【実施例】
【0017】
(パチンコ機10について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、
図2に示すように、遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する第1始動入賞装置30の始動入賞口または第2始動入賞装置の始動入賞口へのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置45が、着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板19(
図1参照)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下部前側に、パチンコ球を貯留する上球皿14および下球皿15が組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿14および下球皿15も一体的に開閉するよう構成される。
【0018】
また、
図1に示すように、前枠13の右下方位置には、中枠12に配設された球発射装置(図示せず)および該前枠13の裏側に配設された球送り装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作操作ハンドル16の操作レバーの回転操作により、球送り装置および球発射装置が連動して作動することで、上球皿14に貯留されたパチンコ球が所定間隔で1球ずつ遊技盤20に向けて連続的に発射されるようになっている。
【0019】
(遊技盤)
遊技盤20は、透明な合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、
図2に示すように、中枠12に設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には遊技領域21が設けられると共に、その後側には設置部材40(
図4参照)が配設されている。但し、遊技盤20は、遊技領域21の後側に配設された可動演出装置や装飾部材等が透視可能となっているが、
図2および
図3では透視されない状態で図示している。遊技盤20の前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール22と、この外レール22の内側に右下部から左上部にかけて並べて配置された内レール23と、外レール22の右上部から内レール23の右下部までの間の右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材24等が配設されており、両レール22,23および盤面飾り部材24で囲まれた内側が遊技領域21として構成されている。また、遊技領域21の最下方に、遊技領域21を流下したパチンコ球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口25が形成されている。これにより、前枠13の上球皿14から中枠12に配設された球発射装置へ案内されて、該球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21の左上部に打ち出された後に該遊技領域21内を流下し、該パチンコ球の一部が後述する始動入賞装置30、特別入賞装置32または普通入賞部材33の入賞口等に入賞し、これらに入賞しないパチンコ球は、アウト口25から遊技盤20の裏側へ排出されるようになっている。
【0020】
遊技盤20には、前後に貫通する複数の装着口が開設されており、該装着口には、各種の遊技盤設置部品(具体的には枠状装飾体26、第1始動入賞装置30、特別入賞装置32、ゲート部34、普通入賞部材33等が各装着口に対し前側から取り付けられる。すなわち、遊技盤20の略中央において前後に開口する大きな装着口には、
図2に示すように、前後に開口した演出窓口26aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体26が配設されており、該演出窓口26a内が演出領域とされている。枠状装飾体26は、複数の装飾部材を環状に連結してユニット化されており、設置部材40の後側に着脱可能に配設された図柄表示装置45の表示部45aで演出表示される遊技内容に合わせた所定の装飾等が施されている。そして、枠状装飾体26の演出窓口26aには、設置部材40に配設された図柄表示装置45の表示部45aや、該設置部材40の前側に配設される後述の可動演出装置50や、その他の演出装置および装飾部品等が臨むようになっている。
【0021】
図2示すように、枠状装飾体26の演出窓口26aに臨む下側部分に、パチンコ球が転動可能なステージ部27が左右に延在して設けられていると共に、該ステージ部27の後側に、透明な部材から形成された透明保護部材28が配設されている。この透明保護部材28は、枠状装飾体26の左部に形成された球通入口29からステージ部27へ導入されて該ステージ部27を左右に転動するパチンコ球が、該ステージ部27の後方へ落下するのを防止する。なお、透明保護部材28は、図柄表示装置45の表示部45aの下部と前後に重なっているが、透明な部材であるから該表示部45aの透視を阻害するものではない。
【0022】
遊技盤20の遊技領域21内における下方に形成された装着口には、
図2に示すように、遊技領域21における枠状装飾体26の左右中央下部に第1始動入賞装置30が配設されている。遊技領域21において、枠状装飾体26の右側には、装飾部材37に隠れて第2始動入賞装置(図示せず)が配設されている。また、遊技盤20の遊技領域21内において、第1始動入賞装置30が配設される装着口の右斜め上方に形成された装着口には、特別入賞装置32が配設されている。更に、遊技盤20の遊技領域21内において、第1始動入賞装置30が配設される装着口の左側に形成された装着口には、普通入賞部材33が配設されている。そして、遊技盤20の遊技領域21内には、多数の遊技釘35が打設されると共に、回転案内部材36およびゲート部34等が配設されている。なお、装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0023】
(始動入賞装置)
第1始動入賞装置30は、始動入賞口が遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。また、図示しない第2始動入賞装置は、該遊技領域21に開口する始動入賞口を開閉自在に閉成する開閉部材を備えており、駆動手段の駆動に伴って開閉部材が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とに変位して、該開閉部材が開放位置に変位した際に始動入賞口が開口するよう構成されている。すなわち、第1始動入賞装置30は、遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞装置は、遊技領域21に配設されたゲート部34をパチンコ球が通過したことを条件として実施される普図当り判定(普図当り抽選)の結果に応じて開閉部材が開閉することで、パチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。そして、第1始動入賞装置30および第2始動入賞装置は、始動入賞口に入賞したパチンコ球を検出する始動入賞センサが配設されており、該始動入賞センサによる球検出信号が、中枠12の裏側に配設された主制御装置(図示せず)入力される。そして、各始動入賞センサによるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置へのパチンコ球の入賞)を契機として、所定数のパチンコ球が賞球として払い出されるようになっている。また、始動入賞センサによるパチンコ球の検出を契機として、図柄表示装置45の表示部45aにおいて図柄変動演出が行われる。
【0024】
(特別入賞装置)
第1始動入賞装置30の右斜め上方に配設された特別入賞装置32は、横長に開口する特別入賞口を開閉する開閉部材32aを備えており、駆動手段の駆動に伴って板状の開閉部材32aが前後方向へ回動することで特別入賞口を開閉するようになっている。また、特別入賞装置32には、特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞センサ(図示せず)が設けられて、該特別入賞センサはメイン制御基板に配線接続されており、該特別入賞センサからメイン制御基板への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、特別入賞装置32の駆動手段は、第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置へのパチンコ球の入賞を契機として各特別入賞装置32の特別入賞口を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板によって駆動制御され、開閉部材32aが回動することで特別入賞口に対して多数のパチンコ球が入賞可能となる。
【0025】
(設置部材)
設置部材40は、
図4に示す如く、遊技盤20の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の設置壁部41と、該設置壁部41の外周縁部から前方に突出する外周壁部42とを備えて、設置壁部41から前方に開口した箱状に形成されている。そして、設置部材40は、外周壁部42の開口前端部を遊技盤20の後面に当接させた状態で、当該遊技盤20に設置部材40がネジ止め固定される。そして、設置部材40における設置壁部41の前側には、遊技盤20の後面との間に空間が画成され、該空間には、実施例の可動演出装置50や、その他の演出装置および装飾部材等(図示せず)が配設される。設置壁部41は、その後面に図柄表示装置45が着脱自在に取り付けられると共に、枠状装飾体26の演出窓口26aと前後に整列する位置に、略矩形状の表示開口43が前後に開口するよう開設される。表示開口43には、設置壁部41の後面に取り付けた図柄表示装置45の表示部45aが後方から臨むようになり、表示開口43および演出窓口26aを介して図柄表示装置45の表示部45aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。設置壁部41は、中央に開口する表示開口43の左方に位置する左板部、表示開口43の右方に位置する右板部41a(
図4参照)、表示開口43の上方に位置する上板部および下方に位置する下板部から構成されている。設置壁部41における左板部および右板部41aの前側に、夫々可動演出装置50,50が取り付けられている。そして、設置壁部41の左板部に取り付けられた可動演出装置50および右板部41aに取り付けられた可動演出装置50は、
図2および
図3に示すように、枠状装飾部材26の演出窓口26aから視認可能となっている。
【0026】
(図柄表示装置)
図柄表示装置45は、各種図柄を表示可能な表示部45aをなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置45の表示部45aの表示制御を行う表示制御装置(図示せず)と、当該パチンコ機10の遊技演出を制御する演出制御基板が収容された演出制御装置46(
図4参照)が配設されている。図柄表示装置45の表示部45aには、飾図を変動表示可能な図柄列が複数列(例えば3列)設定されており、第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置へのパチンコ球の入賞を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されると共に背景画像等が表示され、選択された図柄変動演出(リーチ演出や外れ演出等)を行った後に、予め決定された最終停止図柄を、入賞ライン上に停止表示するようになっている。なお実施例では、図柄表示装置45として、表示部45aが液晶パネルである液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置も採用可能である。
【0027】
(主制御装置)
実施例のパチンコ機10の遊技を総合的に制御する主制御装置の主制御基板は、設置部材40における設置壁部41の下板部の後側(図柄表示装置45の配設位置の下側)に、基板ケースに収容されて配設されている。主制御基板は、制御動作を所定の手順で実行することができるメイン制御CPU、メイン制御CPUの制御プログラムを格納するメイン制御ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができるメイン制御RAMを備えている。
【0028】
主制御基板は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をメイン制御RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御基板では、第1始動入賞装置30または第2始動入賞装置の始動入賞センサから検出信号が入力されると、メイン制御CPUがメイン制御ROMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数とメイン制御ROMに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。また主制御基板では、大当り判定の結果が肯定の場合には、変動パターンテーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。これに対して、大当り判定の結果が否定の場合には、変動パターンテーブルからはずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り演出用およびはずれ演出用の変動パターンの決定は、大当り判定と同様に、メイン制御CPUがメイン制御ROMから取得した乱数により行う。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御基板の大当り判定の結果に応じて出力された演出制御基板の制御信号に基づいて、図柄表示装置45に所定の演出表示を行わせると共に、主制御基板の制御により出力された球払出しに係る制御信号に基づいて、図示しない球払出装置によって所定数の賞球が上球皿14へ払い出される。
【0029】
(演出制御装置)
演出制御装置46の演出制御基板には、演出制御CPUが備えられると共に、該演出制御CPUには、演出制御ROMおよび演出制御RAMが接続されている。また、演出制御CPUは、実行可否判定用乱数や動作演出パターン抽選用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAMの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、演出制御ROMには、図柄表示装置45の表示部45aにおける演出内容を制御する表示制御基板、前枠13等に配設されたランプ装置を制御するランプ制御基板を制御するプログラムや、外枠11等に配設されたスピーカを制御する音制御基板等を制御するプログラムや、実施例の可動演出装置50およびその他の演出装置を作動制御するプログラム等が記憶されている。
【0030】
演出制御CPUは、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。例えば、演出制御基板では、主制御基板のメイン制御CPUから変動パターン指定コマンドが入力されると、演出制御CPUが演出制御ROMから実行可否判定用乱数を取得し、この実行可否判定用乱数と演出制御ROMに記憶されている実行可否判定値とを比較し、実施例の可動演出装置50において回転表示体52による演出を実行するか否かの実行可否判定を行う。そして、演出制御基板は、実行可否判定の結果が肯定の場合において、可動演出装置50を動作させる。
【0031】
(可動演出装置)
次に、可動演出装置50につき、図面を引用して説明する。なお、以下の説明において、可動演出装置50の「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、設置部材40の設置壁部41に取り付けた可動演出装置50をパチンコ機10の前側から見た状態で指称する。
【0032】
実施例のパチンコ機10では、
図2および
図3に示すように、設置部材40の設置壁部41の左板部に配設されて演出窓口26a内の左側に臨むと共に該設置壁部41の右板部41aに配設されて演出窓口26a内の右側に臨む左右一対の可動演出装置50,50を備えている。左の可動演出装置50および右の可動演出装置50は、各構成部材が左右対称形状をなすだけで基本的な構成は同じである。そこで、右の可動演出装置50について説明し、左の可動演出装置50については、右の可動演出装置50と同一部材、部位は同一の符号を付して説明は省略する。
【0033】
可動演出装置50は、
図4〜
図7に示すように、設置部材40に取り付けられる装置本体51と、装置本体51に対して移動および姿勢変位可能に配設される回転表示体52とを備えている。可動演出装置50は、装置本体51に対して、回転表示体52を支持する支持体115を第1位置および該第1位置から離間した第2位置の間で往復移動させる進退動作機構53と、装置本体51に対して、回転表示体52を第1姿勢および第2姿勢の間で姿勢変位させる姿勢切替機構54とを備えており、回転表示体52が装置本体51に対して往復移動および姿勢変位が可能となっている。ここで、実施例では、回転表示体52の第1姿勢が、該回転表示体52の外周壁部52aがパチンコ機10の前方を指向する姿勢であり(
図2参照)、回転表示体52の第2姿勢が、該回転表示体52の外端壁部52bがパチンコ機10の前方を指向する姿勢である(
図3参照)。
【0034】
(装置本体51について)
装置本体51は、
図4〜
図7に示すように、設置部材40の設置壁部41における右板部41a(左の可動演出装置50は設置壁部41の右板部)にネジにより固定される第1ベース部材60と、該第1ベース部材60の前側に組み付けられる第2ベース部材61とを備えている。第1ベース部材60および第2ベース部材61は、両部材の上部分および下部分で互いに連結されると共に、上部分と下部分との間においては前後に離間しており、進退動作機構53および姿勢切替機構54を配設するための本体空間62が、第1および第2ベース部材60,61の間に画成されている。
【0035】
(第1ベース部材60について)
第1ベース部材60は、
図7〜
図9に示すように、第1ベース部63と、第1ベース部63の上部に連設され、該第1ベース部63から側方へ延在する第2ベース部64と、第1ベース部63の下部に連設され、該第1ベース部63から側方へ延出する第3ベース部65とを備えている。第2ベース部64および第3ベース部65は、第1ベース部63に対して、該第1ベース部63の左縁から左方へ延出している。第1ベース部材60は、第1ベース部63、第2ベース部64および第3ベース部65が一体に形成されたブロック状部材であり、夫々のベース部63,64,65の外縁部および後面に、後方に向け突出した複数のリブ片が設けられており(
図7参照)、撓み変形や捻れ変形が発現し難く構成されている。
【0036】
第1ベース部63には、前方へ開口すると共に後方へ凹んだ凹部66が形成されており(
図4。
図15参照)、第1姿勢に姿勢変位した回転表示体52との干渉が回避されるように構成されている。第2ベース部64の前側には、スライド方向が左右方向となる向きで後述するスライドレール95が取り付けられるようになっている。また、第3ベース部65の前面には、左右方向に延在すると共に上方および左方へ開口するガイドレール56が形成されたレール部材55が取り付けられている。スライドレール95およびガイドレール56は、進退動作機構53を構成する移動体70を、第1ベース部材60に対して往復移動可能に支持するようになっている。
【0037】
(レール形成部)
図7、
図9および
図11に示すように、第1ベース部材60の第2ベース部64および第3ベース部65に、前方へ延出すると共に左右方向へ延在するレール形成部57,57が設けられている。各レール形成部57,57には、前述した姿勢切替機構54を構成するカムレール(第1ガイド部)135が夫々形成されている。なお、カムレール135の詳細については後述する。また、上および下のレール形成部57,57の前端部には、第2ベース部材61を組み付けるネジ(図示せず)が締結されるネジ孔および位置決めボスが設けられている。
【0038】
(第2ベース部材)
第2ベース部材61は、
図5〜
図7に示すように、第4ベース部67と、第4ベース部67から上方へ延出する第5ベース部68とを備えている。第2ベース部材61は、第4ベース部67および第5ベース部68が一体に形成された板状部材であり、外縁部や前面面に複数のリブが設けられ(
図5、
図6参照)、撓み変形や捻れ変形が発現し難く構成されている。第2ベース部材61は、第1ベース部材60と組み付けることで、第4ベース部67が第1ベース部63の前方に対向すると共に、第5ベース部68は第1ベース部材60よりも上方へ延出した状態となる(
図7参照)。第4ベース部67は、第5ベース部68と比べて左右幅が狭くかつ、右方へ偏って設けられており、第2姿勢となった回転表示体52との干渉が回避されるようになっている(
図14参照)。第5ベース部68には、進退動作機構53を構成する第1駆動モータ(第2駆動手段)73、作動レバー72および第1駆動モータ73と作動レバー72とを連係する第1従動ギア108が配設されるようになっている。
【0039】
第2ベース部材61の前面には、
図4、
図15および
図17に示すように、第1照明基板175および透光性を有する前面装飾部材176が前後に重ねて配設されるようになっている。第1照明基板175には、サブ制御基板により発光制御される複数の第1LED175aが配設されており(
図15参照)、前側に重なった前面装飾部材176の後面に光を照射することで、該前面装飾部材176が明輝するよう構成されている。ここで、装置本体51に配設された前面装飾部材176は、
図4に示すように、遊技盤20における遊技領域21の後側に位置するようになり、該遊技盤20が透明板材であるので透視可能となっており、第1LED175aにより明輝した状態が視認されるようになっている(
図2、
図3では図示省略してある)。
【0040】
(進退動作機構)
進退動作機構53は、回転表示体52を回転可能に支持する支持体115を、第1位置(
図4、
図5、
図9、
図10参照)および該第1位置から離間した第2位置(
図7、
図13、
図14参照)の間で往復移動させて、回転表示体52の位置を変更させ得るよう構成されている。支持体115の第1位置は、第2位置よりも装置本体51に近接した側に設定されている。すなわち、支持体115は、進退動作機構53により、装置本体51に近接した第1位置および該第1位置よりも装置本体51から離間した第2位置の間を往復移動するよう構成され、これにより回転表示体52の位置が変更される。実施例の可動演出装置50は、支持体115の第2位置が、第1位置よりも左方に設定されており、進退動作機構53の動作により、支持体115は左右方向へ往復移動するようになっている。
【0041】
進退動作機構53は、
図9、
図11、
図13、
図15および
図17に示すように、装置本体51に往復移動可能に配設されて、前述した支持体115が配設された移動体70と、該移動体70に連係した状態で装置本体51に姿勢変位可能に配設された作動レバー72と、装置本体51に配設されて、移動体70を姿勢変位させる作動手段としての第1駆動モータ73とを備えている。第1駆動モータ73は、サブ制御基板の制御により正逆回転が可能に構成されると共に、該第1駆動モータ73の正逆回転により作動レバー72が姿勢変位することで、移動体70が往復移動するように構成されている。
【0042】
(移動体)
移動体70は、
図13、
図15および
図17に示すように、前述したスライドレール95およびガイドレール56に支持されるスライド部材75と、該スライド部材75に取り付けられて前述した支持体115を姿勢変位可能に支持する支持台部材76とを備えている。スライド部材75は、装置本体51における第2ベース部64の前側から第3ベース部65の前側まで延在する板状部材であり、上下方向が長手となる縦長の部材取付部77と、該部材取付部77の上部から左方へ延出するレール取付部78と、作動レバー72が連結される移動連係部79とを備えている。部材取付部77の前側に、スライド部材75と別体に形成された前述の支持台部材76が取り付けられると共に、レール取付部78の後側に、装置本体51の第1ベース部材60に取り付けられたスライドレール95の移動レール部材55が取り付けられる。また、スライド部材75における部材取付部77の下縁には、装置本体51の第1ベース部材60に取り付けられたガイドレール56に摺動可能に係合するガイド片80が、該部材取付部77から下方へ延出すると共に左右方向へ延在するように設けられている。移動連係部79は、部材取付部77の右縁上下略中央から右方へ延出する連結片に設けられ、該連結片に左右方向へ開口すると共に上下方向に長い長孔となっている。
【0043】
このようなスライド部材75は、
図11、
図15および
図17に示すように、ガイド片80をガイドレール56に差し込むと共に、レール取付部78をスライドレール95の移動レール部材55に取り付けることで、装置本体51の第1ベース部材60に対して縦向きに取り付けられる。そして、スライド部材75は、スライドレール95の伸縮およびガイドレール56に対するガイド片80の摺動により、部材取付部77が第1ベース部材60の第1ベース部63と前後に重なって本体空間62内に収容された収容位置(
図4参照)と、該部材取付部77が第1ベース部材60の左方に位置して本体空間62から延出した延出位置(
図7参照)との間を往復移動が可能となっている。
【0044】
部材取付部77の後面には、第1検出片81が後方へ延出した状態で設けられており(
図7参照)、該第1検出片81は、スライド部材75が収容位置において、第1ベース部材60の第1ベース部63に配設された第1位置検出センサ82(
図7参照)に検出されるようになっている。この第1検出片81が第1位置検出センサ82で検出された位置が、移動体70の収容位置であると同時に、該移動体70に姿勢変位可能に支持された支持体115の第1位置に対応する。
【0045】
移動体70を構成する支持台部材76は、
図7、
図9、
図11、
図15および
図17に示すように、スライド部材75に固定される取付部85と、取付部85の両端からスライド部材75から離間する方向へ立ち上がった一対の支持アーム部86,86とを備えている。取付部85は、長手が上下方向となる板状部であり、該取付部85の上縁および下縁から支持アーム部86,86が上下に離間して設けられている。
【0046】
各支持アーム部86,86は、
図7、
図9、
図11、
図15および
図17に示すように、取付部85から前方へ延出する基部87と、該基部87から右斜め前方へ延出する延出部88とを備え、基部87と延出部88との境界部で折曲している。各支持アーム部86,86は、基部87および延出部の外縁にリブ片が延設されており、回転および姿勢変位する回転表示体52を支持するのに必要な強度が確保されている。そして、各支持アーム部86,86は、先端部が装置本体51の第2ベース部材61よりも前方まで延出しており(
図10、
図12、
図14参照)、該先端部には、上下方向に貫通するアーム支持孔89が形成されている(
図15、
図17参照)。各支持アーム部86,86のアーム支持孔89,89は、上下方向(垂直方向)に延在する同一軸線上に位置するように形成されており、支持体115を姿勢変位可能に連結するための支持軸122が挿通支持されるようになっている。なお、アーム支持孔89の軸心は、第2ベース部材61の前面より前方に位置している(
図10参照)。
【0047】
また、
図10、
図15および
図17に示すように、各支持アーム部86,86には、姿勢切替機構54を構成する連係部材137を回転可能に支持するアーム支軸90が設けられている。このアーム支軸90は、支持アーム部86における基部87に設けられている。上の支持アーム部86においては、基部87の上面からアーム支軸90が上方へ突出するように設けられ、下の支持アーム部86においては、基部87の下面からアーム支軸90が下方へ突出するように設けられている。両アーム支軸90,90は、上下方向(垂直方向)において同一軸線上に位置するように設けられている。なお、アーム支軸90は、アーム支持孔89より後方に位置している(
図10参照)。
【0048】
(スライドレール)
スライドレール95は、
図7、
図15および
図17に示すように、固定支持レール96と、該固定支持レール96にその長手方向へスライド移動可能に配設されたスライダ97と、固定支持レール96に対してスライダ97を挟んで対向して配設され、該スライダ97にスライド移動可能に配設された移動支持レール98とから構成されている。このスライドレール95は、長手方向(スライド方向)が左右方向となる向きで、固定支持レール96が第1ベース部材60の第2ベース部64に固定されると共に、移動支持レール98がスライド部材75のレール取付部78に固定されている。スライドレール95は、固定支持レール96と移動支持レール98とが前後方向で整合した重なり状態と、移動支持レール98が左方へ移動して該固定支持レール96から左方へ延出したスライド状態となるよう構成されている。従って、スライド部材75(移動体70)は、スライドレール95が重なり状態となることで装置本体51に対する収容位置となり、スライドレール95がスライド状態となることで該装置本体51から左方へ移動した延出位置となり、当該スライドレール95およびガイドレール56に支持された状態で収容位置および延出位置の間を左右に往復移動するようになる。なお、実施例のスライドレール95は、固定支持レール96、スライダ97および移動支持レール98が金属製であり、移動支持レール98および固定支持レール96に撓み変形や捻れ変形が発現し難くなっており、移動体70および回転表示体52の安定的な支持および移動が可能となっている。
【0049】
(作動レバー)
作動レバー72は、
図9、
図11および
図13に示すように、装置本体51における第2ベース部材61の第5ベース部68に支持されたレバー支軸100に対し、往復回転可能に配設されている。レバー支軸100は、第5ベース部68の後面における後述する第1従動ギア108の右側(
図7では左側)において、前方へ延出して軸心が前後方向に向き姿勢で該第5ベース部68に支持されており、該レバー支軸100に軸支された作動レバー72は、第2ベース部材61の後面と平行な垂直面で回転するようになっている。このような作動レバー72は、レバー支軸100に支持される支持基部101から第5ベース部68に配設された第1従動ギア108と前後に重なる方向へ延在した第1レバー部102と、支持基部101から第4ベース部67と前後に重なる方向へ延出した第2レバー部103とを備えている。実施例の作動レバー72は、レバー支軸100を中心とした第1レバー部102と第2レバー部103との内角が約100°となっており、略「く」字形に形成されている。また、作動レバー72は、第1レバー部102よりも第2レバー部103の方が長くなっている。
【0050】
図9、
図13、
図15および
図17に示すように、第1レバー部102の先端部には、第1従動ギア108に設けられたギア連係部109に連係する第1レバー連係部104が設けられている。実施例の第1レバー連係部104は、ピン状をなすギア連係部109(
図7、
図17参照)が移動可能に係合する長孔である。また、第2レバー部103の先端部には、スライド部材75に設けられた移動連係部79に連係する第2レバー連係部105が設けられている。第2レバー連係部105は、第2レバー部103の先端部から後方へ延出して、長孔に形成された前述の移動連係部79に挿通して係合するガイドピンであり、該移動連係部79に対して長手方向に移動可能に係合するようになっている。ここで、ギア連係部109は、後述するように、第1従動ギア108の回転に伴って円弧状に上下方向へ移動するようになっている。従って、レバー支軸100に支持された作動レバー72は、ギア連係部109が上下方向へ移動して第1レバー部102の先端部が上下方向に往復移動することで回転し、これに伴って第2レバー部103の先端部が左右方向へ往復移動するようになる。すなわち、第1従動ギア108の回転に伴って作動レバー72がレバー支軸100を中心に往復回転することで、第2レバー部103の先端部に設けられた第2レバー連係部105が左右方向へ円弧状に往復移動し、装置本体51に対する移動体70の左右方向への往復移動が生起される。なお、
図9に示すように、レバー支軸100には捻りバネ106が配設され、該捻りバネ106の一方脚部が装置本体51に係止されると共に他方脚部が第2レバー部103に係止されており、該捻りバネ106は、移動体70を延出位置側へ押すように作動レバー72を付勢している。
【0051】
(第1駆動モータおよび第1従動ギア)
図5〜
図7に示すように、第2ベース部材61の第5ベース部68は、上側部分と下側部分との間に段差が設けられ、この段差部には上下方向に開口した開口部107が形成されている。すなわち、第5ベース部68の上側部分は、該第5ベース部68の下側部分より後方へ離間しており、前述した第1駆動モータ73が上側部分に設置されると共に、下側部分に前述した第1従動ギア108が回転自在に配設されている。第5ベース部68の上側部分には、第1駆動モータ73の駆動軸73aが挿通可能な開口が形成されており、該第1駆動モータ73は、該上側部分の後側に、駆動軸73を開口に挿通して前側へ延出させた姿勢で固定される。そして、上側部分の前側に延出した第1駆動モータ73の駆動軸73aに駆動ギア110が固定され、該駆動ギア110の歯部が前述した開口部107に臨んでいる(
図5、
図6参照)。一方、第5ベース部68の下側部分には、第1従動ギア108の円形凸部108a(
図15参照)が嵌合する円形凹部111が形成されると共に、該円形凹部111の中央には、後方へ延出したギア支軸112が設けられている(
図17参照)。そして、ギア支軸112に第1従動ギア108が回転自在に支持され、該第1従動ギア108の歯部が開口部107に臨んで第1従動ギア108に噛み合っている(
図5参照)。
【0052】
(ギア連係部)
第1従動ギア108に設けられたギア連係部109は、
図7および
図17に示すように、該第1従動ギア108の端面において、ギア中心から半径方向へ離間した位置に、後方に向けて延出したピン状部である。ここで、第1従動ギア108は、
図9、
図11および
図13に示すように、ギア連係部109が前側から見て左方へ凸となる円弧軌道を移動するように往復回転するようになっており、これにより該ギア連係部109が上下方向において移動量L1の範囲で往復移動するようになっている。従って、ギア連係部109に連係された作動レバー72は、
図9に示す第1作動位置および
図13に示す第2作動位置の間を往復回転するようになり、第2レバー部103の先端部に設けられた第2レバー連係部105は左右方向において移動量L2(
図13参照)の範囲で往復移動するようになる。従って、作動レバー72に連係された移動体70は、前述した移動量L2の範囲で装置本体51に対して左右方向へ往復移動するようになる。
【0053】
(支持体)
移動体70の支持台部材76に配設される支持体115は、
図7、
図15および
図17に示すように、支持台部材76に対して姿勢変位可能に支持されると共に、回転表示体52を回転可能に支持するようになっている。そして、支持体115は、姿勢切替機構54により姿勢変位して、回転表示体52の第1姿勢および第2姿勢の間の姿勢変位を生起させるようになっている。ここで、実施例の支持体115は、移動体70の支持台部材76における支持アーム部86,86に支持される第1支持部材116と、第1支持部材116に組み付けられると共に回転表示体52を回転可能に支持する第2支持部材117とから構成されている。
【0054】
(第1支持部材)
第1支持部材116は、
図7、
図15および
図17に示すように、支持台部材76の上下の各支持アーム部86に連結される一対の支持連結部118,118と、両支持連結部118,118の間に位置して該支持連結部118,118に一体に形成されたカバー部119とを備えている。各支持連結部118,118は、水平方向に延出する支持壁120を備え、該支持壁120には、支持アーム部86に形成されたアーム支持孔89に挿通支持される支持軸122が挿通する軸孔121が形成されている。軸孔121は、支持壁120の上面および下面に開口する貫通孔であり、各支持壁120,120に形成された軸孔121,121は上下方向において同一軸線上に位置している。
【0055】
(第2ギア部)
図5、
図7および
図9に示すように、各支持連結部118,118の支持壁120には、姿勢切替機構54を構成する第2ギア部(第2連係部)123が設けられている。第2ギア部123は、支持壁120の縁部に、軸孔121を中心とする半円弧状に形成されている。この第2ギア部123は、姿勢切替機構54を構成して支持アーム部86に配設された後述の連係部材137に設けられた第1ギア部(第1連係部)138と噛み合うようなっている。すなわち、
図10、
図12および
図14に示すように、アーム支軸90と支持軸122を結ぶ線上で各第2ギア部123,123と各第1ギア部138,138とが噛み合うことにより、連係部材137,137の往復回転に連動して、支持軸122を中心とした第1支持部材116の往復回転が生起されるよう構成されている。
【0056】
カバー部119は、
図5、
図7、
図15および
図17に示すように、各支持連結部118,118から第2支持体115と反対方向へ立ち上がる一対の第1壁部124,124と、両縦壁の端縁に連設されて、第2支持体115から離間して対向する第2壁部125とを備え、第2支持部材117との間に空間を画成するようになっている。カバー部119は、第2支持部材117に配設された後述する第2従動ギア156を覆うようになっている(
図7参照)。そして、カバー部119は、後述する第1配線C1および第2配線(配線)C2と第2従動ギア156との接触を阻止するようになっている。なお、カバー部119の第1壁部124と支持連結部118の支持壁120とは、支持台部材76の支持アーム部86の先端部が収容可能な間隔に離間している(
図7参照)。
【0057】
(第2支持部材)
第2支持部材117は、
図5、
図7、
図15および
図17に示すように、回転表示体52の開口を塞ぐ円形状に形成されている。第2支持部材117には、回転表示体52を回転可能に支持する回転シャフト155を支持する軸支持部130と、該回転シャフト155を回転させて回転表示体52を回転させる第2駆動モータ(第1駆動手段)152を固定するモータ固定部131とが設けられている。また、第2支持部材117の裏面には、第1支持部材116を組み付けるネジが締結される複数のネジ締結部が設けられている。
【0058】
(姿勢切替機構)
姿勢切替機構54は、
図9〜
図14に示すように、第1駆動モータ73により動作して支持体115の姿勢を変位させ、回転表示体52を、第1表示面148および第2表示面149が夫々所定方向に向いた第1姿勢と、第1表示面148および第2表示面149が第1姿勢時とは異なる方向に夫々向いた第2姿勢とに姿勢変位させる機構である。実施例の姿勢切替機構54は、進退動作機構53における移動体70の収容位置および延出位置の間の往復移動による回動表示体52の位置変更に連動して、該回転表示体52の第1表示面148がパチンコ機10の前方を向くようにした第1姿勢と、該回転表示体52の第2表示面149がパチンコ機10の前方を向くようにした第2姿勢の間で姿勢変位させるよう構成されている。姿勢切替機構54は、装置本体51に設けられた第1ガイド部135と、支持体115に連係され、進退動作機構53における移動体70の往復移動時に第1ガイド部135に案内される第2ガイド部(第2ガイド部)136とを備えている。すなわち、進退動作機構53の移動体70の往復移動に伴って第2ガイド部136が第1ガイド部135に案内されることで支持体115が姿勢変位し、該支持体115に回転可能に支持された回転表示体52を第1姿勢および第2姿勢に姿勢変位するよう構成されている。
【0059】
具体的に、姿勢切替機構54は、
図9〜
図15および
図17に示すように、装置本体51の第1ベース部材60に設けられた第1ガイド部としての前述した一対のカムレール135と、進退動作機構53における移動体70の支持台部材76に設けたアーム支軸90に回転自在に支持された前述の連係部材137と、各連係部材137,137に連結されると共にカムレール135に係合した第2ガイド部としてのガイドバー136と、該連係部材137に設けられた第1連係部としての第1ギア部138と、支持体115の第1支持部材116に設けられて第1ギア部138に噛み合う第2連係部としての前述の第2ギア部123とから構成されている。そして、進退動作機構53の移動体70の収容位置および延出位置の間の往復移動に伴ってガイドバー136がカムレール135に沿って案内されることで連係部材137が回転変位し、該連係部材137の回転変位に伴って支持体115が姿勢変位するよう構成されている。
【0060】
(カムレール)
第1ベース部材60におけるレール形成部57,57に形成されたカムレール135は、
図9〜
図14に示すように、進退動作機構53の移動体70の移動方向に延在しており、移動体70の移動方向における該カムレール135の延在長は、該移動体70の収容位置および延出位置の間の移動長(移動量L2)以上に設定されている。ここでカムレール135は、移動体70の移動方向において、該移動体70の収納位置側から移動位置側に向けて第1レール部135a、第2レール部135bおよび第3レール部135cから構成されている。そして、移動体70が収納位置においては、ガイドバー136が第1レール部135aの端部近傍(第2レール部135b側と反対側の端部近傍)に位置し、移動体70が収納位置から延出位置に向けて移動する際は、ガイドバー136が第1レール部135a→第2レール部135b→第3レール部135cと移動するよう構成されている。また、移動体70が延出位置においては、ガイドバー136が第3レール部135cの端部近傍(第2レール部135b側と反対側の端部近傍)に位置し、移動体70が延出位置から収容位置に向けて移動する際は、ガイドバー136が第3レール部135c→第2レール部135b→第1レール部135aと移動するよう構成されている。
【0061】
(連係部材)
連係部材137は、
図9および
図10に示すように、アーム支軸90に支持される基部140から該アーム支軸90の軸心方向と交差した方向へ延出した第1連結片141と、基部140からアーム支軸90の軸心方向と交差し、かつ第1連結片141と異なる方向へ延出した第2連結片142とを備えており、アーム支軸90を中心として第1連結片141と第2連結片142とが回転するようになっている。第1連結片141の先端部、すなわち連係部材137の回転中心から所要距離離間した位置にガイドバー136が挿通されている。また、第2連結片142の縁部は、連結部材137の回転中心を中心とする円弧に形成されて、前述した第1ギア部138が形成されている。従って、連係部材137は、カムレール135に案内されるガイドバー136とアーム支軸90との相対位置が変化することによりアーム支軸90を中心として往復回転し、これにより第1ギア部138が移動することで支持体115の第2ギア部123が回転して、該支持体115が支持軸122を中心として姿勢変位するようになる。
【0062】
(ガイドバー)
ガイドバー136は、
図11および
図13に示すように、直線状に形成された棒状部材であり、一端部が一方のカムレール135に差し込まれると共に、他端部が他方のカムレール135に差し込まれることで、レール形成部57,57に架設されている。また、ガイドバー136は、移動体70の支持アーム部86,86に配設された各連係部材137の第1連結片141に挿通支持されている。
【0063】
(カムレール135と連係部材137の回転中心との上下方向における位置関係について)
図12および
図14に示すように、第1レール部135aは、上下方向において、移動体70の往復移動に伴った連係部材137の回転中心(すなわち、アーム支軸90)の移動軌跡と平行な直線に延在している。また、第1レバー部102は、上下方向において、アーム支軸90の移動軌跡Sに対して後方へずれた位置に設けられている。第2レール部135bは、上下方向において、アーム支軸90の移動軌跡と交差するように延在している。すなわち、第2レール部135bは、第1レール部135a側がアーム支軸90の移動軌跡より後側に位置すると共に、第3レール部135c側がアーム支軸90の移動軌跡より前側に位置し、第1レール部135a側から第3レール部135c側にいくにつれて前方へ変位する直線に延在している。第3レール部135cは、上下方向において、アーム支軸90の移動軌跡と平行な直線に延在している。また、第3レール部135cは、上下方向において、アーム支軸90の移動軌跡に対して前方へずれた位置に設けられている。
【0064】
従って、ガイドバー136が第1レール部135aを往復移動する際には、アーム支軸90に配設された連係部材137は、
図10に示す第1連係姿勢に保持される。また、ガイドバー136が第3レール部135cを往復移動する際には、アーム支軸90に配設された連係部材137は、第1連係姿勢から所要角度に回転した
図14に示す第2連係姿勢に保持される。そして、ガイドバー136が第2レール部135bを第1レール部135a側から第3レール部135c側へ移動する際に、アーム支軸90に配設された連係部材137は、第1連係姿勢から第2連係姿勢に向けて徐々に回転するようになり(
図12参照)、ガイドバー136が第2レール部135bを第3レール部135c側から第1レール部135a側へ移動する際に、アーム支軸90に配設された連係部材137は、第2連係姿勢から第1連係姿勢に向けて徐々に回転するようになる。すなわち、各連係部材137は、進退動作機構53の移動体70が収容位置から延出位置にむけて移動する際に、ガイドバー136がカムレール135の第2レール部135bを移動する際に第1連係姿勢から第2連係姿勢に切り替わり、進退動作機構53の移動体70が延出位置から収容位置にむけて移動する際に、ガイドバー136がカムレール135の第2レール部135bを移動する際に第2連係姿勢から第1連係姿勢に切り替わる。
【0065】
(連係部材と支持体の姿勢との関係について)
第1ギア部138および第2ギア部123の噛み合いにより連係部材137,137に連係した支持体115は、該連係部材137,137の第1連係姿勢において、第2支持部材117が側方(実施例では左方)を向いた姿勢となり、回転表示体52を第1姿勢にする(
図9、
図10参照)。また、支持体115は、連係部材137,137の第2連係姿勢において、第2支持部材117が前方を向いた姿勢となり、回転表示体52を第2姿勢にする(
図13、
図14参照)。そして、連係部材137,137の第1連係姿勢から第2連係姿勢への回転変位に連動して支持体115が姿勢変位することで、回転表示体52が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変位し、連係部材137,137の第2連係姿勢から第1連係姿勢への回転変位に連動して支持体115が姿勢変位することで、回転表示体52が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変位する。
【0066】
(回転表示体の姿勢変位のタイミングについて)
各ガイドレール56,56に第1レール部135aが設けられていることで、移動体70に移動に伴って第1位置から第2位置に向けて移動する支持体115は、ガイドバー136が第1レール部135aと第2レール部135bとの境界部に一致する位置(以降「中途位置」と云う)に移動するまでは、回転表示体52を第1姿勢に保持するようになっている。すなわち、支持体115は、第1位置から第1レール部135aの延在長L3(
図9参照)だけ第2位置側に離間した中途位置までの間にある場合に回転表示体52を第1姿勢に保持し、該支持体115が中途位置から第2位置までの間において、回転表示体52を第1姿勢および第2姿勢に姿勢変位させ得る。換言すると、実施例の姿勢切替機構54は、回転表示体52が第1姿勢に保持されながら装置本体51から延在長L3だけ離間移動してから、移動方向において第1姿勢よりも幅広の第2姿勢に該回転表示体52を姿勢変位すると共に、装置本体51から離間した位置で回転表示体52を第2姿勢から第1姿勢に姿勢変位した後に、第1姿勢の状態で該回転表示体52を装置本体51に近接移動するようになっている。これにより、回転表示体52が第1姿勢より幅広の第2姿勢に姿勢変位する際に、該回転表示体52が装置本体51や、枠状装飾部材26および遊技盤20と干渉することを防止し得るよう構成されている。
【0067】
(回転表示体)
回転表示体52は、
図4〜
図8、
図16および
図18に示すように、回転方向に連なる外周壁部52aおよび該外周壁部の一方端縁に連なる外端壁部52bを有している。回転表示体52は、外周壁部52aが円筒形に形成されると共に、外周壁部52aの他方端縁側が開口している。回転表示体52は、外周壁部52aおよび外端壁部52bが一体に形成されると共に、透明または半透明で透光性を有する表示本体145と、該表示本体145の外側に装着される装飾部材146とを備えており、該装飾部材146における外周壁部52aに対応する部位に、同一サイズの複数(実施例では3つ)の開口が、該外周壁部52aの周方向へ並んで形成されていると共に、該装飾部材146における外端壁部52bに対応する部位に、複数(実施例では5つ)の開口が、周方向へ並んで形成されている。また、表示本体145における外周壁部52aの外側には、装飾部材146の各開口に対応して絵柄や文字等のデザインが施された透光性を有するフィルム部材147が配設されている。これにより、回転表示体52の外周壁部52aには、装飾部材146の開口により画成された複数(実施例では3つ)の第1表示面148が設けられると共に、該回転表示体52の外端壁部52bには、該外端壁部52b全体により第2表示面149が設けられている。そして、回転表示体52の外端壁部52bの内側中心部には、支持体115の第2支持部材117に回転自在に支持された後述の回転シャフト155の他端部側に固定されるボス部150が設けられており、該回転シャフト155にボス部150が固定された当該回転表示体52は、第2駆動モータ152の回転に伴って回転する回転シャフト155と一緒に回転するようになっている。また、回転表示体52は、前述した進退動作機構53による支持体115の往復移動に基づいて、装置本体51に対して左右方向へ往復移動するようになっている。更に、回転表示体52は、前述した姿勢切替機構54による支持体115の姿勢変位に基づいて、第1表示面148がパチンコ機10の前方に向いた第1姿勢(
図2、
図4参照)と、第2表示面149がパチンコ機10の前方に向いた第2姿勢(
図3、
図13参照)に姿勢変位するようになっている。
【0068】
(第2駆動モータ)
第2駆動モータ152は、
図16および
図18に示すように、支持体115の第2支持部材117に設けられたモータ固定部131に対して回転表示体52側から固定され、該モータ固定部131に設けられた開口を介して駆動軸152aが第2支持部材117の裏側に延出させた状態となっている。そして、駆動軸152aの先端には第2駆動ギア153が固定されている。第2駆動モータ152は、例えばステッピングモータであり、駆動軸152aを所定の回転角度だけ回転させ得ると共に所要角度で停止可能となっている。なお、第2駆動モータ152は、回転表示体52の内側空間内に収容された状態で第2支持部材117に配設されている。
【0069】
(回転シャフト)
図4、
図16および
図18に示すように、支持体115の第2支持部材117は、該第2支持部材117の表側(回転表示体52側)へ立ち上がった筒状の軸支持部130が設けられ、該軸支持部130には、回転表示体52を支持する回転シャフト155が設けられている。回転シャフト155における第2支持部材117の裏側へ延出した一端部側には、第2駆動ギア153に噛み合う第2従動ギア156が固定されており、該回転シャフト155は、第2駆動モータ152の回転により回転するようになっている。また、回転シャフト155は、第2支持部材117の表側に配設される基板ベース部材157、第3照明基板(第2照明手段)161(
図14、
図16参照)の挿通孔に挿通されて、他端部側が回転表示体52に連結されている。なお、第2従動ギア156は、支持体115の第1支持部材116におけるカバー部119で覆われている。また、第2従動ギア156には、第2支持部材117の裏側に配設された第2位置検出センサ159に検出される第2検出片158が設けられており(
図4、
図16、
図18参照)、該第2検出片158が第2位置検出センサ159で検出された位置が、回転表示体52の回転シャフト155周りの回転方向における原点位置とされている。
【0070】
(第2照明基板および第3照明基板について)
図4、
図16および
図18に示すように、支持体115における第2支持部材117の回転表示体52側には、該回転表示体52内に収容される第2照明基板160および第3照明基板161を支持する基板ベース部材157が配設されている。基板ベース部材157は、円板状に形成されて第2支持部材117から離間した位置に保持される基板保持板157aを備え、第1表示面148を裏側から照明する第2照明基板(第1照明手段)160が、該基板保持板157aと第2支持部材117との間に配設されると共に、第2表示面149を裏側から照明する第3照明基板161が、基板保持板157aに配設されている。第2照明基板160は、複数の第2LED160aが実装され、回転表示体52の外周壁部52aに周方向へ並んで設けられた3つの第1表示面148の1つを照明し得る略矩形状に形成されており、回転表示体52が第1姿勢の状態でパチンコ機10の前方を指向する位置に、LED実装面が前方を向くように配設されている。第3照明基板161は、複数の第3LED161aが実装され、回転表示体52の外端壁部52bに設けられた第2表示面149の全体を照明し得る略円形状に形成されており、LED実装面が第2表示面149と対向するように配設されている。なお、第2照明基板160の光照射方向前側には、LED実装面と対向するように第2レンズ部材162が設けられており、各第2LED160aから照射された光が拡散されて該第2レンズ部材162の全体が均一的に明るくなるよう構成されている。また、第3照明基板161の光照射方向前側には、LED実装面と対向するように第3レンズ部材163が設けられており、各第3LED161aから照射された光が拡散されて該第3レンズ部材163の全体が均一的に明るくなるよう構成されている。
【0071】
(配線引出し部)
図4に示すように、支持体115の第2支持部材117には、該第2支持部材117の表裏方向に貫通する配線引出し部165が設けられている。配線引出し部165には、第2駆動モータ152に接続された第1配線C1と、第2照明基板160および第3照明基板161に接続された第2配線C2とが挿通されるようになっている。配線引出し部165は、第2支持部材117において、回転シャフト155に支持する軸支持部130を挟んでモータ固定部131と反対側となる位置に設けられている。従って、第1配線C1および第2配線C2が、回転表示体52の内側において第2駆動モータ152と接触し難くなっている。なお、実施例では、第2配線C2としてフラットケーブルが採用されており、配線引出し部165は、細長のスリット状に開口している。
【0072】
(配線保持部)
図4および
図5に示すように、支持体115の第2支持部材117には、該第2支持部材117の裏側から外方へ延出した配線保持部166が設けられている。この配線保持部166は、配線引出し部165から引き出された前述の第1配線C1および第2配線C2を保持すると共に、該第1配線C1および第2配線C2をパチンコ機10の前方から視認され難くするよう隠すためのものである。配線保持部166は、回転表示体52の第1姿勢において、第2支持部材117の裏側において配線引出し部165より前側に設けられている。また、配線保持部166は、配線引出し部165の長手方向の長さより幅広に形成されている。更に、
図5に示すように、配線保持部166は、第2支持部材117から略矩形状に立ち上がった板状をなしており、立ち上がり方向に沿う一端部および他端部は、配線引出し部165が位置する側へ折曲しており、第1配線C1および第2配線C2が配線保持部166に沿って一端部側および他端部側へ移動し難く構成されている。なお、配線保持部166は、回転表示体52の第1姿勢において前側に向いた前面部に、適宜の装飾シール167が配設されている(
図5参照)。
【0073】
(カバー部材)
実施例の可動演出装置50は、
図4、
図6、
図15および
図17に示すように、装置本体51および第2姿勢の回転表示体52の間からはみ出した進退動作機構53を覆うカバー部材170を備えている。カバー部材170は、移動体70のスライド部材75における取付部85に取り付けられ、該スライド部材75と一緒に往復移動するようになっている。カバー部材170は、板状に形成されたカバー部171と、該カバー部171の端縁から延出してスライド部材75に固定される複数(実施例では2つ)固定部172,172とから構成され、各固定部172,172はカバー部119から後方へ延出しており、該固定部172,172により固定されたカバー部119は、スライド部材75の取付部85から前方に離間して固定されている。カバー部119は、スライド部材75の上下方向のサイズと略同じ上下サイズの縦長形状となっており、支持体115が第2位置となって回転表示体52の第2姿勢に姿勢変位した状態では、右縁部が前述した前面装飾部材176と前後方向で重なると共に、左縁部が回転表示体52と前後方向で重なる形状となっている(
図3)。従って、回転表示体52が第2姿勢となった際に、装置本体51および該第2姿勢の回転表示体52の間にカバー部119が位置することで、進退動作機構53が前方から覆われるようになる。なお、カバー部119の前面は、塗装や印刷等により適宜の絵柄や模様が施されている。
【0074】
(配線挿通部)
そして、
図4および
図6に示すように、カバー部材170のカバー部119には、第2支持部材117に設けた配線挿通部173から該第2支持部材117の裏側へ引き出された第1配線C1および第2配線C2を挿通する配線挿通部173が設けられている。配線挿通部173は、フラットケーブルにも対応し得るように、細長形状に開口した挿通口である。
【0075】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0076】
前述のように構成された実施例のパチンコ機10では、例えば演出制御装置の演出制御基板による演出の実行可否判定の結果により、可動演出装置50を作動しないことが決定された場合は、各可動演出装置50,50は初期状態に保持される。可動演出装置50が初期状態では、
図2および
図4に示すように、進退動作機構53の移動体70が収納位置に停止保持されることで、回転表示体52は第1姿勢に保持されている。従って、回転表示体52が第1姿勢となっていることで、第1表示面148がパチンコ機10の前方を向いており、遊技者からは第1表示面148の何れかが視認される。そして、各可動演出装置50,50の初期状態では、回転表示体52が枠状装飾部材146の演出窓口26a内の左側および右側に位置しており、該演出窓口26aに臨む図柄表示装置45の表示部45aは、左部分および右部分が両回転表示体52,52で僅かに隠れる程度であり、該表示部45aにおける図柄変動演出や遊技に関連する各種演出に支障を来たさない。
【0077】
演出制御装置の演出制御基板が、演出の実行可否判定の結果により、可動演出装置50を作動させることを決定した場合には、該演出制御基板は所定の制御態様に基づいて可動演出装置50を動作させる。なお、制御態様としては、第2駆動モータ152を作動制御すると共に、第2照明基板160を作動制御する第1制御態様と、第1駆動モータ73を作動制御し、第2駆動モータ152を作動制御すると共に、第3照明基板161を作動制御する第2制御態様とから設定されている。
【0078】
(第1制御態様)
第1制御態様においては、演出制御基板が、第2駆動モータ152を作動制御すると共に第2照明基板160を作動制御し、第1駆動モータ73および第3照明基板161の作動制御は行なわない。従って、第1駆動モータ73が作動しないことで進退動作機構53の移動体70が収納位置に保持されたままとなり、第2駆動モータ152の作動に伴って回転表示体52は第1姿勢のままで回転するようになる(
図2参照)。また、第2照明基板160が発光することにより、回転表示体52の回転に伴ってパチンコ機10の前方に3つの第1表示面148が順次到来するようになり、第2照明基板160の前方に到来した第1表示面148が後方から照らされて明輝するように演出がなされる。従って、第1制御態様では、図柄表示装置45の表示部45aの全体で行なわれる演出表示と回転表示体52の第1表示面148とを関連させた演出を行うことができる。
【0079】
(第2制御態様)
第2制御態様においては、演出制御基板が、第1駆動モータ73、第2駆動モータ152を作動制御すると共に第3照明基板161を作動制御し、第2照明基板160の作動制御は行なわない。従って、第1駆動モータ73が作動することで進退動作機構53の移動体70が収納位置から延出位置へ移動するようになり、かつ姿勢切替機構54が動作することにより、支持体115が第2位置へ移動して回転表示体52が第2姿勢となる(
図3参照)。そして、第2駆動モータ152の作動に伴って回転表示体52は第2姿勢のままで回転するようになる。また、第3照明基板161が発光することにより、パチンコ機10の前方に向いた第2表示面149が後方から照らされて明輝するように演出がなされる。従って、第2制御態様では、各可動演出装置50,50の回転表示体52が図柄表示装置45における表示部45aの前方に位置するようになり、図柄表示装置45の表示部45aで行なわれる演出表示と回転表示体52の第2表示面149が前後に離間して奥行き感および立体感がある演出を行うことができる。
【0080】
なお、左の可動演出装置50および右の可動演出装置50は、同時に第1制御態様または第2制御態様で同期させて動作させたり、何れか一方のみを第1制御態様または第2制御態様の何れかに動作させることも可能である。また、一方の可動演出装置50を第1制御態様により動作させると共に他方の可動演出装置50を第2制御態様により動作させることも可能である。
【0081】
実施例の可動演出装置50を備えたパチンコ機10によれば、進退動作機構53により第1位置および第2位置の間を移動可能な支持体115に回転可能に支持された回転表示体52が、姿勢切替機構54により第1姿勢および第2姿勢に姿勢変位するので、可動演出装置50の設置スペースを、回転表示体の姿勢変位を可能とするコンパクトなサイズにすることができる。すなわち、装置本体51、進退動作機構53および姿勢切替機構54が回転表示体52の第1姿勢および第2姿勢の姿勢変位に際して該回転表示体52と一体に回転しないので、装置本体51、進退動作機構53および姿勢切替機構54が回転表示体52と一体に回転するタイプに比べて、可動演出装置50の設置スペースを小さくすることができる。従って、可動演出装置50を設置する設置部材40に対する該可動演出装置50の設置自由度が高められると共に、該設置部材40に配設されるその他の構成部材(可動演出装置、装飾部材等)の配置自由度が低くなるのを防止し得る。
【0082】
回転表示体52が第1姿勢および第2姿勢に姿勢変位するので、回転表示体52の外周壁部52aに設けられた第1表示面148が主に視認可能な状態と回転表示体52の外端壁部52bに設けられた第2表示面149が主に視認可能な状態とが生起され、回転表示体52による演出効果を高めることができる。しかも、可動演出装置50は、図柄表示装置45の前側に配設して、第2姿勢となる回転表示体52を、図柄表示装置45における表示部45aの前方に位置させ得るので、回転表示体52の第1表示面148および第2表示面149による演出と、図柄表示装置45の表示部45aでの演出表示とを関連させることができ、演出効果を好適に高めることができる。更に、回転表示体52が図柄表示装置45の表示部45aの前方で回転するので、奥行き感および立体感のある演出を行うことができる。
【0083】
そして、移動体70が装置本体51から延出して、支持体115が第1位置と第2位置との間の中途位置から第2位置までの間を移動する際に、回転表示体52が第1姿勢と第2姿勢との間を姿勢変位するようになっているので、第1姿勢より幅広となる第2姿勢に姿勢変位する回転表示体52が装置本体51と干渉するのを防止し得る。また、第1姿勢より幅広となる第2姿勢に姿勢変位する回転表示体52が、枠状装飾部材146や遊技盤20と干渉することも防止し得る。
【0084】
また、姿勢切替機構54は、カムレール135とガイドバー136との係合により連係部材137を回転させ、該連係部材137に設けられた第1ギア部138と支持体115に設けられた第2ギア部123との噛み合いにより、回転表示体52を支持した支持体を姿勢変位させる構造であるから、進退動作機構53の動作に伴ってガイドバー136がカムレール135に案内されることで、該回転表示体52を第1姿勢および第2姿勢の間で適切に姿勢変位させ得る。また、第1〜第3レール部135a,135b,135cからなるカムレール135により、移動体70の移動による支持体115の移動に伴って回転表示体52の第1姿勢および第2姿勢の間の姿勢変位のタイミングを適切に規定することができる。
【0085】
そして、第2照明基板160により第1表示面148の裏面に光を照射することで該第1表示面148が明輝するので、回転表示体52が第1姿勢の場合には第1表示面148が強調されて、回転表示体52による演出効果を高めることができる。同様に、第3照明基板161により第2表示面149の裏面に光を照射することで該第2表示面149が明輝するので、回転表示体52が第2姿勢の場合には第2表示面149が強調されて、回転表示体52による演出効果を高めることができる。
【0086】
また、回転表示体52が第2姿勢となった際には、装置本体51と該第2姿勢の回転表示体52との間にカバー部材170が露出して視認されるようになるので、装置本体51と該第2姿勢の回転表示体52との間にはみ出した進退動作機構53が該カバー部材170により隠され、該進退動作機構53が見えることによって見栄えが悪くなるのを防止し得る。
【0087】
更に、第2支持部材117に設けられた配線引出し部165から該第2支持部材117の裏側(外側)へ引き出された配線、すなわち第2駆動モータ152に連結された第1配線C1や、第2照明基板160および第3照明基板161に連結された第2配線C2が、配線保持部166によって隠されるので、該第1および第2の配線C1,C2がパチンコ機10前側から見えるのを防止し得る。また、回転表示体52が第1姿勢および第2姿勢の間を姿勢変位する場合に、第1および第2の配線C1,C2が他の部材に引掛かることで負荷がかかったり折れ曲がることを配線保持部166で防止でき、該配線C1,C2の切断や回転表示体52の姿勢変位に支障を来たすことを防止し得る。
【0088】
更に、カバー部材170に設けられた配線挿通部173に、配線引出し部165を介して引き出された第1配線C1および第2配線C2を挿通するようにしたので、回転表示体52が第1姿勢および第2姿勢の間を姿勢変位する際に、該配線C1,C2が不安的になることを防止し得ると共に、該配線C1,C2が進退動作機構53の構成部材や姿勢切替機構54の構成部材に引掛かって該機構53,54の動作不良が発生したり、該配線C1,C2が切断することを防止し得る。
【0089】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)回転表示体は、外周壁部が円筒状に形成されたものに限らず、複数の平面が周方向へ連なった角筒状に形成されたものであってもよい。
(2)進退動作機構は、移動体が左右方向へ往復移動するものに限らず、上下方向に進退移動するものや、斜め方向に進退移動するものであってもよい。また、移動体が上下方向に進退移動する可動演出装置の場合には、遊技盤における図柄表示装置の上側または下側に配設するようにしてもよい。
(3)進退動作機構は、移動体が直線に往復移動するものに限らず、円弧状に往復移動するものであってもよい。
(4)進退動作機構の移動体を往復移動させる作動手段は、モータに限らず、ロータリーソレノイドやリニアアクチュエータ等であってもよい。
(5)姿勢切替機構は、移動体70の移動により支持体115が第1位置から移動開始すると同時に第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変位を開始すると共に、支持体115が第2位置となると同時に第2姿勢となるようにしてもよい。
(6)姿勢切替機構は、実施例で例示したカムレールおよびガイドバーの係合によるものに限らず、ベルトおよび該ベルトが掛止されるプーリから構成されたものや、チェンおよび該チェンが掛止されるスプロケットから構成されたものであってもよい。
(7)実施例では、回転表示体の第1表示面が遊技機の前方を向く姿勢を第1姿勢とすると共に、該回転表示体の第2表示面が遊技機の前方を向く姿勢を第2姿勢と規定したが、第1姿勢および第2姿勢は、表示面が遊技機の前方を向く姿勢以外の姿勢に設定してもよい。
(8)実施例では、演出制御基板により可動演出装置を作動制御するようにしたが、主制御基板により可動演出装置を作動制御するようにしてもよい。
(9)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等であってもよい。