特許第6251461号(P6251461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6251461
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】静電チャックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-539699(P2017-539699)
(86)(22)【出願日】2017年3月27日
(86)【国際出願番号】JP2017012345
【審査請求日】2017年7月27日
(31)【優先権主張番号】62/314,564
(32)【優先日】2016年3月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 理俊
(72)【発明者】
【氏名】竹林 央史
(72)【発明者】
【氏名】平田 夏樹
【審査官】 齊田 寛史
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−533098(JP,A)
【文献】 特開2005−159018(JP,A)
【文献】 特開2000−150119(JP,A)
【文献】 特開2004−22476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックと支持台との間に、樹脂シートにヒータ線が埋設されたシートヒータが配置された静電チャックヒータであって、
前記ヒータ線は、前記樹脂シートの多数のゾーンごとに設けられ、一端から他端まで一筆書きの要領で前記ゾーンの全体に行き渡るように配線された銅線によって構成され、
前記シートヒータは、前記シートヒータの表面に平行で高さの異なる第1電極領域と第2電極領域を有し、前記第1電極領域は前記ヒータ線が設けられた領域であり、前記第2電極領域は各ヒータ線に給電するジャンパ線が複数設けられた領域であり、前記ジャンパ線は銅線で構成され、
前記ジャンパ線は、10mm幅の中に前記銅線が9本以上配線されている、
静電チャックヒータ。
【請求項2】
前記ヒータ線は、1mm幅の中に50本以下配線されている、
請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項3】
前記ヒータ線は、厚みが35μm以下である、
請求項1又は2に記載の静電チャックヒータ。
【請求項6】
前記銅線は、最も幅の広い部分の線幅から最も幅の狭い部分の線幅を差し引いた値であるばらつきが4μm以下である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電チャックヒータ。
【請求項7】
前記銅線は、純度が99.9質量%以上である、
請求項1〜3,6のいずれか1項に記載の静電チャックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
静電チャックヒータとしては、静電チャックとベースとの間に、樹脂シートに加熱部材が埋設されたシートヒータが設けられたものが知られている(特許文献1参照)。こうした静電チャックヒータでは、樹脂シートが静電チャックに対して急激な膨張・収縮を緩和する緩衝層として機能し、静電チャックにクラック等が発生するのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−40644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、加熱部材はチタンやタングステン、モリブデンのような比較的抵抗の高い材料で構成されているため、加熱部材を細かく配線すると温度が上がり過ぎるという問題があった。そのため、加熱部材の配線間隔を広くする必要があったが、そうすると、加熱部材が存在する部分と存在しない部分との温度差が広がり、均熱性を損ねるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、従来に比べてウエハの均熱性を向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の静電チャックヒータは、
静電チャックと支持台との間に、樹脂シートにヒータ線が埋設されたシートヒータが配置された静電チャックヒータであって、
前記ヒータ線は、前記樹脂シートの多数のゾーンごとに設けられ、一端から他端まで一筆書きの要領で前記ゾーンの全体に行き渡るように配線された銅線によって構成されている、
ものである。
【0007】
この静電チャックヒータでは、樹脂シートの多数のゾーンごとに設けられたヒータ線は銅線によって構成されている。銅は、チタンやタングステン、モリブデンなどと比べて電気抵抗が低い。そのため、ヒータ線を細かく配線したとしても温度が上がり過ぎることはなく、配線間隔を狭くすることができる。その結果、静電チャックのウエハ載置面においてヒータ線が存在する部分と存在しない部分との温度差が小さくなり、ウエハの均熱性が向上する。
【0008】
なお、静電チャックは、セラミック焼結体に静電電極が埋設されたものとしてもよい。支持台は、金属製のものとしてもよく、内部に冷媒流路を有するものとしてもよい。
【0009】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記ヒータ線は、1mm幅の中に50本以下配線されるようにしてもよい。こうすれば、ヒータ線の配線間隔を十分狭くすることができ、ウエハの均熱性がより向上する。ヒータ線は、1mm幅の中に1本以上配線されていればよいが、5本以上配線されていることが好ましい。
【0010】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記ヒータ線は、厚みを35μm以下にしてもよい。こうすれば、樹脂シートを薄くすることができるため、静電チャックと支持台との間の熱抵抗を小さくすることができる。ヒータ線の厚みの下限値は特に限定するものでないが、製造限界値(例えば4μm)としてもよい。
【0011】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記シートヒータは、前記シートヒータの表面に平行で高さの異なる第1電極領域と第2電極領域を有し、前記第1電極領域は前記ヒータ線が設けられた領域であり、前記第2電極領域は各ヒータ線に給電するジャンパ線が複数設けられた領域であり、前記ジャンパ線は銅線で構成されていてもよい。こうすれば、各ヒータ電極に供給する電力を個別に制御することができるため、高い均熱性を達成しやすい。また、ジャンパ線は電気抵抗(比抵抗)の小さい銅線で構成されているため、断面積が小さくても発熱しにくい。そのため、高密度でレイアウトすることができる。例えば、ジャンパ線は、10mm幅の中に銅線が9本以上配線されていてもよい。また、ジャンパ線は、10mm幅の中に銅線が20本以下配線されていてもよい。
【0012】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記銅線は、線幅のばらつき(最も幅の広い部分の線幅から最も幅の狭い部分の線幅を差し引いた値)が4μm以下となるようにしてもよい。銅線の形状をウェットエッチングで作製すれば、銅線の線幅のばらつきを4μm以下に収めることができる。こうすれば、線間距離の設計値を10〜数10μmに設定したとしても、実際に銅線を作製したときに隣合う線同士が接触してしまうことがない。
【0013】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記銅線は、純度が99.9質量%以上であることが好ましい。一般に銅の純度が高いほど電気抵抗は低いため、本発明の静電チャックヒータのヒータ線あるいはジャンパ線に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】静電チャックヒータ20の概略構成を示す断面図。
図2】シートヒータ30の内部構造を示す斜視図。
図3】ゾーンZ1に設けられたヒータ線34の平面図。
図4】ヒータ線34の製造工程図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は静電チャックヒータ20の概略構成を示す断面図、図2はシートヒータ30の内部構造を示す斜視図、図3はゾーンZ1に設けられたヒータ線34の平面図である。
【0016】
静電チャックヒータ20は、ウエハWをウエハ載置面22aに吸着保持する装置である。この静電チャックヒータ20は、静電チャック22、シートヒータ30及び支持台60を備えている。静電チャック22の下面とシートヒータ30の上面30aとは第1ボンディングシート81を介して互いに接着されている。支持台60の上面とシートヒータ30の下面30bとは第2ボンディングシート82を介して互いに接着されている。各ボンディングシート81,82としては、ポリプロピレン製の芯材の両面にアクリル樹脂層を備えたシート、ポリイミド製の芯材の両面にシリコーン樹脂層を備えたシート、エポキシ樹脂単独のシートなどが挙げられる。
【0017】
静電チャック22は、円板状の部材であり、セラミックス焼結体26に静電電極24が埋設されたものである。セラミックス焼結体26としては、例えば窒化アルミニウム焼結体やアルミナ焼結体などが挙げられる。静電チャック22の上面は、ウエハWを載置するウエハ載置面22aとなっている。セラミックス焼結体26の厚みは、特に限定するものではないが、0.5〜4mmが好ましい。
【0018】
シートヒータ30は、円板状の部材であり、耐熱性の樹脂シート32に、ヒータ線34及びジャンパ線36,37を内蔵したものである。樹脂シート32の材質としては、例えばポリイミド樹脂や液晶ポリマーなどが挙げられる。シートヒータ30は、シートヒータ30の上面30aに平行で高さの異なる第1電極領域A1と第2電極領域A2(図2参照)を有している。
【0019】
第1電極領域A1は、多数のゾーンZ1(例えば100ゾーンとか300ゾーン)に分けられている。各ゾーンZ1には、銅線からなるヒータ線34が一筆書きの要領で一端34aから他端34bまでそのゾーンZ1の全体に行き渡るようにジグザグ状に配線されている。図2では、第1電極領域A1に点線で示す仮想線を引き、その仮想線で囲まれた部分をゾーンZ1とした。この図2では、便宜上、1つのゾーンZ1のみにヒータ線34を示したが、他のゾーンZ1にも同様のヒータ線34が設けられている。また、シートヒータ30の外形を一点鎖線で示した。
【0020】
図3は、1つのゾーンZ1に設けられたヒータ線34の平面図である。ヒータ線34は、高純度(99.9質量%以上)の銅線からなり、1mm幅の中に50本以下配線されていることが好ましい。ヒータ線34は、1mm幅の中に1本以上配線されていればよいが、5本以上配線されていてもよい。また、ヒータ線34の線幅を10μm以上(好ましくは20〜80μm、より好ましくは40〜60μm)、線間距離を10μm以上(好ましくは20〜80μm、より好ましくは40〜60μm)としてもよい。ヒータ線34の線幅を10μm、線間距離を10μmとした場合、1mm幅にヒータ線34を50本配線することができる。ヒータ線34の線幅を50μm、線間距離を50μmとした場合、1mm幅にヒータ線34を10本配線することができる。ヒータ線34の線幅を100μm、線間距離を100μmとした場合、1mm幅にヒータ線34を5本配線することができる。ヒータ線34は、厚みを35μm以下にしてもよい。ヒータ線34の厚みの下限値は特に限定するものでないが、製造限界値(例えば4μm)としてもよい。ヒータ線34は、線幅のばらつき(最も幅の広い部分の線幅から最も幅の狭い部分の線幅を差し引いた値)が4μm以下に収まるものとしてもよい。ヒータ線34の形状をウェットエッチングで作製すれば、線幅のばらつきを4μm以下に収めることができる。
【0021】
第2電極領域A2には、図2に示すように、各ヒータ線34の一端34aに接続された銅線からなる給電用(+極側)のジャンパ線36と、各ヒータ線34の他端34bに接続された銅線からなるグランド用(−極側)のジャンパ線37とが設けられている。そのため、ジャンパ線36の数とジャンパ線37の数は、いずれもヒータ線34の数と一致する。第2電極領域A2は、ゾーンZ1の数よりも少ない数(例えば6ゾーンとか8ゾーン)のゾーンZ2に分けられている。図2では、第2電極領域A2に点線で示す仮想線を引き、その仮想線で囲まれた部分をゾーンZ2とした。この図2では、便宜上、1つのゾーンZ2のみにジャンパ線36,37(一部)を示したが、他のゾーンZ2にも同様のジャンパ線36,37が設けられている。本実施形態では、一つのゾーンZ2を第1電極領域A1に投影したときの投影領域の中に入る複数のヒータ線34を、同じ組に属するものとして説明する。一つの組に属するヒータ線34の一端34aは、その組に対応するゾーンZ2内のジャンパ線36の一端36aに、第1電極領域A1と第2電極領域A2との間を上下方向に貫く図示しないビアを介して接続されている。そのジャンパ線36の他端36bはそのゾーンZ2に設けられた外周領域38まで引き出されている。また、そのヒータ線34の他端34bは、同じゾーンZ2内のジャンパ線37の一端37aに、第1電極領域A1と第2電極領域A2との間を上下方向に貫く図示しないビアを介して接続されている。そのジャンパ線37の他端37bはそのゾーンZ2に設けられた外周領域38まで引き出されている。その結果、同じ組に属するヒータ線34に接続されたジャンパ線36,37の他端36b,37bは、一つの外周領域38にまとめて配置されている。その外周領域38をシートヒータ30の下面30bに投影した領域X内には、ジャンパ線36,37の他端36b,37bと図示しないビアを介して接続されるジャンパランド46b,47bが並んで配置されている。このジャンパランド46b,47bも銅製である。
【0022】
ジャンパ線36は、10mm幅の中に銅線が9本以上(好ましくは9本以上20本以下)配線されていてもよい。ジャンパ線36は、厚みを35μm以下にしてもよい。ジャンパ線36の厚みの下限値は特に限定するものでないが、製造限界値(例えば4μm)としてもよい。ジャンパ線36は、線幅のばらつきが4μm以下に収まるものとしてもよい。ジャンパ線36の形状をウェットエッチングで作製すれば、線幅のばらつきを4μm以下の範囲内に収めることができる。ジャンパ線37の配線密度や厚み、作製方法等は、ジャンパ線36と同様である。
【0023】
支持台60は、図1に示すように、Al又はAl合金などの金属で作製された円板状の部材であり、内部に冷媒流路62が設けられている。冷媒流路62の入口62aと出口62bには、冷媒の温度を調整するチラー70が接続されている。冷媒は、チラー70から冷媒流路62の入口62aに供給されると、支持台60の全体に行き渡るように設けられた冷媒流路62を通過し、冷媒流路62の出口62bからチラー70へ戻され、チラー70内で設定温度に冷やされたあと再び冷媒流路62の入口62aに供給される。なお、支持台60は、その他に、図示しないがウエハWをリフトアップするリフトピンを上下動するための貫通孔などを有している。
【0024】
静電電極24には、図示しない給電棒を介して直流電源から電力が供給される。ヒータ線34には、図2に示すように、ジャンパランド46b,47bに接続された接続用フレキシブルプリント基板(接続用FPC)75を介して電力が供給される。接続用FPC75は、樹脂皮膜で覆われた金属導線を帯状に束ねたケーブルである。
【0025】
次に、こうして構成された静電チャックヒータ20の使用例について説明する。図示しない真空チャンバ内に静電チャックヒータ20をセットし、ウエハWを静電チャック22のウエハ載置面22aに載置する。そして、真空チャンバ内を真空ポンプにより減圧して所定の真空度になるように調整し、静電チャック22の静電電極24に直流電圧をかけてクーロン力又はジョンソン・ラベック力を発生させ、ウエハWを静電チャック22のウエハ載置面22aに吸着固定する。次に、真空チャンバ内を所定圧力(例えば数10〜数100Pa)のプロセスガス雰囲気とする。この状態で、プラズマを発生させてウエハWの表面をエッチングする。この間、ウエハWの温度が予め定めた目標温度となるように、図示しないコントローラが制御する。具体的には、コントローラは、ウエハWの温度を測定する測温センサ(図示せず)からの検出信号を入力し、ウエハWの測定温度が目標温度に一致するように、各ヒータ線34へ供給する電流や冷媒流路62に循環させる冷媒の温度を制御する。特に、コントローラは、ウエハWの温度分布が発生しないように各ヒータ線34へ供給する電流を細かく制御する。なお、測温センサは、樹脂シート32に埋設されていてもよいし、樹脂シート32の表面に接着されていてもよい。この静電チャックヒータ20では、多数のヒータ線34によりゾーンごとに温度を細かく制御することが可能なため、高い精度の均熱性を達成することができる。
【0026】
次に、静電チャック22の製造方法の一例を説明する。まず、セラミックスの成形体又は焼結体の円板部材を準備し、その一方の面に静電電極24を形成する。静電電極24は、電極ペーストをスクリーン印刷してもよいし、PVDやCVD、メッキ等により形成してもよい。続いて、その円板部材のうち静電電極24が形成された面に、円板部材と同じ径の別の円板状成形体を積層して積層体とする。この積層体をホットプレス焼成し、静電電極24が埋設されたセラミックス焼結体26を得る。このセラミックス焼結体26を研削又はブラスト等の加工により所望の形状、厚みに調整する。これにより、静電チャック22が得られる。
【0027】
シートヒータ30の製造方法の一例を説明する。まず、シートヒータ30の上面30aと第1電極領域A1との間を形成する第1樹脂層を用意し、その第1樹脂層の表面にヒータ線34を周知のフォトリソグラフィにより形成する。次に、ヒータ線34を覆うように第2樹脂層をラミネートし、その第2樹脂層の表面にジャンパ線36,37を周知のフォトリソグラフィにより形成する。このとき、ヒータ線34とジャンパ線36,37とを電気的に接続するビアも、第2樹脂層を上下方向に貫通するように設ける。次に、ジャンパ線36,37を覆うように第3樹脂層をラミネートし、その第3樹脂層の表面にジャンパランド46b,47bを周知のフォトリソグラフィにより形成する。このとき、ジャンパ線36,37とジャンパランド46b,47bとを電気的に接続するビアも、第3樹脂層を上下方向に貫通するように設ける。これにより、シートヒータ30が得られる。なお、第1〜第3樹脂層としては、例えば、ポリイミド樹脂を用いてもよいし、液晶ポリマーを用いてもよい。
【0028】
ここで、ヒータ線34の製造例を図4を用いて以下に説明する。まず、樹脂層110の上面全面に銅箔134を貼り、銅箔134の上面全面にレジスト層140を形成し、そのレジスト層140にマスクを被せてヒータ線34の形状(図3参照)と同じ形状が残るようにパターン形成する(図4(a)参照)。なお、銅箔134は、真空蒸着やスパッタ等により形成してもよい。次に、ウェットエッチングにより銅箔134のうちレジスト層140でマスクされていない部分を腐食させてエッチング液に溶解させる(図4(b)参照)。最後に、レジスト層140を剥離液で除去してヒータ線34を完成させる(図4(c)参照)。ウェットエッチングで作製したヒータ線34の線幅のばらつき(最も幅の広い部分の線幅から最も幅の狭い部分の線幅を差し引いた値)を測定した。線幅の設計値は50μm、100μm、1000μm、2000μmとした。その結果を表1に示す。いずれの設計値においても、線幅のばらつきは4μm以下であった。比較として、従来のW系金属ペーストを印刷して作製したヒータ線の線幅のばらつきを測定したところ、表1に示すように、線幅のばらつきは約60μmであった。但し、設計値を50μmに設定した場合にはヒータ線を製造できなかった。なお、ジャンパ線36もウェットエッチングで作製することにより線幅のばらつきを4μm以下にすることができる。
【0029】
【表1】
【0030】
以上説明した静電チャックヒータ20では、樹脂シート32のゾーンZ1ごとに埋設されたヒータ線34は銅線によって構成されている。銅は、チタンやタングステン、モリブデンなどと比べて電気抵抗が低い。そのため、ヒータ線34を細かく配線したとしても温度が上がり過ぎることはなく、線間距離(配線間隔)を狭くすることができる。その結果、静電チャック22のウエハ載置面22aにおいてヒータ線34が存在する部分と存在しない部分との温度差が小さくなり、ウエハWの均熱性が向上する。
【0031】
また、ヒータ線34を1mm幅の中に50本以下配線されるようにすれば、ヒータ線34の配線間隔を十分狭くすることができるため、ウエハWの均熱性がより向上する。
【0032】
更に、ヒータ線34の厚みを35μm以下にすれば、樹脂シート32を薄くすることができるため、静電チャック22と支持台60との間の熱抵抗を小さくすることができる。
【0033】
更にまた、ジャンパ線36,37も電気抵抗(比抵抗)の小さい銅線で構成されているため、断面積が小さくても発熱しにくい。そのため、ジャンパ線36,37を高密度でレイアウトすることができる。例えば、ジャンパ線36,37は、10mm幅の中に銅線が9本以上配線されていてもよい。また、ジャンパ線36,37は、10mm幅の中に銅線が20本以下配線されていてもよい。
【0034】
そしてまた、ヒータ線34もジャンパ線36,37も線幅のばらつきが4μm以下であるため、線間距離の設計値を10〜数10μmに設定したとしても、実際に銅線を作製したときに隣合う線同士が接触してしまうことがない。
【0035】
そして更にまた、ヒータ線34やジャンパ線36,37を構成する銅線は、純度が99.9質量%以上である。一般に銅の純度が高いほど電気抵抗は低いため、静電チャックヒータ20のヒータ線34やジャンパ線36,37に用いるのに適している。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、ヒータ線34をジグザグ状に形成したが、特にこの形状に限定されるものではなく、一筆書きの要領で描ける形状であればどのような形状でもよい。
【0038】
上述した実施形態では、シートヒータ30の構造として、ヒータ線34の上に樹脂層を設けたが、この樹脂層を省略してヒータ線34がシートヒータ30の上面30aに露出するようにしてもよい。この場合、ヒータ線34を覆うように第1ボンディングシート81が配置される。
【0039】
上述した実施形態では、給電用のジャンパ線36及びグランド用のジャンパ線37の両方を同じ第2電極領域A2に設けたが、第2電極領域A2とシートヒータ30の下面30bとの間に第1及び第2電極領域A1,A2と平行となるように第3電極領域A3を設け、一方を第2電極領域A2に、他方を第3電極領域A3に設けてもよい。
【0040】
上述した実施形態では、第1〜第2電極領域A1〜A2を一層ずつ設けたが、第1〜第2電極領域A1〜A2の少なくとも一つを多層(多段)にしてもよい。
【0041】
本出願は、2016年3月29日に出願された米国仮出願第62/314,564号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、例えばウエハWにプラズマ処理を施す半導体製造装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
20 静電チャックヒータ、22 静電チャック、22a ウエハ載置面、24 静電電極、26 セラミックス焼結体、30 シートヒータ、30a 上面、30b 下面、32 樹脂シート、34 ヒータ線、34a 一端、34b 他端、36 ジャンパ線、36a 一端、36b 他端、37 ジャンパ線、37a 一端、37b 他端、38 外周領域、46b,47b ジャンパランド、60 支持台、62 冷媒流路、62a 入口、62b 出口、70 チラー、75 接続用FPC、81 第1ボンディングシート、82 第2ボンディングシート、Z1,Z2 ゾーン、A1〜A2 第1〜第2電極領域。
【要約】
静電チャックヒータは、静電チャックと支持台との間に、樹脂シート32にヒータ線34が埋設されたシートヒータ30が配置されたものである。ヒータ線34は、樹脂シート32の多数のゾーンZ1ごとに設けられ、一端34aから他端34bまで一筆書きの要領でゾーンZ1の全体に行き渡るように配線された銅線によって構成されている。
図1
図2
図3
図4