(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突部は、前記第一の導電性部材の前記頭部に形成され、前記孔部は、前記第二の導電性部材に貫通して形成され、前記第一の導電性部材の前記突部の上面と前記第二の導電性部材の上面とが面一である
請求項6又は請求項7に記載の蓄電素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る蓄電素子は、
互いに絶縁された正極板と負極板とを含む電極体と、
隔壁によって構成されるケースであって、電極体を収容するケースと、
隔壁を貫通する第一の導電性部材であって、ケース内にて電極体と電気的に接続される第一の導電性部材と、
ケース外に配置される第二の導電性部材であって、第一の導電性部材と電気的に接続される第二の導電性部材とを備え、
第一の導電性部材は、隔壁に挿通される挿通部と、該挿通部よりも膨出した頭部とを備え、
第二の導電性部材は、第一の導電性部材とは異なる材質の金属材料を用いて形成され、摩擦撹拌接合により第一の導電性部材の頭部に固定される。
【0027】
かかる構成によれば、第二の導電性部材と第一の導電性部材との接触面積が大きくなるように、第二の導電性部材は、第一の導電性部材の挿通部よりも膨出した頭部に固定される。第一の導電性部材と第二の導電性部材とは、異種金属同士の接合により接続される。第一の導電性部材と第二の導電性部材との接触抵抗が小さいため、第二の導電性部材は、第一の導電性部材に摩擦撹拌接合により良好に接合される。
【0028】
ここで、本発明に係る蓄電素子の一態様として、
第一の導電性部材の頭部及び第二の導電性部材は、それぞれ平坦面を有し、該平坦面同士が摩擦撹拌接合されるようにすることができる。
【0029】
かかる構成によれば、第一の導電性部材の頭部の平坦面と第二の導電性部材の平坦面とを接合される。該平坦面同士の接触抵抗が低く抑えられる。
【0030】
また、本発明に係る蓄電素子の他態様として、
第二の導電性部材は、第一の導電性部材の頭部の少なくとも一部を収容する凹部を有するようにすることができる。
【0031】
かかる構成によれば、第二の導電性部材の凹部は、第二の導電性部材と第一の導電性部材とが摩擦撹拌接合される際に、第一の導電性部材の頭部に対する第二の導電性部材の位置決めに利用される。
【0032】
この場合、
凹部は、非円形状の開口を形成するようにすることができる。
【0033】
かかる構成によれば、第一の導電性部材の頭部が凹部に収容されることにより、第二の導電性部材は、第一の導電性部材の頭部に対して回り止めされた状態で摩擦撹拌接合される。
【0034】
さらにこの場合、
第一の導電性部材の頭部の少なくとも一部と第二の導電性部材の凹部との突き合わせ面同士が摩擦撹拌接合されるようにすることができる。
【0035】
かかる構成によれば、突き合わせ面同士が突き合わせ面に沿って摩擦撹拌接合されるため、第一の導電性部材の頭部と第二の導電性部材とが接合される。そして、摩擦撹拌接合に必要となるエネルギーは、低く抑えられる。尚、突き合わせ面とは、第一の導電性部材の頭部を第二の導電性部材の凹部内への進入方向(挿入又は嵌入する方向)と交差する方向で互いに対向する頭部の外面及び凹部の内面をいう。
【0036】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
第一の導電性部材の頭部又は第二の導電性部材のいずれか一方は、突部を有し、第一の導電性部材の頭部又は第二の導電性部材のいずれか他方は、前記突部が挿入又は嵌入される孔部を有し、突部と孔部との突き合わせ面同士が摩擦撹拌接合されるようにすることができる。
【0037】
かかる構成によれば、突き合わせ面同士が突き合わせ面に沿って摩擦撹拌接合されるため、第一の導電性部材の頭部と第二の導電性部材とが接続される。そして、摩擦撹拌接合に必要となるエネルギーは、低く抑えられる。尚、突き合わせ面とは、第一の導電性部材の突部を第二の導電性部材の孔部内への進入方向(挿入又は嵌入する方向)と交差する方向で互いに対向する突部の外面及び孔部の内面をいう。
【0038】
この場合、
突部は、非円形状に突出しており、孔部は、非円形状の開口を形成するようにすることができる。
【0039】
かかる構成によれば、突部が孔部内に挿入又は嵌入されることにより、第一の導電性部材の頭部と第二の導電性部材とは、回り止めされた状態で摩擦撹拌接合される。
【0040】
また、本発明に係る蓄電素子のさらに別の態様として、
凹部は、第二の導電性部材に貫通して形成され、第一の導電性部材の頭部の上面と第二の導電性部材の上面とが面一であるようにすることができる。
【0041】
かかる構成によれば、第二の導電性部材の上面に突出するものがなくなる。従って、ケース外の省スペース化が図れる。
【0042】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
突部は、第一の導電性部材の頭部に形成され、孔部は、第二の導電性部材に貫通して形成され、第一の導電性部材の突部の上面と第二の導電性部材の上面とが面一であるようにすることができる。
【0043】
かかる構成によれば、第二の導電性部材の上面に突出するものがなくなる。従って、ケース外の省スペース化が図れる。
【0044】
本発明に係る蓄電素子は、
互いに絶縁された正極板と負極板とを含む電極体と、
隔壁によって構成されるケースであって、電極体を収容するケースと、
隔壁を貫通する第一の導電性部材であって、ケース内にて電極体と電気的に接続される第一の導電性部材と、
ケース外に配置される第二の導電性部材であって、第一の導電性部材と電気的に接続される第二の導電性部材とを備え、
第一の導電性部材は、隔壁に挿通される挿通部と、該挿通部よりも膨出した頭部とを備え、
第一の導電性部材は、第一の金属材料を用いて形成され、
第二の導電性部材は、第一の導電性部材とは異なる第二の金属材料を用いて形成され、
第二の導電性部材は、第一の金属材料と第二の金属材料とが混合したナゲット部を介して第一の導電性部材の頭部に固定される。
【0045】
かかる構成によれば、第二の導電性部材と第一の導電性部材との接触面積が大きくなるように、第二の導電性部材は、第一の導電性部材の挿通部よりも膨出した頭部に固定される。第一の導電性部材と第二の導電性部材とは、異種金属同士の接合により接続される。第一の導電性部材と第二の導電性部材との接触抵抗が小さいため、第二の導電性部材は、異なる金属が混合したナゲット部を介して、第一の導電性部材に良好に接合される。
【0046】
本発明に係る蓄電素子アセンブリは、
上記蓄電素子を少なくとも一つ含む二つ以上の蓄電素子と、該蓄電素子を連結する連結部材と、を備える。
【0047】
本発明に係る蓄電素子の製造方法は、
第一の導電性部材の頭部に第二の導電性部材を摩擦撹拌接合により固定し、
第二の導電性部材が固定された第一の導電性部材をケースの隔壁に挿通して固定する。
【0048】
第一の導電性部材の頭部と第二の導電性部材との摩擦撹拌接合による固定と、第一の導電性部材のケースの隔壁への固定とを逆に行うと、摩擦撹拌接合の工作力が第一の導電性部材とケースの隔壁との固定状態に影響を与えるおそれがある。この場合、ケースの気密性が低下する。しかしながら、本発明によれば、そのような問題は生じない。しかも、本発明によれば、電極体が摩擦撹拌接合の摩擦熱の影響を受けることもなくなる。
【0049】
このようにすれば、第一の導電性部材及び第二の導電性部材が異種金属であっても、第一の導電性部材及び第二の導電性部材が良好に接合される。
【0050】
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態である電池について、図面を参酌しつつ説明する。尚、従来技術では、外部端子の軸部に外部機器のリード線の圧着端子が締め付けられる例を示す。従来技術では、外部機器と電池とが電気的に接続される。このような接続方式は、一般的にねじ締結式と呼ばれる。しかしながら、本実施形態では、
図1に示すように、複数の電池2が並列に並べられて組み付けられる組電池1において、一つの電池2の端子構造9における導電性部材12と他の電池2の端子構造9における導電性部材12とが連結部材15で連結される例を説明する。この場合、電池2同士が接続される。尚、こちらの接続方式は、溶接式と呼ばれる。より具体的には、複数の電池2は、電気的に直列に接続される。複数の電池2のうちの隣り合う電池2,2の端子構造9,9における導電性部材12,12(の導体接続部14a,14a)のそれぞれが連結部材15を溶接するなどして接合される。従って、複数の電池2同士が連結される。連結部材15は、導電性金属材料を板状に形成したバスバーであることが好ましい。バスバーの一端部は、一方の電池2の端子構造9における正極の導電性部材12(の導体接続部14a)に溶接される。バスバーの他端部は、他方の電池2の端子構造9における負極の導電性部材12(の導体接続部14a)に溶接される。
【0051】
本実施形態に係る電池2は、非水電解質二次電池、より詳しくは、リチウムイオン二次電池である。本実施形態に係る電池2は、
図1〜
図6に示す如く、ケース3を備える。該ケース3は、ケース本体3aと、該ケース本体3aの開口部を塞ぐ蓋板3bとを備える。また、ケース本体3a内は、蓋板3bによって密閉される。蓋板3bには、端子構造9が設けられる。端子構造9は、ケース3内に収納された電極体4と電気的に接続される。
【0052】
ケース3のケース本体3a及び蓋板3bは、アルミニウム又はアルミニウム合金のアルミニウム系金属材料で形成される。ケース本体3aは、長円筒形状にされた巻回型の電極体4を収納する。そのために、ケース本体3aの形状は、幅方向に偏平な有底角筒体である。蓋板3bは、ケース本体3aの開口部に対応した長方形状の板材である。蓋板3bは、ケース本体3aの開口部に嵌め込まれる。蓋板3bは、開口部にレーザ溶接等により固定される。つまり、蓋板3bは、ケース本体3aの開口部を塞ぐ。ケース3内は、蓋板3bによって密閉される。
【0053】
電極体4は、帯状の正極シート5と、帯状の負極シート6と、正極シート5及び負極シート6の間に挟まれた帯状のセパレータ7とを備える。帯状のセパレータ7が帯状の正極シート5と帯状の負極シート6との間に挟まれた状態で、帯状の正極シート5及び帯状の負極シート6が左右方向の互いに異なる方向にずらされる。そして、左右方向の回転軸を中心に上下に長円となる長円筒形状に巻回されたものが電極体4である。電極体4の全体は、絶縁性シートで形成した絶縁カバー(図示しない)によって覆われる。電極体4とケース3とが絶縁された状態で、電極体4は、ケース3内に収納される。正極シート5は、アルミニウム箔と、該アルミニウム箔の表面に担持された正極活物質とを備える。負極シート6は、銅箔と、該銅箔の表面に担持された負極活物質とを備える。正極シート5及び負極シート6は、それぞれ左右のずれ方向の端縁部に、活物質の未塗工部を有する。これにより、電極体4の左右の端部では、アルミニウム箔、銅箔等が露出する。露出したこれらの電極の金属箔は、巻回された巻き束状のまま、電極体4の左右の端部からはみ出している(突き出ている)。
【0054】
また、電極体4の左右の端部からはみ出した金属箔には、それぞれ集電体8が電気的に接続される。集電体8は、上下に長尺な導電性金属部材である。より詳しくは、正極の集電体8は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成される。負極の集電体8は、銅又は銅合金を用いて形成される。集電体8の上部は、水平に折り曲げられて接続部8aとされる。該接続部8aより下方の部分は、前後に二股に分けられて下方に突出する。そして、この二股に分けられた部分と電極体4の端部とは、図示しない挟持板に挟まれる。そして、この二股に分けられた部分と電極体4の端部とは、超音波溶接等により接続されて、互いに固定される。
【0055】
端子構造9は、正極の端子構造9と負極の端子構造9とを備える。各端子構造9は、
図3及び
図4に詳細に示されるように、ケース3の内外に配置された樹脂プレート10及び外部ガスケット(ガスケット)11と、ケース3内にて集電体8の接続部8aと電気的に接続されるリベット部材13と、蓋板3bの外面に配置される外部端子14であって、リベット部材13と電気的に接続される外部端子14とを備える。これにより、ケース3内の電極体4と外部端子14とが電気的に接続される。尚、リベット部材13と外部端子14とは、摩擦撹拌接合により一体に形成される。そして、リベット部材13と外部端子14とは、導電性部材12を構成する。導電性部材12は、蓋板3bの貫通孔3cを貫通してケース3の内外に配置される。リベット部材13は、第一の導電性部材に相当する。外部端子14は、第二の導電性部材に相当する。
【0056】
樹脂プレート10及び外部ガスケット11は、蓋板3bの左右の端部に形成されたそれぞれの貫通孔3cをケース3の内外で挟むようにして配置される。樹脂プレート10は、少なくとも絶縁性を備えた合成樹脂部材である。より詳しくは、樹脂プレート10には、例えば、熱可塑性樹脂材料が用いられる。熱可塑性樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂にポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)の少なくとも一方からなるポリオレフィン系エラストマを均一に混合したものである。樹脂プレート10は、長方形状である。樹脂プレート10の下面には、集電体8の接続部8aを受け入れ可能な凹部10aが形成される。樹脂プレート10は、貫通孔10bを有する。樹脂プレート10の貫通孔10bは、凹部10aが集電体8の接続部8aを受け入れた状態で、接続部8aに形成された貫通孔8bと一致する。
【0057】
外部ガスケット11は、合成樹脂部材である。合成樹脂部材は、絶縁性及び封止性を備える。より詳しくは、外部ガスケット11には、例えば、熱可塑性樹脂材料が用いられる。外部ガスケット11は、外部端子14より一回り大きい矩形状である。外部ガスケット11の外周には、周回状の外壁部11aが設けられる。外壁部11aは、外周部を除いて外部ガスケット11の上面を窪ませることにより形成される。外部ガスケット11の外壁部11a内には、リベット部材13の頭部13cと外部端子14とを受け入れ可能な凹部11bが設けられる。外部ガスケット11は、貫通孔11cを有する。該貫通孔11cは、凹部11bがリベット部材13の頭部13cと外部端子14とを受け入れた状態で、リベット部材13の後述するかしめ部13bを挿通可能な形状を有する。外部ガスケット11の下面には、環状凸部11dが形成される。該環状凸部11dは、蓋板3bの貫通孔3cに挿通される。そして、蓋板3bの貫通孔3cに挿通された環状凸部11dは、更に、樹脂プレート10の貫通孔10bに挿入される。
【0058】
尚、樹脂プレート10は、蓋板3bの下面(内面)に配置される。その結果、樹脂プレート10は、ケース3内に配置される。外部ガスケット11は、蓋板3bの上面(外面)に配置される。その結果、外部ガスケット11は、ケース3の外面に配置される。蓋板3bの上面のうち、外部ガスケット11が配置される領域には、外部ガスケット11の下部(ブリッジ部)を受け入れ可能な非円形状の凹部3dが形成される。そこで、外部ガスケット11の下部(蓋板3bとの接合面)が凹部3dに挿入されることにより、外部ガスケット11は、その軸回りにおける回転が規制された状態となる。尚、本実施形態において、凹部3dは、矩形状である外部ガスケット11の下部形状に対応して矩形状に形成される。また、凹部3dは、例えばコイニング加工により形成される。
【0059】
リベット部材13は、樹脂プレート10及び外部ガスケット11を介して貫通孔3cに挿通される。リベット部材13は、導電性金属部材である。より詳しくは、正極のリベット部材13は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成される。負極のリベット部材13は、銅又は銅合金を用いて形成される。リベット部材13は、蓋板(隔壁)3bに挿通される挿通部13aと、該挿通部13aよりも膨出した頭部13cとを備える。
【0060】
挿通部13aは、蓋板3bに挿通される側に、かしめ部13bを備える。かしめ部13bは、頭部13cの下面から下方に突出する。尚、本実施形態において、かしめ部13bの形状は中空(筒状)である。より詳しくは、かしめ部13bの形状は円筒状である。但し、かしめ部13bの形状は、これに限定されるものではない。かしめ部13bの形状は、中実(柱状)であってもよいし、さらに詳しくは、円柱状であってもよい。
【0061】
頭部13cは、少なくとも外部端子14と対向する部分に平坦面13dを有する。頭部13cは、略円柱形状に形成される。平坦面13dは、頭部13cの中心と同心である。具体的には、平坦面13dは、頭部13cの中心と同心の円形に形成される。平坦面13dは、頭部13cの上面の全領域に及ぶ。頭部13cの中心軸方向の長さは、かしめ部13bのかしめ処理に耐え得るような厚さを有する。
【0062】
外部端子14は、外部機器と電気的に接続するためのものである。外部端子14は、本実施形態において、リベット部材13の頭部13cの上面よりも広い長方形状の板状に形成される。外部端子14は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成される。本実施形態では、外部端子14は、負極側のリベット部材13とは異なる材質の金属材料を用いて形成される。外部端子14の上面には、外部機器を溶接などで接続するための導体接続部14aが設けられる。
【0063】
外部端子14は、摩擦撹拌接合によりリベット部材13の頭部13cに固定される。具体的には、外部端子14は、少なくともリベット部材13の頭部13cと対向する部分に平坦面14bを有する。本実施形態では、平坦面14bは、外部端子14の下面の全領域に及ぶ。この外部端子14の平坦面14bとリベット部材13の頭部13cの平坦面13dとが摩擦撹拌接合される。
【0064】
具体的には、
図6に示すように、外部端子14がその平坦面14bをリベット部材13の平坦面13dに当接させた状態で、リベット部材13の頭部13cに固定される。そして、先端の中心にプローブ17と呼ばれる突起を有するツール16が軸中心に回転しながら平坦面13dに突き当てられる。ツール16とは、先端の中心にプローブ17と呼ばれる突起を有するものである。更に、ツール16が平坦面13dに摩擦熱を与えながら軸芯方向に進入する。平坦面13dが可塑化、粘性化され、リベット部材13と外部端子14とが接合される。本実施形態では、このツール16が外部端子14の導体接続部14a側からリベット部材13の平坦面13dを超えるまで進入する。そして、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合により接合される。
【0065】
本実施形態では、リベット部材13と外部端子14とが接合される際に、摩擦撹拌接合が用いられる。このため、
図5に示すように、リベット部材13と外部端子14との接合部Aには、ナゲット部A1が形成される。該ナゲット部A1には、リベット部材13に用いられる第一の金属材料と、外部端子14に用いられる第二の金属材料とが混合されている。言い換えると、リベット部材13と外部端子14とは、第一の金属材料と第二の金属材料とが混合されたナゲット部A1を介して接合される。
【0066】
ナゲット部A1は、高い熱と変形量によって回復と再結晶が生じる部分であって、動的再結晶部ともいわれる。ナゲット部A1は、熱によって溶融が起こる一般的な溶接とは異なる。ナゲット部A1は、摩擦熱と撹拌によって固形溶融した素材を動的に再結晶させて形成される。
【0067】
尚、ツール16がリベット部材13の頭部13cの全領域に亘って移動して、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合されてもよい。このようにすることにより、頭部13cの平坦面13dの全領域に略円形の接合部Aが形成される。また、ツール16がリベット部材13の頭部13cの平坦面13dの端縁部に沿って環状に移動して、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合されてもよい。このようにすることにより、頭部13cの平坦面13dの端縁部に沿って環状の接合部Aが形成される。ツール16がリベット部材13の頭部13cの平坦面13dの端縁部に沿って環状に移動して、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合されてもよい。このようにすることにより、頭部13cの平坦面13dの端縁部に沿って環状の接合部Aが形成される。ツール16がリベット部材13の頭部13cの平坦面13dの端縁部上の一点又はその一部に移動して、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合されてもよい。このようにすることにより、頭部13cの平坦面13dの端縁部上の1又は複数個所に独立して接合部Aが形成される。そして、ツール16が導電性部材12から引き抜かれた位置には、溶接溝12aが形成される。
【0068】
また、リベット部材13と外部端子14とは、リベット部材13の頭部13cに外部端子14を摩擦撹拌接合により固定される。その後、ケース3に組み付けられる。つまり、リベット部材13と外部端子14とが一体化された導電性部材12におけるリベット部材13のかしめ部13bが外部ガスケット11の貫通孔11c、蓋板3bの貫通孔3c及び集電体8の接続部8aの貫通孔8bに挿通される。そして、かしめ部13bが下方からかしめられる。このようにして、導電性部材12と集電体8とが電気的に接続される。
【0069】
ここで、蓋板3bの貫通孔3c、集電体8の接続部8aの貫通孔8b、樹脂プレート10の貫通孔10b、外部ガスケット11の貫通孔11c及び環状凸部11d、リベット部材13のかしめ部13bの寸法関係を説明しておく。
図4に詳細に示されるように、蓋板3bの貫通孔3cの内径と、樹脂プレート10の貫通孔10bの内径とは、同一乃至略同一である。また、蓋板3bの貫通孔3cの内径、樹脂プレート10の貫通孔10bの内径等と、外部ガスケット11の環状凸部11dの外径とは、同一乃至略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの長さと、蓋板3b及び樹脂プレート10の厚みの合計とは、同一乃至略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの内径と、集電体8の接続部8aの貫通孔8bとは、同一乃至略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの内径、集電体8の接続部8aの貫通孔8b等と、リベット部材13のかしめ部13bの外径とは、同一乃至略同一である。また、リベット部材13のかしめ部13bの長さと、蓋板3b、集電体8の接続部8a、樹脂プレート10及び外部ガスケット11の厚みの合計とは、同一乃至略同一である。
【0070】
従って、リベット部材13の頭部13cがケース3の外側から内側に向かって外部ガスケット11の凹部11bに挿入される。かしめ部13bが該凹部11bの底面の貫通孔11cを通って、集電体8の接続部8aの貫通孔8bに挿通される。該接続部8aの貫通孔8bから下方に突出するかしめ部13bの先端部分が下方からかしめられる。これにより、リベット部材13は、集電体8の接続部8aと電気的に接続される。更に、リベット部材13は、蓋板3bから絶縁された状態で、蓋板3bに取り付けられる。
【0071】
このように、本実施形態に係る外部端子14とリベット部材13との接触面積が大きくなるように、外部端子14は、リベット部材13の挿通部13aよりも膨出した頭部13cに固定される。負極側のリベット部材13と外部端子14とは、異種金属同士の接合により接続される。負極側のリベット部材13と外部端子14との接触抵抗が小さいため、外部端子14は、リベット部材13に摩擦撹拌接合により良好に接合される。
【0072】
また、リベット部材13と外部端子14とが摩擦撹拌接合されて、導電性部材12が形成される。その後に、導電性部材12と電極体4とが接続される。そのため、リベット部材13の挿通部13aに外部端子14を摩擦撹拌接合した際の摩擦熱が電極体4に影響しない。更に、リベット部材13の頭部13cの平坦面13dと外部端子14の平坦面14bとを接合する。このため、リベット部材13の平坦面13dと外部端子14の平坦面14bと間に隙間が形成されにくい。そして、リベット部材13の平坦面13dと外部端子14の平坦面14bとの接触抵抗が低く抑えられる。
【0073】
また、本実施形態に係る導電性部材12によれば、リベット部材13と外部端子14とが一体化された状態で、リベット部材13のかしめ部13bにかしめ処理が施される。そのため、かしめ部13bにかしめ処理が施された後、導電性部材12に大きな外力が加わることはない。これにより、導電性部材12が貫通された箇所における蓋板3bの気密性が損なわれることが防止される。
【0074】
尚、本発明に係る蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0075】
例えば、上記実施形態において、リベット部材13の頭部13cが略円柱状であり、外部端子14が板状である例を説明した。しかしながら、リベット部材の頭部と外部端子との形状の組み合わせは、この例に限定されない。すなわち、リベット部材(第一の導電性部材)の頭部又は外部端子(第二の導電性部材)のいずれか一方は、突部を有していてもよい。また、リベット部材(第一の導電性部材)の頭部又は外部端子(第二の導電性部材)のいずれか他方は、該突部が進入される(挿入又は嵌入される)孔部を有していてもよい。
【0076】
つまり、
図7に示すように、リベット部材19の頭部19cは、略円柱状の突部19eを有する。突部19eは、略円柱状の頭部19cの中心と同心である。突部19eの中心軸方向の長さは、外部端子20の厚さと略同一である。そのため、リベット部材19の頭部19cから突出する突部19eの上端面19fと外部端子20の導体接続部20a(の表面)とが面一となる。
【0077】
外部端子20は、リベット部材19の頭部19cの少なくとも一部を収容する凹部20cを有する。具体的には、凹部20cには、リベット部材19の頭部19cの突部19eが挿入される。凹部20cは、突部19eが凹部20cの内周面と隙間なく密接されるように、突部19eの外径と略同一の径を有する略円状の孔部である。つまり、凹部20cは、リベット部材19と面する下面から反対側の上面まで貫通する略円状の貫通孔である。
【0078】
リベット部材19の頭部19cの少なくとも一部と外部端子20の凹部20cとの突き合わせ面同士が摩擦撹拌接合されることによって、導電性部材18が形成される。具体的には、リベット部材19の頭部19cの突部19eが外部端子20の凹部(孔部)20cに挿入される。そして、突部19eと凹部20cとの突き合わせ面19g,20d同士が摩擦撹拌接合される。尚、リベット部材19の頭部19c側の突き合わせ面19gは、頭部19cの側周面である。外部端子20の凹部20c側の突き合わせ面20dは、凹部20cの内側の内周面である。つまり、ツール16がリベット部材19の頭部19cと外部端子20の凹部20cとの突き合わせ面19g,20dの深さ方向(上下方向)に進入する。この突き合わせ面19g,20dの周方向に沿って環状にツール16が移動し、リベット部材19の頭部19cの突部19eと外部端子20とが摩擦撹拌接合される。そのため、リベット部材19と外部端子20とが接合された導電性部材18には、環状の接合部Aが形成される。ツール16が導電性部材18から引き抜かれた位置には、溶接溝18aが形成される。
【0079】
このように、外部端子20の凹部20cは、摩擦撹拌接合する際に、リベット部材19の頭部19cに対する外部端子20の位置決めに利用される。また、ツール16が外部端子20とリベット部材19の頭部19cとの接合面まで進入することなく、突き合わせ面19g,20dに沿って摩擦撹拌接合すれば、リベット部材19と外部端子20とが接合する。そのため、摩擦撹拌接合に必要となるエネルギーが低く抑えられる。リベット部材19の頭部19cにまでツール16のプローブ17が進入しなくても、摩擦撹拌接合が可能となる。そのため、頭部19cの軸中心方向の高さが低く抑えられる。また、突き合わせ面19g,20dは、光学的に検出され、ツール16が進入する際のツール16のプローブ17の位置決めの基準として利用される。また、リベット部材19の頭部19cの突部19eが外部端子20の上面に突出しない。そのため、ケース3外の省スペース化も図れる。
【0080】
また、
図8に示すように、外部端子22は、上記実施形態のリベット部材13の頭部13cを収容する凹部22cを有する。具体的には、凹部22cは、リベット部材13の頭部13cが挿入される。該頭部13cは、凹部22cの突き合わせ面22dと隙間なく密接されるように、頭部13cの外径と略同一の径を有する略円状の孔部である。つまり、凹部22cは、下面から反対側の上面まで貫通する略円状の貫通孔である。そして、外部端子22の厚さは、リベット部材13の頭部13cの軸中心方向の長さと略同一である。そのため、リベット部材13の頭部13cの平坦面13dと外部端子20の導体接続部22a(の表面)とが面一となる。
【0081】
そして、リベット部材13の頭部13cが外部端子22の凹部(孔部)22cに挿入される。頭部13cと凹部22cとの突き合わせ面13g,22d同士が摩擦撹拌接合される。このようにして、リベット部材13と外部端子22とを備える導電性部材21が形成される。尚、リベット部材13の頭部13c側の突き合わせ面13gは、頭部13cの側周面である。外部端子22の凹部22c側の突き合わせ面22dは、凹部22cの内側の内周面である。そして、ツール16がリベット部材13の頭部13cと外部端子22の凹部22cとの突き合わせ面13g,22dに進入する。この突き合わせ面13g,22dの周方向に沿って環状にツール16が移動する。このようにして、この突き合わせ面13g,22d同士が摩擦撹拌接合されるため、導電性部材21には、環状の接合部Aが形成される。ツール16が導電性部材21から引き抜かれた位置には、溶接溝21aが形成される。
【0082】
このように、外部端子22の凹部22cは、摩擦撹拌接合する際に、リベット部材13の頭部13cの軸中心方向に対する外部端子22の位置決めに利用される。また、突き合わせ面13g,22dに沿って摩擦撹拌接合すれば、リベット部材13と外部端子22とが接合される。更に、摩擦撹拌接合に必要となるエネルギーが低く抑えられる。また、異なる金属が混合したナゲット部A1を介して、リベット部材13と外部端子22とが互いに接合される。そのため、異種金属同士の接触面積が増える。そして、リベット部材13と外部端子22との接触抵抗が低く抑えられる。
【0083】
尚、
図7に示したリベット部材19と外部端子20とがそのまま利用されて、
図9に示すように、リベット部材19の頭部19cと外部端子20の凹部20cとの突き合わせ面19g,20d同士に加え、リベット部材19と外部端子20とが互いに対向する平坦面19d,20b同士も摩擦撹拌接合された導電性部材23が形成されてもよい。尚、ツール16が導電性部材23から引き抜かれた位置には、溶接溝23aが形成される。このように、導電性部材23の接合部Aは、
図7に示した導電性部材18の接合部Aと比較して大きくなる。導電性部材23の接合部Aの接合強度が高くなる。また、導電性部材23の接合部Aの電気抵抗値が下がる。尚、リベット部材19の平坦面19dは、頭部19cの上面にある。該平坦面19dは、頭部19cの中心に設けられる突部19eを除く環状の面である。外部端子20の平坦面20bは、少なくともリベット部材19の平坦面19dに面する部分である。本実施形態では、リベット部材19と対向する全領域に亘って設けられる。
【0084】
また、
図10に示すように、外部端子25は、上記実施形態のリベット部材13の頭部13cの一部を収容する凹部25cを有する。具体的には、凹部25cは、下面から反対側の上面に向かって凹ませた略円状の孔部である。凹部25cには、リベット部材13の頭部13cの上部が挿入される。凹部25cは、略円状の孔部である。凹部25cの孔部は、頭部13cの外径と略同一の径を有する。そして、頭部13cの上部と凹部25cの内周面とが隙間なく密接される。外部端子25の凹部25cがリベット部材13の頭部13cに嵌入される。リベット部材13の頭部13cの平坦面13dと外部端子25の凹部25cの底に形成される平坦面25eとが摩擦撹拌接合される。このようにして、導電性部材24が形成される。そして、ツール16が導電性部材24から引き抜かれた位置には、溶接溝24aが形成される。
【0085】
このように、外部端子25の凹部25cは、摩擦撹拌接合する際に、リベット部材13の頭部13cに対する外部端子25の位置決めに利用される。また、リベット部材13が外部端子25の上面(導体接続部25a側)に突出しない。そのため、ケース3外の省スペース化も図れる。
【0086】
尚、
図11に示すように、リベット部材27の頭部27cの軸中心方向の長さ(厚さ)が凹部25cの深さと同一にされて、リベット部材27の頭部27cが外部端子25の凹部25cに収容されるようにしてもよい。更に、外部端子25は、リベット部材27の頭部27cを凹部25cに嵌入するようにしてもよい。
【0087】
このようにすれば、ツール16がリベット部材27の頭部27cと外部端子25の凹部25cとの突き合わせ面27g,25dにリベット部材27側から外部端子25に向かって進入する。リベット部材27の頭部27cと外部端子25とが摩擦撹拌接合される。このようにして、導電性部材26が下面側(蓋板3b側)に形成される。ツール16が導電性部材26から引き抜かれた位置には、溶接溝26aが形成される。つまり、接合部A及び溶接溝26aが外部端子25の導体接続部25aに形成されない。そのため、導体接続部25aの平坦度が摩擦撹拌接合によって損なわれない。
【0088】
また、外部端子20の凹部20cは、リベット部材19に貫通して形成され、リベット部材19の頭部19cの上面とリベット部材19の上面とが面一であってもよい。つまり、
図12に示すように、外部端子30は、上面に平坦面30bを有する導体接続部30aと、リベット部材29の頭部29cを嵌入可能な凹部30cと、リベット部材29の挿通部29aを挿通可能な孔部30eとを有する。リベット部材29の挿通部29aが外部端子30の孔部30eに挿通される。そして、リベット部材29が外部端子30を貫通する。更に、リベット部材29の頭部29cが外部端子30の凹部30cに嵌入される。リベット部材29の頭部29cの上面と外部端子30の導体接続部30aの上面(平坦面30b)とが面一となる。リベット部材29の頭部29cと外部端子30の凹部30cとの突き合わせ面29g,30d同士が摩擦撹拌接合される。このようにして、導電性部材28が形成されてもよい。ツール16が導電性部材28から引き抜かれた位置には、溶接溝28aが形成される。
【0089】
また、
図13に示すように、リベット部材29の頭部29cと外部端子30の凹部30cとの突き合わせ面29g,30d同士と、リベット部材29の頭部29cの下面と外部端子30の凹部30cの底面同士が摩擦撹拌接合されて、導電性部材31が形成されてもよい。ツール16が導電性部材31から引き抜かれた位置には、溶接溝31aが形成される。
【0090】
また、
図14に示すように、リベット部材33の頭部33cの平坦面33dが頭部33cの挿通部33a側の下面(図面では上側の面)に設けられていてもよい。このリベット部材33に対応して、外部端子34には、リベット部材33の挿通部33aを挿通可能な貫通孔34hを有する凹部34cが設けられていてもよい。この凹部34cは、貫通孔34hにリベット部材33の挿通部33aが挿通された状態で、頭部33cの一部が収容可能にある。凹部34cの底部には、平坦面34iが設けられる。該平坦面34iは、リベット部材33の頭部33cの平坦面33dと当接される。そして、これらの平坦面33d,34i同士が摩擦撹拌接合される。このようにして、導電性部材32が形成されてもよい。尚、ツール16が導電性部材32から引き抜かれた位置には、溶接溝32aが形成される。
【0091】
また、これらの外部端子の凹部の形状は、円形であることに限定されない。外部端子の凹部の形状は、非円形の開口を形成していてもよい。尚、凹部の凹みが中心軸方向から見て円形状であっても、中心軸からずれた位置に形成されておれば、中心軸に対して非円形状となる。そのため、リベット部材の頭部が工具、治具等の何らかの手段により支持された状態で挿通部のかしめ部にかしめ処理が施される際に、導電性部材がかしめ部へのかしめ作用力によって中心軸回りに回転しようとしても、その動きが工具、治具等の手段によって規制される。これにより、導電性部材がかしめられる際に蓋板に対して不用意に回転することが防止される。尚、
図7及び
図9に示した突部が非円形状に突出しており、孔部が非円形状の開口が形成される場合も同様の効果を奏する。
【0092】
また、上記実施形態において、リベット部材13の頭部13cの形状を円形として説明した。しかし、頭部は、挿通部よりも膨出しておればよい。具体的には、頭部は、挿通部の径よりも大きい、円形、楕円形、角形状等を有していてもよい。
【0093】
また、上記実施形態において、正極の集電体8及び正極の導電性部材12は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成される例を示した。また、負極の集電体8及び負極の導電性部材12は、銅又は銅合金を用いて形成される例を示した。しかしながら、電池の種類に応じた導電性金属材料であれば、これらの材料は任意である。また、上記実施形態において、外部端子14の材料についても例示した。しかしながら、強度、導電性等の特性が適合する導電性金属材料であれば、これらの材料も任意である。
【0094】
また、上記実施形態において、各蓄電素子2間を連結する接続方式が溶接式である例を説明した。しかしながら、接続方式がねじ締結式であってもよい。その場合、
図15及び
図16に示すように、本発明の第二の導電性部材は、リベット部材38の頭部39に設けられた突部40を挿通可能な第1の貫通孔36と、外部端子41の軸部が挿通される第2の貫通孔37と、を有する引抜部材35に相当する。
【0095】
また、電極体4は、上記実施形態の如く、長円筒形状の巻回型のものには限定されず、他の形状のものでもよい。例えば、電極体4は、複数の正極シート5と複数の負極シート6とがセパレータ7を介して交互に積層された積層型のものであってもよい。
【0096】
また、上記実施形態において、ケース3がアルミニウム合金、鋼等を用いて形成される例を示した。しかしながら、ケース3(ケース本体3a及び蓋板3b)の材質は任意である。従って、ケース3には、金属以外の材質が用いられてもよく、例えば、絶縁性材質が用いられてもよい。また、ケース3(ケース本体3a及び蓋板3b)の形状、構造等も上記実施形態に限定されず、任意である。
【0097】
また、上記実施形態において、端子構造9が蓋板3bに設けられる例を示した。しかしながら、端子構造9は、ケース本体3aに設けられてもよい。
【0098】
また、上記実施形態において、外部端子14と蓋板3bとを絶縁するために、外部ガスケット11及び樹脂プレート10のそれぞれに絶縁性を備えた部材を用いた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、ケース3の隔壁と電極体4とを導電性部材12を介して電気的に接続する場合、外部ガスケット11又は樹脂プレート10が電気伝導性を有してもよい。外部ガスケット11又は樹脂プレート10が電気伝導性を備える方法としては、合成樹脂の中にカーボン等の電気伝導性を有する物質を混合させる方法が挙げられる。また、外部ガスケット11、樹脂プレート10等を備えず、導電性部材12と蓋板3bが直接接触する構成としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態において、負極側に限らず正極側においても、リベット部材13の頭部13cと外部端子14とを摩擦攪拌接合により固定される構成を図示している。但し、正極側では、リベット部材13と外部端子14とは、いずれもアルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成しているため、摩擦攪拌接合の代わりにレーザ溶接により接合してもよい。また、リベット部材13と外部端子14とは、リベット部材13と外部端子14とを鍛造等により一体的に形成してもよい。
【0100】
また、上記実施形態において、リチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、電池の種類、大きさ(容量)等は任意である。
【0101】
また、本発明は、リチウムイオン二次電池に限定されるものではない。本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ等にも適用可能である。
【0102】
また、本発明は、複数のリチウムイオン二次電池を組み合わせた組電池1にのみ適用されるものではない。本発明は、複数の蓄電素子を組み合わせた蓄電素子アセンブリに適用されてもよい。蓄電素子アセンブリは、本発明の蓄電素子を少なくとも一つ含む二つ以上の蓄電素子と、該蓄電素子を連結する連結部材と、を備える。つまり、蓄電素子アセンブリは、本発明の蓄電素子と、本発明の蓄電素子以外の他の蓄電素子とを組み合わせたものであってもよい。
【0103】
また、上記実施形態において、第一の導電性部材をリベット部材13として説明した。しかしながら、第一の導電性部材は、蓋板3bに固定することができれば、どのような部材を用いてもよい。