(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
医薬品のうち副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものは、第一類医薬品に指定されている。この第一類医薬品は、販売に先立って有資格者が購入者の提供する情報を取得するとともに、書面による当該医薬品に関する説明を行う必要がある。
【0003】
また、近年インターネットの普及に伴い、販売サイトにアクセスして注文を行い、指定した商品を宅配で受け取るインターネット通販が広く普及し、第一類医薬品を含む医薬品についてもインターネット通販が行われている。
【0004】
従来インターネット販売により、第一類医薬品を販売するに際しては、以下の手順により上述した条件を満足した販売を行っている。
図11は第一類医薬品を販売する従来の商品販売システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【0005】
まず、購入者は購入者端末からインターネットを介して医薬品販売者の販売者サーバに接続する。すると、購入者端末には販売用のホームページの検索画面が表示でき、購入者は検索画面において商品を検索する(ステップS1)。
【0006】
次に、購入者端末には、検索された1又は複数の商品を表示する検索結果画面が表示され、購入者はこの検索結果画面から購入する商品を選択する(ステップS2)。すると、購入者端末には商品詳細を説明する画面が表示される(ステップS3)。この画面から購入者が商品の購入するためカートに入れると、購入者端末には当該商品が購入対象としたカート画面が表示される(ステップS4)。
【0007】
そして、購入前チェックシートが表示される(ステップS5)。購入前チェックシートには、購入者が過去の使用歴、副作用の有無、年齢、性別等の情報が入力される(ステップS5)。チェックシートについての回答がなされる(ステップS6)とこの回答について専門家による判定がなされ(ステップS7)、販売に問題がないとされた場合(ステップS7
の問題なし)、当該医薬品の使用上の注意事項が表示され(ステップS8)、注意事項について質問があるかが確認される(ステップS9)。
【0008】
購入者が注意事項について質問がないと回答した場合(ステップS9の質問なし)には、購入手続に進む(ステップS10)。この注意事項に対して質問がある場合(ステップS9の質問あり)場合は、メールやチャットにより質問に回答がなされる(ステップS11)。購入手続では、支払情報、配送先情報、配送日時情報等が指定されて、購入手続は終了する。
【0009】
特許文献1には、インターネットを利用して医薬品を販売するシステムについて記載がある。即ち、特許文献1に記載の医薬品販売システムは、インターネットに接続された事業所の構成員が利用する構成員端末、事業所によって設置及び管理運営される事業所サーバと、医薬品を販売する販売会社によって設置及び管理運営される販売者サーバとから構成され、事業所サーバは、構成員端末から送出された構成員識別データに基づいて構成員を認証し、認証された構成員に対して斡旋販売される医薬品の販売医薬品情報を送出し、その後、事業所サーバは、構成員端末から送出された注文情報を販売期間を限定して受付け、販売期間経過後、注文情報を包括し、販売者サーバに送出して医薬品を販売する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来の商品品販売システムにあっては、購入までの手順が購入者にとって煩雑であるという問題がある。購入までの手順を簡単なものとすれば、購入者にとっても販売者にとってもメリットがある。
【0012】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、商品の販売を簡単な手順で行うことができ、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる商品品販売システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、通信ネットワークを介して販売者サーバに接続された購入者端末から前記販売者サーバにアクセスして所望の商品
である第一類医薬品を指定して購入するに際して、前記販売者サーバが、前記購入者端末に、購入を希望する商品の購入をする前提として必要な購入者情報の入力欄を表示して入力させる処理、前記販売者サーバが前記購入者端末から前記入力欄に入力された前記購入者情報に基づいて販売の可否を判定する処理、前記販売者サーバが前記購入者端末に前記商品の使用上の注意事項を提示する処理、及び前記販売者サーバにおいて、前記使用上の注意事項を購入者が了解し、かつ前記購入者からの質問がないことを確認する処理、を実行したのち前記商品の購入手続を開始する商品販売システムにおいて、
前記販売者サーバが、前記購入者端末に前記購入者情報の前記入力欄と前記使用上の注意事項とを前記購入者端末でのスクロール操作により一度で表示できる一連の画面に表示する処理を行った後、前記販売者サーバにおいて前記購入者情報に基づいて販売の可否を判定する処理と、前記使用上の注意事項を前記購入者が了解しかつ前記購入者からの質問がないことを確認する処理と、
前記質問があったとき前記質問に対してメール又はチャットにより前記購入者端末に対して回答する処理と、を行い、更に、前記販売者サーバは、前記購入者情報に基づいて指定された商品の販売の可否を判定した結果、前記商品の販売ができない場合、前記購入者情報の前記入力欄に購入ができない旨、及び専門家との相談が必要である旨のうち少なくとも一方の表示を行い、
更に、前記販売者サーバは、前記商品の選択から購入手続までの過程において、前記購入者端末が操作を中断し、その後処理を再開したとき、前記商品に関する購入手続がどの段階まで完了しているのかを表示すること、を特徴とする商品販売システムである
本発明によれば、販売者サーバは、購入者端末に購入者情報の入力欄と使用上の注意事項とを
前記購入者端末でのスクロール操作により一度で表示できる一連の画面に表示させたのち、販売者サーバにおいて購入者情報に基づいて販売の可否を判定する処理と、使用上の注意事項を前記購入者が了解しかつ前記購入者からの質問がないことを確認する処理とを行う。
よって、購入者情報の入力欄の判定後に使用上の注意事項の表示をする手順に比べて処理数を少なくでき、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。
【0014】
また、本発明によれば、販売者サーバは、前記質問があったとき前記質問に対してメール又はチャットにより前記購入者端末に対して回答するので、専門家が不在である場合でも対処ができる。
更に、第一類医薬品を、インターネット通信で販売するに際して、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。
【0015】
更に、本発明によれば、購入者情報に基づいて販売の可否を判定した結果、販売ができない場合、購入者情報の入力欄に購入ができない旨や専門家との相談が必要である旨の表示を行う。
よって、早いタイミングで購入者に販売ができない旨や、相談が必要である旨を提示でき、購入者の手間を省くことができる。
【0016】
そして、本発明によれば、購入者による操作が中断した場合であって処理を再開したとき、購入手続の状態を表示する。よって、購入者は自己の購入の状態を正確に把握することができる。
【0017】
同じく請求項2に記載の発明は、前記販売者サーバは、商品の選択に際して検索で抽出された商品が複数あるとき、前記購入者端末に抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能な状態に表示すること、を特徴とする。
本発明によれば、記購入者からの質問を受付可能な手段を販売者サーバの受付可能状態に応じて決定し購入者からの受付が可能な手段を表示する。
よって、購入者は販売者サーバにおいて受付が可能な手段を容易に認識できる。
【0018】
同じく請求項3に記載の発明は、前記販売者サーバは、前記販売者サーバは、商品の選択に際して検索で抽出された商品が複数あるとき、前記購入者端末に抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能な状態に表示すること、を特徴とする。
本発明によれば、商品の選択に際して検索で抽出された商品が複数あるとき、購入者端末には、抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能な状態に表示される。
よって、購入者端末では抽出された複数の商品を容易に比較できる。
【0019】
同じく請求項4に記載の発明は、前記販売者サーバは、前記購入者情報の入力内容に基づいて前記購入者端末に表示する前記使用上の注意事項の表示項目を変更すること、を特徴とする。
本発明によれば、購入者端末には、購入者情報の入力内容に基づいて変更された項目の使用上の注意事項が表示される。
よって、購入者端末では使用上の注意事項のうち当該購入者には必要がない項目については表示されず、購入処理を迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る商品販売システムによれば、商品の販売を簡単な手順で行うことができ、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。
【0021】
即ち、請求項1に記載の商品販売システムによれば、販売者サーバは、購入者端末に購入者情報の入力欄と使用上の注意事項とを一連の画面に表示させたのち、販売者サーバにおいて購入者情報に基づいて販売の可否を判定する処理と、使用上の注意事項を前記購入者が了解しかつ前記購入者からの質問がないことを確認する処理と、を行うので、購入者情報の入力欄の判定後に使用上の注意事項の表示をする手順に比べて処理数を少なくでき、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。
また、販売者サーバは、前記質問があったとき前記質問に対してメール又はチャットにより前記購入者端末に対して回答するので、専門家が不在である場合でも対処ができる。
【0022】
また、
請求項1に記載の商品販売システムによれば、第一類医薬品を商品として商品販売システムを適用することができ、第一類医薬品を、インターネット通信で販売するに際して、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。
【0023】
また、
請求項1に記載の商品販売システムによれば、購入者情報に基づいて販売の可否を判定した結果、販売ができない場合、購入者情報の入力欄に購入ができない旨や専門家との相談が必要である旨の表示を行うので、早いタイミングで購入者に販売ができない旨や、相談が必要である旨を提示でき、購入者の手間を省くことができる。
【0024】
また、
請求項1に記載の商品販売システムによれば、購入者による操作が中断した場合であって処理を再開したとき、購入手続の状態を表示するので、購入者は自己の購入の状態を正確に把握することができる。
【0025】
また、
請求項2に記載の商品販売システムによれば、購入者からの質問を受付可能な手段を販売者サーバの受付可能状態に応じて決定し購入者からの受付が可能な手段を表示するので、購入者は販売者サーバにおいて受付が可能な手段を容易に認識できる。
【0026】
更に、
請求項3に記載の商品販売システムによれば、商品の選択に際して検索で抽出された商品が複数あるとき、購入者端末には、抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能な状態に表示されるので、購入者端末では抽出された複数の商品を容易に比較できる。
【0027】
そして、
請求項4に記載の商品販売システムによれば、購入者端末には、購入者情報の入力内容に基づいて変更された項目の使用上の注意事項が表示されるので、購入者端末では使用上の注意事項のうち当該購入者には必要がない項目については表示されず、購入処理を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品販売システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】同商品販売システムの販売者サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】同商品販売システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図4】同商品販売システムの動作手順を示すものであり、(a)は質問可能手段を提示する手順を示すフローチャート、(b)はチェックシートの記載事項に基づいて使用上の注意事項を変更する処理を示すフローチャート、(c)はステータスの保持処理を示すフローチャートである。
【
図5】同商品販売システムにおける購入者端末のショッピングカート画面を示す図である。
【
図6】同商品販売システムの購入者端末に連続して表示される購入前チェックシートと使用上の注意事項とを示す図である。
【
図7】同商品販売システムにおける購入者端末の購入前チェックシートの表示例を示すものであり、(a)は入力画面を示す図、(b)は一部を入力した状態で購入できない旨の表示がされた状態を示す図である。
【
図8】同商品販売システムにおける購入前チェックシートの確認画面における質問可能手段の記載を示すものであり、(a)は専門家が即時対応可でありメールとチャットで質問できる状態を示す図、(b)は専門家が即時対応不可でありメールで質問できる状態を示す図、(c)は専門家への質問フォーム示す図である。
【
図9】同商品販売システムにおける購入者端末の商品比較画面を示す図である。
【
図10】同商品販売システムにおける回答された購入者チェックシートに対応して変更された使用上の注意事項を示す図である。
【
図11】第一類医薬品を販売する従来の商品販売システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を実施するための形態に係る商品販売システムについて説明する。本実施形態では商品として第一類医薬品を販売するものを例として説明する。なお、本発明において販売する商品は第一類医薬品に限ることなく、同様の手順で販売される他の商品にも適用できる。
【0030】
図1は本発明の実施形態に係る商品販売システムの全体構成を示すブロック図である。商品販売システム10は、通信ネットワークであるインターネット20により、複数の購入者端末30を販売者サーバ40に接続している。購入者端末30は第一類医薬品を購入する個人が使用するものである。また、販売者サーバ40は医薬品の販売業者70が管理しており、販売者サーバ40には、薬剤師等の専門家が回答を行うための専門家回答手段60が接続されている。
【0031】
購入者端末30は、制御装置としてCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置としてRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置としてHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid state Drive)等を備えたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型端末等で構成される。購入者端末30は制御装置でウェブブラウザ等のアプリケーションソフトを実行し、インターネット20を経由して販売者サーバ40にアクセスして商品販売システムの販売ページを表示し、操作する。
【0032】
販売者サーバ40は、制御装置としてCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置としてRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置としてHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid state Drive)等を備えたパーソナルコンピュータ、サーバ装置で構成されている。販売者サーバ40の制御部でアプリケーションソフトウエアを実行することにより、後述する各部の機能を実現する。
【0033】
また、専門家回答手段60は同様の構成と、キーボード、マウス、ディスプレイを備えたパーソナルコンピュータで構成されている。専門家回答手段60は専門家が操作することで、後述する各種の承認、メールやチャットにより販売者サーバ40を介して購入者端末30とのやりとりができる。専門家回答手段60では、専門家が購入前チェックシートの記載、使用上の注意事項の確認の有無、質問の内容に応じて販売の可否を決定して販売者サーバ40に伝える。
【0034】
次に、販売者サーバ40の構成について説明する。
図2は同商品販売システムの販売者サーバの構成を示すブロック図である。販売者サーバ40は商品データベース41、商品検索手段42、詳細表示データベース43、インターネット接続手段44、ショッピングカート表示手段45、購入前チェックシート及び使用上の注意事項表示手段46、回答質問受付手段47、専門家接続インターフェース48、商品比較表示手段49、ステータス保持手段50、及び制御部51を備える。
【0035】
商品データベース41は、販売している商品、本例では第一類医薬品の基本データ、収納箱、錠剤形態等のデータを格納している。商品検索手段42は、購入者端末30から入力されたキーワードにマッチする商品を商品データベース41から抽出して出力する。詳細表示データベース43は、商品データベース41が格納している商品についての詳細表示用データを格納している。インターネット接続手段44は、販売者サーバ40とインターネット20とを接続する。ショッピングカート表示手段45は購入者端末30で購入された商品を集計してショッピングカート画面に表示する。
【0036】
購入前チェックシート及び使用上の注意事項表示手段46は、購入者端末30に購入者情報である購入前チェックシートの入力欄と使用上の注意事項とを表示する一連の画面を生成する。回答質問受付手段47は、購入者からの質問を受付可能な手段を販売者サーバ40の受付可能状態に応じて決定し、受付可能な手段を購入者端末30に表示させる。即ち、専門家回答手段60における専門家の待機状態に応じて購入者からの質問を受付可能な手段が、メールだけであるか、メール及びチャットであるかを決定し、この状態を購入者端末30に表示する。
【0037】
専門家接続インターフェース48は、販売者サーバ40と専門家回答手段60とを接続する。商品比較表示手段49は、購入者端末30から検索で抽出された商品が複数あるとき、購入者端末に抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能な状態に表示する。また、購入者端末30が指定した任意の商品の比較画面を生成する。比較のためのデータは、商品データベース41及び詳細表示データベース43から取得する。
【0038】
ステータス保持手段50は、商品の選択から購入手続までの過程において、購入者端末30が操作を中断し、その後処理を再開したとき、商品に関する購入手続がどの段階まで完了しているのかを表示する。本例では、ショッピングカート表示画面に購買ステータスを表示する。制御部51は販売者サーバ40の各処理部(41〜50)を所定の手順で動作させる。
【0039】
次に商品販売システム10の処理について説明する。
図3は同商品販売システムの動作例を示すフローチャート、
図4は同商品販売システムの動作手順を示すものであり、(a)は質問可能手段を提示する手順を示すフローチャート、(b)はチェックシートの記載事項に基づいて使用上の注意事項を変更する処理を示すフローチャート、(c)はステータスの保持処理を示すフローチャートである。また、
図5は同商品販売システムにおける購入者端末のショッピングカート画面を示す図、
図6は同商品販売システムの購入者端末に連続して表示される購入前チェックシートと使用上の注意事項とを示す図である。
【0040】
まず、購入者は購入者端末30からインターネットを介して医薬品販売者である販売業者70が管理する販売者サーバ40に接続する。購買者は、販売者サーバ40が提供する販売ホームページにおいて購入を希望する商品を選択して購入手続を行う。通常、購入者端末30から販売者サーバ40にアクセスすると、購入者端末30の表示画面には販売者サーバ40が送出する販売ホームページの検索画面が表示される。これにより、購入者は購入者端末30の検索画面において所望の商品を検索できる(ステップSA1)。
【0041】
検索が実行されると、購入者端末30には、商品検索手段42は商品データベース41を検索し、抽出された1又は複数の商品を検索結果として購入者端末30の表示画面に表示する。購入者は、この検索結果画面から購入する商品を選択する(ステップSA2)。商品が選択されると、販売者サーバ40の制御部51は、詳細表示データベース43から商品の詳細を抽出して、購入者端末30の表示画面に商品詳細を説明する表示する(ステップSA3)。この画面から購入者が商品の購入するため指定すると、ショッピングカート表示手段45は、
図5に示すように、購入者端末に当該商品が購入対象としたショッピングカート画面81を表示する(ステップSA4)。このショッピングカート画面81には、商品を特定する情報と、商品の購買ステータス82とが表示される。この例では、商品について、問診(購入前チェックシートと使用上の注意事項)に未返答であることを表示している。
【0042】
そして、ショッピングカート画面81において、「購入する」を選択すると、購入前チェックシート及び注意事項表示手段46は、
図6に示すように、購入者端末30の表示画面80に、購入前チェックシート83と、使用上の注意事項84とを一連に表示する(ステップSA5)。購入者端末30において、購入前チェックシート83と注意事項84とは画面をスクロールすることで一度に表示できる。これにより、購入前チェックシートと使用上の注意事項を、個別に表示をするのに比べて処理数を少なくでき、購入者の手間と販売者の処理負荷を軽減することができる。なお、購入者情報を確認した後に使用上の注意事項の提示を行わなくてはいけないと言う法的規制はない。
【0043】
購入者は、購入者端末30から購入前チェックシート83に、購入者が過去の使用歴、副作用の有無、年齢、性別等の情報を入力し、購入前チェックシート83の所定欄に使用上の注意事項を承諾した旨の確認をする。また、必要により質問事項を記入する(ステップSA6)。販売者サーバ40では、購入前チェックシート及び使用上の注意事項についての回答等がなされると、回答質問受付手段47でこれを受付け、専門家接続インターフェース48を介して専門家回答手段60に送出する。専門家回答手段60では、まず、購入前チェックシート83の回答について専門家による判定がなされ(ステップSA7)、この判断を前提として販売がなされる。
【0044】
専門家回答手段60において、販売に問題がないとされた場合(ステップSA7の問題なし)の場合、さらに、専門家回答手段60において、使用上の注意事項84を了解して確認されたこと及び質問事項がないことを確認して(ステップSA8の確認あり、質問なし)、購買手続に進む(ステップSA9)。購入手続では、支払情報、配送先情報、配送日時情報等が指定されて、購入手続を開始する。
【0045】
本実施形態に係る商品販売システム10では、購入前チェックシート83の確認により、専門家回答手段60において問題ありとされた場合(ステップSA7の問題あり)、購入前チェックシート83に直ちに商品の購入ができない旨が表示される。
図7は同商品販売システムにおける購入者端末の購入前チェックシートの表示例を示すものであり、(a)は入力画面を示す図、(b)は一部を入力した状態で購入できない旨の表示がされた状態を示す図である。即ち、
図7(a)に示すように回答前の購入前チェックシート83は、
図7(b)に示すように、当該商品の使用ができない旨の表示85がなされる(ステップSA10)。この例では、男性用の医薬品について女性が使用する、としたため、使用ができないとされた。これにより、早いタイミングで購入者に販売ができない旨や、相談が必要である旨を提示でき、購入者の手間を省くことができる。
【0046】
この場合購入者は購入者端末30から入力欄からのメール又はチャットで専門家に問い合わせることができる(ステップSA11)。この問い合わせについて専門家が対応してあらためて相談を行い(ステップSA12)、問題がなければ(ステップSA12の問題なし)、ステップSA8に進み更に、購入手続に進む(ステップSA9)。問い合わせや相談について、専門家が問題ありと判定したとき(ステップSA12の問題あり)商品は販売されず、検索画面(ステップSA1)に戻る。
【0047】
使用上の注意事項を提示して、質問事項があったとき(ステップS8の質問あり)、専門家が専門家回答手段60から回答を行う(ステップSA13)。そして、チェックシート回答入力、使用上の注意事項確認、質問入力(ステップSA6)に戻る。
【0048】
ここで、購入者端末30からの質問を行う手順について説明する。本実施形態に係る商品販売システム10において、質問は問い合わせフォームに記載することにより後に回答されるメール、又はリアルタイムで対応できるチャットで対応する。
図4(a)は質問可能手段を提示する手順を示すフローチャート、
図8は同商品販売システムにおける購入前チェックシートの確認画面における質問可能手段の記載を示すものであり、(a)は専門家が即時対応可でありメールとチャットで質問できる状態を示す図、(b)は専門家が即時対応不可でありメールで質問できる状態を示す図、(c)は専門家への質問フォーム示す図である。
【0049】
図4(a)に示すように、質問画面が表示された状態(ステップSB1)で、専門家回答手段60において、担当する専門家が在席しているかが判定される(ステップSB2)。専門家回答手段60で回答できる状態、即ち専門家がその場で対応できる場合(ステップSBのYes)時はメール及びチャットで対応し(ステップSB4)、専門家が不在のときには専門家が対応可能となったときメールで回答する(ステップSB5)。本実施形態に係る商品販売システム10では、購入者端末30の表示画面80において、
図8に示すように、どの手段で対応が可能であるかを表示する(ステップSB6)。
【0050】
専門家が在席し、メール及びチャットの両方で対応できるときには、
図8(a)に示すように、購入前チェックシートの確認画面86において、その旨の表示87を行う。一方、専門家が不在であり、メールで対応する場合には、
図8(b)に示すように、メールで
問い合わせるための表示89及びチャットができない旨90が表示される。メールで問い合わせる旨の表示を選択すると、
図8(c)に示すように、問い合わせ画面91に問い合わせ入力欄92が表示される。これにより、購入者は、質問を受付可能な手段として、チャットが使用できるかどうかを容易に認識できる。これにより、購入者は販売者サーバにおいて受付が可能な手段を容易に認識できる。
【0051】
また、本実施形態に係る商品販売システム10では、検索した結果や選択した複数の商品を比較することができる。
図9は同商品販売システムにおける購入者端末の商品比較画面を示す図である。
図9に示すように、商品「解熱鎮痛薬A」を検索した結果、2つの商品「解熱鎮痛薬A」と「解熱鎮痛薬AC」とが抽出されたとする。この場合、商品比較表示手段49により購入者端末30の表示画面80に商品比較画面94が表示される。商品比較画面94には、「解熱鎮痛薬A」の説明欄95と、「解熱鎮痛薬AC」の説明欄96とが比較可能に表示される。これにより、購入者は、抽出された商品の価格を含む商品情報を比較可能となる。
よって、購入者端末では抽出された複数の商品を容易に比較できる。
【0052】
更に、本実施形態に係る商品販売システム10では、購入者情報である購入前チェックシートの入力内容に基づいて購入者端末に表示する使用上の注意事項の表示項目を変更する。この処理は、回答質問受付手段47が取得した購入前チェックシートの回答結果に基づいて購入前チェックシート及び使用上の注意事項表示手段46が行う。
図4(b)はチェックシートの記載事項に基づいて使用上の注意事項を変更する処理を示すフローチャート、
図10は同商品販売システムにおける回答された購入者チェックシートに対応して変更された使用上の注意事項を示す図である。
【0053】
図4(b)に示すように、購入前チェックシート83に記入がなされる(ステップSC1)と、販売者サーバ40は、特定の項目に記載があるかを確認する(ステップSC2)。
図10に示すように購入前チェックシート97の特定の項目に特定の回答がなされている場合(ステップSC2のYes)、当該項目に関する使用上の注意事項を不要として使用上の注意事項98の記載事項を変更して(ステップSC3)表示する(ステップSC4)。一方、特定の項目に特定の回答がされていない場合(ステップSC2のNo)、使用上の注意事項をそのままとして表示する(ステップSC4)。
【0054】
このような処理は、例えば購入前チェックシートで使用者が男性である場合、妊娠に関する注意事項を表示しない等する場合に発生する。これにより、購入者端末では使用上の注意事項のうち当該購入者には必要がない項目については表示されず、購入処理
【0055】
更に、本実施形態に係る商品販売システム10では、商品の選択から購入手続までの過程において、購入者端末が操作を中断し、その後処理を再開したとき、前記商品に関する購入手続がどの段階まで完了しているかのステータスを表示する。
図4(c)はステータスの保持処理を示すフローチャートである。
【0056】
購入手続中に処理が中断されると(ステップSD1のYes)、ステータス保持手段50に購入の処理状態が保存される(ステップSD2)。そして、購入手続が再開されると(ステップSD3のYes)、ステータス保持手段50から処理状態が読み出され、例えばショッピングカートの表示画面中にステータスが表示される。本例では、
図5に示すように、ショッピングカート画面81中に購買ステータス82を表示している。この例では、購入前チェックシート及び使用上の注意事項を表示した段階での回答がない「問診等未返答状態」が表示され、購入手続をこの段階から再開できることがわかる。
【解決手段】インターネット20を介して販売者サーバ40に接続された購入者端末30から販売者サーバにアクセスして第一類医薬品を指定して購入できる商品販売システム10である。販売者サーバ40は、購入者端末30に購入前チェックシート83と使用上の注意事項84とを一連の画面に表示したのち、販売の可否を判定するとともに、使用上の注意事項を前記購入者が了解しかつ購入者からの質問がないことを確認して販売手続を行う。