特許第6249791号(P6249791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249791
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】目盛リング照明装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/28 20060101AFI20171211BHJP
   G01D 13/20 20060101ALI20171211BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20171211BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G01D11/28 L
   G01D13/20
   B60K35/00 Z
   G09F13/18 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-10670(P2014-10670)
(22)【出願日】2014年1月23日
(65)【公開番号】特開2015-137981(P2015-137981A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】船田 泰史
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−247357(JP,A)
【文献】 特開2006−214953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/28
B60K 35/00
G01D 13/20
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針回動領域を有する文字板と、該文字板の表面側に、前記指針回動領域を取り囲むように設置された目盛リングと、前記文字板の裏面側に、少なくとも前記指針回動領域を取り囲むように設置されて、光源からの光を前記文字板へ導く導光板とを有し、
前記文字板が、前記目盛リングの底面部に沿って延び、前記導光板からの光を通す透光部を有し、前記目盛リングが、前記透光部を通った光によって照明される透光性の目盛部を有する目盛リング照明装置において、
前記導光板の外周部分の裏面側に、前記目盛リングに設けた目盛部よりも外側に位置して、導光板の内部に導かれた光の一部を、前記目盛リングの外側面へ向けて反射させる反射面部を凹設形成したことを特徴とする目盛リング照明装置。
【請求項2】
前記反射面部は、一部が前記目盛部の下側まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の目盛リング照明装置。
【請求項3】
前記反射面部は、前記導光板の周方向に対し、不連続、或いは、部分的に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の目盛リング照明装置。
【請求項4】
前記反射面部が多段に設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の目盛リング照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目盛リング照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、車室の前部に、各種の運転情報を表示するための車両用計器装置が設けられている。そして、この車両用計器装置には、夜間照明や加飾照明などを行うための照明装置が備えられている(例えば、特許文献1参照)。このような車両用計器の照明装置には、車両用計器装置の文字板の表面に設置された目盛リングを照明するようにした目盛リング照明装置などが存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4758953号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した目盛リング照明装置では、目盛リングに形成された目盛部の照明が状況によって暗く見えるような現象が生じる場合があった。
この現象は、目盛部を見る位置および角度や目盛部の表面での光の屈折などによって、目盛部(光透過部)の奥にある暗い部分が外部から覗かれてしまうことによるものである。なお、リング本体内部の暗い部分とは、リング本体の外側面のことである。
そのため、従来は、リング本体の外側面に、光の反射率が高い白色塗装を施すことによって、外部から覗かれた場合でも、目盛リングの照明を暗く感じさせないようにしていた。
しかし、上記した白色塗装は、マスク塗装などの塗装手段によって、リング本体の外周面に部分的に施されるものであるため、コストや手間が掛かっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記した問題点を解決し、白色塗装をなくしても目盛の照明が暗く見える現象が生じないようにすることを、主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、指針回動領域を有する文字板と、該文字板の表面側に、前記指針回動領域を取り囲むように設置された目盛リングと、前記文字板の裏面側に、少なくとも前記指針回動領域を取り囲むように設置されて、光源からの光を前記文字板へ導く導光板とを有し、前記文字板が、前記目盛リングの底面部に沿って延び、前記導光板からの光を通す透光部を有し、前記目盛リングが、前記透光部を通った光によって照明される透光性の目盛部を有する目盛リング照明装置において、
前記導光板の外周部分の裏面側に、前記目盛リングに設けた目盛部よりも外側に位置して、導光板の内部に導かれた光の一部を、前記目盛リングの外側面へ向けて反射させる反射面部を凹設形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、導光板の外周部分の裏面側に前記目盛リングに設けた目盛部よりも外側に位置する反射面部を凹設形成した。そして、導光板の内部に導かれた光の一部が、反射面部により、目盛リングの外側面へ向けて反射されるようにした。これにより、目盛リングの外側面の内側が反射面部で反射された光に照らされて明るくなる。よって、外側から目盛部を透して目盛リングの外側面が覗かれた場合でも、目盛リングの外側面の内側が明るく照らされているので、目盛部の照明が暗く見えることが防止される。そのため、目盛リングの外側面に白色塗装を行う必要がなくなり、その分、コスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例にかかる車両用計器照明装置を手前側から見た正面図である。
図2図1をA−A線に沿って切断した断面図である。
図3図1に導光板を加えた正面図である。
図4】目盛リングの目盛部以外の位置での断面図(拡大図)である。
図5図3の変形例を示す正面図である。
図6図5の変形例を示す正面図である。
図7図2の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1図7は、この実施の形態の実施例およびその変形例を説明するためのものである。
【実施例1】
【0010】
<構成>以下、構成について説明する。
自動車などの車両には、車室の前部に、各種の運転情報を表示するための車両用計器装置1が設けられている。そして、この車両用計器装置1には、夜間照明や加飾照明などを行うための照明装置(即ち、車両用計器照明装置2)が備えられる。このような車両用計器照明装置2として、車両用計器装置1の文字板5の表面に設置された目盛リング25を照明するようにした目盛リング照明装置が設けられる。
【0011】
先ず、車両用計器装置1について説明する。図1は、車両用計器装置1の文字板5を示すものであり、速度計11やエンジン回転数計12などを一体に有するコンビネーションメータのものとされている。文字板5には、その他に、各種の警告灯などの点灯式表示装置17やパネル式表示装置18などが備えられている。
【0012】
文字板5には、速度計11やエンジン回転数計12などのための指針回動領域21が設けられており、指針回動領域21には数値表示部23が設けられている。また、文字板5の表面側には、上記指針回動領域21を取り囲むようにして、目盛部24を有する目盛リング25が設置されている。
【0013】
このような文字板5は、図2に示すようなハウジング27の表面側に取付けられている。また、ハウジング27の裏面側には、回路基板28が取付けられている。この回路基板28には、図示しない指針を駆動するためのアクチュエータ29などが取付けられている。
【0014】
次に、車両用計器照明装置2について説明する。文字板5の裏面側とハウジング27の表面側との間には、光源6(図3参照)からの光Lを文字板5へ導く導光板8が設けられている。そして、文字板5の数値表示部23が透光部4とされる。そのために、文字板5は、透明な樹脂製の板材に透光部4となる数値表示部23などを残して、不透光性の印刷層を形成したものとされる。導光板8は、図3に示すように、指針回動領域21を覆うようにして円弧状に延びる本体部分36と、光源6からの光Lを入光する入光部37とを有している。これらの構成によって、文字板照明装置が構成される。
【0015】
次に、目盛リング照明装置について説明する。図2に示すように、文字板5に、目盛リング25の底面部51(図4参照)に沿って延び、導光板8からの光Lを通す透光部4(目盛リング用透光部61)を形成する。この目盛リング用透光部61は、数値表示部23と同様にして形成される。そして、目盛リング25の目盛部24を、上記透光部4を通った光によって照明される透光性の光透過部56とする。
【0016】
そのために、図4に示すように、目盛リング25は、透明な樹脂製のリング本体52の内側面54(または内周面)および外側面57(または外周面)に、中間塗装53bと、仕上塗装53cとが順に施されることで塗装部53を構成している。目盛リング25は、外側面57が文字板5に対してほぼ直角となるほぼ直角三角形状の断面を有するものとされている。
【0017】
そして、以上のような基本的または全体的な構成に対し、この実施例は、以下のような構成を備えている。
【0018】
(構成1)図2に示すように、上記導光板8の外周部分の裏面側に、目盛リング25に設けた目盛部24よりも外側に位置して、導光板8の内部に導かれた光Lの一部を、上記目盛リング25の外側面57へ向けて反射させる反射面部42(外側方向反射面部58)を凹設形成する。なお、図2に示すように、反射面部42は、一部が目盛部24の下側まで延びるようにしても良い。
【0019】
ここで、上記した反射面部42は、側面視逆V字状をした凹部などにおける内周側の傾斜面とする。この反射面部42は、導光板8の裏面に対して、概ね15°〜30°の角度を成すように形成される。この反射面部42は、図3に示すように、全ての目盛部24の下側を通るような連続した円弧状の溝部としても良い。また、この反射面部42は、図5に示すように、全ての目盛部24の下側に位置する不連続のものとしても良い。更に、この反射面部42は、図6に示すように、外部から暗く見える目盛部24(暗く見える部分41)のみの下側に位置する部分的なものとしても良い。
【0020】
(構成2)図7に示すように、上記反射面部42は、多段に設けるようにしても良い。
【0021】
ここでは、上記した反射面部42は、指針回動領域21の半径方向に対して2段に設けるようにしている。内周側に位置する反射面部42は、外周側に位置する反射面部42よりも浅いものとするのが、導光板8内の光Lを妨げないようにする上では好ましい。なお、上記した反射面部42は、平坦面状のものとしても、曲面状のものとしても良い。反射面部42を曲面状のものとした場合には、目盛リング25の外側面57を照らす範囲を広げることが可能となる。
【0022】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
光源6からの光Lは、導光板8の内部を導かれ、導光板8の表面から文字板5の透光部4を通して、底面部51から目盛リング25の内部へ入る。これにより、目盛リング25に形成された目盛部24が照明される。
【0023】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
導光板8の外周部分の裏面側に目盛リング25に設けた目盛部よりも外側に位置する反射面部42を凹設形成した。そして、導光板8の内部に導かれた光Lの一部が、反射面部42により目盛リング25の外側面57へ向けて反射されるようにした。これにより、目盛リング25の外側面57(の塗装部53)の内側が反射面部42で反射された光Lに照らされて明るくなる。よって、外部から目盛部24を透して目盛リング25の外側面57が覗かれた場合でも(視線E)、目盛リング25の外側面57(の塗装部53)の内側が明るく照らされているので、目盛部24の照明が暗く見えることが防止される。そのため、目盛リング25の外側面57に白色塗装53aを行う必要がなくなり、その分、コスト低下を図ることができる。
【0024】
また、反射面部42は、多段に設けるようにしても良い。これにより、導光板8の内部に対する反射面部42の深さを浅くして、反射面部42によって導光板8の内部に導かれる光Lが妨げられ難くすることができる。そのため、光Lを有効に使用することができるようになる。また、多段に設けられた反射面部42によって、目盛リング25の外側面57を照らす範囲を広げることができる。
【符号の説明】
【0025】
4 透光部
5 文字板
6 光源
8 導光板
21 指針回動領域
24 目盛部
25 目盛リング
42 反射面部
51 底面部
57 外側面
L 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7