特許第6251421号(P6251421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6251421走行軌道作成装置、方法及びプログラム、並びに、運転支援装置及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251421
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】走行軌道作成装置、方法及びプログラム、並びに、運転支援装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/12 20060101AFI20171211BHJP
   B60W 40/072 20120101ALI20171211BHJP
   B60W 40/114 20120101ALI20171211BHJP
   B60W 50/14 20120101ALI20171211BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20171211BHJP
   G08G 1/137 20060101ALI20171211BHJP
   B62D 6/00 20060101ALN20171211BHJP
【FI】
   B60W30/12ZJT
   B60W40/072
   B60W40/114
   B60W50/14
   G08G1/16 C
   G08G1/137
   !B62D6/00
【請求項の数】14
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-570363(P2016-570363)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(86)【国際出願番号】JP2016073641
(87)【国際公開番号】WO2017033752
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-167240(P2015-167240)
(32)【優先日】2015年8月26日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599143416
【氏名又は名称】株式会社 三英技研
【住所又は居所】広島県広島市中区上幟町3−26
(73)【特許権者】
【識別番号】593154436
【氏名又は名称】アイサンテクノロジー株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦3丁目7番14号 ATビル
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目24番20号
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 真
【住所又は居所】広島県広島市中区上幟町3−26 株式会社三英技研内
(72)【発明者】
【氏名】大崎 新太郎
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目24番20号 株式会社トヨタマップマスター内
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 哲二
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦3丁目7番14号ATビル アイサンテクノロジー株式会社内
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−074425(JP,A)
【文献】 特開2014−142235(JP,A)
【文献】 特開2012−066778(JP,A)
【文献】 特開2003−337993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00〜10/30
B60W 30/00〜50/16
G01C 21/00〜21/36
G01C 23/00〜25/00
B62D 6/00〜 6/10
G08G 1/00〜 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進入直線部と、前記進入直線部に引き続く円弧部と、前記円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成する走行軌道作成装置であって、
前記車両が前記道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、前記進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、前記円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、
前記波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、前記波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、前記波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、
前記波形に基づいて、前記走行軌道を作成する走行軌道作成部と、
を備えることを特徴とする走行軌道作成装置。
【請求項2】
前記第1曲線部、前記第2曲線部、前記第3曲線部及び前記第4曲線部は、2次曲線であることを特徴とする請求項1に記載の走行軌道作成装置。
【請求項3】
前記第1曲線部、前記第2曲線部、前記第3曲線部及び前記第4曲線部は、双曲線正接関数曲線又はシグモイド関数曲線であることを特徴とする請求項1に記載の走行軌道作成装置。
【請求項4】
前記第2変更部は、
前記第1曲線部と前記第2曲線部とを直結し、前記第3曲線部と前記第4曲線部とを直結することを特徴とする請求項3に記載の走行軌道作成装置。
【請求項5】
前記第1変更部は、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の中点が前記第1エッジ部及び前記第2エッジ部に夫々重なるように、前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部を設けることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の走行軌道作成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の走行軌道作成装置と、
画像を表示する表示部と、
前記走行軌道を前記表示部に表示させる走行軌道表示部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の走行軌道作成装置と、
前記車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、
前記車両が前記走行軌道を走行するように、前記アクチュエータを動作させることで前記ステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
前記走行軌道を記録媒体に書き込む記録媒体書込部を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の走行軌道作成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の走行軌道作成装置によって前記記録媒体に記録された前記走行軌道を読み取る記録媒体読取部と、
画像を表示する表示部と、
前記走行軌道を前記表示部に表示させる走行軌道表示部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項10】
請求項8に記載の走行軌道作成装置によって前記記録媒体に記録された前記走行軌道を読み取る記録媒体読取部と、
前記車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、
前記車両が前記走行軌道を走行するように、前記アクチュエータを動作させることで前記ステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項11】
車両に搭載された運転支援装置と、前記運転支援装置と通信する走行軌道作成装置と、を備える運転支援システムであって、
前記走行軌道作成装置は、
前記車両の現在地を前記運転支援装置から受信する現在地受信部と、
前記車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、前記進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、前記円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、
前記波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、前記波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、前記波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、
前記波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成部と、
前記走行軌道を前記運転支援装置に送信する走行軌道送信部と、
を備え、
前記運転支援装置は、
画像を表示する表示部と、
前記走行軌道を前記走行軌道作成装置から受信する走行軌道受信部と、
前記走行軌道を前記表示部に表示させる走行軌道表示部と、
を備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項12】
車両に搭載された運転支援装置と、前記運転支援装置と通信する走行軌道作成装置と、を備える運転支援システムであって、
前記走行軌道作成装置は、
前記車両の現在地を前記運転支援装置から受信する現在地受信部と、
前記車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、前記進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、前記円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、
前記波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、前記波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、前記波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、
前記波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成部と、
前記走行軌道を前記運転支援装置に送信する走行軌道送信部と、
を備え、
前記運転支援装置は、
前記車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、
前記車両が前記走行軌道を走行するように、前記アクチュエータを動作させることで前記ステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、
を備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項13】
進入直線部と、前記進入直線部に引き続く円弧部と、前記円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成する走行軌道作成方法であって、
前記車両が前記道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、前記進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、前記円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成ステップと、
前記波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、前記波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更ステップと、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、前記波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更ステップと、
前記波形に基づいて、前記走行軌道を作成する走行軌道作成ステップと、
を備えることを特徴とする走行軌道作成方法。
【請求項14】
進入直線部と、前記進入直線部に引き続く円弧部と、前記円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成するためにコンピュータ実行させる走行軌道作成プログラムであって、
前記車両が前記道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、前記進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、前記円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成ステップと、
前記波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、前記波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更ステップと、
前記第1ランプ状部及び前記第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、前記波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更ステップと、
前記波形に基づいて、前記走行軌道を作成する走行軌道作成ステップと、
実行させるための走行軌道作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が道路を走行する走行軌道を作成する走行軌道作成装置、方法及びプログラム、並びに、運転支援装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や主要幹線道路などのカーブは、カーブに進入する進入直線部と、進入直線部に引き続く進入クロソイド部と、進入クロソイド部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出クロソイド部と、脱出クロソイド部に引き続く脱出直線部と、を有する。道路がこのように構成されていれば、車両は、カーブを高速で滑らかに走行することができるので、車両の横滑りを抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0003】
しかしながら、市街地の交差点などは、進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、だけを有し、進入クロソイド部及び脱出クロソイド部を有しない場合がある。
【0004】
図23は、交差点の一例を示す平面図である。この交差点200は、四叉路である。車両300が、図中左側から矢印201に沿って交差点200に進入し、図中上側へ矢印202に沿って交差点200から脱出する場合、車両300は、進入直線部203と、進入直線部203に引き続く円弧部204と、円弧部204に引き続く脱出直線部205と、を通過する。
【0005】
関連する技術として、下記の特許文献1には、道路パラメータと、車両の位置情報と、に基づいて、線分、円弧、クロソイド曲線等を用いた仮想的デジタル走行軌道を生成する運転支援システムが開示されている。
【0006】
また、下記の特許文献2には、移動体の現在位置の座標を所定時間毎に検出し、検出される座標群に基づき、直線部と、直線部に引き続く非直線部と、非直線部に引き続く直線部と、で構成されている道路の地図を作成する道路地図作成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4125569号公報
【特許文献2】特許第5749359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
道路が進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、だけで構成されている場合に、車両が道なりに走行すると、車両は進入直線部と円弧部との接続点及び円弧部と脱出直線部との接続点で滑らかに走行することができないので、車両の横滑りの可能性が大きくなるとともに、乗員の不快感が大きくなる。
【0009】
特に、運転者のステアリング操作をアシストし又は運転者に代わってステアリング操作を行う運転支援装置を搭載した車両は、道なりに走行するようにステアリング操作をアシストし又はステアリング操作を行うので、車両の横滑りの可能性が大きくなるとともに、乗員の不快感が大きくなる。
【0010】
進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、だけで構成されている交差点は、信号を有するものが約20万箇所、信号を有しないものが約80万箇所ある。従って、車両の横滑りを抑制するとともに、乗員の不快感を抑制する必要性が高い。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両が滑らかに走行することができる走行軌道を作成できる走行軌道作成装置、方法及びプログラム、並びに、運転支援装置及びシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置は、進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成する走行軌道作成装置であって、車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置において、第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部は、2次曲線であることとしても良い。
【0014】
また、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置において、第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部は、双曲線正接関数曲線又はシグモイド関数曲線であることとしても良い。
【0015】
また、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置において、第2変更部は、第1曲線部と第2曲線部とを直結し、第3曲線部と第4曲線部とを直結しても良い。
【0016】
また、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置において、第1変更部は、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の中点が第1エッジ部及び第2エッジ部に夫々重なるように、第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設けることとしても良い。
【0017】
また、本発明の第1の観点にかかる運転支援装置は、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置と、画像を表示する表示部と、走行軌道を表示部に表示させる走行軌道表示部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第2の観点にかかる運転支援装置は、本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置と、車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、車両が走行軌道を走行するように、アクチュエータを動作させることでステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の観点にかかる走行軌道作成装置は、走行軌道を記録媒体に書き込む記録媒体書込部を更に備えることとしても良い。
【0020】
また、本発明の第3の観点にかかる運転支援装置は、上記走行軌道作成装置によって記録媒体に記録された走行軌道を読み取る記録媒体読取部と、画像を表示する表示部と、走行軌道を表示部に表示させる走行軌道表示部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第4の観点にかかる運転支援装置は、上記走行軌道作成装置によって記録媒体に記録された走行軌道を読み取る記録媒体読取部と、車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、車両が走行軌道を走行するように、アクチュエータを動作させることでステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第1の観点にかかる運転支援システムは、車両に搭載された運転支援装置と、運転支援装置と通信する走行軌道作成装置と、を備える運転支援システムであって、走行軌道作成装置は、車両の現在地を運転支援装置から受信する現在地受信部と、車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成部と、走行軌道を運転支援装置に送信する走行軌道送信部と、を備え、運転支援装置は、画像を表示する表示部と、走行軌道を走行軌道作成装置から受信する走行軌道受信部と、走行軌道を表示部に表示させる走行軌道表示部と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第2の観点にかかる運転支援システムは、車両に搭載された運転支援装置と、運転支援装置と通信する走行軌道作成装置と、を備える運転支援システムであって、走行軌道作成装置は、車両の現在地を運転支援装置から受信する現在地受信部と、車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成部と、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更部と、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更部と、波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成部と、走行軌道を運転支援装置に送信する走行軌道送信部と、を備え、運転支援装置は、車両のステアリングコラムを回転させるアクチュエータと、車両が走行軌道を走行するように、アクチュエータを動作させることでステアリングコラムを回転させるアクチュエータ制御部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明にかかる走行軌道作成方法は、進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成する走行軌道作成方法であって、車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成ステップと、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更ステップと、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更ステップと、波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成ステップと、を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明にかかる走行軌道作成プログラムは、進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、を有する道路を車両が走行する走行軌道を作成するためにコンピュータが実行する走行軌道作成プログラムであって、車両が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する曲率波形作成ステップと、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける第1変更ステップと、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける第2変更ステップと、波形に基づいて、走行軌道を作成する走行軌道作成ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、車両が滑らかに走行することができる走行軌道を作成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施の形態1にかかる運転支援装置の構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックを示す図である。
図3図3は、実施の形態1にかかる運転支援装置の処理を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態1にかかる地図データで表される地図に含まれている道路の一例を示す平面図である。
図5図5は、実施の形態1にかかる道路の曲率を表す波形の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例の一部拡大図である。
図9図9は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される走行軌道の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態1にかかる走行軌道の曲率の2階微分の波形を示す図である。
図11図11は、実施の形態2にかかる運転支援システムの構成を示す図である。
図12図12は、実施の形態2にかかる運転支援装置の機能ブロックを示す図である。
図13図13は、実施の形態2にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックを示す図である。
図14図14は、実施の形態2にかかる運転支援システムの動作を示すシーケンス図である。
図15図15は、実施の形態3にかかる運転支援システムの構成を示す図である。
図16図16は、実施の形態4にかかる運転支援装置の処理を示すフローチャートである。
図17図17は、実施の形態4にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図18図18は、実施の形態4にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図19図19は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図20図20は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。
図21図21は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例の一部拡大図である。
図22図22は、実施の形態5にかかる走行軌道の曲率の2階微分の波形の一部拡大図である。
図23図23は、交差点の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の実施の形態にかかる走行軌道作成装置、方法及びプログラム、並びに、運転支援装置及びシステムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる運転支援装置の構成を示す図である。この運転支援装置1は、車両50に搭載されている。
【0030】
運転支援装置1は、走行軌道作成装置2と、表示部24と、アクチュエータ25と、を備える。走行軌道作成装置2は、位置検出部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0031】
位置検出部21は、GPS受信機21aと、ジャイロスコープ21bと、距離センサ21cと、地磁気センサ21dと、を備える。
【0032】
GPS受信機21aは、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を受信し、車両50の位置、方位(進行方向)、速度、加速度等を検出して制御部23に出力する。
【0033】
ジャイロスコープ21bは、車両50の角速度(方位変化量)を検出するためのセンサであり、車両50に加わる回転運動の角速度に応じた検出信号を制御部23に出力する。
【0034】
距離センサ21cは、車両50の前後方向の加速度等に基づいて、車両50が走行した距離を検出して制御部23に出力する。
【0035】
地磁気センサ21dは、半導体を用いた方位センサであり、地球に生じている南北の地磁気に基づいて、方位(進行方向)を検出して制御部23に出力する。
【0036】
記憶部22は、地図データ22aと、自動運転設定フラグ22bと、を記憶する。記憶部22は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)が例示される。
【0037】
地図データ22aは、進入直線部と、進入直線部に引き続く円弧部と、円弧部に引き続く脱出直線部と、だけを有し、進入クロソイド部及び脱出クロソイド部を有しないカーブ又は交差点の地図データを含む。
【0038】
自動運転設定フラグ22bは、運転支援装置1で車両50の自動運転を行う場合には「1」が予め設定され、運転支援装置1で車両50の自動運転を行わない場合には「0」が予め設定される。
【0039】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)23aと、ROM(Read Only Memory)23bと、RAM(Random Access Memory)23cと、を備える。CPU23a、ROM23b及びRAM23cは、バスBを介して接続されている。
【0040】
CPU23aは、RAM23cを作業領域として使用しながら、ROM23bに記憶されているプログラムを実行する。なお、プログラムは、記憶部22に記憶されていても良い。
【0041】
表示部24は、制御部23から出力されるデータに基づいて、地図及び車両50が走行する走行軌道の画像を表示する。表示部24は、液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescence)表示装置が例示される。
【0042】
アクチュエータ25は、車両50のステアリングコラム51に接続されており、運転支援装置1が自動運転を行う場合には、制御部23から出力される制御信号に基づいて、ステアリングコラム51を回転させる。これにより、車両50の方位(進行方向)が変化する。アクチュエータ25は、モータ又は油圧ポンプが例示される。
【0043】
図2は、実施の形態1にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックを示す図である。CPU23aは、ROM23bに記憶されたプログラムを実行する。これにより、地図データ読出部41、曲率波形作成部42、第1変更部43、第2変更部44、走行軌道作成部45、走行軌道表示部46及びアクチュエータ制御部47が実現される。
【0044】
地図データ読出部41は、記憶部22から地図データ22aを読み出す。
【0045】
曲率波形作成部42は、車両50が道路を道なりに走行する場合の軌道であり、進入直線軌道と、進入直線軌道に引き続く円弧軌道と、円弧軌道に引き続く脱出直線軌道と、を有する基準走行軌道の曲率を表す波形を作成する。
【0046】
第1変更部43は、波形の2つのエッジである第1エッジ部及び第2エッジ部の各々をランプ状に変更し、波形に第1ランプ状部及び第2ランプ状部を設ける。
【0047】
第2変更部44は、第1ランプ状部及び第2ランプ状部の各々の両端を曲線に変更し、波形に第1曲線部、第2曲線部、第3曲線部及び第4曲線部を設ける。
【0048】
走行軌道作成部45は、波形に基づいて、走行軌道を作成する。
【0049】
走行軌道表示部46は、走行軌道を表示部24に表示させる。
【0050】
アクチュエータ制御部47は、車両50が走行軌道を走行するように、アクチュエータ25を動作させることでステアリングコラム51を回転させる。
【0051】
図3は、実施の形態1にかかる運転支援装置の処理を示すフローチャートである。運転支援装置1は、車両50とカーブ又は交差点との間の距離が予め定められた距離になったら、図3に示す処理を開始する。
【0052】
地図データ読出部41は、ステップS100において、地図データ22aを記憶部22から読み出す。
【0053】
図4は、実施の形態1にかかる地図データで表される地図に含まれている道路の一例を示す平面図である。図4において、横軸方向をX軸方向とし、縦軸方向をY軸方向とする。この道路100は、進入直線部101と、進入直線部101に引き続く円弧部102と、円弧部102に引き続く脱出直線部103と、を有する。なお、図4では、一方の車線だけを図示し、対向車線の図示を省略している。
【0054】
地図データ22aには、基準走行軌道104が含まれている。基準走行軌道104は、車両50が道路100を道なりに走行する場合の軌道であり、道路100の中心線が例示される。
【0055】
基準走行軌道104は、進入直線部101内では進入直線軌道104aを有し、円弧部102内では進入直線軌道104aに引き続く円弧軌道104bを有し、脱出直線部103内では円弧軌道104bに引き続く脱出直線軌道104cを有する。円弧軌道104bは、地点105を中心とする半径Rの円弧である。
【0056】
進入直線軌道104aと円弧軌道104bとは、進入直線部101と円弧部102との境界に位置する地点104dで接続する。円弧軌道104bと脱出直線軌道104cとは、円弧部102と脱出直線部103との境界に位置する地点104eで接続する。
【0057】
再び図3を参照すると、曲率波形作成部42は、ステップS102において、基準走行軌道104の曲率を表す波形を作成する。
【0058】
図5は、実施の形態1にかかる道路の曲率を表す波形の一例を示す図である。図5において、横軸方向をX軸方向とし、縦軸方向を曲率とする。進入直線軌道104aでの曲率は、0である。円弧軌道104bでの曲率は、1/Rである。脱出直線軌道104cでの曲率は、0である。
【0059】
従って、曲率波形作成部42は、進入直線軌道104aに対応し、曲率が0である第1部分110aと、円弧軌道104bに対応し、曲率が1/Rである第2部分110bと、脱出直線軌道104cに対応し、曲率が0である第3部分110cと、を有する波形110を作成する。
【0060】
なお、波形110は、RAM23c内で作成されれば良く、表示部24に表示される必要はない。
【0061】
第1部分110aと第2部分110bとの間は、第1エッジ部110dとなり、第2部分110bと第3部分110cとの間は、第2エッジ部110eとなる。
【0062】
もし、車両50が基準走行軌道104を走行する場合には、車両50のステアリングは、地点104d及び地点104eで急操作される。
【0063】
車両50の横方向の加速度は、曲率に比例する。横方向とは、車両50の進行方向に直交する方向を言う。つまり、基準走行軌道104の曲率を表す波形110は、基準走行軌道104を走行する車両50の横方向の加速度を表す波形でもある。従って、第1エッジ部110d及び第2エッジ部110eでは、車両50の横方向の加速度が急激に変化し、車両50の横滑りの可能性が大きくなるとともに、乗員の不快感が大きくなる。
【0064】
再び図3を参照すると、第1変更部43は、ステップS104において、波形110の第1エッジ部110d及び第2エッジ部110eをランプ状に変更し、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gを設ける。
【0065】
図6は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第1変更部43は、波形110の第1エッジ部110dをランプ状に変更し、第1ランプ状部110fを設ける。実施の形態1では、第1変更部43は、第1エッジ部110dの下端を始点110hとする第1ランプ状部110fを設ける。従って、第1ランプ状部110fの終点110iは、第1エッジ部110dよりも進行方向先側になる。
【0066】
また、第1変更部43は、波形110の第2エッジ部110eをランプ状に変更し、第2ランプ状部110gを設ける。実施の形態1では、第1変更部43は、第2エッジ部110eの下端を終点110jとする第2ランプ状部110gを設ける。従って、第2ランプ状部110gの始点110kは、第2エッジ部110eよりも進行方向手前側になる。
【0067】
再び図3を参照すると、第2変更部44は、ステップS106において、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gの両端を曲線に変更し、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを設ける。
【0068】
図7は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第2変更部44は、第1ランプ状部110fの始点110h側の端部を第1曲線部110lに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110pでの接線が第1部分110aと一致し、進行方向先側の点110qでの接線が第1ランプ状部110fと一致する2次曲線である第1曲線部110lを設ける。従って、第1曲線部110lは、第1エッジ部110dを跨ぐことになる。
【0069】
第2変更部44は、第1ランプ状部110fの終点110i側の端部を第2曲線部110mに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110rでの接線が第1ランプ状部110fと一致し、進行方向先側の点110sでの接線が第2部分110bと一致する2次曲線である第2曲線部110mを設ける。
【0070】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの始点110k側の端部を第3曲線部110nに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110tでの接線が第2部分110bと一致し、進行方向先側の点110uでの接線が第2ランプ状部110gと一致する2次曲線である第3曲線部110nを設ける。
【0071】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの終点110j側の端部を第4曲線部110oに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110vでの接線が第2ランプ状部110gと一致し、進行方向先側の点110wでの接線が第3部分110cと一致する2次曲線である第4曲線部110oを設ける。従って、第4曲線部110oは、第2エッジ部110eを跨ぐことになる。
【0072】
実施の形態1では、点110pから点110sまで及び点110tから点110wまでの夫々を「ロールジャーク曲線」と称する。
【0073】
図8は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される波形の一例の一部拡大図である。図8は、図7の第1ランプ状部110fの近傍の拡大図である。
【0074】
第2変更部44は、第1ランプ状部110fの始点110h側の端部を第1曲線部110lに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110pでの接線が第1部分110aと一致し、進行方向先側の点110qでの接線が第1ランプ状部110fと一致する2次曲線である第1曲線部110lを設ける。従って、第1曲線部110lは、第1エッジ部110dを跨ぐことになる。
【0075】
第2変更部44は、第1ランプ状部110fの終点110i側の端部を第2曲線部110mに変更する。実施の形態1では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110rでの接線が第1ランプ状部110fと一致し、進行方向先側の点110sでの接線が第2部分110bと一致する2次曲線である第2曲線部110mを設ける。
【0076】
なお、実施の形態1では、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを2次曲線としたが、これに限定されない。第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oの他の例は、3次以上の高次曲線又は指数曲線が例示される。
【0077】
再び図3を参照すると、走行軌道作成部45は、ステップS108において、波形110に基づいて、走行軌道120を作成する。
【0078】
図9は、実施の形態1にかかる運転支援装置で作成される走行軌道の一例を示す図である。走行軌道作成部45は、波形110を一定間隔で走査し、各走査点での曲率に基づく点を道路100上にプロットすることにより、走行軌道120を作成することができる。
【0079】
波形110の原点Oから点110pまでは、変更がされていない。従って、走行軌道作成部45は、点110pとX座標が同じ地点120aまでは、進入直線軌道104aに沿った直線の軌道120Aを作成する。
【0080】
波形110の点110pから点110qまでは、2次曲線である第1曲線部110lに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110pとX座標が同じ地点120aから点110qとX座標が同じ地点120bまでは、曲率が2次曲線である軌道120Bを作成する。
【0081】
なお、地点120aは、進入直線部101と円弧部102との境界よりも進行方向手前側である。従って、走行軌道120は、基準走行軌道104に比べて、進行方向手前側から曲がり始める。
【0082】
波形110の点110qから点110rまでは、第1ランプ状部110fに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110qとX座標が同じ地点120bから点110rとX座標が同じ地点120cまでは、曲率がランプ状である軌道120Cを作成する。なお、曲率がランプ状である曲線は、クロソイド曲線である。従って、軌道120Cは、クロソイド曲線になる。
【0083】
波形110の点110rから点110sまでは、2次曲線である第2曲線部110mに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110rとX座標が同じ地点120cから点110sとX座標が同じ地点120dまでは、曲率が2次曲線である軌道120Dを作成する。
【0084】
波形110の点110sから点110tまでは、変更がされていない。従って、走行軌道作成部45は、点110sとX座標が同じ地点120dから点110tとX座標が同じ地点120eまでは、円弧軌道104bと同様に、円弧の軌道120Eを作成する。なお、軌道120Bが基準走行軌道104に比べて進行方向手前側から曲がり始めているので、軌道120Eの中心の地点121は、円弧軌道104bの中心の地点105よりも道路100から離れた場所に位置する。
【0085】
波形110の点110tから点110uまでは、2次曲線である第3曲線部110nに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110tとX座標が同じ地点120eから点110uとX座標が同じ地点120fまでは、曲率が2次曲線である軌道120Fを作成する。
【0086】
波形110の点110uから点110vまでは、第2ランプ状部110gに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110uとX座標が同じ地点120fから点110vとX座標が同じ地点120gまでは、曲率がランプ状である軌道120Gを作成する。なお、曲率がランプ状である曲線は、クロソイド曲線である。従って、軌道120Gは、クロソイド曲線になる。
【0087】
波形110の点110vから点110wまでは、2次曲線である第4曲線部110oに変更されている。従って、走行軌道作成部45は、点110vとX座標が同じ地点120gから点110wとX座標が同じ地点120hまでは、曲率が2次曲線である軌道120Hを作成する。
【0088】
なお、地点120hは、円弧部102と脱出直線部103との接続部よりも進行方向先側である。従って、走行軌道120は、基準走行軌道104よりも進行方向先側まで曲がり続ける。
【0089】
波形110の点110wから進行方向先側は、変更がされていない。従って、走行軌道作成部45は、点110wとX座標が同じ地点120hから進行方向先側は、脱出直線軌道104cに沿った直線の軌道120Iを作成する。
【0090】
走行軌道120は、軌道120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H及び120Iで構成される。
【0091】
実施の形態1では、地点120aから地点120dまで及び地点120eから地点120hまでの夫々を「ロールジャーク走行軌道」と称する。
【0092】
車両50の横方向の加速度は、曲率に正比例する。つまり、走行軌道120の曲率を表す波形110は、走行軌道120を走行する車両50の横方向の加速度を表す波形でもある。波形110は、点110pから点110sまで滑らかに増加し、点110tから点110wまで滑らかに減少する。従って、走行軌道120を走行する車両50の横方向の加速度は、滑らかに変化する。つまり、運転支援装置1は、車両50が滑らかに走行できる走行軌道120を作成することができる。これにより、運転支援装置1は、車両50の横滑りの可能性を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0093】
再び図3を参照すると、走行軌道表示部46は、ステップS110において、走行軌道120を地図に重ねて表示部24に表示する。ユーザは、車両50の自動運転を行わない場合、車両50が表示部24に表示された走行軌道120を走行するように、ステアリングを操作する。これにより、車両50の横方向の加速度が滑らかに変化する。従って、車両50の横滑りの発生を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0094】
アクチュエータ制御部47は、ステップS112において、自動運転設定フラグ22bが「1」であるか否かを判定する。アクチュエータ制御部47は、自動運転設定フラグ22bが「1」であると判定したら(Yes)、処理をステップS114に進め、自動運転設定フラグ22bが「0」であると判定したら(No)、処理を終了する。
【0095】
アクチュエータ制御部47は、ステップS114において、車両50が走行軌道120を走行するように、アクチュエータ25を動作させることでステアリングコラム51を回転させて、処理を終了する。これにより、車両50の横方向の加速度は、滑らかに変化する。つまり、運転支援装置1は、車両50を滑らかに走行させることができる。従って、運転支援装置1は、車両50の横滑りの可能性を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0096】
図10は、実施の形態1にかかる走行軌道の曲率の2階微分の波形を示す図である。走行軌道120の曲率は、車両50の横方向の加速度に正比例する。走行軌道120の曲率の1階微分は、車両50の横方向の加加速度(躍度、ジャーク(jerk))に正比例する。走行軌道120の曲率の2階微分は、車両50の横方向の加加速度の変化率に正比例する。
【0097】
図10に示すように、曲率の波形110の原点Oから点110pまでは、0である。従って、走行軌道120の曲率の2階微分の波形130の、原点Oから点110pに対応する箇所までの部分130aは、0となる。
【0098】
波形110の点110pから点110qまでは、2次曲線である。従って、波形130の、点110pに対応する箇所から点110qに対応する箇所までの部分130bは、正の定数となる。
【0099】
波形110の点110qから点110rまでは、ランプ状である。従って、波形130の、点110qに対応する箇所から点110rに対応する箇所までの部分130cは、0となる。
【0100】
波形110の点110rから点110sまでは、2次曲線である。従って、波形130の、点110rに対応する箇所から点110sに対応する箇所までの部分130dは、負の定数となる。
【0101】
波形110の点110sから点110tまでは、正の定数である。従って、波形130の、点110sに対応する箇所から点110tに対応する箇所までの部分130eは、0となる。
【0102】
波形110の点110tから点110uまでは、2次曲線である。従って、波形130の、点110tに対応する箇所から点110uに対応する箇所までの部分130fは、負の定数となる。
【0103】
波形110の点110uから点110vまでは、ランプ状である。従って、波形130の、点110uに対応する箇所から点110vに対応する箇所までの部分130gは、0となる。
【0104】
波形110の点110vから点110wまでは、2次曲線である。従って、波形130の、点110vに対応する箇所から点110wに対応する箇所までの部分130hは、正の定数となる。
【0105】
波形110の点110w以降は、0である。従って、波形130の、点110wに対応する箇所以降の部分130iは、0となる。
【0106】
以上説明したように、運転支援装置1は、車両50の横方向の加速度が滑らかに変化する走行軌道120を作成することができる。つまり、運転支援装置1は、車両50が滑らかに走行できる走行軌道120を作成することができる。これにより、運転支援装置1は、車両50の横滑りの発生を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0107】
また、運転支援装置1は、地図データ22a内の一条道路(ポリライン)である基準走行軌道104から、走行軌道120を作成することができる。
【0108】
また、運転支援装置1は、車両50が走行軌道120を走行するように、アクチュエータ25を動作させて、ステアリングコラム51を回転させる。従来の運転支援装置では、車両50の横滑りの可能性を抑制するとともに、乗員の不快感を抑制するために、車両50の走行状態を検出して制御量を調整するフィードバック制御を行う必要があった。一方、運転支援装置1は、車両50が走行軌道120を走行するようにフィードフォワード制御を行うことができるので、構成を簡易にでき、安価に製造できる。
【0109】
実施の形態2.
図11は、実施の形態2にかかる運転支援システムの構成を示す図である。なお、実施の形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
【0110】
この運転支援システム60は、車両50に搭載された運転支援装置1Aと、サーバ70と、を備える。
【0111】
運転支援装置1Aは、実施の形態1にかかる運転支援装置1の構成要素である位置検出部21、記憶部22、制御部23、表示部24及びアクチュエータ25に加えて、サーバ70と無線通信を行う通信部26を更に備える。無線通信は、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)又はLTE(Long Term Evolution)が例示される。
【0112】
サーバ70は、運転支援装置1Aと無線通信を行う通信部71と、走行軌道作成装置80と、を備える。走行軌道作成装置80は、制御部81と、記憶部82と、を備える。
【0113】
制御部81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81a、ROM81b及びRAM81cは、バスB1を介して接続されている。
【0114】
CPU81aは、RAM81cを作業領域として使用しながら、ROM82bに記憶されているプログラムを実行する。なお、プログラムは、記憶部82に記憶されていても良い。
【0115】
記憶部82は、地図データ82aを記憶する。記憶部82は、SSD又はHDDが例示される。
【0116】
図12は、実施の形態2にかかる運転支援装置の機能ブロックを示す図である。CPU23aは、ROM23bに記憶されたプログラムを実行する。これにより、走行軌道表示部46、アクチュエータ制御部47、現在地送信部48及び走行軌道受信部48が実現される。
【0117】
現在地送信部48は、車両50の現在地をサーバ70に送信する。
【0118】
走行軌道受信部49は、走行軌道をサーバ70から受信する。
【0119】
図13は、実施の形態2にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックを示す図である。CPU81aは、ROM81bに記憶されたプログラムを実行する。これにより、地図データ読出部41、曲率波形作成部42、第1変更部43、第2変更部44、走行軌道作成部45、現在地受信部83及び走行軌道送信部84が実現される。
【0120】
現在地受信部83は、車両50の現在地を運転支援装置1Aから受信する。
【0121】
走行軌道送信部84は、走行軌道を運転支援装置1Aに送信する。
【0122】
図14は、実施の形態2にかかる運転支援システムの動作を示すシーケンス図である。運転支援装置1Aは、車両50とカーブ又は交差点との間の距離が予め定められた距離になったら、図14に示す処理を開始する。
【0123】
運転支援装置1Aの現在地送信部48は、ステップS200において、車両50の現在地を表すデータをサーバ70に送信する。サーバ70の現在地受信部83は、車両50の現在地を表すデータを運転支援装置1Aから受信する。
【0124】
サーバ70の地図データ読出部41、曲率波形作成部42、第1変更部43、第2変更部44及び走行軌道作成部45は、ステップS202において、車両50の横方向の加速度が滑らかに変化する走行軌道を作成する。
【0125】
なお、ステップS202の内容は、実施の形態1の図3のフローチャートで示したステップS100からステップS108と同様である。
【0126】
サーバ70の走行軌道送信部84は、ステップS204において、走行軌道を運転支援装置1Aに送信する。運転支援装置1Aの走行軌道受信部49は、走行軌道をサーバ70から受信する。
【0127】
運転支援装置1Aの走行軌道表示部46は、ステップS206において、走行軌道を地図に重ねて表示部24に表示する。また、運転支援装置1Aのアクチュエータ制御部47は、自動運転設定フラグ22bが「1」であると判定したら、ステップS206において、車両50が走行軌道を走行するように、アクチュエータ25を動作させることでステアリングコラム51を回転させる。
【0128】
なお、ステップS206の内容は、実施の形態1の図3のフローチャートで示したステップS110からステップS114と同様である。
【0129】
運転支援システム60は、サーバ70側で走行軌道を作成することができる。これにより、車両50に搭載された運転支援装置1A側で走行軌道を作成する必要をなくすことができ、運転支援装置1AのCPU23aの処理負荷を低減することができる。
【0130】
車両50に搭載されるCPU23aは、実装上の要請又は消費電力抑制の要請から、処理能力が低い場合がある。しかしながら、運転支援システム60は、サーバ70側で走行軌道を作成することができる。従って、運転支援システム60は、CPU23aの処理能力が低い場合であっても、車両50が滑らかに走行できる走行軌道を作成することができる。これにより、運転支援システム60は、車両50の横滑りの可能性を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0131】
実施の形態3.
図15は、実施の形態3にかかる運転支援システムの構成を示す図である。なお、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
【0132】
この運転支援システム61は、車両50に搭載された運転支援装置1Bと、サーバ70Aと、を備える。
【0133】
運転支援装置1Bは、実施の形態1にかかる運転支援装置1の構成要素である位置検出部21、記憶部22、制御部23、表示部24及びアクチュエータ25に加えて、記録媒体90に記録されたデータを読み取る記録媒体読取部27を更に備える。
【0134】
サーバ70Aは、記録媒体90にデータを書き込む記録媒体書込部72と、走行軌道作成装置80と、を備える。
【0135】
記録媒体90は、SDカード(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はDVD(Digital Versatile Disc)が例示される。
【0136】
走行軌道作成装置80は、日本全国のカーブ又は交差点毎に、車両が滑らかに走行できる走行軌道を作成し、記録媒体90に記録する。
【0137】
車両50のユーザは、記録媒体90を車両50に持ち込んで、運転支援装置1Bの記録媒体読取部27に挿入する。なお、運転支援装置1Bは、記録媒体90に記録された走行軌道を記憶部22にインストール又はコピーしても良い。これにより、ユーザは、記録媒体90を取り外すことができる。
【0138】
運転支援装置1Bは、車両50とカーブ又は交差点との間の距離が予め定められた距離になったら、走行軌道を記録媒体90又は記憶部22から読み取って、走行軌道を地図に重ねて表示部24に表示する。また、運転支援装置1Bは、自動運転設定フラグ22bが「1」であると判定したら、車両50が走行軌道を走行するように、アクチュエータ25を動作させることでステアリングコラム51を回転させる。
【0139】
運転支援システム61は、サーバ70A側で走行軌道を作成することができる。これにより、車両50に搭載された運転支援装置1B側で走行軌道を作成する必要をなくすことができ、運転支援装置1BのCPU23aの処理負荷を低減することができる。
【0140】
また、運転支援システム61は、実施の形態2にかかる運転支援システム1Aと比較して、無線通信を不要にすることができる。これにより、運転支援システム61は、システムの製造コストを低減できるとともに、通信費用つまりランニングコストを低減することができる。
【0141】
実施の形態4.
車両50の旋回角速度(ヨー角速度)rは、次の式(1)で表される。
r=(V/l)δ ・・・(1)
ここで、Vは車両50の速度であり、lは車両50のホイールベースであり、δは車両50の実舵角である。
【0142】
また、車両50の旋回半径ρは、次の式(2)で表される。
ρ=l/δ ・・・(2)
【0143】
従って、車両50の旋回角速度rは、次の式(3)で表される。
r=V/ρ ・・・(3)
【0144】
道路100の円弧部102では、1/ρは1/Rつまり曲率である。従って、車両50の旋回角度aは、式(3)を積分した次の式(4)で表される。
a=V/R・t ・・・(4)
【0145】
従って、図5で示した基準走行軌道104の曲率の波形110とX軸とで定まる領域の面積Aは、車両50が基準走行軌道104を走行する場合の旋回角度を表す。
【0146】
同様に、図7で示した走行軌道120の曲率の波形110とX軸とで定まる領域の面積Bは、車両50が走行軌道120を走行する場合の旋回角度を表す。
【0147】
ところで、図6を参照すると、第1ランプ状部110fの終点110iは、第1エッジ部110dよりも進行方向先側にある。また、第2ランプ状部110gの始点110kは、第2エッジ部110eよりも進行方向手前側にある。
【0148】
従って、図7で示した走行軌道120の曲率の波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が走行軌道120を走行する場合の旋回角度は、図5で示した基準走行軌道104の曲率の波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が基準走行軌道104を走行する場合の旋回角度よりも小さくなる。
【0149】
つまり、車両50が走行軌道120を走行する場合には、車両50が基準走行軌道104を走行する場合よりも旋回角度が小さくなり、車両50が道路100の脱出直線部103の路肩に寄ってしまい、車両50の安全性が確保されない可能性がある。
【0150】
実施の形態4では、上記に鑑み、車両50が道路100の脱出直線部103の路肩に寄ってしまうことを抑制し、車両50の安全性を確保する。
【0151】
実施の形態4にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックは、実施の形態1にかかる図2で示す走行軌道作成装置2と同様であるので、図示を省略する。
【0152】
図16は、実施の形態4にかかる運転支援装置の処理を示すフローチャートである。図16に示すフローチャートは、実施の形態1にかかる図3に示したフローチャートのステップS104に代えて、ステップS104aを有する。
【0153】
図16に示すフローチャートのステップS100及びS102は、実施の形態1にかかる図3に示したフローチャートのステップS100及びS102と同じであるので、説明を省略する。
【0154】
第1変更部43は、ステップS104aにおいて、波形110の第1エッジ部110d及び第2エッジ部110eを第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gに夫々変更し、第1ランプ状部110fの中点110xが第1エッジ部110dに重なり、第2ランプ状部110gの中点110yが第2エッジ部110eに重なるように、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gを設ける。
【0155】
図17は、実施の形態4にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第1変更部43は、波形110の第1エッジ部110dをランプ状に変更し、第1ランプ状部110fを設ける。実施の形態4では、第1変更部43は、第1ランプ状部110fの中点110xが第1エッジ部110dに重なるように、第1ランプ状部110fを設ける。
【0156】
また、第1変更部43は、波形110の第2エッジ部110eをランプ状に変更し、第2ランプ状部110gを設ける。実施の形態4では、第1変更部43は、第2ランプ状部110gの中点110yが第2エッジ部110eに重なるように、第2ランプ状部110gを設ける。
【0157】
再び図16を参照すると、第2変更部44は、ステップS106において、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gの両端を曲線に変更し、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを設ける。
【0158】
図18は、実施の形態4にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第2変更部44は、第1ランプ状部110fの始点110h側の端部を第1曲線部110lに変更する。実施の形態4では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110pでの接線が第1部分110aと一致し、進行方向先側の点110qでの接線が第1ランプ状部110fと一致する2次曲線である第1曲線部110lを設ける。
【0159】
第2変更部44は、第1ランプ状部110fの終点110i側の端部を第2曲線部110mに変更する。実施の形態4では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110rでの接線が第1ランプ状部110fと一致し、進行方向先側の点110sでの接線が第2部分110bと一致する2次曲線である第2曲線部110mを設ける。
【0160】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの始点110k側の端部を第3曲線部110nに変更する。実施の形態4では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110tでの接線が第2部分110bと一致し、進行方向先側の点110uでの接線が第2ランプ状部110gと一致する2次曲線である第3曲線部110nを設ける。
【0161】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの終点110j側の端部を第4曲線部110oに変更する。実施の形態4では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110vでの接線が第2ランプ状部110gと一致し、進行方向先側の点110wでの接線が第3部分110cと一致する2次曲線である第4曲線部110oを設ける。
【0162】
図16に示すフローチャートのステップS108〜S114は、実施の形態1にかかる図3に示したフローチャートのステップS108〜S114と同じであるので、説明を省略する。
【0163】
図18を参照すると、第1ランプ状部110fの中点110xは、第1エッジ部110dと重なっている。従って、X軸と第1エッジ部110dと波形110とで定まる領域Aの面積は、1/Rの直線と第1エッジ部110dと波形110とで定まる領域Bの面積と同じになる。
【0164】
第2ランプ状部110gの中点110yは、第2エッジ部110eと重なっている。従って、1/Rの直線と第2エッジ部110eと波形110とで定まる領域Cの面積は、X軸と第2エッジ部110eと波形110とで定まる領域Dの面積と同じになる。
【0165】
従って、図18に示す波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が走行軌道120を走行する場合の旋回角度は、図5に示す波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が基準走行軌道104を走行する場合の旋回角度と同じになる。
【0166】
これにより、実施の形態4にかかる運転支援装置は、車両50が道路100の脱出直線部103の路肩に寄ってしまうことを抑制することができ、車両50の安全性を確保することができる。
【0167】
実施の形態5.
実施の形態1から実施の形態4まででは、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oとして、2次曲線、3次以上の高次曲線又は指数曲線を例示した。しかしながら、本発明では、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oは、これらに限定されない。
【0168】
実施の形態5では、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを、双曲線正接関数(ハイパボリックタンジェント、tanh)曲線とする場合について説明する。
【0169】
実施の形態5にかかる走行軌道作成装置の機能ブロックは、実施の形態1にかかる図2で示す走行軌道作成装置2と同様であるので、図示を省略する。
【0170】
実施の形態5にかかる走行軌道作成装置の処理を示すフローチャートは、実施の形態4にかかる図16で示すフローチャートと同様であるので、図示を省略する。
【0171】
第1変更部43は、ステップS104aにおいて、波形110の第1エッジ部110d及び第2エッジ部110eを第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gに夫々変更し、第1ランプ状部110fの中点110xが第1エッジ部110dに重なり、第2ランプ状部110gの中点110yが第2エッジ部110eに重なるように、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gを設ける。
【0172】
図19は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第1変更部43は、波形110の第1エッジ部110dをランプ状に変更し、第1ランプ状部110fを設ける。実施の形態5では、第1変更部43は、第1ランプ状部110fの中点110xが第1エッジ部110dに重なるように、第1ランプ状部110fを設ける。
【0173】
また、第1変更部43は、波形110の第2エッジ部110eをランプ状に変更し、第2ランプ状部110gを設ける。実施の形態5では、第1変更部43は、第2ランプ状部110gの中点110yが第2エッジ部110eに重なるように、第2ランプ状部110gを設ける。
【0174】
第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gの傾きは、限定されず、任意の傾きとしても良いし、予め定められた傾きとしても良い。
【0175】
第2変更部44は、ステップS106において、第1ランプ状部110f及び第2ランプ状部110gの両端を曲線に変更し、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを設ける。
【0176】
図20は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例を示す図である。第2変更部44は、第1ランプ状部110fの始点110h側の端部を第1曲線部110lに変更する。実施の形態5では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110pでの接線が第1部分110aと一致し、第1ランプ状部110fの中点110xでの接線が第1ランプ状部110fと一致する双曲線正接関数曲線である第1曲線部110lを設ける。
【0177】
第2変更部44は、第1ランプ状部110fの終点110i側の端部を第2曲線部110mに変更する。実施の形態5では、第2変更部44は、第1ランプ状部110fの中点110xでの接線が第1ランプ状部110fと一致し、進行方向先側の点110sでの接線が第2部分110bと一致する双曲線正接関数曲線である第2曲線部110mを設ける。
【0178】
実施の形態5では、第2変更部44は、第1ランプ状部110fの中点110xで、第1曲線部110lと第2曲線部110mとを直結する。従って、波形110から第1ランプ状部110fがなくなる。
【0179】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの始点110k側の端部を第3曲線部110nに変更する。実施の形態5では、第2変更部44は、進行方向手前側の点110tでの接線が第2部分110bと一致し、第2ランプ状部110gの中点110yでの接線が第2ランプ状部110gと一致する双曲線正接関数曲線である第3曲線部110nを設ける。
【0180】
第2変更部44は、第2ランプ状部110gの終点110j側の端部を第4曲線部110oに変更する。実施の形態5では、第2変更部44は、第2ランプ状部110gの中点110yでの接線が第2ランプ状部110gと一致し、進行方向先側の点110wでの接線が第3部分110cと一致する双曲線正接関数曲線である第4曲線部110oを設ける。
【0181】
実施の形態5では、第2変更部44は、第2ランプ状部110gの中点110yで、第3曲線部110hと第4曲線部110oとを直結する。従って、波形110から第2ランプ状部110gがなくなる。
【0182】
図21は、実施の形態5にかかる運転支援装置で作成される波形の一例の一部拡大図である。図21は、図20の第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oの近傍の拡大図である。
【0183】
図21を参照すると、X軸と第1エッジ部110dと波形110とで定まる領域Aの面積は、1/Rの直線と第1エッジ部110dと波形110とで定まる領域Bの面積と同じになる。1/Rの直線と第2エッジ部110eと波形110とで定まる領域Cの面積は、X軸と第2エッジ部110eと波形110とで定まる領域Dの面積と同じになる。
【0184】
従って、図20に示す波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が走行軌道を走行する場合の旋回角度は、図5に示す波形110とX軸とで定まる領域の面積、つまり車両50が基準走行軌道104を走行する場合の旋回角度と同じになる。
【0185】
これにより、実施の形態5にかかる運転支援装置は、車両50が道路100の脱出直線部103の路肩に寄ってしまうことを抑制することができ、車両50の安全性を確保することができる。
【0186】
図22は、実施の形態5にかかる走行軌道の曲率の2階微分の波形の一部拡大図である。走行軌道の曲率は、車両50の横方向の加速度に正比例する。走行軌道の曲率の1階微分は、車両50の横方向の加加速度(躍度、ジャーク(jerk))に正比例する。走行軌道の曲率の2階微分は、車両50の横方向の加加速度の変化率に正比例する。
【0187】
双曲線正接関数は、次の式(5)で表される。
y=tanh(x) ・・・(5)
【0188】
式(5)の1階微分は、次の式(6)で表される。
y’=sech(x) ・・・(6)
【0189】
式(5)の2階微分は、次の式(7)で表される。
y’’=−2sech(x)・tanh(x) ・・・(7)
【0190】
図22に示すように、曲率の波形110の原点Oから点110pまでの部分110aは、0である。従って、走行軌道の曲率の2階微分の波形130の、部分110aに対応する部分130aは、0となる。
【0191】
波形110の点110pから点110xまでの第1曲線部110lは、双曲線正接関数曲線である。双曲線正接関数の2階微分は、上記の式(7)の通りである。従って、波形130の、第1曲線部110lに対応する部分130bは、式(7)で表される曲線となる。
【0192】
波形110の点110xから点110sまでの第2曲線部110mは、双曲線正接関数曲線である。第2曲線部110mは、点110xを中心として、第1曲線部110lと点対称である。従って、波形130の、点110xに対応する箇所から点110sに対応する箇所までの部分130cは、点130iを中心として、部分130cと点対称である。
【0193】
波形110の点110sから点110tまでの部分110bは、正の定数である。従って、波形130の、部分110bに対応する箇所までの部分130eは、0となる。
【0194】
波形110の点110tから点110yまでの第3曲線部110nは、双曲線正接関数曲線である。第3曲線部110nは、縦軸方向の直線を軸として、第2曲線部110mと線対称である。従って、波形130の、第3曲線部110nに対応する部分130fは、縦軸方向の直線を軸として、部分130cと線対称である。
【0195】
波形110の点110yから点110wまでの第4曲線部110oは、双曲線正接関数曲線である。第4曲線部110oは、縦軸方向の直線を軸として、第1曲線部110lと線対称である。従って、波形130の、第4曲線部110oに対応する部分130gは、縦軸方向の直線を軸として、部分130bと線対称である。
【0196】
波形110の点110w以降の部分110cは、0である。従って、波形130の、点110w以降に対応する箇所の部分130hは、0となる。
【0197】
実施の形態1で説明した図10を参照すると、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを2次曲線とした場合は、曲率の2階微分の波形130は、エッジ部分を有する。エッジ部分では、車両50の横方向の加加速度が急激に変化するので、車両50が横滑りする可能性があり、乗員が不快感を感じる可能性がある。
【0198】
一方、実施の形態5では、図22に示すように、波形130は、全区間において、滑らかに変化している。より詳細には、波形130は、部分130bの開始部、部分130bと部分130cとの接続部、部分130cの終了部、部分130fの開始部、部分130fと部分130gとの接続部、及び、部分130gの終了部において、滑らかに変化している。
【0199】
従って、走行軌道作成装置2は、車両50の横方向の加加速度の変化率が滑らかに変化する走行軌道を作成することができる。つまり、走行軌道作成装置2は、車両50が滑らかに走行できる走行軌道を作成することができる。これにより、走行軌道作成装置2は、車両50の横滑りの発生を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0200】
なお、実施の形態5では、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oを双曲線正接関数曲線としたが、これに限定されない。第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oの他の例は、シグモイド関数(sigmoid function)曲線が例示される。
【0201】
シグモイド関数は、次の式(8)で表される。
y=(tanh(x/2)+1)/2 ・・・(8)
【0202】
従って、走行軌道作成装置2は、第1曲線部110l、第2曲線部110m、第3曲線部110n及び第4曲線部110oをシグモイド関数曲線としても、双曲線正接関数曲線とした場合と同様に、車両50の横方向の加加速度の変化率が滑らかに変化する走行軌道を作成することができる。つまり、走行軌道作成装置2は、車両50が滑らかに走行できる走行軌道を作成することができる。これにより、走行軌道作成装置2は、車両50の横滑りの発生を抑制できるとともに、乗員の不快感を抑制することができる。
【0203】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0204】
1,1A,1B 運転支援装置、2,80 走行軌道作成装置、21 位置検出部、22,82 記憶部、23,81 制御部、24 表示部、25 アクチュエータ、26,71 通信部、27 記録媒体読取部、41 地図データ読出部、42 曲率波形作成部、43 第1変更部、44 第2変更部、45 走行軌道作成部、46 走行軌道表示部、47 アクチュエータ制御部、48 現在地送信部、49 走行軌道受信部、50 車両、60,61 運転支援システム、72 記録媒体書込部、83 現在地受信部、84 走行軌道送信部、90 記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23