(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部材を前記接地体の右又は左の横外側の部分に備え、前記連係ロッドを前記検出部材の右又は左の横外側で前記接地体から右又は左の横外側に外れた位置に備えている請求項2,3,4のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
前記アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記アクチュエータを上昇側に作動させ、前記中立位置から第2所定量を越えて前記接地体が下降すると、前記アクチュエータを下降側に作動させるように、前記昇降操作手段を構成して、
前記接地体の昇降範囲において、前記中立位置を下側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を敏感側に設定し、前記中立位置を上側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定する感度設定手段を備え、
前記昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに融通が生じて、
前記中立位置から前記融通に相当する第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している請求項2〜6のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに前記融通が生じ、且つ、前記上部バネ及び下部バネが前記下降付勢力を備えない自由長状態となり、
前記中立位置から前記融通に相当する前記第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが前記自由長状態から圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している請求項7に記載の水田作業機。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネを、前記自由長状態と、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えた状態とに切換自在な切換手段を備えている請求項8又は9に記載の水田作業機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、検出部材の上部と基準部材のピンとに亘って引っ張りバネ(特許文献1の
図5の45)が接続されており、フロート(検出部材)の上昇により、引っ張りバネが上側に引き伸ばされることによって、引っ張りバネが検出部材を介してフロートを下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成している。
これにより引っ張りバネによってフロートが田面に安定して接地追従するのであり、フロートが田面の泥塊に乗り上げて急上昇し不安定に上下動するような状態が抑えられる。
【0006】
本発明は、水田作業機において、水田作業装置に昇降自在に支持されて田面に接地追従する接地体を備え、水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、アクチュエータを作動させる昇降操作手段を備えた場合、接地体を下降側に付勢するバネをコンパクトに配置することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
水田作業装置を機体に昇降自在に支持して、
機体に対して前記水田作業装置を昇降させるアクチュエータと、前記水田作業装置に昇降自在に支持されて田面に接地追従する接地体と、前記接地体に備えられて前記接地体と一体で昇降する検出部材と、前記水田作業装置に備えられた基準部材とを備え、
前記基準部材と前記検出部材との間の位置関係を前記水田作業装置の田面からの高さとして検出する高さ検出手段と、
前記高さ検出手段の検出に基づいて、前記水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、前記アクチュエータを作動させる昇降操作手段とを備えて、
前記接地体に連動して昇降する連係ロッドを、前記基準部材に対して上下動するように上下方向に備え、
前記基準部材の上側において前記連係ロッドに上部バネを外嵌して備え、前記基準部材の下側において前記連係ロッドに下部バネを外嵌して備え、
前記検出部材の上昇により
前記上部バネ及び前記下部バネが圧縮されることによって、
前記上部バネ及び前記下部バネが前記検出部材を介して前記接地体を下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成している。
【0008】
(作用及び発明の効果)
接地体に備えられて接地体と一体で昇降する検出部材、及び水田作業装置に備えられた基準部材を備えた場合、特許文献1によると、検出部材の上下中間部に位置する基準部材のピンと、検出部材の上部とに亘って引っ張りバネを接続しているので、基準部材の下側に空間が生じている。
【0009】
本発明の第1特徴によると、接地体に備えられて接地体と一体で昇降する検出部材、及び水田作業装置に備えられた基準部材を備えた場
合、基準部材の上側に上部バネを備え、基準部材の下側に下部バネを備えて、接地体(検出部材)の上昇により
上部バネ及び下部バネが圧縮されることによって、
上部バネ及び下部バネが検出部材を介して接地体を下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成している。
これにより、基準部材の下側に生じていた空間を有効に利用して、接地体を下降側に付勢する下部バネを配置しており、下部バネをコンパクトに配置することができる。
【0010】
本発明の第1特徴によると、前述のように下部バネを備える場合、接地体に連動して昇降する連係ロッドを基準部材に対して上下動するように上下方向に備え、基準部材の下側において連係ロッドに下部バネを外嵌して備えている。
これにより、下部バネが圧縮される際に座屈しようとしても、連係ロッドに外嵌されていることによって、下部バネの座屈が防止されるのであり、下部バネの内部に連係ロッドが備えられることによって、連係ロッドをコンパクトに配置することができる。
前述のように上部バネ及び下部バネを備える場合、本発明の第1特徴によると、基準部材の上側に上部バネを備え、基準部材の下側に下部バネを備えているので、上部バネ及び下部バネを上側及び下側に大きく突出させることなく、コンパクトに配置することができる。
前述のように上部バネを備える場合、基準部材の上側において連係ロッドに上部バネを外嵌して備えている。これにより、上部バネが圧縮される際に座屈しようとしても、連係ロッドに外嵌されていることによって、上部バネの座屈が防止されるのであり、上部バネの内部に連係ロッドが備えられることによって、連係ロッドをコンパクトに配置することができる。
【0011】
以上の構造により、田面に接地追従する接地体に対して水田作業装置が上昇(下降)すると(水田作業装置に対して接地体が下降(上昇)すると)、基準部材と検出部材との間の位置関係が水田作業装置の田面からの高さとして検出され、水田作業装置が田面から設定高さに維持されるようにアクチュエータを作動して、機体に対して水田作業装置が自動的に昇降する。
【0012】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記基準部材の上側に位置する前記検出部材の部分から、前記連係ロッドを前記基準部材の下側まで延出して、
前記基準部材の下側において前記連係ロッドの下部に、前記下部バネを前記連係ロッドに外嵌して備え、前記基準部材の上側において前記連係ロッドの上部に、
前記上部バネを前記連係ロッドに外嵌して備えて、
前記検出部材の上昇により前記検出部材を介して前記上部バネが圧縮されることによって、前記上部バネが前記下降付勢力を発生するように構成し、前記上部バネを介して前記連係ロッドが上昇して、
前記連係ロッドの上昇により前記連係ロッドを介して前記下部バネが圧縮されることによって、前記下部バネが前記下降付勢力を発生するように構成している。
【0013】
(作用及び発明の効果)
本発明の第2特徴によると、接地体(検出部材)の上昇により上部バネが圧縮されて、上部バネが圧縮されながら連係ロッドが上昇するのであり、連係ロッドの上昇により下部バネが圧縮される。
これにより、上部バネ及び下部バネを連係ロッドにより直列に接続した比較的長い圧縮バネを得ることができるのであり、比較的長い圧縮バネが比較的長い圧縮のストロークを備えることによって、接地体の昇降範囲に亘って接地体を下降側に付勢する下降付勢力を安定して得ることができる。
【0014】
【0015】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記検出部材を前記接地体から上側に延出して備え、前記連係ロッドを前記検出部材に沿うように上下方向に備えている。
【0016】
(作用及び発明の効果)
本発明の第3特徴によると、接地体から上側に延出された検出部材に対して、連係ロッドが検出部材に沿うように上下方向に備えられ、連係ロッドに外嵌される上部バネ及び下部バネが、検出部材に沿うように上下方向に備えられるので、検出部材、連係ロッド、上部バネ及び下部バネをコンパクトに配置することができる。
【0017】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第2又は第3特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記水田作業装置を機体に昇降自在に支持するリンク機構を備えて、
前記連係ロッドの上端部が前記リンク機構のトップリンクの下側に位置している。
【0018】
(作用及び発明の効果)
水田作業機では、昇降自在なリンク機構を機体に備えて、リンク機構に水田作業装置を支持するように構成したものがある。
本発明の第4特徴によると、連係ロッドの上端部がリンク機構のトップリンクの下側に位置しているので、連係ロッドが上側に大きく突出することはなく、上側の部材等に連係ロッドが干渉するようなことがない。
【0019】
[V]
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第2,3,4特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成すること
にある。
前記検出部材を前記接地体の右又は左の横外側の部分に備え、前記連係ロッドを前記検出部材の右又は左の横外側で前記接地体から右又は左の横外側に外れた位置に備えている。
【0020】
(作用及び発明の効果)
本発明の第5特徴によると、検出部材及び連係ロッドが、接地体の横外側に位置して水田作業装置の横外側に近い状態となるので、作業者が水田作業装置の外側から作業を行う場合、検出部材及び連係ロッドの調整等の作業が行い易くなり、作業性を向上させることができる。
検出部材の横外側に連係ロッドが配置されているので、作業者が水田作業装置の外側から作業を行う場合、検出部材よりも連係ロッドの調整等の作業が行い易くなるのであり、連係ロッドに外嵌された上部バネ及び下部バネの調整等の作業が行い易くなる。
【0021】
前項[II]に記載のように、接地体(検出部材)の上昇により上部バネが圧縮されながら連係ロッドが上昇する場合、上部バネが圧縮される分だけ、接地体(検出部材)の上昇量よりも連係ロッドの上昇量が小さくなるので、接地体(検出部材)の上昇に伴って、接地体の上面が連係ロッドの下端部に追い付いて連係ロッドの下端部に接触する可能性が生じる。
【0022】
これに対して本発明の第5特徴によると、連係ロッドを接地体から横外側に外れた位置に備えているので、前述のように接地体(検出部材)の上昇に伴って、接地体の上面が連係ロッドの下端部に追い付いたとしても、接地体の上面が連係ロッドの下端部に接触することはなく、接地体の上面が連係ロッドの下端部に接触することによる損傷が生じることはない。
【0023】
[VI]
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第2〜第5特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成すること
にある。
前記連係ロッドの下端部が前記接地体の底面よりも上側に位置している。
【0024】
(作用及び発明の効果)
本発明の第6特徴によると、連係ロッドの下端部が接地体の底面よりも上側に位置しているので、連係ロッドの下端部が田面に接触しながら機体が進行して、連係ロッドにより田面を荒してしまうようなことがない。
【0025】
[VII]
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第2〜第6特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成すること
にある。
前記アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記アクチュエータを上昇側に作動させ、前記中立位置から第2所定量を越えて前記接地体が下降すると、前記アクチュエータを下降側に作動させるように、前記昇降操作手段を構成して、
前記接地体の昇降範囲において、前記中立位置を下側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を敏感側に設定し、前記中立位置を上側に変更することにより前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定する感度設定手段を備え、
前記昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに融通が生じて、
前記中立位置から前記融通に相当する第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
【0026】
(作用及び発明の効果)
水田作業機では、アクチュエータが停止する中立位置から第1所定量及び第2所定量の範囲で接地体が昇降してもアクチュエータが停止しており、中立位置から第1所定量(第2所定量)を越えて接地体が上昇(下降)すると、アクチュエータを上昇側(下降側)に作動させるように構成することがある(不感帯の設定)。
【0027】
さらに、水田作業機では特許文献1に開示されているように、接地体の昇降範囲において、アクチュエータが停止する中立位置を下側に変更することにより昇降操作手段の作動感度を敏感側に設定し、中立位置を上側に変更することにより昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定する感度設定手段を備えているものがある。
【0028】
以上の構成において本発明の第7特徴によると、昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態において、上部バネ及び下部バネに融通が生じるように構成している。
これにより、中立位置の付近で接地体が昇降してもアクチュエータが停止し、且つ、接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく田面の小さな凸部に馴染むように上昇する状態を得ることができるのであり、田面の小さな凸部の影響を受けて水田作業装置が頻繁に昇降する(アクチュエータが頻繁に作動する)というような状態を避けることができて、水田作業装置の安定性を向上させることができる。
【0029】
[VIII]
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第7特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネに前記融通が生じ、且つ、前記上部バネ及び下部バネが前記下降付勢力を備えない自由長状態となり、
前記中立位置から前記融通に相当する前記第3所定量を越えて前記接地体が上昇すると、前記融通が消失して前記上部バネ及び下部バネが前記自由長状態から圧縮されて前記下降付勢力を発生するように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
【0030】
(作用及び発明の効果)
前項[VII]に記載の状態において、本発明の第8特徴によると、中立位置から融通に相当する第3所定量だけ接地体が上昇すると融通が消失し、中立位置から融通に相当する第3所定量を越えて接地体が上昇すると、上部バネ及び下部バネが自由長状態から圧縮されて、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が発生する。
これにより、接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく田面の小さな凸部に馴染むように上昇する状態から、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が滑らかに発生する状態を得ることができるので、上部バネ及び下部バネに下降付勢力が急激に発生することによる接地体の不安定化を避けることができて、水田作業装置の安定性を向上させることができる。
【0031】
[IX]
(構成)
本発明の第9特徴は、本発明の第8特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度から鈍感側に設定するほど、前記融通が小さくなり、
且つ、前記融通が消失してからさらに前記昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定すると、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えるように、
前記検出部材、前記基準部材、前記上部バネ及び下部バネを構成している。
【0032】
(作用及び発明の効果)
前項[VII][VIII]に記載の状態において、本発明の第9特徴によると、昇降操作手段の作動感度を所定感度から鈍感側に設定していくと、中立位置が上側に変更されていき、融通が小さくなる(接地体が上部バネ及び下部バネの下降付勢力を受けることなく上昇する範囲が小さくなる)。
融通が消失してから昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定すると、中立位置が上側に変更されていき、上部バネ及び下部バネが圧縮されて初期下降付勢力を備える状態となるのであり、昇降操作手段の作動感度を鈍感側に設定するのに伴って、上部バネ及び下部バネの初期下降付勢力が大きくなる。
【0033】
これにより、昇降操作手段の作動感度に応じて、上部バネ及び下部バネが下降付勢力を備えない状態から初期下降付勢力を備える状態、上部バネ及び下部バネの初期下降付勢力が次第に大きくなる状態を設定することができるのであり、昇降操作手段の作動感度に応じて、接地体を田面に安定して接地追従させることができる。
【0034】
[X]
(構成)
本発明の第10特徴は、本発明の第8又は第9特徴の水田作業機において次のように構成すること
にある。
前記昇降操作手段の作動感度を前記所定感度に設定した状態において、前記上部バネ及び下部バネを、前記自由長状態と、前記上部バネ及び下部バネが圧縮されて前記接地体を下降側に付勢する初期下降付勢力を備えた状態とに切換自在な切換手段を備えている。
【0035】
(作用及び発明の効果)
本発明の第10特徴によると、昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態においても、上部バネ及び下部バネが初期下降付勢力を備えた方が良いような田面の状態の場合、これに対応して上部バネ及び下部バネを初期下降付勢力を備えた状態に切り換えることができるのであり、接地体を田面に安定して接地追従させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[1]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降させる油圧シリンダ4(アクチュエータに相当)が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(水田作業装置に相当)が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
リンク機構3は、上側のトップリンク3a及び下側のロアリンク3bにより、側面視で四連リンク型式に構成されている。
【0038】
図1に示すように、苗植付装置5は右及び左の伝動ケース6、伝動ケース6の後部の右及び左側部に回転自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端部に備えられた一対の植付アーム8、フロート9(接地体に相当)及び苗のせ台10等を備えて4条植え型式に構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面Gに植え付ける。
【0039】
図1に示すように、運転座席11の後側に2個の繰り出し部12が備えられ、2個の繰り出し部12に亘ってホッパー13が備えられて、左の繰り出し部12の横外側にブロア14が備えられており、フロート9に備えられた作溝器15と繰り出し部12とに亘ってホース16が接続されて、施肥装置が構成されている。これにより、ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されて、ブロア14の搬送風によりホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給される。
【0040】
[2]
次に、フロート9について説明する。
図2及び
図3に示すように、フロート9は、苗植付装置5の全幅に亘る横幅を備えた中央部9a、中央部9aの前部の左右中央から前方に延出された前上がり状の前部9b、中央部9aの後部の右部及び左部から後方に延出された後部9cを備えて、ブロー成形により一体的に構成されている。
【0041】
図2及び
図3に示すように、右及び左の伝動ケース6の前部の下部に亘ってパイプ状の支点軸17が回転自在に支持されて、支点軸17の右部及び左部に連結された支持アーム17aが後方に延出されており、支点軸17の支持アーム17aの後部の横軸芯P1周りにフロート9の後部9cが上下に揺動自在に支持されている。
【0042】
図2及び
図3に示すように、支点軸17の右部に植付深さレバー18が連結されて斜め前方上方に延出されており、苗植付装置5に連結されたレバーガイド19に植付深さレバー18が挿入されている。
以上の構造により、植付深さレバー18を上下に操作することにより、支点軸17の支持アーム17aの姿勢を上下に変更し、横軸芯P1の位置を上下に変更して、植付アーム8による苗の植付深さを変更することができるのであり、植付深さレバー18をレバーガイド19に係合させて固定することによって、所望の設定植付深さを設定することができる(後述する[3]参照)。
【0043】
[3]
次に、苗植付装置5を
田面Gから設定高さに維持して植付アーム8による苗の植付深さを設定植付深さに維持する昇降制御機能について説明する。
図8に示すように、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁20(昇降操作手段に相当)が、機体の前部の右下部に備えられている。油圧シリンダ4は単動型に構成されており、油圧シリンダ4に作動油が供給されると、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇し、油圧シリンダ4から作動油が排出されると、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
【0044】
図8に示すように、制御弁20のスプール20aが前方に突出して、油圧シリンダ4に作動油を供給する上昇位置、中立位置、及び油圧シリンダ4から作動油を排出する下降位置に操作自在に構成されており、制御弁20の内部のバネ(図示せず)により制御弁20のスプール20aが下降位置(突出側)に付勢されている。
【0045】
図8に示すように、フロート9の前部9bにワイヤ21(高さ検出手段に相当)が接続されており(後述する[6]参照)、側面視T字状の操作部材22が運転座席11の右の横側部の横軸芯P2周りに揺動自在に支持されて、ワイヤ21のインナー21aが融通用のバネ23を介して操作部材22に接続されている。
制御弁20の前方の横軸芯P3周りに操作部材24が揺動自在に支持されて、操作部材24の操作部24aが制御弁20のスプール20aに接当しており、操作部材22と操作部材24とに亘って操作ロッド25が接続されている。
【0046】
図8に示すように(後述する[6]参照)、苗植付装置5に対してフロート9が上昇すると、ワイヤ21のインナー21aがフロート9側に引き操作され、苗植付装置5に対してフロート9が下降すると、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作される。操作部材22を
図8の紙面時計方向に付勢するバネ26が備えられており、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作される状態が、バネ26によって補助される。
【0047】
以上の構造により昇降制御機能の作動状態において、田面Gに接地追従するフロート9に対して、制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置から、第1所定量L1(後述する[10]参照)を越えて苗植付装置5が下降すると(苗植付装置5に対してフロート9が上昇すると)、ワイヤ21のインナー21aがフロート9側に引き操作され、操作部材22により操作ロッド25が操作部材24側に押し操作されて、操作部材24により制御弁20のスプール20aが上昇位置に操作される。これにより、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。
【0048】
昇降制御機能の作動状態において、田面Gに接地追従するフロート9に対して、制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置から、第2所定量L2(後述する[10]参照)を越えて苗植付装置5が上昇すると(苗植付装置5に対してフロート9が下降すると)、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作され、操作部材22により操作ロッド25が操作部材22側に引き操作されて、操作部材24により制御弁20のスプール20aが下降位置に操作される。これにより、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
【0049】
以上のように、田面Gに接地追従するフロート9に対して苗植付装置5が上昇(下降)すると(苗植付装置5に対してフロート9が下降(上昇)すると)、制御弁20のスプール20aが自動的に操作され、苗植付装置5が自動的に昇降して、苗植付装置5が田面Gから設定高さ(制御弁20のスプール20aが中立位置となる高さ)に維持される。
苗植付装置5が田面Gから設定高さに維持されることにより、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに維持される。
【0050】
この場合、苗植付装置5に対するフロート9の上下位置が設定高さに相当するので、前項[2]に記載のように、植付深さレバー18によって横軸芯P1の位置を上下に変更することにより、設定高さを変更することができるのであり、設定高さに対応する設定植付深さを変更することができる。
【0051】
[4]
次に、昇降レバー27及び植付クラッチ32について説明する。
図1及び
図8に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル28の右の横側部に昇降レバー27が備えられている。横軸芯P4周りに揺動自在に支持された支持部材29に昇降レバー27が支持されており、昇降レバー27に対して後側から前側に向って、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置が備えられている。
【0052】
図8に示すように、横軸芯P5周りに上下に揺動自在に支持アーム30が支持されており、支持部材29に支持板29aが連結され、支持部材29の支持板29aの外周部に上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に対応する凹部が形成されている。支持アーム30のローラー30aが支持部材29の支持板29aの凹部に入り込むことにより、昇降レバー27が上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に保持される。
【0053】
図8に示すように、支持部材29に操作アーム29bが連結されており、操作部材24に円弧状の長孔24bが形成されている。支持部材29の操作アーム29bに操作ロッド31が接続されて、操作ロッド31の横向きの先端部31aが操作部材24の長孔24bに挿入されている。
【0054】
図8に示すように、苗植付装置5に動力を伝動及び遮断する植付クラッチ32が備えられている。植付クラッチ32の横軸芯P6周りに操作アーム33が揺動自在に支持され、植付クラッチ32の操作部32aに操作アーム33が係合しており、植付クラッチ32及び操作アーム33を遮断位置に付勢するバネ34が備えられている。
【0055】
図8に示すように、操作部材35が操作部材24とは独立に横軸芯P3周りに揺動自在に支持されて、操作アーム33と操作部材35とに亘って操作ロッド36が接続されている。操作部材35に円弧状の長孔35aが形成されており、操作ロッド31の先端部31aが操作部材35の長孔35aに挿入されている。
図1に示す繰り出し部12に動力を伝動及び遮断する施肥クラッチ(図示せず)が備えられており、施肥クラッチと操作アーム33とに亘って操作ロッド(図示せず)が接続されている。
【0056】
[5]
次に、昇降レバー27を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した場合の制御弁20、植付クラッチ32及び施肥クラッチの状態について説明する。
【0057】
図8に示す状態は昇降レバー27を中立位置に操作している状態である。
図8に示す状態において、操作ロッド31の先端部31aが操作部材24の長孔24bの下端部に位置して、操作部材24が
図8の紙面反時計方向に揺動できない状態で止められており、制御弁20のスプール20aが中立位置に保持された状態である(昇降制御機能の停止状態)。
操作部材35において、操作ロッド31の先端部31aが操作部材35の長孔35aの中間部に位置して、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、油圧シリンダ4が停止しており、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断状態に操作されて、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止している。
【0058】
図8に示す状態において昇降レバー27を上昇位置に操作すると、操作ロッド31が
図8の紙面下方に操作されて、操作部材24が
図8の紙面時計方向に操作され、制御弁20のスプール20aが上昇位置に操作される(昇降制御機能の停止状態)。
昇降レバー27を上昇位置に操作すると、操作ロッド31の先端部31aは少し下方に移動するだけで、操作部材35は操作されず、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止した状態で、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。
【0059】
この場合、
図8に示すように、リンク機構3と操作部材22とに亘って操作ロッド37が接続されており、リンク機構3が上限位置に達すると、操作ロッド37が操作部材22側に押し操作されるように構成されている。
これによって、前述のように苗植付装置5が上昇してリンク機構3が上限位置に達すると、操作部材22を介して操作ロッド25が操作部材22側に引き操作されて、操作部材24が
図8の紙面反時計方向に揺動し、昇降レバー27及び制御弁20のスプール20aが中立位置に操作されて、苗植付装置5が上限位置で自動的に停止する。
【0060】
図8に示す状態において昇降レバー27を下降位置に操作すると、操作ロッド31が
図8の紙面上方に操作されて、操作ロッド31に追従するように操作部材24が
図8の紙面反時計方向に操作され、制御弁20のスプール20aが下降位置に操作される(昇降制御機能の停止状態)。
昇降レバー27を下降位置に操作すると、操作ロッド31の先端部31aは操作部材35の長孔35aの上端部に達するだけで操作部材35を操作せず、植付クラッチ32及び施肥クラッチが遮断位置に操作されている。
これにより、苗植付装置5及び繰り出し部12が停止した状態で、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
【0061】
前述のように昇降レバー27を下降位置に操作した状態で苗植付装置5が下降して、フロート9が田面Gに接地すると、前項[3]に記載のように、フロート9によりワイヤ21が操作される状態となり、昇降制御機能の作動状態となるのであり、苗植付装置5が田面Gから設定高さで停止した状態となる。
【0062】
次に昇降レバー27を下降位置から植付位置に操作すると、昇降制御機能の作動状態が維持された状態で、操作ロッド31の先端部31aが操作部材35の長孔35aの上端部の位置から上方に移動し、操作部材35が
図8の紙面反時計方向に操作されて、植付クラッチ32及び施肥クラッチが伝動位置に操作される。
これにより、昇降制御機能の作動状態において、苗植付装置5が作動して苗が田面Gに植え付けられるのであり、繰り出し部12が作動して肥料が田面Gに供給される。
【0063】
[6]
次に、フロート9とワイヤ21との接続構造について説明する。
図2及び
図3に示すように、フロート9の前部9bにブラケット38が連結され、ブラケット38に連結された支持ロッド39が、フロート9の前部9bの右の横外側まで延出されており、支持ロッド39の先端部にブラケット40が連結されている。
【0064】
図3,4,5に示すように、細長い板材が正面視で逆U字状に折り曲げられて検出部材41が構成されており、検出部材41の長手方向に沿って一対の長孔41aが形成されている。検出部材41がブラケット40の支持ピン40a周りに前後に揺動自在に支持されて、検出部材41がブラケット40から上方に延出された状態となっており、検出部材41はフロート9と一体で昇降する。
【0065】
図2,3,4に示すように、丸棒材が折り曲げられて基準部材42が構成されており、苗植付装置5の下部の右部に、基準部材42の中間部が横軸芯P7周りに上下に揺動自在に支持されている。支点軸17の右部に係合部材17bが連結されて、基準部材42の後部42bが支点軸17の係合部材17bに係合しており、支点軸17によって基準部材42の上下方向の姿勢が決められている。
【0066】
図2,3,4,5に示すように、基準部材42の先端部42aが検出部材41の長孔41aに挿入されており、基準部材42によって検出部材41の前後方向の姿勢が決められている。これにより、検出部材41の長孔41aの範囲によって、フロート9(検出部材41)の昇降範囲が設定される。
【0067】
図4及び
図5に示すように、ワイヤ21のアウター21bの端部が検出部材41の上部に連結されており、検出部材41の内部において、ワイヤのインナー21aがU字状の接続部材43を介して基準部材42の先端部42aに接続されている。基準部材42の先端部42aにブラケット42cを介して連結されたピン42dが、検出部材41の長孔41a及び接続部材43に挿入されており、基準部材42のピン42dにより接続部材43の回り止めが行われている。
【0068】
以上の構造により、
図4及び
図8に示すように、苗植付装置5に対してフロート9が上昇すると、基準部材42に対して検出部材41が上昇する状態となり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が大きくなって、ワイヤ21のインナー21aがフロート9側に引き操作される。
苗植付装置5に対してフロート9が下降すると、基準部材42に対して検出部材41が下降する状態となり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなって、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作される。
(以上、基準部材42と検出部材41との間の位置関係を水田作業装置5の田面Gからの高さとして検出する状態に相当)
【0069】
図3,4,5に示すように、植付深さレバー18を上下に操作することにより、横軸芯P1の位置を上下に変更して、植付アーム8による苗の植付深さを変更すると、支点軸17の係合部材17bにより基準部材42も横軸芯P7周りに揺動して、基準部材42の先端部の位置が横軸芯P1と同方向に上下に変更される。
これにより、植付アーム8による苗の植付深さを変更しても、横軸芯P1と基準部材42の先端部42aとの上下方向の位置関係は一定に維持されるのであり、前述のワイヤ21のインナー21aの操作に変化は生じない。
【0070】
[7]
次に、基準部材42及び検出部材41に取り付けられる上部バネ51及び下部バネ52の構造について説明する。
図4及び
図5に示すように、板材をL字状に折り曲げて構成された受け部41b(基準部材42の上側に位置する検出部材41の部分に相当)が、検出部材41の上部(基準部材
42の上側)で、右の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に連結されている。検出部材41の受け部1bに開口が形成されて、検出部材41の受け部1bの開口に連係ロッド44が上下動自在に挿入されており、連係ロッド44の上部が検出部材41の受け部41bから上側に延出されている。
【0071】
図4及び
図5に示すように、連係ロッド44の上部に複数の開口部44aが上下方向に並べて形成されており、
図4及び
図5に示す状態は、連係ロッド44の上から2番目の開口部44aに止めピン45(切換手段に相当)を取り付けた状態である。検出部材41の受け部1bと連係ロッド44の止めピン45との間に(基準部材42の上側に相当)、コイルバネ型式の上部バネ51及び座金46が、連係ロッド44の上部に外嵌されて備えられている。
【0072】
図4及び
図5に示すように、板材をL字状に折り曲げて構成された受け部42eが、基準部材42の先端部42aに取り付けられて、基準部材42の受け部42eが検出部材41の右の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に位置している。基準部材42の受け部42eに開口が形成されており、基準部材42の受け部42eの開口に連係ロッド44が上下動自在に挿入されて、連係ロッド44の下部が基準部材42の受け部42eから下側に延出されている(連係ロッド44を基準部材42の下側まで延出した状態に相当)。
【0073】
図4及び
図5に示すように、連係ロッド44の中間部に止めピン47が取り付けられており、連係ロッド44の止めピン47が基準部材42の受け部42eに上側から当たることにより、連係ロッド44が基準部材42の受け部42eに対してそれ以上に下降しないように構成されている。連係ロッド44の下端部に止めピン48が取り付けられており、基準部材42の受け部42eと連係ロッド44の止めピン48との間に(基準部材42の下側に相当)、コイルバネ型式の下部バネ52(上部バネ51と同一のもの)及び座金49が、連係ロッド44の下部に外嵌されて備えられている。
【0074】
以上の構造により、
図2に示すように平面視で、フロート9の前部9bの右の横外側の部分に検出部材41が支持され、
図4及び
図5に示すように正面視及び側面視で、検出部材41が上側に延出された状態となっている。
図2に示すように、連係ロッド44が検出部材41の右の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に位置して、フロート9の前部9bから右の横外側に外れた位置に位置しており(連係ロッド44の下端部の下方にフロート9の前部9bが存在しない状態)、
図4及び
図5に示すように、連係ロッド44が検出部材41に沿って上下方向に配置された状態となっている。
【0075】
[8]
次に、上部バネ51及び下部バネ52の機能について説明する。
図6に示す状態において、基準部材42に対してフロート9(検出部材41)が上昇すると、検出部材41の受け部41bと連係ロッド44の止めピン45とにより上部バネ51が圧縮されるのであり、上部バネ51が圧縮されるのに伴って連係ロッド44が上昇する。連係ロッド44が上昇すると、基準部材42の受け部42eと連係ロッド44の止めピン48とにより、下部バネ52が圧縮される。
【0076】
この場合、前述のように上部バネ51が圧縮されることにより、上部バネ51がフロート9(検出部材41)を下降側に付勢する下降付勢力を発生するのであり、下部バネ52が圧縮されることにより、下部バネ52もフロート9(検出部材41)を下降側に付勢する下降付勢力を発生して、下部バネ52の下降付勢力が連係ロッド44を介して上部バネ51に加えられる。
【0077】
前述の状態について言い換えると、
図6に示すように、上部バネ51及び下部バネ52が連係ロッド44を介して直列に接続された状態となり、フロート9(検出部材41)の上昇に伴って、上部バネ51及び下部バネ52が圧縮されて下降付勢力を発生するのであり、フロート9(検出部材41)が上昇するほど、上部バネ51及び下部バネ52が大きく圧縮されて、上部バネ51及び下部バネ52の下降付勢力が大きくなる。
【0078】
図7に示す状態において、基準部材42に対してフロート9(検出部材41)が下降すると、フロート9(検出部材41)と一緒に上部バネ51及び連係ロッド44が下降し、連係ロッド44が下降すると下部バネ52も下降するのであり、上部バネ51及び下部バネ52はフロート9(検出部材41)の下降を許容し、上部バネ51及び下部バネ52に下降付勢力は発生しない(又は上部バネ51及び下部バネ52の下降付勢力が小さくなっていく)。
【0079】
前述のように連係ロッド44が下降して、連係ロッド44の止めピン47により連係ロッド44が基準部材42の受け部42eに達すると、連係ロッド44がそれ以上に下降しない状態となる。さらにフロート9(検出部材41)が下降すると、連係ロッド44が基準部材42の受け部42eに支持された状態で上部バネ51が下降する
。
【0080】
基準部材42に対してフロート9(検出部材41)が上昇して連係ロッド44が上昇した場合、フロート9(検出部材41)の昇降範囲の上限位置(検出部材41の長孔41aの下端部が基準部材42の先端部42aに達する位置)まで、フロート9(検出部材41)が上昇しても、側面視で連係ロッド44の下端部がフロート9の底面よりも上側に位置するように構成されており(
図3参照)、側面視で連係ロッド44の上端部がリンク機構3のトップリンク3aの下側に位置するように構成されている(
図1参照)。
【0081】
基準部材42に対してフロート9(検出部材41)が上昇する場合、フロート9(検出部材41)の上昇により上部バネ51が圧縮されながら連係ロッド44が上昇すると、上部バネ51が圧縮される分だけ、フロート9(検出部材41)の上昇量よりも連係ロッド44の上昇量が小さくなるので、フロート9(検出部材41)の上昇に伴って、フロート9の上面が連係ロッド44の下端部に追い付いて連係ロッド44の下端部に接触する可能性が生じる。
【0082】
しかしながら、
図2及び
図4に示すように、連係ロッド44がフロート9の前部9bから右の横外側に外れた位置に位置しているので(連係ロッド44の下端部の下方にフロート9の前部9bが存在しない状態)、フロート9の前部9bの上面が連係ロッド44の下端部に接触することはない。
【0083】
[9]
次に、前項[3]に記載の昇降制御機能の作動感度を敏感側及び鈍感側に変更する構造について説明する。
図8に示すように、運転座席11の右の横外側の横軸芯P8周りに、感度調節レバー50(感度設定手段に相当)が揺動自在に支持されて、感度調節レバー50に対してレバーガイド53が備えられており、感度調節レバー50をレバーガイド53に係合させることにより、感度調節レバー50を任意に位置で保持することができる。
【0084】
図8に示すように、操作部材22を
図8の紙面時計方向に付勢するバネ26(前項[3]参照)が、感度調節レバー50と操作部材22とに亘って接続されている。ワイヤ21のアウター21bの端部が感度調節レバー50の下部に支持されており、感度調節レバー50を操作することによって、ワイヤ21のアウター21bの位置をワイヤ21のインナー21aに沿って変更することができる。
【0085】
図6及び
図8に示す状態は、感度調節レバー50を敏感側及び鈍感側の中央付近の標準位置に操作している状態である。
図6及び
図8に示す状態から感度調節レバー50を鈍感側に操作すると、操作部材22側におけるワイヤ21のアウター21bの端部が操作部材22に接近する。
これにより、操作部材22側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が大きくなって、フロート9の中立位置(フロート9(検出部材41)の昇降範囲における油圧シリンダ4が停止する中立位置(制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置))が上昇する。
【0086】
従って、感度調節レバー50を鈍感側に操作すると、フロート9の中立位置においてフロート9が田面Gに対して少し上向きとなり、フロート9の田面Gの接地面積が小さくなって、フロート9の田面Gの接地追従感度が鈍感側となるのであり、フロート9の田面Gの接地追従感度が鈍感側となることによって、昇降制御機能の作動感度が鈍感側となる。
【0087】
図6及び
図8に示す状態から感度調節レバー50を敏感側に操作すると、操作部材22側におけるワイヤ21のアウター21bの端部が操作部材22から離れる。
これにより、操作部材22側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が大きくなり、フロート9側におけるワイヤ21のインナー21aの出る量が小さくなって、フロート9の中立位置(フロート9(検出部材41)の昇降範囲における油圧シリンダ4が停止する中立位置(制御弁20のスプール20aが中立位置となるフロート9の位置))が下降する。
【0088】
従って、感度調節レバー50を敏感側に操作すると、フロート9の中立位置においてフロート9が田面Gに対して少し下向きとなり、フロート9の田面Gの接地面積が大きくなって、フロート9の田面Gの接地追従感度が敏感側となるのであり、フロート9の田面Gの接地追従感度が敏感側となることによって、昇降制御機能の作動感度が敏感側となる。
【0089】
[10]
次に、前項[9]に記載の昇降制御機能の作動感度(フロート9(検出部材41)の中立位置)、前項[8]に記載の上部バネ51及び下部バネ52の機能、前項[3]に記載の制御弁20の関係について説明する(その1)。
【0090】
図4及び
図5に示す状態は、感度調節レバー50を最敏感位置に操作している状態であり(昇降操作手段の作動感度を所定感度に設定した状態に相当)、フロート9(検出部材41)が中立位置に位置している状態である。連係ロッド44の上から2番目の開口部44aに、止めピン45を取り付けている状態である。
【0091】
図4及び
図5に示す状態において、上部バネ51の上部(座金46)と連係ロッド44の止めピン45との間に、間隔L3(融通に相当)が生じており、上部バネ51及び下部バネ52は、下降付勢力を備えない自由長状態となっている。この場合、前項[3]に記載の第1所定量L1と第2所定量L2とが等しい値に設定されており、第1所定量L1(第2所定量L2)と間隔L3とが等しい値に設定されている。
【0092】
後述するように、間隔L3は大小に変化するのに対して、第1所定量L1及び第2所定量L2は変化がなく一定値である。この場合、第1所定量L1と第2所定量L2とを同じ値に設定せずに、第1
所定量L1を第2
所定量L2よりも大きな値に設定したり、第1
所定量L1を第2
所定量L2よりも小さな値に設定してもよい。
【0093】
図4及び
図5に示す状態において、フロート9(検出部材41)が中立位置から第1所定量L1及び第2所定量L2の範囲で昇降する場合に、制御弁20は中立位置から操作されない。同様に、上部バネ51の上部(座金46)が連係ロッド44の止めピン45に接することはなく、上部バネ51及び下部バネ52に下降付勢力が発生することはないのであり、フロート9が上部バネ51及び下部バネ52の下降付勢力を受けることなく昇降する。
【0094】
図4及び
図5に示す状態において、フロート9(検出部材41)が中立位置から第1所定量L1を越えて上昇すると、ワイヤ21のインナー21aがフロート9側に引き操作されることによって、操作部材22により操作ロッド25が操作部材24側に押し操作されて、操作部材24により制御弁20のスプール20aが上昇位置に操作される。これにより、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。
【0095】
図4及び
図5に示す状態において、フロート9(検出部材41)が中立位置から第1所定量L1を越えて上昇すると、フロート9(検出部材41)が間隔L3に相当する第3所定量を越えて上昇することになるので、前項[8]に記載のように上部バネ51及び下部バネ52が自由長状態から圧縮されて下降付勢力を発生するのであり、フロート9(検出部材41)が上昇するほど、上部バネ51及び下部バネ52が大きく圧縮されて、上部バネ51及び下部バネ52の下降付勢力が大きくなる。
【0096】
図4及び
図5に示す状態において、フロート9(検出部材41)が中立位置から第2所定量L2を越えて下降すると、ワイヤ21のインナー21aが操作部材22側に戻し操作されることによって、操作部材22により操作ロッド25が操作部材22側に引き操作されて、操作部材24により制御弁20のスプール20aが下降位置に操作される。これにより、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
【0097】
この場合、連係ロッド44の止めピン47により連係ロッド44が基準部材42の受け部42eに支持されるので、フロート9(検出部材41)が下降すると、フロート9(検出部材41)と一緒に上部バネ51は下降するが、連係ロッド44及び下部バネ52は下降しない。これにより、上部バネ51及び下部バネ52に下降付勢力は発生しない。
【0098】
図4及び
図5に示すように、連係ロッド44において上から2番目の開口部44aに止めピン45を取り付けた状態で、上部バネ51の上部(座金46)と連係ロッド44の止めピン45との間に間隔L3が生じる状態が、感度調節レバー50を最敏感位置に操作した状態において生じるのではなく、前述の状態が感度調節レバー50を最敏感位置から少し鈍感側に操作した状態や、感度調節レバー50を敏感側及び鈍感側の中央付近に操作した状態において生じるように構成してもよい。
【0099】
[11]
次に、前項[9]に記載の昇降制御機能の作動感度(フロート9(検出部材41)の中立位置)、前項[8]に記載の上部バネ51及び下部バネ52の機能、前項[3]に記載の制御弁20の関係について説明する(その2)。
【0100】
図4及び
図5に示す状態から感度調節レバー50を鈍感側に操作すると、前項[9]に記載のように、フロート9(検出部材41)の中立位置が上昇するのであり、基準部材42に対して検出部材41が上昇する。検出部材41の上昇に伴って上部バネ51が上昇して、間隔L3が次第に小さくなる(フロート9が上部バネ51及び下部バネ52の下降付勢力を受けることなく昇降する範囲が小さくなる)。
【0101】
図6に示すように、感度調節レバー50を敏感側及び鈍感側の中央付近の標準位置(前項[9]参照)に操作すると、間隔L3が消して、上部バネ51が自由長状態で上部バネ51の上部(座金46)が連係ロッド44の止めピン45に接する状態となる。下部バネ52も同様に自由長状態を維持している。
【0102】
図7に示すように、感度調節レバー50を標準位置から鈍感側に操作すると、フロート9(検出部材41)の中立位置が上昇し、上部バネ51及び下部バネ52が圧縮されて、フロート9(検出部材41)を下降側に付勢する初期下降付勢力が上部バネ51及び下部バネ52に発生するのであり、感度調節レバー50を標準位置から鈍感側に操作するほど上部バネ51及び下部バネ52の初期下降付勢力が大きくなる。
【0103】
図4及び
図5に示すように、感度調節レバー50を最敏感位置に操作している状態において、連係ロッド44の最上位置の開口部44aに止めピン45を取り付けると、間隔L3を大きな値に設定することができる(第1所定量L1よりも間隔L3を大きな値に設定することができる)。このように間隔L3を大きな値に設定すると、前述のように間隔L3が消失する標準位置が鈍感側に移動することになる。
【0104】
図4及び
図5に示すように、感度調節レバー50を最敏感位置に操作している状態において、連係ロッド44の上から3番目の開口部44aに止めピン45を取り付けると、間隔L3を消失させることができる(上部バネ51が自由長状態で上部バネ51の上部(座金46)が連係ロッド44の止めピン45に接する状態)(標準位置)。
【0105】
図4及び
図5に示すように、連係ロッド44において上から2番目の開口部44aよりも下側の開口部44aに止めピン45を取り付けると、感度調節レバー50を最敏感位置に操作している状態において、上部バネ51を圧縮することができるのであり、上部バネ51が圧縮されることにより連係ロッド44が上昇して、下部バネ52が圧縮される。
これにより、上部バネ51及び下部バネ52に初期下降付勢力を備えることができるのであり、連係ロッド44において下の開口部44aに止めピン45を取り付けるほど、上部バネ51及び下部バネ52の初期下降付勢力が大きくなる。
【0106】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための形態]において、上部バネ51を備えない場合、以下に示すように構成する。
(1)
図4及び
図5において、上部バネ51、座金46及び止めピン45を廃止して、連係ロッド44を検出部材41の受け部41bに対して上下動しないように検出部材41の受け部41bに連結する。
【0107】
(2)
図4及び
図5において、上部バネ51、座金46、連係ロッド44、止めピン45,47及び検出部材41の受け部41bを廃止する。
新たな連係ロッド44をフロート9又はブラケット40に連結し、連係ロッド44を正面視L字状に折り曲げて上側に延出して、基準部材42の受け部42eの開口部に上下動自在に挿入する。基準部材42の受け部42eと連係ロッド44の下部との間に、下部バネ52を連係ロッド44に外嵌して備える。
【0108】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、以下に示すように構成してもよい。
(1)
検出部材41をフロート9の前部9bの左の横外側の部分に備え、連係ロッド44を検出部材41の左の横外側(フロート9の前部9bの反対側)に備えて、フロート9の前部9bから左の横外側に外れた位置に備えるように構成する。
【0109】
(2)
フロート9に代えて、ソリ状の接地板により接地体を構成する。
【0110】
(3)
検出部材41と基準部材42とに亘ってワイヤ21を接続するのではなく、検出部材41と基準部材42との間の高さの差(位置関係)を、ポテンショメータ(高さ検出手段に相当)(図示せず)により検出して、苗植付装置5の田面Gからの高さとする。
この場合、油圧シリンダ4に代えて電動シリンダ(図示せず)をアクチュエータとして使用し、制御弁20に代えて電動シリンダを作動させる制御装置(図示せず)を昇降操作手段とする。
【0111】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、検出部材の上部と基準部材とに亘って引っ張りバネを接続して、フロート(検出部材)の上昇により引っ張りバネが上側に引き伸ばされることによって、引っ張りバネが検出部材を介してフロートを下降側に付勢する下降付勢力を発生するように構成(特許文献1参照)に対して、前項[3]〜[10]に記載の構成を適用してもよい。