(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動部は、前記階調パターンと前記参照パターンとの階調値の差分に基づき、前記目標階調値に応じた駆動電圧よりも高い電圧にて前記液晶表示パネルを駆動するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る液晶表示装置は、フレームメモリ11、切替部12、第1視野角改善処理部13、第2視野角改善処理部14、オーバシュート処理部15(以下、OS処理部15という)、及び液晶表示パネル16を備える。本実施の形態では、外部から順次入力されるフレーム単位の階調データに基づいて画像表示を行う第1表示方式、及び階調データの入力を停止した状態で、フレームメモリ11に記憶した階調データに基づき画像表示を行う第2表示方式(PSR機能)の何れか一方を選択可能としている。
【0017】
なお、表示方式の選択については、ユーザからの選択操作を受付けたときに表示方式を一方から他方に切り替える構成としてもよく、液晶表示装置内部の制御部(不図示)が適宜のタイミングで切り替える構成としてもよい。
【0018】
第1表示方式が選択されている場合、フレームメモリ11には、フレーム単位の階調データが時系列的に順次入力される。フレームメモリ11は、1フレーム分の階調データを記憶する記憶容量を有しており、新たなフレームに対応した階調データが入力された場合、前フレームの階調データは新たに入力されたフレームの階調データによって上書き消去される構成としている。
【0019】
切替部12には、第2表示方式が選択されているか否かを示す信号(すなわち、PSR機能のオン/オフを示す信号)が入力され、その信号に応じて表示すべき階調データの入力源を切替える機能を有する。
【0020】
第2表示方式が選択されていないことを示す信号(PSR機能のオフを示す信号)が切替部12に入力された場合、第1表示方式にて画像表示を行うために、切替部12は、外部から順次入力されるフレーム単位の階調データを後段の第1視野角改善処理部13へ送出する。外部から順次入力されるフレーム単位の階調データはフレームメモリ11にも送出され、フレームメモリ11にて記憶される。第2視野角改善処理部14は、切替部12が階調データを第1視野角改善処理部13へ送出するタイミングに同期して、フレームメモリ11に記憶されている1つ前のフレームの階調データを読み出して取得する。すなわち、第1表示方式にて画像表示を行う場合、第1視野角改善処理部13には、N番目のフレームに対応した階調データが切替部12を経由して入力され、第2視野角改善処理部14には、N−1番目のフレームに対応した階調データがフレームメモリ11を経由して入力される。
【0021】
第2表示方式が選択されていることを示す信号(PSR機能のオンを示す信号)が切替部12に入力された場合、第2表示方式にて画像表示を行うために、表示すべき階調データの入力源をフレームメモリ11に切替える。このとき、フレームメモリ11への新たな階調データの入力は停止される。第1視野角改善処理部13は、フレームメモリ11に記憶されている特定のフレームの階調データを読み出して取得する。また、第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13がフレームメモリ11から階調データを読み出すタイミングに同期して、フレームメモリ11に記憶されている階調データを読み出して取得する。すなわち、第2表示方式にて映像表示を行う場合、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14には、フレームメモリ11に記憶されている特定のフレームの階調データが入力される。
【0022】
第1視野角改善処理部13は、液晶表示パネル16に表示すべき現フレームの画像における各画素の目標階調値を定めた階調パターンを生成する。第1視野角改善処理部13が生成する階調パターンは、隣接する2つの画素の階調値を所定値以上異ならせたパターンであり、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶ千鳥状のパターンである。また、第1視野角改善処理部13は、フレーム毎に高階調の画素と低階調の画素とを切替え、後段のOS処理部15に階調パターンを送出する。
【0023】
高階調の画素と低階調の画素とを空間的に交互に配置した階調パターンを生成し、その階調パターンに基づき液晶表示パネル16を駆動することにより、中間階調の画像を表示することができ、液晶表示パネル16を斜め方向から見たときに中間階調が白浮きすることが抑制される。本実施の形態では、高階調の画素と低階調の画素とを1画素毎に交互に配置した千鳥状のパターンとしているので、画像の精細感を高めることができる。また、高階調の画素と低階調の画素とを時間的に切り替えるので、輝度を平均化することができ、千鳥状のサブ画素を目立たなくすることができる。
【0024】
第2視野角改善処理部14は、液晶表示パネル16に表示すべき現フレームより1つ前のフレームの画像に対する階調パターンと同一のパターンを参照パターンとして生成する。すなわち、第2視野角改善処理部14が生成する参照パターンは、階調パターンと同様に、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶ千鳥状のパターンであり、第1視野角改善処理部13でN番目のフレームの階調パターンを生成する場合、N−1番目のフレームの階調パターンに相当するパターンを参照パターンとして生成する。第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13に同期して後段のOS処理部15に参照パターンを送出する。
【0025】
なお、第1表示方式が選択されている場合には、第1視野角改善処理部13がN番目のフレームの階調データを取得したことに同期して、第2視野角改善処理部14がN−1番目のフレームの階調データをフレームメモリ11から取得することにより、第1視野角改善処理部13が生成する階調パターンと第2視野角改善処理部14が生成する参照パターンとの間で1フレーム分だけフレームをずらすことができる。一方、第2表示方式が選択されている場合には、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14は、共にフレームメモリ11に記憶されている階調データを読み出して取得する。したがって、厳密には両者の間でフレームを1フレーム分だけずらすことはできないが、生成するパターンを1フレーム分だけずらしたパターンとすることにより、疑似的に1フレーム分だけずらしたフレームを生成することができる。
【0026】
OS処理部15は、第1視野角改善処理部13から送出される階調パターン、及び第1視野角改善処理部13に同期して第2視野角改善処理部14から送出される参照パターンを取得し、階調パターン及び参照パターンに基づき液晶表示パネル16をオーバドライブする。階調パターンは、表示すべき現フレームの画像における各画素の目標階調値を定めたものであり、参照パターンは、現フレームより1つ前のフレームにおける各画素の階調値を示すパターンである。OS処理部15は、参照パターンで示される各画素の階調値から階調パターンで示される各画素の目標階調値への変化分に基づき、液晶表示パネル16をオーバドライブする。
【0027】
図2はPSR機能がオフである場合の動作を説明する説明図である。PSR機能がオフである場合、切替部12にはPSR機能がオフであることを示す信号が入力される。切替部12は、当該信号の入力を受けて、階調データの入力源を切替える。すなわち、切替部12は、外部から時系列的に入力されるフレーム単位の階調データを第1視野角改善処理部13へ送出する。
【0028】
外部から入力される時系列的に入力される階調データは、フレームメモリ11にも供給される。フレームメモリ11は、供給された階調データを記憶領域に書き込む際に1フレーム分だけ遅延させることにより、現フレームより1つ前のフレームの階調データを保持するようにしている。
【0029】
第2視野角改善処理部14は、切替部12が現フレームの階調データを第1視野角改善処理部13へ送出したことに同期して、フレームメモリ11に保持されている1フレーム前の階調データを取得する。
【0030】
第1視野角改善処理部13は、切替部12から取得した現フレームの階調データを基に、現フレームの画像を表示する際の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成する。このとき、第1視野角改善処理部13は、隣接する画素間で階調値を所定以上異ならせ、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶような階調パターンを生成する。
【0031】
図3は第1視野角改善処理部13における階調パターンの生成方法を説明する説明図である。第1視野角改善処理部13は、例えば、各画素を縦方向及び横方向に2倍に拡大する解像度変換を行った後に夫々の画素の階調値を設定することで、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ階調パターンを生成する。
【0032】
図3Aは、N番目のフレーム(フレームN)の画像における任意の注目画素を縦方向及び横方向に2倍に解像度変換し、それぞれの画素の階調値を設定した状態を示している。解像度変換前の注目画素の階調値をP
N とした場合、第1視野角改善処理部13は、解像度変換後の4つの画素の階調値を、
図3Aに示すように、それぞれP
N −α,P
N +α,P
N +α,P
N −α(αは適宜の整数)に設定する。このような解像度変換と階調値の設定とを、注目画素を変更しながら各画素について実行することにより、高階調の画素と低階調の画素とを交互に配置した階調パターンを生成することができる。
【0033】
同様に、
図3Bは、N+1番目のフレーム(フレームN+1)の画像における前記注目画素を縦方向及び横方向に2倍に解像度変換し、それぞれの画素の階調値を設定した状態を示している。解像度変換前の注目画素の階調値をP
N+1 とした場合、第1視野角改善処理部13は、前フレーム(N番目のフレーム)において対応する画素が高階調であれば低階調となるように、低階調であれば高階調となるように、解像度変換後の4つの画素の階調値を、
図3Bに示す如く、それぞれP
N+1 +α,P
N+1 −α,P
N+1 −α,P
N+1 +α(αは適宜の整数)に設定する。このような解像度変換と階調値の設定とを、注目画素を変更しながら各画素について実行することにより、高階調の画素と低階調の画素とを交互に配置した階調パターンを生成することができ、N番目のフレームに対する階調パターンからは、高階調の画素と低階調の画素とを切り替えた階調パターンを生成することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、元の階調値からαだけ高い階調値を高階調の画素に設定し、元の階調値からαだけ低い階調値を低階調の画素に設定する構成としたが、αの値は適宜定めることができ、予め定めた定数であってもよく、元の階調値の高低に応じて定まる変数であってもよい。また、元の階調値からαだけ高い階調値を高階調の画素に設定し、元の階調値からβ(β≠α)だけ低い階調値を低階調の画素に設定する構成としてもよい。
【0035】
一方、第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13と同様にして、フレームメモリ11から取得した現フレームの階調データを基に、現フレームの画像を表示する際に参照すべき各画素の階調値を定めた参照パターンとして、現フレームよりも1つ前の階調パターンと同一のパターンを生成する。
【0036】
図4は第2視野角改善処理部14における階調パターンの生成方法を説明する説明図である。第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13と同様に、各画素を縦方向及び横方向に2倍に拡大する解像度変換を行った後に夫々の画素の階調値を設定することで、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ階調パターンを生成する。
【0037】
第1視野角改善処理部13がN番目のフレームの画像について階調パターンを生成する場合、第2視野角改善処理部14では、それより1つ前のN−1番目のフレームの画像から参照パターンを生成する。
図4Aは、N−1番目のフレームの画像における注目画素を縦方向及び横方向に2倍に解像度変換し、それぞれの画素の階調値を設定した状態を示している。解像度変換前の注目画素の階調値をP
N-1 とした場合、第2視野角改善処理部14は、解像度変換後の4つの画素の階調値を、
図4Aに示す如く、それぞれP
N-1 −α,P
N-1 +α,P
N-1 +α,P
N-1 −α(αは適宜の整数)に設定する。このような解像度変換と階調値の設定とを、注目画素を変更しながら各画素について実行することにより、高階調の画素と低階調の画素とを交互に配置した参照パターンを生成することができる。
【0038】
同様に、
図4Bは、N番目のフレームの画像における前記注目画素を縦方向及び横方向に2倍に解像度変換し、それぞれの画素の階調値を設定した状態を示している。解像度変換前の注目画素の階調値をP
N とした場合、第2視野角改善処理部14は、前フレーム(N−1番目のフレーム)において対応する画素が高階調であれば低階調となるように、低階調であれば高階調となるように、解像度変換後の4つの画素の階調値を、
図4Bに示す如く、それぞれP
N −α,P
N +α,P
N +α,P
N −α(αは適宜の整数)に設定する。このような解像度変換と階調値の設定とを、注目画素を変更しながら各画素について実行することにより、高階調の画素と低階調の画素とを交互に配置した参照パターンを生成することができ、N−1番目のフレームに対する参照パターンからは、高階調の画素と低階調の画素とを切り替えた参照パターンを生成することができる。
【0039】
なお、第2視野角改善処理部14が生成するN番目のフレームの画像から生成する参照パターンは、第1視野角改善処理部13が生成するN番目のフレームの画像から生成する階調パターンと実質的に同一となる。
【0040】
図5は階調パターン及び参照パターンの一例を示す模式図である。第1視野角改善処理部13は、N番目のフレーム(フレームN)に対応する階調パターンを生成する際、低階調の画素と高階調の画素とが空間的(縦方向及び横方向)に交互に並ぶパターンを生成する。なお、
図5において、ハッチングを付した正方形が低階調の画素を表し、白抜きの正方形が高階調の画素を表している。
【0041】
1フレーム分だけ経過した場合、第1視野角改善処理部13は、低階調の画素と高階調の画素とを切り替えた階調パターンを生成するので、N番目のフレームに対応する階調パターンにおいて低階調の画素(高階調の画素)は、N+1番目のフレームに対応する階調パターンでは高階調の画素(低階調の画素)に変更される。同様に、N+1番目のフレームに対応する階調パターンにおいて高階調の画素(低階調の画素)は、N+2番目のフレームに対応する階調パターンでは低階調の画素(高階調の画素)に変更される。
【0042】
一方、第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13がN番目のフレームに対応する階調パターンを生成するとき、それより1つ前のN−1番目のフレーム(フレームN−1)に対応する参照パターンを生成する。
【0043】
1フレーム分だけ経過した場合、第2視野角改善処理部14は、低階調の画素と高階調の画素とを切り替えた階調パターンを生成するので、N−1番目のフレームに対応する参照パターンにおいて高階調の画素(低階調の画素)は、N番目のフレームに対応する参照パターンでは低階調の画素(高階調の画素)に変更される。同様に、N番目のフレームに対応する階調パターンにおいて低階調の画素(高階調の画素)は、N+1番目のフレームに対応する階調パターンでは高階調の画素(低階調の画素)に変更される。
【0044】
図6はPSR機能がオンである場合の動作を説明する説明図である。PSR機能がオンである場合、階調データの入力は停止されると共に、切替部12にはPSR機能がオンであることを示す信号が入力される。切替部12は、当該信号の入力を受けて、階調データの入力源を切替える。すなわち、切替部12は、フレームメモリ11に記憶されている特定のフレームの階調データを第1視野角改善処理部13へ送出する。
【0045】
第2視野角改善処理部14は、切替部12が現フレームの階調データを第1視野角改善処理部13へ送出したことに同期して、フレームメモリ11に保持されている前記特定のフレームの階調データを取得する。
【0046】
第1視野角改善処理部13は、切替部12から取得した階調データを基に、画像を表示する際の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成する。このとき、第1視野角改善処理部13は、隣接する画素間で階調値を所定以上異ならせ、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶような階調パターンを生成する。
【0047】
また、第2視野角改善処理部14は、フレームメモリ11から取得した階調データを基に、画像を表示する際に参照すべき各画素の階調値を定めた参照パターンを生成する。PSR機能がオンである場合、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14は、共にフレームメモリ11から取得した特定のフレームの階調データを基にそれぞれ階調パターン及び参照パターンを取得する。このため、第2視野角改善処理部14は、本来的には、表示すべき現フレームより1つ前のフレームに対応した参照パターンを生成することはできないが、生成するパターンを1フレーム分だけずらしたパターンとすることにより、疑似的に1フレーム分だけずらした参照パターンを生成することができる。
【0048】
以上のように、本実施の形態では、PSR機能がオフである場合、第1視野角改善処理部13では、外部から入力されるフレーム単位の階調データを基に表示すべき画像の目標階調値を定めた階調パターンを生成し、第2視野角改善処理部14では、フレームメモリ11に保持される1フレーム前の階調データを用いてOS処理を実行する際の参照パターンを生成する。OS処理部15は、第1視野角改善処理部13から入力される現フレームの階調パターンを用いて液晶表示パネル16を駆動する際、第2視野角改善処理部14から入力される前フレームの参照パターンを参照してオーバドライブすることにより、液晶の応答時間を短縮して動画表示性能を高めると共に、画素間に階調値差を与えることで視野角改善処理を実現することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、PSR機能がオンである場合、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14は、フレームメモリ11に保持される特定のフレームの階調データからそれぞれ階調パターン及び参照パターンを生成する。OS処理部15は、第1視野角改善処理部13から入力される現フレームの階調パターンを用いて液晶表示パネル16を駆動する際、第2視野角改善処理部14により疑似的に生成される前フレームの参照パターンを参照してオーバドライブすることができる。すなわち、本実施の形態では、フレームメモリを追加することなく、PSR機能及びOS処理において1つのフレームメモリ11を共用することにより、消費電力を削減するためのPSR機能を実現しつつ、液晶の応答時間を短縮するためのオーバドライブを実現することができる。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態1では、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14における階調パターンの生成方法の一例として、解像度変換を行った後に夫々の画素の階調値を設定する構成について説明したが、階調パターンの生成方法は実施の形態1に記載の方法に限定されるものではない。実施の形態2では、解像度変換を行わずに階調パターンを生成する方法について説明を行う。
なお、実施の形態2では、階調パターンの生成方法のみが実施の形態1と異なり、液晶表示装置のハードウェア構成等については実施の形態1と全く同様であるから、その説明を省略することとする。
【0051】
図7は実施の形態2における視野角改善処理を説明する説明図である。
図7Aでは、第1視野角改善処理部13による視野角改善処理を表し、
図7Bでは、第2視野角改善処理部14による視野角改善処理を表している。実施の形態1で説明したように、PSR機能がオフである場合、例えば、切替部12を通じてN番目のフレームに対応する階調データを第1視野角改善処理部13に入力すると共に、第2視野角改善処理部14には1フレーム分だけ遅延させたN−1番目のフレームに対応する階調データをフレームメモリ11を通じて入力する。
【0052】
図7に示す入力階調データの例は、白色の正方形により高階調の画素、ハッチングを付した正方形により中間階調の画素、黒色の正方形により低階調の画素を表している。また、
図7に示す入力階調データは、説明を簡略化するために、高階調の画素が並ぶ領域と、中間階調の画素が並ぶ領域と、低階調の画素が並ぶ領域とを分離したデータとしている。
【0053】
第1視野角改善処理部13は、中間階調の画素が並ぶ領域を対象として、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶ千鳥状の階調パターンに変換する。また、第1視野角改善処理部13は、フレーム毎に高階調の画素と低階調の画素とを切替え、後段のOS処理部15に階調パターンを送出する。
【0054】
第2視野角改善処理部14は、液晶表示パネル16に表示すべき現フレームより1つ前のフレームの画像に対する階調パターンと同一のパターンを参照パターンとして生成する。すなわち、第2視野角改善処理部14が生成する参照パターンは、階調パターンと同様に、高階調の画素と低階調の画素とが空間的に交互に並ぶ千鳥状のパターンであり、視野角改善処理部13でN番目のフレームの階調パターンを生成する場合、N−1番目のフレームの階調パターンに相当するパターンを参照パターンとして生成する。第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13に同期して後段のOS処理部15に参照パターンを送出する。
【0055】
なお、上述の視野角改善処理では、PSR機能がオフである場合について説明を行ったが、PSR機能がオンである場合についても同様である。PSR機能がオンである場合、フレームメモリ11を通じて同一のフレーム番号に対応する階調データを第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14の双方に入力し、第2視野角改善処理部14にて第1視野角改善処理部13とは1フレーム分だけずらしたパターンを生成することにより、疑似的に1フレーム分だけずらした参照パターンを生成する。このとき、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14は、前述と同様に、中間階調の画素が複数並ぶ部分のパターンを直接的に変更することによって、それぞれ階調パターン及び参照パターンを生成する。
【0056】
図8は第1視野角改善処理部13における階調パターンの生成方法を説明する説明図である。実施の形態2では、第1視野角改善処理部13は、解像度変換を行わずに、中間階調の画素が並ぶ領域の各画素の階調値を変更することによって、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ階調パターンを生成する。
【0057】
図8Aは、N番目のフレーム(フレームN)の階調データにおいて、中間階調の画素が縦方向及び横方向に2つずつ並んだ領域を示している。階調パターン生成前の各画素の階調値をP
N とした場合、第1視野角改善処理部13は、各画素の階調値を
図8Aに示すようにP
N +α,P
N −α,P
N −α,P
N +α(αは適宜の定数)に変更する。第1視野角改善処理部13は、このような画素値の変更を中間階調領域の各画素に対して適用することにより、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ階調パターンを生成する。
【0058】
図8Aに示す例では、変換対象の各画素の階調値を全てP
N としたが、階調値は必ずしも同一である必要はなく、それぞれが中間階調領域に属する適宜の階調値を有していればよい。なお、各画素が中間階調に属するか否かは既存の判定手法を用いて判定することができ、例えば、第1閾値と第2閾値(第1閾値<第2閾値)との間にある階調値の画素を中間階調の画素と判定することができる。
【0059】
図8Bは、N+1番目のフレーム(フレームN+1)の階調データにおいて、中間階調の画素が縦方向及び横方向に2つずつ並んだ領域を示している。階調パターン生成前の各画素の階調値をP
N+1 とした場合、第1視野角改善処理部13は、前フレーム(N番目のフレーム)において対応する画素が高階調であれば低階調となるように、低階調であれば高階調となるように、各画素の階調値をそれぞれP
N+1 −α,P
N+1 +α,P
N+1 +α,P
N+1 −α(αは適宜の整数)に変更する。第1視野角改善処理部13は、このような画素値の変更を中間階調領域の各画素に対して適用することにより、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ階調パターンを生成する。
【0060】
なお、本実施の形態では、元の階調値からαだけ高い階調値を高階調の画素に設定し、元の階調値からαだけ低い階調値を低階調の画素に設定する構成としたが、αの値は適宜定めることができ、予め定めた定数であってもよく、元の階調値の高低に応じて定まる変数であってもよい。また、元の階調値からαだけ高い階調値を高階調の画素に設定し、元の階調値からβ(β≠α)だけ低い階調値を低階調の画素に設定する構成としてもよい。
【0061】
図8では、第1視野角改善処理部13による階調パターンの生成方法について説明したが、第2視野角改善処理部14が参照パターンを生成する方法についても同様である。第2視野角改善処理部14は、第1視野角改善処理部13と同様にして、フレームメモリ11から取得した現フレームの階調データを基に、現フレームの画像を表示する際に参照すべき各画素の階調値を定めた参照パターンとして、現フレームよりも1つ前の階調パターンと同一のパターンを生成する。
【0062】
以上のように、実施の形態2では、元の画像の解像度を変換することなく、階調パターン及び参照パターンを生成することができ、これらのパターンを用いて視野角改善処理、オーバドライブを実施することができる。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、液晶表示パネル16での視野角を改善するために、第1視野角改善処理部13及び第2視野角改善処理部14において、隣接する2つの画素間で階調値を所定値以上異ならせることにより、高階調の画素と低階調の画素とを空間的に交互に配置したパターンを生成する構成としたが、視野角改善処理は、当該構成に限定されるものではない。例えば、液晶表示パネル16におけるガンマ特性やトーン特性などの階調特性を考慮した視野角改善処理を行ってもよい。実施の形態3では、液晶表示パネル16の階調特性を考慮して視野角改善処理を実現する構成について説明を行う。
【0064】
図9は実施の形態3に係る視野角改善処理を説明する説明図である。
図9に示すグラフの横軸は入力階調値(0〜255)を表し、縦軸は出力階調値(0〜255)を表している。
図4において、特定C0は例えば液晶表示パネル16の表示面に対して垂直方向から視聴者が観察した場合のトーン特性を示している。それに対し、特性C1は表示面に対して−30度方向から視聴者が観察した場合のトーン特性を示し、特性C2は表示面に対して+30度の方向から視聴者が観察した場合のトーン特性を示している。
【0065】
実施の形態3では、このような階調特性を利用して視野角改善処理を行う。すなわち、第1視野角改善処理部13は、解像度変換により1画素(その階調値をP
N とする)を4画素に拡大した後、上下方向に隣接する2つの画素のうち一方を特性C1に対応する階調値(P
N +a)とし、他方を特性C2に対応する画素値(P
N −b)に変換する。このように階調値を変更することにより、液晶表示パネル16を観察する視聴者は、特性C1による階調値と特性C2による階調値の平均的な階調値(つまり、平均的な明るさ)で画素を観察することになる。
また、第2視野角改善処理部14は、実施の形態1及び2と同様に、表示すべき現フレームより1つ前のフレームに対応する参照パターンを生成する。
【0066】
以上のように、本実施の形態3では、液晶表示パネル16の階調特性を考慮して高階調の画素と低階調の画素とを定めるので、液晶表示パネル16に対して適切な視野角調整を実施することができる。
【0067】
実施の形態4.
実施の形態1−3では、1つのフレーム内で隣接する画素間に階調値差を与えることで視野角改善処理を実現したが、フレーム間で階調値差を与えることで視野角改善処理を実現してもよい。実施の形態4では、フレーム間で階調値差を与えることで視野角改善処理を実現する構成について説明を行う。
【0068】
図10は実施の形態4に係る視野角改善処理を説明する説明図である。実施の形態4では、第1視野角改善処理部13は、N番目、N+2番目、N+4番目、…のフレームに関して、画像の上半分の領域を低階調の画素に設定し、画像の下半分の領域を高階調の画素に設定した階調パターンを生成する。また、第1視野角改善処理部13は、N+1番目、N+3番目、N+5番目、…のフレームに関して、画像の上半分の領域を高階調の画素に設定し、画像の下半分の領域を低階調の画素に設定した階調パターンを生成する。このように階調値を変更することにより、液晶表示パネル16を観察する視聴者は、奇数番目のフレームと偶数番目のフレームとの平均のレベルで表される映像信号を疑似的に観察することになる。
また、第2視野角改善処理部14は、実施の形態1及び2と同様に、表示すべき現フレームより1つ前のフレームに対応する参照パターンを生成する。
【0069】
以上のように、本実施の形態4では、フレーム間で階調値差を与えることにより、視野角処理を実施することができる。
【0070】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0071】
本発明の実施態様1では、フレーム単位で時系列的に入力される階調データに基づいて複数の画素を備えた液晶表示パネル(16)を駆動することにより、画像表示を行う液晶表示装置において、入力された階調データをフレーム順次に記憶する記憶部(11)と、入力された階調データに基づく画像表示を行う第1表示方式、及び階調データの入力を停止して、前記記憶部(11)に記憶した階調データに基づく画像表示を行う第2表示方式の何れか一方を選択する選択部(12)、前記第1表示方式を選択した場合、入力されたフレーム単位の階調データから、表示すべき画像の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成し、前記第2表示方式を選択した場合、前記記憶部(11)に記憶したフレーム単位の階調データから、表示すべき画像の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成する第1パターン生成部(13)、該第1パターン生成部(13)が生成した階調パターンに従って画像表示を行う際に参照すべき各画素の階調値を定めた参照パターンを、前記記憶部(11)に記憶した階調データから生成する第2パターン生成部(14)、及び前記第1パターン生成部(13)が生成した階調パターンと、前記第2パターン生成部(14)が生成した参照パターンとに基づき、前記液晶表示パネル(16)における液晶の応答時間を短縮するためのオーバドライブを行う駆動部(15)を備えることを特徴とする。
【0072】
本発明では、時系列的に入力される階調データに基づいて画像表示を行う第1表示方式と、階調データの入力を停止して、記憶部に記憶した階調データに基づいて画像表示を行う第2表示方式とを選択可能としている。
【0073】
第1表示方式を選択した場合には、順次入力される各フレームの階調データから目標輝度を定めた階調パターンを生成すると共に、記憶部に記憶したフレームの階調データから参照パターンを生成し、これらの階調パターン及び参照パターンを利用して液晶表示パネルに対するオーバドライブを行う。第1パターン生成部が生成する階調パターンにて視野角改善パターンを構成することで、液晶表示パネルにおける視野角が改善されるので、視野角改善処理及びオーバシュート処理(オーバドライブ)が共通の記憶部を利用して実現される。
【0074】
第2表示方式を選択した場合には、階調データの入力が停止されるので、通常の表示(第1表示方式)と比較して電力消費が抑えられる。また、第2表示方式を選択した場合には、記憶部に記憶したフレームの階調データから階調パターンと参照パターンとを生成し、これらの階調パターン及び参照パターンを利用して液晶表示パネルに対するオーバドライブを行う。すなわち、第2表示方式を選択する場合であっても、フレームメモリ等の記憶部を追加することなく、視野角改善処理及びオーバシュート処理(オーバドライブ)が実現される。
【0075】
本発明の実施態様2では、前記第1パターン生成部(13)は、表示すべき現フレームの画像における各画素の目標階調値を定めた階調パターンを生成するようにしてあり、前記第2パターン生成部(14)は、前記現フレームより1つ前のフレームの画像に対する階調パターンと同一のパターンを前記参照パターンとして生成するようにしてあることを特徴とする。
【0076】
本発明では、液晶表示装置は、参照パターンが定める前フレームの階調値から階調パターンが定める現フレームの階調値への変化分に基づいて、液晶表示パネルに対する駆動電圧を制御することより、液晶の応答時間を短縮するオーバドライバが実現される。
【0077】
本発明の実施態様3では、前記第1パターン生成部(13)は、隣接する2つの画素の階調値を所定値以上異ならせた階調パターンを生成するようにしてあることを特徴とする。
【0078】
本発明では、第1パターン生成部により生成される階調パターンは、高階調の画素と低階調の画素とが交互に並ぶ千鳥状のパターンとなり、しかもフレーム毎に高階調の画素と低階調の画素とが切り替わる。このような階調パターンを基に液晶表示パネルを駆動することで、表示する画像の精細感を高めつつ、中間階調における白浮きが抑制される。
【0079】
本発明の実施態様4では、前記駆動部(15)は、前記階調パターンと前記参照パターンとの階調値の差分に基づき、前記目標階調値に応じた駆動電圧よりも高い電圧にて前記液晶表示パネル(16)を駆動するようにしてあることを特徴とする。
【0080】
本発明では、駆動部は、階調パターンと参照パターンとの階調値の差分に基づいて目標階調値に応じた駆動電圧よりも高い電圧で液晶表示パネルを駆動するので、低階調から高階調へ移行する際の液晶の応答時間が短縮される。
【0081】
本発明の実施態様5では、フレーム単位で時系列的に入力される階調データに基づいて、複数の画素を備えた液晶表示パネル(16)を駆動する方法において、入力された階調データをフレーム順次に記憶部(11)に記憶し、入力された階調データに基づく画像表示を行う第1表示方式、及び階調データの入力を停止して、前記記憶部(11)に記憶した階調データに基づく画像表示を行う第2表示方式の何れか一方を選択し、前記第1表示方式を選択した場合、入力されたフレーム単位の階調データから、表示すべき画像の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成し、前記第2表示方式を選択した場合、前記記憶部(11)に記憶したフレーム単位の階調データから、表示すべき画像の各画素における目標階調値を定めた階調パターンを生成し、生成した階調パターンに従って画像表示を行う際に参照すべき各画素の階調値を定めた参照パターンを、前記記憶部(11)に記憶した階調データから生成し、生成した階調パターンと参照パターンとに基づき、前記液晶表示パネルにおける液晶の応答時間を短縮するためのオーバドライブを行うことを特徴とする。
【0082】
第1表示方式を選択した場合には、順次入力される各フレームの階調データから目標輝度を定めた階調パターンを生成すると共に、記憶部に記憶したフレームの階調データから参照パターンを生成し、これらの階調パターン及び参照パターンを利用して液晶表示パネルに対するオーバドライブを行う。第1パターン生成部が生成する階調パターンにて視野角改善パターンを構成することで、液晶表示パネルにおける視野角が改善されるので、視野角改善処理及びオーバシュート処理(オーバドライブ)が共通の記憶部を利用して実現される。
【0083】
第2表示方式を選択した場合には、階調データの入力が停止されるので、通常の表示(第1表示方式)と比較して電力消費が抑えられる。また、第2表示方式を選択した場合には、記憶部に記憶したフレームの階調データから階調パターンと参照パターンとを生成し、これらの階調パターン及び参照パターンを利用して液晶表示パネルに対するオーバドライブを行う。すなわち、第2表示方式を選択する場合であっても、フレームメモリ等の記憶部を追加することなく、視野角改善処理及びオーバシュート処理(オーバドライブ)が実現される。