(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化合物番号1〜11、13、15、18、19、22、23、26、28、29A、29B、30〜33、35、39、41、42、45および46からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
アルドステロン合成酵素の阻害によって軽減することができる、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、糸球体腎炎、IgA腎症、腎炎症候群、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、高血圧、肺動脈性肺高血圧症、コーン症候群、収縮性心不全、拡張期心不全、左室機能不全、左室スティフネスおよび線維化、左室充満異常、動脈スティフネス、アテローム性動脈硬化および原発性または続発性アルドステロン症に関連する心血管病的状態、副腎皮質過形成ならびに原発性および続発性アルドステロン症から選択される疾患または障害を治療するための、請求項1から18のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態において、式I
【化1】
I
(式中、
Cyは、C
3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択される単環式または二環式の環系であり、
前記C
3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基はそれぞれ独立して、ハロゲン、−C
1-3−アルキル、−OC
1-3−アルキル、−CF
3、シアノ、オキソ、−N(C
1-3−アルキル)
2、−NH(C
1-3−アルキル)、−NHCOC
1-3−アルキル、−C(O)C
1-3−アルキル、−C(O)OC
1-3アルキル、ヒドロキシC
1-3アルキル、またはヘテロアリールから選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
R
1およびR
2は独立して、H、C
1-3アルキル、ヒドロキシC
1-3アルキル、−CH
2NHC(O)OC
1-4アルキル、−CH
2OC(O)C
1-4アルキル、−C(O)OC
1-4−アルキル、−C(O)H、−COOH、−C(O)NHC
1-4−アルキルおよびC(O)N(C
1-4−アルキル)
2から選択され、または
R
1とR
2は一緒になって、C
3-6シクロアルキルもしくはC
3-6ヘテロシクリルを形成する)
の化合物またはその塩を提供する。
【0010】
別の実施形態において、以上の実施形態に記載される式Iの化合物であって、
Cyがフェニル、シクロヘキシル、インダニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたはテトラヒドロキノリニル基であり、それぞれ独立して、−Cl、−F、C
1-3アルキル、オキソおよびCNから選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
R
1およびR
2が独立して、H、C
1-3アルキル、ヒドロキシC
1-3アルキル、−CH
2NHC(O)OC
1-4アルキル、−C(O)N(C
1-4−アルキル)
2および−CH
2OC(O)C
1-4アルキルから選択される、
化合物を提供する。
【0011】
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
Cyが、−Cl、−F、C
1-3アルキルおよびCNから独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである、
化合物を提供する。
【0012】
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
Cyが、−Cl、−F、C
1-3アルキルおよびCNから独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されているフェニルである、
化合物を提供する。
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
Cyが、フェニルCNで置換されており、かつ−Cl、−FおよびC
1-3アルキルから独立して選択される1または2個の追加の基で置換されていてもよい、
化合物を提供する。
【0013】
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
R
1が−CH
3であり、
R
2が−CH
3または−CH
2OHである、
化合物を提供する。
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
R
1が−CH
3であり、
R
2が−CH
2OHである、
化合物を提供する。
【0014】
別の実施形態において、以上の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物であって、
R
1が−CH
3であり、
R
2が−CH
3である、
化合物を提供する。
【0015】
本発明の別の態様において、本明細書で以上および以下に記載の治療方法に使用するための、以上の実施形態のいずれかに記載の一般式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0016】
表1に、一般合成スキーム、実施例に記載されている方法、および当技術分野において公知の方法で作製することができる本発明の代表的化合物を示す。
【表1】
【0017】
一実施形態において、本発明は、上記の表1に示した化合物1〜46および薬学的に許容されるそれらの塩に関する。
別の実施形態において、本発明は、上記の表1に示した化合物1〜11、13、15、18、19、22、23、26、28、29A、29B、30〜33、35、39、41、42、45および46ならびに薬学的に許容されるそれらの塩に関する。
【0018】
具体的な指摘のない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲の全体にわたって、所与の化学式または名称は、互変異性体、ならびにすべての立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体など)およびそれらのラセミ体、ならびに別個の鏡像異性体を異なる割合で含む混合物、ジアステレオマーの混合物、またはそのような異性体および鏡像異性体が存在する場合、前述の形のいずれかの混合物、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩を含む塩、および遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含むそれらの溶媒和物、例えば水和物などを包含するものとする。
【0019】
式(I)の化合物の中には、1個を超える互変異性形として存在できるものがある。本発明は、そのようなすべての互変異性体を使用する方法を含む。
本発明の化合物は、それらの同位体標識された形も含む。本発明の組合せの活性剤の同位体標識された形は、前記活性剤の1個または複数の原子が自然界に通常見られる前記原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する1個または複数の原子で置き換えられていることを除いて、前記活性剤と同一である。商業的に容易に入手可能であり、十分に確立された手順に従って本発明の組合せの活性剤に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18F、および
36Clが挙げられる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体の1つもしくは複数を含有する本発明の組合せの活性剤、そのプロドラッグ、またはいずれかの薬学的に許容される塩は、発明の範囲内であると考えられる。
【0020】
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容される誘導体を含む。「薬学的に許容される誘導体」は、いずれかの薬学的に許容される塩もしくはエステル、または患者に投与すると、本発明に有用である化合物を(直接または間接に)供給することができる他のいずれかの化合物、または薬理活性代謝物もしくはその薬理活性残基を指す。薬理活性代謝物は、酵素的または化学的に代謝されうる本発明のいずれかの化合物を意味すると理解されるものとする。これには、式(I)の例えばヒドロキシル化または酸化された誘導体化合物が含まれる。
【0021】
本明細書では「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を形成することによって改変された、開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、そのような塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化水素酸塩、エデト酸塩、カムシル酸塩、炭酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、エディシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストール酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsnilate)、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル臭化物塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド塩、アンモニウム塩、ベンザチン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩およびプロカイン塩が挙げられる。別の薬学的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などのような金属由来のカチオンを用いて形成することができる(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照のこと)。
【0022】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性の部分を含む親化合物から通常の化学的方法で合成することができる。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離の酸型または塩基型と十分量の適切な塩基または酸を水中あるいはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、もしくはアセトニトリル、またはそれらの混合物のような有機希釈剤中で反応させることによって調製することができる。
【0023】
例えば、本発明の化合物の精製または単離に有用な上記以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も、本発明の一部を構成する。
さらに、式(I)の化合物のプロドラッグの使用も本発明の範囲内である。プロドラッグとしては、簡単な化学転換によって本発明の化合物を生成するように改変される化合物が挙げられる。簡単な化学転換としては、加水分解、酸化および還元が挙げられる。具体的には、プロドラッグは患者に投与されると、本明細書で以上に開示された化合物に転換され、それによって所望の薬理作用を与えることができる。
【0024】
本発明の化合物は、当業者が理解しているように「化学的に安定」であると考えられるものだけである。例えば、過酸化物または「ダングリング結合価」もしくは「カルボアニオン」を有する化合物は、本明細書に開示される本発明の方法で意図される化合物ではない。
本出願で以上に開示されたすべての化合物について、名称が構造と対立する場合に、化合物は構造によって定義されることが理解されるものとする。
【0025】
本明細書に使用されている用語はすべて、別段の記載がない限り、当技術分野において公知であるそれらの普通の意味で理解されるものとする。例えば、「C
1-4アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチルまたはt−ブチルなどの1〜4個の炭素を含む1価の飽和脂肪族炭化水素基であり、「C
1-4アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど、末端酸素を有するC
1-4アルキルである。すべてのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、構造上可能な場合であり、別段の指定がない限り、分枝または非分枝であり、環化または非環化であると理解されるものとする。他のさらに特定の定義は以下の通りである。
【0026】
nが2〜nの整数である「C
1-n−アルキル」という用語は、単独でまたは別の基と組み合わせて、1〜n個のC原子を有する非環式、飽和、分枝状または線状の炭化水素基を表す。例えば、C
1-5−アルキルという用語は以下の基を包含する。H
3C−、H
3C−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−C(CH
3)
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−C(CH
3)
2−、H
3C−C(CH
3)
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH(CH
3)−およびH
3C−CH
2−CH(CH
2CH
3)−。
【0027】
nが1〜nの整数である「C
1-n−アルキレン」という用語は、単独でまたは別の基と組み合わせて、1〜n個のC原子を有する2価の非環式、直鎖または分枝鎖アルキル基を表す。例えば、C
1-4−アルキレンという用語は下記を包含する。−(CH
2)−、−(CH
2−CH
2)−、−(CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2)−、−(C(CH
3)
2)−、−(CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH
2−CH(CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−C(CH
3)
2)−、−(C(CH
3)
2−CH
2)−、−(CH(CH
3)−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
2CH
3)−CH
2)−、−(CH(CH
2CH
2CH
3))−、−(CHCH(CH
3)
2)−および−C(CH
3)(CH
2CH
3)−。
nは4〜nの整数である「C
3-n−シクロアルキル」という用語は、単独でまたは別の基と組み合わせて、3〜n個のC原子を有する環式、飽和、非分枝状の炭化水素基を表す。例えば、C
3-7−シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを包含する。
【0028】
本明細書では「ヘテロ原子」という用語は、O、N、SおよびPなどの炭素以外の原子を意味すると理解されるものとする。
すべてのアルキル基または炭素鎖において、1個または複数の炭素原子は、ヘテロ原子:O、SまたはNで置き換えられていてもよく、Nが置換されていない場合、NHであると理解されるものとし、ヘテロ原子が、分枝または非分枝の炭素鎖内の末端の炭素原子または内部の炭素原子に取って代わり得ることも理解されるものとする。そのような基を本明細書に上述するようにオキソなどの基で置換して、アルコキシカルボニル、アシル、アミドおよびチオキソなどの定義を生じることができるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書では「アリール」という用語は単独でまたは別の基と組み合わせて、6個の炭素原子を含む単環式芳香族炭素環式基を表し、飽和または不飽和の芳香族であってよい別の5または6員の炭素環式基にさらに縮合していてもよい。アリールとしては、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチルおよびジヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
「ヘテロアリール」という用語は、芳香族性の5〜6員単環式ヘテロアリール、または環の少なくとも1つが芳香族である芳香族性の7〜11員二環式ヘテロアリール環を意味し、ヘテロアリール環はN、OおよびSなどのヘテロ原子を1〜4個含む。5〜6員単環式ヘテロアリール環は限定されるものではないが、例えばフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、およびプリニルなどが挙げられる。7〜11員二環式ヘテロアリール環は限定されるものではないが、例えばベンゾイミダゾリル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
「ヘテロシクリル」という用語は、安定な非芳香族性の4〜8員単環式ヘテロ環式基、または安定な非芳香族性の6〜11員縮合二環式、架橋二環式もしくはスピロ環式のヘテロ環式基を意味する。5〜11員ヘテロ環は、炭素原子と窒素、酸素および硫黄から選択される1個または複数、好ましくは1〜4個のヘテロ原子とからなる。ヘテロ環は、飽和でも、部分不飽和でもよい。非芳香族性の4〜8員単環式ヘテロ環式基は限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ
6−チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびアゼピニルなどが挙げられる。非芳香族性の6〜11員縮合二環式基は限定されるものではないが、例えば、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロベンゾフラニル、およびオクタヒドロベンゾチオフェニルなどが挙げられる。非芳香族性の6〜11員架橋二環式基は限定されるものではないが、例えば、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、および3−アザビシクロ[3.2.1]オクタニルなどが挙げられる。非芳香族性の6〜11員スピロ環式ヘテロ環式基は限定されるものではないが、例えば、7−アザ−スピロ[3,3]ヘプタニル、7−スピロ[3,4]オクタニル、および7−アザ−スピロ[3,4]オクタニルなどが挙げられる。「ヘテロシクリル」という用語は考え得るすべての異性体を包含することを意図したものである。
【0031】
本明細書では「ハロゲン」という用語は、臭素、塩素、フッ素またはヨウ素を意味すると理解されるものとする。「ハロゲン化された」、「部分ハロゲン化または完全ハロゲン化された」;部分フッ素化または完全フッ素化された;「1個または複数のハロゲン原子で置換された」という定義は、例えば1個または複数の炭素原子上のモノ、ジまたはトリハロ誘導体を包含する。アルキルの場合、例として−CH
2CHF
2、−CF
3などであるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリールもしくはヘテロアリール、またはそれらの類似体はそれぞれ、部分ハロゲン化または完全ハロゲン化されていてもよいと理解されるものとする。
【0032】
本明細書では「窒素」またはNおよび「硫黄」またはSは、窒素および硫黄の任意の酸化形ならびに任意の塩基性窒素の四級化形を包含する。例えば、−S−C
1-6アルキル基の場合、別段の指定がない限り、これは、−S(O)−C
1-6アルキルおよび−S(O)
2−C
1-6アルキルを包含すると理解されるものとし、同様に、−S−R
aはR
aがフェニルであるときフェニル−S(O)
m−(式中、mは0、1または2である)として表されてよい。
【0033】
一般合成方法
本発明の化合物は、以下に提示された方法および実施例ならびに当業者に公知の方法で調製してよい。ここに記載されている方法は例示のためであり、また本発明をその主題の範囲、特許請求された化合物、および実施例を限定することなく実施するためのものである。最適の反応条件および反応時間は、使用される具体的な反応物質に応じて変わることがある。別段の指定がない限り、溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は当業者が容易に選択することができる。特定の手順を以下に記載する。以下の合成で使用される中間体は市販品であり、または当業者に公知の方法で容易に調製される。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)または高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(HPLC−MS)などの通常の方法でモニターすることができる。中間体および生成物は、カラムクロマトグラフィー、HPLC、分取TLCまたは再結晶を含む、当技術分野において公知である方法で精製してよい。
【0034】
式(I)の化合物は、スキーム1に例示するように調製することができる。
スキーム1
【化2】
【0035】
スキーム1に例示するように、2−オキソ酢酸エステルと置換されていてもよいアニリンをメタノールなどの適当なプロトン性溶媒中で反応させて、中間体IIaを得ることができる。あるいは、トルエンなどの非プロトン性溶媒中、無水Na
2SO
4などの適当な水捕捉剤の存在下における反応によって、中間体IIbが得られる。EtOHなどの適当な溶媒中、K
2CO
3などの適当な塩基の存在下におけるIIaまたはIIbと中間体I−01またはI−02の反応によって、式IIIの中間体が得られる。エステルIIIの加水分解によって、カルボン酸IVが得られる。THFなどの適当な溶媒中、NaHCO
3などの適当な塩基の存在下におけるIVとI
2の反応によって、式Vの中間体が得られる。Bu
3SnH/AIBNなどの適当な還元剤を用いて、ラクトンVを還元すると、式Iの所望の化合物(式中、Cy=置換されていてもよいAr、X=結合、およびR
2=メチル)が得られる。あるいは、中間体VのIを求核試薬NuHで置換すると、式Iの化合物(式中、Cy=置換されていてもよいArおよびR
2=−CH
2Nu)が得られる。
【0036】
式I(式中、R
2=−CH
2OH)の化合物は、スキーム2に示すように中間体IVとm−クロロ過安息香酸(mCPBA)などの適当な過酸の反応により調製することができる。
スキーム2
【0038】
式Iの化合物を調製するために使用することができる中間体XXIIを調製する方法をスキーム3に例示する。
スキーム3
【化4】
【0039】
スキーム3に示すように、中間体XVとNBSなどの適当な臭素化剤の反応によって、式XVIの中間体が得られる。XVIと示された臭化ベンジルなどの置換されていてもよいハロゲン化ベンジルの反応によって、式XVIIの中間体が得られる。XVIIとR
1を有する適当なトリブチルスズ試薬との鈴木カップリングによって、式XVIIIの中間体が得られる。XVIIIを加水分解すると、式XIXのカルボン酸が得られる。中間体XIXとI
2の反応によって、式XXの化合物が得られる。Bu
3SnH/AIBNなどの適当な還元剤を用いて、XXを還元すると、XXIが得られる。XXIを、例えばPd/Cの存在下にH
2で処理することによって水素化分解すると、XXIIが得られる。
【0040】
中間体XXIIを使用して、スキーム4および合成例に示すように式Iの化合物を調製することができる。
スキーム4
【化5】
【0041】
さらに、R
1とR
2の両方において水素を有する式Iの化合物は、スキーム5に例示するように合成することができる中間体XIVから調製することができる。
スキーム5
【0043】
スキーム5に示すように、DIBALHなどの適当な試薬を用いて、式IXのジエステル中間体を還元すると、アルデヒドXが得られる。Xのウィッティヒ反応によって、オレフィンXIが得られ、還元されて、中間体XIIが得られる。酸XIIをp−TsOHなどの適当な酸の存在下でラクトン化すると、式XIIIの中間体が得られる。XIIIの水素化分解によって、中間体XIVが得られ、それを使用して、スキーム4に中間体XXIIについて示すように式Iの追加の化合物を作製することができる。
【0044】
合成例
最終化合物は、表1の化合物番号に対応する化合物番号で呼ばれる。キラルHPLCで分割される化合物は、以下の実施例に記載されている条件で分割される。第1溶離液を鏡像異性体Aとし、第2溶離液を鏡像異性体Bとする。
【0045】
1−(1−イソシアノ−3−メチル−ブタ−3−エニル)スルホニル−4−メチル−ベンゼン(I−01)の合成
【0047】
50mLのCH
2Cl
2中の4.0g(20mmol)のトシルメチルイソシアニド(toluenemethyl isocyanate)(TosMIC)の撹拌冷却(0℃)溶液に、1.5g(4mmol)のテトラブチルアンモニウムヨージド、2.6mL(25mmol)の3−ブロモ−2−メチル−プロパ−1−エンおよび40mLの30%NaOH水溶液を添加する。混合物を3時間激しく撹拌し、次いでH
2Oで希釈する。層を分離させ、CH
2Cl
2で抽出する。抽出液を合わせて、H
2O、塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過し、濃縮して、残渣を得る。その残渣をエーテル/EtOAcに溶解し、1回100mLのH
2Oで2回抽出する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、5.0gの化合物I−01を得る。それを精製することなく直接使用する。
【0049】
化合物I−02は、3−ブロモ−2−メチル−プロパ−1−エンの代わりに臭化アリルを使用して、化合物I−01と同じ方式で調製される。
【0050】
エチル2−(3,4−ジフルオロアニリノ)−2−メトキシ−アセテート(I−03a)の合成
【0052】
メタノール中の2.0g(15mmol)の3,4−ジフルオロアニリンの撹拌溶液に、4.0g(39mmol)の2−オキソ酢酸エチルを添加する。14時間撹拌した後、混合物を濃縮して、3.7gのI−03aを得る。それを精製することなく直接使用する。
以下の2−アリールアミノ−2−メトキシアセテートI−03b〜I−03lは、類似したアリールアミンを使用して、I−03aと同じ方式で調製される。
【0054】
I−03b:Ar=4−シアノフェニル
I−03c:Ar=3,4−ジクロロフェニル
I−03d:Ar=1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン−6−イル
I−03e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−03f:Ar=2−クロロ−3−フルオロフェニル
I−03g:Ar=2−フルオロ−3−クロロフェニル
I−03h:Ar=4−クロロフェニル
I−03i:Ar=3−フルオロ−4−シアノフェニル
I−03j:Ar=3−メチル−4−シアノフェニル
I−03k:Ar=2−クロロ−4−シアノフェニル
I−03l:Ar=2−フルオロ−4−シアノフェニル
【0055】
4−クロロ−3−シアノ−フェニルイミノ−酢酸エチルエステル(I−04m)の合成
【化11】
【0056】
トルエン中の1.3mL(6.6mmol)の50%エチルグリオキサール、1.0g(6.6mmol)の5−アミノ−2−クロロベンゾニトリル、トルエン(85ml)および11g(33mmol)のNaSO
4の混合物を2時間加熱還流する。混合物を冷却し、濾過し、濃縮すると、1.6gのI−04mが得られ、それを直接使用する。
【0057】
以下のイミンI−04nおよびoは、適切なアリールアミンを使用して、I−04mと類似した方式で調製される。
【0059】
I−04n:Ar=2−メチル−4−シアノフェニル
I−04o:Ar=4−フルオロフェニル
【0060】
3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−5−(2−メチル−アリル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(I−05a)の合成
【0062】
エタノール中の10g(41mmol)のI−01の撹拌溶液に、20g(80mmol)のI−03aおよび23g(160mmol)のK
2CO
3を添加する。5時間加熱還流した後、混合物を室温に冷却し、水を添加する。混合物をEtOAcで抽出し、抽出液を濃縮する。濃縮物をクロマトグラフィー(30%EtOAc/石油エーテル)にかけて、2.1gのI−05aを得る。
【0063】
以下のイミダゾールI−05b〜I−05lは、I−01および適切な中間体I−03b〜I−03lを使用して、I−05aと同じ方式で調製される。
【0065】
I−05b:Ar=4−シアノフェニル
I−05c:Ar=3,4−ジクロロフェニル
I−05d:Ar=1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン−6−イル
I−05e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−05f:Ar=2−クロロ−3−フルオロフェニル
I−05g:Ar=2−フルオロ−3−クロロフェニル
I−05h:Ar=4−クロロフェニル
I−05i:Ar=3−フルオロ−4−シアノフェニル
I−05j:Ar=3−メチル−4−シアノフェニル
I−05k:Ar=2−クロロ−4−シアノフェニル
I−05l:Ar=2−フルオロ−4−シアノフェニル
【0066】
以下のイミダゾールI−05m、nおよびoは、I−01と、I−03aの代わりに適切なイミンI−04m、nおよびoとを使用して、I−05aと同じ方式で調製される。
【0068】
I−05m:Ar=3−シアノ−4−クロロフェニル
I−05n:Ar=2−メチル−4−シアノフェニル
I−05o:Ar=4−フルオロフェニル
【0069】
以下のイミダゾールI−06b、e、およびhは、I−02と適切な中間体I−03b、e、およびhを使用して、I−05aと同じ方式で調製される。
【0071】
I−06b:Ar=4−シアノフェニル
I−06e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−06h:Ar=4−クロロフェニル
【0072】
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−(2−メチルアリル)イミダゾール−4−カルボン酸(I−07a)の合成
【0074】
EtOHおよびTHF中の0.67g(2.2mmol)のI−05aの撹拌溶液に、H
2O中の0.26g(6.6)のNaOHを添加する。12時間撹拌した後、混合物のpHが酸性になるまで酢酸を添加し、混合物を濃縮して、0.61g(2.2mmol)のI−07aを得る。
【0075】
以下の酸I−07b、c、およびdは、適切なオレフィンI−05b、c、およびdから、I−07aと同じ方式で調製される。
【0077】
I−07b:Ar=4−シアノフェニル
I−07c:Ar=3,4−ジクロロフェニル
I−07d:Ar=1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン−6−イル
【0078】
2−クロロ−4−[6−(ヨードメチル)−6−メチル−4−オキソ−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(I−07e)の合成
【0079】
【化19】
125mLのTHF/H
2O=3:1混合物中の5.0g(15mmol)のI−05eの撹拌中溶液に、0.83g(19mmol)のLiOH水和物を添加する。16時間後、80mLのTHF/H
2O=3:1を添加する。8時間後、10mLのEtOHを添加する。40時間後、混合物を濃縮し、AcOHの添加により酸性にする。得られた沈殿物を濾過して回収し、乾燥して、4.0gの(13mmol)のI−07eを得る。
【0080】
以下の酸I−07f、g、h、i、j、l、m、およびnは、適切なオレフィンI−07f、g、h、i、j、l、m、およびnからI−07eと同じ方式で調製される。
【0082】
I−07f:Ar=2−クロロ−3−フルオロフェニル
I−07g:Ar=2−フルオロ−3−クロロフェニル
I−07h:Ar=4−クロロフェニル
I−07i:Ar=3−フルオロ−4−シアノフェニル
I−07j:Ar=3−メチル−4−シアノフェニル
I−07m:Ar=3−シアノ−4−クロロフェニル
I−07n:Ar=2−メチル−4−シアノフェニル
I−07o:Ar=4−フルオロフェニル
【0083】
以下の酸I−8b、e、およびhは、適切なオレフィンI−06b、e、およびhから、I−07eと同じ方式で調製される。
【0085】
I−08b:Ar=4−シアノフェニル
I−08e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−08h:Ar=4−クロロフェニル
【0086】
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヨードメチル)−6−メチル−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−09a)の合成
【0088】
I−07a(0.61g、2.2mmol)をTHFに溶解し、0℃に冷却する。NaHCO
3(0.74g、8.8mmol)およびI
2(1.7g、6.6mmol)を添加し、混合物を0℃で2時間撹拌する。Na
2S
2O
3水溶液を添加し、混合物をEtOAcで2回抽出する。抽出液を合わせて、H
2O、塩水で洗浄し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)にかけることによって、0.89gのI−09aが得られる。
【0089】
以下のヨウ化物I−09b〜I−09jならびにI−09m、nおよびoは、適切なオレフィンI−09b〜I−09jならびにI−09m、nおよびoから、I−09aと同じ方式で調製される。
【0091】
I−09b:Ar=4−シアノフェニル
I−09c:Ar=3,4−ジクロロフェニル
I−09d:Ar=1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン−6−イル
I−09e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−09f:Ar=2−クロロ−3−フルオロフェニル
I−09g:Ar=2−フルオロ−3−クロロフェニル
I−09h:Ar=4−クロロフェニル
I−09i:Ar=3−フルオロ−4−シアノフェニル
I−09j:Ar=3−メチル−4−シアノフェニル
I−09m:Ar=3−シアノ−4−クロロフェニル
I−09n:Ar=2−メチル−4−シアノフェニル
I−09o:Ar=4−フルオロフェニル
【0092】
以下のヨウ化物I−10bおよびeは、適切なオレフィンI−8bおよびeから、I−09aと同じ方式で調製される。
【0094】
I−10b:Ar=4−シアノフェニル
I−10e:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
【0095】
3−クロロ−4−[6−(ヨードメチル)−6−メチル−4−オキソ−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンズアミド(I−09p)の合成
【0097】
THF/H
2O=3/2混合物中の0.61g(1.9mmol)のI−05kの撹拌中混合物に、0.10g(2.4mmol)のLiOH水和物を添加する。16時間後、100mgのLiOH水和物を添加し、混合物を4時間撹拌し、4mLのEtOHおよび4mLのH
2Oを添加する。72時間撹拌した後、混合物を濃縮し、得られた残渣を20mLのH
2Oに懸濁し、pHが酸性になるまでAcOHを添加する。混合物を2回×100mLのEtOAcで抽出し、抽出液を40mLの塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、486mgのI−07pを純度80%で得る。それをCH
3CN中で撹拌し、0℃に冷却する。NaHCO
3(0.51g、6.1mmol)および1.2g(4.6mmol)のI
2を添加し、混合物を0℃で2時間撹拌する。Na
2S
2O
3水溶液を添加し、混合物をEtOAcで2回抽出する。抽出液を合わせて、H
2O、塩水で洗浄し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)にかけることによって、0.57gのI−09pが得られる。
【0098】
【化26】
化合物I−09qは、I−05lから、化合物I−09pと同じ方式で調製される。
【0099】
6,7−ジヒドロ−3H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−16)の合成
【0101】
100mLのTHF中のI−11(Haolun, J. et al., Bioorg. Medicinal Chem. Lett, 2006, 16, 3985)10g(37mmol)の撹拌中混合物に、−78℃でTHF中の1M DIBAL−Hを52mL(52mmol)添加し、反応混合物を−78℃で2時間撹拌する。次いで、水をゆっくりと添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、I−12を得る。それをさらに精製することなく使用する。
【0102】
THF(25ml)中の3.9g(12mmol)のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリドの懸濁液に、0℃で1.2g(12mmol)のt−BuOKを添加する。得られた混合物を1時間撹拌し、次いでTHF(6 ml)中の0.80g(3.3mmol)のI−12を添加する。2時間後、飽和NHCl
4を添加し、続いてEtOAcを添加する。混合物を水で洗浄し、有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−10% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、I−13とそのZ−異性体の混合物を得る。混合物をシリカクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)により精製して、500mg(1.8mmol)のメチル3−ベンジル−5−[(E)−2−メトキシビニル]イミダゾール−4−カルボキシレート(I−13)を白色固体として得る。
【0103】
30mLのTHF中の2.6g(9.6mmol)の化合物I−13の撹拌溶液に、10mLの2M H
2SO
4を添加し、反応混合物を80℃に14時間加熱する。反応混合物を0℃に冷却し、NaOH水溶液を添加して、pHを7にする。混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、CH
2Cl
2に溶解し、次いで1.82g(48mmol)のNaBH
4を添加する。1時間撹拌した後、水を添加し、混合物をCH
2Cl
2で抽出する。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーと、続いて分取HPLC(30−90% MeCN/水+0.1%TFA;YMC Triart(150×19mm)10μ)により精製して、化合物I−14(0.86g、35%)を得る。
【0104】
10mLのトルエン中の0.20g(0.75mmol)のI−14および0.14(0.75mmol)のp−TsOHの混合物を100℃で6時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、1M NaOHで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−10% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、0.11g(0.49mmol)の3−ベンジル−6,7−ジヒドロピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−15)を無色油として得る。
【0105】
5mLの脱気メタノール中の0.11g(0.49mmol)のI−15および15mgの10%Pd/Cの混合物を終夜撹拌する。混合物を濾過し、残留物を濃縮して、68mg(0.49mmol)の6,7−ジヒドロ−3H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−16)を白色固体として得る。
【0106】
6,6−ジメチル−3,7−ジヒドロピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−24)の合成
【0108】
1.4LのMeCN中のエチル3H−イミダゾール−4−カルボキシレート(I−17)の撹拌溶液に、NBS(25g、140mmol)を添加する。反応混合物を暗所で12時間撹拌し、次いで濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−70% EtOAc/ヘプタン)により精製して、17g(65mmol)のエチル3H−イミダゾール−4−カルボキシレートエチル4−ブロモ−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート(I−18)を白色固体として得る。この材料を200mLのDMF中の11g(78mmol)のK
2CO
3および8.5mL(71mmol)の臭化ベンジルと12時間撹拌する。反応物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出する。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−50% EtOAc/ヘプタン)により精製して、9.6g(31mmol)のエチル3−ベンジル−5−ブロモ−イミダゾール−4−カルボキシレート(I−19)を無色油として得る。それは静置によって固体化する。
【0109】
Pd(PPh
3)
4(0.79g、0.69mmol)および3.3mL(14mmol)の(Bu)
3Sn(2−メチルアリル)を、30mLの脱気DMF中の4.3g(14mmol)のI−19に添加する。混合物を120℃で5時間撹拌し、次いで室温で12時間撹拌する。反応混合物をMeCNとヘプタン間に分配する。層を分離させ、ヘプタンをMeCNで抽出する。MeCN抽出液を合わせ、ヘプタンで洗浄し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−50% EtOAC/ヘプタン)により精製して、2.1g(7.3mmol)のエチル3−ベンジル−5−(2−メチルアリル)イミダゾール−4−カルボシレート(I−20)を黄色油として得る。
【0110】
2.7g(9.7mmol)のI−20および24mL(48mmol)の2M LiOH水溶液および24mLのEtOHの混合物を12時間撹拌し、次いで濃縮する。得られた残渣を20mLのH
2Oに溶解し、AcOHの添加により酸性(pH 5)にする。沈殿物を濾過で回収し、H
2Oで洗浄し、空気流下で乾燥して、2.2g(8.6mmol)の3−ベンジル−5−(2−メチルアリル)イミダゾール−4−カルボン酸(I−21)を白色固体として得る。
【0111】
30mLのTHF中の2.2g(8.6mmol)のI−21の撹拌中混合物に、2.9g(35mmol)のNaHCO
3および6.6g(26mmol)のI
2を連続的に添加する。混合物を終夜撹拌し、赤色がすべて消失するまでNa
2S
2O
3水溶液を添加し、混合物をEtOAcで3回抽出する。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(20−80% EtOAc/ヘプタン)により精製して、3.0(7.7mmol)の3−ベンジル−6−(ヨードメチル)−6−メチル−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−22)を黄色油として得る。
【0112】
45mLのベンゼン中の2.4g(6.3g)のI−22の溶液に、0.1g(0.6mmol)のAIBNを添加し、シクロヘキサン中の9.4mL(9.4mmol)の1M Bu
3SnHを滴下する。溶液をAr雰囲気下で3時間加熱還流する。追加の4.7mL(4.7mmol)のBu
3SnHを添加し、混合物を3時間還流撹拌し、次いで室温で2日間撹拌する。混合物をMeCNとヘプタン間に分配し、層を分離させる。MeCN抽出液をヘプタンで2回洗浄し、ヘプタン層を合わせて、MeCNで逆抽出する。MeCN抽出液を合わせ、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(25−100% EtOAc/ヘプタン)により精製して、1.5g(5.7mmol)の3−ベンジル−6,6−ジメチル−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−23)を黄色固体として得る。
【0113】
5mLのEtOH中の1.5g(5.7mmol)のI−23および0.2gの10%Pd/Cの混合物を、H
2雰囲気下で2日間撹拌する。追加の0.1gの10%Pd/Cを添加し、混合物をH
2雰囲気下で12時間撹拌し、次いで珪藻土を通して濾過し、濃縮して、0.94g(5.6mmol)のI−24を白色固体として得る。
【0114】
6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3,7−ジヒドロピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−26)の合成
【0116】
10mLのCH
2Cl
2中で撹拌中の2.5g(9.8mmol)のI−21の混合物に、3.3g(15mmol)の77%m−CPBAを添加する。混合物を12時間撹拌し、次いで飽和Na
2S
2O
5を添加し、続いて水、CH
2Cl
2および飽和NH
4Clを添加する。層を分離させ、水性洗液をCH
2Cl
2で2回抽出する。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−8% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、1.8g(6.6mmol)の3−ベンジル−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(I−25)を白色固体として得る。
50mLのEtOHおよび25mLのCH
2Cl
2中の1.8g(6.6mmol)のI−25および0.2gの10%Pd/Cの混合物をH
2雰囲気下で12時間撹拌する。混合物を、珪藻土を通して濾過し、濃縮して、0.97gのI−26を白色粉末として得る。
【0117】
(例1)
tert−ブチルN−{[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]メチル}カルバメート(1)の合成
【0119】
5mLのDMF中の0.31g(0.76mmol)のI−09aに、74mg(1.1mmol)のNaN
3を添加する。混合物を100℃で17時間加熱し、150mLのEtOAcで希釈し、2回×20mLのH
2Oおよび1回×20mLの塩水で洗浄する。抽出液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)にかけることによって、112mgのI−27が得られる。それをTHFに溶解する。トリエチルホスフィン(triethylphospine)(1M THF溶液;0.42mL;0.42mmol)および103mg(0.42mmol)のBOC−ONを添加し、混合物を1時間撹拌する。混合物を50mLのEtOAcで希釈し、2回×20mLのH
2Oおよび1回×20mLの塩水で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。分取TLC(100% EtOAc)にかけることによって、58mgの1が得られる。
【0120】
(例2)
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−6,6−ジメチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(2)の合成
【0122】
ベンゼン中の0.41g(1.0mmol)のI−09aの溶液に、16mg(0.1mmol)のAIBNおよび0.36g(0.12mmol)のBu
3SnHを添加する。溶液をAr雰囲気下で1.5時間加熱還流し、室温に冷却する。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)により精製して、0.22gの2を白色固体として得る。
【0123】
以下の化合物は、適切なヨウ化物I−09e〜I−09nから、2と同じ方式で調製される。
【0125】
I−09bから3:Ar=4−シアノフェニル
I−09cから4:Ar=3,4−ジクロロフェニル
I−09dから5:Ar=1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン−6−イル
I−09eから6:Ar=3−クロロ−4−シアノフェニル
I−09fから7:Ar=2−クロロ−3−フルオロフェニル
I−09gから8:Ar=2−フルオロ−3−クロロフェニル
I−09hから9:Ar=4−クロロフェニル
I−09iから10:Ar=3−フルオロ−4−シアノフェニル
I−09jから11:Ar=3−メチル−4−シアノフェニル
I−09mから12:Ar=3−シアノ−4−クロロフェニル
I−09nから13:Ar=2−メチル−4−シアノフェニル
I−09oから14:Ar=4−フルオロフェニル
【0126】
(例2)
2−クロロ−4−[6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(15鏡像異性体AおよびB)の合成
【0128】
ラセミ混合物の15は、I−10eから、2と同じ方式で調製される。180mgのキラルクロマトグラフィー(ChiralPak IA、30(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA+1%Et
2NH):CO
2、105mL/分、100バール、35℃)によって、I−28鏡像異性体AおよびI−28鏡像異性体Bが得られる。アルコールはそれぞれ別々に、2mLのトルエン中、120℃で触媒量のpTSAと16時間混合される。混合物をそれぞれ、50mLのEtOAcで希釈し、2回×20mLのH
2Oおよび1回×20mLの塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮する。濃縮物をそれぞれ、分取TLC(100% EtOAc)により精製して、40mgの15鏡像異性体Aおよび38mgの15鏡像異性体Bを得る。
【0129】
(例3)
4−[6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(16鏡像異性体AおよびB)の合成
【0131】
ラセミ体16は、I−10bから、2と同じ方式で調製される。58mgのキラルクロマトグラフィー(ChiralPak AD、55(MeOH+1% iPrNH
2):CO
2、80mL/分、100バール、25℃)によって、28mgの16鏡像異性体Aおよび23mgの16鏡像異性体Bが得られる。
【0132】
(例4)
6,6−ジメチル−3−フェニル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(17)の合成
【0134】
EtOAc(50mL)中の8(0.10g;0.36mmol)およびPd/C(0.1g)の混合物を、50℃でH
2(50psi)下に2日間撹拌する。混合物を濾過し、濃縮して、41mgの17を白色粉末として得る。
【0135】
(例5)
3−クロロ−4−{6,6−ジメチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル}ベンゾニトリル(18)の合成
【0136】
【化36】
化合物I−29は、I−09lから、2と同じ方式で調製される。
【0137】
6mLの乾燥ジオキサン中の0.11g(0.34mmol)のI−29に、0.54mL(6.4mmol)のピリジンおよび0.48mL(0.34mmol)の無水トリフルオロ酢酸(trifluoracetic anhydride)を添加する。混合物を2時間撹拌し、次いで50mLのEtOAcで希釈し、20mLの飽和NH
4Cl水溶液、1回20mLのH
2Oで2回、および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。分取TLC(100% EtOAc)にかけることによって、55mgの18が得られる。
【0138】
【化37】
19は、I−09qから、18と同じ方式で調製される。
【0139】
(例6)
3−(4−クロロフェニル)−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(20)の合成
【0141】
2mLのCH
2Cl
2中の30mg(0.22mmol)のI−16、51mg(0.33mmol)の4−クロロフェニルボロン酸、63mg(0.35mmol)のCu(OAc)
2、0.07mL(0.9mmol)のピリジンの混合物を12時間撹拌する。混合物を、シリカゲルのショートパッドを通して濾過し、次いで濃縮し、分取TLC(4% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、7mg(0.03mmol)の白色固体20および3mgの1−(4−クロロフェニル)−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オンを得る。
【0142】
化合物21〜24は、I−16および適切なボロン酸から、20と同じ方式で調製される。
【0144】
4−シアノフェニルボロン酸から21
3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸から22
3,4−ジクロロフェニルボロン酸から23
3,4−ジフルオロフェニルボロン酸から24
【0145】
(例7)
3−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(25)の合成
【0147】
5mLのTHF中の50mg(0.36mmol)のI−16、0.17g(0.47mmol)のトリオクチルホスフィン、50mg(0.37mmol)のインダン−2−オールの混合物に、0℃で110mg(0.47mmol)のジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(di-tert-butyl azodiocarboxylate)(DBAD)を5分間かけて添加する。12時間撹拌した後、混合物を濃縮し、分取逆相HPLC(5−95% MeCN/水)により精製して、57mg(0.22mmol)の25を白色固体として得る。
【0148】
以下の化合物は、適切なアルコールおよび適切なイミダゾールから、25と同じ方式で調製される。
インダン−2−オール(indano−2−ol)およびI−24から3−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6,6−ジメチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(26)
インダン−2−オールおよびI−26から3−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(27)
cis−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニトリルおよびI−24からtrans−4−(6,6−ジメチル−4−オキソ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル)−シクロヘキサンカルボニトリル(28)。
【0149】
(例8)
2−クロロ−4−[(6R)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(29鏡像異性体A)および2−クロロ−4−[(6S)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(29鏡像異性体B)の合成
【0151】
10mLのCH
2Cl
2中の0.50g(1.7mmol)のI−07eおよび0.56g(2.5mmol)の77%m−CPBA(m−クロロ過安息香酸)の混合物を16時間撹拌する。EtOAc(200mL)および20mLの10%Na
2SO
3を添加する。混合物を50mLのNaHCO
3で2回洗浄し、洗液を50mLのCH
2Cl
2で抽出する。有機抽出液を合わせ、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、507mgのラセミ体29を淡黄色固体として得る。507mgのキラルクロマトグラフィー(LUX 5μ セルロース4、28%EtOH:CO
2、80g/分、120バール、40℃)によって、238mgの29鏡像異性体Aおよび230mgの29鏡像異性体Bが得られる。化合物29Aおよび29Bの絶対立体化学は、高分解能単結晶X線結晶解析による構造決定および精密構造に関するFlackパラメータの注意深い検査によって決定した(H.D. Flack and G. Bernardinelli, 2008, Chirality, 20, 681-690)。
【0152】
以下の化合物は、適切なオレフィンI−07cおよびnから、29鏡像異性体AおよびBと同じ方式で調製される。
【0153】
I−07cから3−(3,4−ジクロロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(30鏡像異性体AおよびB)。(RegisPack、25%(EtOH+1%iPrNH
2):CO
2、80mL/分、100バール、25℃)
I−07nから4−[6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]−3−メチルベンゾニトリル(31鏡像異性体AおよびB)。(LUX 5μ セルロース4、25%EtOH:CO
2、90g/分、120バール、40℃)
【0154】
(例8a)
[3−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]メチルアセテート(32)の合成
【0156】
5mLのCH
2Cl
2中の50mg(0.16mmol)のラセミ体29に、4℃でCH
2Cl
2中の0.18mL(0.18mmol)の1M AcClを添加し、続いて0.04mL(0.2mmol)のiPr
2NEtを添加する。16時間撹拌した後、追加の0.18mL(0.18mmol)の1M AcCl溶液を添加し、混合物を72時間撹拌する。EtOAc(50mL)を添加し、混合物を20mLの飽和NH
4Cl、20mLの水で2回、および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮し、分取TLC(100% EtOAc)により精製して、43mg(0.12mmol)の32を得る。
【0157】
(例9)
2−クロロ−4−[6−(ヒドロキシメチル)−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(33鏡像異性体AおよびB)の合成
【0159】
4mLのアセトン中の0.25g(0.87mmol)のI−8eに、1.1mLの32%過酢酸(5.2mmol)を添加する。混合物を50℃で24時間加熱し、次いで濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−10% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、110mg(0.37mmol)のラセミ体33を得る。103mgのキラルクロマトグラフィー(LUX 5μ セルロース4、35%(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA):CO
2、80g/分、120バール、35℃)と、続いて分取TLC(5% MeOH/CH
2Cl
2)によって、48mg(0.16mmol)の33鏡像異性体Aおよび33mg(0.11mmol)の33鏡像異性体Bが得られる。
【0160】
以下の化合物は、適切なオレフィンI−07またはI−08から、33鏡像異性体AおよびBと同じ方式で調製される。
【0161】
I−07gから3−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(34鏡像異性体AおよびB)。(RegisPack、20%(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA):CO
2、135mL/分、120バール、35℃)
I−07fから3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(35鏡像異性体AおよびB)。(ChiralPak IA、25%(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA):CO
2、120g/分、120バール、35℃)
キラル分割することなく、I−8hから3−(4−クロロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(36)
キラル分割することなく、I−07bから4−[6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]ベンゾニトリル(37)
I−07hから3−(4−クロロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(38鏡像異性体AおよびB)。(LUX 5μ セルロース4、20%(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA+1%Et
2NH):CO
2、80mL/分、120バール、40℃)
I−07jから4−[6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]−2−メチルベンゾニトリル(39鏡像異性体AおよびB)。(LUX 5μ セルロース4、25%(1:1:1 MeOH/EtOH/iPA):CO
2、80g/分、120バール、35℃)
I−07dから6−[6−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−オキソ−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン(40鏡像異性体AおよびB)。(Luxアミロース−2、25%(75:25 MeO/iPA):CO
2、90g/分、120バール、40℃)
【0162】
(例10)
3−(3,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−3H,4H,6H,7H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(41)の合成
【0164】
4mLの50%アセトンおよび水中の0.52g(1.5mmol)のI−05cの混合物に、t−ブタノール中の2.5g(0.24mmol)の2.5%OsO
4、および0.27g(2.3mmol)の4−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)を添加する。2時間後、飽和チオ硫酸ナトリウムを添加し、混合物を濃縮し、次いで水に懸濁し、EtOAc(50mL×3回)で抽出する。有機相をMgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−10% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、0.41g(1.1mmol)の3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2,3−ジヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(I−31)を得る。
【0165】
10mLの1:1のTHF/水中の0.37g(1.0mmol)のI−31に、0.32g(1.5mmol)のNaIO
4を添加する。2時間撹拌した後、50mLのEtOAcを添加する。混合物を20mLの水で2回および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、0.33g(0.96mmol)の3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−オキソ−プロピル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(I−32)を得る。それを5mLのTHF中で撹拌する。NaBH
4(73mg、1.9mmol)を添加する。3.5時間撹拌した後、50mLのEtOAcを添加する。混合物を20mLの飽和NH
4Cl、20mLの水で2回、および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、シリカクロマトグラフィー(0−100% EtOAc/ヘプタン)により精製して、0.10g(0.34mmol)の41を得る。
【0166】
(例11)
3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−6−ヒドロキシメチル−6−メチル−6,7−ジヒドロ−3H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−4−オン(42鏡像異性体AおよびB)の合成
【0168】
6mLのMeOH中の0.15g(0.82mmol)のI−26、0.15g(0.91mmol)の2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルボロン酸、92mg(0.25mmol)のCu(MeCN)
4PF
6の混合物を12時間激しく撹拌する。混合物を、珪藻土を通して濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0−7% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、60mg(0.20mmol)の42を得る。キラルクロマトグラフィー(LUX 5μ セルロース3 Prep、10%(1:1 MeOH/EtOH):CO
2、88g/分、120バール、40℃)によって、それぞれ30mg(0.10mmol)の42鏡像異性体Aおよび42鏡像異性体Bが得られる。
【0169】
(例12)
2−クロロ−4−(6−ホルミル−6−メチル−4−オキソ−6,7−ジヒドロ−4H−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−3−イル)−ベンゾニトリル(43)の合成
【0171】
CH
2Cl
2中の0.50g(1.6mmol)の29の撹拌混合物に、0.73g(1.7mmol)のデス−マーチンペルヨージナンを添加する。反応混合物を2時間撹拌した後、NaHCO
3/Na
2S
2O
3の混合物(1:1飽和水溶液)を添加する。有機相を乾燥し、濾過し、濃縮して、0.30g(0.95mmol)の43を得る。
【0172】
(例13)
3−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−6−メチル−4−オキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−6−カルボン酸(44)の合成
【0174】
各t−BuOH H
2O中の50mg(0.16mmol)の43に、0.84mL(7.9mmol)の2−メチル−ブタ−2−エン、71mg(0.79mmol)のNaClO
2および76mg(0.63mmol)のNaH
2PO
4を添加する。混合物を1時間撹拌し、次いで20mLの飽和NH
4Clを添加する。混合物を20mLのEtOAcで3回抽出し、抽出液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、46mg(0.14mmol)の44を得る。
【0175】
(例14)
3−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−6−メチル−4−オキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−6−カルボン酸メチルエステル(45)の合成
【0177】
2mLの1:1のCH
2Cl
2/MeOH中の50mg(0.15mmol)の44に、ヘキサン中の0.07mL(0.14mmol)の2Mトリメチルシリルジアゾメタンを添加する。1時間撹拌した後、もう0.07mL(0.14mmol)の2Mトリメチルシリルジアゾメタンを添加する。混合物を1時間撹拌し、濃縮し、50mLのEtOAcに溶解し、20mLのH
2Oで2回および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、21mg(0.06mmol)の45を得る。
【0178】
(例15)
3−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−6−メチル−4−オキソ−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール−6−カルボン酸ジメチルアミド(46)の合成
【0180】
2mLのDMF中の50mg(0.15mmol)の44に、58mg(0.18mmol)のTBTU、15mg(0.18mmol)のジメチルアミン塩酸塩および0.03mL(0.2mmol)のiPr
2NEtを添加する。混合物を48時間撹拌し、50mLのEtOAcで希釈し、20mLのH
2Oで2回および20mLの塩水で1回洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮し、分取TLC(100% EtOAc)により2回精製して、22mg(0.06mmol)の46を得る。
【0181】
LCMSデータは、表2に記載されている方法を用いて測定される。表1の化合物のデータは、表3に示されている。化合物はそれらの鏡像異性体に分けて、鏡像異性体Aおよび鏡像異性体Bについて別個のエントリーで示されている。
【0184】
生物学的活性の評価
カニクイザル副腎ミトコンドリアの調製
アルドステロン合成酵素およびコルチゾール合成酵素の阻害アッセイでは、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)およびコルチゾール合成酵素(CYP11B1)の供給源としてカニクイザル副腎ミトコンドリアが使用される。ミトコンドリアは、J.D. McGarryらによって(Biochem. J., 1983, 214, 21-28)に記載されている方法Aに従って、凍結カニクイザル副腎から調製され、R. Yamaguchiら(Cell Death and Differentiation, 2007, 14, 616-624)に記載されているAT緩衝液中の最終再懸濁液が、液体窒素中でアリコートとして凍結され、使用するまで−80℃で貯蔵される。これらの調製物におけるCYP11B2およびCYP11B1活性の1ユニットは、記載の条件下で1時間に1pmolの生成物を生み出す酵素の量と定義される。
【0185】
アルドステロン合成酵素の阻害
以下のアッセイにより、本発明の化合物をアルドステロン合成酵素阻害について評価することができる。
アッセイは、100mMリン酸カリウム、pH 7.4、1%(v/v)DMSO、さらに2μMコルチコステロンおよび50ユニットのCYP11B2活性を含む、最終容積60μL/ウェルの96ウェルフォーマットで行われる。NADPHを1mMまで添加することにより、反応を開始し、37℃で90分間進行させる。質量分析の内部標準を含有する60μLのMeCNを添加することによって、反応を終結する。次いで、100μLをガラスフィルタープレートに移し、570×gで5分間遠心し、濾液を回収する。反応生成物アルドステロンを質量分析で定量する。アッセイブランク値(活性0%)を決定するために、NADPHをいくつかの反応から取り除く。
【0186】
様々な濃度の化合物の包含により、用量依存的阻害を定量する。NADPHを含むが、化合物を含まない反応によって、最高活性(100%)を画定する。各濃度の活性を最高活性の百分率(y軸)として表し、化合物の濃度(x軸)に対してプロットし、4パラメータロジスティックモデルを使用するXLFit曲線フィッティングプログラムを使用して、50%活性(IC
50)に対応する濃度を決定する。
【0187】
コルチゾール合成の阻害
アッセイは、150ユニットのCYP11B1、基質としての11−デオキシコルチゾール、および生成物として測定されたコルチゾールの使用を除いて、アルドステロン合成酵素について行われる。
【0188】
CYP17A1の阻害
以下のアッセイにより、本発明の化合物をCYP17A1阻害についても評価することができる。
アッセイは、100mMリン酸カリウム緩衝液、pH 7.4、1%DMSO(v/v)、さらに150nMプロゲステロンおよび0.025mg/mLのrhCYP17A1(Cypex社から購入)を含む、最終容積40μL/ウェルの96ウェルフォーマットで行われる。NADPHを1mMまで添加することにより、反応を開始し、37℃で15分間進行させる。質量分析の内部標準を含有する40μLのMeCNを添加することによって、反応を終結する。プレートを3000rpmで5分間遠心し、反応生成物17−α−ヒドロキシプロゲステロンを質量分析で定量する。アッセイブランク値(活性0%)を決定するために、NADPHをいくつかの反応から取り除く。
様々な濃度の化合物の包含により、用量依存的阻害を定量する。NADPHを含むが、化合物を含まない反応によって、最高活性(100%)を画定する。各濃度の活性を最高活性の百分率(y軸)として表し、化合物の濃度(x軸)に対してプロットし、4パラメータロジスティックモデルを使用して、50%活性(IC
50)に対応する濃度を決定する。
【0189】
CYP19A1の阻害
本発明の化合物をCYP19A1阻害についても評価することができる(Kragie, L. et al., 2002, Endocrine Research, 28 (3), 129-140)。
本発明の代表的な化合物を上記のアッセイで活性について試験した。アルドステロン合成酵素阻害アッセイで、好ましい化合物はIC
50<1,000nMを有し、より好ましい化合物はIC
50<100nMを有する。好ましい化合物は、コルチゾール合成酵素(CYP11B1)阻害に優先して、アルドステロン合成酵素阻害に対する選択性が少なくとも100倍であり、CYP17A1およびCYP19A1に優先して、少なくとも500倍である。例として、表1の代表的な化合物のデータを表4に示す。個々の鏡像異性体のデータは、鏡像異性体AおよびBについて別個のエントリーで示されている。
【0191】
治療的使用方法
本発明によれば、式(I)の化合物を使用する新規方法が提供される。本明細書に開示される化合物は、アルドステロン合成酵素を効果的に阻害する。アルドステロン合成酵素の阻害は、アルドステロンのレベルを低下させることによって軽減することができる様々な疾患または病態の予防および治療を行うのに魅力的な手段である。したがって、化合物は、以下の病態および疾患を含む、背景技術の節に記載された疾患および病態の治療に有用である。
糖尿病性腎症を含む糖尿病性腎疾患;
糸球体硬化症、糸球体腎炎、IgA腎症、腎炎症候群および巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を含む非糖尿病性腎疾患;
高血圧、肺動脈性肺高血圧症、コーン症候群、収縮性心不全、拡張期心不全、左室機能不全、左室スティフネスおよび線維化、左室充満異常、動脈スティフネス、アテローム性動脈硬化および原発性または続発性アルドステロン症に関連する心血管病的状態を含む心血管疾患;
副腎皮質過形成ならびに原発性および続発性アルドステロン症。
【0192】
これらの障害はヒトにおいてよく特徴付けられているが、その他の哺乳類においても同様の病因で存在し、本発明の医薬組成物によって治療することができる。
【0193】
したがって、本明細書に記載される実施形態のいずれかに記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩は、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、糸球体腎炎、IgA腎症、腎炎症候群、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、高血圧、肺動脈性肺高血圧症、コーン症候群、収縮性心不全、拡張期心不全、左室機能不全、左室スティフネスおよび線維化、左室充満異常、動脈スティフネス、アテローム性動脈硬化および原発性または続発性アルドステロン症に関連する心血管病的状態、副腎皮質過形成ならびに原発性および続発性アルドステロン症を含む、アルドステロン合成酵素によって媒介される疾患または障害の治療薬の調製に使用することができる。
治療的使用では、本発明の化合物をいずれかの通常の医薬剤形の医薬組成物によりいずれかの通常の方式で投与することができる。通常の剤形は典型的には、選択される具体的な剤形に適した薬学的に許容される担体を含む。投与経路としては、静脈内、筋肉内、皮下、滑膜内、注入、舌下、経皮、経口、局所または吸入投与が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい投与様式は、経口および静脈内投与である。
【0194】
本発明の化合物は、単独で投与してもよいし、または阻害薬の安定性を高め、いくつかの実施形態におけるそれらを含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解性または分散性を高め、阻害活性を高め、補助療法を提供するなどの、他の活性成分を含むアジュバントと組み合わせて投与してもよい。一実施形態において、例えば本発明の複数の化合物を投与することができる。そのような組合せの療法では、通常の治療薬がより低用量で利用され、したがってそれらの薬剤が単独療法として使用されるときに被る起こり得る毒性および有害な副作用を回避することが有利である。本発明の化合物を通常の治療薬またはその他のアジュバントと物理的に組み合わせて、単一の医薬組成物にしてもよい。次いで、化合物を一緒に単一の剤形として投与できることが有利である。いくつかの実施形態において、そのような化合物の組合せを含む医薬組成物は、少なくとも約5%(w/w)であるが、より好ましくは少なくとも約20%(w/w)の式(I)の化合物またはそれらの組合せを含有する。本発明の化合物の最適百分率(w/w)は様々であってよく、当業者の権限の範囲内である。あるいは、本発明の化合物および通常の治療薬または他のアジュバントを別々に(連続的にまたは同時に)投与してもよい。別々の投与によって、用法において柔軟性を高めることが可能になる。
【0195】
上記のように、本発明の化合物の剤形は、当業者に公知であり、剤形に適した薬学的に許容される担体およびアジュバントを含むことができる。これらの担体およびアジュバントとしては、例えばイオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝物質、水、塩または電解質およびセルロースをベースにした物質が挙げられる。好ましい剤形としては、錠剤、カプセル剤、カプレット、液剤(liquid)、液剤(solution)、懸濁剤、乳剤、ロゼンジ、シロップ剤、再構成可能な散剤、顆粒剤、坐剤および経皮貼付剤が挙げられる。そのような剤形を調製する方法は公知である(例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger (1990)を参照のこと)。本発明の化合物の用量レベルおよび要件は、ある特定の患者に適した利用可能な方法および技法から当業者が選択することができる。いくつかの実施形態において、投与量レベルは70kgの患者では約1〜1000mg/1回の投与である。1日当たり1回の投与で十分であり得るが、1日当たり最大で5回の投与を行ってもよい。経口投与の場合、最高で2000mg/日が必要とされることがある。当業者が理解するように、特定の因子に応じて、より低量または高量の用量が必要とされることがある。例えば、特定の投与量および治療レジメンは、患者の全身健康プロファイル、患者の障害の重症度および経過またはその素因、ならびに担当医師の判断などの因子によって決まる。