(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記吸入器においては、使用時に、そのノズルの先端開口からの加湿空気の噴出が何等かの原因により規制、抑制された場合、例えば、鼻詰まり等により加湿空気の噴出が止められたり抑制された場合、その間も加湿空気生成装置が加湿空気を生成して送り出していることから、その加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしている限り、加湿空気は徐々に溜まっていくことになる。このため、その後、鼻や口を吸入器用ノズルから多少、離したり、鼻や口からの加湿空気の吸入が急に可能となった場合には、それまで溜まっていた加湿空気が、一気に顔面に吹き付けられたり、その加湿空気を吸い込んだりすることになり、このようなことは、安定した使用を確保する観点から好ましいことではない。特に、上記加湿空気は、一般に、温熱効果を考慮して、ノズルに入る前にヒータにより加温されており、ノズル先端面において、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしている場合には、加湿空気の温度が高まることになり、その後、加湿空気の噴出が許容される状態になったときには、多くの加湿空気が一気に噴出されるだけでなく、その加湿空気は所定温度よりも高い熱いものとなる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、加湿空気を螺旋流として噴出することができるだけでなく、先端開口からの加湿空気の噴出が規制、抑制されたとしても、その先端開口よりも上流側において加湿空気が溜まることを防止できる吸入器用ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
基端側から先端側に向けて加湿空気を流動させ、該加湿空気を先端開口から噴出する吸入器用ノズルにおいて、
外筒部と該外筒部内に収納される内筒部とが備えられて、該外筒部と該内筒部とにより該外筒部内周面と該内筒部外周面との間に環状空間を形成する内外二重管構造が形成され、
前記外筒部は、該外筒部の基端面が閉塞されている一方、該外筒部の先端面が噴出口として開口され、
前記内筒部は、該内筒部の先端面が前記外筒部の先端面よりも該外筒部の軸心延び方向内方側に引っ込んだ状態で開口され、該内筒部の基端が外部に開口され、
前記外筒部の外周面に、前記内筒部の先端よりも該内筒部の軸心延び方向内方側において、前記環状空間に加湿空気を流入させる加湿空気流入口が形成されている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載のとおりとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、外筒部の外周面に、内筒部の先端よりも該内筒部の軸心延び方向内方側において、環状空間に加湿空気を流入させる加湿空気流入口が形成されていることから、加湿空気は外筒部の外周面側から環状空間に流入されてその環状空間に案内されつつ前方に進むことになり、当該吸入器用ノズルから螺旋流の状態をもって加湿空気を噴出することができる。
一方、内筒部の先端面が外筒部の先端面よりも外筒部の軸心延び方向内方側に引っ込んだ状態で開口され、内筒部の基端が外部に開口されていることから、外筒部(当該吸入器用ノズル)先端面において、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしても、加湿空気は、外筒部の先端開口に至った後、内筒部の先端開口から内筒部内にリターンされ、そのリターンされた加湿空気は、内筒部の基端開口から外部に放出される。このため、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしても、加湿空気は流れ続けることになり、加湿空気が当該吸入器用ノズル内に溜まることを防止できる。この結果、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしていた状態から加湿空気の噴出が可能となったとしても、多くの加湿空気が一気に吹き出すことを防止できる。
しかもこの場合、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしても、加湿空気は、外筒部の先端開口に至った後、内筒部の先端開口から内筒部内にリターンすることにより排出する構成とされており、正常、非正常の使用状態にかかわらず、加湿空気生成装置から送り出される加湿空気の全てを先端開口にまで送り出すことができる。このため、外筒部の先端開口に至る前に加湿空気の一部が排出されることはなく、正常使用時において、十分な加湿空気をユーザに提供できる。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、加湿空気が、ヒータにより加温されることになっているものの、外筒部先端面において、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしたとしても、加湿空気は、内筒部の基端開口から外部に放出されることになり、加湿空気の流れ状態は継続される。このため、加湿空気の温度が所定温度以上に高まることはなく、加湿空気の噴出が止められたり抑制されたりしていた状態から加湿空気の噴出が可能となったときに、多くの熱い加湿空気が一気に吹き出すことを防止することができる。
【0009】
請求項3に係る発明によれば、外筒部の少なくとも先端部内径が、外筒部の軸心延び方向内方側から該外筒部の先端面に向けて徐々に縮径されていることから、外筒部の少なくとも先端部において、圧力降下させることにより加湿空気の速度を高めることができ、外筒部の先端部に至る前において、加湿空気の送り出し速度を落としてヒータによる加湿空気の加温を効果的に行わせることができる。このため、鼻腔内壁、或いは喉内壁に対する加湿空気の刺激効果を確保しつつ、加湿空気の加温を効果的に行わせることができる。
【0010】
請求項4に係る発明によれば、内外二重管構造が、並設された状態で一対設けられて、鼻腔用として構成されていることから、人の2つの各鼻穴において、前述の請求項1〜3の作用を的確に行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1、
図2は実施形態に係る吸入器1を示している。吸入器1は、加湿空気を生成する加湿空気生成装置2と、その加湿空気生成装置2が生成した加湿空気を噴出するノズル3と、を備えている。
【0013】
前記加湿空気生成装置2は、本体ケース4を有し、その本体ケース4内において通路5を形成している。通路5には、その一端部において霧生成部6が構成され、その他端部は、本体ケース4の上面に突設された円筒状の接続筒7内へ連なっている。
霧生成部6は、既知の如く、第1タンク部8とその第1タンク部8内に入り込む第2タンク部9(ダイヤフラム等で構成)とを備え、第1タンク部8内には伝搬水10、第2タンク部9内に被霧化水11(本実施形態においては、水だけとされ、吸入薬剤は含有されていない)がそれぞれ収容されている。そして、第1タンク部8の底部には、超音波振動子12が設けられ、その超音波振動子12が発生させる超音波振動が、第1タンク部8内の伝搬水10、第2タンク部9、第2タンク部9内の被霧化水11に伝搬されることになっている。これにより、第2タンク部9内の被霧化水11は、その超音波振動に基づき霧化することになり、通路5の一端側内には霧が連続的に生成されることになっている。その通路5の一端側内には、図示を略すファンが関係付けられており、そのファンは、通路5の一端側内に生成された霧を空気と共に通路5の他端側に送り出すことになっている(
図2中、矢印参照)。この送り出しにより霧と空気とが混合され、霧を含有する加湿空気(図中、矢印で示す)13が生成される。勿論この場合、加湿空気13中の霧の含有割合は所定値に調整される。
【0014】
前記通路5の他端部には、
図2に示すように、その内周面においてヒータ14が設けられている。このヒータ14は、加湿空気13を所定温度(例えば40〜45℃前後)とするものであり、この加湿空気13の加温のために、図示を略すファンによる加湿空気13の送り出し速度は比較的遅いものとなっている。
【0015】
前記ノズル3は、
図1、
図2に示すように、前記本体ケース4の接続筒7に接続されている。ノズル3は、本実施形態においては、鼻腔用として形成されており、ノズル3は、
図10に示すように、樹脂製の第1〜第3部品15〜17を組付けることにより構成されている。
【0016】
前記第1部品15は、
図1、
図2に示すように、前記本体ケース4の接続筒7に着脱可能に嵌合(接続)されている。第1部品15は、嵌合すべき円筒状の一端部と他端部とを有しており、その両端部は、第1部品15内部に形成された連通路18を介して連通されている。この第1部品15の一端部には、前記本体ケース4の接続筒7が着脱可能に嵌合されており、加湿空気生成装置2において生成された加湿空気13が、ノズル3の第1部品15を介してノズル3内に導入されることになっている。
【0017】
本実施形態においては、第1部品15は、
図1〜
図9に示すように、一対の分割構成品19,20により構成されている。各分割構成品19(20)は、円筒形状の接続部19a(20a)と、その円筒形状の接続部19a(20a)から、円筒形状の半割り形状をもって連続的に延びる支持部19b(20b)と、を備え、その支持部19b(20b)の端面側は閉塞されている。そして、一方の分割構成品19の支持部19bの内面には円孔21が形成され、他方の分割構成品20の支持部20bの内面には円筒状の突部22が形成されており、その突部22が円孔21に回動可能に嵌合されている。これにより、一方の分割構成品19に対して他方の分割構成品20が相対的に回動すると共に、一方の分割構成品19と他方の分割構成品20とは、連続する前記連通路18を構成することになっている(
図7参照)。勿論この場合、一方の分割構成品19の円孔21と他方の分割構成品20の突部22との間の気密性については確保され、また、一方の分割構成品19に対する他方の分割構成品20の相対的な回動については、所望の姿勢を保持できるようにすべく、ある程度の抵抗力が生じるように設定されている。
また、他方の分割構成品20における接続部20aの外周縁部には、
図3〜
図6、
図9、
図10に示すように、カバー部23が設けられている。このカバー部23は、他方の分割構成品20の支持部20b側に向けて膨出しており、その内周には後述の内筒部25における基端側内筒部28の延出部28bが嵌合できるようになっている。このカバー部23には、2つの排出孔24が並設された状態で形成されており、その排出孔24によりカバー部23の内外が連通することになっている。
【0018】
前記第2部品16は、
図2、
図4、
図5、
図7、
図9に示すように、前記第1部品15に着脱可能に嵌合(接続)されている。この第2部品16は、
図10に示すように、内筒部25と、加湿空気導入筒部26と、を一体的に備えている。
前記内筒部25は、一対の主内筒部27と、その一対の各主内筒部27の基端が接続される基端側内筒部28とにより構成されている。
基端側内筒部28は、人の鼻の横幅よりもやや広い横幅をもって一定長さだけ前方(膨出方向)に膨出され、その内部空間は基端開口28aを介して外部に開放されている(
図4、
図9参照)。本実施形態においては、基端側内筒部28の基端開口28a外周縁部にフランジ部29が設けられていると共に、基端側内筒部28の開口端がフランジ部29よりも外方に延出されて、延出部28bが形成されている。
一対の主内筒部27は、前記基端側内筒部28の前面にその前面から前方に延びるようにして設けられている。一対の主内筒部27は、基端側内筒部28の横幅方向において人の2つの鼻穴間隔程度の間隔をあけて配置されており、各主内筒部27の先端開口27aは外部にそれぞれ開口され、各主内筒部27の基端開口は、共通内筒部内となる基端側内筒部28内に開口されている(
図10参照)。この各主内筒部27の内径及び外径は、若干ではあるが、主内筒部27の基端側から先端に向かうに従って徐々に縮径されている。
【0019】
前記加湿空気導入筒部26は、
図10に示すように、前記基端側内筒部28を搭載している。この加湿空気導入筒部26は、基端側内筒部28の横幅程度の横幅を確保しつつ主内筒部27の先端側に向けて膨出した状態で延びており、その基端面が開口されている一方、その先端部は、閉塞された状態をもって主内筒部27の延び方向略中央位置にまで延びている。この加湿空気導入筒部26の側部(周面)は、その加湿空気導入筒部26と一対の主内筒部27との並設方向において、その一対の主内筒部27の基端側部分に対して離間していると共に、その加湿空気導入筒部26には、一対の主内筒部27間に臨むようにして加湿空気導入口30が形成されている。この加湿空気導入口30は、加湿空気導入筒部26の側部において、基端側内筒部28の前面から前方に向けて一定幅をもって延びており、この加湿空気導入口30により加湿空気導入筒部26の内外が連通されることになっている(
図9、
図10参照)。この加湿空気導入筒部26の内部空間は、基端側内筒部28の内部空間に対して独立しており、このため、加湿空気導入筒部26と基端側内筒部28との間には隔壁(加湿空気導入筒部26の側部)が設けられている。
【0020】
一方、加湿空気導入筒部26の基端部は、前記フランジ部29の位置を超えて延びており、その加湿空気導入筒部26の基端部外周面にも、そのフランジ部29が連続的に延設されている。フランジ部29よりも延出されている延出部26aは、円筒状に形成されており、この円筒状の延出部26aは、フランジ部29に前記他方の分割構成品20の円筒状の接続部20a端面が当接するまでその接続部20a内に着脱可能に嵌合されている。このとき、基端側内筒部28の延出部28bに対してもカバー部23が着脱可能に嵌合されることになっており、このカバー部23への基端側内筒部28の延出部28bの嵌合により、第2部品16が他方の分割構成品20において正規の取付け位置に位置決められると共に、その第2部品16の一対の各主内筒部27の先端開口27aがその各主内筒部27内、基端側内筒部28内、カバー部23内、排出孔24を経て外部に連通することになる(
図2、
図4、
図5、
図9、
図10参照)。
【0021】
前記第3部品17は、
図1〜
図10に示すように、前記第2部品16のフランジ部29よりも前方部分にそれを覆うように嵌合(接続)されている。このため、第3部品17は、膨出形状のカバー部31と、そのカバー部31上に一体的に組み込まれた一対の外筒部32と、を有し、一対の外筒部32は、カバー部31の膨出方向に該カバー部31よりも前方に延びることになっている。そのカバー部31は、その内部に前記加湿空気導入筒部26及び基端側内筒部28の外周面を嵌合しており、一対の外筒部32は、このとき、その内部に前記各主内筒部27を遊嵌することになっている。この場合、各外筒部32のうち、カバー部31に組み込まれている部分(カバー部31内に入り込んでいる部分)については、その各内部がカバー部31内に開放されており、その開放部分が加湿空気流入口33を構成している(
図9参照)。但し、本実施形態においては、カバー部31内に内筒部25における加湿空気導入筒部26が密に入り込んで、その加湿空気導入筒部26の加湿空気導入口30が上記加湿空気流入口33に臨んでおり、加湿空気流入口33は、加湿空気導入筒部26の加湿空気導入口30により小さく絞られることになっている(同
図9参照)。
【0022】
また、一対の各外筒部32は、
図2、
図4、
図5、
図7、
図9に示すように、一対の各主内筒部27との遊嵌関係により、その各外筒部32内周面と各主内筒部27外周面との間に環状空間34を形成しており、各外筒部32とその各外筒部32内に収納される主内筒部27とは、内外二重管構造35を形成している。この環状空間34に、前記加湿空気流入口33を絞って形成された前記加湿空気導入口30が臨んでおり、加湿空気13は、外筒部32の外周面側に配置される加湿空気導入口30を介して環状空間34内に導入されることになっている。このため、環状空間34内に加湿空気13が導入された場合には、
図2、
図11に示すように、その加湿空気13は、環状空間34内において、螺旋流に形成されながら外筒部32の先端開口32aに向けて流れることになる。
【0023】
さらに、上記各外筒部32は、その各外筒部32に収納される主内筒部27の先端よりも長く延ばされており、各主内筒部27の先端開口27aは各外筒部32の先端開口32aよりも内方に引っ込むことになっている。このため、外筒部32の先端開口32aが何等かの障害物36(例えば鼻内閉塞)により閉塞されたときには、
図12の矢印に示すように、加湿空気13は、外筒部32の先端開口32aに至った後、主内筒部27の先端開口27aからその内部を経て外部に放出されることになる。
しかも、この各外筒部32の先端部内径は、各外筒部32の軸心延び方向内方側から該外筒部32の先端面に向けて徐々に縮径されており、その先端部内部においては、加湿空気13の圧力降下によりその加湿空気13の速度が高められることになっている。
【0024】
このような吸入器1においては、加湿空気生成装置2において加湿空気13が生成され、その加湿空気13は、ヒータ14により加温された後、ノズル3内に供給される。
その加湿空気13は、ノズル3内においては、先ず、第1部品15における一方の分割構成品19に流入される。その一方の分割構成品19内に加湿空気13が流入すると、その加湿空気13は、他方の分割構成品20(第1部品15)を経て第2部品16の加湿空気導入筒部26内に流入し、その加湿空気導入筒部26内に流入した加湿空気13は、加湿空気導入口30(加湿空気流入口33)から一対の主内筒部27間に入り込む(
図2、
図4、
図5、
図9参照)。このため、加湿空気13は、各外筒部32とその各外筒部32内に収納される主内筒部27とが形成する各環状空間34内に各外筒部32の外周面側から流入することになり、その各内外二重管構造35においては、外筒部32と主内筒部27とによって螺旋流となるように案内されつつ各外筒部32の先端開口32aに向けて流れる(
図2、
図4、
図11参照)。この加湿空気13の螺旋流が各外筒部32の先端開口32aからそれぞれ噴出されることになり、ユーザは、それら加湿空気13の螺旋流を吸入すべく、各外筒部32の先端部開口を鼻の穴に臨ませる。これにより、ユーザの鼻腔内壁は、加湿空気13の螺旋流により効果的に刺激される。
【0025】
この場合、ユーザが鼻詰まりの状態にあるときには、加湿空気13の噴出が止められたり抑制されたりする。このときには、
図12に示すように、加湿空気13の流れは、各外筒部32先端開口にまで至った後、各外筒部32の先端開口よりも内方に引っ込んでいる主内筒部27の先端開口に向けてリターンされ、そのリターンされた加湿空気13は、各主内筒部27内、基端側内筒部28内、基端側内筒部28の基端開口28a、カバー部23内、カバー部23の排出孔24を経て外部に放出される。このため、鼻詰まりにより、加湿空気13の噴出が止められたり抑制されたりしても、加湿空気13は吸入器1内において流れ続けることになり、加湿空気13が吸入器1内に溜まることを防止できる。この結果、鼻詰まりの状態からそれが解消したり、鼻を各外筒部32の先端開口から離したとしても、多くの加湿空気13が一気に噴出することはなくなる。
【0026】
しかもこの場合、加湿空気13がヒータ14により加温されることになっているものの(
図2参照)、鼻詰まりにより加湿空気13の噴出が止められたり抑制されたりしたとしても、加湿空気13が内筒部25を利用して外部に放出されることになり、吸入器1内において加湿空気13の流れ状態は継続される。このため、加湿空気13の流れが止められることに基づきヒータ14により加湿空気13の温度が所定温度以上に高まることはなく、加湿空気13の噴出が止められたり抑制されたりしていた状態から加湿空気13の噴出が可能となったときに、多くの熱い加湿空気13が一気に吹き出すことを防止することができる。
【0027】
また、加湿空気13の噴出が止められたり抑制されたりしても、加湿空気13は、外筒部32の先端開口に至った後、その外筒部32の先端開口よりも内方に引っ込んでいる内筒部25の先端開口から内筒部内にリターンすることにより排出する構成とされており、正常、非正常の使用状態にかかわらず、加湿空気生成装置2から送り出される加湿空気13の全てを先端開口32aに送り出すことができる。このため、外筒部32の先端開口に至る前に加湿空気13の一部が排出されることはなく、正常使用時において、十分な加湿空気13をユーザに提供できる。
【0028】
さらに、ファンによる加湿空気13の送り速度をあまり速くないものとして、流れ状態にある加湿空気13をヒータ14により所望の温度(例えば40〜45℃)にまで加温することが行われているが、外筒部32の先端部内径が、その外筒部32の軸心延び方向内方側から該外筒部32の先端面に向けて徐々に縮径されており、その外筒部32の先端部において、圧力降下させることにより加湿空気13の速度を高めることができる。このため、上述のように、外筒部32の先端部に至る前において、加湿空気13の送り出し速度を落としてヒータ14による加湿空気13の加温を効果的に行わせることができる一方で、ユーザの鼻腔内壁に対する加湿空気13の刺激効果を確保できる。
【0029】
さらにまた、第1〜第3部品15〜17を嵌合関係をもって組付けることによりノズル3を組み立てることができ、掃除等のメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0030】
加えて、第1部品15において、一方の分割構成品19に対して他方の分割構成品20が回動可能に支持されていることから、その回動を利用することにより一対の外筒部32(ノズル3)の姿勢を簡単に決めることができる。このため、ユーザの使い勝手を高めることができる。