特許第6251444号(P6251444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6251444
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】電力供給切替装置及び電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20171211BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20171211BHJP
【FI】
   H02J7/00 P
   H02J7/02 J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-151792(P2017-151792)
(22)【出願日】2017年8月4日
【審査請求日】2017年8月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517266115
【氏名又は名称】株式会社船橋総行
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】二宮 正
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−242795(JP,A)
【文献】 特表2014−519300(JP,A)
【文献】 特開2012−039722(JP,A)
【文献】 特開2013−118716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12;7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の駐車場に設置されている複数の充電器への電力供給に用いられる電力供給切替装置であって、
複数のグループに分けられた前記複数の充電器の各グループへの電力供給のオン/オフを切り替える複数のスイッチと、
前記複数のスイッチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のスイッチのうちのいずれか一つのスイッチのみがオンするか、又は、全てのスイッチがオフするように、前記複数のスイッチのオン/オフを制御し、
1日毎に、前記各スイッチがオンする時間帯を所定時間ずつずらす、電力供給切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給切替装置において、
前記制御部は、前記複数のスイッチが1日のうちにオンしている時間が、全てのスイッチで同じ時間になるように、前記複数のスイッチを制御する、電力供給切替装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力供給切替装置において、
前記制御部は、オンになっている前記スイッチをオフしてから、次にオンする前記スイッチをオンするまでの間に、切替予備時間として、前記複数のスイッチの全てがオフになっている時間を設ける、電力供給切替装置。
【請求項4】
集合住宅の駐車場に駐車している自動車への電力供給に用いられる電力供給システムであって、
前記駐車場に設置されている複数の充電器と、
前記複数の充電器への電力供給を制御する電力供給切替装置と、を備え、
前記電力供給切替装置は、
複数のグループに分けられた前記複数の充電器の各グループへの電力供給のオン/オフを切り替える複数のスイッチと、
前記複数のスイッチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のスイッチのうちのいずれか一つのスイッチのみがオンするか、又は、全てのスイッチがオフするように、前記複数のスイッチのオン/オフを制御し、
1日毎に、前記各スイッチがオンする時間帯を所定時間ずつずらす、電力供給システム。
【請求項5】
請求項に記載の電力供給システムにおいて、
高電圧で受電した電力を低電圧に変圧し、変圧後の電力を前記電力供給切替装置に供給する受電装置をさらに備える、電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅の駐車場に駐車している自動車への電力供給に用いられる電力供給切替装置及び電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出の低減などを目的として、自治体などにより、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の普及促進のための取り組みが行われている。
【0003】
電気自動車が普及するために必須である充電スタンドの設置箇所は増えつつある。しかしながら、充電スタンドにおける充電は、たとえ急速充電であっても時間がかかるし、また、急速充電はバッテリの劣化を早めるという傾向もあるため、家庭で電気自動車を保有するためには、自宅の駐車場においても、電気自動車を充電できる環境があることが好ましい。
【0004】
例えば特許文献1には、一般家庭の自宅用駐車スペースなどに、電気自動車の充電装置を容易に設置することができるようにするための発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−277381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
戸建てに居住している一般家庭は、個人の判断で電気自動車用の充電装置を設置することができるため、比較的容易に自宅用駐車スペースに充電装置を設置することができる。
【0007】
しかしながら、集合住宅の駐車場においては、電気自動車の充電装置の設置はあまり普及していない。また、たとえ設置されていても、専用の駐車スペースに数台分の充電装置が設置されているだけのことが多く、通常の居住者用の駐車スペースには、ほとんど充電装置は設置されていない。その結果、集合住宅の居住者の間では、電気自動車の普及があまり進まない状況となっている。
【0008】
集合住宅の駐車場において電気自動車の充電装置の設置が普及していない要因の一つとして、充電装置の導入に伴うコストが高いことにより、電気自動車の充電装置の設置に向けての合意を形成することが困難であることが挙げられる。
【0009】
かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、集合住宅の駐車場において電気自動車の充電装置の導入に伴うコストを低減することができる、電力供給切替装置及び電力供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電力供給切替装置は、集合住宅の駐車場に設置されている複数の充電器への電力供給に用いられる。前記電力供給切替装置は、複数のグループに分けられた前記複数の充電器の各グループへの電力供給のオン/オフを切り替える複数のスイッチと、前記複数のスイッチを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記複数のスイッチのうちのいずれか一つのスイッチのみがオンするか、又は、全てのスイッチがオフするように、前記複数のスイッチのオン/オフを制御し、1日毎に、前記各スイッチがオンする時間帯を所定時間ずつずらす
【0011】
また、本発明に係る電力供給システムは、集合住宅の駐車場に駐車している自動車への電力供給に用いられる。前記電力供給システムは、前記駐車場に設置されている複数の充電器と、前記複数の充電器への電力供給を制御する電力供給切替装置と、を備える。前記電力供給切替装置は、複数のグループに分けられた前記複数の充電器の各グループへの電力供給のオン/オフを切り替える複数のスイッチと、前記複数のスイッチを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記複数のスイッチのうちのいずれか一つのスイッチのみがオンするか、又は、全てのスイッチがオフするように、前記複数のスイッチのオン/オフを制御し、1日毎に、前記各スイッチがオンする時間帯を所定時間ずつずらす
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電力供給切替装置及び電力供給システムによれば、集合住宅の駐車場において電気自動車の充電装置の導入に伴うコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの概略構成を示す図である。
図2図1の電力供給切替装置の概略構成を示す図である。
図3】各グループへの電力供給の時間設定テーブルの一例である。
図4】各グループへの電力供給の時間設定テーブルの他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の概略構成を示す図である。電力供給システム1は、集合住宅の駐車場に駐車している自動車への電力供給に用いられるシステムである。
【0016】
電力供給システム1は、受電装置10と、電力供給切替装置20と、複数の充電器30とを備える。
【0017】
受電装置10は、例えば、キュービクル式高圧受電設備である。受電装置10は、電力会社の送電線などから電力を高電圧で受電し、200Vなどの低電圧に変圧して、電力供給切替装置20に電力を供給する。受電装置10は、必要な電気容量に応じて、トランス(変圧器)などに要求される仕様が変わる。受電装置10は、必要な電気容量が小さいほど、低コストのものとすることができるため、電力会社から受電する最大電力は小さい電力に抑えることが好ましい。なお、受電装置10は、200Vではなく100Vに変圧してもよいが、200Vの方が短時間で電気自動車を充電できるため、200Vに変圧することが好ましい。
【0018】
電力供給切替装置20は、受電装置10から供給された電力を、配線40A、配線40B、又は配線40Cのいずれかに供給する。電力供給切替装置20が配線40Aに電力を供給すると、配線40Aに接続されている複数の充電器30に電力が供給される。電力供給切替装置20が配線40Bに電力を供給すると、配線40Bに接続されている複数の充電器30に電力が供給される。電力供給切替装置20が配線40Cに電力を供給すると、配線40Cに接続されている複数の充電器30に電力が供給される。電力供給切替装置20の構成及び機能の詳細については後述する。
【0019】
充電器30は、集合住宅の駐車場において、各駐車スペースに設置されている。充電器30は、各駐車スペースにおいて、例えば、車止めの後方など、駐車の邪魔にならず、また、電気自動車などの電源プラグを差し込みやすい場所に設置されている。充電器30は、コンセントを備え、電気自動車の電源プラグなどを差し込むことができる。充電器30が電力供給切替装置20から電力を供給されているとき、充電器30は、電源プラグが差し込まれている電気自動車のバッテリを充電することができる。
【0020】
なお、充電器30は、電気自動車のバッテリに限らず、例えば、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)のバッテリも充電することができる。
【0021】
複数の充電器30は、図1に示すように、グループA、グループB、及びグループCの3つのグループに分けられている。グループAの充電器30は、配線40Aを介して電力供給切替装置20に接続されている。グループBの充電器30は、配線40Bを介して電力供給切替装置20に接続されている。グループCの充電器30は、配線40Cを介して電力供給切替装置20に接続されている。
【0022】
なお、図1においては、複数の充電器30が3つのグループに分かれている例を示しているが、複数の充電器30は、複数のグループに分かれていれば、3つ以外のグループに分かれていてもよい。複数の充電器30は、2つのグループに分かれていてもよいし、4つ以上のグループに分かれていてもよい。
【0023】
続いて、図2を参照して、電力供給切替装置20の構成及び機能について説明する。図2に示すように、電力供給切替装置20は、スイッチ21A〜21Cと、制御部22と、記憶部23と、入力部24とを備える。
【0024】
スイッチ21Aは、制御部22からの制御信号に基づいて、受電装置10の出力と、配線40Aとの接続のオン/オフを切り替える。スイッチ21Bは、制御部22からの制御信号に基づいて、受電装置10の出力と、配線40Bとの接続のオン/オフを切り替える。スイッチ21Cは、制御部22からの制御信号に基づいて、受電装置10の出力と、配線40Cとの接続のオン/オフを切り替える。
【0025】
スイッチ21Aがオンすると、受電装置10から配線40Aを介して、グループAに接続された複数の充電器30に電力が供給される。スイッチ21Bがオンすると、受電装置10から配線40Bを介して、グループBに接続された複数の充電器30に電力が供給される。スイッチ21Cがオンすると、受電装置10から配線40Cを介して、グループCに接続された複数の充電器30に電力が供給される。
【0026】
以後、スイッチ21A〜21Cについて、特に区別する必要がないときは、単にスイッチ21と記して説明する。
【0027】
図2においては、電力供給切替装置20が3つのスイッチ21A〜21Cを備える構成を示しているが、電力供給切替装置20が備えるスイッチ21の数は3つに限定されない。電力供給切替装置20は複数のスイッチ21を備えていればよく、スイッチ21の数は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0028】
スイッチ21は、例えば、電磁開閉器とすることができる。スイッチ21が電磁開閉器である場合、制御部22からの制御信号によって、電磁開閉器が備えるコイルに電流が流れると、スイッチ21はオンする。また、制御部22からの制御信号によって、電磁開閉器が備えるコイルに電流が流れなくなると、スイッチ21はオフする。
【0029】
制御部22は、電力供給切替装置20の各構成部及び電力供給切替装置20全体を制御する。制御部22は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサとして構成されてもよいし、特定の処理に特化した専用のプロセッサとして構成されてもよい。制御部22が行う制御の詳細については後述する。
【0030】
記憶部23は、各種データ、及び制御部22によって実行されるプログラム等を記憶する。記憶部23は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリ等により構成されてよい。記憶部23は、制御部22と一体として構成されてもよい。
【0031】
入力部24は、電力供給切替装置20へのユーザからの入力を受け付ける。入力部24は、物理的なボタンとして構成されてもよいし、画面への入力を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。
【0032】
続いて、制御部22の動作について詳細に説明する。
【0033】
制御部22は、スイッチ21のオン/オフを制御し、グループA〜Cへの電力供給のオン/オフを切り替える。制御部22は、スイッチ21A〜21Cのうち、いずれか一つのみがオンするか、又は、全てのスイッチ21がオフするように、スイッチ21A〜21Cを制御する。すなわち、制御部22は、スイッチ21A〜21Cのうちの2つ以上が同時にオンすることがないように、スイッチ21A〜21Cを制御する。図2は、スイッチ21Aのみがオンとなっている状態を示したものである。
【0034】
スイッチ21A〜21Cのうちの2つ以上が同時にオンすることがないため、電力供給切替装置20は、最大でも、グループA〜Cのうち、いずれか1つのグループのみに電力を供給できればよい。その結果、電力供給システム1は、集合住宅の駐車場に駐車している全ての自動車に同時に電力を供給できるようにする場合に比べて、電力会社から供給を受ける最大電力量を1/3程度に抑えることができる。
【0035】
制御部22は、スイッチ21が1日のうちにオンしている時間が、全てのスイッチ21で同じ時間になるように、スイッチ21A〜21Cを制御する。これにより、制御部22は、各グループに電力が供給される時間が1日のうちに均等になるようにすることができる。例えば、制御部22は、1日を8時間ずつに分け、各グループに8時間ずつ電力を供給するように、スイッチ21のオン/オフを制御する。制御部22は、例えば、各グループに対し、以下に示す時間帯に電力を供給するように、スイッチ21のオン/オフを制御することができる。
グループA: 0:00〜 8:00
グループB: 8:00〜16:00
グループC: 16:00〜24:00
【0036】
上述の例では、各グループの充電器30は、1日のうち8時間、電気自動車を充電することが可能である。電気自動車は、200Vで普通充電した場合、8時間以内に満充電にできるものが多いため、上述の例のように、電力を供給する時間を各グループに8時間ずつ割り当てれば、ほとんどの電気自動車を1日で満充電にすることが可能である。
【0037】
制御部22は、各スイッチ21がオンする時間帯を、1日毎に所定時間ずつずらす。制御部22は、例えば、各スイッチ21がオンする時間帯を、1日毎に2時間ずつずらす。図3に、制御部22が各グループに電力を供給する時間設定テーブルの一例を示す。
【0038】
制御部22は、ある日、例えば、8月1日に図3に示す設定1の時間設定で、グループA〜Cに電力が供給されるように、スイッチ21A〜21Cを制御すると、次の日、すなわち8月2日には、設定2の時間設定で、グループA〜Cに電力が供給されるように、スイッチ21A〜21Cを制御する。
【0039】
図3に示す例では、設定1と設定2では、各グループに電力が供給される時間が2時間ずれている。このように1日に2時間ずつ、各グループに電力を供給する時間をずらしていくと、12日間で時間設定が一巡する。制御部22は、12日経って時間設定が一巡すると、また設定1の時間設定に戻り、設定1の時間設定でグループA〜Cに電力が供給されるように、スイッチ21A〜21Cを制御する。
【0040】
このように、制御部22が、各グループに電力を供給する時間を、1日毎に2時間ずつずらしていくと、12日間で、各グループが電力供給を受けることができる時間帯を均等にすることができる。したがって、集合住宅に電気自動車を駐車している居住者の間で、電力供給を受けることができる時間帯の割り当てを公平にすることができる。
【0041】
なお、制御部22が1日毎にずらす時間を2時間としたのは一例であり、ずらす時間の長さは、2時間より短くてもよいし、長くてもよい。
【0042】
図3に示すような時間設定テーブルは、記憶部23が記憶することができる。制御部22は、記憶部23に記憶されている時間設定テーブルを参照して、スイッチ21A〜21Cのオン/オフを切り替える。
【0043】
管理者等の電力供給切替装置20のユーザは、入力部24に入力することにより、記憶部23に記憶されている時間設定テーブルの内容を変更することができる。または、ユーザは、入力部24に入力することにより、新たな時間設定テーブルを、記憶部23に記憶することができる。
【0044】
図3に示す例では、制御部22は、グループAへの電力の供給を停止したらすぐに、グループBに電力を供給するというように、スイッチ21の切替に予備時間を設けずにスイッチ21A〜21Cを制御しているが、スイッチ21の切替に予備時間を設けてもよい。図4に、スイッチ21の切替に予備時間を設けた場合の時間設定テーブルの一例を示す。
【0045】
図4を参照すると、例えば設定1でスイッチ21A〜21Cを制御する場合、制御部22は、7:55にスイッチ21AをオフしてグループAへの電力供給を停止した後、切替予備時間である5分間の間は、全てのスイッチ21がオフとなるように制御する。そして、制御部22は、8:00になると、スイッチ21Bがオンとなるように制御する。
【0046】
なお、図4において切替予備時間を5分としているのは、一例であり、切替予備時間は5分より短くてもよいし、長くてもよい。
【0047】
制御部22は、このように、スイッチ21が全てオフとなっている切替予備時間を設けることにより、確実に、2つ以上のスイッチ21が同時にオンすることがないようにすることができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、制御部22は、複数のスイッチ21のうちのいずれか一つのスイッチ21のみがオンするか、又は、全てのスイッチ21がオフするように、複数のスイッチ21のオン/オフを制御する。これにより、電力供給切替装置20は、最大でも、グループA〜Cのうち、いずれか1つのグループのみに電力を供給できればよい。その結果、電力供給システム1は、集合住宅の駐車場に駐車している全ての自動車に同時に電力を供給できるようにする場合に比べて、電力会社から供給を受ける最大電力量を数分の1に抑えることができる。そのため、受電装置10に必要な電気容量を数分の1に抑えることができ、受電装置10を低コストのものとすることができる。また、電力供給システム1は、電力会社から供給を受ける最大電力量を数分の1に抑えることができため、電力会社との契約における契約アンペアを低減することができ、電気料金の基本料金を低額に抑えることができる。したがって、本実施形態に係る電力供給切替装置20及び電力供給システム1は、集合住宅の駐車場において電気自動車の充電装置の導入に伴うコストを低減することができる。
【0049】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0050】
1 電力供給システム
10 受電装置
20 電力供給切替装置
21、21A、21B、21C スイッチ
22 制御部
23 記憶部
24 入力部
30 充電器
40A、40B、40C 配線
【要約】
【課題】集合住宅の駐車場において電気自動車の充電装置の導入に伴うコストを低減する。
【解決手段】本発明に係る電力供給切替装置20は、集合住宅の駐車場に設置されている複数の充電器30への電力供給に用いられる。電力供給切替装置20は、複数のグループに分けられた複数の充電器30の各グループへの電力供給のオン/オフを切り替える複数のスイッチ21と、複数のスイッチ21を制御する制御部22と、を備える。制御部22は、複数のスイッチ21のうちのいずれか一つのスイッチ21のみがオンするか、又は、全てのスイッチ21がオフするように、複数のスイッチ21のオン/オフを制御する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4