特許第6250003号(P6250003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 資生堂の特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6250003
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20171211BHJP
   A61K 8/21 20060101ALI20171211BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20171211BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20171211BHJP
   A61K 8/893 20060101ALI20171211BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20171211BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   A61K8/19
   A61K8/21
   A61K8/27
   A61K8/891
   A61K8/893
   A61K8/92
   A61Q1/12
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-153991(P2015-153991)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2016-37497(P2016-37497A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2015年8月4日
【審判番号】不服-10334(P-10334/J1)
【審判請求日】2016年7月8日
(31)【優先権主張番号】特願2014-162570(P2014-162570)
(32)【優先日】2014年8月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】園山 悠治
(72)【発明者】
【氏名】大平 光
(72)【発明者】
【氏名】久保田 俊
(72)【発明者】
【氏名】圷 真理子
(72)【発明者】
【氏名】秦 英夫
【合議体】
【審判長】 須藤 康洋
【審判官】 安川 聡
【審判官】 関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−005264号公報(JP,A)
【文献】 特開2007−277415号公報(JP,A)
【文献】 特開2006−076982号公報(JP,A)
【文献】 特開2002−047139号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61K 8/00− 8/99
IPC A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%、及び結合剤としての油性成分を5−30質量%含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項2】
請求項1記載の固形粉末化粧料において、さらにデキストリン脂肪酸処理低温焼成酸化亜鉛を0.5−6質量%含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料において、さらにカルボキシシリコーン石鹸処理粉末を15−25質量%含むこと特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかに記載の固形粉末化粧料において、結合剤としての油性成分として、少なくともステアロキシメチルポリシロキサンを0.5−6質量%含むこと特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項5】
下記工程を(1)−(3)の順番で含む、合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%、及び結合剤としての油性成分を5−30質量%含む固形粉末化粧料の製造方法;
(1)粉砕した粉末成分と結合剤としての油性成分との混合物に、水を主分散媒とする揮発性分散媒を該混合物の半量〜2倍質量添加・混合してスラリーとするスラリー調製工程、
(2)前記スラリーを容器に充填する充填工程、及び
(3)容器充填後のスラリーから溶媒を除去する溶媒除去工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
パウダリーファンデーションに代表される固形粉末化粧料は、粉末成分に結合剤としての油性成分を添加して混合した後、容器に充填成型してなる化粧料である。粉末成分は主に無機顔料、有機顔料、樹脂粉末から構成され、顔料はさらに、色調や光沢を調整するための有色・パール顔料と、それ以外の体質顔料に分かれる。体質顔料の代表はタルク、マイカ、カオリン等の板状粉末で、粉末成分の大半を占め、化粧料の成形性、付着性、使用性等に大きく影響する。そして、これらの基本的な体質顔料に、窒化ホウ素、合成フッ素金雲母、硫酸バリウム等の特徴的な体質顔料を追加することで、粉末化粧料の特徴が概ね形成される。
このうち、窒化ホウ素は、潤滑性を備え、適度な隠蔽力と心地よい付着性を化粧料に付与することから、高配合の要望が高い成分である。
【0003】
また、シリコーンエラストマーやウレタン等の弾性樹脂からなる球状の樹脂粉体も、肌への密着性や伸びを良くすることから、高配合が望まれる成分である。
【0004】
しかしながら、窒化ホウ素を高配合すると、成型性が悪くなり、化粧料の耐衝撃性が低下することが知られている。また、球状弾性樹脂粉体の配合量が上がると、その弾力性ゆえに成型性が悪くなり、耐衝撃性が低下する。
よって、使用性を追求して窒化ホウ素と球状弾性樹脂粉体を高配合すると、固形粉末化粧料の耐衝撃性が損なわれるという問題があった。
【0005】
この問題に対し、特許文献1では、窒化ホウ素と球状シリコーン弾性粉体をともに多く含む処方に、特定の構造をもつデキストリン脂肪酸エステルを追加することで、当該エステルの被膜性により耐衝撃性が改善され、使用感にも優れる化粧料が得られることを報告している。しかしながら、当該方法に用いることができるデキストリン脂肪酸エステルは限られており、汎用性の高い方法とは言い難い。
また、特許文献2では、一部の種類の体質顔料の表面をカチオン性界面活性剤で処理することにより、球状弾性樹脂粉体とともに高配合しても、耐衝撃性と使用性に優れる固形粉末化粧料が得られることを報告している。しかしながら、当該処理は窒化ホウ素に対しては有効が乏しく、さらに、カチオン性界面活性剤処理した体質顔料と酸化鉄等の有色顔料を共配合すると、色くすみを生じる場合があることが知られている。
【0006】
このような事情から、窒化ホウ素と球状弾性樹脂粉体がともに高配合されていて使用性に優れ、且つ、耐衝撃性も備えた固形粉末化粧料を造るための新しい技術が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−129279
【特許文献2】特開2006−199644
【特許文献3】特許5564256
【特許文献4】特公平5−3844
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、窒化ホウ素と球状樹脂粉体が高配合(具体的には、ともに5質量%以上)されているにも関わらず、耐衝撃性と使用性に優れる固形粉末化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、化粧料成分の総量に対し、合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、及びフェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%配合して得られる固形粉末化粧料が、十分な耐衝撃性を備え、且つ、使用性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明により、合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%含むことを特徴とする固形粉末化粧料が提供される。
本発明にかかる固形粉末化粧料には、さらにデキストリン脂肪酸処理低温焼成酸化亜鉛を0.5−6質量%、好適に配合することができる。
また、さらにカルボキシシリコーン石鹸処理粉末を15−25質量%、好適に配合することができる。
そして、さらにステアロキシメチルポリシロキサンを0.5−6質量%配合することが好適である。
本発明にかかる固形粉末化粧料は、水を主分散媒とした湿式製法で製造されることが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、耐衝撃性と使用性に優れる固形粉末化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明にかかる好適な実施形態について説明する。なお、本書における”油性成分”は油分及び油溶性成分を含むものであり、粉体”と“粉末”は同義である。また、“化粧料成分混合物”は、化粧料を構成する全成分の粉砕混合物である。
本書では、下限値及び上限値を含む数値範囲をハイフンを用いて表す。例えば、“12−30質量%”は“12質量%以上、30質量%以下”の意である。
【0013】
[合成フッ素金雲母鉄]
本発明に用いる合成フッ素金雲母鉄としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されないが、好ましくは、平均粒子径が2−20μm、より好ましくは5−15μm、アスペクト比が30−80の範囲内のものであると一層好適である。そのような合成フッ素金雲母鉄として、例えば、PDM−FE(トピー工業株式会社製)を挙げることができる。なお、分散性や付着製を改良するために、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、油剤類等で表面処理したものを用いてもよい。
本発明に用いる合成フッ素金雲母鉄の配合量は、化粧料総量に対し、12−30質量%、より好ましくは15−20質量%である。12質量%より少ないと化粧料の使用時のなめらかさが低下する場合があり、また、30質量%を超えると使用時の粉っぽさのなさが悪くなる場合がある。
【0014】
[窒化ホウ素]
本発明に用いる窒化ホウ素としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、SHP−3、SHP−6(いずれも水島合金鉄株式会社製)、等の市販品を用いてもよい。なお、分散性や付着製を改良するために、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、油剤類等で表面処理したものを用いてもよい。
本発明に用いる窒化ホウ素の配合量は、固形粉末化粧料の総重量に対し、5−15質量%、より好ましくは5−12質量%である。5質量%より少ないと窒化ホウ素配合による効果が得られない場合があり、15質量%を超えると耐衝撃性が悪くなる場合がある。
【0015】
[フェニル変性シリコーン球状弾性粉体]
本発明に用いるフェニル変性シリコーン球状弾性粉体は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(KSP−300、信越化学工業株式会社製)等を好適に用いることができる。
本発明に用いるフェニル変性シリコーン球状弾性粉体の配合量は、固形粉末化粧料の総重量に対し、5−15質量%、より好ましくは7−12質量%である。5質量%より少ないとフェニル変性シリコーン球状弾性粉体配合による効果が得られない場合があり、15質量%を超えると耐衝撃性が悪くなる場合がある。
【0016】
[その他の粉末成分]
本発明にかかる固形粉末化粧料に配合する上記以外の粉末成分としては、一般に用いられ得るものであれば特に限定されるものではない。例えば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、合成フッ素金雲母、紅雲母、黒雲母、焼成タルク、焼成セリサイト、焼成白雲母、焼成金雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、フォトクロミック性酸化チタン(酸化鉄を焼結した二酸化チタン、)、還元亜鉛華;有機粉末(例えば、シリコーンエラストマー粉末、シリコーン粉末、シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、低次酸化チタン被覆雲母チタン、フォトクロミック性を有する雲母チタン、基板として雲母の代わりタルク、ガラス、合成フッ素金雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマスなどを使用したもの、被覆物として酸化チタン以外に、低次性酸化チタン、着色酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化コバルト、アルミなどを被覆したもの、機能性パール顔料として、パール顔料表面に樹脂粒子を被覆したもの(特開平11−92688)、パール顔料表面に水酸化アルミニウム粒子を被覆したもの(特開2002−146238)、パール顔料表面に酸化亜鉛粒子を被覆したもの(特開2003−261421)、パール顔料表面に硫酸バリウム粒子を被覆したもの(特開2003−61229)等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0017】
このうち、特に、デキストリン脂肪酸処理低温焼成酸化亜鉛(特に好ましくは、パルミチン酸デキストリン処理酸化亜鉛)を0.5−6質量%追加すると、化粧持ちの良さにも優れる化粧料を得ることができるので好ましい。デキストリン脂肪酸処理低温焼成酸化亜鉛は、例えば、特許文献4に記載された方法を用いて低温焼成酸化亜鉛に脂肪酸を被覆して製造することができる。
【0018】
本発明においては、疎水性粉末及び/又は疎水化処理粉末を含むことが好適であり、多量に配合することも可能である。本発明で用いられる疎水性粉末又は疎水化処理粉末とは、水に対する親和性の低い粉末を指しており、疎水性粉末とはそのものの水に対する親和性が低い粉末であり、疎水化処理粉末とは水に対して親和性の高い粉末を表面処理することで疎水性を付与した粉末である。ここで“疎水性”とは、以下の方法によって評価を行い判定するものとする。すなわち、イオン交換水50gと評価粉末0.1gとを透明密封容器に入れ、50℃で1日保存した後、目視による観察を行い、前記評価粉末の大部分がイオン交換水表面に存在する場合に“疎水性”であると評価する。
【0019】
粉末の疎水化処理としては、例えば、高級脂肪酸、金属石鹸、油脂、ロウ、シリコーン化合物、フッ素化合物、炭化水素、界面活性剤、デキストリン脂肪酸エステル等による粉末の表面処理が挙げられる。このうち、シリコーン化合物処理が好ましく、特に、カルボキシシリコーン石鹸(=カルボキシ変性シリコーンの末端カルボキシル基の金属塩、特許公報5564256参照)で表面処理した粉末を高配合(目安として化粧料総量中15−25質量%)すると、化粧料の耐衝撃性が一段と向上するため好ましい。
疎水性粉末及び/又は疎水化処理粉末の配合量は、化粧料の全粉末量(=粉末部)に対して40−100質量%であることが好ましく、さらに好ましくは50−90質量%、最も好ましくは60−80質量%である。
【0020】
[油性成分]
本発明にかかる固形粉末化粧料に配合する油性成分としては、一般に用いられ得るものであれば特に限定されるものではない。具体的には、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。なお、本書では、油分及び油分に可溶な成分も含めて”油性成分”と称している。
以下の説明において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンの略記で、POE又はPOPの後ろのカッコ内の数字は当該化合物中におけるPOE基又はPOP基の平均付加モル数を表す。
【0021】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0022】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0023】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0025】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0026】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0027】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、未末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0028】
このうち、使用性及び耐衝撃性の更なる向上のためには、25℃で固体もしくはペースト状となるシリコーンワックスが好ましく、特に好適な例として、アクリルシリコーン(例として、KP561P:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、KP562P:(アクリレーツ/アクリル酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、いずれも信越化学工業株式会社製)やステアロキシメチルポリシロキサン(INCI名:(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー)、(例として、KF7002、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。中でも、ステアロキシメチルポリシロキサンを0.5−6質量%配合すると、使用性及び耐衝撃性を一層向上させることができる。
油性成分の好適な配合量は、化粧料総量に対して0.5−40質量%、好ましくは5−30質量%、特に好ましくは10−25質量%である。
【0029】
[その他の成分]
本発明にかかる固形粉末化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分、例えば、エステル、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分と、下記成分の任意の一種又は二種以上とを配合して固形粉末化粧料を調製できる。
【0030】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0033】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0034】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POE−ソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0035】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0036】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0037】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0038】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,0000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0039】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0040】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノ;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2,4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン等が挙げられる。
【0041】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0042】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0043】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0044】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0045】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0046】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0047】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0048】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0049】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0050】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0051】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0052】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【0053】
本発明にかかる固形粉末化粧料の製品形態としては、粉末化粧料の範疇のあらゆる製品形態をとることが可能である。具体的には、ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー、ボディーパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー、プレスドパウダー、デオドラントパウダー、おしろい等の製品形態をとることができる。
【0054】
[製造方法]
本発明にかかる固形粉末化粧料は、粉末成分と油性成分とを揮発性分散媒に添加してスラリー化し、スラリーの状態で容器に充填し溶媒除去して固形化する湿式製法によって製造されることが好ましい。一般に、湿式製法の方が乾式製法よりも耐衝撃性の高い固形粉末化粧料が得られるからである。
一般に、湿式製法は、粉砕した粉末成分と結合剤としての油性成分と(必要であればその他の成分)の混合物に揮発性分散媒を適量添加・混合してスラリーとするスラリー調製工程と、前記スラリーを容器に充填する充填工程と、容器充填後のスラリーから溶媒を除去する溶媒除去工程とを備える。各工程について説明する。
【0055】
<スラリー調製工程>
粉末成分と油性成分とを揮発性分散媒中で混合してスラリーとする方法としては、粉末成分と油性成分をあらかじめヘンシェルミキサー(登録商標)やパルペライザーなどにより乾式混合/解砕したものを揮発性分散媒中に添加し、ディスパーミキサー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、コンビミックス(登録商標)、アジホモミキサー及び二軸混練機などにより混合/分散する方法が挙げられる。なお、前記油性成分に、25℃で固体もしくはペースト状となる油分が含まれる場合には、当該油性成分を加熱溶解した後に前記粉末成分と乾式混合することが好ましい。
【0056】
スラリー調製工程において、粉末成分と油性成分の量比(質量比)は、使用する油性成分、粉末成分の種類にもよるが、粉末成分/油性成分=60/40〜99.5/0.5であることが好適である。そして、このとき用いる揮発性分散媒の量は、使用する揮発性分散媒の極性、比重などにもよるため規定はできないが、充填成型時に十分な流動性を確保することが重要であり、化粧料構成成分の半量〜2倍程度を用いる場合が一般的である。
【0057】
<充填工程>
前述のようにして製造されたスラリーは、射出充填などにより金属や樹脂製の中皿等の容器内に好適に充填することができる。
【0058】
<溶媒除去工程>
前記容器に充填されたスラリー中の揮発溶媒を、吸引プレス成型等により除去し、その後、適宜乾燥機によって乾燥させることで、固形粉末化粧料を得ることができる。
【0059】
前記スラリー調整工程で用いる揮発性分散媒としては、主分散媒としての水に、エチルアルコール、アセトン、イソプロピルアルコール等の水に可溶な揮発性有機溶媒を副分散媒として0−30質量%配合した溶液が好適である。なお、化粧料全成分の均一混合物に対する揮発性分散媒の接触角が125−135度となるように前記副分散媒の配合量を調製すると、前記混合物の成型性が一層良くなり、化粧料の耐衝撃性が一段と亢進するので好ましい。
【実施例】
【0060】
以下に本発明にかかる実施例などを説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の処方中の量は質量%である。
最初に、実施例で使用した化粧料の製造方法及びその評価方法について説明する。
【0061】
<固形粉末化粧料の製造方法>
下記表中の処方に記載された粉末成分と、必要に応じて加熱融解した油性成分とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、さらにパルペライザーを用いて粉砕して均一な混合物を得た。当該混合物に等量の水(=揮発性分散媒)を添加し、ディスパーミキサーを用いて混合してスラリーを得た。当該スラリーを中皿に充填し、前記溶媒を吸引除去した後乾燥を行い、固形粉末化粧料を得た。
【0062】
<固形粉末化粧料の評価>
(A)耐衝撃性
固形粉末化粧料を化粧品用のコンパクト容器にセットし、化粧料面が下向きの状態で30cmの高さから金属板上に落下させ、割れるまでの回数を調べた。各化粧料につき、試験数(N)=3の平均値が6回以上で十分な耐衝撃性を備え、7回以上で耐衝撃性に優れると評価した。
【0063】
(B)使用性
10名の化粧品専門パネルに固形粉末化粧料を肌に塗布してもらい、「(肌上での)のびの軽さ、なめらかさ、粉っぽさのなさ」について、5段階で評価してもらった(使用性が非常に悪い:0点〜、使用性が非常に良い:5点)。評価平均値を算出して下記の通りに判定を行い、表中に記号で表した。
[判定]
◎:評価の平均点が4点以上
〇:評価の平均点が3点以上、4点未満
△:評価の平均点が2点以上、3点未満
×:評価の平均点が2点未満
【0064】
(C)化粧持ち評価
10名の化粧品専門パネルに固形粉末化粧料を肌に塗布してもらい、3時間後に専門評価者3名に「ヨレ評価」、「テカリ評価」の各評価項目について下記の評価基準に基づき10段階評価(化粧持ちが非常に悪い:0点〜、化粧持ちが非常に良い:10点)してもらった。評価平均値を算出して下記の通りに判定を行い、表中に記号で表した。
[判定]
◎:評価の平均点が9点以上
○:評価の平均点が6点以上、9点未満
○△:評価の平均点が4点以上、6点未満
△:評価の平均点が2点以上、4点未満
×:評価の平均点が2点未満
【0065】
(D)硬度
オルゼン硬度計(株式会社上島製作所製)を用いて成型体表面の針入度を測定し、試験数(N)=5の平均値を算出した。当該平均値は、30−100の範囲内であることが好適である。
【0066】
下記試験例及び実施例の処方において、番号を付した成分として以下の製品を用いた。
*1:PDM−FE(トピー工業株式会社製)
*2:SHP−3(水島合金鉄株式会社製)
*3:KSP−300(信越化学工業株式会社製)
*4:KF−96A−6cs(信越化学工業株式会社製)
*5:KF−56A(信越化学工業株式会社製)
*6:PDM−9WA(トピー工業株式会社製)
*7:SP−500(東レ株式会社製)
*8:KF−7002(信越化学工業株式会社製)
*9:プラスチックパウダーD−400(東色ピグメント株式会社製)
【0067】
[試験例1]
下表1の処方の化粧料を前記方法に従って製造・評価した。結果を表1に示す。
【表1】
【0068】
表1に示されるように、合成フッ素金雲母鉄を20質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%配合して得られた固形粉末化粧料は、十分な耐衝撃性を備え、且つ、使用性に優れていた(1−1〜1−5)。これに対し、合成フッ素金雲母鉄を10質量%に減らし、代わりに白雲母を増量した化粧料では(1−6)、耐衝撃性が低く、粉っぽさが感じられて使用性に劣る結果となった(試験例1−1、1−2と、1−6との比較)。この結果は、白雲母では合成フッ素金雲母鉄の配合効果を代替できないことを示しており、その一因として、白雲母の方が合成フッ素金雲母鉄よりも吸油性が高いことが挙げられる。
【0069】
また、1−1の処方から窒化ホウ素を除いた化粧料(1−7)は、耐衝撃性は備えていたが、使用時のなめらかさと軽さに欠け、粉っぽさも感じられて、使用性が十分ではなかった。そして、1−1の処方において球状シリコーンレジン被覆フェニル変性シリコーンゴムパウダーを球状ポリメチルメタクリレートに置換した化粧料(1−8)は、耐衝撃性は備えていたが、使用時のなめらかさと軽さがなく、使用性が十分ではなかった。さらに、合成フッ素金雲母鉄、窒化ホウ素、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末のいずれも含まない化粧料(1−9)は、これら3成分を含む化粧料(1−1)と比べると、耐衝撃性は備えていたが、使用時のなめらかさや軽さがほとんどなく、粉っぽさも感じられて、使用性にひどく劣るものであった。
なお、実施例5として開示しているように、本発明者は、合成フッ素金雲母鉄の配合量を30質量%まで上げても、本発明の効果が得られることを確認している。
【0070】
以上より、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%含む処方に対し、合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%配合することで、使用性と耐衝撃性の両方に優れる化粧料が得られることが明らかとなった。
【0071】
[試験例2:疎水化処理酸化亜鉛の配合効果]
次に、特徴的な体質顔料を追加して、その効果を検討した。
固形粉末化粧料の処方に、酸化亜鉛(表面処理なし)、パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛(特許文献4に記載された方法で表面処理したもの)、オクチルトリエトキシシラン処理低温焼成酸化亜鉛、オクチルトリエトキシシラン処理酸化亜鉛の4種類の酸化亜鉛粉末を添加し、化粧持ちに与える影響を検討した。その結果、パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛を添加した場合に、化粧持ちが最も良くなることが明らかとなった。その結果を表2に示す。
【表2】
【0072】
表2より、本発明にかかる固形粉末化粧料の処方(合成フッ素金雲母鉄を12−30質量%、窒化ホウ素を5−15質量%、フェニル変性シリコーン球状弾性粉末を5−15質量%含む処方)に、デキストリン脂肪酸処理低温焼成酸化亜鉛を0.5−6質量%、より好ましくは1−5質量%配合すると、さらに化粧持ちの良さが付与されることが明らかとなった。
【0073】
[油性成分の検討]
さらに、本発明者は、油性成分として配合する油分の検討を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0074】
表3より、ステアロキシメチルポリシロキサンを配合すると、本発明にかかる固形粉末化粧料の使用性及び耐衝撃性が一段と良くなることがわかった。
【0075】
以下に、実施例をさらに挙げて本発明について説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例で用いたカルボキシシリコーンセッケン処理タルク、パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛は、各々、特許文献3、特許文献4に記載に記載された方法に従って製造したものである。
【0076】
実施例2:パウダリーファンデーション
<処方>
成分 配合量(質量%)
(1)カルボキシシリコーンセッケン処理タルク 残余
(2)合成フッ素金雲母鉄*1 15.0
(3)合成フッ素金雲母*6 10.0
(4)硫酸バリウム 5.0
(5)窒化ホウ素*2 5.0
(6)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 4.0
(7)パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛 2.0
(8)シリコーン処理酸化チタン 10.0
(9)シリコーン処理赤酸化鉄 0.2
(10)シリコーン処理黄酸化鉄 1.4
(11)シリコーン処理黒酸化鉄 2.0
(12)球状ナイロンパウダー*7 6.0
(13)球状シリコーンレジン被覆フェニル変性シリコーンゴムパウダー*3
8.0
(14)球状ウレタンパウダー*9 3.0
(15)クロルフェネシン 0.2
(16)ジメチルポリシロキサン*4 2.0
(17)フェニルトリメチコン 1.0
(18)オクチルメトキシシンナメート 5.0
(19)ステアロキシメチルポリシロキサン*8 1.0
(20)フェノシキエタノール 0.3
<製法>
上記粉末成分((1)−(15))と75度で加熱溶解した油性成分((15)−(20))をヘンシェルミキサーで攪拌混合し、続いてパルペライザーを用いて粉砕して均一な混合物を得た。当該混合物に等量(質量)の水を添加し、ディスパーミキサーを用いて混合してスラリーを得た。当該スラリーを中皿に充填し、吸引プレス成型によって溶媒を除去した後、温風乾燥機を用いて乾燥させてパウダリーファンデーションを得た。
得られたパウダリーファンデーションは、耐衝撃性と使用性に優れるものであった。
【0077】
実施例3:パウダリーファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)カルボキシシリコーンセッケン処理タルク 残余
(2)合成フッ素金雲母鉄*1 15.0
(3)シリコーン処理合成フッ素金雲母 10.0
(4)ガラスフレーク 5.0
(5)窒化ホウ素*2 5.0
(6)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 4.0
(7)パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛 2.0
(8)シリコーン処理酸化チタン 10.0
(9)シリコーン処理赤酸化鉄 0.2
(10)シリコーン処理黄酸化鉄 1.4
(11)シリコーン処理黒酸化鉄 2.0
(12)球状ナイロンパウダー*7 6.0
(13)球状シリコーンレジン被覆フェニル変性シリコーンゴムパウダー*3
8.0
(14)球状ウレタンパウダー*9 3.0
(15)メチルパラベン 0.2
(16)ジメチルポリシロキサン*4 2.0
(17)フェニルトリメチコン 1.0
(18)オクチルメトキシシンナメート 3.0
(19)オクトクリレン 2.0
(20)ステアロキシメチルポリシロキサン*8 1.0
(21)フェノシキエタノール 0.7
<製法>
上記粉末成分((1)−(15))と75度で加熱溶解した油性成分((16)−(21))をヘンシェルミキサーで攪拌混合し、続いてパルペライザーを用いて粉砕して均一な混合物を得た。当該混合物に等量(質量)の水を添加し、ディスパーミキサーを用いて混合してスラリーを得た。当該スラリーを中皿に充填し、吸引プレス成型によって溶媒を除去した後、温風乾燥機を用いて乾燥させてパウダリーファンデーションを得た。
得られたパウダリーファンデーションは、耐衝撃性と使用性に優れるものであった。
【0078】
実施例4:おしろい
成分 配合量(質量%)
(1)カルボキシシリコーンセッケン処理タルク 残余
(2)合成フッ素金雲母鉄*1 20.0
(3)シリコーン処理セリサイト 5.0
(4)白雲母 5.0
(5)窒化ホウ素*2 5.0
(6)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 4.0
(7)パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛 2.0
(8)シリコーン処理酸化チタン 3.0
(9)シリコーン処理赤酸化鉄 0.05
(10)シリコーン処理黄酸化鉄 0.1
(11)球状ポリメチルメタクリレート 5.0
(12)球状ナイロンパウダー*7 6.0
(13)球状シリコーンレジン被覆フェニル変性シリコーンゴムパウダー*3
8.0
(14)球状ウレタンパウダー*9 3.0
(15)メチルパラベン 0.2
(16)ジメチルポリシロキサン*4 2.0
(17)フェニルトリメチコン 1.0
(18)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
(19)オクタン酸セチル 1.0
(20)ステアロキシメチルポリシロキサン*8 1.0
(21)流動パラフィン 1.0
<製法>
上記粉末成分((1)−(15))と75度で加熱溶解した油性成分((16)−(21))をヘンシェルミキサーで攪拌混合し、続いてパルペライザーを用いて粉砕して均一な混合物を得た。当該混合物に等量(質量)の水を添加し、ディスパーミキサーを用いて混合してスラリーを得た。当該スラリーを中皿に充填し、吸引プレス成型によって溶媒を除去した後、温風乾燥機を用いて乾燥させておしろいを得た。
得られたおしろいは、耐衝撃性と使用性に優れるものであった。
【0079】
実施例5:パウダリーファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)カルボキシシリコーンセッケン処理タルク 残余
(2)合成フッ素金雲母鉄*1 30.0
(3)シリコーン処理硫酸バリウム 5.0
(4)窒化ホウ素*2 5.0
(5)ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 5.0
(6)パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛 3.0
(7)シリコーン処理酸化チタン 9.0
(8)シリコーン処理赤酸化鉄 0.2
(9)シリコーン処理黄酸化鉄 1.4
(10)シリコーン処理黒酸化鉄 2.0
(11)球状ナイロンパウダー*7 5.0
(12)球状シリコーンレジン被覆フェニル変性シリコーンゴムパウダー*3
6.0
(13)球状ウレタンパウダー*9 3.0
(14)クロルフェネシン 0.2
(15)ジメチルポリシロキサン*4 2.0
(16)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 2.0
(17)フェニルトリメチコン 1.0
(18)オクチルメトキシシンナメート 5.0
(19)アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(KP561P、信越化学工業株式会社製) 0.7
(20)ステアロキシメチルポリシロキサン*8 0.7
<製法>
上記粉末成分((1)−(14))と75度で加熱溶解した油性成分((15)−(20))をヘンシェルミキサーで攪拌混合し、続いてパルペライザーを用いて粉砕して均一な混合物を得た。当該混合物に等量(質量)の水を添加し、ディスパーミキサーを用いて混合してスラリーを得た。当該スラリーを中皿に充填し、吸引プレス成型によって溶媒を除去した後、温風乾燥機を用いて乾燥させてパウダリーファンデーションを得た。
得られたパウダリーファンデーションは、耐衝撃性と使用性に優れるものであった。