特許第6249931号(P6249931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249931回路基板、回路基板の放熱構造、回路基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249931
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】回路基板、回路基板の放熱構造、回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20171211BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20171211BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20171211BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H01L23/12 J
   H01L23/36 C
   H05K1/02 F
   H05K7/20 C
   H05K7/20 E
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-245702(P2014-245702)
(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-111117(P2016-111117A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101786
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 秀行
(72)【発明者】
【氏名】笹木 哲
(72)【発明者】
【氏名】幾島 好広
(72)【発明者】
【氏名】山上 正寛
(72)【発明者】
【氏名】笠島 正人
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−504019(JP,A)
【文献】 特開2012−099540(JP,A)
【文献】 特開2013−004953(JP,A)
【文献】 特開2008−091814(JP,A)
【文献】 特開2012−033855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/36
H05K 1/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱する電子部品の搭載領域と配線パターンが板状の絶縁基体の上面に設けられ、縦断面形状が凸状で上部より下部の径が大きい第1伝熱部材が前記絶縁基体に埋設され、板状の第2伝熱部材が前記絶縁基体の下面に設けられた回路基板において、
前記第1伝熱部材は、前記搭載領域と上下に重なる位置に設けられ、
前記第1伝熱部材の下面は、前記絶縁基体の下面から表出し、
前記第1伝熱部材の前記下部の厚みと、前記第2伝熱部材の厚みとが同一になっており
前記第1伝熱部材の上面と前記搭載領域との間には、前記絶縁基体が介在しているとともに、前記絶縁基体の内部にある内層、該内層にある配線パターン、および第2導通部が設けられ、
前記第2導通部は、前記第1伝熱部材の上面と前記搭載領域の間にある前記配線パターンと、前記搭載領域に設けられた配線パターンとを導通させる、ことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板において、
前記絶縁基体の上面の前記配線パターンと前記絶縁基体を貫通しつつ、前記第2伝熱部材または前記第1伝熱部材の前記下部を貫通するように第1導通部が設けられ、
前記第1導通部は、前記絶縁基体の上面の前記配線パターンと前記第2伝熱部材または前記第1伝熱部材を導通させる、ことを特徴とする回路基板。
【請求項3】
請求項2に記載の回路基板において、
前記絶縁基体の上面にある表層と内部にある内層とに配線パターンが設けられ、
前記第1導通部は、前記表層の配線パターンと前記内層の配線パターンと前記絶縁基体を貫通しつつ、前記第2伝熱部材または前記第1伝熱部材の前記下部を貫通し、前記表層の配線パターンと前記内層の配線パターンと前記第2伝熱部材または前記第1伝熱部材を導通させる、ことを特徴とする回路基板。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路基板において、
前記第1伝熱部材の前記下部と前記第2伝熱部材とは接続されている、ことを特徴とする回路基板。
【請求項5】
請求項1ないし請求項のいずれかに記載の回路基板の熱を放熱するための放熱構造であって、
前記回路基板の下面に放熱器を取り付け、
前記放熱器の上面と、前記第1伝熱部材の下面または前記第2伝熱部材の下面との間に、絶縁性を有するシート状の第3伝熱部材を設けた、ことを特徴とする回路基板の放熱構造。
【請求項6】
請求項1ないし請求項のいずれかに記載の回路基板を製造する方法であって、
前記第2伝熱部材に、前記第1伝熱部材の下部より径が大きな貫通孔が形成されており、
前記貫通孔内に前記第1伝熱部材の下部を嵌入し、
前記第1伝熱部材の下部と前記第2伝熱部材との隙間、前記第2伝熱部材の上面、および前記第1伝熱部材の少なくとも周囲を、前記絶縁基体で埋め、
その後、前記絶縁基体の上面に前記搭載領域と前記配線パターンとを形成する、ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項7】
請求項に記載の回路基板の製造方法において、
前記第2伝熱部材の前記貫通孔の内周面または前記第1伝熱部材の下部に、これらの間に掛かる桟部が複数形成されており、
前記貫通孔内に前記第1伝熱部材の下部を嵌入して、前記各桟部を前記貫通孔の内周面または前記第1伝熱部材の下部に固定し、
前記第1伝熱部材の下部と前記第2伝熱部材との隙間、前記第2伝熱部材の上面、および前記第1伝熱部材の少なくとも周囲を、前記絶縁基体で埋め、
その後、所定の前記桟部を切断する、ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面に電子部品を搭載し、該電子部品で発生した熱を放熱するための伝熱部材を備えた回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
板状の絶縁基体の上面に電子部品が搭載され、かつ配線パターンが形成された回路基板において、搭載した電子部品で発生した熱を放熱する構造が種々提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1の回路基板では、銅の中実体である熱伝素子が、絶縁基体を貫通するように埋設されている。熱伝素子の上面には、熱伝性かつ絶縁性の層がコーティングされ、該層上に発熱性半導体チップが実装される。絶縁基体の下面には、銅層が被着されていて、該銅層と熱伝素子は接触している。
【0004】
また、特許文献2の回路基板では、縦断面が凸状である金属放熱体が、絶縁基体を貫通するように1個以上埋設されている。金属放熱体の下面より面積が小さい上面に発熱素子が搭載され、絶縁基体の上面に発熱素子以外の電子部品が搭載されている。絶縁基体の下面と金属放熱体の下面には、熱伝導率の高い絶縁層が形成され、該絶縁層の下面には、銅箔による金属層が形成されている。
【0005】
また、特許文献3の回路基板では、炭素繊維強化プラスチックを材料とする平板状のCFRP板の上下両面に、絶縁層が形成され、各絶縁層の表面(CFRP板と反対側の面)に、回路層が形成されている。また、縦断面が凸状である金属製の柱状の中実材が、回路基板を貫通するように埋設されている。中実材の上面には、熱伝導材を介して電子部品が搭載される。中実材の下面にシャーシフレームを当接させて、該シャーシフレームをヒートシンクとして機能させる。
【0006】
さらに、特許文献4の回路基板では、絶縁基体の上面に電子部品の搭載領域が設けられ、絶縁基体内に伝熱部材が埋設されている。伝熱部材は、平面視において搭載領域と重なる位置に設けられ、第1伝熱部、第2伝熱部、側面伝熱層、または下面伝熱層を含んでいる。第1伝熱部は、上面と、上面より面積の小さい下面とを有している。第2伝熱部は、第1伝熱部から絶縁基体の側面へ露出するように設けられている。側面伝熱層は、絶縁基体の側面に設けられ、第2伝熱部と接している。下面伝熱層は、絶縁基体の下面に設けられ、側面伝熱層と接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−49887号公報
【特許文献2】特開2008−251671号公報
【特許文献3】特開2012−119607号公報
【特許文献4】特開2014−157949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のように、絶縁基体の内部や下面に伝熱部材を設けると、回路基板の上面に搭載された電子部品で発生した熱を、伝熱部材によって回路基板全体に拡散して、回路基板の下方へ放熱することができる。しかし、伝熱部材の設置数や形状に応じて、回路基板の製造工程が増え、回路基板の製造が難しくなる。
【0009】
本発明の課題は、回路基板の放熱性を向上させつつ、回路基板の製造を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による回路基板は、発熱する電子部品の搭載領域と配線パターンが板状の絶縁基体の上面に設けられ、縦断面形状が凸状で上部より下部の径が大きい第1伝熱部材が絶縁基体に埋設され、板状の第2伝熱部材が絶縁基体の下面に設けられている。第1伝熱部材は、搭載領域と上下に重なる位置に設けられ、第1伝熱部材の下面は、絶縁基体の下面から表出し、第1伝熱部材の下部の厚みと、第2伝熱部材の厚みとが同一になっている。第1伝熱部材の上面と搭載領域との間には、絶縁基体が介在しているとともに、絶縁基体の内部にある内層、該内層にある配線パターン、および第2導通部が設けられている。第2導通部は、第1伝熱部材の上面と搭載領域の間にある配線パターンと、搭載領域に設けられた配線パターンとを導通させる。
【0011】
本発明によると、回路基板の上面にある搭載領域に搭載された電子部品で発生した熱が、直下にある第1伝熱部材に伝わり、さらに該熱が第1伝熱部材から絶縁基体や第2伝熱部材に伝わって、回路基板全体に拡散する。このとき、第1伝熱部材の上部の径より下部の径の方が大きく、第1伝熱部材の下部と第2伝熱部材の厚みが同一であるので、熱が第1伝熱部材の下部から絶縁基体や第2伝熱部材に効率良く伝わる。そして、絶縁基体から表出する第1伝熱部材の下面や第2伝熱部材の下面から、熱を外部へ放散することができ、回路基板の放熱性を向上させることが可能となる。また、第1伝熱部材の下部と第2伝熱部材の厚みが同一であるので、これらの隙間や上部に板状の絶縁基体を容易に接着して、第1伝熱部材と第2伝熱部材と絶縁基体を一体化することができる。また、第1伝熱部材の縦断面形状が凸状になっているので、第1伝熱部材と絶縁基体との接触面積が大きくなり、別途対策を講じなくても、第1伝熱部材と絶縁基体との接着強度を高めることができる。このため、回路基板の製造工程が増えるのを抑えて、回路基板の製造を容易にすることが可能となる。
【0012】
また、本発明では、上記回路基板において、絶縁基体の上面の配線パターンと絶縁基体を貫通しつつ、第2伝熱部材または第1伝熱部材の下部を貫通するように第1導通部を設け、該第1導通部が、絶縁基体の上面の配線パターンと第2伝熱部材または第1伝熱部材を導通させてもよい。
【0013】
また、本発明では、上記回路基板において、絶縁基体の上面にある表層と内部にある内層とに配線パターンが設けられ、第1導通部は、表層の配線パターンと内層の配線パターンと絶縁基体を貫通しつつ、第2伝熱部材または第1伝熱部材の下部を貫通し、表層の配線パターンと内層の配線パターンと第2伝熱部材または第1伝熱部材を導通させてもよい。
【0014】
また、本発明では、上記回路基板において、第1伝熱部材の下部と第2伝熱部材とは接続されていてもよい。
【0017】
また、本発明に係る回路基板の放熱構造においては、回路基板の下面に放熱器を取り付け、放熱器の上面と、第1伝熱部材の下面または第2伝熱部材の下面との間に、絶縁性を有するシート状の第3伝熱部材を設けている。
【0018】
また、本発明に係る回路基板の製造方法においては、第2伝熱部材に、第1伝熱部材の下部より径が大きな貫通孔が形成されており、その貫通孔内に第1伝熱部材の下部を嵌入し、第1伝熱部材の下部と第2伝熱部材との隙間、第2伝熱部材の上面、および第1伝熱部材の少なくとも周囲を、絶縁基体で埋める。その後、絶縁基体の上面に搭載領域と配線パターンとを形成する。
【0019】
上記回路基板の製造方法において、第2伝熱部材の貫通孔の内周面または第1伝熱部材の下部に、これらの間に掛かる桟部が複数形成されており、貫通孔内に第1伝熱部材の下部を嵌入して、各桟部を貫通孔の内周面または第1伝熱部材の下部に固定し、第1伝熱部材の下部と第2伝熱部材との隙間、第2伝熱部材の上面、および第1伝熱部材の少なくとも周囲を、絶縁基体で埋め、その後、所定の桟部を切断してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回路基板の放熱性を向上させつつ、回路基板の製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態の回路基板の平面図である。
図2】本発明の第1実施形態の回路基板の断面図である。
図3】本発明の第1実施形態の回路基板の一製造工程を示した斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態の回路基板の一製造工程を示した断面図である。
図5】本発明の第2実施形態の回路基板の断面図である。
図6】本発明の第2実施形態の回路基板の一製造工程を示した斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態の回路基板の一製造工程を示した断面図である。
図8】本発明の第3実施形態の回路基板の平面図である。
図9】本発明の第3実施形態の回路基板の断面図である。
図10】本発明の第4実施形態の回路基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分および対応する部分には同一符号を付している。
【0023】
まず、第1実施形態の回路基板1の構造を、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の回路基板1の平面図である。図2は、第1実施形態の回路基板1の断面図である。
【0024】
図1および図2に示すように、回路基板1は、絶縁基体2、メタルインレイ3、メタルコア4、配線パターン5a〜5e、5g、5s、およびビア6a〜6cを含んでいる。
【0025】
絶縁基体2は、ガラス繊維を含んだエポキシ樹脂などから成り、絶縁性を有し、板状に形成されている。複数枚の絶縁基体2を積層することにより、絶縁基体2の内部に2つの内層Lb、Lcを設け、絶縁基体2の表出する上面に表層Laを設けている。
【0026】
表層Laには、電子部品の搭載領域Rと配線パターン5s、5g、5dが設けられている。配線パターン5s、5g、5dは、導電性と熱伝導性を有する銅箔から成る。搭載領域Rには、FET(電界効果コンデンサ)7が搭載される。FET7は、スイッチング動作する際に発熱する。FET7は、本発明の「電子部品」の一例である。
【0027】
FET7のソース端子7sの先端部は、配線パターン5s上にはんだ8により接続される。FET7のゲート端子7gの先端部は、配線パターン5g上にはんだ8により接続される。
【0028】
内層Lbには、配線パターン5a、5bが設けられている。内層Lcには、配線パターン5c、5eが設けられている。配線パターン5a、5b、5c、5eは、導電性と熱伝導性を有する銅箔から成る。
【0029】
表層Laの配線パターン5dと内層Lb、Lcの配線パターン5b、5eは、図2において上下(絶縁基体2の板厚方向)に重なる位置に設けられている。表層Laの配線パターン5sと内層Lb、Lcの配線パターン5a、5cも、図2において上下に重なる位置に設けられている。
【0030】
メタルインレイ3は、導電性と熱伝導性を有する銅などの金属の鍛造品から成る。他の例として、導電性と熱伝導性を有する銅などの金属を切削または鋳造することで、メタルインレイ3を形成してもよい。メタルインレイ3は、上方または下方から見ると矩形状で、かつ、図2に示すように縦断面形状が凸状に形成されている。メタルインレイ3の下部3bは、上部3aに対して側方へ鍔状に突出している。このため、メタルインレイ3の上部3aの径より、下部3bの径の方が大きくなっている。
【0031】
メタルインレイ3は、絶縁基体2を貫通するように、絶縁基体2に埋設されている。メタルインレイ3の上面は、絶縁基体2の上面から表出している。メタルインレイ3の下面は、絶縁基体2の下面から表出している。
【0032】
また、メタルインレイ3は、搭載領域Rと上下に重なる位置に設けられている。搭載領域Rは、メタルインレイ3の上面から絶縁基体2の上面の一部や配線パターン5d、5g、5sの上面の一部に及ぶように、設けられている。FET7の本体部7aとドレイン端子7dは、メタルインレイ3の上面にはんだ8により接続される。
【0033】
メタルインレイ3の下部3bは、配線パターン5a〜5e、5g、5sの端部と上下に重なる位置に設けられている。メタルインレイ3は、本発明の「第1伝熱部材」の一例である。
【0034】
メタルコア4は、導電性と熱伝導性を有する銅などの金属の板材から成る。メタルコア4は、絶縁基体2の板面と平行な方向に広がるように、絶縁基体2の下面に設けられている。
【0035】
図2において、メタルコア4の右部4aと左部4bとは絶縁されている。メタルコア4の右部4aと配線パターン5s、5g、5a、5cは、上下に重なる位置に設けられている。メタルコア4の左部4bと配線パターン5d、5b、5eも、上下に重なる位置に設けられている。
【0036】
メタルコア4の厚みとメタルインレイ3の下部3bの厚みとは、同一になっている。また、メタルコア4とメタルインレイ3の下部3bの厚みは、配線パターン5a〜5e、5g、5sの厚みより厚くなっている。メタルコア4は、本発明の「第2伝熱部材」の一例である。
【0037】
メタルコア4とメタルインレイ3の下部3bとの間には、絶縁基体2が介在している。メタルインレイ3の上部3aと内層Lb、Lcの配線パターン5a、5b、5c、5eとの間にも、絶縁基体2が介在している。メタルインレイ3の上部3aと表層Laの配線パターン5d、5g、5sとは、離間している。
【0038】
ビア6aは、表層Laの配線パターン5s、内層Lb、Lcの配線パターン5a、5c、絶縁基体2、およびメタルコア4の右部4aを貫通するように、複数(2個)設けられている。ビア6aは、配線パターン5s、5a、5cとメタルコア4の右部4aを導通させる。メタルコア4の右部4aは、FET7のソース電流が流れる配線パターンとして機能する。
【0039】
ビア6bは、表層Laの配線パターン5d、内層Lb、Lcの配線パターン5b、5e、絶縁基体2、およびメタルコア4の左部4bを貫通するように、複数(2個)設けられている。ビア6bは、配線パターン5d、5b、5eとメタルコア4の左部4bを導通させる。
【0040】
ビア6cは、表層Laの配線パターン5d、内層Lb、Lcの配線パターン5b、5e、絶縁基体2、およびメタルインレイ3の下部3bを貫通するように、複数(2個)設けられている。ビア6cは、配線パターン5d、5b、5eとメタルインレイ3を導通させる。
【0041】
メタルインレイ3とメタルコア4の左部4bは、配線パターン5d、5b、5eとビア6b、6cを介して導通している。メタルインレイ3とメタルコア4の左部4bは、FET7のドレイン電流が流れる配線パターンとして機能する。ビア6a、6b、6cは、本発明の「第1導通部」の一例である。
【0042】
回路基板1の下面には、ヒートシンク9がねじ11により取り付けられている。ヒートシンク9は、回路基板1で生じた熱を外部に放出して、回路基板1を冷却する。ヒートシンク9は、本発明の「放熱器」の一例である。
【0043】
ヒートシンク9の上面とメタルインレイ3の下面との間には、絶縁性と熱伝導性を有する絶縁放熱シート10が設けられている。絶縁放熱シート10は、ヒートシンク9の上面とメタルコア4の下面との間にも延設されている。絶縁放熱シート10は、本発明の「第3伝熱部材」の一例である。
【0044】
次に、第1実施形態の回路基板1の製造方法を、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態の回路基板1の一製造工程を示した斜視図である。図4は、第1実施形態の回路基板1の一製造工程を示した断面図である。
【0045】
図3(a)に示すように、メタルインレイ3は、平面視が矩形状になるように形成され、かつ上部3aの径より下部3bの径が大きくなるように形成されている。また、メタルコア4は、メタルインレイ3の下部3bの厚みと同一の厚みになるように形成されている。さらに、メタルコア4には、メタルインレイ3の下部3bの外径よりも大きな内径を有する、矩形状の貫通孔4hが形成されている。
【0046】
最初に、図4(a)に示すように、水平な基準面Aにメタルコア4の下面を設置して、メタルコア4の貫通孔4h内にメタルインレイ3の下部3bを嵌入する(図3(b)も参照)。このとき、メタルコア4の下面とメタルインレイ3の下面とが面一になる。次に、図4(b)に示すように、メタルインレイ3の下部3bとメタルコア4との隙間を絶縁基体2で埋めて、メタルコア4の上面とメタルインレイ3の下部3bの上面に、絶縁基体2を接着する。
【0047】
次に、絶縁基体2の上面に配線パターンなどの回路を印刷により形成した後、その上にさらに絶縁基体2を接着する工程を繰り返すことにより、内層Lc、Lbを構成する(図4(c))。このとき、メタルインレイ3の上面は、絶縁基体2の上面から表出させる。さらに、絶縁基体2の上面に配線パターンなどの回路を印刷により形成し、かつメタルインレイ3の上面周辺に電子部品の搭載領域Rを形成して、表層Laを構成する(図4(c))。
【0048】
次に、所定の配線パターン5a〜5e、5g、5sとメタルコア4またはメタルインレイ3を貫通するように、ビア6a〜6cを形成する。そして、メタルコア4(図3(b)参照)を切断して、右部4aと左部4bを絶縁する(図4(d))。メタルコア4には、予め切り込みや切欠きやミシン目状の孔などを右部4aと左部4bの間に形成しておいて、右部4aと左部4bを切断し易くしてもよい。
【0049】
上記工程により、メタルインレイ3の下部3bとメタルコア4との隙間、メタルコア4の上面、およびメタルインレイ3の周囲が、絶縁基体2で埋められる。そして、メタルインレイ3とメタルコア4と絶縁基体2が一体化され、回路基板1が構成される。
【0050】
その後、図1および図2に示すように、回路基板1の上面にある搭載領域RにFET7が搭載され、回路基板1の下面に絶縁放熱シート10を介して、ヒートシンク9が取り付けられる。
【0051】
上記第1実施形態によると、回路基板1の上面にある搭載領域Rに搭載されたFET7の動作時に、FET7で発生した熱を、FET7の本体部7aやドレイン端子7dからメタルインレイ3に伝えることができる。特に、メタルインレイ3の上面にFET7が搭載されているので、FET7で発生した熱を、メタルインレイ3に効率良く伝えることができる。そして、メタルインレイ3の大径の下部3bから絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。
【0052】
また、メタルインレイ3から絶縁基体2を介して内層Lb、Lcの配線パターン5a〜5c、5eやメタルコア4にも熱を伝えて、回路基板1全体に熱を拡散させることができる。そして、面積の広いメタルコア4から絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。
【0053】
また、FET7から端子7s、7dなどを介して、表層Laの配線パターン5s、5dに伝わった熱を、ビア6a〜6cにより内層Lb、Lcの配線パターン5a〜5c、5eやメタルコア4に伝えて、メタルインレイ3や回路基板1全体に熱を拡散させることができる。そして、メタルインレイ3やメタルコア4から絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に、熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。また、配線パターン5s、5g、5dの熱は、配線パターン5s、5g、5dの表面から外部へ放散することもできる。
【0054】
また、メタルインレイ3の下部3bの厚みとメタルコア4の厚みが同一であるので、これらの隙間や上部に板状の絶縁基体2を容易に接着して、メタルインレイ3とメタルコア4と絶縁基体2を一体化することができる。また、メタルインレイ3の縦断面形状が凸状になっているので、メタルインレイ3と絶縁基体2との接触面積が大きくなり、別途対策を講じなくても、メタルインレイ3と絶縁基体2との接着強度を高めることができる。そして、回路基板1の製造工程が増えるのを抑えることができる。
【0055】
以上により、回路基板1の放熱性を向上させることと、回路基板1の製造を容易にすることが可能となる。
【0056】
また、上記第1実施形態では、メタルコア4の右部4aと左部4bとメタルインレイ3を配線パターンとして兼用している。このため、表層Laの配線パターン5d、5g、5s、内層Lb、Lcの配線パターン5a〜5c、5e、メタルコア4の右部4a、左部4b、およびメタルインレイ3を使って、FET7を含んだ電気回路を形成することができる。このため、回路基板1において、回路設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0057】
次に、第2実施形態の回路基板1の構造と製造方法を、図5図7を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態の回路基板1の断面図である。図6は、第2実施形態の回路基板1の一製造工程を示した斜視図である。図7は、第2実施形態の回路基板1の一製造工程を示した断面図である。
【0058】
第2実施形態では、図6(a)に示すように、メタルコア4の貫通孔4hの内周面に、所定の間隔で複数の桟部4tを形成している。図6(b)に示すように、メタルコア4の貫通孔4h内にメタルインレイ3の下部3bを嵌入した状態で、各桟部4tは、貫通孔4hの内周面からメタルインレイ3の下部3bの外周面に掛かる長さに突出している。
【0059】
回路基板1の製造時において、最初に、図7(a)に示すように、水平な基準面Aに設置したメタルコア4の貫通孔4h内に、メタルインレイ3の下部3bを嵌入する(図6(b))。そして、メタルコア4の各桟部4tとメタルインレイ3の下部3bの外周面とを溶接により固定する。これにより、メタルコア4の貫通孔4hからメタルインレイ3が脱落しなくなる。
【0060】
それから、前述したように、メタルインレイ3の下部3bとメタルコア4との隙間、メタルコア4の上面、およびメタルインレイ3の周囲を、絶縁基体2で埋める。また、絶縁基体2の内部と上面に、配線パターンなどの回路を印刷により形成して、内層Lc、Lbと表層Laを構成する。また、絶縁基体2の上面に、搭載領域Rを設ける(図7(b))。そして、所定の配線パターン5a〜5e、5g、5sとメタルコア4またはメタルインレイ3を貫通するように、ビア6a〜6cを形成する。さらに、メタルコア4を切断して、右部4aと左部4bを絶縁する(図7(c))。
【0061】
また、メタルコア4の所定の桟部4tを切断する。本例では、図7(d)に示すように、メタルコア4の右部4a側に設けられた桟部4tを切断して、メタルコア4の右部4aとメタルインレイ3とを絶縁する。切断部分は、絶縁基体2で埋める。メタルコア4の左部4b側に設けられた桟部4tは切断せず、メタルコア4の左部4bとメタルインレイ3の下部3bとを接続したままにする。以上により、その後搭載領域Rに搭載するFET7を含んだ電気回路が形成される(図5)。
【0062】
上記第2実施形態によると、回路基板1の一製造工程でメタルインレイ3の下部3bとメタルコア4とを桟部4tを介して接続するので、その後の製造工程でメタルインレイ3がメタルコア4の貫通孔4hや絶縁基体2から脱落するのを防止することができる。このため、絶縁基体2の接着やビア6cの形成などの工程が行い易くなり、回路基板1の製造を一層容易にすることが可能となる。
【0063】
また、回路基板1の製造後に、メタルインレイ3の下部3bとメタルコア4の左部4bとを接続したままにしているので、搭載領域Rに搭載したFET7で発生した熱を、メタルインレイ3に伝えた後、メタルインレイ3の下部3bからメタルコア4の左部4bに伝え易くすることができる。そして、メタルインレイ3の下部3bやメタルコア4の左部4bから絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。よって、回路基板1の放熱性を一層向上させることが可能となる。
【0064】
次に、第3実施形態の回路基板1’の構造を、図8および図9を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態の回路基板1’の平面図である。図9は、第3実施形態の回路基板1’の断面図である。
【0065】
第3実施形態では、図8に示すように、複数(2個)のFET7を一括して冷却するため、平面視の面積が広いメタルインレイ3’を用いている。また、FET7同士を絶縁するため、図9に示すように、メタルインレイ3’の上面を埋めるように、絶縁基体2を積層している。絶縁基体2の内部には、3つの内層Ld、Lb、Lcを設け、絶縁基体2の表出する上面には、表層Laを設けている。
【0066】
表層Laには、図8に示すように、複数のFET7を搭載するための複数(2個)の搭載領域Rが設けられている。また、表層Laには、各FET7の端子7d、7g、7sを接続するための配線パターン5s、5g、5d’がそれぞれ複数(2つずつ)設けられている。そのうち、各配線パターン5d’には、各FET7の本体部7aとドレイン端子7dがはんだ8により接続される。各搭載領域Rは、絶縁基体2の上面や配線パターン5d’、5g、5sの上面の一部に及ぶように、設けられている。
【0067】
メタルインレイ3’は、各搭載領域Rと上下に重なる位置に設けられている。図9に示すように、メタルインレイ3’の側方に位置する内層Lb、Lcには、配線パターン5a、5b、5c、5eが設けられている。これら配線パターン5a、5b、5c、5eは、FET7毎に設けられていて、それぞれ独立している。
【0068】
メタルインレイ3’の上面と各搭載領域Rとの間には、絶縁基体2と内層Ldが介在している。内層Ldには、銅箔から成る配線パターン5h、5i、5j、5kが設けられている。これら配線パターン5h、5i、5j、5kは、FET7毎に設けられていて、それぞれ独立している。そのうち、配線パターン5i、5jは、メタルインレイ3’の上面と搭載領域Rとの間に設けられている。
【0069】
FET7の下方において、表層Laの搭載領域Rにある配線パターン5d’と内層Ldの配線パターン5jとは、複数のビア6dにより導通している。また、表層Laの搭載領域Rにある配線パターン5sと内層Ldの配線パターン5iとは、ビア6eにより導通している。ビア6d、6eは、表層Laと内層Ldを貫通するように、メタルインレイ3’の上面と搭載領域Rとの間に設けられている。また、ビア6d、6eは、FET7毎に設けられている。ビア6d、6eは、本発明の「第2導通部」の一例である。
【0070】
また、表層Laの配線パターン5d’と内層Ldの配線パターン5kとは、ビア6fにより導通している。ビア6fは、表層Laと内層Ldを貫通するように設けられている。
【0071】
メタルコア4の右部4aと左部4bは、FET7毎に設けられ、それぞれ絶縁されている。ビア6a’、6b、6cは、FET7毎に設けられている。
【0072】
ビア6a’は、表層Laの配線パターン5s、内層Ld、Lb、Lcの配線パターン5h、5a、5c、絶縁基体2、およびメタルコア4の右部4aを貫通するように、複数(2個)設けられている。ビア6a’は、配線パターン5s、5h、5a、5cとメタルコア4の右部4aを導通させる。ビア6a’、6b、6cは、本発明の「第1導通部」の一例である。
【0073】
回路基板1’の下面には、ヒートシンク9がねじ11により取り付けられている。絶縁基体2の下面から表出したメタルインレイ3’の下面は、ヒートシンク9の上面と直に接している。絶縁基体2の下面から表出したメタルコア4の下面とヒートシンク9の上面との間には、絶縁放熱シート10が設けられている。
【0074】
上記第3実施形態によると、1個のメタルインレイ3’の上方に、複数の搭載領域Rを設けて、各搭載領域RにFET7を搭載した場合に、FET7同士を絶縁しつつ、各FET7で発生した熱を、表層Laの配線パターン5d’、5sやビア6d、6eを介して、内層Ldの配線パターン5j、5iに伝えることができる。そして、配線パターン5j、5iから面積の大きいメタルインレイ3’に熱を伝えた後、メタルインレイ3’の下部3bからヒートシンク9に熱を伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を効率良く放散することができる。つまり、1個のメタルインレイ3’とヒートシンク9などにより、複数のFET7を一括して冷却することができる。
【0075】
また、内層Ldの配線パターン5j、5iやメタルインレイ3’から絶縁基体2を介して、他の内層Lb、Lcの配線パターン5a〜5c、5eやメタルコア4にも熱を伝えて、回路基板1全体に熱を拡散させることができる。そして、面積の広いメタルコア4から絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。
【0076】
また、各FET7から端子7s、7dなどを介して、表層Laの配線パターン5s、5d’に伝わった熱を、ビア6a’、6b、6c、6fにより内層Ld、Lb、Lcの配線パターン5a〜5c、5e、5h、5kやメタルコア4に伝えることができる。また、配線パターン5a〜5c、5d’、5e、5g〜5k、5sやメタルコア4から絶縁基体2を介して、メタルインレイ3’や回路基板1全体に熱を拡散させることができる。そして、メタルインレイ3’やメタルコア4から絶縁放熱シート10を介してヒートシンク9に、熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。
【0077】
図10は、第4実施形態による回路基板1’の断面図である。
【0078】
第4実施形態では、メタルコア4の左部4bとメタルインレイ3’の下部3bとを接続している。詳しくは、前述した第2実施形態のように、メタルコア4に桟部4tを設けて、桟部4tとメタルインレイ3’の下部3bとを溶接などで接続している。またその後、メタルコア4の右部4a側にある桟部4tを切断して、右部4aとメタルインレイ3’とを絶縁している。
【0079】
このようにすることで、FET7で発生した熱を、メタルインレイ3’に伝えた後、メタルインレイ3’の下部3bからメタルコア4の左部4bに伝え易くすることができる。そして、メタルインレイ3’の下部3bやメタルコア4の左部4bからヒートシンク9に熱を効率良く伝えて、ヒートシンク9から外部へ熱を放散することができる。
【0080】
本発明では、以上述べた以外にも、種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、回路基板1、1’の表層Laの配線パターン5d、5d’、5sとメタルインレイ3、3’またはメタルコア4を導通させる第1導通部として、ビア6a〜6c、6a’を設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、銅製の端子やピンまたはスルーホールなどを第1導通部として設けて、表層の配線パターンとメタルインレイまたはメタルコアを接続してもよい。また、メタルインレイとメタルコアのうち、一方と表層の配線パターンとを第1導通部で導通させるようにしてもよい。
【0081】
また、図9などに示した第3実施形態では、FET7の搭載領域Rにある表層Laの配線パターン5d’、5sと内層Ldの配線パターン5j、5iとを導通させる第2導通部として、ビア6d、6eを設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、銅製の端子やピンまたはスルーホールなどを第2導通部として設けて、搭載領域にある表層の配線パターンと内層の配線パターンとを接続してもよい。
【0082】
また、図5などに示した第2実施形態では、メタルインレイ3とメタルコア4とを固定するために、メタルコア4の貫通孔4hの内周面に桟部4tを形成した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、メタルインレイ3の下部3bに桟部(図示省略)を形成して、該桟部とメタルコア4の貫通孔4hの内周面とを接続して、メタルインレイ3とメタルコア4とを固定してもよい。
【0083】
また、以上の実施形態では、放熱器として、ヒートシンク9を用いた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではなく、これ以外の、空冷式や水冷式の放熱器、または冷媒を用いた放熱器などを用いてもよい。また、金属製の放熱器だけでなく、熱伝導性の高い樹脂で形成された放熱器を用いてもよい。この場合、放熱器と回路基板との間に絶縁放熱シート10を設ける必要はなく、絶縁放熱シート10を省略することができる。
【0084】
さらに、以上の実施形態では、FET7を上面に搭載する多層の回路基板1、1’に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、その他の電子部品を上面に搭載する単層または多層の回路基板にも適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1、1’ 回路基板
2 絶縁基体
3、3’ メタルインレイ(第1伝熱部材)
3a 上部
3b 下部
4 メタルコア(第2伝熱部材)
4h 貫通孔
4t 桟部
5d、5g、5s 表層の配線パターン
5a、5b、5c、5e 内層の配線パターン
5i、5j 内層の配線パターン
6a、6a’、6b、6c ビア(第1導通部)
6d、6e ビア(第2導通部)
7 FET(電子部品)
9 ヒートシンク(放熱器)
10 絶縁放熱シート(第3伝熱部材)
La 表層
Lb、Lc 内層
Ld 内層
R 搭載領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10