特許第6249975号(P6249975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249975
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】複合基板構造
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   G06F3/041 460
   G06F3/041 660
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-40614(P2015-40614)
(22)【出願日】2015年3月2日
(65)【公開番号】特開2015-165402(P2015-165402A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2015年3月2日
【審判番号】不服2016-17218(P2016-17218/J1)
【審判請求日】2016年11月18日
(31)【優先権主張番号】201410072057.2
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410576664.2
(32)【優先日】2014年10月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】シュー イーチュン
(72)【発明者】
【氏名】シュー クオシュー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ユーチュアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン バンション
(72)【発明者】
【氏名】チェン ビンフイ
【合議体】
【審判長】 和田 志郎
【審判官】 稲葉 和生
【審判官】 山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−114478(JP,A)
【文献】 特開2001−283643(JP,A)
【文献】 特許第5270810(JP,B1)
【文献】 特許第5285438(JP,B2)
【文献】 特開2007−66306(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0128462(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0327567(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0164454(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/001525(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01, 3/14, 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板に設けられているダイヤモンドライクカーボン層と、
前記ダイヤモンドライクカーボン層を挟んで前記透明基板と反対側に配置されている疎水層と、
前記ダイヤモンドライクカーボン層と前記疎水層の間に配置され、炭化ケイ素系材料によって形成されている中間層と、
を含み、
前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、約2ナノメートルから約5ナノメートルまでであり、
前記ダイヤモンドライクカーボン層は、前記ダイヤモンドライクカーボン層が前記透明基板を取り囲んで覆うように、前記透明基板のすべての面に配置されている、
複合基板構造。
【請求項2】
前記ダイヤモンドライクカーボン層におけるsp3結合の含有率は、15%以上である、
請求項1に記載の複合基板構造。
【請求項3】
前記疎水層の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と対向する面と反対側の面は、110度よりも大きい接触角を有する、
請求項1に記載の複合基板構造。
【請求項4】
前記透明基板と前記ダイヤモンドライクカーボン層の間に配置された反射防止フィルムを更に含み、
前記反射防止フィルムは、複数の第一反射防止層と、複数の第二反射防止層と、を含み、
前記第二反射防止層は、それぞれ、前記第一反射防止層の夫々の屈折率よりも小さい屈折率を有し、
前記第一反射防止層の数は、前記第二反射防止層の数に一致し、
前記第一反射防止層と前記第二反射防止層は、交互に積層されている、
請求項1に記載の複合基板構造。
【請求項5】
前記第一反射防止層は、それぞれ、1.6よりも大きい屈折率を有し、
前記第二反射防止層は、それぞれ、1.55よりも小さい屈折率を有する、
請求項4に記載の複合基板構造。
【請求項6】
前記第一反射防止層のうちの一つは、前記透明基板に対して接するように配列され、
前記第二反射防止層のうちの一つは、前記ダイヤモンドライクカーボン層に対して接するように配列される、
請求項4に記載の複合基板構造。
【請求項7】
前記透明基板と前記反射防止フィルムの間に配置された接着層を更に含み、
前記第一反射防止層のうちの一つは、前記接着層に接するように配置され、
前記第二反射防止層のうちの一つは、前記ダイヤモンドライクカーボン層に接するように配置される、
請求項4に記載の複合基板構造。
【請求項8】
前記第一反射防止層は、それぞれ、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸窒化シリコン、又は、窒化シリコンにより形成され、
前記第二反射防止層は、それぞれ、酸化シリコン又はフッ化マグネシウムにより形成される、
請求項4に記載の複合基板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改良した基板構造に関し、特に、タッチパネルに適用される複合基板構造に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、先進的なユーザインターフェイス技術として、電子デバイスの分野において幅広く実用されている。例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、カメラ、電子書籍端末、MP3プレーヤー、その他の大抵の携帯電子製品においては、表示画面にタッチパネルが操作制御装置として利用されている。
【0003】
タッチパネルを有する製品を操作するとき、ユーザは、典型的に、自分の指で、又はスタイラスを用いて、タッチパネルの基板表面に接触する。そして、基板表面において、指やスタイラスによる押下やスライドが行われる。透明な基板もあれば、半透明若しくは不透明な基板もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の開示は、複合基板構造と、複合基板構造を有するタッチパネルと、を提供し、その表面にダイヤモンドライクカーボン層を有する複合構造を介して、透明基板の表面の耐摩耗性を改良するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示の1つの実施形態においては、複合基板構造は、透明基板と、前記透明基板に設けられているダイヤモンドライクカーボン層と、を含む。前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、約15ナノメートル以下である。
【0006】
この開示の他の実施形態においては、複合基板構造を有するタッチパネルは、第一の面と、前記第一の面に平行な第二の面と、を有する透明基板と、前記透明基板の前記第一の面に配置されたダイヤモンドライクカーボン層と、前記透明基板の前記第二の面の下に配置されたタッチ制御ユニットと、を含む。前記ダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、約15ナノメートル以下である。
【0007】
本開示についての理解を進めるために、本開示の開示を容易にすべく、図に沿って下記の実施の形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の1つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図2図2は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図3図3は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図4図4は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図5図5は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図6図6は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図7図7は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図8図8は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図9図9は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。
図10図10は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。
図11図11は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。
図12図12は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。
図13図13は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記の図面と、下記の詳細な説明とは、本開示のスコープを更に説明することを目的とした例示である。本開示に関連する他の目的やアドバンテージは、後続の説明及び添付の図面によって示される。
【0010】
なお、下記の詳細な説明における文言「上側」、「下側」、「上方」及び「下方」は図示と説明、及び構成要素の相対的な配置のためにのみ提供されるものであって、開示された精密な形状は本開示を総括若しくは限定するものではない。添付した図面について、複合基板構造の上側はユーザに相対的近く、複合基板構造の下側はユーザから相対的遠い。
【0011】
図1を参照して、本開示にかかる複合基板構造を説明する。図1は、本開示の1つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。図1に示すように、複合基板構造10は、第一の面101と、第一の面101の反対側の第二の面102とを有する透明基板100を含む。第一の面101と第二の面102とは、互いに実質的に平行に配置される。一部の実施の形態では、透明基板100は、絶縁性を有しつつ視覚的に透明な材料からなる。一部の実施の形態では、透明基板100は、エチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート又はガラスを含む材料から形成される。一部の実施の形態では、透明基板100は、剛性を有するプレート、又は、柔軟性を有するプレートである。一部の実施の形態では、透明基板100は、平らなボード、曲がったボード、又は、その他の形状のボードである。少なくとも一つの実施の形態では、透明基板100は、平らなボードである。複合基板構造10は、透明基板100に形成されたダイヤモンドライクカーボン層200を更に含む。ダイヤモンドライクカーボン層200は、第一の面101に配置されているが、本開示はそれに限定されない。実施の形態の一つでは、ダイヤモンドライクカーボン層200は、透明基板100の一つの面又は複数の面に配置されていればよい。
【0012】
複合基板構造10のダイヤモンドライクカーボン層200は、様々な目的のために構成される。ここで、以下の2つが考えられる。
【0013】
第一に、ダイヤモンドライクカーボン層200は、sp2結合黒鉛構造と、sp3結合ダイヤモンド立方晶構造とを有し得る。sp3結合ダイヤモンド立方晶構造は、より良い硬度と、より良い耐擦傷性と、より良い耐摩耗性とを有するが、内部応力が高く、透明基板100との結合力が弱い。従って、sp3結合ダイヤモンド立方晶構造をより多く含むダイヤモンドライクカーボン層200は、透明基板100との接着性が悪い。そのため、透明基板100上でダイヤモンドライクカーボン層200を形成するプロセスは、ダイヤモンドライクカーボン層200と透明基板100との接着性を改良する。例えば、透明基板100に形成されたダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは、その内部応力を減らすために減らされる。
【0014】
第二に、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度を考慮すると、sp2結合黒鉛構造が、sp3結合ダイヤモンド立方晶構造と比較して、ダイヤモンドライクカーボン層200の光学特性に大きな影響を与える。具体的には、ダイヤモンドライクカーボン層200に含まれる、sp2結合を有する黒鉛構造が多ければ多いほど、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度は悪くなる。ダイヤモンドライクカーボン層200に含まれる、sp2結合を有する黒鉛構造が少なければ少ないほど、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度は良くなる。
【0015】
それゆえ、接着性と視覚的な透明度とを最適化するため、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは約15ナノメートル以下とし、ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は約15%以上とすることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、具体例として、必要に応じて、約30%、又は、約50%とする。
【0016】
一部の実施の形態では、本開示にかかるダイヤモンドライクカーボン層200は、スパッタリングを用いて透明基板100の表面に形成される。ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、水素ガスの流速と解離エネルギーとを制御することにより調整する。スパッタリングにより形成されるダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、水素ガスの流速が12sccm(standard cubic centimeter per minute)を超えるように制御されるとともに、解離エネルギーが100〜700eV(電子ボルト)に制御されるとき、約15%以上となり得る。
【0017】
複合基板構造10の視覚的な透明度と接着性については上述の通りであるが、本開示においては、複合基板構造10の視覚的効果については考慮すべき事項が他にも幾つか有る。
【0018】
複合基板構造10の視覚的な効果は、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが少なくとも関連する。実験結果によれば、複合基板構造10のダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが大きいほど、複合基板構造10の視覚的な透明度が悪くなり、関連分野で黄変現象として知られる、黄色がはっきりと目立つようになる。ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みを約10ナノメートルよりも大きくすると、黄変現象が肉眼でも視認できるようになる。ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが約15ナノメートルを超えるようになると、複合基板構造10の視覚的効果が悪影響を受けるほど黄変現象が深刻になる。
【0019】
そのため、視覚的な透明度、接着性、及び、黄変現象の観点から、一部の実施の形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは、約10ナノメートル未満とすることが好ましい。他の好ましい実施の形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みを約2ナノメートル〜約5ナノメートルとしており、これによれば複合基板構造10の透明度は約89%を超え、複合基板構造10の視覚的な効果と接着特性の最適化を可能とする。上記の透明度は、以降においても同様に、透過光量を入射光量で除したものに100%を掛けたものとして記載される。なお、この入射光の波長は約550ナノメートルである。
【0020】
図2を参照されたい。図2は、本開示の1つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。図1の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200は、ダイヤモンドライクカーボン層200が透明基板100を取り囲んで覆うように、透明基板100のすべての面に配置されている。
【0021】
図3を参照されたい。図3は、本開示の1つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。図1又は図2の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、複合基板構造30は、ダイヤモンドライクカーボン層200を挟んで透明基板100と反対側に配置された疎水層300を更に含む。疎水層300の、ダイヤモンドライクカーボン層200とは反対側の面の接触角は、110度よりも大きい。従って、ダイヤモンドライクカーボン層200とは反対側では、疎水層300の表面全体が好ましい疎水特性を発揮できる。実験結果によれば、物体の表面の接触角が90度よりも大きいと、見たところ物体の表面において液滴は弾かれており、物体を容易には濡らすことなく、物体の表面を自在に移動していた。一部の実施の形態では、疎水層300の材料は、複合基板構造30の疎水性を改善するために、フッ素、窒素、酸素のうち少なくとも1つを含む化合物を含む。
【0022】
以下、複合基板構造20及び複合基板構造30に対して夫々耐擦傷性試験及び耐摩耗性試験を実施したことを報告する。
【0023】
実験条件:
ウルトラファインスチールウールに包まれた2cm四方の摩擦ヘッドを用いて70Nの力で試験を行った。
【0024】
実験結果:
疎水層300を有する複合基板構造30は、疎水層300を有しない複合基板構造20と比較して、より良い耐擦傷性と耐摩耗性を有していた。
【0025】
実験結果の説明:
疎水層300を有する複合基板構造30は、疎水層300を有しない複合基板構造20の表面摩擦係数よりも低い表面摩擦係数を有する。複合基板構造の耐擦傷性及び耐摩耗性は、表面摩擦係数に関連している。具体的には、複合基板構造の表面摩擦係数が大きいほど、耐擦傷性と耐摩耗性が悪くなる。複合基板構造10の表面摩擦係数が小さいほど、耐擦傷性と耐摩耗性が良くなる。
【0026】
従って、疎水層300は、複合基板構造30の疎水性を改善し、複合基板構造30の表面に油や水が付着するのを阻止する。加えて、疎水層300を有する複合基板構造30は、表面摩擦係数が低いので、複合基板構造30に対して外部から引っ掻くような力が作用した際に引っかき傷が入りにくく摩耗も少ない。
【0027】
疎水層300における疎水性原子の含有率が大きいほど、疎水層300における疎水性原子の疎水性が向上し、表面摩擦係数が小さくなる。本開示の1つ又は複数の実施形態によれば、疎水層300における疎水性原子(例えばフッ素)の含有率は、50%よりも大きい。
【0028】
更に、実際の製造プロセスでは、疎水層300の表面摩擦係数は、SiO結合に対するCF結合の比率(a proportion of carbon-fluorine bonds to silicon-oxygen bonds)に関係することが知られている。
【0029】
SiO結合に対するCF結合の比率をパラメータとして、疎水層300を有する複合基板構造30について耐擦傷性試験及び耐摩耗性試験を行ったので以下に報告する。
【0030】
実験条件:
クラス100の無塵衣を複合基板構造30上に配置し、200gの重りを無塵衣の上に配置する。複合基板構造30に対して、100mm/minの速度下で耐擦傷性試験及び耐摩耗性試験を行った。
【0031】
実験結果:
疎水層300においてSiO結合に対するCF結合の比率が50:1以上である複合基板構造30は、約0.1以下の表面摩擦係数を有する。疎水層300の表面は、好ましい平滑度を有し、耐擦傷性及び耐摩耗性が改善された。
【0032】
実験結果の説明:
疎水層300は、複合基板構造30の表面の平滑度を改善する。そのため、外部から引っ掻かれるような状況下における複合基板構造30の耐擦傷性及び耐摩耗性を高めている。
【0033】
本開示の実施の形態の一部では、疎水層300は、ベーキングプロセス又はそれに類するプロセスにより結晶体に変化する(become crystalline)。ベーキングプロセスにより形成される疎水層300では、分子が、非常に規則正しい微視的構造となるように配列されるので疎水層300の好ましい密度が得られる。疎水層300の密度が大きいほど、疎水層300の摩擦係数がより安定化し、低い値を維持する。約50%を超える結晶率を有する疎水層300を備える複合基板構造30は、明確に改善された耐擦傷性及び耐摩耗性を呈する。
【0034】
しかしながら、疎水層300の厚みが大きくなるほど、視覚的な透明度が悪くなる。疎水性と視覚的な透明度を最適化するために、疎水層300の厚みは、約5ナノメートル〜約30ナノメートルとすることが好ましい。
【0035】
図4を参照されたい。図4は、本開示の一つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図を示す。図1図3の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、複合基板構造40は、透明基板100とダイヤモンドライクカーボン層200との間に配置される接着層400を更に含む。接着層400は、シリコン系材料を含む。一部の実施形態では、接着層400は、ダイヤモンドライクカーボン層200と、透明基板100との結合を強化するために構成される。詳細には、接着層400中のSi原子は、透明基板100(ガラス基板など)のシリカネットワーク中に入り込むことができ、ダイヤモンドライクカーボン層200におけるC原子とH原子とからなるメッシュ構造(the carbon-hydrogen mesh structure)にも入り込むことができ、透明基板100とダイヤモンドライクカーボン層200の結合を改善させ、それらの接着性を向上させる。本実施の形態では、接着層400は二酸化ケイ素層であるが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0036】
一部の実施の形態では、接着層400を配置することで、ダイヤモンドライクカーボン層200と透明基板100との組成の違いによる内部応力により引き起こされる層間剥離が回避され、ダイヤモンドライクカーボン層200は、透明基板100に強固に結合される。一方で、細かい粒子により形成される接着層400(二酸化ケイ素など)は、その後にダイヤモンドライクカーボン層200を積層するのに良好な平面度を有する面を提供し得る。
【0037】
しなしながら、接着層400の厚みが大きいほど、その視覚的な透明度は悪くなる。そこで、接着性と視覚的な透明度を最適化すべく、接着層400の厚みは、約5ナノメートル〜約10ナノメートルとするとよい。
【0038】
図5を参照されたい。図5は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。図1図4の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態において、複合基板構造50は、ダイヤモンドライクカーボン層200に設けられた疎水層300を更に有する。
【0039】
図6を参照されたい。図6は、本開示のとある実施形態にかかる複合基板構造の断面図である。図1図5の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、複合基板構造60は、ダイヤモンドライクカーボン層200と疎水層300の間に配置される中間層500を更に含む。例えば、中間層500は、炭化ケイ素系材料から形成される。中間層500のSi含有率は約10〜約20%であり、C含有率は約80〜約90%である。
【0040】
一部の実施の形態では、中間層500を介することで、中間層500とダイヤモンドライクカーボン層200との結合インターフェース、及び、中間層500と疎水層300との結合インターフェースは、似たような原子構造を有することができ、もって、疎水層300がダイヤモンドライクカーボン層200に強固に結合される。加えて、ダイヤモンドライクカーボン層200と疎水層300との組成の違いによる内部応力により引き起こされる層間剥離が回避される。
【0041】
しかしながら、中間層500の厚みが大きくなるほど、複合基板構造60の視覚的な透明度が悪くなる。視覚的な透明度と複合基板構造60の接着性を最適化すべく、中間層500の厚みは、約10ナノメートル〜約13ナノメートルとすることが好ましい。
【0042】
図7を参照されたい。図7は、本開示の一つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図を示す。上述の実施形態の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、複合基板構造70は、透明基板100とダイヤモンドライクカーボン層200の間に配置される接着層400を更に含む。
【0043】
図8を参照されたい。図8は、本開示の一つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図を示す。図1図7の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施形態では、複合基板構造80は、透明基板100とダイヤモンドライクカーボン層200の間に配置される反射防止フィルム1010を更に含む。反射防止フィルム1010は、複数の第一反射防止層1011、1013と、複数の第二反射防止層1012、1014とを含んでもよい。第一反射防止層1011、1013及び第二反射防止層1012、1014は、交互に積層されている。例えば、第一反射防止層1011と、第二反射防止層1012と、第一反射防止層1013と、第二反射防止層1014とは、透明基板100から外方へ向かって順次積層されている。一部の実施の形態では、反射防止フィルム1010は、二つの第一反射防止層と、二つの第二反射防止層とを含むが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、第一反射防止層の数、又は、第二反射防止層の数は、3、4、又は、4よりも多くてもよい。なお、第一反射防止層の数は、第二反射防止層の数に一致し、第一反射防止層と第二反射防止層はそれぞれ交互に積層されている。
【0044】
一部の実施の形態では、透明基板100とダイヤモンドライクカーボン層200との間に配置される反射防止フィルム1010において、第一反射防止層1011は、透明基板100に対して接するように配列され、第二反射防止層1014は、ダイヤモンドライクカーボン層200に対して接するように配列される。各第二反射防止層1012、1014は、各第一反射防止層1011、1013の屈折率よりも低い屈折率を有する。例えば、第一反射防止層1011、1013は、それぞれ、約1.6よりも大きい屈折率を有し、第二反射防止層1012、1014は、それぞれ、約1.55よりも小さい屈折率を有する。好ましい一部の実施の形態では、第一反射防止層1011、1013は、それぞれ、約1.8よりも大きい屈折率を有し、第二反射防止層1012、1014は、それぞれ、約1.5よりも小さい屈折率を有する。
【0045】
一部の実施の形態では、第一反射防止層1011、1013は、それぞれ、酸化ニオブ、酸化チタン(TiO2、Ti3O5、Ti2O3)、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸窒化シリコン、又は、窒化シリコンを主成分として形成される。第二反射防止層1012、1014は、それぞれ、酸化シリコン又はフッ化マグネシウムを主成分として形成される。
【0046】
透明基板100に配置された反射防止フィルム1010を介して、複合基板構造80の視覚的な透明度は改善されており、複合基板構造80は約92%よりも大きい透明度を有することができる。環境における外部光が透明基板100に与える影響を大幅に抑制している。透明基板100の反射防止効果は改善され、複合基板構造80の光学的特性が強化される。
【0047】
一部の実施形態において、複合基板構造80は、複合基板構造80の疎水性を改善し、複合基板構造80の表面摩擦係数を小さくすべく、ダイヤモンドライクカーボン層200上に配置される疎水層300(図8では不図示)を更に含んでもよい。加えて、疎水層300を有する複合基板構造80においては、中間層500(図8では不図示)を、ダイヤモンドライクカーボン層200と疎水層300との間に適宜配置してもよく、この場合、疎水層300はダイヤモンドライクカーボン層200と強固に結合されている。
【0048】
図9を参照されたい。図9は、本開示の一つ又は複数の実施形態にかかる複合基板構造の断面図を示す。図1図8の構成要素と同様の構成要素についてはもう説明しない。一部の実施の形態では、複合基板構造90は、透明基板100と反射防止フィルム1010の間に配置された接着層400を更に含み、第一反射防止層1011が接着層400に対して接するように配列され、第二反射防止層1014がダイヤモンドライクカーボン層200に対して接するように配列される。
【0049】
同様に、一部の実施形態では、複合基板構造90は、ダイヤモンドライクカーボン層200上に配置された疎水層300(図9では不図示)を更に含んでいてもよく、これにより複合基板構造90の疎水性が改善され、複合基板構造90の表面摩擦係数が小さくなる。加えて、疎水層300を有する複合基板構造90においては、ダイヤモンドライクカーボン層200と疎水層300の間に中間層500(図9では不図示)が適宜配置されており、これにより疎水層300がダイヤモンドライクカーボン層200に強力に結合される。
【0050】
図10を参照されたい。図10は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図を示す。図10に示すように、タッチパネル1は、第一の面101と、第一の面101に平行な第二の面102と、を有する透明基板100を含む。透明基板100は、絶縁性を有しつつ視覚的に透明な材料からなる。透明基板100は、エチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、又は、ガラス等を含む材料から形成される。透明基板100は、剛性を有するプレート、又は、柔軟性を有するプレートである。透明基板100は、平らなボード、曲がったボード、又は、その他の形状のボードである。一部の実施の形態では、透明基板100は、具体例として、平らなボードである。
【0051】
タッチパネル1は、透明基板100に形成されたダイヤモンドライクカーボン層200を更に含む。以下、実施の形態の具体例についてのみ説明する。本具体例では、ダイヤモンドライクカーボン層200は透明基板100の第一の面101に配置されている。ダイヤモンドライクカーボン層200を第一の面101に配置した理由は以下の通りである。タッチパネル1は、タッチ制御電子デバイス(スマートフォン又はタブレットコンピュータ等)に適用するように構成されている。他の構成要素とアッセンブルされてタッチ制御電子デバイスを構成するタッチパネル1では、タッチ制御電子デバイスを操作するためにもユーザによってタッチされる透明基板100の第一の面101は露出している必要がある。一方、透明基板100の他の面は、他の構成要素により覆われている。ユーザーがタッチすると第一の面101に引っ掻き(スクラッチ)や凹み(cavities)を招くような外力が発生する。第一の面101に積層されるダイヤモンドライクカーボン層200は、引っ掻き(スクラッチ)や凹み(cavities)から第一の面101を防護するために構成される。一部の実施の形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200は、透明基板100の他の面に積層される。例えば、透明基板100に配置されるダイヤモンドライクカーボン層200は第二の面102の下に配置され、本開示はこれに限られない。
【0052】
特に、タッチパネル1のダイヤモンドライクカーボン層200は、タッチパネルの仕様を満たすべく設計されている。以下の2つが考えられる。
【0053】
第一に、ダイヤモンドライクカーボン層200は、sp2結合黒鉛構造と、sp3結合ダイヤモンド立方晶構造とを有し得る。sp3結合ダイヤモンド立方晶構造は、より良い硬度と、より良い耐擦傷性と、より良い耐摩耗性とを有するが、比較的に高い内部応力と、透明基板100との悪い粘着性とを有する。そのため、ダイヤモンドライクカーボン層200を透明基板100上に形成するプロセスは、ダイヤモンドライクカーボン層200と透明基板100との接着性を改善する。例えば、透明基板100に形成されたダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは、その内部応力を減らすために減らされる。
【0054】
第二に、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度を考慮すると、sp2結合黒鉛構造が、sp3結合ダイヤモンド立方晶構造と比較して、ダイヤモンドライクカーボン層200の光学特性に大きな影響を与える。詳細には、ダイヤモンドライクカーボン層200において、sp2結合を有する黒鉛構造が多ければ多いほど、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度は悪くなる。ダイヤモンドライクカーボン層200において、sp2結合を有する黒鉛構造が少なければ少ないほど、ダイヤモンドライクカーボン層200の視覚的な透明度は良くなる。
【0055】
それゆえ、ダイヤモンドライクカーボン層200の接着性と視覚的な透明度とを最適化するため、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは約15ナノメートル以下とし、ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は約15%以上とすることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、具体例として、必要に応じて、約30%、又は、約50%とする。
【0056】
一部の実施の形態では、本開示にかかるダイヤモンドライクカーボン層200は、スパッタリングを用いて透明基板100の表面に形成される。ダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、水素ガスの流速と解離エネルギーとを制御することにより調整する。スパッタリングにより形成されるダイヤモンドライクカーボン層200におけるsp3結合の含有率は、水素ガスの流速が12sccm(standard cubic centimeter per minute)を超えるように制御されるとともに、解離エネルギーが100〜700eV(電子ボルト)に制御されるとき、約15%以上となり得る。
【0057】
タッチパネル1の視覚的な効果は、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが少なくとも関連する、と言及する価値がある。実験結果によれば、タッチパネル1のダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが大きいほど、タッチパネル1の視覚的な透明度が悪くなり、関連分野で黄変現象として知られる、黄色がはっきりと目立つようになる。ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みを約10ナノメートルよりも大きくすると、黄変現象が肉眼でも視認できるようになる。ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みが約15ナノメートルを超えるようになると、タッチパネル1の視覚的効果が悪影響を受けるほど黄変現象が深刻になる。
【0058】
そのため、視覚的な透明度、接着性、及び、黄変現象の観点から、一部の実施の形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みは、約10ナノメートル未満とすることが好ましい。他の好ましい実施の形態では、ダイヤモンドライクカーボン層200の厚みを約2ナノメートル〜約5ナノメートルとしており、これによればタッチパネル1の透明度は約89%を超え、タッチパネル1の視覚的な効果と接着特性の最適化を可能とする。
【0059】
他の実施形態におけるタッチパネルでは、図3図7で説明した複合基板構造30、40、50、60、又は、70がタッチパネル1に適用され、これにより、表面の耐擦傷性と耐摩耗性を改善し、タッチパネル1は継続して望まれる光学効果を発揮し得る。
【0060】
図11を参照されたい。図11は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。タッチパネル2はタッチ制御ユニット11を含み、タッチ制御ユニット11は、透明基板100の第二の面102に配置されたタッチ感知電極層600を含む。タッチ感知電極層600は、ユーザによるタッチ制御の操作を容易にするように構成される。タッチ感知電極層600は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫カドミウム(CTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)、酸化亜鉛、酸化カドミウム(CdO)、酸化ハフニウム(HfO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(InGaZnO)、インジウムガリウム亜鉛酸化マグネシウム(InGaZnMgO)、インジウムガリウム酸化マグネシウム(InGaMgO)、インジウムガリウム酸化アルミニウム(InGaAlO)、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのように視覚的に透明な導電性材料から形成される。
【0061】
タッチ感知電極層600には、複数の第一軸の電極(図示略)と複数の第二軸の電極が設けられている。本開示では、複数の第一軸の電極と複数の第二軸の電極はいずれも透明基板100の第二の面102に配置されている。
【0062】
図12を参照されたい。図12は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。実施の形態の一部では、タッチパネル3のタッチ制御ユニット11は、透明基板100の下に配置された第一の支持基板700を含む。タッチ感知電極層600は第一の支持基板700に配置されている。タッチ感知電極層600には、複数の第一軸の電極(図示略)と複数の第二軸の電極と、が設けられている。本開示では、複数の第一軸の電極(図示略)と複数の第二軸の電極は何れも、第一の支持基板700の同じ面に配置されている。実施の形態の一部では、複数の第一軸の電極は、第一の支持基板700の下側の面に配置されており、複数の第二軸の電極は、第一の支持基板700の上側の面に配置されている。或いは、複数の第二軸の電極は、第一の支持基板700の下側の面に配置されており、複数の第一軸の電極は、第一の支持基板700の上側の面に配置されている。実施の形態の一部では、複数の第一軸の電極は、透明基板100の第二の面102に配置されており、複数の第二軸の電極は、透明基板100の第二の面102に平行な面に配置されている。或いは、複数の第二軸の電極は、透明基板100の第二の面102に配置されており、複数の第一軸の電極は、透明基板100の第二の面102に平行な面に配置されている。
【0063】
図13を参照されたい。図13は、本開示の様々な実施形態の図1の複合基板構造を有するタッチパネルの断面図である。実施の形態の一部では、タッチパネル4は、第二の支持基板800と、第三の支持基板900とを含む。第二の支持基板800は透明基板100の下側に配置され、第三の支持基板900は、第二の支持基板800の下側に配置されている。タッチ感知電極層600の複数の第一軸の電極(又は、複数の第二軸の電極)は、第二の支持基板800の下側の面(又は、上側の面)に配置され、タッチ感知電極層600における複数の第二軸の電極(又は、複数の第一軸の電極)は、第二の支持基板800の下側の面(又は、上側の面)に平行な面に配置さる。
【0064】
第一の支持基板700、第二の支持基板800、及び、第三の支持基板900は、それぞれ、絶縁性を有しつつ視覚的に透明な材料からなり、エチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、又は、ガラス等の材料で形成されている。加えて、第一の支持基板700、第二の支持基板800、及び、第三の支持基板900は、平らなボード、曲がったボード、又は、その他の形状を有するボードである。
【0065】
本開示の実施の形態によれば、透明基板の耐擦傷性と耐摩耗性が改善された、複合基板構造と、複合基板構造を有するタッチパネルが提供された。更に、提供された複合基板構造を有するタッチパネルは、好ましい耐摩耗性と、透明度と、視覚的な効果とを有する。
【0066】
本開示の実施の形態に係る複合基板構造は、タッチパネルのタッチ面の操作に限定されるものではなく、様々な他の製品に大いに利用することができる。例えば、複合基板構造は、カメラのフロントレンズのような他の光学デバイスの耐摩耗性が要求される表面として使用される。
【0067】
更に、製品が透明度を要求しないとき、透明基板の代わりに、金属プレート又は不透明なプラスチックプレートが、本開示の複合基板構造に適用され、必要に応じて、携帯電話のサイドカバーや背面カバー、コンピュータ、カメラ、家電製品の外側ケースなどのような様々な製品の筐体の耐摩耗性が要求される表面として使用される。
【0068】
以上、説明した記載は、好ましい本開示の実施の形態を容易に明らかにする。しかし、本開示の特徴は、それによって限定されるものではない。当業者によって容易に想到される全ての変形、代替、及び、改良は、以下に記載する特許請求の範囲によって描写される本開示のスコープにより、包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13