(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、商品登録装置にて非会員として買上商品の登録を終えた会員でも、決済装置にて会員サービスを受けられるようにしたセミセルフタイプのチェックアウトシステムに係る実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム10の斜視図である。チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の商品登録装置11と、少なくとも1台の決済装置12とを含む。
図1においては、2台の商品登録装置11と4台の決済装置12とを含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11および決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意であり、商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。商品登録装置11および決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。
【0010】
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った、上記店舗の従業員21が、その操作者となる。決済装置12は、上記の店舗で販売する商品を購入する買物客22が、その操作者となる。ただし決済装置12は、従業員により操作される場合もある。
【0011】
商品登録装置11は、
図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路が形成される。
【0012】
商品登録装置11は、買上商品の登録処理、決済情報の生成、決済処理、ならびに決済情報の決済装置12への通知の各機能を備える。登録処理は、通路に進入してきた買物客が持参した商品を買上商品として登録する処理である。決済処理は、買上商品の商取引を決済するための処理である。決済情報は、決済処理に必要となる情報である。
【0013】
決済装置12は、商品登録装置11から決済情報が通知された場合に、当該決済情報に基づく決済処理を行う。
【0014】
図2は商品登録装置11および決済装置12のブロック図である。商品登録装置11および決済装置12は、いずれもネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。ネットワークは、LAN13に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いることもできる。あるいは商品登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。
【0015】
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11jおよび伝送システム11kを含む。
【0016】
CPU11a、ROM11b、RAM11cおよび補助記憶ユニット11dは、伝送システム11kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11bおよびRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0017】
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0018】
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0019】
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
【0020】
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、商品登録装置11が、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された商品登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
【0021】
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
【0022】
タッチパネル11gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0023】
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11hとしては、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどを利用できる。
【0024】
カードリーダライタ11iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。会員カードは、少なくともそのカードを所有する会員を識別するための情報を記録する。カードリーダライタ11iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
【0025】
通信ユニット11jは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の商品登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
【0026】
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11iおよび通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0027】
このような商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0028】
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12jおよび伝送システム12kを含む。
【0029】
CPU12a、ROM12b、RAM12cおよび補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。
【0030】
CPU12aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU12aは、ROM12bおよびRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0031】
ROM12bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM12bは、上記ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12bは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0032】
RAM12cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0033】
補助記憶ユニット12dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット12dは、CPU12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU12aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット12dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
【0034】
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、決済装置12が、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
【0035】
自動釣銭機12eは、投入される硬貨および紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨および紙幣を排出する。
【0036】
スキャナ12fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ12fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ12fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ12fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ12fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
【0037】
タッチパネル12gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU12aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0038】
プリンタ12hは、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタとしては、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどを利用できる。
【0039】
カードリーダライタ12iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。会員カードは、少なくともそのカードを所有する会員を識別するための情報を記録する。カードリーダライタ12iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
【0040】
通信ユニット12jは、LAN13を介して接続される複数の商品登録装置11とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の決済装置12とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
【0041】
伝送システム12kは、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12iおよび通信ユニット12jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム12kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0042】
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフPOS端末を利用することが可能である。
【0043】
上記の如く構成された商品登録装置11と決済装置12とを含むチェックアウトシステム10は、
図3に示すデータテーブル31、32、33および34を、商品登録装置11および決済装置12のRAM11c、12cにそれぞれ形成する。
【0044】
データテーブル31は、会員に関する情報として、会員フラグ、会員番号および累積ポイントを格納する領域である。会員フラグは、デフォルトが“0”であり、会員による商取引のとき“1”にセットされる。会員番号は、各会員を個々に識別するために会員毎に割り当てられた固有の番号である。会員番号は、各会員がそれぞれ所有する会員カードに記述されている。カードリーダライタ11i、12iによって会員カードから読み取られた会員番号が、データテーブル31に格納される。
【0045】
累積ポイントは、会員番号で特定される会員に対して付与された特典ポイントの累積値である。チェックアウトシステム10は、図示しないが、LAN13を介してデータベースサーバを接続する。このデータベースサーバには、会員番号別に特典ポイントを累積するための会員データベースがある。カードリーダライタ11i、12iによって会員カードから会員番号が読み取られると、商品登録装置11または決済装置12のCPU11a、12aは、その会員番号でデータベースサーバに累積ポイントを問い合わせる。この問合せを受けたデータベースサーバは、会員データベースにアクセスして、会員データベースから当該会員番号に関連付けられた特典ポイントの累積値(累積ポイント)を読出し、LAN13を介して商品登録装置11または決済装置12に通知する。商品登録装置11または決済装置12のCPU11a、12aは、データベースサーバから通知された累積ポイントをデータテーブル31に格納する。
【0046】
このようなデータテーブル31は、会員テーブルと称される。以下、商品登録装置11のものを会員テーブル31aで表わし、決済装置12のものを会員テーブル31bで表わす。
【0047】
データテーブル32は、商品コード、商品名、標準単価、会員単価、個数および金額の各データを含むレコードを複数格納する領域である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表される商品コードが付されている。商品名、標準単価および会員単価は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の名称および1点当たりの価格である。そして標準単価は、非会員に対して当該商品を販売するときの価格であり、会員単価は、会員に対して当該商品を販売するときの価格である。通常、会員価格は標準価格よりも安価である。個数および金額は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の販売データ、すなわち販売個数とその個数分の販売金額である。
【0048】
前述したデータベースサーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、通常単価、会員単価等の商品情報を設定するための商品データベースがある。商品登録装置11または決済装置12において、商品コードが取得されると、CPU11a、12aは、その商品コードでデータベースサーバに商品情報を問い合わせる。この問合せを受けたデータベースサーバは、商品データベースにアクセスして、商品データベースから当該商品コードに関連付けられた商品情報を読出し、LAN13を介して商品登録装置11または決済装置12に通知する。商品登録装置11または決済装置12のCPU11a、12aは、データベースサーバから通知された商品情報をデータテーブル32に格納する。
【0049】
このようなデータテーブル32は、登録商品テーブルと称される。以下、商品登録装置11のものを登録商品テーブル32aで表わし、決済装置12のものを登録商品テーブル32bで表わす。
【0050】
データテーブル33は、合計個数と合計金額とを格納する領域である。合計個数は、登録商品テーブル32に格納された各レコードの個数の合計である。合計金額は、登録商品テーブル32に格納された各レコードの金額の合計である。
【0051】
このようなデータテーブル33は、合計テーブルと称される。以下、商品登録装置11のものを合計テーブル33aで表わし、決済装置12のものを合計テーブル33bで表わす。
【0052】
データテーブル34は、支払い種別に関連付けて支払い金額を格納する領域である。支払い種別は、買上商品の商取引を決済する際の代金支払い方法を識別する情報である。代金支払い方法には、現金支払い、クレジット支払い、電子マネー支払い等がある。また、会員だけの支払い方法として、累積ポイントを金銭的価値に換算して支払う、いわゆるポイント支払いが可能である。支払い種別は、上述した現金支払い、クレジット支払い、商品券などの金券支払い、電子マネー支払い、ポイント支払い等を識別するための情報である。支払い金額は、関連付けされた支払い種別によって特定される支払い方法によって支払われた金額である。
【0053】
このようなデータテーブル34は、支払いテーブルと称される。以下、商品登録装置11のものを支払いテーブル34aで表わし、決済装置12のものを支払いテーブル34bで表わす。
【0054】
図4〜
図5は、商品登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。
図6〜
図9は、その制御処理によって商品登録装置11のタッチパネル11gに表示される種々の画面例を示す模式図である。
図10は、決済装置12のCPU12aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。
図11〜
図12は、その制御処理によって決済装置12のタッチパネル12gに表示される種々の画面例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0055】
はじめに、商品登録装置11の動作について説明する。
商品登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、
図4の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ずCPU11aは、データテーブル31a〜34aをクリアする(Act1)。次いでCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部にカード問合せ画面SC1(
図6を参照)を表示させて、会員カードの入力を受け付ける(Act2:カード受付手段)。
【0056】
カード問合せ画面SC1は、
図6に示すように、表示エリアR1、R2およびボタンB1、B2を含む。表示エリアR1は、会員カードの有無を問い合わせるメッセージを表示する。表示エリアR2は、使用可能な会員カードの画像を表示する。ボタンB1は、表示エリアR2に表示された会員カードを所持する買物客22との商取引であることを従業員21が指定するためのものである。ボタンB1は、表示エリアR2に表示された会員カードを所持しない買物客22との商取引であることを指定するためのものである。
【0057】
本実施形態において、商品を会員単価で購入できる会員サービスは、会員カードを所持する会員に対してのみ適用される。したがって、たとえ会員であっても会員カードを忘れた場合には、会員サービスを受けることができず、商品を通常単価で購入せざるを得ない。
【0058】
そこでカード問合せ画面SC1を確認した従業員21は、買上商品の登録を申し出た買物客22に対して、会員カードの有無を問い合わせる。そして、買物客22が会員コードを提示した場合、従業員21は、ボタンB1にタッチするとともにその会員カードのデータをカードリーダライタ11iによって読み取らせる。これに対し、買物客22が会員コードを提示しなかった場合には、従業員21は、ボタンB2にタッチする。
【0059】
カード問合せ画面SC1を表示させた後、CPU11aは、ボタンB1またはB2のいずれかがタッチされるのを待ち受ける(Act3)。ボタンB1がタッチされたことを検知した場合、CPU11aは、会員による商取引であると判定する(Act3にてYES)。この場合、CPU11aは、会員テーブル31aの会員フラグを“1”にセットする(Act4)。またCPU11aは、会員番号と累積ポイントとを会員テーブル31aに登録する(Act5)。会員番号は、カードリーダライタ11iによって会員カードから読み取られた情報である。累積ポイントは、その会員番号に関連付けられて会員データベースに保存されている情報である。なお、Act4とAct5との処理手順は、実施形態に限定されるものではない。前後が逆であってもよい。
【0060】
ボタンB1でなくボタンB2がタッチされたことを検知した場合、CPU11aは、非会員による商取引であると判定する(Act3にてNO)。この場合、CPU11aは、Act4およびAct5の処理を実行しない。
【0061】
Act4およびAct5の処理を終えるか、非会員による商取引であると判定すると、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に登録画面SC2(
図7を参照)を表示させる(Act6)。
【0062】
登録画面SC2は、登録商品テーブル32aおよび合計テーブル33aの内容を表し、登録処理の実施状況を従業員21に確認させるものである。登録画面SC2の一例を
図7に示す。登録画面SC2は、表示エリアR3、R4を含む。表示エリアR3は、最も新しく買上登録がなされた商品に関する商品名、個数および単価と、その商品を登録した後の買上商品の合計個数および合計金額とを表示する。表示エリアR4は、登録画面SC2に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品に関する商品名、個数、単価および金額のリストを表示する。
【0063】
なお、図示は省略するが、CPU11aは、タッチパネル11gの画面のうちの登録画面SC2とする領域外に、従業員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示する。
【0064】
カード問合せ画面SC1から登録画面SC2に切り替わったことを確認した従業員21は、例えばスキャナ11fや商品ボタンを操作して、買物客22が買い上げる商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、従業員21は、小計ボタンにタッチする。
【0065】
登録画面SC2を表示させたCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されるのを待ち受ける(Act7)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して入力された商品コードを取得すると(Act7にてYES)、CPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、通常単価、会員単価等の商品情報を検出する(Act8)。またCPU11aは、会員テーブル31aの会員フラグが“1”にセットされているか否かを確認する(Act9)。
【0066】
会員フラグが“1”にセットされていない場合(Act9にてNO)、CPU11aは、商品情報から通常単価を選択する(Act10)。会員フラグが“1”にセットされていた場合には(Act9にてYES)、CPU11aは、商品情報から会員単価を選択する(Act11)。
【0067】
通常単価または会員単価を選択すると、CPU11aは、この通常単価または会員単価に販売個数を乗算して販売金額を算出する。そしてCPU11aは、商品コード、商品名、通常単価、会員単価、販売個数および販売金額を含む商品販売データを1レコードとして、登録商品テーブル32aに登録する(Act12:登録手段)。またCPU11aは、販売個数および販売金額を合計テーブル33aに加算する。そしてCPU11aは、登録商品テーブル32aおよび合計テーブル33aの内容に準じるように、登録画面SC2を更新する(Act13)。
【0068】
登録画面SC2を更新した後、CPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する(Act14)。商品コードが取得されていない場合(Act14にてNO)、CPU11aは、小計ボタンがタッチされたか否かを確認する(Act15)。小計ボタンがタッチされていない場合(Act15にてNO)、CPU11aは、再び商品コードが取得されたか否かを確認する(Act14)。したがってCPU11aは、Act14およびAct15として、商品コードが取得されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。
【0069】
Act14およびAct15の待ち受け状態において、商品コードが取得されると(Act14にてYES)、CPU11aは、Act8の処理に戻る。そしてCPU11aは、それ以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0070】
Act14およびAct15の待ち受け状態において、小計ボタンがタッチされたならば(Act15にてYES)、CPU11aは、
図5中のAct16の処理へと進む。すなわちCPU11aは、この時点における会員テーブル31a、登録商品テーブル32aおよび合計テーブル33aの内容に基づいて決済情報を生成する(Act16:生成手段)。そしてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に転送先選択画面SC3(
図8を参照)を表示させる(Act17)。
【0071】
決済情報は、登録商品の商品名、通常単価、会員単価、販売個数および販売金額のリストと、買上商品の合計個数および合計金額と、会員フラグ、会員番号および累積ポイントとを含む。したがって、会員による商取引であった場合、決済情報は、会員カードの入力を受け付けたことを示す状態“1”の会員フラグを含む。また決済情報は、その会員カードの入力を受け付けたことによって取得された会員番号および累積ポイントも含む。一方、非会員による商取引であった場合には、決済情報は、会員カードの入力を受け付けなかったことを示す状態“0”の会員フラグを含む。
【0072】
転送先選択画面SC3の一例を
図8に示す。転送先選択画面SC3は、表示エリアR5、R6、R7、R8、R9、R10およびボタンB3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10を含む。
【0073】
表示エリアR5は、合計テーブル33aの合計個数および合計金額を表示する。表示エリアR6は、種々のメッセージを表示する。ボタンB3、B4は、合計金額に対して値引きを適用することを従業員21が指定するためのものである。ボタンB5は、買上商品の代金の支払い方法として商品券などの金券が用いられることを従業員21が指定するためのものである。ボタンB6は、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC2に戻すことを従業員21が指定するためのものである。
【0074】
表示エリアR7〜R10は、4つの決済装置12のそれぞれへの決済情報の転送の可否をそれぞれ表示する。ボタンB7〜B10は、4つの決済装置12のそれぞれへの決済情報の転送を従業員21が指定するためのものである。決済装置12は、決済処理の実行中においては決済情報の転送を受け付けていない。このような状態にある決済装置12に関連付けられた表示エリアR7〜R10には、「転送不可」と表示される。逆に、決済情報の転送を受け付けている決済装置12に関連付けられた表示エリアR7〜R10には、「転送可能」と表示される。なお、ボタンB7〜B10は、関連付けられている決済装置12が決済情報の転送を受け付けているか否かに応じて表示形態を異ならせてもよい。若しくは、関連付けられている決済装置12が決済情報の転送を受け付けていない場合には、ボタンB7〜B10を非表示としてもよい。
【0075】
転送先選択画面SC3を表示させると、CPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する(Act18)。商品コードが取得されない場合(Act18にてNO)、CPU11aは、金券による支払いが指定されたか否かを確認する(Act19)。金券による支払いが指定されない場合(Act19にてNO)、CPU11aは、決済情報の転送先とする決済装置12が指定されたか否かを確認する(Act20)。決済装置12が指定されない場合(Act20にてNO)、CPU11aは、再び、商品コードが取得されたか否かを確認する(Act18)。したがってCPU11aは、Act18乃至Act20として、商品コードが取得されるか、金券による支払いが指定されるか、決済装置12が指定されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。例えば、ボタンB3、B4のいずれかが従業員21によりタッチされると、CPU11aは、決済情報に含まれる合計金額を、その後の従業員21による指示に応じて変更する。
【0076】
Act18乃至Act20の待ち受け状態において、商品コードを取得すると(Act18にてYES)、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC2に戻す(Act21)。その後、CPU11aは、
図4中のAct8の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
【0077】
Act18乃至Act20の待ち受け状態において、ボタンB5が従業員21によりタッチされると、CPU11aは、金券による代金支払いが指定されたとみなす(Act19にてYES)。CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に金券情報入力画面を表示させる(Act22)。金券情報入力画面は、代金支払いに使用される金券の額面金額と枚数との入力を従業員21に促す画面である。金券情報入力画面を確認した従業員21は、その画面に従い、例えばタッチパネル11gを操作して、買物客22が支払う金券の額面金額と枚数とを入力する。
【0078】
金券情報入力画面を表示させると、CPU11aは、金券情報が入力されるのを待機する(Act23)。金券情報として金券の額面金額と枚数とが入力されると(Act23にてYES)、CPU11aは、その額面金額と枚数とを基に金券による支払い金額を算出する。そしてCPU11aは、この支払い金額を、金券支払いを示す支払い種別に関連付けて支払いテーブル34aに登録する(Act24)。またCPU11aは、支払いテーブル34aに登録された金券支払い情報を含むように決済情報を編集する(Act25)。
【0079】
次いでCPU11aは、決済情報の転送先となる決済装置12を指定することを従業員21に通知するためのメッセージを、転送先選択画面SC3の一部、例えば表示エリアR6に表示させる(Act26)。そしてCPU21は、決済装置12が指定されるのを待ち受ける(Act27)。
【0080】
Act18乃至Act20の待ち受け状態、若しくはAct27の待ち受け状態において、転送先選択画面SC3のボタンB7〜B10のいずれかが従業員21によりタッチされると、CPU11aは、決済装置12が指定されたとみなす。決済装置12が指定されると(Act20またはAct27にてYES)、CPU11aは、指定された決済装置12に対して決済情報を送信する(Act28:送信手段)。具体的にはCPU11aは、指定された決済装置12を宛先として決済情報をLAN13へと送信するように通信ユニット11jを制御する。これにより、決済情報がLAN13を介して決済装置12へと送信される。
【0081】
決済情報を送信すると、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、報知画面SC4(
図9を参照)を表示させる(Act29)。報知画面SC4の一例を
図9に示す。報知画面SC4は、表示エリアR11、R12およびボタンB11を含む。
【0082】
表示エリアR11は、セミセルフによる決済が選択されたことを従業員21に認識させるための画像を表示する。なお、セミセルフによる決済とは、買物客22による操作に応じて決済装置12において決済処理を実行する決済形態である。表示エリアR12は、決済情報に含まれる合計個数および合計金額を表すとともに、そのような内容を含んだ決済情報を4つの決済装置12のいずれに転送したかを表示する。ボタンB11は、報知画面SC4を閉じることを従業員21が指示するためのものである。CPU11aは、ボタンB11がタッチされたことに応じて、
図4中のAct1の処理へと戻り、それ以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0083】
なお、決済情報の転送を受け付けていない決済装置12に関連付けられたボタンB7〜B10がタッチされた場合には、CPU11aは、Act20またはAct27にてYesとは判定しない。かくしてCPU11aは、決済情報の転送を受け付けない決済装置12の指定は受け付けない。したがって、決済装置12の全てが、動作の停止状態とされるか、決済情報の転送を受け付けない動作状態とされているならば、CPU11aは、決済装置12の指定を待ち受けない。
【0084】
報知画面SC4を確認した従業員21は、各決済装置12のうち、表示エリアR12に表示された決済装置12にて決済を行うべきことを買物客22に対して告知する。この告知を受けた買物客22は、指定された決済装置12へと移動し、決済のための操作を行う。
【0085】
そこで次に、決済装置12の動作について説明する。
決済装置12が起動されると、CPU12aは、
図10の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ずCPU12aは、タッチパネル12gの画面を待機画面とする(Act31)。待機画面は、決済処理を行う状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、決済処理を行うことができないことを表すメッセージを表すものや、スクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示するものとすることが想定される。タッチパネル12gの画面を待機画面とした後、CPU12aは、決済情報を受信するのを待ち受ける(Act32)。
【0086】
前述したように商品登録装置11のCPU11aは、
図5のAct28の処理において、通信ユニット11jからLAN13へと決済情報を送信する。この決済情報は、宛先となっている決済装置12に設けられた通信ユニット12jにて受信される(受信手段)。
【0087】
決済情報を受信すると(Act32にてYES)、CPU12aは、その決済情報を、会員テーブル31b、登録商品テーブル32b、合計テーブル33bおよび支払いテーブル34bに展開する(Act33)。
【0088】
すなわち、決済情報に含まれる会員フラグが“0”の場合、CPU12aは、その会員フラグを会員テーブル31bに格納する。決済情報に含まれる会員フラグが“1”の場合、CPU12aは、その会員フラグとともに決済情報に含まれる会員番号と累積ポイントとを会員テーブル31bに格納する。
【0089】
CPU12aは、決済情報に含まれる登録商品の商品名、通常単価、会員単価、販売個数および販売金額のリストを、登録商品テーブル32bに格納する。またCPU12aは、決済情報に含まれる買上商品の合計個数および合計金額を、合計テーブル33bに格納する。さらにCPU12aは、決済情報に金券支払い情報が含まれる場合、その金券支払い情報を構成する支払い種別と支払い金額とを支払いテーブル34bに格納する。
【0090】
次にCPU12aは、会員テーブル31bに格納された会員フラグを調べる。すなわちCPU12aは、受信した決済情報が、商品登録装置11にて会員カードが提示され、会員の商取引として処理された情報であるか否かを判定する(Act34:判定手段)。会員フラグが“1”の場合、受信した決済情報は、会員の商取引として処理された情報である。この場合(Act34にてYES)、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に第1の決済画面SC5(
図11を参照)を表示させる(Act40:選択表示手段)。第1の決済画面SC5の詳細については、後述する。
【0091】
一方、会員フラグが“0”の場合、受信した決済情報は、非会員の商取引として処理された情報である。この場合(Act34にてNO)、CPU12aは、支払いテーブル34bに金券支払い情報が格納されているか否かを確認する(Act35)。支払いテーブル34bに金券支払い情報が格納されていない場合、商品登録装置11にて決済が行われていない。この場合(Act35にてNO)、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部にカード問合せ画面SC1を表示させて、会員カードの入力を受け付ける(Act36:確認表示手段)。なお、カード問合せ画面SC1は、商品登録装置11において、Act2の処理で表示されるカード問合せ画面SC1と同一である。このため、ここでの説明は省略する。
【0092】
カード問合せ画面SC1を確認した買物客22は、会員カードの有無を再度確認する。そして会員カードを所持していない場合、買物客22は、ボタンB2にタッチする。これに対し、買上商品の登録時には見つからなかった会員カードを探し出した場合には、買物客22は、ボタンB1にタッチするとともにその会員カードのデータをカードリーダライタ12iによって読み取らせる。
【0093】
カード問合せ画面SC1を表示させた後、CPU12aは、ボタンB1またはB2のいずれかがタッチされるのを待ち受ける(Act37)。そしてボタンB2がタッチされたことを検知した場合(Act37にてNO)、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に第2の決済画面SC6(
図12を参照)を表示させる(Act41:選択表示手段)。第2の決済画面SC6の詳細については、後述する。
【0094】
これに対し、ボタンB1がタッチされたことを検知した場合には(Act37にてYES)、CPU12aは、会員テーブル31bの会員フラグを“1”に書き換える。またCPU12aは、会員番号と累積ポイントとを会員テーブル31bに登録する(Act38)。会員番号は、カードリーダライタ12iによって会員カードから読み取られた情報である。累積ポイントは、その会員番号に関連付けられて会員データベースに保存されている情報である。
【0095】
次いでCPU12aは、登録商品テーブル32bに格納されたレコード毎に、金額のデータを、そのレコードの会員価格に個数を乗算した値に書き換える。また、合計テーブル33bの金額合計のデータを、登録商品テーブル32bに格納された全レコードの金額の合算値に書き換える(Act39:更新手段)。その後、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に第1の決済画面SC5(
図11を参照)を表示させる(Act40:選択表示手段)。
【0096】
第1の決済画面SC5の一例を
図11に示し、第2の決済画面SC6の一例を
図12に示す。第1の決済画面SC5は、表示エリアR21、R22、R23およびボタンB21を含む。第2の決済画面SC6は、表示エリアR31、R32およびボタンB31を含む。
【0097】
表示エリアR21および表示エリアR31は、いずれも支払い方法の選択ボタンB41、B42、B43を表示する。表示エリアR22および表示エリアR32は、いずれも合計テーブル33bの合計個数と合計金額とを表示する。表示エリアR23は、会員テーブル31bの累積ポイントを表示する。ボタンB21およびボタンB31は、いずれも従業員21を呼び出すことを買物客22が指定するためのものである。
【0098】
ボタンB21またはボタンB31がタッチされた場合、決済装置12から決済情報送信元の商品登録装置11に対して、LAN13経由で呼出信号が送信される。この呼出信号を受信した商品登録装置11においては、例えばタッチパネル11gに呼出勧告画面が表示される。この呼出勧告画面には、呼出信号送信元の決済装置12を示す情報が表示される。したがって従業員21は、該当する決済装置12を操作する買物客から呼び出しを受けたことを容易に知り得る。
【0099】
選択ボタンB41は、現金支払いを選択する買物客22がタッチするためのものである。選択ボタンB42は、クレジット支払いを選択する買物客22がタッチするためのものである。選択ボタンB43は、ポイント支払いを選択する買物客22がタッチするためのものである。ただし、第2の決済画面SC6においては、選択ボタンB43はグレースケールで表示されており、買物客22は、タッチすることができない。すなわち第1の決済画面SC5は、現金支払い、クレジット支払いおよびポイント支払いの中からいずれかの支払い方法を買物客22が選択するための画面である。第2の決済画面SC6は、現金支払いおよびクレジット支払いのいずれかの支払い方法を買物客22が選択するための画面であり、選択ボタンB43は表示されているもののポイント支払いは選択できない。
【0100】
第1の決済画面SC5または第2の決済画面SC6を確認した買物客22は、表示エリアR21または表示エリアR31に表示される支払い方法の中からいずれか1つの方法を選択し、該当する選択ボタンB41、B42またはB43にタッチする。そして、その選択した支払い方法による代金支払い操作を決済装置12に対して行う。
【0101】
第1の決済画面SC5または第2の決済画面SC6を表示させたCPU12aは、選択ボタンB41、B42またはB43がタッチされるのを待ち受ける(Act42)。選択ボタンB41、B42またはB43がタッチされると(Act42にてYES)、CPU12aは、そのタッチされた選択ボタンB41、B42またはB43に対応する支払い方法が選択されたとみなす。CPU12aは、その選択された支払い方法による決済処理を実行する(Act43:処理手段)。すなわち、選択ボタンB41がタッチされた場合には、CPU12aは、現金支払いに対する決済処理を実行する。選択ボタンB42がタッチされた場合には、CPU12aは、クレジット支払いに対する決済処理を実行する。選択ボタンB43がタッチされた場合には、CPU12aは、会員テーブル31bの累積ポイントを使用したポイント支払いに対する決済処理を実行する。
【0102】
これらの決済処理は、いずれも周知の処理なので、詳細な説明は省略する。因みに、会員フラグが“1”にセットされた会員取引であった場合、この決済処理において、例えば金額合計に応じてサービスポイントが算出される。このサービスポイントは、会員テーブル31bの会員番号とともにデータベースサーバに送信されて、会員データベースにて会員別に累積される。
【0103】
決済処理を終えると、CPU12aは、プリンタ12hを動作させて、レシートを発行する(Act44)。そしてレシートを発行した後、CPU12aは、Act31の処理へと戻り、それ以降の処理を前述と同様に繰り返す。
【0104】
このように、チェックアウトシステム10では、商品登録装置11から決済装置12に非会員による商取引の決済情報が転送されると、決済装置12のタッチパネル12gにカード問合せ画面SC1が表示される。したがって、会員コードが見つからなかったために商品登録装置11では非会員として買上商品の登録を終えた買物客22でも、決済装置12にて決済を行う前に会員カードの有無を再確認することになる。そして会員カードを見つけた場合、買物客22は、カード問合せ画面SC1のボタンB1にタッチするとともにその会員カードのデータをカードリーダライタ12iで読み取らせる。そうすると、決済装置12においては、各買上商品の単価が通常単価から会員単価に変更されて、買上金額の再計算が行われる。すなわち、非会員による商取引の決済情報が、会員による商取引の決済情報に変更される。したがって、商品登録装置にて非会員として買上商品の登録を終えた買物客22でも、決済装置12にて会員価格で購入できる会員サービス及びポイント付与の会員サービスを受けることができる。
【0105】
また、チェックアウトシステム10では、会員による商取引の決済情報を決済装置12が受信した場合、決済装置1のタッチパネル12gに第1の決済画面SC5が表示される。また、非会員による商取引の決済情報を決済装置12が受信した場合であっても、カード問合せ画面SC1において会員カード有りを示す操作がなされた場合には、第1の決済画面SC5が表示される。これに対し、カード問合せ画面SC1において会員カード無しを示す操作がなされた場合には、第2の決済画面SC6が表示される。また、金券支払い情報を含む非会員の決済情報を受信した場合も、第2の決済画面SC6が表示される。
【0106】
第1の決済画面SC5は支払い方法としてポイント支払いを選択することができるが、第2の決済画面SC6は選択することができない。第1の決済画面SC5が表示されるのは、会員による商取引が成立した場合である。会員による商取引については、ポイント支払いが可能である。したがって、会員である買物客22は、代金支払い方法としてポイント支払いを選択することができる。換言すれば、非会員である買物客22が誤ってポイント支払いを選択してしまうことはない。
【0107】
その一方で、第2の決済画面SC6には、ポイント支払いを選択するためのボタンB43が選択不可能なグレースケールの態様で表示されている。したがって、非会員の買物客に対して、会員になるとポイント支払いができることを強くアピールすることができる。
【0108】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、決済画面で選択できる支払い方法を現金支払い、クレジット支払いおよびポイント支払いの3種類としている。しかし、それ以外の支払い方法、例えば電子マネー支払い等を加えて4種類以上としてもよい。あるいは、クレジット支払いを除いて現金支払いとポイント支払いの2種類としてもよい。また、ポイントを支払いに適用しない会員サービス運用の場合には、例えば第2の決済画面SC2だけの1パターンとすればよい。
【0109】
また前記実施形態では、商品登録装置11にて表示されるカード問合せ画面SC1と決済装置12にて表示されるカード問合せ画面SC1とを同一画面として説明している。しかし、必ずしも同一画面である必要はない。要は、買物客22に対して会員カードの有無を問合せ、その結果を指定できる態様であればよい。
【0110】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ネットワークを介して接続された商品登録装置とともにチェックアウトシステムを構成する決済装置であって、前記商品登録装置で登録された買上商品の商取引を決済するための決済情報を、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記決済情報が、前記商品登録装置にて会員カードを使用する商取引として処理された情報であるか否かを判定する判定手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されていない情報であるとき、前記会員カードの有無を当該商取引対象の客に問い合わせて有無の入力を受け付ける画面を表示デバイスに表示させる確認表示手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されている情報であるとき、または前記会員カードの有無の入力を受け付けたことに応じて、複数の決済方法の中からいずれの方法を採用するかの選択入力を受け付ける画面を前記表示デバイスに表示させる選択表示手段と、前記選択入力を受け付けた決済方法による決済処理を前記受信手段により受信した決済情報に対して行う処理手段と、を具備したことを特徴とする決済装置。
[2]前記選択表示手段は、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されている情報であるとき、または前記会員カード有りの入力を受け付けたときには、前記会員カードによる支払い方法を含む複数の決済方法の中からいずれの方法を採用するかの選択入力を受け付ける第1の画面を前記表示デバイスに表示させ、前記会員カード有りの入力を受け付けたときには、前記会員カードによる支払い方法を含まない複数の決済方法の中からいずれの方法を採用するかの選択入力を受け付ける第2の画面を前記表示デバイスに表示させることを特徴とする付記[1]記載の決済装置。
[3]前記第2の画面は、前記会員カードによる支払い方法を選択不可能な態様で表示した画面であることを特徴とする付記[2]記載の決済装置。
[4]前記会員カード有りの入力を受け付けたとき、前記受信手段により受信した決済情報を、前記会員カードを使用する商取引として処理された情報に更新する更新手段、をさらに具備し、前記処理手段は、前記選択入力を受け付けた決済方法による決済処理を前記更新手段により更新された決済情報に対して行うことを特徴とする付記[1]乃至[3]のうちいずれか1記載の決済装置。
[5]少なくとも1台の商品登録装置と少なくとも1台の決済装置とをネットワークで接続してなるチェックアウトシステムにおいて、前記商品登録装置は、会員カードの入力を受け付けるカード受付手段と、買上商品を特定する商品コードを取得し、前記買上商品の販売データを登録する登録手段と、登録終了が指示されるまでの登録期間中に前記登録手段によって登録された前記買上商品の販売データに基づき、前記買上商品の商取引を決済するための決済情報を、前記会員カードの入力を受け付けたか否かを識別する情報とともに生成する生成手段と、前記決済情報を前記ネットワークを介して前記決済装置に送信する送信手段と、を具備し、前記決済装置は、前記商品登録装置で登録された買上商品の商取引を決済するための決済情報を、前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記決済情報が、前記商品登録装置にて会員カードを使用する商取引として処理された情報であるか否かを、前記会員カードの入力を受け付けたか否かを識別する情報に基づいて判定する判定手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されていない情報であるとき、前記会員カードの有無を当該商取引対象の客に問い合わせて有無の入力を受け付ける画面を表示デバイスに表示させる確認表示手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されている情報であるとき、または前記会員カードの有無の入力を受け付けたことに応じて、複数の決済方法の中からいずれの方法を採用するかの選択入力を受け付ける画面を前記表示デバイスに表示させる選択表示手段と、前記選択入力を受け付けた決済方法による決済処理を前記受信手段により受信した決済情報に対して行う処理手段と、を具備したことを特徴とするチェックアウトシステム。
[6]商品登録装置とともにチェックアウトシステムを構成し、前記商品登録装置で登録された買上商品の商取引を決済するための決済情報を受信する決済装置のコンピュータを、前記決済情報が前記商品登録装置にて会員カードを使用する商取引として処理された情報であるか否かを判定する判定手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されていない情報であるとき、前記会員カードの有無を当該商取引対象の客に問い合わせて有無の入力を受け付ける画面を表示デバイスに表示させる確認表示手段と、前記決済情報が前記会員カードを使用する商取引として処理されている情報であるとき、または前記会員カードの有無の入力を受け付けたことに応じて、複数の決済方法の中からいずれの方法を採用するかの選択入力を受け付ける画面を前記表示デバイスに表示させる選択表示手段と、前記選択入力を受け付けた決済方法による決済処理を前記決済情報に対して行う処理手段と、して機能させるための制御プログラム。