(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における案内装置の概要を示す図である。案内装置10は、第1案内態様13aまたは第2案内態様13bで案内対象を案内する装置である。案内装置10は、たとえば、案内音声や案内表示により案内対象を案内する。第1案内態様13aは、第1案内対象の案内に用いられる案内態様である。第2案内態様13bは、第2案内対象の案内に用いられる案内態様であり、たとえば、第1案内態様13aで案内するのが困難な案内対象の案内に用いられる。案内態様は、案内音声の音声態様(音量、速度)と案内表示の表示態様(色彩、強調表示(フリッカー、点滅)、文字の大きさ等)とを含む。
【0011】
案内装置10は、特定部11と取得部12と判定部13とを含んで構成される。特定部11は、所定の案内順番に沿って案内を待つ待機者のうち、次に案内される案内対象14を特定する。特定部11は、案内順番と待機者の識別情報とを対応付けて管理する待機者ファイル16に基づいて案内対象14を特定する。たとえば、待機者ファイル16は、待機者a、待機者b、待機者c、待機者dの順に案内されることを示す。そして、待機者ファイル16に基づいて、特定部11は、次に案内される待機者aの識別情報を取得し、待機者aが案内対象14であると特定する。
【0012】
取得部12は、特定部11が特定した案内対象14の識別情報に基づき、データベース15等から案内対象14の身体情報15aを取得する。身体情報15aは、予めデータベース15等に登録されている。身体情報15aは、案内対象14の身体状況を識別可能な情報であり、たとえば、年齢、聴力、視力、障害の有無などの情報を含む。
【0013】
判定部13は、身体情報15aに基づいて案内対象14が第1案内対象であるか第2案内対象であるかを特定し、第1案内対象に向けた第1案内態様13aで案内するか第2案内対象に向けた第2案内態様13bで案内するかを判定する。たとえば、判定部13は、身体情報15aに基づいて、案内対象14が所定の身体状況にあるか否かを判定することで、案内対象が第1案内対象であるか第2案内対象であるかを特定する。
【0014】
このように、案内装置10は、案内対象14の身体情報15aによって、異なる案内態様(第1案内態様13a、13b)の中から、案内対象14に適した案内態様(たとえば、案内対象14が第1案内対象である場合には第1案内態様13a)で案内すると判定して案内する。これにより、案内装置10は、適切に案内対象14を案内できる。
【0015】
[第二実施形態]
次により具体的な例について第二実施形態で説明する。
図2は、第二実施形態における案内システムの概要を示す図である。案内システム20は、病院で用いられるシステムであり、患者を院内の複数の診察室40a〜40nや受付50に案内するシステムである。
【0016】
案内システム20は、ネットワーク80を介して接続する、管理サーバ60と表示制御装置400a〜400nと診察室PC(Personal Computer)500a〜500nと受付PC52とを備える。表示制御装置400a〜400nと診察室PC500a〜500nは各診察室40a〜40nに設けられ、表示制御装置51と受付PC52とは受付50に設けられる。以下、代表して診察室40aに設けられた表示制御装置400a、診察室PC500aを用いて説明する。
【0017】
管理サーバ60は、患者の電子カルテや患者の案内順番を管理するサーバである。管理サーバ60は、患者の案内依頼を受付けると患者の身体情報に基づいて、当該患者を案内するのに用いる案内態様を決定する。また、管理サーバ60は、決定した案内態様に基づいて案内表示と案内音声を生成して、案内先に送信する。案内依頼は、たとえば、案内先(診察室40a〜40n、受付50)を識別可能な識別情報と、担当医師名、当該医師の所属診療科などの情報を含む。
【0018】
表示制御装置400aは、診察室40a周辺に設けられた案内表示盤410aを制御する装置である。表示制御装置51は、受付50周辺に設けられた案内表示盤51aを制御する装置である。表示制御装置400a、51は、案内表示盤410a、51aから案内音声や案内表示を管理サーバ60が決定した案内態様で報知することで、患者を案内する。なお、管理サーバ60と表示制御装置400aとは、案内装置10の一実施形態である。
【0019】
診察室PC500aは、診察等で利用するPCである。診察室PC500aは、診察室40aで診察を行う医師が利用するPCである。診察室PC500aは、診察室40aへの患者の案内依頼を管理サーバ60に通知する。
【0020】
受付PC52は、診察依頼の受付や会計で利用するPCである。受付PC52は、受付50の従業員等が利用するPCである。受付PC52は、患者から受付けた診察依頼を、管理サーバ60に通知する。また受付PC52は、受付50への患者の案内依頼を管理サーバ60に通知する。以下、特に診察室40aに患者を案内する場合を中心に説明する。
【0021】
次に管理サーバ60のハードウェア構成について説明する。
図3は、第二実施形態における管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ60は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0022】
RAM102は、管理サーバ60の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0023】
バス107に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、およびネットワークインタフェース106がある。
【0024】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、管理サーバ60の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0025】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画面をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0026】
入力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0027】
ネットワークインタフェース106は、ネットワーク80に接続されている。ネットワークインタフェース106は、ネットワーク80を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0028】
以上のようなハードウェア構成によって、第二実施形態の処理機能を実現することができる。
管理サーバ60は、たとえばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第二実施形態の処理機能を実現する。管理サーバ60に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、管理サーバ60に実行させるプログラムをHDD103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、HDD103内のプログラムの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。また管理サーバ60に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカードなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ101からの制御により、HDD103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0029】
次に表示制御装置400aのハードウェア構成について説明する。
図4は、第二実施形態における表示制御装置のハードウェア構成例を示す図である。表示制御装置400aは、プロセッサ401によって装置全体が制御されている。プロセッサ401には、バス407を介してRAM402と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ401は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ401は、たとえばCPU、MPU、DSP、ASIC、またはPLDである。またプロセッサ401は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0030】
RAM402は、表示制御装置400aの主記憶装置として使用される。RAM402には、プロセッサ401に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM402には、プロセッサ401による処理に必要な各種データが格納される。
【0031】
バス407に接続されている周辺機器としては、HDD403、グラフィック処理装置404、出力インタフェース405、およびネットワークインタフェース406がある。
HDD403は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD403は、表示制御装置400aの補助記憶装置として使用される。HDD403には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0032】
グラフィック処理装置404には、案内表示盤410aが接続されている。グラフィック処理装置404は、プロセッサ401からの命令に従って、画面を案内表示盤410aの画面に表示させる。案内表示盤410aとしては、CRTを用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0033】
出力インタフェース405には、スピーカ411aが接続されている。出力インタフェース405は、プロセッサ401からの命令に従って、音声をスピーカ411aに報知させる。なお、スピーカ411aは、案内表示盤410aと一体であってもよい。
【0034】
ネットワークインタフェース406は、ネットワーク80に接続されている。ネットワークインタフェース406は、ネットワーク80を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0035】
以上のようなハードウェア構成によって、第二実施形態の処理機能を実現することができる。なお、表示制御装置400nも
図4に示した表示制御装置400aと同様のハードウェアにより実現することができる。
【0036】
表示制御装置400aは、たとえばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第二実施形態の処理機能を実現する。表示制御装置400aに実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、表示制御装置400aに実行させるプログラムをHDD403に格納しておくことができる。プロセッサ401は、HDD403内のプログラムの少なくとも一部をRAM402にロードし、プログラムを実行する。また表示制御装置400aに実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカードなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ401からの制御により、HDD403にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ401が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0037】
次に管理サーバ60の機能について説明する。
図5は、第二実施形態における管理サーバの機能ブロック図である。
管理サーバ60は、案内依頼受付部61と、患者待機情報記憶部62と、患者待機情報取得部63と、案内対象特定部64と、案内対象情報取得部65と、電子カルテ記憶部66と、案内態様記憶部67と、案内態様判定部68と、案内生成部69と、通信部70とを含んで構成される。
【0038】
通信部70は、各種通信を制御する。案内依頼受付部61は、通信部70を介して診察室PC500aと受付PC52とから患者の案内依頼を受付ける。
患者待機情報記憶部62は、案内されるのを待機する患者(以下、待機患者)の患者待機情報を記憶する。患者待機情報記憶部62は、案内先毎に患者待機情報を記憶する。患者待機情報は、待機患者の案内順番に関する案内順番情報と、待機患者を識別可能な患者識別情報とを含む。患者待機情報については後で
図6を用いて詳細に説明する。
【0039】
患者待機情報取得部63は、案内依頼受付部61が受付けた案内依頼に基づいて、患者待機情報記憶部62から該当する案内先の患者待機情報を取得する。たとえば、患者待機情報取得部63は、診察室PC500aから案内依頼を受付けた場合には、当該診察室PC500aが設けられた診察室40aを案内依頼に基づいて特定し、特定した診察室40aの患者待機情報を取得する。
【0040】
案内対象特定部64は、患者待機情報取得部63が取得した患者待機情報の案内順番情報に基づいて次に案内する患者の患者識別情報を取得して、案内対象を特定する。なお、案内対象特定部64は、特定部11の一実施形態である。
【0041】
案内対象情報取得部65は、案内対象特定部64が案内対象として特定した患者の患者識別情報に基づいて、患者の電子カルテを記憶する電子カルテ記憶部66から案内対象の電子カルテを取得する。電子カルテ記憶部66が記憶する電子カルテについては後で
図7を用いて詳細に説明する。なお、案内対象情報取得部65は、取得部12の一実施形態である。
【0042】
案内態様記憶部67は、一般的な患者向けの案内態様(標準案内態様)を含む、複数種類の案内態様(たとえば、高齢者向けの案内態様、視覚障害向けの案内態様等)を記憶する。なお、標準案内態様は、第1案内態様13aの一実施形態であり、高齢者向けの案内態様と視覚障害者向けの案内態様とは、第2案内態様13bの一実施形態である。
【0043】
案内態様は、たとえば、案内音声の音声態様(音量、速度)、案内表示の表示態様(たとえば、文字の大きさ、強調表示)等を含む。なお、案内態様記憶部67は、案内態様として、具体的な値(たとえば、音量(60デシベル)等)を記憶していてもよいし、標準案内態様との差分(音量(+5デシベル)等)を記憶していてもよい。
【0044】
案内態様判定部68は、案内態様判定処理を行う。案内態様判定処理では、案内態様判定部68は、案内対象情報取得部65が取得した案内対象の電子カルテに基づいて案内態様記憶部67が記憶する複数種類の案内態様のうち、いずれの案内態様で案内対象を案内するか判定する。案内態様判定処理については、後で
図11を用いて詳細に説明する。なお、案内態様判定部68は、判定部13の一実施形態である。
【0045】
案内生成部69は、患者待機情報取得部63が取得した案内先の患者待機情報と、案内対象特定部64が特定した次に案内する案内対象と、案内態様判定部68が判定した案内対象を案内するのに用いる案内態様とに基づいて、案内(案内音声および案内表示)を生成する。案内表示については後で
図8、9を用いて詳細に説明する。
【0046】
次に、患者待機情報について
図6を用いて説明する。
図6は、第二実施形態における患者待機情報の一例を示す図である。
患者待機情報記憶部62は、案内先毎の患者待機情報62a1〜62anを有する。たとえば、患者待機情報62a1は、いずれかの診察室40a〜40nまたは受付50の患者待機情報である。なお、患者待機情報62a1は、いずれかの診療科、または受付50の患者待機情報であってもよい。
【0047】
患者待機情報62a1は、案内順番情報と、整理番号と、患者識別情報とを含んで構成される。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1人の待機患者の情報を示す。
【0048】
案内順番情報は、案内先に案内される順番を識別可能な情報である。
整理番号は、診察依頼を受付けた順番を識別可能な情報であり、患者は、案内時にはこの番号で案内される。なお、案内システム20は、整理番号に替えて氏名等で案内してもよい。
【0049】
患者識別情報は、患者を一意に識別可能な情報であり、患者の電子カルテを電子カルテ記憶部66から取得する際に用いられる。
たとえば、診察室40aの患者待機情報は、受付PC52から患者の診察室40aでの診察依頼の通知を管理サーバ60が受付けた場合に、新たな待機患者の情報が追加される。そして、診察室40aの患者待機情報は、診察室PC500aから診察終了の通知を管理サーバ60が受付けた場合に案内順番情報が「1」である待機患者の情報が削除され、それに伴ってそれぞれの案内順番情報が1繰り上がる。具体的には、整理番号「E4」、患者識別情報「#0002」に対応する案内順番情報が「1」になる。これにより次に案内される案内対象の案内順番情報は、「1」になる。
【0050】
また、受付50の患者待機情報は、診察室PC500aから診察終了の通知を管理サーバ60が受付けた場合に、新たな待機患者の情報が追加される。そして、受付PC52から会計終了の通知を管理サーバ60が受付けた場合に案内順番情報が「1」である待機患者の情報が削除され、それに伴ってそれぞれの案内順番情報が1繰り上がる。以下、患者待機情報62a1を、診察室40aの患者待機情報として説明する。
【0051】
次に、電子カルテについて
図7を用いて説明する。
図7は、第二実施形態における電子カルテの一例を示す図である。
電子カルテ記憶部66は、患者毎の電子カルテ66a1〜66anを有する。たとえば、電子カルテは、初診時や問診時に電子カルテ記憶部66に追加され、患者が診察や検査を受診すると更新される。また、既に別の病院等で作成された電子カルテを受付けていれば電子カルテ記憶部66に追加済みであってもよい。以下、代表して電子カルテ66a1を用いて説明する。
【0052】
電子カルテ66a1は、患者の身体状況を示す各種情報を有する。電子カルテ66a1は、患者基本データと、持病データと、検査データとを含んで構成される。
患者基本データは、患者の識別に用いられる情報であり、たとえば、氏名、生年月日(年齢)、患者識別情報、性別などを含む。患者基本データは、初診時や問診時に設定される。
【0053】
持病データは、患者の持病に関する情報であり、たとえば、アレルギー、視覚障害の有無、歩行障害の有無、聴覚障害の有無などを含む。持病データは、初診時や問診時および診察や検査をした際に設定される。
【0054】
検査データは、検査結果に関する情報であり、たとえば、血液検査結果、レントゲン、聴力検査結果、視力検査結果などを含む。検査データは、診察や検査をした際に設定される。
【0055】
なお、電子カルテに設定される情報は、一例であってこれに限らない。上記以外の患者の身体状況を示す情報を設定してもよい。
次に、案内生成部69が、生成する案内表示について
図8、9を用いて説明する。
図8は、第二実施形態における案内画面の一例を示す図である。
図9は、第二実施形態における待機画面の一例を示す図である。
【0056】
案内画面110は、案内対象を診察室40aに案内するための案内表示であり、案内表示盤410aに表示される。具体的には、案内画面110は、整理番号が「E3」の患者に部屋番号が「1」である診察室40aへの入室を案内している。案内画面110は、部屋番号が「1」である診察室40aに設けられた表示制御装置400aの案内表示盤410aに表示される。
【0057】
待機画面120は、案内画面110で患者を案内し終えると表示される。待機画面120は、診察室40aの待機患者に待機状況を案内するための案内表示であり、案内表示盤410aに表示される。
【0058】
具体的には、待機画面120は、整理番号「E3」の患者が診察中であり、整理番号「E4」、整理番号「E5」、整理番号「E6」の患者が待機しており、整理番号「E4」、整理番号「E5」、整理番号「E6」の患者の順で診察室40aに案内されることを示す。
【0059】
なお、案内表示盤410aに表示される案内表示(案内画面、待機画面)について説明したが、案内表示盤51aにも案内表示盤410aと同様に、案内画面と待機画面を表示できる。
【0060】
次に、管理サーバ60が表示制御装置400aに案内(案内音声、案内表示)を送信する処理(案内送信処理)について
図10を用いて説明する。
図10は、第二実施形態における案内送信処理のフローチャートである。
【0061】
案内送信処理は、管理サーバ60が実行する処理である。管理サーバ60は診察室PC500aから通知された患者の案内依頼を、案内依頼受付部61で受付けた場合に案内送信処理を実行する。
【0062】
[ステップS11]患者待機情報取得部63は、案内依頼受付部61が受付けた案内依頼に基づいて、患者待機情報記憶部62から案内先の患者待機情報を取得する。
[ステップS12]案内対象特定部64は、取得した患者待機情報に基づいて次に案内する待機患者の患者識別情報を取得し、案内対象を特定する。
【0063】
[ステップS13]案内対象情報取得部65は、特定した案内対象の患者識別情報に基づいて、電子カルテ記憶部66から案内対象の電子カルテを取得する。
[ステップS14]案内態様判定部68は、案内態様判定処理を行う。案内態様判定処理では、案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて複数種類の案内態様のうち、いずれの案内態様で案内対象を案内するか判定する。
【0064】
[ステップS15]案内生成部69は、案内態様判定処理によって案内対象を案内(案内音声、案内表示)するのに用いると判定した案内態様に基づいて、案内音声と案内表示を生成する。
【0065】
[ステップS16]通信部70は、案内音声と案内表示を、案内先の表示制御装置400aに送信する。
なお管理サーバ60が、案内音声、案内表示を生成するとして説明したがこれに限らない。たとえば、管理サーバ60は、案内態様判定処理によって案内対象を案内するのに用いると判定した案内態様を表示制御装置400a、51に送信し、表示制御装置400aが案内音声、案内表示を生成してもよい。
【0066】
次に、案内態様判定部68が実行する案内態様判定処理について
図11を用いて説明する。
図11は、第二実施形態における案内態様判定処理のフローチャートである。案内態様判定処理は、案内送信処理のステップS14で行われる。
【0067】
[ステップS21]案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて案内対象が高齢者であるか否かを判定する。案内態様判定部68は、案内対象が高齢者であると判定した場合にはステップS22にすすみ、案内対象が高齢者でないと判定した場合にはステップS23にすすむ。
【0068】
たとえば、案内態様判定部68は、生年月日(年齢)が閾値以前である場合に案内対象が高齢者であると判定する。
[ステップS22]案内態様判定部68は、高齢者向けの案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。高齢者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内音声の音量を大きくし、案内音声の速度を下げることで、案内音声の音声態様を高齢者でも認識容易に(聞き取りやすい)した態様である。
【0069】
また、高齢者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内表示に表示される表示文字の大きさを大きくし、案内表示に表示される表示文字をフリッカー(点滅)等により強調することで、案内表示の表示態様を高齢者でも認識容易に(見やすい)した態様である。
【0070】
[ステップS23]案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて案内対象が聴覚障害を有しているか否かを判定する。案内態様判定部68は、案内対象が聴覚障害を有していると判定した場合にはステップS24にすすみ、案内対象が聴覚障害を有していないと判定した場合にはステップS25にすすむ。
【0071】
たとえば、案内態様判定部68は、電子カルテに設定された聴力が閾値以下である場合に案内対象が聴覚障害を有していると判定する。また、案内態様判定部68は、聴覚障害有りと電子カルテに設定されている場合に、案内対象が聴覚障害を有していると判定する。
【0072】
[ステップS24]案内態様判定部68は、聴覚障害者向けの案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。聴覚障害者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内音声の音量を大きくし、案内音声の速度を下げることで、案内音声の音声態様を聴覚障害者でも認識容易に(聞き取りやすい)した態様である。
【0073】
また、聴覚障害者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内表示に表示される表示文字の大きさを大きくし、案内表示に表示される案内表示をフリッカー(点滅)等により強調することで、案内表示の表示態様を聴覚障害者でも認識容易に(見やすい)した態様である。このように案内システム20は、案内表示の表示態様を認識容易にした案内態様で案内対象を案内することにより、視覚情報だけで案内対象を適切に案内先へ案内することができる。すなわち、案内システム20は、案内対象の聴覚障害の度合いに関わらず案内対象を適切に案内できる。
【0074】
[ステップS25]案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて案内対象が視覚障害を有しているか否かを判定する。案内態様判定部68は、案内対象が視覚障害を有していると判定した場合にはステップS26にすすみ、案内対象が視覚障害を有していないと判定した場合にはステップS27にすすむ。
【0075】
たとえば、案内態様判定部68は、電子カルテに設定された視力が閾値以下である場合に案内対象が視覚障害を有していると判定する。また、案内態様判定部68は、視覚障害有りと電子カルテに設定されている場合に、案内対象が視覚障害を有していると判定する。
【0076】
[ステップS26]案内態様判定部68は、視覚障害者向けの案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。視覚障害者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内表示に表示される表示文字の大きさを大きくし、案内表示に表示される表示文字をフリッカー(点滅)等により強調することで、案内表示の表示態様を視覚障害者でも認識容易に(見やすい)した態様である。
【0077】
また、視覚障害者向けの案内態様は、標準案内態様よりも案内音声の音量を大きくし、案内音声の速度を下げることで、案内音声の音声態様を聴覚障害者でも認識容易に(聞き取りやすい)した態様である。このように案内システム20が、案内音声の音声態様を認識容易にした案内態様で案内対象を案内することにより、聴覚情報だけで案内対象を適切に案内先へ案内することができる。すなわち、案内システム20は、案内対象の視覚障害の度合いに関わらず案内対象を適切に案内できる。
【0078】
[ステップS27]案内態様判定部68は、標準案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。
このように、案内態様判定部68は、案内対象の身体状況を判定(ステップS21、23、25)し、標準案内態様による案内が困難な身体状況であると判定した場合(ステップS22、24、26)には標準案内態様に替えて身体状況に応じた案内態様で案内対象を案内すると判定する。これにより、案内システム20は、標準案内態様では案内することが困難な案内対象を案内する際に、案内対象の身体状況に応じた案内態様を用いて案内できる。
【0079】
なお、上述した案内態様判定部68が実行する案内態様判定処理は一例であってこれに限らない。たとえば、案内態様判定部68は、患者が妊婦であるか否かを電子カルテに基づいて判定し、妊婦向けの案内態様で案内すると判定してもよいし、患者が子供であるか否かを電子カルテに基づいて判定し、子供向けの案内態様で案内すると判定してもよい。すなわち案内態様判定部68は、電子カルテに応じて案内対象が所定の身体状況にあるか否かを判定し、所定の身体状況でも認識容易な案内態様で、案内対象を案内すると判定すればよい。
【0080】
次に表示制御装置400aが実行する案内処理について
図12を用いて説明する。
図12は、第二実施形態における案内処理のフローチャートである。表示制御装置400aは、管理サーバ60から案内音声と案内表示を受信した場合に案内処理を実行する。
【0081】
[ステップS31]表示制御装置400aは、案内表示盤410aの表示を、患者を案内する案内画面に切り替える。たとえば、表示制御装置400aは、案内表示盤410aの表示を案内画面110に切り替える。
【0082】
[ステップS32]表示制御装置400aは、案内表示盤410aから案内音声を報知する。
[ステップS33]表示制御装置400aは、診察室PC500aから指示を受付けたか否かを判定する。ここでいう指示には、入室を確認した場合に通知される案内終了指示と、再度同じ患者を対象として案内音声を報知する際に通知される再案内指示がある。診察室PC500aは、所定のキー入力を医師等から受付けた場合に、案内終了指示または再案内指示を表示制御装置400aに通知する。
【0083】
表示制御装置400aは、指示を受付けたと判定した場合にはステップS34にすすみ、指示を受付けていないと判定した場合には指示を受付けるまで待ち受ける。
[ステップS34]表示制御装置400aは、受付けた指示が、案内終了指示であるか否かを判定する。表示制御装置400aは、受付けた指示が案内終了指示であると判定した場合にはステップS35にすすみ、受付けた指示が案内終了指示でないと判定した場合(受付けた指示が再案内指示である場合)にはステップS32にすすむ。なお、再度案内音声を報知する際に、前回報知した案内音声を、認識容易な(聞き取りやすい)案内音声に変更(たとえば、音量を+数デシベル)して報知してもよい。
【0084】
[ステップS35]表示制御装置400aは、案内表示盤410aの表示を、待機状況を示す待機画面120に切り替える。たとえば、表示制御装置400aは、案内表示盤410aの表示を待機画面120に切り替える。
【0085】
以上が第二実施形態における案内システム20である。このように案内システム20は、案内依頼を受付けると、案内対象を特定し、案内対象の電子カルテを取得して、電子カルテに基づいて、案内対象が標準案内態様で案内が困難な身体状況であるか否かを判定する。そして、案内システム20は、案内対象が標準態様で案内が困難な身体状況であると判定した場合には、標準案内態様に替えて身体状況に応じた案内態様で案内対象を案内すると判定し、判定結果に基づいて案内対象の案内に用いる案内音声と案内表示を生成する。
【0086】
これによれば、案内システム20は、標準案内態様では案内することが困難な案内対象を案内する際に、案内対象の身体状況に応じた案内態様を用いて案内できる。
なお、第二実施形態では特に診察室PC500aから案内依頼を行って表示制御装置400aで患者を診察室40aに案内する場合について説明したが、受付PC52から案内依頼を行って表示制御装置51で患者を受付50に案内する場合も同様の処理により実現できる。
【0087】
なお、案内システム20は、管理サーバ60が外部の管理サーバとネットワーク80を介して接続する構成にして、外部の管理サーバとの間で電子カルテをやり取りするようにしてもよい。このように案内システム20は、管理サーバ60と外部の管理サーバとの電子カルテのやり取りを可能にすることで、初診の患者(管理サーバ60に電子カルテがない患者)を案内する際に、標準案内態様では案内することが困難であるか否かを判定できる。そして管理サーバ60は、初診の患者を標準案内態様では案内することが困難であると判定した場合には、当該患者の身体状況に応じた案内態様を用いて案内できる。
【0088】
なお、案内依頼を受付けた後に、案内対象の身体状況に基づいて案内対象を案内するのに用いる案内態様を判定したがこれに限らない。たとえば、案内システム20は、各患者を案内するのに用いる案内態様を、電子カルテ等に予め記憶しておいてもよい。電子カルテ等に各患者を案内するのに用いる案内態様を記憶しておくことで、案内システム20は、案内対象を案内するのに用いる案内態様の判定に係る処理負荷の低減と、案内音声と案内表示の生成にかかる時間の短縮ができる。
【0089】
[第三実施形態]
次に第三実施形態について説明する。なお、第二実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。第二実施形態では、案内音声の再報知を診察室PC500aからの指示に基づいて実行したが、第三実施形態では、案内音声の再報知を所定の再報知間隔で行う。そして、第三実施形態では、案内態様判定部68は、身体状況に応じた再報知を行う間隔を、案内対象を案内するのに用いる案内態様として判定する。
【0090】
ここで第三実施形態の表示制御装置について説明する。
図13は、第三実施形態における表示制御装置の構成例を示す図である。
表示制御装置600aは、診察室40aに設置される。表示制御装置600aは、案内表示盤410aと入退室検知センサ420aを備える。入退室検知センサ420aは、診察室40aへの入退室を検知する。入退室検知センサ420aは、たとえば、カメラや、赤外線センサ等である。
【0091】
次に案内態様の判定について
図14を用いて説明する。
図14は、第三実施形態における案内態様判定処理のフローチャートである。
[ステップS41]案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて案内対象が高齢者であるか否かを判定する。案内態様判定部68は、案内対象が高齢者であると判定した場合にはステップS42にすすみ、案内対象が高齢者でないと判定した場合にはステップS43にすすむ。
【0092】
[ステップS42]案内態様判定部68は、高齢者向けの案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。案内態様判定部68は、高齢者向きの案内態様として、標準案内態様の再報知間隔よりも再報知間隔を長くする。
【0093】
このように、案内システム20は、再報知間隔を長くした案内態様で高齢者を案内することで、案内表示盤410aから案内を受けて高齢者が診察室40aに向けて移動している最中に、再報知する可能性を低くできる。これにより、案内システム20は、不適切な再報知を減らし、適切に案内対象を案内できる。
【0094】
[ステップS43]案内態様判定部68は、電子カルテに基づいて案内対象が歩行障害を有しているか否かを判定する。案内態様判定部68は、案内対象が歩行障害を有していると判定した場合にはステップS44にすすみ、案内対象が歩行障害を有していないと判定した場合にはステップS45にすすむ。たとえば、案内態様判定部68は、歩行障害有と電子カルテに設定されている場合に、案内対象が歩行障害を有していると判定する。
【0095】
[ステップS44]案内態様判定部68は、歩行障害者向けの案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。案内態様判定部68は、歩行障害者向けの案内態様として、標準案内態様の再報知間隔よりも再報知間隔を長くする。
【0096】
このように、案内システム20は、再報知間隔を長くした案内態様で歩行障害を有する案内対象を案内することで、案内表示盤410aから案内を受けて案内対象が診察室40aに向けて移動している最中に、再報知する可能性を低くできる。これにより、案内システム20は、不適切な再報知を減らし、適切に案内対象を案内できる。
【0097】
[ステップS45]案内態様判定部68は、標準案内態様で案内対象を案内すると判定し、案内態様判定処理を終了する。
このように、案内態様判定部68は、案内対象の身体状況(ステップS41、43)を判定し、標準案内態様による案内が困難な身体状況であると判定した場合(ステップS42、44)には標準案内態様に替えて身体状況に応じた案内態様で案内すると判定する。これにより、案内システム20は、案内対象の身体状況に応じた案内態様を、案内対象を案内するのに用いる案内態様として判定できる。
【0098】
次に案内処理について
図15を用いて説明する。
図15は、第三実施形態における案内処理のフローチャートである。なお、ここでは第二実施形態との相違点(ステップS51〜S52)を中心に説明する。
【0099】
[ステップS51]表示制御装置600aは、入退室検知センサ420aを介して案内対象の入室を検知したか否かを判定する。表示制御装置600aは、案内対象の入室を検知したと判定した場合にはステップS35にすすみ、案内対象の入室を検知していないと判定した場合にはステップS52にすすむ。
【0100】
[ステップS52]表示制御装置600aは、案内音声を報知してから、再報知間隔が経過したか否かを判定する。表示制御装置600aは、再報知間隔が経過したと判定した場合にはステップS32にすすみ、再報知間隔が経過していないと判定した場合にはステップS51にすすむ。
【0101】
以上が第三実施形態における案内システム20である。このように案内システム20は、案内依頼を受付けると、案内対象の電子カルテを取得して、案内対象の身体状況に応じて案内に用いる案内態様(再報知間隔)を判定し、判定した再報知間隔で案内対象に案内音声を再報知する。これによれば、案内システム20は、案内対象の身体状況に応じた案内態様で、案内対象を案内できる。
【0102】
なお、第三実施形態は、他の実施形態に適用することが可能である。なお、受付50の表示制御装置を表示制御装置600aと同様の構成にすれば、受付50でも同様の処理を実現可能である。
【0103】
[第四実施形態]
次に第四実施形態について説明する。第四実施形態は、第二実施形態または第三実施形態を応用した実施形態である。第四実施形態では、第二実施形態または第三実施形態の処理に加えてさらに表示制御装置700aが案内態様を判定する。表示制御装置700aは環境音を測定し、測定した環境音に基づいて案内対象を案内するのに用いる案内態様を判定する。
【0104】
ここで第四実施形態の表示制御装置について説明する。
図16は、第四実施形態における表示制御装置の構成例を示す図である。
表示制御装置700aは、診察室40aに設置される。表示制御装置700aは、案内表示盤410aと環境音検知センサ430aを備える。環境音検知センサ430aは、案内表示盤410a周辺に設けられ、診察室40aの周辺の環境音を測定する。
【0105】
次に案内処理について
図17を用いて説明する。
図17は、第四実施形態における案内処理のフローチャートである。表示制御装置600aは、管理サーバ60から案内音声と案内表示を受信した場合に案内処理を実行する。なお、ここでは第二実施形態との相違点(ステップS61〜S65)を中心に説明する。
【0106】
[ステップS61]表示制御装置700aは、環境音検知センサ430aを介して、診察室40aの周辺の環境音を測定する。
[ステップS62]表示制御装置700aは、測定した環境音が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する。表示制御装置700aは、環境音が閾値以上であると判定した場合にはステップS63にすすみ、環境音が閾値以上でないと判定した場合にはステップS65にすすむ。
【0107】
[ステップS63]表示制御装置700aは、案内態様を騒音状況下用の案内態様で案内すると判定する。
騒音状況下向けの案内態様は、管理サーバ60から受付けた案内態様よりも、案内音声の音量を大きくし、案内音声の速度を下げることで、管理サーバ60から受付けた案内態様を騒音状況下でも認識容易に(聞き取りやすい)した態様である。
【0108】
また、騒音状況下向けの案内態様は、管理サーバ60から受付けた案内態様よりも、案内表示に表示される表示文字の大きさを大きくし、案内表示に表示される整理番号をフリッカー(点滅)等により強調することで、管理サーバ60から受付けた案内態様を騒音状況下でも認識容易に(見やすい)した態様である。このように案内システム20が、案内表示の表示態様を認識容易にした案内態様で案内することにより、案内対象を視覚情報だけで適切に案内先へ案内することができる。すなわち、案内システム20は、環境音の度合いに関わらず案内対象を適切に案内できる。
【0109】
[ステップS64]表示制御装置700aは、騒音状況下向けの案内態様に基づいて、管理サーバ60から送信された案内音声の音声態様と案内表示の表示態様を変更し、ステップS31にすすむ。
【0110】
[ステップS65]表示制御装置700aは、管理サーバ60から受付けた案内態様を用いると判定し、ステップS31にすすむ。表示制御装置700aは、管理サーバ60から受付けた案内態様を用いると判定した場合(ステップS31に進む場合)には、管理サーバ60から送信された案内音声の音声態様と案内表示の表示態様を変更せずに利用する。
【0111】
以上が第四実施形態における案内システム20である。このように案内システム20は、環境音を測定し、環境音に応じて案内に用いる案内態様を判定し、判定結果に基づいて案内対象の案内に用いる案内音声と案内表示を生成する。これによれば、案内システム20は、環境音に応じた案内態様で、案内対象を案内できる。
【0112】
なお、受付50の表示制御装置51を表示制御装置700aと同様の構成にすれば、受付50でも同様の処理を実現可能である。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、管理サーバ60が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)などがある。
【0113】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0114】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0115】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。