特許第6249951号(P6249951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249951
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】繊維材料からウェブを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/4218 20120101AFI20171211BHJP
   D04H 1/498 20120101ALI20171211BHJP
   D04H 1/46 20120101ALI20171211BHJP
【FI】
   D04H1/4218
   D04H1/498
   D04H1/46
【請求項の数】15
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-533481(P2014-533481)
(86)(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公表番号】特表2014-531526(P2014-531526A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012058339
(87)【国際公開番号】WO2013049835
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年10月1日
(31)【優先権主張番号】61/541,162
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157185
【弁理士】
【氏名又は名称】吉野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ヘイリー グレン
(72)【発明者】
【氏名】ガル デイヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ペレグリン マイケル ティー
【審査官】 清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0208891(US,A1)
【文献】 特開昭52−124977(JP,A)
【文献】 特開2011−026755(JP,A)
【文献】 特開2010−196220(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/024107(WO,A1)
【文献】 特開2007−239143(JP,A)
【文献】 特開2008−019534(JP,A)
【文献】 特表2007−512449(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0101561(US,A1)
【文献】 特表平10−503557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
D01F 9/08−9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス繊維の層状バインダーレスウェブであって、
機械的に絡み合ったガラス繊維の第1のウェブと、
前記ガラス繊維の第1のウェブ上に設けられた、ガラス繊維の少なくとも1つの追加のウェブとを含み、
前記前記第1のウェブの前記ガラス繊維は、前記少なくとも1つの追加のウェブの前記ガラス繊維と機械的に絡み合っており、
前記第1のウェブは、1平方フィート(0.093m2)当たり約5〜約50グラムの面積重量を有し、
前記ガラス繊維は、約9HT(2.3μm)から約35HT(8.9μm)までの直径を有し、
前記ガラス繊維は、約3.0インチ(7.62cm)から約10.0インチ(25.40cm)までの長さ範囲を有し、
前記ガラス繊維の層状バインダーレスウェブは、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m2)の引張強さを有する、ガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項2】
前記層状バインダーレスウェブを形成するために用いられる前記ガラス繊維は、包装又は輸送のために決して圧縮されていない、請求項1記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項3】
前記ガラス繊維は、ニードリングによって機械的に絡み合っている、請求項1記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項4】
ガラス繊維の層状バインダーレスウェブであって、
ガラス繊維からなる第1のウェブと、
前記ガラス繊維の第1のウェブ上に設けられ、ガラス繊維からなる層状バインダーレスウェブを形成する、ガラス繊維からなる少なくとも1つの追加のウェブとを含み、
前記第1のウェブのガラス繊維は、ニードリングによって前記少なくとも1つの追加のウェブのガラス繊維と機械的に絡み合っており、
前記第1のウェブは、1平方フィート(0.093m2)当たり約5〜約50グラムの面積重量を有し、
前記第1のウェブのガラス繊維及び前記第2のウェブのガラス繊維は、約9HT(2.3μm)から約35HT(8.9μm)までの直径範囲を有し、
前記第1のウェブのガラス繊維及び前記第2のウェブのガラス繊維は、約3.0インチ7.62cm)から約10.0インチ(25.40cm)までの長さ範囲を有し、
前記ガラス繊維の層状バインダーレスウェブは、約0.2ポンド/立方フィート(3.206kg/m3)から約0.6ポンド/立方フィート(9.618kg/m3)までの範囲の密度を有する、ガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項5】
前記層状バインダーレスウェブを形成するために用いられる前記ガラス繊維は、包装又は輸送のために決して圧縮されていない、請求項4記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項6】
前記ガラス繊維は、約14HT(3.6μm)から約25HT(6.4μm)までの直径範囲を有する、請求項1に記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項7】
前記ガラス繊維は、約16HT(4.1μm)から約17HT(4.4μm)までの直径範囲を有する、請求項1に記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項8】
前記層状バインダーレスウェブは、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の層状バインダーレスウェブ。
【請求項9】
前記ガラス繊維は、約14HT(3.6μm)から約25HT(6.4μm)までの直径範囲を有する、請求項4に記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項10】
前記ガラス繊維は、約16HT(4.1μm)から約17HT(4.4μm)までの直径範囲を有する、請求項4に記載のガラス繊維の層状バインダーレスウェブ。
【請求項11】
前記層状バインダーレスウェブは、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲の厚さを有する、請求項4に記載の層状バインダーレスウェブ。
【請求項12】
前記層状バインダーレスウェブは、約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m3)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m3)までの範囲の密度を有する、請求項4に記載の層状バインダーレスウェブ。
【請求項13】
前記層状バインダーレスウェブは、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲の厚さを有し、約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m3)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m3)までの範囲の密度を有する、請求項4に記載の層状バインダーレスウェブ。
【請求項14】
前記層状バインダーレスウェブは、約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m3)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m3)までの範囲の密度を有する、請求項1に記載の層状バインダーレスウェブ。
【請求項15】
前記層状バインダーレスウェブは、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲の厚さを有し、約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m3)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m3)までの範囲の密度を有する、請求項1に記載の層状バインダーレスウェブ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
〔関連出願の説明〕
本願は、2011年9月30日に出願された米国特許仮出願第61/541,162号(発明の名称:Method of Forming a Pack from Fibrous Materials)の優先権主張出願である。この米国特許仮出願第61/541,162号を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
繊維材料は、種々の製品に形成される場合があり、かかる製品としては、ウェブ、パック、バット(詰綿)及びブランケットが挙げられる。繊維材料のパックは、多くの用途で利用可能であり、かかる用途としては、非制限的な例として、建物及び建物コンポーネント、家電製品及び航空機用の断熱材及び防音材が挙げられる。繊維状材料のパックは、典型的には、繊維化装置、形成フード、オーブン、トリミング・包装機械を含むプロセスによって形成される。代表的なプロセスは、液状バインダー、バインダー再生水及び洗浄水システムの使用を更に含む。
【発明の概要】
【0003】
本願は、繊維材料ウェブ及び繊維材料ウェブの形成方法の多数の例示の実施形態を開示する。バインダーレスウェブ又は乾燥バインダーを含むウェブを連続プロセスで形成することができ、この場合、繊維材料、例えばガラスを溶融して繊維の状態に形成する。繊維をバインダーレスガラス繊維のウェブ又は乾燥バインダーを含むウェブに形成する。バインダーレスウェブ又は乾燥バインダー入りウェブを層状にすることができ且つ/或いはウェブを構成している繊維を例えばニードリングによって機械的に絡み合わせることができる。
【0004】
ウェブ、バット及びウェブやバットを製造する方法の他の利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】ガラス繊維のバインダーレス層状ウェブ又はパックを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図1B】ガラス繊維のバインダーレス絡み合いウェブを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図1C】ガラス繊維のバインダーレス層状且つ絡み合いウェブ又はパックを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図2A】乾燥バインダーを含むガラス繊維の層状ウェブ又はパックを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図2B】乾燥バインダーを含むガラス繊維のバインダーレス絡み合いウェブを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図2C】乾燥バインダーを含むガラス繊維のバインダーレス層状且つ絡み合いウェブ又はパックを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図2D】乾燥バインダーを含むガラス繊維のバインダーレス層状且つ絡み合いウェブ又はパックを形成する方法の例示の実施形態の流れ図である。
図3A】ガラス繊維のバインダーレス層状ウェブ又はパックを形成する例示の装置の略図である。
図3B】ガラス繊維のバインダーレス絡み合いウェブを形成する例示の装置の略図である。
図3C】ガラス繊維のバインダーレス層状且つ絡み合いウェブ又はパックを形成する例示の装置の略図である。
図4】ガラス繊維のウェブを形成する形成装置の略図である。
図5】乾燥バインダーを含むガラス繊維のウェブ又はパックを形成する例示の装置の略図である。
図6】繊維材料のパックを形成するプロセスの概略側面図である。
図7】パックを繊維材料から形成するプロセスの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、本発明の特定の例示の実施形態を適宜参照して本発明について説明する。しかしながら、本発明は、種々の形態で具体化でき、従って、本明細書に記載した実施形態に限定されるものと解されてはならない。むしろ、これら実施形態は、本明細書が徹底的且つ完全であり、しかも本発明の範囲を当業者に十分に分からせるようなものである。
【0007】
別段の規定がなければ、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当業者によって通常理解される意味と同一の意味を有する。本明細書における本発明の説明で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するために過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の説明のための原文明細書及び特許請求の範囲の記載で用いられる単数形“a”“an”及び“the”は、明示の別段の指定がなければ、単数形をも含むものである。
【0008】
別段の指定がなければ、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる例えば長さ、幅、高さ等のような寸法の量を表す全ての数値は、あらゆる場合において、「約」という用語で修飾されるものと理解されるべきである。したがって、別段の指定がなければ、本明細書及び特許請求の範囲の記載に見られる数値的特性は、本発明の実施形態で得られるべき所望の特性に応じてばらつきのある近似値である。本発明の広い範囲を説明する数値的範囲及びパラメータは、近似値であり、特定の実施例に記載された数値は、できるだけ正確に記録されている。しかしながら、数値はどれも本来的には、これらのそれぞれの測定で見受けられる誤差に起因して生じる或る程度の誤差を必然的に含む。
【0009】
本明細書及び図面は、繊維材料からパックを形成する改良方法を開示している。一般に、改良型連続方法は、液状バインダーを繊維化材料に塗布する伝統的な方法をバインダー(即ち、繊維を互いに結合する物質)なしで繊維のバット又はパックを製作する新規な方法及び/又は乾燥バインダーを含む繊維のバット又はパックを製作する新規な方法で置き換える。
【0010】
本明細書で用いられる「繊維材料」という用語は、溶融材料を引き抜き又は細くすることによって形成された任意の材料を意味するものとする。本明細書で用いられる「パック」という用語は、接着剤及び/又は機械的絡み合いによって互いに結合された繊維材料により形成される任意の製品を意味するものとする。
【0011】
図1A及び図3Aは、繊維材料からパック300(図3A参照)を形成する連続プロセス又は方法100の第1の例示の実施形態を示している。方法100のステップの周りに描かれた破線101は、この方法が以下に詳細に説明するように連続方法であることを意味している。方法及びパックをガラス繊維の観点で説明するが、これら方法及びパックは、他の鉱物、例えば非限定的な例として岩石、スラグ及び玄武岩で作られた繊維製品の製造にも利用できる。
【0012】
図1Aを参照すると、ガラスを溶融させる(102)。例えば、図3Aは、溶融室314を概略的に示している。溶融室314は、溶融ガラス312をフォアハース316に供給することができる。溶融室及びフォアハースは、当該技術分野において知られており、ここではこれらについては説明しない。溶融ガラス312は、所望の化学組成物を与えるような比率で組み合わされた種々の原料で作られるのが良い。
【0013】
図1Aに戻ってこれを参照すると、溶融ガラス312を処理してガラス繊維322を形成する(104)。繊維322を形成するのに溶融ガラス312を多種多様な仕方で処理することができる。例えば、図3Aに示された実施例では、溶融ガラス312は、フォアハース316から1つ又は2つ以上の回転繊維化装置318に流れる。回転繊維化装置318は、溶融ガラス312を受け入れ、次に、ガラス繊維322のベール320を形成する。以下に詳細に説明するように、回転繊維化装置318によって形成されたガラス繊維322は、長く且つ細い。したがって、長く且つ細いガラス繊維322を形成するのに十分な任意所望の繊維化装置(回転式又はその他の形式のもの)を用いることができる。図3Aに示された実施形態は、1つの回転繊維化装置318を示しているが、理解されるべきこととして、任意所望の数の回転繊維化装置318を使用することができる。
【0014】
長く且つ細い繊維は、多種多様な形態を取ることができる。例示の実施形態では、長く且つ細い繊維は、約0.25インチ(0.64cm)から約10.0インチ(25.40cm)までの範囲の長さ及び約9HTから約35HTまでの範囲の直径寸法を有する。HTは、1インチ(2.54cm)の10万分の1を表している。例示の実施形態では、繊維322は、約1.0インチ(2.54cm)から約5.0インチ(12.70cm)までの範囲の長さ及び約14HTから約25HTまでの範囲の直径寸法を有する。例示の実施形態では、繊維322は、約3インチ(7.62cm)の長さ及び約16〜17HTの平均直径を有する。理論に束縛されるものではないが、比較的長く且つ細い繊維の使用は、有利には、良好な断熱性能及び防音性能並びに良好な強度特性、例えば短く且つ太い繊維を有する類似のサイズのパックよりも高い引張り強度及び/又は高い結合強度をもたらすことが考えられる。
【0015】
本明細書において説明する例示の実施形態では、ガラス繊維322は、ガラス繊維を形成した後に潤滑剤でオプションとして被覆され又は部分的に被覆されるのが良い。例えば、ガラス繊維322は、ガラス繊維を互いに結合することがない潤滑減摩性材料で被覆されるのが良い。例示の実施形態では、潤滑剤は、シリコーン化合物、例えばシロキサン、ジメチルシロキサン及び/又はシランであるのが良い。潤滑剤は、他の物質又は物質の組み合わせ、例えば油又は油乳濁液であっても良い。油又は油乳濁液は、鉱物油又は鉱物油乳濁液及び/又は植物油又は植物油乳濁液であるのが良い。
【0016】
ガラス繊維を多種多様な仕方により潤滑剤で被覆し又は部分的に被覆することができる。例えば、潤滑剤をガラス繊維322に吹き付けることができる。例示の実施形態では、潤滑剤は、ガラス繊維322が製造プロセスを通って移動して種々の装置及び/又は他のガラス繊維に接触する際のガラス繊維322に対する損傷を阻止するよう構成されている。潤滑剤は又、製造プロセス中のダストを減少させるのに有益な場合がある。オプションとしての潤滑剤の塗布は、任意所望の構造体、機構体又は装置によって正確に制御されるのが良い。
【0017】
図1Aを参照すると、バインダー又は繊維を互いに結合する他の物質が含まれない繊維のウェブ321を形成する(106)。ウェブ321を多種多様な仕方で形成することができる。図3Aに示された実施例では、ガラス繊維322をオプションとしての収集部材324により集める。収集部材324は、ガラス繊維322を受け入れるような寸法形状のものである。収集部材324は、ガラス繊維322を下流側の処理ステーション、例えば形成装置332への移送のためにダクト330にそらすよう構成されており、形成装置332は、ウェブ321を形成する。他の実施形態では、ガラス繊維322を運搬機構体(図示せず)上に収集してウェブを形成しても良い。
【0018】
形成装置332は、所望の厚さを有する繊維材料の連続乾燥ウェブ321を形成するよう構成されているのが良い。例示の一実施形態では、本願において開示される乾燥ウェブ321は、約0.25インチ(0.64cm)から約4インチ(10.16cm)までの範囲の厚さ及び約0.2ポンド/立方フィート(3.206kg/m)から約0.6ポンド/立方フィート(9.618kg/m)までの範囲の密度を有するのが良い。例示の一実施形態では、本願において開示される乾燥ウェブ321は、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲の厚さ及び約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m)までの範囲の密度を有するのが良い。例示の一実施形態では、本願において開示される乾燥ウェブ321は、約1.5インチ(3.81cm)の厚さ及び約0.4ポンド/立方フィート(6.412kg/m)の密度を有するのが良い。形成装置332は、多種多様な形態を取ることができる。ガラス繊維の乾燥ウェブ321を形成する任意の構成例を使用することができる。
【0019】
例示の一実施形態では、形成装置332は、形成面及び高い又は低い圧力の領域を備えた回転ドラムを有する。図4を参照すると、繊維322が集められる形成面部462の片面460に加わる圧力P1は、反対側の片面464に加わる圧力P2よりも高い。この圧力降下ΔPにより、繊維322は、形成面部462上に集まって乾燥ウェブ321を形成する。例示の一実施形態では、形成面部462前後の圧力降下ΔPは、低い圧力であって低面積重量ウェブを作るよう制御される。例えば、圧力降下ΔPは、水柱約0.5インチ(1.27cm)〜30インチ(76.20cm)であるのが良い。結果的にこの低い圧力降下ΔPをもたらす形成中のウェブを通って流れる空気の速度Vは、毎分最大1,000フィート(304.8m)であるのが良い。
【0020】
低面積重量ウェブ321は、1平方フィート(0.0929m)当たり約5〜約50グラムの面積重量を有する。低面積重量ウェブは、上述の範囲の密度及び厚さを有するのが良い。低面積重量ウェブは、約0.25インチ(0.64cm)から約4インチ(10.16cm)までの範囲、約1インチ(2.54cm)から約3インチ(7.62cm)までの範囲、又は約1.5インチ(3.81cm)の厚さを有するのが良い。低面積重量ウェブは、約0.2ポンド/立方フィート(3.206kg/m)から約0.6ポンド/立方フィート(9.618kg/m)、約0.3ポンド/立方フィート(4.809kg/m)から約0.5ポンド/立方フィート(8.015kg/m)又は約0.4ポンド/立方フィート(6.412kg/m)の密度を有するのが良い。図3Aを参照すると、乾燥ウェブ321は、形成装置332を出る。例示の一実施形態では、低面積重量ウェブ321は、0〜40%の測定面積重量分布変動係数=シグマ(1標準偏差)/平均値(平均)×100%。例示の実施形態では、重量分布変動係数は、30%未満、20%未満又は10%未満である。例示の一実施形態では、重量分布変動係数は、25%〜30%、例えば約28%である。例示の一実施形態では、重量分布変動係数は、約28%である。重量分布変動係数は、ライトテーブルを用いて大きなサンプル、例えば6フィート(1.82m)×10フィート(3.04m)のサンプルの多くの小さなサンプル面積サイズ、例えば2インチ(5.08cm)×2インチ(5.08cm)を測定することによって得られる。
【0021】
図1Aに示された実施例では、ウェブ321又は多数のウェブを層状にする(108)。例えば、単一のウェブ321を縦方向に重ね又は縦方向に対して90°の角度をなして交差重ねして層状ウェブ350を形成するのが良い。別の実施形態では、ウェブを部分部分に切断し、これら部分を互いに上下に積み重ねて層状ウェブを形成しても良い。さらに別の例示の実施形態では、1つ又は2つ以上の二重繊維化装置318及び形成装置332を2つ又は3つ以上のウェブが平行に連続製造されるよう具体化することができる。次に、平行なウェブを互いに上下に積み重ねて層状ウェブを形成する。
【0022】
例示の一実施形態では、形成装置又は層状化機構体332は、コンベヤ336と関連して機能する重ね機構体又は交差重ね機構体である。コンベヤ336は、矢印D1で示されている縦方向に動くよう構成されている。重ね又は交差重ね機構体は、連続ウェブ321を受け入れて第1のコンベヤが縦方向D1に動いているときに第1のコンベヤ336上に連続ウェブの交互の層を堆積させるよう構成されている。堆積プロセスでは、重ね機構体334は、矢印D1で示されている縦方向に交互の層を形成し又は交差重ね機構体334は、横方向に交互の層を形成する。追加のウェブ321を形成して追加の重ね又は交差重ね機構体によって重ね又は交差重ねすると、層の数を増やすと共にスループット性能を向上させることができる。
【0023】
例示の一実施形態では、交差重ね機構体は、連続ウェブ321の運動を正確に制御し、この連続ウェブをコンベヤ336上に堆積させて連続ウェブが損傷を受けないようにするよう構成されている。交差重ね機構体は、任意所望の構造体を有することができ、かかる交差重ね機構体は、任意所望の仕方で作動するよう構成可能である。例示の一実施形態では、交差重ね機構体は、縦方向D1に対して90°前後に動くよう構成されたヘッド(図示せず)を含む。この実施形態では、可動ヘッドの速度は、両方の横方向におけるヘッドの運動が実質的に同じであるよう協調され、それにより、結果として得られる繊維本体の層の一様性が提供される。例示の実施形態では、交差重ね機構体は、コンベヤ336の中心線に心出しされるよう構成された垂直コンベヤ(図示せず)を含む。垂直コンベヤは、連続ウェブをコンベヤ336上に堆積させるようコンベヤ336上に設けられたピボット機構体から揺動するよう更に構成されている。交差重ね機構体の多数の実施例について上述したが、理解されるべきこととして、交差重ね機構体は、他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであっても良い。
【0024】
層状ウェブ350は、任意所望の厚さを有することができる。層状ウェブの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、層状ウェブ350の厚さは、形成装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さの関数である。第2に、層状ウェブ350の厚さは、層状化機構体334が連続ウェブ321の層をコンベヤ336上に堆積させる速度の関数である。第3に、層状ウェブ350の厚さは、コンベヤ336の速度の関数である。図示の実施形態では、層状ウェブ350は、約0.1インチ(0.25cm)から約20.0インチ(50.80cm)までの範囲の厚さを有する。例示の実施形態では、交差重ね機構体334は、1つから60個の層を有する層状ウェブ350を形成することができる。オプションとして、交差重ね機構体は、調節可能であるのが良く、それにより交差重ね機構体334が任意所望の幅を有するパックを形成することができる。或る特定の実施形態では、パックは、約98.0インチ(248.92cm)から約236.0インチ(599.44cm)までの範囲の全体的幅を有するのが良い。
【0025】
例示の一実施形態では、層状ウェブ350は、図1Aに破線のボックス101で示された連続プロセスで製造される。繊維化装置318によって製造された繊維を直接形成装置332に送る(即ち、繊維を集めないで包装し、次に、遠隔の形成装置での使用のために包装を解く)。ウェブ321を直接層状化装置352に提供する(即ち、ウェブを形成しないで巻き取り、次に遠隔の層状化装置352のところで使用するために巻き出す)。連続プロセスの例示の実施形態では、これらのプロセスのうちの各々(図1Aの形成及び層状化)は、繊維化プロセスに結合されており、その結果、繊維化装置からの繊維は、後で使用するために貯蔵されるのではなく、他のプロセスによって使用されるようになっている。
【0026】
例示の一実施形態では、ウェブ321は、比較的厚く、しかも低い面積重量を有し、更に、連続方法は、高いスループットをもたらす。例えば、ウェブ321の単一の層は、1平方フィート(0.0929m)当たり約5〜約50グラムの面積重量を有するのが良い。低面積重量ウェブは、上述した密度範囲及び厚さ範囲を有するのが良い。高出力連続プロセスは、約750ポンド/時(340.2kg/時)〜1500ポンド/時(680.4kg/時)、例えば少なくとも900ポンド/時(408.2kg/時)又は少なくとも1250ポンド/時(567.0kg/時)を生じさせることができる。層状ウェブ350を多種多様な用途で用いることができる。
【0027】
図1B及び図3Bは、バインダーを使用しないで繊維材料からパック300(図3B参照)を形成する第2の例示の実施形態としての方法150を示している。方法150のステップの周りに描かれた破線151は、この方法が連続方法であることを示している。図1Bを参照すると、ガラスを溶融させる(102)。ガラスは、図3Aを参照して上述したように溶融されるのが良い。溶融ガラス312を処理してガラス繊維322を形成する(104)。ガラス繊維322を形成するために図3Aを参照して上述したように溶融ガラス312を処理するのが良い。バインダー又はガラス繊維を互いに結合する他の物質を含まない繊維のウェブ321を形成する(106)。図3Aを参照して上述したようにウェブ321を形成するのが良い。
【0028】
図1Bを参照すると、ウェブ321の繊維322を機械的に絡ませて(202)、絡み合った状態のウェブ352(図3B参照)を形成する。図3Bを参照すると、ウェブ321の繊維を絡ませ機構体345、例えばニードリング装置によって機械的に絡ませるのが良い。絡ませ機構体345は、ウェブ321の個々の繊維322を絡ませるよう構成されている。ガラス繊維322を絡ませることにより、ウェブの繊維を互いに結びつける。絡み合いにより、ウェブの機械的性質、例えば引張り強度及び剪断強度を向上させる。図示の実施形態では、絡ませ機構体345は、ニードリング機構体である。他の実施形態では、絡ませ機構体345は、他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせを含むのが良く、かかる機構体としては非限定的な例として、縫合機構体が挙げられる。
【0029】
絡み合いウェブ352は、任意所望の厚さを有することができる。絡み合いウェブの厚さは、形成装置332により形成される連続ウェブ321の厚さ及び絡ませ機構体345による連続ウェブ321の圧縮量の関数である。例示の実施形態では、絡み合いウェブ352は、約0.1インチ(0.25cm)から約2.0インチ(5.08cm)までの範囲の厚さを有する。例示の実施形態では、絡み合いウェブ352は、約0.5インチ(1.27cm)から約1.75インチ(4.45cm)までの範囲の厚さを有する。例えば、例示の一実施形態では、絡み合いウェブの厚さは、約1/2インチ(1.27cm)である。
【0030】
例示の一実施形態では、絡み合いウェブ352を連続プロセス151で製造する。繊維化装置318により製造された繊維を直接、形成装置332に送る(即ち、ガラス繊維を集めないで包装し、次に遠隔の形成装置での使用のために包装を解く)。ウェブ321を直接、絡ませ装置345に提供する(即ち、ウェブを形成しないで巻き取り、次に遠隔の絡ませ装置345のところで使用できるよう巻き出す)。絡み合いウェブ352を多種多様な用途で使用することができる。連続プロセスの例示の実施形態では、プロセス(図1Bの形成及び絡ませ)の各々を繊維化プロセスに結合し、その結果、繊維化装置からの繊維を後で使用するために貯蔵することなく、他のプロセスによって使用するようにする。
【0031】
図1C及び図3Cは、バインダーを使用しないで繊維材料からパック370(図3C参照)を形成する第3の例示の実施形態としての方法170を示している。図1Cを参照すると、ガラスを溶融させる(102)。方法170のステップの周りに描かれた破線171は、この方法が連続方法であることを示している。図3Aを参照して上述したようにガラスを溶融させるのが良い(102)。図1Cに戻ってこれを参照すると、溶融ガラス312を処理してガラス繊維322を形成する(104)。ガラス繊維322を形成するために図3Aを参照して上述したように溶融ガラス312を処理するのが良い。図1Cを参照すると、バインダー又はガラス繊維を互いに結合する他の物質を含まない繊維のウェブ321を形成する(106)。図3Aを参照して上述したようにウェブ321を形成するのが良い。図1Cを参照すると、ウェブ321又は多数のウェブを層状にする(108)。図3Aを参照して上述したようにウェブ321又は多数のウェブを層状にするのが良い。図1Cを参照すると、層状ウェブ350の繊維322を機械的に絡ませて(302)、層状ウェブの絡み合いパック370を形成する。
【0032】
図3Cを参照すると、層状ウェブ350の繊維を絡ませ機構体345、例えばニードリング装置によって機械的に絡ませるのが良い。絡ませ機構体345は、層状ウェブの層を形成する個々の繊維322を絡ませるよう構成されている。ガラス繊維322を絡ませることにより、層状ウェブの繊維を互いに結びつける。機械的絡み合いにより、機械的性質、例えば引張り強度及び剪断強度を向上させる。図示の実施形態では、絡ませ機構体345は、ニードリング機構体である。他の実施形態では、絡ませ機構体345は、他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせを含むのが良く、かかる機構体としては非限定的な例として、縫合機構体が挙げられる。
【0033】
層状ウェブ350の絡み合いパック370は、任意所望の厚さを有することができる。絡み合いパックの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、絡み合いパックの厚さは、形成装置332によって形成される連続ウェブ321の厚さの関数である。第2に、絡み合いパック370の厚さは、重ね機構体又は交差重ね機構体334が連続ウェブ321の層をコンベヤ336上に堆積させる速度の関数である。第3に、絡み合いパック370の厚さは、コンベヤ336の速度の関数である。第4に、絡み合いパック370の厚さは、絡ませ機構体345による層状ウェブ350の圧縮量の関数である。絡み合いパック370は、約0.1インチ(0.25cm)から約20.0インチ(50.80cm)までの範囲の厚さを有するのが良い。例示の実施形態では、絡み合いパック370は、1つから60個の層を有するのが良い。各絡み合いウェブ層352は、厚さが0.1インチ(0.25cm)〜2インチ(5.08cm)であるのが良い。例えば、各絡み合いウェブ層の厚さは、約0.5インチ(1.27cm)であるのが良い。
【0034】
例示の一実施形態では、絡み合いパック370を連続プロセスで製造する。繊維化装置318により製造された繊維を形成装置332に直接送る(即ち、ガラス繊維を集めないで包装し、次に遠隔の形成装置での使用のために包装を解く)。ウェブ321を絡ませ装置345に直接提供する(即ち、ウェブを形成しないで巻き取り、次に遠隔の層状化装置352のところで使用できるよう巻き出す)。層状ウェブ350を絡ませ装置345に直接提供する(即ち、層状ウェブを形成しないで巻き取り、次に遠隔の層状化装置352のところで使用できるよう巻き出す)。連続プロセスの例示の実施形態では、プロセス(図1Cの形成、層状化及び絡ませ)の各々を繊維化プロセスに結合し、その結果、繊維化装置からの繊維を後で使用するために貯蔵することなく、他のプロセスによって使用するようにする。
【0035】
例示の一実施形態では、層状ウェブの絡み合いパック370は、比較的厚く、そして低い面積重量を有するウェブ321又は多数のウェブで作られており、更に、連続プロセスは、高いスループットをもたらす。例えば、ウェブ321の単一の層は、上述した面積重量、厚さ及び密度を有するのが良い。高出力連続プロセスは、約750ポンド/時(340.2kg/時)〜1500ポンド/時(680.4kg/時)、例えば少なくとも900ポンド/時(408.2kg/時)又は少なくとも1250ポンド/時(567.0kg/時)を生じさせることができる。例示の実施形態では、連続プロセスの高いウェブスループットと機械的絡み合い、例えばニードリングの組み合わせは、ウェブ321の層状化、例えばウェブの重ね又は交差重ねによって容易になる。ウェブ321を層状にすることによって、層状化装置を通って移動する材料の線速度は、ウェブの形成速度よりも遅い。例えば、連続プロセスでは、二層ウェブがウェブの形成速度の1/2の速度で絡ませ装置345を通って動く(3つの層‐速度の1/3等)。速度のこの減少は、高いスループット且つ低面積重量のウェブ321を形成して多層の機械的に絡み合ったパック370に変換する連続プロセスを計算に入れている。層状ウェブの絡み合いパック370を多種多様な用途で用いることができる。
【0036】
例示の実施形態では、長くて細いガラス繊維の層状化及び絡み合いの結果として、強固なウェブ370が得られる。例えば、本願において説明する長くて細いガラス繊維の絡み合いの結果として、高い引張り強度及び高い結合強度を備えた層状絡み合いウェブが得られる。引張り強度は、ウェブがウェブの長さ又は幅の方向に引かれたときのウェブ370の強度である。結合強度は、ウェブ370がウェブの厚さの方向に引き離されたときのウェブの強度である。
【0037】
引張り強度及び結合強度を多種多様な仕方で試験することができる。例示の一実施形態では、機械、例えばインストロン(Instron)機械がウェブ370を固定された速度(以下に説明する実施例では、1秒当たり12インチ(30.48cm))で引き離し、ウェブを引き離すのに必要な力の大きさを測定する。ウェブを引き離すのに必要な力(ウェブが裂け又は破れる前にウェブに加えられたピーク力を含む)を記録する。
【0038】
引張り強度を試験する一方法では、ウェブの幅に沿ってウェブの端部をクランプし、ウェブ370を機械でウェブの長さに沿って一定の速度(以下に提供する実施例では1秒当たり12インチ(30.48cm))で引っ張り、そしてウェブの長さ方向に加えられたピーク力を記録することによって、引張り強度を測定する。ウェブの幅に沿ってウェブの端部をクランプし、ウェブ370をウェブの幅に沿って一定の速度(以下に提供する実施例では1秒当たり12インチ(30.48cm))で引っ張り、そして加えられたピーク力を記録することによって幅方向における引張り強度を測定する。長さ方向における引張り強度と幅方向における引張り強度を平均してサンプルの引張り強度を求める。
【0039】
結合強度を試験する一方法では、所定サイズ(以下に説明する実施例では6インチ(15.24cm)×6インチ(15.24cm))のサンプルを用意する。サンプルの各側を例えば糊付けによって基板に結合する。サンプルの反対側の基板を機械により一定速度(以下に提供する実施例では1秒当たり12インチ(30.48cm))で引き離し、加えられたピーク力を記録する。加えたピーク力をサンプルの面積(以下に説明する実施例では6インチ(15.24cm)×6インチ(15.24cm))の面積で除算して力/面積で表した結合強度を求める。
【0040】
以下の実施例は、層状絡み合いウェブ370の強度の増大を示すために提供されている。これら実施例では、バインダーが含まれていない。すなわち、非水性又は乾燥バインダーが含まれる。これら実施例は、特許請求の範囲に明示の記載がない場合、本発明の範囲を制限するものではない。4つ、6つ及び8つの層を有する層状絡み合いウェブの実施例を用意する。しかしながら、層状絡み合いウェブ370は、任意の数の層を備えることができる。層状絡み合いウェブ370のサンプル長さ、幅、厚さ、ラップの数及び重量は、ウェブ370の用途に応じて様々であって良い。
【0041】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば2つのラップ(即ち、4つの層)の厚さは、0.5インチ(1.27cm)〜2.0インチ(5.08cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.1〜0.3ポンド/平方フィート(0.49〜1.46kg/m)であり、その引張り強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、40(lbf/lbm)を超え、例えば約40〜約120(lbf/lbm)である。例示の実施形態では、このサンプルの結合強度は、0.1ポンド/平方フィート(0.49kg/m)を超える(なお、1インチは、2.54cmであり、1ポンド/平方フィートは、4.9kg/mである)。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、20ポンド/平方フィート(97.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超え、結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超え、結合強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超え、結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超え、結合強度は、20ポンド/平方フィート(97.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)であり、結合強度は、0.3〜30ポンド/平方フィート(1.46〜146.4kg/m)である。
【0042】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば2つのラップ(即ち、4つの層)の厚さは、0.5インチ(1.27cm)〜1.75インチ(4.445cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.12〜0.27ポンド/平方フィート(0.5856〜1.1376kg/m)であり、その引張り強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、40(lbf/lbm)を超え、例えば約40〜約120(lbf/lbm)であり、結合強度は、1ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、20ポンド/平方フィート(97.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超え、結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超え、結合強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超え、結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超え、結合強度は、20ポンド/平方フィート(97.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)であり、結合強度は、0.3〜30ポンド/平方フィート(1.46〜146.4kg/m)である。
【0043】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12イン(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば2つのラップ(即ち、4つの層)の厚さは、0.5インチ(1.27cm)〜1.25インチ(3.175cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.2〜0.3ポンド/平方フィート(0.976〜1.46kg/m)であり、その引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、75(lbf/lbm)を超え、例えば約75〜約120(lbf/lbm)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。例示の一実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超え、結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超え、結合強度は、15ポンド/平方フィート(73.2kg/m)を超える。
【0044】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば3つのラップ(即ち、6つの層)の厚さは、1.0インチ(2.54cm)〜2.25インチ(5.715cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.15〜0.4ポンド/平方フィート(0.732〜1.952kg/m)であり、その引張り強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、40(lbf/lbm)を超え、例えば約40〜約140(lbf/lbm)である。例示の実施形態では、このサンプルの結合強度は、0.1ポンド/平方フィート(0.49kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5〜20ポンド/平方フィート(24.4〜97.6kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.5ポンド/平方フィート(7.32kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2.0ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2.5ポンド/平方フィート(12.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、3.0ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超え、結合強度は、0.40ポンド/平方フィート(1.952kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、0.6ポンド/平方フィート(2.928kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超え、結合強度は、0.9ポンド/平方フィート(4.392kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、5〜20ポンド/平方フィート(24.4〜97.6kg/m)であり、結合強度は、0.1〜4ポンド/平方フィート(0.49〜19.52kg/m)である。
【0045】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば3つのラップ(即ち、6つの層)の厚さは、1.0インチ(2.54cm)〜1.50(3.81cm)インチであり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.25〜0.4ポンド/平方フィート(1.22〜1.952kg/m)であり、その引張り強度は、9ポンド/平方フィート(43.92kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、50(lbf/lbm)を超え、例えば約50〜約140(lbf/lbm)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超える。例示の一実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、9〜15ポンド/平方フィート(43.92〜73.2kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.5ポンド/平方フィート(7.32kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2.0ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2.5ポンド/平方フィート(12.2kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、3.0ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、9ポンド/平方フィート(43.92kg/m)を超え、結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、12.5ポンド/平方フィート(61kg/m)を超え、結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、13.75ポンド/平方フィート(67.1kg/m)を超え、結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。
【0046】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば4つのラップ(即ち、8つの層)の厚さは、0.875インチ(2.2225cm)〜2.0インチ(5.08cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.15〜0.4ポンド/平方フィート(0.732〜1.952kg/m)であり、その引張り強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、40(lbf/lbm)を超え、例えば約40〜約130(lbf/lbm)である。例示の実施形態では、このウェブは、0.3ポンド/平方フィート(1.46kg/m)を超える結合強度を有する。例示の実施形態では、このサンプルの結合強度は、0.1ポンド/平方フィート(0.49kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の一実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)である。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、4ポンド/平方フィート(19.52kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、7.5ポンド/平方フィート(36.6kg/m)を超え、結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の一実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、3〜15ポンド/平方フィート(14.6〜73.2kg/m)であり、結合強度は、0.3〜15ポンド/平方フィート(1.46〜73.2kg/m)である。
【0047】
例示の一実施形態では、6インチ(15.24cm)×12インチ(30.48cm)のウェブ370のサンプルは、多数の層を有し、例えば4つのラップ(即ち、8つの層)の厚さは、1.0インチ(2.54cm)〜2.0インチ(5.08cm)であり、その1平方フィート(0.093m)当たりの重量は、0.1〜0.3ポンド/平方フィートであり、その引張り強度は、9ポンド/平方フィート(43.92kg/m)を超え、引張り強度と重量の比は、70(lbf/lbm)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、0.5ポンド/平方フィート(2.44kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、1.0ポンド/平方フィート(4.88kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、2ポンド/平方フィート(9.76kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、3ポンド/平方フィート(14.6kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、4ポンド/平方フィート(19.52kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの結合強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超える。例示の実施形態では、この段落で説明しているサンプルの引張り強度は、10ポンド/平方フィート(48.8kg/m)を超え、結合強度は、5ポンド/平方フィート(24.4kg/m)を超える。
【0048】
図2A図2Cは、ウェブ521(図5参照)が乾燥又は非水性バインダーを用いて形成されている(260)点を除き図1A図1Cの実施形態とほぼ同じ方法の例示の実施形態を示している。図2Aの方法200は、全体として、図1Aの方法100に対応している。図2Bの方法250は、全体として、図1Bの方法150に対応している。図2Cの方法270は、全体として、図1Cの方法170に対応している。
【0049】
図2Dは、図2Cの方法270に類似した方法290を示している。図2Dでは、破線のボックスに入れて示されたステップは、オプションである。図2Dに示された例示の実施形態では、ウェブを形成する前ではなく(これに加えて)乾燥バインダーをオプションとして、ステップ292でウェブに添加すると共に/或いはステップ294で層状ウェブに添加することができる。例えば、ステップ292が設けられる場合、ウェブを乾燥バインダーなしで形成し、次に、層状化前且つ/或いは層状化中、乾燥バインダーをウェブに添加するのが良い。ステップ294が設けられる場合、ウェブを乾燥バインダーなしで形成して層状化するのが良く、次に乾燥バインダーを層状ウェブに添加する。
【0050】
図5を参照すると、乾燥バインダー(大きな矢印で示されている)をプロセス中、様々な互いに異なる箇所で繊維322及び/又はウェブ521に添加するのが良い。矢印525は、乾燥バインダーを収集部材のところ又はこの上で繊維322に添加するのが良いことを示している。矢印527は、乾燥バインダーをダクト330中の繊維322に添加するのが良いことを示している。矢印529は、乾燥バインダーを形成装置332内で繊維322に添加するのが良いことを示している。矢印531は、乾燥バインダーをウェブが形成装置332を出た後にウェブ321に添加するのが良いことを示している。矢印533は、乾燥バインダーをウェブが層状化装置334によって層状にされているときにウェブ321に添加するのが良いことを示している。矢印535は、ウェブを層状にした後に乾燥バインダーをウェブ321に添加するのが良いことを示している。矢印537は、乾燥バインダーをオーブン550内でウェブ321又は層状ウェブに添加するのが良いことを示している。乾燥バインダーを繊維322又はウェブ321に添加して何らかの仕方で乾燥バインダーを含むウェブ521を形成するのが良い。
【0051】
例示の一実施形態では、乾燥バインダーを繊維化装置318から見て下流側の相当な距離のところに位置する場所で繊維322に塗布する。例えば、乾燥バインダーを繊維の温度及び/又は繊維の周りの空気の温度が繊維化装置のところの繊維の温度及び周りの空気の温度よりも著しく低い場所で繊維に塗布するのが良い。例示の一実施形態では、乾燥バインダーを繊維の温度及び/又は繊維の周りの空気の温度が乾燥バインダーが溶融する温度又は乾燥バインダーが完全に硬化し又は反応する温度よりも低い場所で塗布する。例えば、熱可塑性バインダーを繊維322の温度及び/又はこれら繊維の周りの空気の温度が熱可塑性バインダーの融点よりも低い製造ライン中の箇所で塗布するのが良い。熱硬化性バインダーを繊維322の温度及び/又はこれら繊維の周りの空気の温度が熱硬化性バインダーの硬化温度よりも低い製造ライン中の箇所で塗布するのが良い。すなわち、熱硬化性バインダーを繊維322の温度及び/又はこれら繊維の周りの空気の温度が、熱可塑性バインダーが完全に反応し又は熱硬化性バインダーの完全な架橋が起こる温度よりも低い箇所で塗布するのが良い。例示の一実施形態では、乾燥バインダーを繊維322の温度及び/又はこれら繊維の周りの空気の温度が250°F(121.1℃)未満である製造ライン中の場所で塗布する。例示の一実施形態では、図5の矢印527,529,531,533,535によって示されている場所のところでの繊維の温度及び/又はこれら繊維の周りの空気の温度は、乾燥バインダーが溶融し又は完全に硬化する温度よりも低い。
【0052】
例示の一実施形態では、バインダーアプリケータは、乾燥粉末用に構成された噴霧器である。噴霧器は、スプレーの力が調節可能であるように構成されているのが良く、それにより繊維材料の連続ウェブ中への乾燥粉末の幾分かの入り込みが可能である。変形例として、バインダーアプリケータは、例えば、乾燥バインダーをガラス繊維の連続ウェブ320中に引き込むのに十分な他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせ、例えば、真空装置であっても良い。
【0053】
オプションとしての乾燥バインダーは、多種多様な形態を取ることができる。ウェブ521を形成するよう繊維322を互いに保持する非水性媒体を用いることができる。例示の一実施形態では、乾燥バインダーは、当初、繊維に塗布されている間、実質的に100%の固形分で構成される。本明細書で用いられる「実質的に100%固形分」という表現は、バインダーの重量を基準として約2パーセント以下、好ましくは約1パーセント以下の量の希釈剤、例えば水を含む結合剤を意味する(バインダーが乾燥し又は硬化した後ではなく、バインダーが塗布されているとき)。しかしながら、理解されるべきこととして、或る特定の実施形態では、バインダーが、特定の用途及び設計上の要件に応じて所望の量の希釈剤、例えば水を含んでも良い。例示の一実施形態では、乾燥バインダーは、液体の形態では塗布されず、更に水を主成分としない熱可塑性樹脂を主成分とする材料である。他の実施形態では、乾燥バインダーは、他の物質又は物質の他の組み合わせであって良く、かかる物質としては、非限定的な例として、ポリマー熱硬化性樹脂が挙げられる。乾燥バインダーは、任意の形態又は形態の任意の組み合わせを有することができ、かかる形態としては、非限定的な例として、粉末、粒子、繊維及び/又はホットメルトが挙げられる。ホットメルトポリマーの例としては、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー、エチレン‐アクリレートコポリマー、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アタクチクポリプロピレン、ポリブタジエン‐1、スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、スチレンブロックコポリマー、ポリエステル等が挙げられるが、これらには限定されない。例示の一実施形態では、硬化繊維状パックを包装、貯蔵及び輸送のために圧縮するのが良いが、設置時にその厚さを取り戻す(「ロフト回復」と呼ばれるプロセス)よう十分な乾燥バインダーを塗布する。
【0054】
図2A図2D及び図5に示された実施例では、ガラス繊維322をオプションとして乾燥バインダーがガラス繊維に塗布される前又は後に潤滑剤で被覆し又は部分的に被覆するのが良い。例示の実施形態では、潤滑剤を乾燥バインダー後に塗布してガラス繊維322に対する乾燥バインダーの接着性を向上させる。潤滑剤は、上述した潤滑剤のうちの任意のものであって良い。
【0055】
図5を参照すると、未反応乾燥バインダー521を含む連続ウェブを形成装置332からオプションとしての層状化機構体334に移送する。層状化機構体は、多種多様な形態を取ることができる。例えば、層状化機構体は、ウェブ321を縦方向D1に層状にする重ね機構体であっても良く、ウェブを縦方向と実質的に直交した方向に重ねる交差重ね機構体であっても良い。バインダーレスウェブ321を層状にする上述した交差重ね装置を用いると、未反応乾燥バインダーを含むウェブ521を層状にすることができる。
【0056】
例示の実施形態では、連続ウェブ521の乾燥バインダーは、硬化オーブン550内で熱的に硬化されるよう構成されている。例示の実施形態では、硬化オーブン550は、絡ませ機構体345に取って代わっている。というのは、乾燥バインダーは、繊維322を互いに保持するからである。別の例示の実施形態では、硬化オーブン550と絡ませ機構体345の両方が設けられる。
【0057】
図6及び図7は、全体が符号610で示されている繊維材料からパックを形成する方法の別の例示の実施形態を概略的に示している。図6を参照すると、溶融ガラス612を溶融室614からフォアハース616に供給する。溶融ガラス612を所望の化学組成物を与えるような比率で組み合わされた種々の原料で作られるのが良い。溶融ガラス612は、フォアハース616から複数個の回転繊維化装置618に流れる。
【0058】
図6を参照すると、回転繊維化装置618は、溶融ガラス612を受け入れ、その後、高温ガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622のベール620を形成する。以下に詳細に説明するように、回転繊維化装置618により形成されたガラス繊維622は、長く且つ細い。したがって、長く且つ細いガラス繊維622を形成するのに十分な任意所望の繊維化装置(回転式又はその他の形式)を利用することができる。図6及び図7に示されている実施形態は、所与の数の、例えば2つの回転繊維化装置618を示しているが、理解されるべきこととして、任意所望の数の回転繊維化装置618を用いることができる。
【0059】
高温ガスの流れをオプションとしての吹き込み機構体、例えば非限定的な例として、環状ブロワ(図示せず)又は環状バーナ(図示せず)によって作ることができる。一般に、吹き込み機構体は、ガラス繊維622のベール620を所与の方向に、通常下向きに差し向けるよう構成されている。理解されるべきこととして、高温ガスの流れを任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの任意の組み合わせによって作ることができる。
【0060】
図6に示されているように、オプションとしての吹き付け機構体626が回転繊維化装置618の下に配置されるのが良く、かかる吹き付け機構体は、水又は他の流体の微細な液滴をベール620中の高温ガスに吹き付けて高温ガスの流れの冷却を助けて繊維622を接触による損傷から保護すると共に/或いは繊維622の結合性能を高めるよう構成されている。吹き付け機構体626は、微細な水滴をベール620中の高温ガスに吹き付けて高温ガスの流れの冷却を助けて繊維622を接触による損傷から保護すると共に/或いは繊維622の結合性能を高めるのに十分な任意所望の構造体、機構体又は装置であって良い。図6に示された実施形態は、吹き付け機構体626の使用を示しているが、理解されるべきこととして、吹き付け機構体626の使用は、オプションであり、パック繊維材料610から形成する方法を吹き付け機構体626の使用なしで実施することができる。
【0061】
オプションとして、ガラス繊維622をガラス繊維が形成された後に潤滑剤で被覆するのが良い。図示の実施形態では、複数個のノズル628が回転繊維化装置618よりも下の位置でベール620周りに配置されるのが良い。ノズル628は、潤滑剤(図示せず)を潤滑剤源(図示せず)からガラス繊維622に供給するよう構成されているのが良い。
【0062】
潤滑剤の塗布は、任意所望の構造体、機構体又は装置、例えば非限定的な例として弁(図示せず)によって正確に制御することができる。或る特定の実施形態では、潤滑剤は、シリコーン化合物、例えばシロキサン、ジメチルシロキサン及び/又はシランであるのが良い。潤滑剤は、他の物質又は物質の組み合わせ、例えば油又は油乳濁液であっても良い。油又は油乳濁液は、鉱物油又は鉱物油乳濁液及び/又は野菜油又は野菜油乳濁液であっても良い。例示の実施形態では、潤滑剤は、結果として得られる繊維状材料のパックの重量を基準として約1.0パーセント油及び/又はシリコーン化合物の量で塗布される。しかしながら、他の実施形態では、潤滑剤の量は、約1.0重量パーセントよりも多い又は少ない油及び/又はシリコーン化合物であって良い。
【0063】
図6に示されている実施形態は、潤滑剤(図示せず)をガラス繊維622に供給するためのノズル628の使用を示しているが、理解されるべきこととして、ノズル628の使用は、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法をノズル628の使用なしで実施することができる。
【0064】
図示の実施形態では、高温ガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622をオプションとしての収集部材624によって収集するのが良い。収集部材624は、ガラス繊維622及び高温ガスの流れを容易に受け入れるような寸法形状のものである。収集部材624は、ガラス繊維622及び高温ガスの流れを下流側の処理ステーション、例えば形成装置632a,632bに移送するためにダクト630にそらすよう構成されている。他の実施形態では、ガラス繊維622を運搬機構体(図示せず)上に収集して例えばブランケット又はバット(図示せず)を形成することができる。バットを運搬機構体によって次の処理ステーション(図示せず)に運搬することができる。収集部材624及びダクト630は、ガラス繊維622及び高温ガスの流れを受け入れて運搬するのに適した全体として中空の形態を備えた任意の構造体であって良い。図6に示されている実施形態は、収集部材624の使用を示しているが、理解されるべきこととして、ガラス繊維622及び高温ガスの流れをダクト630にそらすための収集部材624の使用は、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法を収集部材624の使用なしで実施することができる。
【0065】
図6及び図7に示されている実施形態では、単一の繊維化装置618が個々のダクト630と関連しており、その結果、単一の繊維化装置618からのガラス繊維622及び高温ガスの流れがダクト630に入るガラス繊維622及び高温ガスの流れの唯一の源である。変形例として、個々のダクト630が多数の繊維化装置618(図示せず)からガラス繊維622及び高温ガスの流れを受け取るよう構成されていても良い。
【0066】
再び図6を参照すると、オプションとして、ヘッダシステム(図示せず)が形成装置632a,632bと繊維化装置618との間に配置されるのが良い。ヘッダシステムは、複数個の繊維化装置618から流れ出たガラス繊維622及びガスを組み合わせる一方で結果として得られた組み合わせ流の特性を制御することができるチャンバとして構成されるのが良い。或る特定の実施形態では、ヘッダシステムは、繊維化装置618からのガラス繊維622とガスの流れを組み合わせるよう構成され、更に、結果として得られた組み合わせ流を形成装置632a,632bに差し向けるよう構成された制御システム(図示せず)を含むのが良い。かかるヘッダシステムは、或る特定の繊維化装置618の保守及びクリーニングを残りの繊維化装置618の作動停止の必要なく可能にすることができる。オプションとして、ヘッダシステムは、ガラス繊維622及びガスの流れを制御すると共に差し向ける任意所望の手段を含むのが良い。
【0067】
次に図7を参照すると、同伴ガラス繊維622を含むガスの流れの運動量により、ガラス繊維622は、引き続きダクト630を通って形成装置632a,632bに流れる。形成装置632a,632bは、幾つかの機能を実行するよう構成されているのが良い。第1に、形成装置632a,632bは、同伴ガラス繊維622をガスの流れから分離するよう構成されているのが良い。第2に、形成装置632a,632bは、所望の厚さを有する繊維材料の連続して薄く且つ乾燥状態のウェブを形成するよう構成されているのが良い。第3に、形成装置632a,632bは、ガラス繊維622を「ランダム性」の任意所望の度合いでウェブ内で配向させることができる仕方でガラス繊維622をガスの流れから分離することができるよう構成されているのが良い。本明細書に用いられる「ランダム性」という用語は、ガラス繊維622又はガラス繊維622の部分をX、Y又はZ寸法のうちの任意のものに非優先的に配向させることができることを意味するものと定められる。或る特定の場合、高いランダム性度を有することが望ましい場合がある。他の場合、繊維622が非ランダム的に配向され、換言すると、繊維622が実質的に互いに同一平面内に位置し又は実質的に互いに平行であるよう繊維622のランダム性を制御することが望ましい場合がある。第4に、形成装置632a,632bは、繊維材料の連続ウェブを他の下流側の操作に移送するよう構成されているのが良い。
【0068】
図7に示されている実施形態では、形成装置632a,632bは、回転可能に構成されたドラム(図示せず)を有する。このドラムは、任意所望の量のフォルアミナス(foraminous)表面及び高圧又は低圧の領域を有するのが良い。変形例として、形成装置632a,632bの各々は、同伴ガラス繊維622をガスの流れから分離し、所望の厚さを有する繊維材料の連続ウェブを形成し、そしてこの繊維材料の連続ウェブを他の下流側の操作に移送するのに十分な他の構造体、機構体及び装置で形成されても良い。図7に示されている例示の実施形態では、形成装置632a,632bの各々は、互いに同一である。しかしながら、他の実施形態では、形成装置632a,632bの各々は、互いに異なっていても良い。
【0069】
再び図7を参照すると、繊維材料の連続ウェブを形成装置632a,632bからオプションとしてのバインダーアプリケータ646に移送する。バインダーアプリケータ646は、「乾燥バインダー」を繊維材料の連続ウェブに塗布するよう構成されている。「乾燥バインダー」という用語は、バインダーが繊維に塗布されている間、実質的に100%の固形分で構成される。本明細書で用いられる「実質的に100%固形分」という表現は、バインダーの重量を基準として約2パーセント以下、好ましくは約1パーセント以下の量の希釈剤、例えば水を含む結合剤を意味する(バインダーが乾燥し又は硬化した後ではなく、バインダーが塗布されているとき)。しかしながら、理解されるべきこととして、或る特定の実施形態では、バインダーが特定の用途及び設計上の要件に応じて所望の任意の量の希釈剤、例えば水を含んでも良い。バインダーは、硬化オーブン650内で熱的に硬化するよう構成されているのが良い。本明細書において、「硬化する」及び「熱的に硬化する」という用語は、乾燥バインダーがウェブの繊維を互いに結合するようにする化学反応及び/又は1回又は2回以上の相変化を意味している。例えば、熱硬化性の乾燥バインダー(又は乾燥バインダーの熱硬化性成分)は、熱を加えた結果として生じる化学反応の結果として硬化し又は熱的に硬化する。熱可塑性乾燥バインダー(又は乾燥バインダーの熱可塑性成分)は、軟化又は溶融相への加熱、そして次に固体相への冷却の結果として、固まり又は熱的に硬化する。
【0070】
例示の一実施形態では、乾燥バインダーは、液体の形態では塗布されず、更に水を主成分としない熱可塑性樹脂を主成分とする材料である。他の実施形態では、乾燥バインダーは、他の物質又は物質の他の組み合わせであって良く、かかる物質としては、非限定的な例として、ポリマー熱硬化性樹脂が挙げられる。乾燥バインダーは、任意の形態又は形態の任意の組み合わせを有することができ、かかる形態としては、非限定的な例として、粉末、粒子、繊維及び/又はホットメルトが挙げられる。ホットメルトポリマーの例としては、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー、エチレン‐アクリレートコポリマー、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アタクチクポリプロピレン、ポリブタジエン‐1、スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、スチレンブロックコポリマー、ポリエステル等が挙げられるが、これらには限定されない。硬化済み繊維状パックを包装、貯蔵及び輸送のために圧縮するのが良いが、設置時にその厚さを取り戻す(「ロフト回復」と呼ばれるプロセス)よう十分な乾燥バインダーを塗布する。乾燥バインダーを繊維材料の連続ウェブに塗布すると、オプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブが形成される。
【0071】
図6及び図7に示されている実施形態では、バインダーアプリケータ646は、乾燥粉末向きに構成された噴霧器である。噴霧器は、スプレーの力が調節可能であるように構成されているのが良く、それにより繊維材料の連続ウェブ中への乾燥粉末の幾分かの入り込みが可能である。変形例として、バインダーアプリケータ646は、例えば、「乾燥バインダー」をガラス繊維の連続ウェブ中に引き込むのに十分な他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせ、例えば、真空装置であっても良い。
【0072】
図7に示されている実施形態は、乾燥バイダーを繊維材料の連続ウェブに塗布するよう構成されたバインダーアプリケータ646を示しているが、或る特定の実施形態では、繊維材料の連続ウェブにバインダーを塗布しないことは、本発明の範囲に含まれる。
【0073】
再び図7を参照すると、オプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブをバインダーアプリケータ646から対応の交差重ね機構体634a,634bに移送する。図7に示されているように、形成装置632aは、交差重ね機構体634aと関連し、形成装置632bは、交差重ね機構体634bと関連している。交差重ね機構体634a,634bは、第1のコンベヤ636と連係して機能する。第1のコンベヤ636は、矢印D1で示されている縦方向に動くよう構成されている。交差重ね機構体634aは、オプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブをオプションとしてのバインダーアプリケータ646から受け入れるよう構成されると共に更にオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブの交互の層を第1のコンベヤ636が縦方向に動いているときに第1のコンベヤ636上に堆積させるよう構成され、それにより、繊維本体の初期層が形成される。堆積プロセスでは、交差重ね機構体634aは、矢印D2で示されているように横方向に交互の層を形成する。したがって、オプションとして未反応バインダーを含む堆積状態の連続ウェブが交差重ね機構体634aから縦方向D1に動いているとき、追加の層が下流側交差重ね機構体634bによって繊維本体上に堆積される。交差重ね機構体634a,634bによって堆積された繊維本体の結果として生じる層は、パックを形成する。
【0074】
図示の実施形態では、交差重ね機構体634a,634bは、未反応バインダーを含む連続ウェブの運動を正確に制御して未反応バインダーを含む連続ウェブを第1のコンベヤ636上に堆積させるよう構成された装置であり、その結果、オプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブが損傷を受けないようになる。交差重ね機構体634a,634bは、任意所望の構造体を含むことができ、これら交差重ね機構体は、任意所望の仕方で作動するよう構成されるのが良い。一実施例では、交差重ね機構体634a,634bは、横方向D2に前後に動くよう構成されたヘッド(図示せず)を有するのが良い。この実施形態では、可動ヘッドの速度は、横方向における前後のヘッドの運動が実質的に同一であり、それにより繊維本体の結果として生じる層の一様性が得られるよう協調される。別の実施例では、第1のコンベヤ636の中心線上に心出しされるよう構成された垂直コンベヤ(図示せず)を利用するのが良い。垂直コンベヤは、更に、第1のコンベヤ636の上方に設けられたピボット機構体から揺動して例えばオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブを第1のコンベヤ636上に堆積させるよう構成されている。交差重ね機構体の幾つかの例を上述したが、理解されるべきこととして、交差重ね機構体634a,634bは、他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。
【0075】
再び図7を参照すると、オプションとして、第1のコンベヤ636上へのオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブの位置決めは、例えばパックの一様性を向上させるようコントローラ(図示せず)によって達成されるのが良い。コントローラは、任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。
【0076】
層状ウェブ又はパックは、任意所望の厚さを有することができる。パックの厚さは、幾つかの変数の関数である。第1に、パックの厚さは、形成装置632a,632bの各々によって形成されるオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブの厚さの関数である。第2に、パックの厚さは、交差重ね機構体634a,634bがオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブの層を第1のコンベヤ636上に堆積させる速度の関数である。第3に、パックの厚さは、第1のコンベヤ636の速度の関数である。例示の実施形態では、パックは、約0.1インチ(0.25cm)から約20.0インチ(50.80cm)までの範囲の厚さを有するのが良い。他の実施形態では、パックは、約0.1インチ(0.25cm)以下又は約20.0インチ(50.80cm)以上の厚さを有しても良い。
【0077】
上述したように、交差重ね機構体634a,634bは、第1のコンベヤ636が縦方向D1に動いているときにオプションとして未反応バインダーを含む連続ウェブの交互の層を第1のコンベヤ636上に堆積させるよう構成され、それにより、繊維本体の層が形成される。図示の実施形態では、交差重ね機構体634a,634b及び第1のコンベヤ636は、例えば約1個から約60個の範囲の量の層を有する繊維本体を形成するよう協調される。他の実施形態では、交差重ね機構体634a,634b及び第1のコンベヤ636は、例えば60個の層を超える繊維本体を含む任意所望の量の層を有する繊維本体を形成するよう協調させられるのが良い。
【0078】
オプションとして、交差重ね機構体634a,634bは、調節可能であるのが良く、それにより、交差重ね機構体634a,634bは、任意所望の幅を有するパックを形成することができる。或る特定の実施形態では、パックは、約98.0インチ(248.92cm)から約236.0インチ(599.44cm)までの範囲の全体幅を有するのが良い。変形例として、パックは、約98.0インチ(248.92cm)以下又は約236.0インチ(599.44cm)以上の全体幅を有しても良い。
【0079】
交差重ね機構体634a,634bを繊維本体の形成の際に共同して関与するものとして上述したが、理解されるべきこととして、他の実施形態では、交差重ね機構体634a,634bは、例えば繊維本体の別々のレーンを形成するよう互いに別個独立に作動しても良い。
【0080】
図6及び図7を参照すると、交差重ね機構体634a,634bによって形成された層を有するパックを第1のコンベヤ636によってオプションとしてのトリム機構体640に運ぶ。オプションとしてのトリム機構体640は、例えばパックの所望の幅を形成するようパックの縁部をトリムするよう構成されている。例示の実施形態では、パックは、約98.0インチ(248.92cm)から約236.0インチ(599.44cm)までの範囲のトリム後幅を有するのが良い。変形例として、パックは、約98.0インチ(248.92cm)未満又は約236.0インチ(599.44cm)を超えるトリム後幅を有しても良い。
【0081】
図示の実施形態では、オプションとしてのトリム機構体640は、パックの各側に配置された複数個の回転ソー(図示せず)を備えたソーシステムを含む。変形例として、トリム機構体640は、非限定的な例として水ジェット、圧縮ナイフを含む他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであっても良い。
【0082】
図示の実施形態では、トリム機構体640は、有利には、硬化オーブン650から見て上流側に配置される。トリム機構体640を硬化オーブン650から見て上流側に配置することにより、パックをこれが硬化オーブン650内で熱的に硬化される前にトリムすることができる。オプションとして、トリム機構体640によってパックからトリムされた材料をダクト630中のガスの流れ及びガラス繊維に戻して形成装置632a,632b内で再利用するのが良い。トリム材料の再利用により、有利には、トリム材料の処分と関連した潜在的な環境上の問題の発生が防止される。図6に示されているように、管路642がトリム機構体640をダクト630に連結し、この管路は、形成装置632a,632bへのトリム材料の戻りを容易にするよう構成されている。図6及び図7に示されている実施形態は、トリム材料の再利用を示しているが、理解されるべきこととして、トリム材料の再利用は、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法は、トリム材料の再利用なしで実施できる。別の例示の実施形態では、トリム機構体640は、硬化オーブン650から見て下流側に配置される。この位置決めは、トリム材料が再利用されない場合に特に有用である。パックをトリムすることにより、トリム済みパックが形成される。
【0083】
トリム済みパックを第1のコンベヤ636によって第2のコンベヤ644に運搬する。図6に示されているように、第2のコンベヤ644は、第1のコンベヤ636から「ステップダウン」されるよう配置されるのが良い。本明細書で用いられる「ステップダウンされ」という用語は、第2のコンベヤ644の上面が第1のコンベヤ636の上面よりも垂直方向下に位置するよう配置されることを意味するものとする。コンベヤのステップダウンの仕方について以下に詳細に説明する。
【0084】
再び図6及び図7を参照すると、トリム済みパックを第2のコンベヤ644によってオプションとしての絡ませ機構体645に運搬する。絡ませ機構体645は、トリム済みパックの層を形成する個々の繊維622を互いに絡ませるよう構成されている。パック内のガラス繊維622を互いに絡ませることにより、パックが結束される。乾燥バインダーが含まれる実施形態では、ガラス繊維622を互いに絡ませることにより、有利には、機械的性質、例えば引張り強度及び剪断強度を向上させることができる。図示の実施形態では、絡ませ機構体645は、ニードリング機構体である。他の実施形態では、絡ませ機構体645は、非限定的な例として縫合機構体を含む他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせを有しても良い。図6及び図7に示されている実施形態は、絡ませ機構体645の使用を示しているが、理解されるべきこととして、絡ませ機構体645の使用は、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法を絡ませ機構体645の使用なしで実施することができる。パック内の繊維を互いに絡ませることにより、絡み合いパックが形成される。
【0085】
第2のコンベヤ644は、オプションとしての乾燥バインダー入りの、オプションとしてトリムされると共に/或いはオプションとして絡み合ったパック(以下、トリム済みパックと絡み合いパックの両方を、単に「パック」と言う)を第3のコンベヤ648に運搬する。パックが乾燥バインダーを含む場合、第3のコンベヤ648は、このパックをオプションとしての硬化オーブン650に運搬するよう構成されている。硬化オーブン650は、流体、例えば加熱空気をパック中に吹き込んで乾燥バインダーを硬化させると共にガラス繊維622を全体としてランダムな三次元構造の状態にしっかりと結合するよう構成されている。パックを硬化オーブン650内で硬化させることにより、硬化済みパックが形成される。
【0086】
上述したように、パックは、オプションとして、乾燥バインダーを含む。伝統的な液状バインダーではなく、乾燥バインダーの使用により、有利には、硬化オーブン650が乾燥バインダーをパック内で硬化させるのに少ないエネルギーを用いることができる。図示の実施形態では、硬化オーブン650内での乾燥バインダーの使用の結果として、従来型硬化オーブンにより液状又は水性バインダーに用いられるエネルギーと比較して約30.0%から約80.0%までの範囲のエネルギーの節約が得られる。さらに別の実施形態では、エネルギー節約は、80.0%を超える場合がある。硬化オーブン650は、任意所望の硬化構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。
【0087】
第3のコンベヤ648は、硬化済みパックを第4のコンベヤ652に運搬する。第4のコンベヤ652は、硬化済みパックを切断機構体654に運搬するよう構成されている。オプションとして、切断機構体654は、数個の切断モード向きに構成されているのが良い。第1のオプションとしての切断モードでは、切断機構体は、硬化済みパックを縦方向D1に沿って垂直方向に切断してレーンを形成するよう構成されている。形成されたレーンは、任意所望の幅を有することができる。第2のオプションとしての切断モードでは、切断機構体は、硬化済みパックを水平方向に2等分して厚さを有する連続パックを形成するよう構成されている。結果として得られる2等分されたパックは、任意所望の厚さを有することができる。硬化済みパックを切断することにより、切断済みパックが形成される。
【0088】
図示の実施形態では、切断機構体654は、ソー及びナイフのシステムを含む。変形例として、切断機構体654は、他の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。再び図6及び図7を参照すると、切断機構体654は、有利には、切断作業中に形成されるダスト及び他の屑材料の捕捉を可能にするよう配置される。オプションとして、切断機構体に由来するダスト及び他の屑材料をダクト630中のガスの流れ及びガラス繊維に戻して形成装置632a,632b内で再利用するのが良い。ダスト及び屑材料の再利用により、有利には、ダスト及び屑材料の処分と関連した潜在的な環境上の問題の発生が防止される。図6及び図7に示されているように、管路655が切断機構体654をダクト630に連結し、この管路は、形成装置632a,632bへのダスト及び屑材料の戻りを容易にするよう構成されている。図6及び図7に示されている実施形態は、ダスト及び屑材料の再利用を示しているが、理解されるべきこととして、ダスト及び屑材料の再利用は、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法は、ダスト及び屑材料の再利用なしで実施できる。
【0089】
オプションとして、切断機構体654への硬化済みパックの運搬に先立って、硬化済みパックの主要(major )表面を図6に示されているような表面仕上げ機構体662a,662bによって1つ又は複数の表面仕上げ材料で表面仕上げするのが良い。図示の実施形態では、硬化済みパックの主要な上面は、表面仕上げ機構体662aによって提供される表面仕上げ材料663aで表面仕上げされ、硬化済みパックの主要な下面は、表面仕上げ機構体662bにより提供される表面仕上げ材料663bで表面仕上げされる。表面仕上げ材料は、任意所望の材料であって良く、かかる材料としては、紙、ポリマー材料又は不織ウェブが挙げられる。表面仕上げ機構体662a,662bは、任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。図示の実施形態では、表面仕上げ材料663a,663bを硬化済みパック(パックがバインダーを含む場合)に接着剤で貼り付ける。他の実施形態では、表面仕上げ材料663a,663bを他の方法で硬化済みパックに貼り付けても良く、かかる方法としては、非限定的な例として、音波溶接が挙げられる。図6に示されている実施形態は、硬化済みパックの主要な表面への表面仕上げ材料663a,663bの貼り付けを示しているが、理解されるべきこととして、硬化済みパックの主要表面への表面仕上げ材料663a,663bの貼り付けは、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法は、硬化済みパックの主要表面への表面仕上げ材料663a,663bの貼り付けなしで実施できる。
【0090】
図6及び図7を参照すると、第4のコンベヤ652は、切断済みパックをオプションとしての細断機構体656に運搬する。細断機構体656は、切断済みパックを縦方向D1を横切って所望の長さに切断するよう構成されている。図示の実施形態では、細断機構体656は、切断済みパックが縦方向D1に連続的に動いているときに切断済みパックを切断するよう構成されている。変形例として、細断機構体656は、バッチ式細断作業向きに構成されているのが良い。切断済みパックを所定の長さに切断することにより、寸法決めパックが形成される。細断済みパックの長さは、任意所望の寸法を有することができる。
【0091】
細断機構体は、当該技術分野においては知られており、これにつき本明細書において説明することはしない。細断機構体656は、任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。
【0092】
オプションとして、細断機構体656への切断済みパックの運搬に先立って、切断済みパックの非主要(minor )表面を図7に示されているように縁取り機構体666a,666bによって1つ又は複数の縁取り材料で表面仕上げするのが良い。縁取り材料は、任意所望の材料であって良く、かかる材料としては、紙、ポリマー材料又は不織ウェブが挙げられる。縁取り機構体666a,666bは、任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。図示の実施形態では、縁取り材料667a,667bを切断済みパックに接着剤で貼り付ける。他の実施形態では、縁取り材料667a,667bを他の方法で硬化済みパックに貼り付けても良く、かかる方法としては、非限定的な例として、音波溶接が挙げられる。図7に示されている実施形態は、切断済みパックの非主要表面への縁取り材料667a,667bの貼り付けを示しているが、理解されるべきこととして、切断済みパックの非主要表面への縁取り材料667a,667bの貼り付けは、オプションであり、パックを繊維材料610から形成する方法は、切断済みパックの非主要表面への縁取り材料667a,667bの貼り付けなしで実施できる。
【0093】
再び図6を参照すると、第4のコンベヤ652は、寸法決めパックを第5のコンベヤ658に運搬する。第5のコンベヤ658は、寸法決めパックを包装機構体660に運搬するよう構成されている。包装機構体660は、寸法決めパックを将来の作業のために包装するよう構成されている。本明細書で用いられている「将来の作業」という用語は、寸法決めパックの形成に続く行為を含むものと定義され、かかる行為とは、非限定的な例として、貯蔵、輸送、販売及び設置が挙げられる。
【0094】
図示の実施形態では、包装機構体660は、寸法決めパックをロールの形態のパッケージに形成するよう構成されている。他の実施形態では、包装機構体660は、他の所望の形状、例えば、非限定的な例として、スラブ、バット及び不規則な形状の片又はダイカット片を有するパッケージを形成することができる。包装機構体660は、任意所望の構造体、機構体若しくは装置又はこれらの組み合わせであって良い。
【0095】
再び図6を参照すると、コンベヤ636,644,648,652,658は、縦方向D1に「ステップダウンされた」関係にある。「ステップダウンされた」関係は、連続して位置するコンベヤの上面が先のコンベヤの上面の垂直方向下に位置するよう配置されることを意味している。コンベヤの「ステップダウンされた」関係は、有利には、パックの運搬に対して自己押込み特徴をもたらす。図示の実施形態では、隣り合うコンベヤ相互間の垂直方向オフセットは、約3.0インチ(7.62cm)から約10.0インチ(25.40cm)までの範囲にある。他の実施形態では、隣り合うコンベヤの垂直方向オフセットは、約約3.0インチ(7.62cm)未満であっても良く又は約10.0インチ(25.40cm)を超えても良い。
【0096】
図6及び図7に示されているように、パックを繊維材料610から形成する方法は、液状バインダーを不要にしており、それにより洗浄水及び洗浄水関連構造体、例えば成形フード、戻りポンプ及び管類の伝統的な必要性がなくなる。冷却性を除く水の使用及び潤滑剤、着色剤及び他のオプションとしての化学物質の利用がなくなることにより、有利には、製造ラインの全体サイズ(又は「フットプリント」)を著しく減少させると共に実施の費用、運転費、保守及び補修費を減少させることができる。
【0097】
さらに図6及び図7に示されているように、パックを繊維材料610から形成する方法は、有利には、形成装置632a,632b上へのなお且つ細い繊維の一様且つ首尾一貫した堆積を可能にする。図示の実施形態では、繊維622は、約0.25インチ(0.64cm)から約10.0インチ(25.40cm)までの範囲の長さ及び約9HTから約35HTまでの範囲の直径寸法を有する。他の実施形態では、繊維622は、約1.0インチ(2.54cm)から約5.0インチ(12.70cm)までの範囲の長さ及び約14HTから約25HTまでの範囲の直径寸法を有する。さらに別の実施形態では、繊維622は、約0.25インチ(0.64cm)未満又は約10.0インチ(25.40cm)を超える長さ及び約9HT未満又は約35HTを超える直径寸法を有しても良い。理論によって束縛されるわけではないが、比較的長く且つ細い繊維の使用により、有利には、例示の短くて太い繊維を有する類似のサイズのパックよりも良好な断熱性能及び防音性能を備えたパックが提供される。
【0098】
図6及び図7に示されている実施形態を繊維材料のパックを形成するものとして上記において全体的に説明したが、理解されるべきこととして、同じ装置は、「非結合状態のルーズ充填断熱材」を形成するよう構成できる。本明細書で用いられる「非結合状態のルーズ充填断熱材」という用語は、空気流中に利用可能に構成された任意の状態調節断熱材料を意味するものとする。
【0099】
パック及びパックを繊維材料610から形成する方法の例示の実施形態を上記において全体的に説明したが、理解されるべきこととして、方法610の他の実施形態及び変形例が利用でき、これらについて以下に全体的に説明する。
【0100】
図7を参照すると、方法610の別の実施形態では、交差重ね機構体634a,634bは、第1のコンベヤ636上に連続ウェブの交互の層の正確な堆積を可能にするよう構成されており、それにより下流側のトリム機構体640を不要にすることができる。
【0101】
再び図7を参照すると、方法610の別の実施形態では、パックの種々の層を「層別化」するのが良い。本明細書で用いる「層別化され」という用語は、層の各々が種々の特性を備えた状態で構成できることを意味するものとし、かかる特性としては、非限定的な例として、繊維直径、繊維長さ、繊維向き、密度、厚さ及びガラス組成が挙げられる。層を形成する関連の機構体、即ち、関連の繊維化装置、形成装置及び交差重ね機構体は、特定の且つ所望の特性を備えた層を提供するよう構成できることが想定される。したがって、パックを互いに異なる特性を備えた層から形成することができる。
【0102】
別の実施形態では、乾燥バインダーは、所望の特性をパックに与える添加剤を含み又はこれで被覆されるのが良い。添加剤の非限定的な一例は、難燃剤、例えば重曹である。添加剤の非限定的な別の例は、パックに対する紫外線の透過を阻止する材料である。添加剤の更に別の非限定的な例は、パック中への赤外線の透過を阻止する材料である。
【0103】
図6を参照すると、方法610の別の実施形態では、上述したように、高温ガスの流れをオプションとしての吹き込み機構体、例えば非限定的な例として、環状ブロワ(図示せず)又は環状バーナ(図示せず)によって作ることができる。当該技術分野において知られているように、熱を環状ブロワ及び環状バーナにより「繊維化の熱」として生じさせることができる。この実施形態では、繊維化の熱を捕捉し、そして他の機構体又は装置で使用できるよう再利用する。繊維化の熱を方法610における幾つかの場所で捕捉することができる。図6及び図7に示されているように、管路670は、繊維化装置618から出た熱を捕捉し、この熱を他の機構体、例えばオプションとしての硬化オーブン650内で使用できるよう運搬するよう構成されている。同様に、管路672は、ダクト630内の高温ガスの流れから出た熱を捕捉するよう構成され、管路674は、形成装置632a,632bから出た熱を捕捉するよう構成されている。再利用される熱は又、繊維状パックの形成以外の目的、例えばオフィスの暖房のために使用できる。
【0104】
或る特定の実施形態では、ダクト630は、熱捕捉装置、例えば高温ガスの流れ及び同伴ガラス繊維622の運動量をそれほど邪魔しないで熱を捕捉するよう構成された熱抽出装備品を有するのが良い。他の実施形態では、繊維化の熱を捕捉するのに十分な任意所望の構造体、装置又は機構体を用いることができる。
【0105】
図6を参照すると、方法610の別の実施形態では、他の所望の特性を備えた繊維又は他の材料をガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622と混合するのが良い。この実施形態では、他の材料、例えば合成又はセラミック繊維、着色剤及び/又は粒子の源676を提供してかかる材料をダクト678中に導入することができるようにするのが良い。
【0106】
ダクト678は、ガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622との混合を可能にするようダクト630に連結されるのが良い。このように、結果として得られるパックの特性を所望の特性、例えば非限定的な例として、防音特性、熱増強特性又はUV遮断特性が得られるよう設計し又は設定することができる。
【0107】
さらに別の実施形態では、第1のコンベヤ636上に交差重ね機構体634a,634bによって堆積させた層相互間に他の材料を配置できるということが想定される。他の材料は、シート材料、例えば表面仕上げ材、蒸気バリヤ又はネット又は他の非シート材料を含み、かかる非シート材料としては、非限定的な例として、粉末、粒子又は接着剤が挙げられる。他の材料を任意所望の仕方で層相互間に配置することができる。このように、結果として得られたパックの特性を更に所望に応じて設計し又は設定することができる。
【0108】
図6に示されている実施形態は、バインダーアプリケータ646による乾燥バインダーの塗布を示しているが、理解されるべきこととして、他の実施形態では、乾燥バインダーをガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622に塗布することができる。この実施形態では、乾燥バインダーの源680をダクト682中に導入するのが良い。ダクト682は、ガスの流れ中に同伴されたガラス繊維622との乾燥バインダーの混合を可能にするようダクト630に連結されるのが良い。乾燥バインダーは、ガラス繊維を静電プロセスを含む任意所望の仕方で取り付けるよう構成されているのが良い。
【0109】
図6に示された実施形態は、交差重ね機構体634a,634bによる連続ウェブの使用を示しているが、理解されるべきこととして、他の実施形態では、ウェブを形成装置632a,632bから取り出して後での使用のために貯蔵することができる。
【0110】
上述したように、オプションとして、トリムされた材料をダクト630内のガスの流れ及びガラス繊維に戻して形成装置632a,632b内で再利用するのが良い。例示の実施形態では、オプションとしてのバインダーがパック中に含まれる場合、形成装置632a,632bの作動温度を乾燥バインダーの軟化温度よりも下に保ち、それにより、乾燥バインダーが硬化オーブン650の下流側での作動に先立って硬化するのを阻止する。この実施形態では、硬化オーブン650の最大作動温度は、約165°F(73.9℃)から約180°F(82.2℃)までの範囲にある。他の実施形態では、硬化オーブン650の最大作動温度は、約165°F(73.9℃)未満であっても良く、約180°F(82.2℃)を超えても良い。
【0111】
鉱物繊維ウェブ及びパック並びに鉱物繊維ウェブ及びパックを製造する方法の幾つかの例示の実施形態が本願において開示されている。本発明による鉱物繊維ウェブ及びパック並びに鉱物繊維ウェブ及びパックの製造方法は、本願に開示された特徴の任意のコンビネーション又はサブコンビネーションを含むことができる。
【0112】
特許法の規定に従って、パックを繊維材料から形成する改良方法の原理及びモードをその好ましい実施形態に関して説明すると共に図示した。しかしながら、理解されなければならないこととして、パックを繊維材料から形成する改良方法は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、具体的に説明すると共に図示した形態以外の形態で実施できる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7