発泡体層及び/又は布地カバーなどの更なる層に少なくとも部分的に放射され、更に車両の内部に放射されるであろう。車両内部の周囲照明は、それによって達成され得る。
【0048】
点灯装置に余分なスペースは不要であってもよい。車両又はドア部品若しくはルーフ部品などの車両部品の製造も簡素化することができる。
【0049】
更なる態様では、本発明は、点灯装置のロールを提供する。この態様では、光導体は、点灯装置をロールに巻き取ることができるように点灯装置の可撓性を付与する可撓性材料を含む。点灯装置の他の層又は構成要素、すなわち繊維層、結合領域、任意の更なる接着剤も、典型的に可撓性である。これは、点灯装置の製造時及び点灯装置が使用され得る車両の製造時にも有利なことがある。自動車メーカーは、点灯装置を車両に組み込む前に、ロール状の点灯装置を在庫に持つことができる。車両の製造時又は点灯装置の車両への組み込み時に、自動車メーカーは、簡単に点灯装置のロールを供給し、寸法及び形状への切断を含む点灯装置の必要量をロールから引き出し、製造及び/又は組み込みを続行することができる。これは、コスト面で有利であり、かつ/又は製造若しくは組み込みの時間を短縮することができる。
【0050】
以下は、実施形態の概要である。
【0051】
1.
−光抽出面を画定する少なくとも1つの主面を有する光導体と、
−光抽出面を画定する光導体の主面に配置された少なくとも1つの繊維層と、を含み、
−少なくとも1つの繊維層が、光抽出面を画定する光導体の主面に複数の別個の結合領域で結合される、点灯装置。
【0052】
2.複数の別個の結合領域が光抽出要素を画定する、実施形態1に記載の点灯装置。
【0053】
3.光導体が光抽出要素を更に含む、実施形態1又は2のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0054】
4.光導体がポリウレタン、ポリカーボネート、又はポリメチルメタクリレートを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0055】
5.光導体が熱可塑性ポリマー又は架橋ポリマーを含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0056】
6.光導体が架橋ポリマーの層と、熱可塑性ポリマーを含む結合層と、を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0057】
7.少なくとも1つの繊維層が熱結合により光導体の主面に結合される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0058】
8.少なくとも1つの繊維層が溶接により光導体の主面に結合される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0059】
9.溶接の手段に超音波溶接又はレーザー溶接が含まれる、実施形態8に記載の点灯装置。
【0060】
10.少なくとも1つの繊維層が接着剤により光導体の主面に結合される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0061】
11.接着剤の手段に感圧接着剤又はホットメルト接着剤が含まれる、実施形態10に記載の点灯装置。
【0062】
12.結合領域が規則的又は不規則なパターンで配置される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0063】
13.光導体が中実の光導体である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0064】
14.光導体が可撓性材料を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0065】
15.結合領域が、光抽出面を画定する少なくとも1つの主面の大部分に配置される、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0066】
16.光抽出面を画定する主面の反対側の主面に光抽出要素を更に含み、光導体の面内の少なくとも1方向に沿って密度が異なる、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0067】
17.光源と、光源の周囲に配置された反射材とを更に含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0068】
18.光導体の少なくとも1つの主面に配置された拡散反射材又は鏡面反射材を更に含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0069】
19.繊維層が不織繊維層である、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0070】
20.実施形態1〜19のいずれか1つに記載の点灯装置の製造方法であって、
−光抽出面を画定する少なくとも1つの主面を有する光導体を提供する工程と、
−光抽出面を画定する光導体の主面に繊維層を設ける工程と、
−光抽出要素を画定する光導体の少なくとも1つの主面に複数の別個の結合領域で繊維層を光導体に結合する工程と、を含む方法。
【0071】
21.光抽出面を画定する少なくとも主面に配置された繊維層を有する光導体をロールに巻き取る工程を更に含む、実施形態20に記載の点灯装置の製造方法。
【0072】
22.点灯装置がドア又はルーフに配置された、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の点灯装置を含む車両。
【0073】
23.周囲照明を用いて照明するための実施形態1〜19のいずれか1つに記載の点灯装置の使用。
【0074】
24.周囲照明を用いて車両の内部を照明するための実施形態1〜19のいずれか1つに記載の点灯装置の使用。
【0075】
25.実施形態14〜19のいずれか1つに記載の点灯装置のロール。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】点灯装置の第1の実施形態の斜視図。
図2図1に示す点灯装置の断面図。
図3図1に示す点灯装置の上面図。
図4】光源を備えた図1に示す点灯装置の構成の斜視図。
図5図4に示す点灯装置の断面図。
図6図4に示す点灯装置の上面図。
図7図1に示す点灯装置のロールの斜視図。
図8】点灯装置の別の実施形態の斜視図。
図9図8に示す点灯装置の断面図。
図10】車両に配置された第1又は第2の実施形態による点灯装置。
図11】車両に配置された第1又は第2の実施形態による点灯装置。
図12】点灯装置の第3の実施形態の斜視図。
図13図12に示す点灯装置の断面図。
図14】線X−Xに沿って切断した図10又は11に示す実施形態の斜視図。
図15】線X−Xに沿って切断した図10又は11に示す実施形態の断面図。
図16】点灯装置の別の実施形態の斜視図。
図17図16に示す別の実施形態の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0077】
ここで以下の説明的な実施形態及び実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明をこれらに限定する意図はない。
【0078】
図1及び2は、光抽出面26を画定する第1主面22を有し、主面22の反対側の第2主面24を有する、光導体20を含む、点灯装置10の第1の実施形態を示す。更に、発光面36を画定する第1主面32を有し、主面32の反対側であり、光導体20に面する第2主面34を有する、不織繊維層30を図1及び2に示す。
【0079】
複数の結合領域40は、光抽出面26を画定する光導体の主面22で光導体20に配置される。不織繊維層30は、結合領域40で光導体20に結合されている。
【0080】
図1は、複数の結合領域40の配列をパターン、すなわち平行列で示しており、これは図1及び2に示す実施形態の上面図を表す図3でも見られる。図2では、結合領域の1列のみが見られる。結合領域40の更なる列は、不織繊維層30の下に配置されているため、点線で示されている。
【0081】
図4〜6は、光源50を備えた図1〜3に示す点灯装置10の構成を示す。図4及び6に見られるように、光源50は、主面22、24に垂直な光導体20の面の1つに平行に配置され、光導体20のその面に光を結合する。
【0082】
光導体20の1面に当たる光は、光導体20に入射し、光導体20の面内の2つの方向に実質的に沿って伝搬されるであろう。主面に当たる光は、反射されて光導体20内に戻ることができる。結合領域40が配置された位置に光が当たると、光は光導体20から不織繊維層30に(すなわち、実質的に方向Hに)抽出され得る(図5参照)。
【0083】
図7は、図1に示す点灯装置10のロールの斜視図である。点灯装置10は、可撓性光導体20と、光抽出面26を画定する光導体20の主面22に結合された不織繊維層30と、を含む。点灯装置10の製造後、点灯装置をロールに巻き取ることができる。説明のために、点灯装置10は、光導体20、不織繊維層30、及び結合領域40の1列を示すために部分的にロールから引き出されている。結合領域40の更なる列は、点線で示されている。
【0084】
この実施形態では、光導体20及び不織繊維層30は可撓性である。結合領域40は可撓性であってもよく、すなわちある単一の結合領域40が可撓性であってもよく、又は結合領域40は点灯装置10の可撓性を妨げないように十分に小さくてもよい。任意の更なる層又は構成要素(例えば、接着剤)も、典型的に可撓性及び/又は弾性である。
【0085】
図8及び9は、光導体20が不織繊維層30に面する結合層20’を含む、点灯装置10の別の実施形態を示す。結合層20’は、不織繊維層30の光導体20への熱結合又は溶接を容易にするために熱可塑性材料を含む。図8及び9は、結合領域40の1列のみを示しており、図8では結合領域40の更なる列は点線で示されている。
【0086】
図10及び11は、車両に組み込まれた点灯装置10を示す。図示するように、点灯装置は、点線で示すようにドアパネルに配置されている(点灯装置10は、図10では発泡体層、更なる接着層、及び/又は布地カバー層などの更なる層で覆われており、図11ではシートメタル及び/又はドアの更なる層で覆われている)。更に、車両のルーフパネル内の点灯装置10の組み込みが点線で示されている(この透視図では、点灯装置10はルーフのシートメタルで覆われている)。
【0087】
点灯装置10の車両又はその部品(例えば、ドア又はルーフ)への組み込みに関する詳細は、図14及び15に見ることができる。
【0088】
図12及び13は、光源50の周囲に配置された反射材60を含む点灯装置10の第3の実施形態を示す。反射材60は、対向する主面を有し、一方の主面がそれぞれ光源50、光導体20、及び不織繊維層30に面する。この主面は、拡散反射材又は鏡面反射材を含み、その結果、不織繊維層30の主面36からの発光が損失すると考えられる(36は図12及び13には示されていない、図1〜9参照)、光源50によって光導体20から又は不織繊維層30から放射された光は、反射されてそれぞれ光源50、光導体20、又は不織繊維層30に戻される。それにより、このような光の損失が減少するため、照明が更に増強され得る。
【0089】
図14及び15は、線X−Xに沿って切断した図10又は11に示す実施形態、すなわち車両に組み込まれている点灯装置10を示す。図1〜6に示す点灯装置10に加えて、点灯装置10は、不織繊維層30を光導体20の主面22に結合領域40で結合するのと同様に、光導体20の下方主面24に配置されてそこに複数の結合領域40’で結合された、第2の不織繊維層30’を更に含む。更に、点灯装置は、ドアパネル又はルーフパネルなどの基材90に配置される。したがって、第2の不織繊維層30’は、一方では、連続又は不連続であり得る接着層74により基材90に結合される。もう一方では、不織繊維層30’は、光抽出面26を画定する主面22の反対側の主面24上で光導体20に結合される。発泡体層70は、(第1)不織繊維層30上に更に配置され、連続又は不連続であり得る接着層72により不織繊維層30に結合される。発泡体層70の上に、カバー布地80などの更なるカバー層を配置し、連続又は不連続であり得る接着層76により発泡体層70に結合してもよい。このような布地カバー80は、車両の内部に面するドア又はルーフの側面を覆うために典型的に使用される。更に、光を光導体20の面のうち1つの面に入射させるように光源50が配置される。光源50を固定及び/又は装着する手段が設けられるが、簡略化のために図14及び15には示していない。
【0090】
光導体20の上方主面22から抽出された光は、不織繊維層30に入射されるであろう。光は、少なくとも部分的にそこから発泡体層70及び布地カバー80に放射され、更に車両の内部に放射されるであろう。車両内部の周囲照明は、それによって達成されるであろう。
【0091】
図16及び17は、結合領域40の密度が光導体20の面内の少なくとも1方向、例えば図14及び15に示すLと表記した矢印で示すような長さ方向Lで異なる、点灯装置10の別の実施形態を示す。これは、光抽出要素として機能する個々の結合領域40の間隔が所望の効果に応じて当該方向で増加又は減少してもよいことを意味する。光導体20の面内の少なくとも1方向で光導体20の光抽出面26に沿ってほぼ均一な出力照明を維持するには、光抽出要素として機能する直前の結合領域40によって光導体20から反射した光を補うために、連続する結合領域40の間隔を連続的に減少させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17