特許第6249853号(P6249853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249853
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20171211BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   A61B1/00 711
   G02B23/24 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-66589(P2014-66589)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-188530(P2015-188530A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】中村 尚弘
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−276417(JP,A)
【文献】 特開平10−173353(JP,A)
【文献】 実開昭53−150444(JP,U)
【文献】 意匠登録第1414524(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G09F 7/00−7/22
H05K 5/00−5/06
H05K 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の一部を構成する、曲面部を有するケース体と、
前記ケース体の前記曲面部に備えられた銘板配置部と、
前記銘板配置部上に配置され、該銘板配置部の前記曲面部に沿って変形可能な薄板状の銘板と、
前記銘板の一面に備えられた、該銘板が前記銘板配置部に配置される際に該銘板配置部上に載置される載置面と、
前記銘板の前記載置面とは異なる面に備えられた、文字、絵が記載される露出部および該露出部の周囲に設けられた当接部を有する表示面と、
前記表示面の前記当接部上に配置され、前記露出部を露出させる開口部を有し、前記ケース体に接着固定される枠状の押さえ部材であって、前記当接部上に配置される接触面を有し、該接触面で前記当接部を押圧することで前記銘板を前記銘板配置部の前記曲面部に沿って変形させる押さえ部材と、を備え、
前記ケース体及び前記押さえ部材は、該押さえ部材を該ケース体の前記銘板配置部に対して予め定めた位置関係で配置させる係合部を有することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記係合部は、前記ケース体に穿設された第1穴と、前記押さえ部材の予め定めた位置に突出して設けられ前記第1穴に嵌合固定される第1凸部と、を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記銘板配置部は、
前記銘板の前記露出部が配置される第1配置面と、
前記銘板の前記露出部の周囲に設けられた前記当接部が配置される、前記第1配置面より凹んで形成された第2配置面と、
を有すること特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記ケース体は、前記第2配置面の周囲に、前記押さえ部材の取付用凸部が収容配置される予め定めた深さ寸法で該第2配置面より凹んで形成された押さえ部材収容部を備えることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記押さえ部材から突出する第1凸部、または、前記ケース体に穿設された第1穴の何れか一方に、前記第1穴内に溜まっている接着剤を該第1穴の外部に送り出す逃がし部を設けたことを特徴とする請求項1−4の何れか1項に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機種名等を告知する銘板を内視鏡本体等の筐体表面に設けた内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡においては、内視鏡の機種名等を記載した板状の銘板を、例えば、内視鏡操作部等の表面に貼り付けられていた。しかし、操作部表面に貼り付けた銘板は、操作部表面から突出している。このため、内視鏡使用中に銘板に手指が触れること、或いは洗浄消毒中に銘板にブラシ等が当接すること等により、銘板が操作部表面から剥がれ落ちるおそれがあった。
【0003】
この剥離を防止するため、図1Aに示すように銘板100を内視鏡操作部101の操作部表面102に対して凹んで形成した銘板固定凹部103に接着固定する、或いは、図1Bに示すように銘板100を予めスペーサー104の凹部105に接着固定し、この銘板100が固定されたスペーサー104を操作部表面102に対して凹んで形成したスペーサー固定凹部106に接着固定して、銘板100が操作部表面102から突出しない構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−306399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、内視鏡操作部の表面は、図1A図1Bに示すような平面形状ではなく、複雑な立体形状である。このため、銘板100の銘板固定凹部103への確実な接着固定、或いはスペーサー104のスペーサー固定凹部106への確実な接着固定が難しい。そして、接着固定を確実に行えなかった場合、内視鏡洗浄作業時等に、銘板100が銘板固定凹部103或いはスペーサー104の凹部104から剥がれ落ちるおそれ、或いは、スペーサー104がスペーサー固定凹部106から脱落するおそれ等があった。また、銘板100の一部が剥がれることによって内視鏡操作部の表面から突出して、医師、或いはスタッフに不快感を与えるおそれがあった。
【0006】
なお、特許文献1には、内視鏡の機種名等が表示された銘板を筒状に形成して内視鏡の外表面に沿う状態に配置し、銘板を軸線周りに回転自在に内視鏡に取り付けた内視鏡の表示部が示されている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、内視鏡操作部等のケース体の表面に接着固定した銘板がケース体表面から剥がれることを確実に防止した内視鏡を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様における内視鏡は、内視鏡の一部を構成する、曲面部を有するケース体と、前記ケース体の前記曲面部に備えられた銘板配置部と、前記銘板配置部上に配置され、該銘板配置部の前記曲面部に沿って変形可能な薄板状の銘板と、前記銘板の一面に備えられた、該銘板が前記銘板配置部に配置される際に該銘板配置部上に載置される載置面と、前記銘板の前記載置面とは異なる面に備えられた、文字、絵が記載される露出部および該露出部の周囲に設けられた当接部を有する表示面と、前記表示面の前記当接部上に配置され、前記露出部を露出させる開口部を有し、前記ケース体に接着固定される枠状の押さえ部材であって、前記当接部上に配置される接触面を有し、該接触面で前記当接部を押圧することで前記銘板を前記銘板配置部の前記曲面部に沿って変形させる押さえ部材と、を備え、前記ケース体及び前記押さえ部材は、該押さえ部材を該ケース体の前記銘板配置部に対して予め定めた位置関係で配置させる係合部を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内視鏡操作部等のケース体の表面に接着固定した銘板がケース体表面から剥がれることを確実に防止した内視鏡を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】ケース体の凹部に直接、銘板を取りつける取付例を説明する図
図1B】銘板をスペーサーに固定し、銘板が固定されたスペーサーをケース体の凹部に取りつける取付例を説明する図
図2図2図14Bは本発明の一実施形態に係り、図2は内視鏡の操作部を説明する図
図3】銘板が取りつけられる銘板取付面を備えケース体で操作部カバーを説明する図
図4】銘板を説明する図
図5図5図7は押さえ部材を説明する図に係り、図5は押さえ部材の一面側から見た斜視図
図6】押さえ部材の他面側から見た斜視図
図7図5のY7−Y7線断面図
図8図8図10は銘板取付面の構成を説明する図に係り、図8は銘板配置部と押さえ部材収容部とを説明する図
図9図8のY9−Y9線断面図であって、銘板及び押さえ部材の短辺側が配置される銘板配置部、押さえ部材収容部、及び係合部の構成を説明する図
図10図8のY10−Y10線断面図であって、銘板及び押さえ部材の長辺側が配置される銘板配置部、及び押さえ部材収容部の構成を説明する図
図11A】押さえ部材の第1凸部を第2配置面の底面に形成されている第1穴に予め定めた状態に配置させたときの押さえ部材とケース体との位置関係を説明する図
図11B】押さえ部材の第1凸部を押さえ部材収容部の底面に形成されてい第1穴に予め定めた状態に配置させたときの押さえ部材とケース体との位置関係を説明する図
図11C図11Bの矢印Y11C−矢印Y11C線断面図
図12A図12A図14Bは、銘板を操作部カバーの銘板取付面に取りつける手順を説明するための図に係り、図12Aは銘板を第1配置面上に仮止めした状態を示す長手方向断面図
図12B図12Aの矢印Y12B−Y12B線断面図
図13A】銘板が第1配置面に仮止めされた状態で、押さえ部材を押さえ部材収容部に対向配置させた状態を説明する長手方向断面図
図13B図13Aの矢印Y13B−Y13B線断面図
図14A】銘板が第1配置面に仮止めされた状態で、押さえ部材を押さえ部材収容部に収容した状態を説明する長手方向断面図
図14B図14Aの矢印Y14B−Y14B線断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2に示すように内視鏡1は、内視鏡挿入部2の基端部に操作部3を備えている。操作部3の側部からはユニバーサルコード4が延出している。操作部3は、操作部本体5と、把持部6とを有して構成されている。操作部本体5及び把持部6は、それぞれ複数のケース体を組み合わせて構成されている。
【0012】
符号7は湾曲部操作装置であり、例えば、上下用湾曲ノブ7aと左右用湾曲ノブ7bとを備えて構成されている。符号8aは送気送水ボタン、符号8bは吸引ボタン、符号8cは各種操作スイッチである。
【0013】
本実施形態の内視鏡1においては、図2図3に示すように操作部本体5を構成するケース体の1つである例えば操作部カバー9の予め定められた一面に銘板取付面9aが設けられている。そして、銘板取付面9aには、例えば内視鏡の機種名を示す文字が記載された銘板10が配置されている。本実施形態において、銘板10の一面上には、銘板10が操作部本体5から剥離することを防止する押さえ部材20が配置されている。
なお、本実施形態においては、銘板10を操作部本体5を構成するケース体に設けるとしている。しかし、ケース体は操作部本体を構成するものに限定されものではなく、ユニバーサルコード4の基端部に設けられるコネクタを構成するケース体等であってもよい。
【0014】
図4に示すように銘板10は、例えば長方形形状等の変形可能な薄板で、予め定められた厚み寸法である厚みtに設定されている。銘板10は、一面である表示面11と、その裏面である載置面12とを備えている。表示面11は、予め定められた二点鎖線に示す範囲内に位置する露出部13と、二点鎖線に示す範囲外に位置する、すなわち露出部13の周囲に設けられた当接部14とに区分されている。表示面11の露出部13には、内視鏡の機種名を示す文字、或いは使用形態を示す絵等が記載されている。当接部14上には押さえ部材20が配置されるようになっている。
【0015】
図5図7を参照して押さえ部材20を説明する。
図5図6に示すように押さえ部材20は、外形が例えば長方形形状で、かつ長方形形状の開口部21を備えた枠部材である。押さえ部材20は、押圧部22と取付用凸部23とを備えている。押圧部22の厚みは、予め定めた寸法である厚みT1に設定され、取付用凸部23の厚みは、予め定めた寸法である厚みT2に設定されている。
【0016】
図6図7に示すように本実施形態の開口部21の開口は、表面側の面積と裏面側である接触面22f側とで面積が異なっている。具体的に、開口部21の側面は、予め定めた傾斜角度の斜面24であり、開口面積が表面側から接触面22fに行くにしたがって徐々に大きくなるように形成されている。
本実施形態において、接触面22f及び斜面24は、銘板10の当接部14上に配置される押さえ部25として構成されている。
【0017】
取付用凸部23は、接触面22fから突出しており、接触面22fの両長辺側及び一短辺側に設けられている。取付用凸部23の幅寸法は予め定めた寸法に設定されている。接触面22f及び取付用凸部23は、銘板取付面9aを構成する後述する押さえ部材収容部(後述する図8の符号40)内に収容されるように構成されている。
【0018】
また、取付用凸部23の短辺側および接触面22fの短辺側にはそれぞれ係合部を構成する第1凸部26、27が設けられている。
当接面短辺側の細径第1凸部26は、接触面22fに対して予め定めた高さ寸法であるH1突出した凸部であり、予め定めた径寸法で構成されている。取付用凸部短辺側の太径第1凸部27は、取付用凸部23の平面23fに対して予め定めた高さ寸法であるH2突出した凸部であり、予め定めた径寸法で構成されている。
【0019】
なお、細径第1凸部26の開口部21とは反対側の短辺側外周面には、凸部軸方向に延びる逃がし溝26gが形成されている。また、太径第1凸部27の開口部21とは反対側の短辺側外周面には、凸部軸方向に延びる逃がし溝27gが形成されている。
【0020】
図8図10を参照して銘板取付面9aの構成を説明する。
図8に示すように操作部カバー9の銘板取付面9aには、銘板配置部30と押さえ部材収容部40とが設けられている。
銘板配置部30は、銘板10の露出部13が配置される第1配置面31と、銘板10の当接部14及び押さえ部材20の接触面22fが配置される第2配置面32とを有して構成されている。そして、押さえ部材20が収容される押さえ部材収容部40は、第2配置面32を含んで構成されている。
符号51、符号52は、係合部を構成する第1穴である。細径第1穴51の内径は、細径第1凸部26が嵌合固定するように設定され、太径第1穴52の内径は太径第1凸部26が嵌合固定するように設定されている。
【0021】
第2配置面32は、第1配置面31の周囲を囲むように凹んで形成されており、図9図10に示すように傾斜面33と底面34とを備えて構成されている。傾斜面33の角度は、斜面24の傾斜角度に一致している。
【0022】
底面34は、平面で構成されており、第1配置面31から底面34までの深さ寸法d1は、銘板10の厚みtと、押さえ部材20の押圧部22の厚み寸法T1と、接着層(後述する図11の符号55s参照)の厚みT3を考慮して設定されている。
【0023】
また、第1配置面31から押さえ部材収容部40の底面41までの深さ寸法d2は、押さえ部材20の取付用凸部23の厚み寸法T2より深く構成されている。取付用凸部23の平面23fから押さえ部材収容部40の底面41までの隙間は、少なくとも接着層の厚みT3より大きく設定してある。
【0024】
さらに、第2配置面32の底面34から細径第1穴51の底面までの深さ寸法D1は、細径第1凸部26の高さH1を考慮して設定されている。また、押さえ部材収容部40の底面41から太径第2穴52の底面までの深さ寸法D2は、太径第1凸部27の高さH2を考慮して設定されている。
なお、図9の符号53は接着剤溜まりであり、第1配置面31の予め定めた位置に設けられている。
【0025】
そして、本実施形態において、押さえ部材20を押さえ部材収容部40に予め定められた状態に配置したとき、図11A図11Cに示すように細径第1凸部26の先端面が細径第1穴51の底面に当接し、太径第1凸部27の先端面が太径第2穴52の底面に当接して配置される。
【0026】
この配置状態において、図11A図11Bに示すように押さえ部材20の接触面22fと第2配置面32の底面34との間、及び押さえ部材20の斜面24と第2配置面32の傾斜面33との間には、破線に示す銘板10の厚みtと接着層55sの厚みT3とを合わせた第1隙間S1が形成される。
【0027】
また、図11B図11Cに示すように押さえ部材20の取付用凸部23の平面23fと押さえ部材収容部40の底面41との間には、接着層の厚みT3より大きな第2隙間S2が形成される。
【0028】
さらに、図11A図11Bに示すように押さえ部材20の表面は、銘板10が配置される第1配置面31の表面より銘板10の厚みt分だけ、高く配置される
なお、本実施形態においては、押さえ部材20の外側側面と押さえ部材収容部40の内側面との間に、予め定めた寸法の第3隙間s3が形成されるように押さえ部材20の外形寸法及び押さえ部材収容部40の凹部の長手方向及び長手方向に直交する方向の幅寸法が設定してある。
【0029】
ここで、図12A図14Bを参照して銘板10を操作部カバー9の銘板取付面9aに取り付ける手順を説明する。
作業者は、操作部カバー9、銘板10、押さえ部材20等を用意する。
まず、作業者は、操作部カバー9の押さえ部材収容部40及び銘板配置部30の第2配置面32に、粘性を有する接着剤55を塗布するとともに、接着剤溜まり53に接着剤55を予め定めた状態に充填する。その後、作業者は、接着剤55を押さえ部材収容部40内及び第2配置面32上に予め定めた状態となるように行き渡たらせる。
【0030】
次に、作業者は、図12A図12Bに示すように銘板10を銘板配置部30の第1配置面31上に予め定められた状態となるように配置する。すると、銘板10は、接着剤溜まり53に充填されている接着剤55によって、第1配置面31上に仮止めされる。
【0031】
次いで、作業者は、図13A図13Bに示すように押さえ部材20を押さえ部材収容部40に対向させる。このとき、作業者は、細径第1凸部26と細径第1穴51との位置合わせ、太径第2凸部27と太径第2穴52との位置合わせ、および、取付用凸部23と押さえ部材収容部40との位置合わせ等とを行う。
【0032】
次に、作業者は、押さえ部材20の第1凸部26、27を第1穴51、52に嵌入させていく。すると、第1穴51、52内に充填されている接着剤55は、第1凸部26、27の第1穴51、52内への侵入に伴って、逃がし溝26g、27gを介して第1穴51、52の外部に押し出されていく。また、取付用凸部23は、押さえ部材収容部40に収容されていく。このとき、押さえ部材収容部40に塗布されている接着剤55は、第3隙間s3に向けて移動していく。
【0033】
そして、作業者が、第1凸部26、27の先端面が第1穴51、52の底面に近接させていくことにより、押さえ部材20の接触面22fが銘板10の当接部14に当接する。そして、第1凸部26、27の先端面が第1穴51、52の底面にさらに近接されていくことにより、銘板10の当接部14が接触面22fに押圧されて変形していく。
【0034】
その後、作業者によって、図14Aに示すように第1凸部26、27の先端面が第1穴51、52の底面に当接されるとによって、押さえ部材20の押さえ部材収容部40への収容が完了する。このとき、第1隙間S1にはT3の接着層55sが設けられ、第2隙間S2及び第3隙間s3は接着剤55で充満された状態になる。
ここで、作業者は、押さえ部材20を保持して、接着剤55の硬化を待つ。
【0035】
そして、接着剤55が硬化することによって、押さえ部材20が操作部カバー9の押さえ部材収容部40に一体に接着固定されて、銘板10が銘板取付面9aに取り付けられる。この取付状態において、銘板10の表示面11と押さえ部材20の表面とが面一致している。また、銘板10の表示面11に記載されている文字等は、押さえ部材20の開口部21から視認される。
【0036】
このように、押さえ部材20に細径第1凸部26及び太径第1凸部27を設ける一方、押さえ部材収容部40に細径第1凸部26が嵌合する細径第1穴51および太径第1凸部27が嵌合する太径第2穴52を設ける。そして、押さえ部材20を押さえ部材収容部40に配置する際、押さえ部材収容部40および銘板配置部30の第2配置面32に予め接着剤55を塗布して、押さえ部材20を押さえ部材収容部40への取り付けを行う。
この結果、押さえ部材20は、押さえ部材収容部40に対して、第1凸部26、27の第1穴51、52への嵌合固定と接着剤55による接着固定とにより確実に一体に固定される。
【0037】
また、銘板10を変形可能な薄板状に形成し、銘板10の表示面11に露出部13及び当接部14を設けている。そして、押さえ部材20を押さえ部材収容部40に接着固定する際、押さえ部材20の押さえ部25を露出部13の周囲に設けた当接部14上に配置させている。
この結果、銘板10の端側が剥離して、内視鏡操作部の表面から突出する不具合を確実に防止することができる。
【0038】
さらに、第1凸部26、27に逃がし溝26g、27gを設け、第1凸部26、27の先端面が第1穴51、52の底面に当接したとき、押さえ部材20の押さえ部材収容部40への収容を完了するようにしている。
この結果、第1凸部26、27を第1穴51、52内にそれぞれ嵌入配置させた際、第1穴51、52内に充填されている接着剤55を逃がし溝26g、27gを介して外部に送り出して、第1凸部26、27の先端面を第1穴51、52の底面に確実に当接させることができる。
【0039】
なお、上述した実施形態においては、第1凸部26、27に逃がし溝26g、27gを設けることによって、第1穴51、52内の接着剤55を外部に送り出すとしている。しかし、第1穴51、52の第1配置面31とは反対側に出っ張って穴軸方向に伸びる逃がし縦坑(不図示)を設けて、第1穴51、52内の接着剤55を外部に送り出すようにしてよい。
【0040】
また、第1凸部26、27を第1穴51、52に嵌合固定することによって、押さえ部材20を押さえ部材収容部40に固定する構成の代わりに、圧入固定を可能にする第2凸部を前記第1凸部26、27と同様に押さえ部材20に設ける一方、押さえ部材収容部40に第2凸部に対応する第2穴を設けるようにしてもよい。
【0041】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…内視鏡 2…内視鏡挿入部 3…操作部 4…ユニバーサルコード 5…操作部本体
6…把持部 7…湾曲部操作装置 7a…上下用湾曲ノブ 7b…左右用湾曲ノブ
8a…送気送水ボタン 8b…吸引ボタン 8c…操作スイッチ 9…操作部カバー
9a…銘板取付面 10…銘板 11…表示面 12…載置面 13…露出部
14…当接部 20…押さえ部材 21…開口部 22…押圧部 22f…接触面
23…取付用凸部 23f…平面 24…斜面 25…押さえ部 26…細径第1凸部
26g…逃がし溝 27…太径第1凸部 27g…逃がし溝 30…銘板配置部
31…第1配置面 32…第2配置面 33…傾斜面 34…底面
40…押さえ部材収容部 41…底面 51…細径第1穴 52…太径第2穴
55…接着剤 55s…接着層 100…銘板 101…内視鏡操作部
102…操作部表面 103…銘板固定凹部 104…スペーサー 105…凹部
106…スペーサー固定凹部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B