(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
システム周波数帯域幅にまたがる周波数を用いて複数の端末デバイスと通信するように構成された基地局を含む無線通信システムにおいて端末デバイスを動作させる方法であって、前記端末デバイスは、前記システム周波数帯域幅より狭く、前記システム周波数帯域幅内にある制限された周波数帯域幅を用いて前記基地局からダウンリンク送信を受信するように構成された周波数可変の送受信機を含み、前記方法は、
前記送受信機を、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての異なる周波数位置に順次にチューニングして、対応する複数のチャネル状態のメジャメントを提供するために、前記異なる周波数位置におけるチャネル状態のメジャメントを行うステップと、
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出された情報を前記基地局へ伝達するステップと、
前記チャネル状態の報告のそれぞれを送信するのに使用されるべきアップリンク送信リソースを指示する前記基地局からの複数のリソース割り振りメッセージを異なるタイミングに受信するステップと、を含み、
前記複数のリソース割り振りメッセージのうちの異なるメッセージが、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての異なる周波数位置にチューニングされた前記送受信機を用いて受信される、方法。
前記端末デバイスが、前記複数のチャネル状態のメジャメントに基づいて、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての好ましい周波数位置を選択するステップを更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記好ましい周波数位置の指示を含む、請求項5に記載の方法。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記好ましい周波数位置についてのチャネル状態のメジャメントの指示を含む、請求項6に記載の方法。
前記基地局へ伝達される前記情報は、事前定義された基準を満たすチャネル状態のメジャメントと関連付けられる前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての位置の指示を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記複数のチャネル状態のメジャメントと関連付けられる1つ以上の時間の指示を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
前記無線通信システムのためのダウンリンク無線フレーム構造が一連のタイムスロットを含み、異なる周波数位置についての前記チャネル状態のメジャメントは異なるタイムスロットにおいて行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、物理層より上位の層でのシグナリングを用いて前記基地局へ伝達される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、無線リソース制御(RRC(radio resource control))シグナリングを用いて前記基地局へ伝達される、請求項12に記載の方法。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、物理層シグナリングを用いて前記基地局へ伝達される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記複数のチャネル状態のメジャメントのそれぞれと符合する複数のチャネル状態報告において送信される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
前記基地局から、前記複数のチャネル状態のメジャメントを行うべき前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記異なる周波数位置の指示を受信するステップを更に含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
前記端末デバイスの送受信機が、前記端末デバイスから受信された前記情報に基づいて前記基地局によって選択された周波数位置に再チューニングされるべきであるという前記基地局からの指示を受信するステップを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
システム周波数帯域幅にまたがる周波数を用いて複数の端末デバイスと通信するように構成された基地局を含む無線通信システムにおいて使用するための端末デバイスであって、前記システム周波数帯域幅より狭く、前記システム周波数帯域幅内にある制限された周波数帯域幅を用いて前記基地局からダウンリンク送信を受信するように構成された周波数可変の送受信機を含み、前記送受信機を、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての異なる周波数位置に順次にチューニングして、対応する複数のチャネル状態のメジャメントを提供するために、前記異なる周波数位置におけるチャネル状態のメジャメントを行い、前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出された情報を前記基地局へ伝達し、前記チャネル状態の報告のそれぞれを送信するのに使用されるべきアップリンク送信リソースを指示する前記基地局からの複数のリソース割り振りメッセージを異なるタイミングに受信するように構成され、前記複数のリソース割り振りメッセージのうちの異なるメッセージが、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての異なる周波数位置にチューニングされた前記送受信機を用いて受信される、端末デバイス。
前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記異なる周波数位置は、複数の事前定義された周波数位置を含む、請求項18に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記複数のチャネル状態のメジャメントの少なくとも一部分の指示を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記複数のチャネル状態のメジャメントに基づいて、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての好ましい周波数位置を選択するように更に構成される、請求項18〜21のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記好ましい周波数位置の指示を含む、請求項22に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記好ましい周波数位置についてのチャネル状態のメジャメントの指示を含む、請求項23に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、事前定義された基準を満たすチャネル状態のメジャメントと関連付けられる前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての位置の指示を含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記複数のチャネル状態のメジャメントと関連付けられる1つ以上の時間の指示を含む、請求項18〜25のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記無線通信システムのためのダウンリンク無線フレーム構造が一連のタイムスロットを含み、異なる周波数位置についての前記チャネル状態のメジャメントが異なるタイムスロットにおいて行われるように構成される、請求項18〜26のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、物理層より上位の層でのシグナリングを用いて前記基地局へ伝達されるように構成される、請求項18〜28のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを用いて前記基地局へ伝達されるように構成される、請求項29に記載の端末デバイス。
前記複数のチャネル状態のメジャメントから導出される前記情報は、物理層シグナリングを用いて前記基地局へ伝達されるように構成される、請求項18〜28のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記基地局へ伝達される前記情報は、前記複数のチャネル状態のメジャメントのそれぞれと符合する複数のチャネル状態報告において送信されるように構成される、請求項18〜31のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記基地局から、前記複数のチャネル状態のメジャメントを行うべき前記システム周波数帯域幅内の前記制限された周波数帯域幅についての前記異なる周波数位置の指示を受信するように構成される、請求項18〜32のいずれか1項に記載の端末デバイス。
前記端末デバイスの送受信機が、端末デバイスから受信された前記情報に基づいて前記基地局によって選択された周波数位置に再チューニングされるべきであるという前記基地局からの指示を受信するように構成される、請求項18〜33のいずれか1項に記載の端末デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の実施形態は、特に、「ホストキャリア」の帯域幅内で動作する、いわゆる「仮想キャリア」のコンテキスト内で用いられ得る。仮想キャリアの概念は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、GB1101970.0[2]、GB1101981.7[3]、GB1101966.8[4]、GB1101983.3[5]、GB1101853.8[6]、GB1101982.5[7]、GB1101980.9[8]、GB1101972.6[9]、GB1121767.6[10]及びGB1121766.8[11]の各番号を有する同時係属の英国特許出願に記載されている。読者は、詳細についてはこれら同時係属の出願を参照されたいが、参照しやすいように、仮想キャリアの概念の概要をここにも示す。
【0058】
[従来のネットワーク]
図1に、LTE原理に従って動作する無線通信ネットワーク/システム100の若干の基本的機能を例示する概略図を示す。
図1の様々な要素及び各要素の動作モードは周知であり、3GPP(RTM)団体によって管理される関連する規格で定義されており、また、この主題に関する多くの書籍、例えば、Holma H. and Toskala A[12]などにも記載されている。
【0059】
ネットワークは、コアネットワーク102に接続された複数の基地局101を含む。各基地局は、その範囲内で端末デバイス104との間でデータが通信され得るカバレッジエリア103(即ちセル)を提供する。データは、無線ダウンリンクを介して、基地局101から各基地局101のカバレッジエリア103内の端末デバイス104へ送信される。データは、無線アップリンクを介して端末デバイス104から基地局101へ送信される。コアネットワーク102は、それぞれの基地局101を介して端末デバイス104との間でデータをルーティングし、認証、モビリティ管理、課金などといった機能を提供する。
【0060】
モバイル通信システム、例えば、3GPP定義のLTEアーキテクチャに従って構成されたモバイル通信システムは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)ベースのインターフェースを無線ダウンリンク(いわゆるOFDMA)及び無線アップリンク(いわゆるSC‐FDMA)に使用する。
図2に、OFDMベースのLTEダウンリンク無線フレーム201を例示する概略図を示す。LTEダウンリンク無線フレームは、LTE基地局(エンハンスドNodeBとして知られる)から送信され、10ミリ秒間続く。ダウンリンク無線フレームは10サブフレームを含み、各サブフレームは1ミリ秒間続く。プライマリ同期信号(PSS(primary synchronisation signal))及びセカンダリ同期信号(SSS(secondary synchronisation signal))はLTEフレームの第1及び第6のサブフレームで送信される。プライマリブロードキャストチャネル(PBCH(primary broadcast channel))はLTEフレームの第1のサブフレームで送信される。PSS、SSS、及びPBCHについては以下でより詳細に論じる。
【0061】
図3は、従来のダウンリンクLTEサブフレームの例の構造を例示するグリッドの概略図である。サブフレームは、1ミリ秒の期間にわたって送信される所定数のシンボルを含む。各シンボルは、ダウンリンク無線キャリアの帯域幅全体に分散する所定数の直交サブキャリアを含む。
【0062】
図3に示すサブフレームの例は、14シンボル、及び20MHzの帯域幅にわたって散在する1200サブキャリアを含む。LTEで送信するための最小のユーザデータ割り振りは、1スロット(0.5サブフレーム)上で送信される12サブキャリアを含むリソースブロックである。明確にするために、
図3には個々のリソースエレメントを示しておらず、その代わり、サブフレームグリッド内の個々のボックスが1シンボル上で送信される12サブキャリアに対応する。
【0063】
図3には、4つのLTE端末340、341、342、343のためのリソース割り振りがハッチングで示されている。例えば、第1のLTE端末(UE1)のためのリソース割り振り342は5ブロックの12サブキャリア(即ち60サブキャリア)にわたっており、第2のLTE端末(UE2)のためのリソース割り振り343は6ブロックの12サブキャリアにわたっており、以下同様である。
【0064】
制御チャネルデータは、サブフレームの最初のnシンボルを含むサブフレームの(
図3において点網掛けで表された)制御領域300で送信され、nは3MHz以上のチャネル帯域幅では1から3シンボルまで可変であり、1.4MHzのチャネル帯域幅では2から4シンボルまで可変である。具体例を提供するものとして、以下の記述は、3MHz以上のチャネル帯域幅を有するホストキャリアに関するものであり、よってnの最大値は3になる。制御領域300で送信されるデータは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH(physical downlink control channel))、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH(physical control format indicator channel))、及び物理HARQ指示チャネル(PHICH(physical HARQ indicator channel))上で送信されるデータを含む。
【0065】
PDCCHは、サブフレームのどのシンボル上でどのサブキャリアが特定のLTE端末に割り振られているかを指示する制御データを含む。よって、
図3に示すサブフレームの制御領域300で送信されるPDCCHデータは、UE1が参照番号342で識別されるリソースのブロックを割り振られていること、UE2が参照番号343で識別されるリソースのブロックを割り振られていること、以下同様を指示することになる。
【0066】
PCFICHは、制御領域のサイズ(即ち1から3シンボルまで)を指示する制御データを含む。
【0067】
PHICHは、前に送信されたアップリンクデータがネットワークによって正常に受信されたか否かを指示するHARQ(Hybrid Automatic Request)データを含む。
【0068】
時間・周波数リソースグリッドの中央帯域310のシンボルは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含む情報の送信に使用される。この中央帯域310は通常、(1.08MHzの送信帯域幅に対応する)72サブキャリアの幅である。PSS及びSSSは、検出されると、LTE端末デバイスがフレーム同期を達成し、ダウンリンク信号を送信しているエンハンスドNodeBのセル識別情報を決定することを可能にする同期信号である。PBCHはセルに関する情報を搬送し、LTE端末がセルに正しくアクセスするのに使用するパラメータを含むマスタ情報ブロック(MIB(master information block))を含む。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で個々のLTE端末へ送信されるデータはそのサブフレームの他のリソースエレメントで送信され得る。これらのチャネルの更なる説明を以下で提供する。
【0069】
図3には、システム情報を含み、R
344の帯域幅に及ぶPDSCHの領域も示されている。従来のLTEフレームは、以下で更に論じるが、明確にするために
図3には示されていないリファレンス信号も含むことになる。
【0070】
LTEチャネル内のサブキャリアの数は伝送ネットワークの構成に応じて変動し得る。通常この変動は、1.4MHzチャネル帯域幅内に含まれる72サブキャリアから(
図3に概略的に示すように)20MHzチャネル帯域幅内に含まれる1200サブキャリアまでである。当分野で公知のように、PDCCH、PCFICH、及びPHICH上で送信されるデータは通常、周波数ダイバーシチを可能にするためにサブフレームの全帯域幅にわたるサブキャリア上に分散される。従って、従来のLTE端末は、制御領域を受信し、復号するために全チャネル帯域幅を受信することができなければならない。
【0071】
図4に、LTE「キャンプオン」プロセス、即ち、端末がダウンリンクチャネルを介して基地局によって送られるダウンリンク送信を復号するために従うプロセスを示す。このプロセスを用いて、端末は、セルについてのシステム情報を含む送信の部分を識別し、よってセルについての構成情報を復号することができる。
【0072】
図4に示すように、従来のLTEキャンプオン手順では、端末はまず、中央帯域のPSS及びSSSを用いて基地局と同期し(ステップ400)、次いでPBCHを復号する(ステップ401)。端末は、ステップ400及びステップ401を実行すると、基地局と同期される。
【0073】
サブフレームごとに、端末は次いで、キャリア320の全帯域幅にわたって分散しているPCFICHを復号する(ステップ402)。上述のように、LTEダウンリンクキャリアは最大20MHzまでの幅(1200サブキャリア)の可能性があり、LTE端末は従って、PCFICHを復号するために20MHzの帯域幅上での送信を受信し、復号するケイパビリティを有する必要がある。PCFICH復号段では、20MHzのキャリア帯域を用いて、端末は、同期及びPBCH復号に関連するステップ400及びステップ401の間(R
310の帯域幅)よりもずっと大きい帯域幅(R
320の帯域幅)で動作する。
【0074】
端末は次いで、PHICHの位置を確認し(ステップ403)、特に、システム情報送信を識別するためと、端末のリソース割り振りを識別するために、PDCCHを復号する(ステップ404)。リソース割り振りは端末によって、システム情報の位置を特定し、PDSCH内の端末のデータの位置を特定すると共に、端末がPUSCH上で許可されている送信リソースの情報を得るために使用される。システム情報もUE特有のリソース割り振りもPDSCH上で送信され、キャリア帯域320内でスケジュールされる。またステップ403及びステップ404は、端末がキャリア帯域の全帯域幅R320上で動作することも必要とする。
【0075】
ステップ402からステップ404で、端末は、サブフレームの制御領域300に含まれる情報を復号する。上記説明のように、LTEでは、上述の3つの制御チャネル(PCFICH、PHICH、及びPDCCH)がキャリアの制御領域300全体にわたって見られ、制御領域は範囲R
320に及び、上述のように各サブフレームの最初の1、2、又は3OFDMシンボルを占める。サブフレームでは通常、制御チャネルは制御領域300内の全てのリソースエレメントを使用せず、全領域にわたって散在し、そのためLTE端末は、3つの制御チャネルの各々を復号するために全制御領域300を同時に受信することができなければならない。
【0076】
端末は次いで、システム情報又はこの端末のために送信されたデータを含むPDSCHを復号する(ステップ405)ことができる。
【0077】
上記説明のように、LTEサブフレームでは、PDSCHは一般に、制御領域にも、PSS、SSS又はPBCHが占めるリソースエレメントにも含まれないリソースエレメントのグループを占める。
図3に示す異なるモバイル通信端末(UE)に割り振られたリソースエレメントのブロック340、341、342、343内のデータは全キャリアの帯域幅より小さい帯域幅を有するが、これらのブロックを復号するために、端末はまず、周波数範囲R
320にわたって散在するPDCCHを受信して、PDCCHが、PDSCHリソースがそのUEに割り振られており、復号されるべきであることを指示しているかどうか判定する。UEは、全サブフレームを受信すると、次いで、PDCCHによって指示される(もしあれば)関連する周波数範囲内のPDSCHを復号することができる。そのため、例えば上述のUE1は制御領域300全体を復号し、次いでリソースブロック342のデータを復号する。
【0078】
[仮想ダウンリンクキャリア]
あるクラスのデバイス、例えばMTCデバイス(上述のスマートメータのような準自律的又は自律的な無線通信デバイスなど)は、比較的低頻度の間隔での少量のデータ送信を特徴とする通信アプリケーションをサポートし、よって従来のLTE端末よりも大幅に簡素であり得る。多くのシナリオにおいて、そのような低ケイパビリティ端末に、全キャリア帯域幅にわたるLTEダウンリンクフレームからのデータを受信し、処理することができる従来の高性能のLTE受信機ユニットを設けることは、少量のデータを通信しさえすればよいデバイスにとっては過度に複雑になり得る。従ってこれは、LTEネットワークにおける低ケイパビリティのMTCタイプのデバイスの幅広い展開の実現を制限するものとなり得る。代わりに、MTCデバイスのような低ケイパビリティ端末には、端末へ送信される可能性の高いデータ量により釣り合うより簡素な受信機ユニットを設けることが好ましい。以下に記載するように、本発明のいくつかの例によれば、従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリア(即ち、「ホストキャリア」)の送信リソース内で「仮想キャリア」が提供される。従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリア上で送信されるデータと異なり、仮想キャリア上で送信されるデータは、ダウンリンクホストOFDMキャリアの全帯域幅を処理する必要なく受信され、復号され得る。そのため、仮想キャリア上で送信されるデータは、複雑さが低減された受信機ユニットを用いて受信し、復号することができる。
【0079】
図5に、ホストキャリアに挿入された仮想キャリアを含むLTEダウンリンクサブフレームを例示する概略図を示す。
【0080】
従来のLTEダウンリンクサブフレームに従えば、最初のnシンボル(nは
図5では3である)は、PDCCH上で送信されるデータのようなダウンリンク制御データの送信用に確保される制御領域300を形成する。しかし、
図5から分かるように、制御領域300の外側に、LTEダウンリンクサブフレームは、仮想キャリア501を形成する、この例では中央帯域310の下に配置されたリソースエレメントのグループを含む。以下で更に説明するように、仮想キャリア501は、仮想キャリア501上で送信されるデータがホストキャリアの残り部分で送信されるデータとは論理的に別物として扱われ、制御領域300からの全ての制御データを復号せずに復号され得るように適合される。
図5は中央帯域の下の周波数リソースを占有する仮想キャリアを示しているが、一般に仮想キャリアは、例えば中央帯域の上や中央帯域を含む他の周波数リソースを占有することができる。仮想キャリアが、ホストキャリアのPSS、SSS若しくはPBCHによって使用され、又はホストキャリア上で動作する端末デバイスが正しい動作のために必要とし、既知の所定の位置に見つけるものと予期するはずの、ホストキャリアによって送信される任意の他の信号によって使用されるいずれかのリソースとオーバーラップするように構成される場合、仮想キャリア上の信号は、ホストキャリアの信号のこれらの側面が維持されるように配置され得る。
【0081】
図5から分かるように、仮想キャリア501上で送信されるデータは、制限された帯域幅にわたって送信される。これは、ホストキャリアの帯域幅より小さい任意の適切な帯域幅であってよいはずである。
図5に示す例では、仮想キャリアは、12ブロックの12サブキャリア(即ち144サブキャリア)を含む帯域幅にわたって送信され、これは2.16MHzの送信帯域幅と等しい。従って、仮想キャリアを使用する端末は、2.16MHzの帯域幅上で送信されるデータを受信し、処理することができる受信機を備えていさえすればよい。これは、低ケイパビリティ端末(例えばMTCタイプの端末)が、簡略化された受信機ユニットを備え、しかもなお、上記説明のように、従来は、端末に、OFDM信号の全帯域幅にわたってOFDM信号を受信し、処理することが可能な受信機を備えることを求めるOFDMタイプの通信ネットワーク内で動作し得ることを可能にする。
【0082】
上記説明のように、LTEのようなOFDMベースのモバイル通信システムにおいて、ダウンリンクデータは、サブフレーム単位でサブフレーム上の異なるサブキャリア上で送信されるように動的に割り当てられる。従って、あらゆるサブフレームにおいて、ネットワークは、どのシンボル上のどのサブキャリアがどの端末に関するデータを含むかをシグナリングする(即ちダウンリンク割り振りシグナリング)。
【0083】
図3から分かるように、従来のダウンリンクLTEサブフレームでは、この情報はサブフレームの最初の1若しくは複数のシンボルの間にPDCCH上で送信される。しかし、先に説明したように、PDCCHで送信される情報は、サブフレームの全帯域幅にわたって散在し、従って、低減された帯域幅の仮想キャリアを受信することしかできない簡略化された受信機ユニットを有するモバイル通信端末によっては受信され得ない。
【0084】
そのため、
図5から分かるように、仮想キャリアの最後のシンボルを、仮想キャリア501のどのリソースエレメントが仮想キャリアを使用するユーザ機器(UE)に割り振られているかを指示する制御データの送信のための仮想キャリア制御領域502として確保することができる。いくつかの例では、仮想キャリア制御領域502を含むシンボルの数は、例えば3シンボルに固定され得る。他の例では、仮想キャリア制御領域502は、制御領域300の場合と同様に、例えば1から3シンボルまでサイズが変動し得る。
【0085】
仮想キャリア制御領域は、例えば仮想キャリアの最初の数シンボルなど、任意の適切な位置に配置され得る。
図5の例では、これは仮想キャリア制御領域を第4、第5及び第6のシンボルに位置決めすることを意味し得るはずである。しかし、仮想キャリア制御領域の位置をサブフレームの最後のシンボルに固定すれば好都合となり得る。というのは、仮想キャリア制御領域の位置は、ホストキャリア制御領域300のシンボルの数に応じて変動しないはずだからである。これは、仮想キャリア上でデータを受信するモバイル通信端末が引き受ける処理を簡略化するのに役立ち得る。というのは、仮想キャリア制御領域が常にサブフレームの最後のシンボルに位置決めされることが分かっていれば、端末が仮想キャリア制御領域の位置をサブフレームごとに決定しなくてもよいからである。
【0086】
別の実施形態では、仮想キャリア制御シンボルは、別個のサブフレームでの仮想キャリアPDSCH送信を参照し得る。
【0087】
いくつかの例では、仮想キャリアは、ダウンリンクサブフレームの中央帯域310内に位置し得る。これは、ホストキャリア帯域幅内の仮想キャリアの導入によって生じる、ホストキャリアPDSCHリソースに及ぼされる影響を低減するのに役立ち得る。というのは、PSS、SSS及びPBCHによって占められるリソースは、仮想キャリア領域内に含まれ、残りのホストキャリアPDSCH領域内には含まれないはずだからである。従って、例えば予期される仮想キャリアスループットに応じて、仮想キャリアの位置は、PSS、SSS及びPBCHのオーバーヘッドを担うものとしてホストキャリアと仮想キャリアのどちらが選択されるかに従って、中央帯域の内側又は外側に存在するようにしかるべく選択され得る。
【0088】
[仮想キャリアの「キャンプオン」プロセス]
上記説明のように、従来のLTE端末は、セルでデータの送受信を開始する前に、まずそのセルにキャンプオンする。仮想キャリアを使用する端末のために適応キャンプオンプロセスを提供することができる。
【0089】
図6に、キャンプオンプロセスを概略的に例示する流れ図を示す。
図6には2つの分岐が示されている。仮想キャリアの使用を意図するUEと関連付けられるプロセスの異なるステップが、「仮想キャリア」という概括的見出しの下に示されている。「レガシーLTE」という概括的見出しの下に示されているステップは、ホストキャリアの使用を意図するUEと関連付けられ、これらのステップは、
図4のステップに対応する。この例では、キャンプオン手順の最初の2ステップ400、401は、仮想キャリアとホスト(レガシーLTE)キャリアの両方に共通である。
【0090】
仮想キャリアのキャンプオンプロセスを、
図5に示すサブフレームの例を参照して説明する。
図5では、144サブキャリアの帯域幅を有する仮想キャリアが、1200サブキャリアに対応する帯域幅を有するホストキャリアの動作帯域幅内に挿入されている。上述のように、ホストキャリアの動作帯域幅より小さい動作帯域幅の受信機ユニットを有する端末は、ホストキャリアのサブフレームの制御領域内のデータを完全に復号することができない。しかし、12ブロックの12サブキャリアのみ(即ち2.16MHz)の動作帯域幅を有する端末の受信機ユニットは、この例示の仮想キャリア502上で送信される制御データ及びユーザデータを受信することができる。
【0091】
上述のように、
図6の例では、仮想キャリア端末のための最初のステップ400及びステップ401は、
図4に示す従来のキャンプオンプロセスと同じであるが、仮想キャリア端末は、以下で記述するように、MIBから追加情報を抽出し得る。どちらのタイプの端末も(即ち仮想キャリア端末もホスト/レガシーキャリア端末も)、PSS/SSS及びPBCHを使用し、ホストキャリア内の72サブキャリアの中央帯域上で搬送される情報を用いて基地局と同期することができる。しかし、従来のLTE端末が次いでプロセスを続けて、ホストキャリア制御領域300を受信し、復号することができる受信機ユニットを必要とするPCFICH復号ステップ402を実行するところで、仮想キャリア上でデータを受信するためにセルにキャンプオンする端末(「仮想キャリア端末」と呼ばれ得る)は、代わりにステップ606及びステップ607を実行する。
【0092】
別の例では、ホストキャリアデバイスのステップ400及びステップ401の同じ従来の初期キャンプオンプロセスを再利用するのではなく、仮想キャリアデバイスのために別個の同期及びPBCHの機能が提供され得る。
【0093】
ステップ606で、仮想キャリア端末は、仮想キャリアがホストキャリア内に提供される場合には、仮想キャリア特有のステップを用いて仮想キャリアの位置を特定する。このステップがどのように実行され得るかの様々な例を以下で更に論じる。仮想キャリア端末は、仮想キャリアの位置を特定すると、仮想キャリア内の情報にアクセスすることができる。例えば、仮想キャリアが従来のLTEのリソース割り振り方法を反映する場合、仮想キャリア端末は、引き続き仮想キャリア内の制御部分を復号してよく、この制御部分は、例えば、仮想キャリア内のどのリソースエレメントが特定の仮想キャリア端末のために、又はシステム情報のために割り振られているか指示することができる。例えば
図7には、サブフレームSF2のために割り振られている仮想キャリア330内のリソースエレメントのブロック350〜352が示されている。しかし、仮想キャリア端末が従来のLTEプロセス(例えばステップ402〜404)に従い、又はこれを模倣する必要はなく、これらのステップは例えば、仮想キャリアのキャンプオンプロセスのために全く異なる手法で実装されてよい。
【0094】
仮想キャリア端末がステップ607を実行するときにLTEのようなステップに従うか、それとも異なるタイプのステップに従うかにかかわらず、仮想キャリア端末は次いで、ステップ608で割り振られたリソースエレメントを復号し、それによって、仮想キャリアをブロードキャストする基地局によって送信されたデータを受信することができる。ステップ608で復号されたデータは、例えばネットワーク構成の詳細を含むシステム情報の残りの部分を含み得る。
【0095】
たとえ仮想キャリア端末が、ダウンリンクデータが従来のLTEを用いてホストキャリアにおいて送信された場合にダウンリンクデータを復号し、受信する帯域幅ケイパビリティを有していないとしても、仮想キャリア端末はそれでもなお、初期のLTEのステップを再利用する限り、制限された帯域幅を有するホストキャリア内の仮想キャリアにアクセスすることができる。ステップ608も、LTEのような手法で、又は異なる手法で実装され得る。例えば、複数の仮想キャリア端末が仮想キャリアを共用し、
図7のSF2に示すように仮想キャリア共用を管理するために許可を割り振られていてもよく、別の例では、仮想キャリア端末が、その仮想キャリア端末自体のダウンリンク送信のために仮想キャリア全体を割り振られていてもよく、或いは、仮想キャリアが、ある特定の数のサブフレームについてだけ、ある仮想キャリア端末に全体として割り振られてもよい。
【0096】
よって、仮想キャリアキャンプオンプロセスのために大幅な柔軟性が提供される。例えば、従来のLTEのステップ又はプロセスを再利用又は反映し、それによって端末の複雑さ及び新しいエレメントの実装の必要を低減することと、新しい仮想キャリア特有の側面又は実装を追加し、それによって狭帯域の仮想キャリアの使用を潜在的に最適化することとの間のバランスを調節することができる。というのは、LTEは、より大きい帯域のホストキャリアを念頭において設計されているからである。
【0097】
[ダウンリンク仮想キャリアの検出]
上述のように、仮想キャリア端末は、仮想キャリア上の送信を受信し、復号する前に、(ホストキャリアの時間周波数リソースグリッド内で)仮想キャリアの位置を特定する必要がある。仮想キャリアの存在及び位置決定についてはいくつかの代替方法が利用可能であり、それらは別々に実装することも、組み合わせて実装することもできる。それらの選択肢のうちのいくつかを以下で論じる。
【0098】
仮想キャリア検出を容易するために、仮想キャリア位置情報は、仮想キャリア端末が、仮想キャリアが存在する場合に、その位置をより容易に特定することができるように仮想キャリア端末に提供され得る。例えばそのような位置情報は、1つ以上の仮想キャリアがホストキャリア内で提供されるという指示、又はホストキャリアが現在、いかなる仮想キャリアも提供していないという指示を含み得る。また位置情報は、例えば、MHz単位やリソースエレメントのブロック数単位の仮想キャリアの帯域幅の指示も含み得る。代替として、又はそれらと組み合わせて、仮想キャリア位置情報は、仮想キャリアの中心周波数及び帯域幅を含み、それによって、仮想キャリア端末に任意のアクティブな仮想キャリアの位置及び帯域幅を提供してもよい。仮想キャリアが、例えば擬似ランダムホッピングアルゴリズムに従って、各サブフレームにおいて異なる周波数位置で見つかることになる場合には、位置情報は、例えば擬似ランダムパラメータを指示することができる。そうしたパラメータは、擬似ランダムアルゴリズムに用いられる開始フレーム及びパラメータを含み得る。これらの擬似ランダムパラメータを用いて、仮想キャリア端末は次いで、仮想キャリアが任意のサブフレームについてどこで見つかるかを知ることができる。
【0099】
(従来のLTE端末と比べた)仮想キャリア端末へのわずかな変更と関連付けられる実装時の特徴は、仮想キャリアについての位置情報を、既にマスタ情報ブロック(MIB)を搬送している、ホストキャリア中央帯域内のPBCH内に含めることであろう。
図8に示すように、MIBは、24ビットからなる(DL帯域幅を指示する3ビット、システムフレーム番号、即ちSFNを指示する8ビット、及びPHICH構成に関する3ビット)。MIBは従って、1つ以上の仮想キャリアに関する位置情報を搬送するのに使用され得る予備の10ビットを含む。例えば
図9に、PBCHが、任意の仮想キャリア端末に仮想キャリアを指し示すためのMIB及び位置情報(「LI(location information)」)を含む一例を示す。
【0100】
或いは、仮想キャリア位置情報を、PBCHの外側の中央帯域で提供することもできるはずである。仮想キャリア位置情報は、例えば常にPBCHの後でPBCHに隣接して提供することもできる。位置情報を中央帯域において、ただしPBCHの外側で提供することによって、従来のPBCHは仮想キャリアを使用するために変更されず、仮想キャリア端末は、仮想キャリアがもしあればそれを検出するために位置情報を容易に見つけることができる。
【0101】
仮想キャリア位置情報は、提供される場合、ホストキャリアの別の位置で提供することができるが、中央帯域で提供すれば有利となり得る。というのは例えば、仮想キャリア端末は、その受信機を、中央帯域で動作するように構成してよく、仮想キャリア端末はその場合、位置情報を見つけるために端末の受信機設定を調節しなくてもよいからである。
【0102】
提供される仮想キャリア位置情報の量に応じて、仮想キャリア端末は、仮想キャリアの送信を受信するように仮想キャリア端末の受信機を調節することができ、或いは仮想キャリア端末は、受信する前に更なる位置情報を必要とし得る。
【0103】
例えば、仮想キャリア端末が、仮想キャリアの存在及び/若しくは仮想キャリア帯域幅を指示するが、厳密な仮想キャリアの周波数範囲に関するいかなる詳細も指示しない位置情報を提供された場合、又は、仮想キャリア端末がいかなる位置情報も提供されなかった場合には、仮想キャリア端末は、仮想キャリアを求めてホストキャリアをスキャンする(例えば、いわゆるブラインド探索プロセスを実行する)ことができるはずである。仮想キャリアを求めるホストキャリアのスキャンは様々な手法にも基づくものとすることができ、そのうちのいくつかを以下で提示する。
【0104】
第1の手法によれば、仮想キャリアは、例えば、
図10の4位置の例で例示されるように、ある所定の位置においてのみ挿入され得るはずである。仮想キャリア端末はその場合、任意の仮想キャリアについて4つの位置L1〜L4をスキャンする。もし仮想キャリア端末が仮想キャリアを検出するときには、仮想キャリア端末は次いで、上述のように仮想キャリアに「キャンプオン」してダウンリンクデータを受信することができる。この手法では、仮想キャリア端末は可能な仮想キャリアの位置を事前に提供され、例えば、それらの位置はネットワーク特有の設定として内部メモリに記憶され得る。仮想キャリアの検出は、仮想キャリア上の特定の物理チャネルを復号しようとすることによって達成することもできるはずである。例えば復号データに関する正常な巡回冗長検査(CRC(cyclic redundancy check))によって指示されるそうしたチャネルの正常な復号は、仮想キャリアの正常な位置特定を指示するはずである。
【0105】
第2の手法によれば、仮想キャリアは、ホストキャリアをスキャンする仮想キャリア端末が仮想キャリアの存在を識別するための位置信号を検出し得るように位置信号を含み得る。可能な位置信号の例が
図11Aから11Dに例示されている。
図11Aから11Cの例では、仮想キャリアは、位置信号が存在する周波数範囲をスキャンする端末がこの位置信号を検出することになるように任意位置信号を定期的に送信する。「任意(arbitrary)」信号とは、ここでは、それ自体ではどんな情報も搬送せず、又は解釈されるためのものではなく、単に仮想キャリア端末が検出することのできる特定の信号又はパターンを含むにすぎないいずれかの信号を含むことが意図されている。これは例えば、位置信号全体にわたる一連の正のビット、位置信号にわたる交互の0及び1の出現、又はいずれかの他の適切な任意信号とすることができる。位置信号が、隣接するブロックのリソースエレメントから構成されてもよく、非隣接ブロックから形成されてもよいことは注目に値する。例えば、位置信号は、仮想キャリアの「最上部」(即ち周波数上限)の1ブロック置きのリソースエレメントに配置されてもよい。
【0106】
図11Aの例では、位置信号353は、仮想キャリア330の範囲R
330に及び、常にサブフレーム内の仮想キャリアにおいて同じ位置で見つかる。仮想キャリア端末が仮想キャリアのサブフレームのどこで位置信号を見つけるべきか知っている場合には、仮想キャリア端末はそのスキャンプロセスを簡略化して、位置信号を求めてサブフレーム内のこの位置をスキャンするだけで済ませることができる。
図11Bは類似例を示しており、この例ではあらゆるサブフレームが、仮想キャリアサブフレームの末尾のこのサブフレームの上隅と下隅とに1つずつ2つの部分を含む位置信号354を含む。そうした位置信号は、例えば、仮想キャリア端末が仮想キャリアの帯域幅を事前に知らない場合に有用となり得る。というのは、そうした位置信号は、仮想キャリア帯域の上下の周波数端の明確な検出を容易にし得るからである。
【0107】
図11Cの例では、位置信号355が第1のサブフレームSF1で提供されるが、第2のサブフレームSF2では提供されない。位置信号は、例えば2サブフレームごとに提供することができる。位置信号の頻度は、スキャン時間の低減とオーバーヘッドの低減との間のバランスを調整するように選択することができる。言い換えると、位置信号が頻繁に提供されるほど、端末が仮想キャリアを検出する時間が短くなるが、より大きなオーバーヘッドが生じる。
【0108】
図11Dの例では、位置信号が提供されるが、この位置信号は、
図11A〜
図11Cと同様の任意信号ではなく、仮想キャリア端末についての情報を含む信号である。仮想キャリア端末は、仮想キャリアを求めてスキャンし、その信号が、例えば、仮想キャリア帯域幅又は任意の他の仮想キャリアに関連する情報(位置情報若しくは非位置情報)に関する情報を含み得るときに、信号を検出することができる。この信号を検出すると、仮想キャリア端末は、それによって仮想キャリアの存在及び位置を検出することができる。
図11Dに示すように、位置信号は、任意位置信号と同様に、サブフレーム内の様々な位置に見られ、その位置はサブフレーム単位で変動し得る。
【0109】
[ホストキャリアの制御領域サイズの動的変動]
上記説明のように、LTEでは、ダウンリンクサブフレームの制御領域を構成するシンボルの数は、送信される必要がある制御データの量に応じて動的に変動する。一般にこの変動は1から3シンボルまでである。
図5を参照すれば理解されるように、ホストキャリア制御領域の幅の変動は、それに対応した仮想キャリアに利用可能なシンボルの数の変動を生じさせることになる。例えば、
図5から分かるように、制御領域の長さが3シンボルであり、サブフレームに14シンボルがある場合、仮想キャリアの長さは11シンボルである。しかし、次のサブフレームで、ホストキャリアの制御領域が1シンボルまで減らされた場合、そのサブフレームには仮想キャリアに利用可能な13シンボルがあることになる。
【0110】
仮想キャリアが、LTEホストキャリアに挿入される際に、仮想キャリア上でデータを受信するモバイル通信端末は、ホストキャリア制御領域によって使用されない全ての利用可能なシンボルを利用できることになる場合には、各ホストキャリアサブフレームの制御領域内のシンボル数を決定することによりそのサブフレーム内の仮想キャリア内のシンボル数を決定することができなければならない。
【0111】
従来、制御領域を形成するシンボルの数は、PCFICHの全サブフレームの最初のシンボルでシグナリングされる。しかし、PCFICHは一般に、ダウンリンクLTEサブフレームの全帯域幅にわたって分散し、従って仮想キャリアだけを受信できる仮想キャリア端末が受信することのできないサブキャリア上で送信される。そのため1つの実施形態では、制御領域がおそらくは存在し得るはずのシンボルが仮想キャリア上のnullシンボルとして事前定義される。即ち、仮想サブキャリアの長さは(m−n)シンボルに設定され、mはサブフレーム内のシンボルの総数であり、nは制御領域内のシンボルの最大数である。よって、リソースエレメントは、いかなるサブフレームの最初のnシンボルにおいても、仮想キャリア上のダウンリンクデータ送信には決して割り振られない。
【0112】
この実施形態は、実装は単純であるが、スペクトル的には非効率になるであろう。というのは、ホストキャリアの制御領域が最大数より少ないシンボルを有するサブフレームにおいて仮想キャリアに未使用のシンボルが生じることになるからである。
【0113】
別の実施形態では、ホストキャリアの制御領域内のシンボルの数は、仮想キャリア自体で明示的にシグナリングされる。ホストキャリアの制御領域内のシンボルの数が分かると、この数からサブフレーム内のシンボルの総数を引くことによって仮想キャリア内のシンボルの数を計算することができる。
【0114】
一例では、ホストキャリア制御領域サイズの明示的な指示が、仮想キャリア制御領域内のある情報ビットによって与えられる。言い換えると、仮想キャリア制御領域502内の事前定義された位置に明示的なシグナリングメッセージが挿入される。この事前定義された位置は、仮想キャリア上でデータを受信するように適合された各端末に知られる。
【0115】
別の例では、仮想キャリアは事前定義された信号を含み、信号の位置はホストキャリアの制御領域内のシンボルの数を指示する。例えば、事前定義された信号を、リソースエレメントの3つの所定のブロックのうちの1つで送信することができるはずである。端末は、サブフレームを受信すると、事前定義された信号を求めてスキャンする。事前定義された信号がリソースエレメントの第1のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が1シンボルを含むことを指示し、事前定義された信号がリソースエレメントの第2のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が2シンボルを含むことを指示し、事前定義された信号がリソースエレメントの第3のブロックで見つかる場合、これは、ホストキャリアの制御領域が3シンボル含むことを指示する。
【0116】
別の例では、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域サイズが1シンボルであるものと仮定して、まず、仮想キャリアを復号しようと試みるように構成される。これに成功しない場合、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域のサイズが2シンボルであるものと仮定して仮想キャリアを復号しようと試み、仮想キャリア端末が仮想キャリアを正常に復号するまで以下同様に試みる。
【0117】
[ダウンリンク仮想キャリアのリファレンス信号]
当分野で公知のように、LTEのようなOFDMベースの送信システムでは、サブフレーム全体のシンボル内のいくつかのサブキャリアが通常、リファレンス信号の送信のために確保される。リファレンス信号は従来、チャネル帯域幅全体、OFDMシンボル全体にわたりサブフレーム全体に分散するサブキャリア上で送信される。リファレンス信号は繰返しパターンとして配置され、受信機によって、ダウンリンクチャネル状態を推定するのに使用され得るこれらのリファレンス信号は一般に、受信信号の電力指示のメトリクスの決定、自動周波数制御のメトリクスの決定、自動利得制御のメトリクスの決定のような追加的な目的にも使用される。LTEでは、各サブフレーム内のリファレンス信号を運ぶサブキャリアの位置は事前定義され、各端末の送受信機で知られている。
【0118】
従来のLTEダウンリンクサブフレームには、異なる目的で送信されるいくつかの異なるリファレンス信号がある。一例が、全端末へブロードキャストされるセル特有のリファレンス信号である。セル特有のリファレンスシンボルは通常、セル特有のリファレンスシンボルが発生する各送信アンテナポート上で6サブキャリアごとに挿入される。そのため、仮想キャリアがLTEダウンリンクサブフレームに挿入される場合、たとえその仮想キャリアが1リソースブロック(即ち12サブキャリア)という最小帯域幅を有していても、仮想キャリアは少なくともいくつかのセル特有のリファレンス信号を運ぶサブキャリアを含むことになる。
【0119】
各サブフレームでは、受信機がサブフレームで送信されるデータを復号するためにありとあらゆるリファレンス信号を正確に受信しなくても済むように、十分なリファレンス信号を運ぶサブキャリアが提供される。しかし、理解されるように、受信されるリファレンス信号が多いほど、受信機は一般にチャネル応答をより適切に推定することができるようになり、よってサブフレームから復号されるデータに取り込まれる誤りが一般にはより少なくなる。そのため、ホストキャリア上でデータを受信するLTE通信端末との互換性を保持するために、いくつかの例示的仮想キャリア実装形態によれば、従来のLTEサブフレームにおいてリファレンス信号を含むはずのサブキャリア位置が仮想キャリアにおいて保持される。これらのリファレンスシンボルは、従来の(レガシー)端末デバイスがホストキャリア上のチャネル状態を測定する目的でリファレンスシンボルを使用し得るのと実質上同じように、仮想キャリア上のチャネル状態を測定する目的で、仮想キャリア上で動作する端末デバイスによって使用され得る。
【0120】
理解されるように、仮想キャリアのみ受信するように構成された端末は、サブフレームの全帯域幅にわたって各サブフレームを受信する従来のLTE端末と比べて低減された数のサブキャリアを受信する。その結果、低減ケイパビリティ端末は、より狭い周波数範囲上でより少数のリファレンス信号を受信することになり、これは精度の低いチャネル推定が生成される結果を生じ得る。
【0121】
いくつかの例では、簡略化された仮想キャリア端末はモビリティが低く、チャネル推定をサポートするのにより少数のリファレンスシンボルで済む場合がある。しかし、いくつかの例では、ダウンリンク仮想キャリアは、低減ケイパビリティ端末が生成することのできるチャネル推定(チャネル状態メジャメント)の精度を高めるために追加のリファレンス信号を運ぶサブキャリアを含み得る(即ち、ホストキャリア上の他の領域と比べて仮想キャリア上により高密度のリファレンスシンボルが存在し得る)。
【0122】
いくつかの例では、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアの位置は、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアが、従来のリファレンス信号を運ぶサブキャリアの位置に対して規則正しく散在し、それによって、既存のリファレンス信号を運ぶサブキャリアからのリファレンス信号と組み合わされるとチャネル推定のサンプリング頻度が増すような位置である。これによって、仮想キャリアの帯域幅にわたって低減ケイパビリティ端末によって生成されるべきチャネルの改善されたチャネル推定が可能になる。他の例では、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアの位置は、追加のリファレンスを運ぶサブキャリアが、仮想キャリアの帯域幅の端に規則正しく配置され、それによって、仮想キャリアのチャネル推定の補間の精度を高めるような位置である。
【0123】
[代替の仮想キャリア配置]
仮想キャリア実装形態のここまでの例は主に、例えば
図5に示すような、単一の仮想キャリアが挿入されたホストキャリアに関して例示するために記述されている。しかし、
図10を参照して上述したように、無線通信システムは、仮想キャリアのための複数の位置を許容し得る。更に、
図10に概略的に表されている4つの潜在的位置の例について、ある場合には、それらの位置のうちの1つだけが仮想キャリアをサポートするのに使用されてもよく、別の場合には、複数の位置が複数の仮想キャリアを同時にサポートするのに使用されてもよい。即ち、第1の仮想キャリア(VC1)は
図10の周波数帯域表示L1においてサポートされ得るはずであり、第2の仮想キャリア(VC2)は周波数帯域表示L2においてサポートされ得るはずであり、第3の仮想キャリア(VC3)及び第4の仮想キャリア(VC4)はそれぞれ、L3及びL4と表示された周波数帯域においてサポートされ得るはずである。ホストキャリアが複数の仮想キャリアをサポートし得る別の例が、例えば
図12に示されている。
図12には、ホストキャリア320内で2つの仮想キャリアVC1(330)及びVC2(331)が同時に提供される例が示されている。この例では、2つの仮想キャリアは、例えば擬似ランダムアルゴリズムに従って、ホストキャリア帯域内で位置を変更し得る。しかし、他の例では、2つの仮想キャリアのうちの一方若しくは両方(又は、より多くの仮想キャリアがサポートされる場合にはそれ以上)が常に、ホストキャリア周波数範囲内の同じ周波数範囲にあって(例えば、
図10に表されている位置と並んでいて)もよく、又は異なる機構に従って位置を変更してもよい。LTEでは、ホストキャリア内の仮想キャリアの数は、原則として、各仮想キャリアの帯域幅に対するホストキャリアのサイズによってのみ制限される。しかし、場合によっては、ホストキャリア内の仮想キャリアが多過ぎると、従来のLTE端末へデータを送信するために利用可能な帯域幅を過度に制限し得るとみなされることもあり、オペレータは従って、例えば、従来のLTEユーザ/仮想キャリアユーザの比率に従ってホストキャリア内の仮想キャリアの数を決定し得る。
【0124】
いくつかの例では、アクティブな仮想キャリアの数を、従来のLTE端末と仮想キャリア端末の現在の必要に適合するように動的に調整することができる。例えば、仮想キャリア端末が接続されていない場合、又は仮想キャリア端末のアクセスが意図的に制限されることになる場合、ネットワークは、仮想キャリアのために前もって予約されたサブキャリア内でLTE端末へのデータ送信のスケジューリングを開始するよう手配することができる。このプロセスは、アクティブな仮想キャリア端末の数が増加し始める場合には、逆にすることができる。いくつかの例では、提供される仮想キャリアの数を、仮想キャリア端末の存在の増加に応答して増やすことができる。例えば、ネットワーク又はネットワークのエリアに存在する仮想キャリア端末の数が閾値を超える場合、追加の仮想キャリアがホストキャリアに挿入される。よってネットワークエレメント及び/又はネットワークオペレータは、仮想キャリアを適宜アクティブ化し、又は非アクティブ化することができる。
【0125】
例えば
図5に示す仮想キャリアの帯域幅は144サブキャリアである。しかし他の例では、仮想キャリアは、(1200サブキャリアの送信帯域幅を有するキャリアでは)12サブキャリアから1188サブキャリアまでの任意のサイズのものとし得る。LTEでは、中央帯域は72サブキャリアの帯域幅を有するため、LTE環境における仮想キャリア端末は、中央帯域310を復号できるように、少なくとも72サブキャリア(1.08MHz)の受信機帯域幅を優先的に有し、従って、72サブキャリアの仮想キャリアが使いやすい実装選択肢となり得る。72サブキャリアを含む仮想キャリアでは、仮想キャリア端末は、仮想キャリアにキャンプオンするために受信機の帯域幅を調整する必要がなく、従ってキャンプオンプロセス実行の複雑さが低減され得るが、仮想キャリアの帯域幅を中央帯域の帯域幅と同じとする必要はなく、上記説明のように、LTEに基づく仮想キャリアは、12サブキャリアから1188サブキャリアまでの任意のサイズのものとすることができる。例えば、いくつかのシステムでは、72サブキャリア未満の帯域幅を有する仮想キャリアは、仮想キャリア端末の受信機リソースの無駄とみなされ得るが、別の視点から見ると、従来のLTE端末が利用可能な帯域幅を増やすことによってホストキャリアに及ぼす仮想キャリアの影響を低減するものとみなされ得る。従って、仮想キャリアの帯域幅は、複雑さ、リソース利用、ホストキャリアの性能、及び仮想キャリア端末についての要件の間で所望のバランスを達成するように調整することができる。
【0126】
[アップリンク送信フレーム]
これまでは仮想キャリアを主にダウンリンクに関連して論じたが、いくつかの例では仮想キャリアをアップリンクにも挿入することができる。
【0127】
周波数分割複信(FDD(frequency division duplex))ネットワークではアップリンクとダウンリンクの両方が全てのサブフレームにおいてアクティブであるのに対し、時分割複信(TDD(time division duplex))ネットワークではサブフレームをアップリンクに割り当てることも、ダウンリンクに割り当てこともでき、更にアップリンク部分とダウンリンク部分とに細分することもできる。
【0128】
ネットワークへの接続を開始するために、従来のLTE端末は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH(physical random access channel))上でランダムアクセス要求を出す。PRACHは、アップリンクフレーム内の所定のリソースエレメントのブロックに位置し、その位置は、ダウンリンクでシグナリングされるシステム情報においてLTE端末にシグナリングされる。
【0129】
加えて、LTE端末から送信されることになる保留中のアップリンクデータがあり、端末がまだアップリンクリソースを割り振られていない場合、端末は基地局へランダムアクセス要求PRACHを送信することができる。その場合基地局で、もしあれば、どのアップリンクリソースが要求を出した端末デバイスに割り振られるべきかが決定される。アップリンクリソース割り振りは次いで、ダウンリンクサブフレームの制御領域で送信される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上でLTE端末へシグナリングされる。
【0130】
LTEでは、各端末デバイスからの送信はフレーム内の1組の連続するリソースブロックを占めるよう制約される。物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)では、基地局から受信されるアップリンクリソース割り振り許可が、どの組のリソースブロックを当該送信のために使用すべきかを指示し、これらのリソースブロックは、チャネル帯域幅内のどこにでも配置され得るはずである。
【0131】
LTE物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)によって使用される第1のリソースはチャネルの上端と下端の両方に位置し、各PUCCH送信は1リソースブロックを占める。サブフレームの前半部分ではこのリソースブロックが一方のチャネル端に位置し、サブフレームの後半部分ではこのリソースブロックが反対のチャネル端に位置する。より多くのPUCCHリソースが必要とされる際には、追加のリソースブロックが順次に割り当てられ、各チャネル端から内側へ移動する。PUCCH信号は符号分割多重化されるため、LTEアップリンクは、同じリソースブロックに複数のPUCCH送信を収容することができる。
【0132】
[仮想アップリンクキャリア]
いくつかの実施形態によれば、上述の仮想キャリア端末は、アップリンクデータを送信するための低減ケイパビリティ送信機も備えることができる。仮想キャリア端末は、低減された帯域幅にわたってデータを送信するよう構成される。低減ケイパビリティ送信機ユニットを備えることにより、例えば、MTCタイプの用途などで使用するための低減ケイパビリティで製造されるクラスのデバイスを有する低減ケイパビリティ受信機ユニットを備えることによって達成される利点に対応する利点がもたらされる。
【0133】
ダウンリンク仮想キャリアに対応して、仮想キャリア端末は、低減された帯域幅の仮想キャリアの帯域幅よりも広い帯域幅を有するホストキャリア内の低減されたサブキャリアの範囲にわたってアップリンクデータを送信する。これが
図13Aに示されている。
図13Aから分かるように、アップリンクサブフレーム内の1群のサブキャリアがホストキャリア1302内で仮想キャリア1301を形成する。そのため、仮想キャリア端末がアップリンクデータを送信するための低減された帯域幅を仮想アップリンクキャリアとみなすことができる。
【0134】
仮想アップリンクキャリアを実装するために、仮想キャリアにサービスする基地局スケジューラは、仮想キャリア端末に許可される全てのアップリンクリソースエレメントが、仮想キャリア端末の低減ケイパビリティ送信機ユニットの低減された帯域幅の範囲内に位置するサブキャリアになるよう保証する。これに対応して、ホストキャリアにサービスする基地局スケジューラは一般に、ホストキャリア端末に許可される全てのアップリンクリソースエレメントが、仮想キャリア端末によって占められる組のサブキャリアの外部に位置するサブキャリアになるよう保証する。しかし、仮想キャリアのためのスケジューラとホストキャリアのためのスケジューラとが一緒に実装され、又は情報を共有する手段を有する場合には、ホストキャリアのスケジューラは、仮想キャリアリソースの一部又は全部が仮想キャリア上で端末デバイスによって使用されないことを仮想キャリアのスケジューラが指示するサブフレームにおいて、ホストキャリア上で端末デバイスへ仮想キャリア領域内からのリソースエレメントを割り当てることができる。
【0135】
仮想キャリアアップリンクが、LTE PUCCHに類似した構造及び動作方法に従う物理チャネルを組み込んでおり、当該物理チャネルのためのリソースがチャネル端に存在すると予期される場合、仮想キャリア端末についてこれらのリソースを、ホストキャリアの端ではなく仮想キャリア帯域幅の端で提供することができるはずである。これは、仮想キャリアアップリンクの送信が低減された仮想キャリア帯域幅内に留まることを保証するはずであるため有利である。
【0136】
[仮想アップリンクキャリアのランダムアクセス]
従来のLTE技術によれば、PRACHが、仮想キャリアに割り振られるサブキャリア内に存在することになることを保証することができない。従っていくつかの実施形態では、基地局は仮想アップリンクキャリア内で二次的なPRACHを提供し、その位置を仮想キャリア上でシステム情報によって仮想キャリア端末にシグナリングすることができる。これは例えば
図13Bに示されており、
図13Bでは、PRACH1303が仮想キャリア1301内に位置する。よって仮想キャリア端末は、仮想アップリンクキャリア内の仮想キャリアPRACH上でPRACH要求を送る。PRACHの位置は、仮想キャリアダウンリンクシグナリングチャネルで、例えば仮想キャリア上のシステム情報で仮想キャリア端末にシグナリングすることができる。
【0137】
しかし、他の例では、仮想キャリアPRACH1303は、例えば
図13Cに示すように、仮想キャリアの外側に位置する。これによって、仮想アップリンクキャリア内に仮想キャリア端末がデータを送信するためのより多くの空きが残される。仮想キャリアPRACHの位置は前と同様に仮想キャリア端末にシグナリングされるが、ランダムアクセス要求を送信するには、仮想キャリア端末は、仮想キャリアPRACHが仮想キャリアの外側にあるため、端末の送信機ユニットを仮想キャリアPRACHの周波数に合わせて再チューニングする。次いで送信機ユニットは、アップリンクリソースエレメントが割り振られると、仮想キャリア周波数に合わせて再チューニングされる。
【0138】
仮想キャリア端末が仮想キャリアの外側のPRACH上で送信することができるいくつかの例では、ホストキャリアPRACHの位置を仮想キャリア端末へシグナリングすることができる。仮想キャリア端末はその場合、単に従来のホストキャリアPRACHリソースを用いてランダムアクセス要求を送信することができる。この手法は、割り振られるPRACHリソースがより少なくて済むため有利である。
【0139】
しかし、基地局が、同じPRACHリソース上で従来のLTE端末と仮想キャリア端末の両方からランダムアクセス要求を受信している場合、基地局が、従来のLTE端末からのランダムアクセス要求と仮想キャリア端末からのランダムアクセス要求とを区別するための機構を備えていることが必要である。
【0140】
従って、いくつかの例では、例えば、第1の組のサブフレーム上では仮想キャリア端末がPRACH割り振りを利用でき、第2の組のサブフレーム上では従来のLTE端末がPRACH割り振りを利用できる時分割割り振りが基地局で実装される。そのため基地局は、第1の組のサブフレームの間に受信されるランダムアクセス要求が仮想キャリア端末から発するものであり、第2の組のサブフレームの間に受信されるランダムアクセス要求が従来のLTE端末から発するものであると判定することができる。
【0141】
他の例では、仮想キャリア端末と従来のLTE端末の両方がランダムアクセス要求を同時に送信するのを防止するための機構が設けられない。しかし、ランダムアクセス要求を送信するのに従来使用されるランダムアクセスプリアンブルは2つのグループに分けられる。第1のグループは仮想キャリア端末によって排他的に使用され、第2のグループは従来のLTE端末によって排他的に使用される。そのため基地局は、単にランダムアクセスプリアンブルがどんなグループに属するかを確認するだけで、ランダム要求が従来のLTE端末から発せられたか、それとも仮想キャリア端末から発せられたかを判定することができる。
【0142】
[アーキテクチャの例]
図14に、本発明の一例に従って構成された適応LTEモバイル通信システムの一部を示す概略図を示す。システムは、コアネットワーク1408に接続された適応エンハンスドNodeB(eNB/基地局)1401を含み、コアネットワーク1408は、カバレッジエリア(セル)1404内の複数の従来のLTE端末1402及び低減ケイパビリティ端末1403へデータを伝達する。低減ケイパビリティ端末1403は各々、従来のLTE端末1402に含まれる送受信機ユニット1406のケイパビリティと比べて低減された帯域幅にわたってデータを受信することができる受信機ユニット及び低減された帯域幅にわたってデータを送信することができる送信機ユニットを含む周波数可変送受信機ユニット1405を有する。
【0143】
適応eNB1401は、例えば
図5を参照して上述したような仮想キャリアを含むサブフレーム構造を用いてダウンリンクデータを送信し、
図13B又は
図13Cを参照して記述したようなサブフレーム構造を用いてアップリンクデータを受信するように構成される。低減ケイパビリティ端末1403はよって、上述のようにアップリンク仮想キャリア及びダウンリンク仮想キャリアを用いてデータを送受信することができる。
【0144】
上記で説明したように、複雑さが低減された端末1403は、アップリンク仮想キャリア及びダウンリンク仮想キャリア上の低減された帯域幅にわたってデータを送受信するため、ダウンリンクデータを受信、復号し、アップリンクデータを符号化、送信するのに必要な送受信機ユニット1405の複雑さ、消費電力及びコストは、従来のLTE端末で設けられる送受信機ユニット1406と比べて低減される。
【0145】
セル1404内の端末のうちの1つへ送信されることになるコアネットワーク1408からのダウンリンクデータを受信するときに、適応eNB1401は、そのデータが従来のLTE端末1402に向けられたものか、それとも低減ケイパビリティ端末1403に向けられたものか判定するように構成される。これは任意の適切な技術を用いて達成され得る。例えば、低減ケイパビリティ端末1403に向けられたデータは、そのデータがダウンリンク仮想キャリア上で送信されなければならないことを指示する仮想キャリアフラグを含んでいてよい。適応eNB1401が、ダウンリンクデータが低減ケイパビリティ端末1403へ送信されるべきことを検出した場合には、適応eNB1401に含まれる適応スケジューリングユニット1409が、そのダウンリンクデータがダウンリンク仮想上で当該の低減ケイパビリティ端末へ送信されることを保証する。別の例では、ネットワークは、仮想キャリアがeNBから論理的に独立しているように構成される。より具体的には、仮想キャリアは、仮想キャリアがホストキャリアとの関係を有することがコアネットワークに知られないよう、コアネットワークには別個のセルとして見えるように構成され得る。パケットは、従来のセルについてルーティングされる通りに、単に仮想キャリアへ/仮想キャリアからルーティングされる。
【0146】
別の例では、適切なキャリア(即ちホストキャリア又は仮想キャリア)への、又は適切なキャリアからのトラフィックをルーティングするために、ネットワーク内の適切な箇所でパケット検査が実行される。
【0147】
更に別の例では、コアネットワークからeNBへのデータが特定の端末デバイスのための特定の論理接続上で伝達される。eNBは、どの論理接続がどの端末デバイスと関連付けられるか指示する情報を提供される。eNBでは、どの端末デバイスが仮想キャリア端末であり、どの端末デバイスが従来のLTE端末であるか指示する情報も提供される。この情報は、仮想キャリア端末が最初に仮想キャリアリソースを用いて接続されたはずであることから導出することもできる。他の例では、仮想キャリア端末は、接続手順の間にeNBへ仮想キャリア端末のケイパビリティを指示するように構成される。そのため、eNBは、端末デバイスが仮想キャリア端末かそれともLTE端末かに基づいて、コアネットワークから特定の端末デバイスへのデータをマップすることができる。
【0148】
アップリンクデータの送信のためのリソースをスケジュールするときに、適応eNB1401は、リソースをスケジュールされるべき端末が、低減ケイパビリティ端末1403か、それとも従来のLTE端末1402か判定するように構成される。いくつかの例では、これは、上述のように仮想キャリアのランダムアクセス要求と従来のランダムアクセス要求とを区別する技術を用いてPRACH上で送信されるランダムアクセス要求を分析することによって成し遂げられる。いずれの場合も、適応eNB1401において、ランダムアクセス要求が低減ケイパビリティ端末1402によって出されたと判定されるときに、適応スケジューラ1409は、アップリンクリソースエレメントのいかなる許可も仮想アップリンクキャリア内に存在することを保証するように構成される。
【0149】
いくつかの例では、ホストキャリア内に挿入された仮想キャリアは、論理的に別個の「ネットワーク内のネットワーク」を提供するのに使用することができる。言い換えると、仮想キャリアを介して送信されるデータは、ホストキャリアネットワークによって送信されるデータと論理的、物理的に別個のものとして扱うことができる。従って、仮想キャリアは、いわゆる専用メッセージングネットワーク(DMN(dedicated messaging network))を実装するのに使用することができ、DMNは、従来のネットワーク「の上に配置され」、DMNデバイス(即ち仮想キャリア端末)、例えばMTCデバイスのクラスへメッセージングデータを伝達するのに使用される。
【0150】
[仮想キャリアの更なる応用例]
以上で、GB1101970.0[2]、GB1101981.7[3]、GB1101966.8[4]、GB1101983.3[5]、GB1101853.8[6]、GB1101982.5[7]、GB1101980.9[8]、GB1101972.6[9]、GB1121767.6[10]及びGB1121766.8[11]の番号を有する同時係属の英国特許出願に記載される種類の仮想キャリアの概念を示したので、本発明のいくつかの実施形態による仮想キャリア概念のいくつかの他の拡張について記述する。
【0151】
図15に、本発明の一実施形態による通信システム1500を概略的に示す。この例の通信システム1500は、大きくは、上述のような仮想キャリアが実装されるLTEタイプのアーキテクチャに基づくものである。よって、通信システム1500の動作の多くの側面は公知であり、理解されており、簡潔にするためにここでは詳細に記述しない。ここで具体的に記述されない通信システム1500の動作的側面は、任意の公知の技法に従って、例えば、先に提案された仮想キャリアをサポートするための適切な変更を伴う現行のLTE規格に従って実装され得る。
【0152】
通信システム1500は、無線ネットワーク部に結合されたコアネットワーク部(進化型パケットコア)1502を含む。無線ネットワーク部は、複数の端末デバイスに結合された基地局(進化型ノードB)1504を含む。この例では、2台端末デバイス、即ち第1の端末デバイス1506及び第2の端末デバイス1508が示されている。実際には無線ネットワーク部は、様々な通信セルにまたがるより多数の端末デバイスにサービスする複数の基地局を含み得ることが当然ながら理解されるであろう。しかし、簡略化のために、
図15には1つの基地局と2台の端末デバイスだけが示されている。
【0153】
従来のモバイル無線ネットワークと同様に、端末デバイス1506、1508は、基地局(トランシーバ基地局)1504との間でデータをやりとりするように構成されている。基地局は、更には、コアネットワーク部のサービングゲートウェイ(S−GW)(不図示)に通信可能に接続されており、S−GWは、基地局1504を介した通信システム1500内の端末デバイスへのモバイル通信サービスのルーティング及び管理を行うように構成されている。モビリティ管理及び接続性を維持するために、コアネットワーク部1502はモビリティ管理エンティティ(不図示)も含み、モビリティ管理エンティティは、ホーム加入者サーバ(HSS)に記憶された加入者情報に基づいて通信システムで動作する端末デバイス1506、1508とのエンハンスドパケットサービス(EPS)接続を管理する。(やはり簡略化のために図示されていない)コアネットワーク内の他のネットワーク構成要素には、ポリシー課金及びリソース機能(PCRF)、並びにパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN−GW)が含まれ、PDNーGWはコアネットワーク部1502から外部のパケットデータネットワーク、例えばインターネットへの接続を提供する。上記のように、
図15に示す通信システム1500の様々な要素の動作は、ここで論じる本発明の実施形態による機能を提供するために変更される場合を別として、概ね従来通りとし得る。
【0154】
この例では、第1の端末デバイス1506は、主に、無線インターフェースのホストキャリア構成要素と関連付けられるリソースを用いて基地局1504と通信する従来のスマートフォンタイプの端末デバイスであるものと想定されている。この第1の端末デバイス1504は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1506a、及びスマートフォン1506を制御するように構成されたコントローラユニット1506bを含む。コントローラユニット1506bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いて所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされるプロセッサユニットを含み得る。送受信機ユニット1506a及びコントローラユニット1506bは、
図15には別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は、多種多様なやり方で、例えば単一の適切にプログラムされる集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。理解されるように、スマートフォン1506は一般に、スマートフォン1506の動作機能と関連付けられる様々な他の要素を含む。
【0155】
この例では、第2の端末デバイス1508は、無線インターフェースの仮想キャリア構成要素と関連付けられるリソースを用いて基地局1504と通信するマシンタイプコミュニケーション(MTC)端末デバイスであるものと想定されている。更に、この例については、基地局1504は、例えば
図10及び
図12に概略的に表されているように、ホストキャリア内の異なる周波数位置において複数の仮想キャリアをサポートすることができ、第2の端末デバイス1508は、それらの仮想キャリア周波数の異なる周波数上で選択的に動作することができるように周波数可変であるものと想定されている。上述のように、マシンタイプコミュニケーション端末デバイスは、場合によっては、少量のデータを伝達する半自律的、又は自律的な無線通信端末として一般に特徴付けられ得る。例としてはいわゆるスマートメータが含まれ、スマートメータは、例えば、顧客の住宅に設置され、情報、即ち、顧客の、ガス、水道、電気などといった公共設備の消費に関連するデータを中央MTCサーバへ周期的に送り返すことができる。MTCデバイスは、いくつかの点で、例えば待ち時間に関して相対的に低いサービス品質(QoS(quality of service))を有する相対的に低い帯域幅の通信チャネルによってサポートされ得るデバイスとみなされ得る。ここでは、
図15のMTC端末デバイス1508はそうしたデバイスであるものと想定されている。
【0156】
スマートフォン1506の場合と同様に、MTCデバイス1508は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1508a、及びMTCデバイス1508を制御するように構成されたコントローラユニット1508bを含む。送受信機ユニット1508aは、(ここではホストキャリアの帯域幅に対応する)基地局の全動作帯域幅内の異なる周波数位置にある送受信機ユニット1508aの動作帯域幅内で基地局からの通信を受信するようチューニングされ得るように周波数可変である。コントローラユニット1508bは、以下で更に説明するような本発明の実施形態による機能を提供するための様々なサブユニットを含み得る。これらのサブユニットは、別々のハードウェア要素として実装されても、コントローラユニットの適切に構成される機能として実装されてもよい。よって、コントローラユニット1508bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いてここで説明される所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされるプロセッサユニットを含み得る。送受信機ユニット1508a及びコントローラユニット1508bは、
図15では、表現しやすいように別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は、当分野での確立された手法に従った多種多様なやり方で、例えば、単一の適切にプログラムされる集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。MTCデバイス1508は一般に、MTCデバイス1508の動作機能と関連付けられる様々な他の要素を含むことが理解されるであろう。
【0157】
基地局1504は、無線信号の送受信のための送受信機ユニット1504a、及び基地局1504を制御するように構成されたコントローラユニット1504bを含む。上記のように、基地局1504の送受信機ユニット1504aは、ホストキャリア内で複数の仮想キャリアをサポートするように構成されている。コントローラユニット1506bもやはり、以下で更に説明するような本発明の実施形態による機能を提供するための、スケジューリングユニットといった様々なサブユニットを含み得る。これらのサブユニットは、別々のハードウェア要素として実装されても、コントローラユニットの適切に構成される機能として実装されてもよい。よって、コントローラユニット1504bは、無線通信システム内の機器のための従来のプログラミング法/構成法を用いてここで説明される所望の機能を提供するように適切に構成/プログラムされるプロセッサユニットを含み得る。送受信機ユニット1504a及びコントローラユニット1504bは、
図15では、表現しやすいように別個の要素として概略的に示されている。しかし、これらのユニットの機能は、当分野での確立された手法に従った多種多様なやり方で、例えば、単一の適切にプログラムされる集積回路を用いて提供され得ることが理解されるであろう。基地局1504は、一般に、その動作機能と関連付けられる様々な他の要素を含むことになることが理解されるであろう。
【0158】
よって基地局1504は、無線通信システムのホストキャリアと関連付けられる第1の無線通信リンク1510上でスマートフォン1506とデータをやりとりし、無線アプリケーションシステムの仮想キャリアと関連付けられる第2の無線通信リンク1512上でMTCデバイス1508とデータをやりとりするように構成され、第2の無線通信リンクをサポートする仮想キャリアは、基地局1504によってサポートされる複数の仮想キャリアのうちの1つである。 ここでは基地局1504は、例えば上述のように、ホストキャリア及び仮想キャリアをサポートするLTEベースの通信の確立された原理に従って第1の無線通信リンク1510上でスマートフォン1506と通信するように構成されるものと想定されている。
【0159】
図15に概略的に表されている無線通信システム1500の重要な側面は、基地局が、基地局の全動作帯域幅内の異なる位置にある仮想キャリア上でデータを伝達するように構成される(即ち、基地局は、異なる周波数位置において複数の仮想キャリアをサポートする)ことである。具体例として、ここでは、基地局は20MHzの全動作帯域幅と関連付けられており、各々が1.4MHzの制限された周波数帯域幅を有する4つの仮想キャリアを用いて、MTCタイプの端末デバイス1508のような低減ケイパビリティデバイスとの仮想キャリア通信をサポートするものと想定されている。更に、この例では、4つの仮想キャリアは、20MHzの全動作帯域幅にわたって均一に分散する固定された周波数位置にあるものと想定されている。よってこの例では、基地局は、その全20MHz帯域幅の下端に対して2.5MHzの周波数位置を中心とする第1の仮想キャリア(VC1)、ホスト帯域幅の下端から7.5MHzの周波数位置を中心とする第2の仮想キャリア(VC2)、ホスト帯域幅の下端から12.5MHzの周波数位置を中心とする第3の仮想キャリア(VC3)、及びホスト帯域幅の下端から17.5MHzの周波数位置を中心とする第4の仮想キャリア(VC4)をサポートする。これらの値は、単に、1つの例示的実装形態を表すにすぎず、他の例では、異なる数の仮想キャリアがあってもよく、且つ/又は仮想キャリアがホストキャリア帯域幅全体にわたって異なって分散していてもよいことが理解されるであろう。
図15に表されている例では、基地局1504は最初に、第1の仮想キャリアVC1と関連付けられる周波数リソースを用いてMTCデバイス1508と通信しているものと想定されている。よって、MTC端末デバイス1508の周波数可変送受信機1508aは、仮想キャリアVC1と関連付けられる周波数位置に合わせて適切にチューニングされる。MTC端末デバイス1508が現在仮想キャリアVC1上で動作している理由は、単にこれがMTCデバイスによってキャンプオン手順において発見された最初の仮想キャリアであったためであり、又はMTCデバイスが常に最初に仮想キャリアVC1にキャンプオンするように構成されているためであり、或いは、基地局が事前に、MTCデバイスにこの特定の仮想キャリア上で動作するよう指示しているためであり得る。例えば、基地局は、最初に、異なる仮想キャリアに異なるMTC端末デバイスを割り振ることによって異なる仮想キャリア上の負荷を管理/分散し、例えば初期接続手順において交換されるシグナリングで、それぞれのMTCデバイスがどの仮想キャリアを使用すべきかに関して各MTCデバイスへ適切な命令シグナリングを提供するように構成され得る。
【0160】
よって、
図15には、MTCデバイス1508が、基地局によってサポートされる第1の仮想キャリアVC1と関連付けられる周波数位置のところの制限された帯域幅の周波数のキャリア上で基地局と通信することによって、無線通信システム1500内で動作している状況が表されている。この仮想キャリア上のMTCデバイスの動作は、大きくは、仮想キャリア上で低減ケイパビリティ端末デバイスを動作させるための前に提案された考えに従い得るが、以下で更に論じるような本発明の実施形態による変更を伴う。
【0161】
仮想キャリア実装形態について前に提案されているように、基地局1504とMTCデバイス1508との間の通信は、多くの点で、概ね、従来のLTEタイプの技法(又は、他の規格に従って動作する無線通信システムのコンテキストにおける対応する技法)に従い得る。例えば、仮想キャリアの帯域幅内のリファレンスシグナリングが、MTCデバイスによって、基地局とMTCデバイスとの間に存在するチャネル状態を測定するのに使用され、MTCデバイスは、メジャメントの指示を基地局に報告し得る(例えば、仮想キャリアのためのCQIタイプの報告)。よって基地局は、制限された帯域幅内ではあるが、従来のLTEタイプの通信についてと概ね同じやり方で仮想キャリア上でのMTCデバイスとの通信に関して基地局がリンクアダプテーションを実行することを可能にするために、仮想キャリアについてのチャネル状態に関する情報を提供され得る。
【0162】
本発明の発明者らの理解するところでは、従来のLTE動作モードには当てはまらない仮想キャリア動作の一側面は、実質上、MTCデバイスをある仮想キャリア上でのサービスから別の仮想キャリア上でのサービスに切り換える可能性である。例えば、MTCデバイス1508が第1の仮想キャリアVC1上でサービスされている上述の具体例に関しては、原則として、MTCデバイス1508との通信が、この特定の例でサポートされる4つの仮想キャリアのうちの別の1つに切り換わる可能性がある。本発明の発明者らの理解するところでは、これは、基地局とMTCデバイスとの間の通信を最適化するために適用され得る実質上別のレベルの潜在的リンクアダプテーションであるものを可能にする。この可能性を利用するために、本発明の発明者らは、より広いシステム帯域幅内の制限された周波数帯域幅上で動作するMTCデバイスが、そのシステム帯域幅内の異なる位置におけるチャネル状態を測定し、そうしたメジャメントから導出された情報をサポート側の基地局に提供することを可能にする手法を開発した。従ってこれは、基地局が、MTCデバイスをサポートするための周波数位置をスケジュールするときに、システム帯域幅内の異なる周波数位置における測定されたチャネル状態を考慮することを可能にし得る。例えば、基地局は、測定されたチャネル状態に基づいてMTCデバイスとの通信に使用するための特定の仮想キャリア周波数を選択し得る。
【0163】
図16は、本発明のある実施形態による、基地局と端末デバイスとの間の通信、並びに基地局及び端末デバイスによって実行されるステップを概略的に表すシグナリングラダー図である。この例では、基地局及び端末デバイスは、
図15に概略的に表されている基地局1504及び端末デバイス1508と符合し、端末デバイス1508は最初に仮想キャリアVC1を用いて基地局に接続するものと想定されている。
【0164】
図16に表されているシグナリングは、端末デバイスが本発明の一実施形態に従ってチャネル状態を測定すべきであると基地局1504が判定した時点から開始する。これが行われ得るのは、例えば、基地局が事前定義されたスケジュールに従ってそうしたメジャメントを要求するように構成されるためであり、或いはおそらくは、(例えば、仮想キャリアの帯域幅内での従来のLTEタイプのチャネル状態報告に基づいて)端末デバイスとの通信が現在使用中の仮想キャリア上での不十分なチャネル状態によって影響を受けていることを基地局が認めたためである。
【0165】
よって、
図16に表されている第1のステップS1で、基地局1504は、本発明の一実施形態によるチャネル状態メジャメントを実行するよう端末デバイスに指示するために、MTCデバイス1508へシグナリングを送信する。上記のように、端末デバイスは最初に仮想キャリアVC1上で動作しており、よってこのシグナリングは、それに対応して、基地局によってVC1上でMTCデバイスへ送信される。命令シグナリングS1は、端末デバイスを支援するための構成情報を含み得る。例えば、ステップS1で送信される命令シグナリングは、基地局が端末デバイスにそのチャネル状態を測定させようとする周波数位置の指示を含み得る。これらは、例えば、そのメジャメントが求められる特定のサブキャリア周波数の指示として、又は、1つ以上の事前定義された周波数位置の参照によって、例えば、基地局によってサポートされるある事前定義された仮想キャリア仮想現実を参照するインデックスによって提供され得る。例えば、基地局が、VC1、VC2、VC3、及びVC4と呼ばれ得る4つの仮想キャリアをサポートする上述の場合には、構成メッセージングは、基地局が端末デバイスにそれについてのチャネル状態メジャメントを実行させようとするそれぞれのインデックス1〜4のうちの1つ以上の指示を含み得る。行われるべき測定に関して基地局によって伝えられ得る他の情報は、例えば、メジャメントが行われるべき帯域幅の指示(例えばこれが固定されていない場合)を含み得るはずである。他の例では、基地局が本発明の一実施形態によるチャネル状態メジャメント及び報告を開始すべきであるという指示以外の補足的構成情報がない場合もある。そうした場合には、端末デバイスは、例えば、事前定義されたやり方で(例えば、目下の実装形態において基地局によってサポートされる全ての仮想キャリア周波数のメジャメントを行うことによって)メジャメントを実行するように構成され得るはずである。例えば、
図16に概略的に表されているように、基地局は端末デバイスに、基地局がこの例示的実装形態においてサポートする4つ全ての仮想キャリアのチャネル状態メジャメントを行うよう命令するものと想定されるであろう。
図16のステップS1で送信されるシグナリングは、無線通信システムにおいて基地局から端末デバイスへ制御情報を伝えるための任意の従来の技法に従って送信され得る。
【0166】
図16に表されているステップS2で、基地局は端末デバイスへ、端末デバイスが後で、端末デバイスが行うよう命令されたメジャメントから導出された情報を報告するのに使用すべきであるアップリンクリソース割り振りを伝える。割り振られるリソースのタイミングは、命令されたメジャメントを実行する時間を端末デバイスに与えるために遅延されることが理解されるであろう。このため、アップリンクリソース割り振りは、従来のアップリンクリソース割り振りと異なるやり方で行われるのが妥当と考えられ、例えば、上位層制御シグナリングのための確立された技法のいずれかを使用して、端末デバイスがメジャメントに関して報告することになるリソースの指示が伝えられ得る。ステップS1に表されているシグナリングと同様に、ステップS2に表されているこのシグナリングも、仮想キャリアを実装する無線通信ネットワークにおいて制御情報を伝えるための確立された技法を用いて、仮想キャリアVC1上で送信され得る。
【0167】
チャネル状態メジャメントを実行するための命令を受信し、(基地局から受信した構成情報に基づいて、又は、事前定義された決まった方式に従って)そのためのチャネル状態メジャメントが行われることになる周波数位置を決定すると、端末デバイスは続いて、
図16のステップS3からステップS9に概略的に表されているようにこれらのメジャメントを行う。よってステップS3で、端末デバイスはVC1についてのチャネル状態を測定する。これは、端末デバイスが最初にチューニングされる仮想キャリアである。VC1についてのチャネル状態は、任意の従来の技法に従って測定され得る。例えば、VC1のCQIパラメータを設定するためのリファレンスシグナリングメジャメントに依拠する。この例では、(例えば、広帯域CQIに対応する)ただ1つのCQIだけが、仮想キャリア帯域幅VC1のために確立されるものと想定されている。メジャメントを行うと、端末デバイスは、結果の指示をメモリに記憶し、
図16に表されているステップS4へ進む。
【0168】
ステップS4で、端末デバイスはその送受信機を、第2の仮想キャリアVC2の周波数位置と符合するようにチューニングする。端末デバイスの送受信機がVC2に対応する周波数位置に合わせて再チューニングされると、端末デバイスは続いて、ステップS5でVC2についてのチャネル状態を測定し、結果をメモリに記録する。このメジャメントもやはり、無線通信システムでチャネル状態を測定するための概ね従来通りの技法に従って行われ得る。例えば、メジャメントは、受信リファレンス信号のメジャメント及び雑音のメジャメント(雑音+干渉のメジャメント)を通常通りに含み得るはずである。同様に、端末デバイスは続いて、ステップS6で、仮想キャリアVC3に対応する周波数位置に合わせて再チューニングし、ステップS7でVC3についてのチャネル状態を測定し、ステップS8で仮想キャリアVC4に対応する周波数位置に合わせて再チューニングし、ステップS9でVC4についてのチャネル状態を測定する。
【0169】
対象とする周波数位置についてのチャネル状態メジャメントを完了すると、端末デバイスは、
図16のステップS10に概略的に表されているように、その送受信機を仮想キャリアVC1に対応する周波数位置に戻す。
【0170】
よって、
図16に表されているステップS10の後には、端末デバイスは、各仮想キャリア、VC1、VC2、VC3、及びVC4についてのチャネル状態を順次に測定し、各メジャメントの結果の対応する指示をメモリに記憶し、端末デバイスの送受信機を仮想キャリアVC1に戻した状態にある。本発明の実施形態による端末デバイスは、
図16のステップS11に概略的に表されているように、各メジャメントから情報を導出し、この情報をチャネル状態メジャメント報告において基地局へ伝達するように構成される。この通信は、ステップS2でアップリンク通信のために端末デバイスに割り振られたリソース上で送信される。
【0171】
端末デバイスから基地局へ伝達される情報は、異なる例示的実装形態によれば異なり得る。
図16に表されている具体例では、端末デバイスは、それぞれのチャネル状態メジャメントから、どの仮想キャリア周波数位置が最良のチャネル状態と関連付けられるか判定し、この判定を、対応するチャネル状態のメジャメントの指示と共に基地局へ伝達するように構成される。即ち、ステップS11で表されているシグナリングで伝えられる情報は、端末デバイスが測定されたチャネル状態の中からの最良のチャネル状態と関連付けられるものとして選択した仮想キャリアについての周波数位置の指示、及びそれら最良のチャネル状態が何であるかの指示と符合する。関連するメジャメントが行われた時間の指示のような補足的情報も基地局へ伝達され得る。端末デバイスによって最良のチャネル状態と関連付けられるものとして決定された周波数位置の指示は、よって、後続の仮想キャリア動作に使用すべき端末デバイス選択の周波数候補の指示であるものとして考慮され得る。
【0172】
端末デバイスから情報を受信すると、基地局は、ステップS12に概略的に表されているように、この情報を考慮して、端末デバイスについてのスケジューリング決定を行う。例えば、端末デバイスは最初にVC1上で動作しているが、
図16のステップS11で伝達された情報は、端末デバイスがそのメジャメントから、仮想キャリアVC3がより良いチャネル状態を提供すると判定したことを指示する場合、基地局は、端末デバイスのためのその後のスケジューリングを仮想キャリアVC3へ移動させるべきであると判定し得る。基地局が、端末デバイスから受信した情報から、端末デバイスは異なる仮想キャリア上での方がより良くサービスされるはずであると判定し、更に、基地局が当該仮想キャリア上で端末デバイスをサポートすることができる(即ち、提示された仮想キャリア上にモバイル端末のための容量がある)場合、基地局は端末デバイスへ、端末デバイスに、選択された仮想キャリアへ移動するよう命令する命令シグナリングを提供し得る。これは
図16において、シグナリングステップS13によって概略的に表されている。このシグナリングは、無線通信システムにおいて制御シグナリングを伝えるための任意の確立された技法に従って行われ得る。
【0173】
そうした命令を受信すると、端末デバイスは、その送受信機を戻し、従来の技法に従って選択された仮想キャリアに接続し、それによって、(
図16には示されていない)新しく選択された仮想キャリア上で動作を開始し得る。
【0174】
よって、
図16の手法は、低減された帯域幅ケイパビリティを有する端末デバイスが、端末デバイスの動作帯域幅より広い周波数範囲にわたるチャネル状態に関して基地局にフィードバックを提供し、それによって基地局が、端末デバイスが異なる仮想キャリア周波数上で動作するように移動された場合に(例えば、より高いデータレートを達成する上で)より良くサービスされ得るかどうかを判定することを可能にするための技法を表す。
【0175】
図16に表されている動作は、他の実装形態に従って様々に変更され得るはずであることが当然ながら理解されるであろう。
【0176】
例えば、端末デバイスが基地局へ、どの仮想キャリア周波数位置が最良のチャネル状態と関連付けられるものとして測定されるかの指示を伝達する代わりに、端末デバイスは、メジャメントから導出された異なる情報及び/又は追加情報を、
図16のステップS11に対応するステップで基地局へ伝達してもよいはずである。
【0177】
いくつかの実施形態では、複数の異なる可能な仮想キャリア位置と関連付けられるチャネル状態のメジャメントを行った端末デバイスは、それぞれのチャネル状態メジャメントの指示を基地局へ伝達し得るはずである。即ち、チャネル状態メジャメントから導出され、基地局へ伝達される情報は、例えば、メジャメントごとのCQIタイプのパラメータにとしてパラメータ化されたそれぞれのメジャメント(又はそれぞれのメジャメントの一部分)の指示を含み得る。これは基地局に、基地局自体で端末デバイスのための最適な仮想キャリアを選択することを可能にするはずの情報を提供する。この手法はセルにおける全般的スケジューリングに責任を負う基地局に、基地局によってサポートされるセル内の全般的性能を最適化するのに役立ち得るより多くの情報を提供する。例えば基地局が、過剰能力(overcapacity)などが原因で、最良のチャネル状態と関連付けられる仮想キャリア上で端末デバイスに対応することができない場合、基地局は、その代わりに2番目に良いチャネル状態を有する仮想キャリアへ端末デバイスを移動させることができる。この手法は、端末デバイスが最良のチャネル状態を有するただ1つの仮想キャリアだけを報告することになっていた場合には容易に利用できないはずである。しかし、最良のチャネル状態を有する1つの仮想キャリア上でのみ報告する端末デバイスの利点は、交換されるデータ量の低減、及び基地局の処理要件の低減である(というのは、端末デバイスは、チャネル状態メジャメントを処理して使用すべき最良の仮想キャリアを決定するからである)。中間的な手法は、端末デバイスが仮想キャリアそれぞれのチャネル状態メジャメントの一部分に関する情報を報告するものであろう。例えば、最良のチャネル状態を有すると判定された仮想キャリア周波数位置に関する情報を伝達する代わりに、端末デバイスは、どの仮想キャリア周波数位置が最良のチャネル状態及び2番目に良いチャネル状態(またおそらくは、3番目に良いチャネル状態、4番目に良いチャネル状態、以下同様)を有すると判定されるかの指示を伝達してもよいはずである。別の例では、端末デバイスは、どの仮想キャリア周波数位置がある事前定義された基準を満たす測定されたチャネル状態と関連付けられるか、例えば、どの周波数位置について、チャネル状態メジャメントから導出されたパラメータが事前定義された性能閾値を超えるかの指示を伝達してもよいはずである。
【0178】
更に、他の例示的実装形態は、
図16に表されている全てのステップを含むとは限らず、且つ/又は異なるやり方で実行される対応するステップを含み得るはずであることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、ステップS1及びステップS2で伝えられる情報は、基地局から端末デバイスへ、1つのメッセージングステップにおいて伝えられ得るはずである。他の例では、ステップS2に表されているようなアップリンクリソース割り振りが提供されなくてもよいはずである。代わりに、端末デバイス1508は、単にステップS1で受信した命令の下でメジャメントを実行し、メジャメントが完了すると(即ち、
図16のステップS10の後で)、端末デバイスは、その段階で、端末デバイスがメジャメントから導出された情報をステップS11で基地局へ送信することを可能にするアップリンクリソースを要求してもよいはずである。例えば、チャネル状態メジャメントを行い、基地局へ伝達されるべき情報を導出すると、端末デバイスは、その段階で、従来のスケジューリング要求手順によって、例えばRACH手順を用いて、リソースを要求し得るはずである。或いは、ステップS2に表されているシグナリングは、後の段階において提供されてもよいはずである。例えば、基地局は、メジャメントが行われた後で、端末デバイスが、メジャメントから導出された情報を報告するのに使用するためのアップリンクリソース割り振りを送信するように構成され得る。例えば、基地局は、チャネル状態メジャメントを開始するために
図16のステップS1に表されているシグナリングに対応するシグナリングを送信し、次いで、端末デバイスにメジャメントを行わせるための所与の期間が経過した後で、基地局は、ステップS2に表されているシグナリングに対応するシグナリングを送信し得るはずである。
【0179】
更に別の例では、ステップS1及びステップS2に対応するシグナリングが行われなくてよい。そうではなく、端末デバイス1508は、例えば、基地局からの命令なしで、
図16に表されている動作のステップS3から開始する各ステップに対応するメジャメントステップを開始するように構成され得るはずである。例えば、端末デバイスは、事前定義されたスケジュールに従って、又は、現在使用中の仮想キャリア上でチャネル状態が低下したことを端末デバイス自体が特定したために、メジャメントステップを開始するように構成され得るはずである。端末デバイスがそのメジャメントを完了すると、端末デバイスは、端末デバイスがメジャメントを行ったこと、及びメジャメントから導出された情報を基地局に伝えることを可能にするために、通常通りにアップリンクリソースを要求し得る。他の例では、
図16のステップS1及び/又はステップS2で表されているようなシグナリングは、明示的にではなく暗黙的に伝えられ得る。例えば、
図16のステップS2に対応するシグナリングを送信するのではなく、無線通信システムは、ステップS1に対応するシグナリングを受信すると、メジャメント及び報告プロセスを開始する命令をシグナリングするために基地局によって使用されたリソースに基づいて、端末デバイス1508がメジャメントから導出された情報を報告するために使用されるべきアップリンクリソースを導出するように構成され得るはずである。
【0180】
図16の手法によれば、チャネル状態メジャメントを行ってから基地局へのチャネル状態メジャメントから導出された情報を報告するまでの間に遅延が生じる。例えば、端末デバイスは通常、各メジャメント間にその送受信機を再チューニングするための若干の時間を必要とすることになる。よって、
図16のステップS3は所与のサブフレームにおいて送信されたリファレンスシンボルと関連付けて行われ得るはずであるが、その場合、VC2チャネル状態のメジャメント(
図16のステップS5)が後続のサブフレームにおいて行われる前に、端末デバイスがその送受信機をVC2に合わせて再チューニングしている間(
図16のステップS4)に1又は2サブフレームの遅延が生じ得る。このため、
図16の例での4つの仮想キャリア全てのメジャメントを実行するには、いくつかの実施形態では、ほぼ10サブフレームを要し得るであろう。チャネル状態が急速に変化している場合、この遅延は、チャネル状態情報が報告されるのが遅すぎて有効なリンクアダプテーションが行えないことを意味し得るはずである。しかし、本発明の発明者らの理解するところでは、仮想キャリア動作と関連付けられる可能性の高いカテゴリの端末デバイスは、往々にして、高速で変化するチャネル状態が問題となりにくい半固定式の設備における低モビリティデバイスであろう。
【0181】
多くの仮想キャリア実装形態では、(通常はより高いモビリティを有する従来のデバイスのチャネル状態よりもチャネル状態が安定することになるので)速いチャネル状態報告は不要であると予期されるため、本発明の発明者らが更に理解するところでは、本発明の実施形態によればチャネル状態情報の上位層報告が用いられ得るはずである。従来のCQIタイプの報告は、レイヤ1(物理層)シグナリング交換に基づくものである。しかし、本発明の実施形態によれば、
図16のステップS11で伝達される情報は、上位層シグナリングで、例えば、RRC又はMACシグナリングで伝達され得るはずである。例えば、チャネル状態のメジャメントから導出された情報の伝達は、目下の実装形態による情報を伝えるための様々なフィールドを含む新しく定義される情報要素を含むRRCメッセージにおいて実現されてよい。例えば、この情報要素は、端末デバイスが選択した好ましいVC周波数位置(インデックス)及び関連付けられるチャネル状態メジャメントを指示するためのフィールド、及び/又は対応する仮想キャリア位置についてのチャネル状態メジャメントの指示の少なくとも一部分を指示するためのフィールドを含み得る。上記のように、仮想キャリア位置は、特定の周波数として、又はいくつかの事前定義された周波数位置と関連付けられるインデックスとして定義され得る。別の例では、対応する情報がMACヘッダに導入され得るはずである。
【0182】
いくつかの実施形態によるチャネル状態メジャメントから導出された情報を指示するための上位層(即ち物理層より上位の)シグナリングの使用の1つの利点は、例えば受信確認シグナリングに基づく従来の再送プロトコルを用いることができることによる、より高い送信信頼度の可能性である。いくつかの実施形態によるもう1つの利点は、潜在的に多数の端末デバイスが全てレイヤ1(L1)報告を用いてチャネル状態を報告した場合に通常はそうなるはずの場合と比べた、物理層シグナリングの低減であり、対応する干渉の低減である。
【0183】
上記のように、高速で変化するチャネル状態は、典型的に仮想キャリア上で動作するものと予期されるタイプの端末デバイスにとっては往々にしてあまり問題とはならず、よって、上述のような上位層シグナリングを用いた報告と関連付けられる遅延は問題視されないものと予期される。
【0184】
とはいえ、状況によっては、それは、
図16に表されている手法で達成され得るはずの報告よりも、異なる可能な仮想キャリア周波数位置についてのチャネル状態の高速の報告のために好ましい場合もあることが理解される。これを踏まえて、
図17に、本発明の別の実施形態によるチャネル状態報告のための代替の手法を概略的に表す。
【0185】
図17は、本発明のある実施形態による、基地局と端末デバイスとの間の通信、並びに基地局及び端末デバイスによって実行されるステップを表すシグナリングラダー図である。この例では、基地局及び端末デバイスはやはり、
図15に概略的に表されているような基地局1504及び端末デバイス1508と符合し、端末デバイス1508は最初に仮想キャリアVC1を用いて基地局に接続するものと想定されている。
【0186】
図16に表されている例と同様に、
図17に表されているシグナリングは、端末デバイスが本発明の一実施形態に従ってチャネル状態を測定すべきであると基地局1504が判定した時点から開始する。
【0187】
図17に表されている第1のステップT1で、基地局1504は端末デバイス1508に、所望のチャネル状態メジャメントを行うよう求める命令を提供する。このステップは、対応する
図16のステップS1と同様であり、
図16のステップS1から理解されるであろう。この例の構成情報は、基地局が端末デバイスに、指示される数の異なる可能な仮想キャリア周波数位置についてのチャネル状態を測定させようとする順序の指示を含み得る。
【0188】
第2のステップT2で、基地局は端末デバイス1508に、仮想キャリアVC1上のアップリンクリソース割り振りの指示を提供する。これは、例えば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上のチャネル状態報告用のリソースを割り振るために概ね従来通りの技法に従って提供され得る。
【0189】
第3のステップT3で、端末デバイスは、VC1上のチャネル状態を測定する。このステップは、対応する
図16のステップS3と同様であり、
図16のステップS3から理解されるであろう。
【0190】
第4のステップT4で、端末デバイスは、ステップT2で割り振られたアップリンクリソースを用いて基地局へチャネル状態報告を送信する。この報告は、例えば、LTEタイプの通信ネットワークにおける従来の非周期的なCQI報告と厳密に符合するやり方で行われ得る。
【0191】
ステップT5で、基地局は、VC1上のチャネル状態が許容できるかどうか判定する。ステップT5で、基地局が報告されたVC1についてのチャネル状態から、チャネル性能が現在のスケジューリングの必要に十分であると判定した場合、
図17に表されている処理は停止してよく、端末デバイスは、単に、引き続き通常通り仮想キャリアVC1上でサービスされ得るはずである。しかしこの例では、基地局は、報告されたVC1についてのチャネル状態は十分に良好ではなく、端末デバイスは、他の仮想キャリアがより良いかどうか確認するために他の仮想キャリアについてのチャネル状態の測定を続けるべきであると判定するものと想定されている。十分に良好であるとみなされるチャネル状態についての判断は、目下の実装形態に依存し、例えば、端末デバイスのための来るべきスケジューリング要件、特に、これら来るべきスケジューリング要件が、測定されたチャネル状態を有するチャネル上でどのようにサービスされることになるか考慮することになる。仮想キャリアVC1上のチャネル状態が所望のレベルの性能を提供するのに十分ではない、又は、かろうじて良好であるにすぎず、よって、異なる周波数位置で動作する異なる仮想キャリア上で著しく良い性能が得られる可能性があると判断すると、基地局は、ステップT6で、測定されるべき次の仮想キャリア、この例では、仮想キャリアVC2上でのアップリンクリソース割り振りの指示を伝達する。この割り振りは、端末デバイスが現在チューニングされている仮想キャリアVC1上で送信される。
【0192】
仮想キャリアVC2上でのアップリンクリソースの割り振りを受信すると、端末デバイスはこれを、端末デバイスが続いてVC2上のチャネル状態を測定すべきであるという指示として解釈し、ステップT7及びステップT8に概略的に表されているように、端末デバイスはその送受信機を、仮想キャリアVC2の周波数位置に合わせてチューニングし、このチャネル上のチャネル状態を測定する。これらステップT7及びステップT8は、例えば、
図16に表されている上述のステップS4及びステップS5と概ね同様に実行され得る。
【0193】
ステップT9で、VC1について実行されたステップT4と同様に、端末デバイスは、VC2上で行われたチャネル状態のメジャメントから導出されたチャネル状態報告を、ステップT6で割り振られたアップリンクリソースを用いて基地局へ送信する。
【0194】
ステップT10で、基地局は、VC2上のチャネル状態が、端末デバイスの必要を所望のレベルの性能でサポートするのに許容できるかどうか判定する。この例では、基地局は、報告されたVC2についてのチャネル状態から、例えば、VC2上のチャネル状態がVC1より悪く、又はかろうじて良いにすぎないために、チャネル性能は十分に良好にはならないはずであると判定するものと想定されている。
【0195】
よって、ステップT6と同様に、ステップT11で、基地局は、測定されるべき次の仮想キャリア、この例では仮想キャリアVC3上でのアップリンクリソース割り振りの指示を伝達する。この割り振りは、端末デバイスが現在チューニングされている仮想キャリアVC2上で送信される。
【0196】
仮想キャリアVC3上でのアップリンクリソースの割り振りを受信すると、端末デバイスはこれを、端末デバイスがVC3上のチャネル状態を測定すべきであるという指示として解釈し、ステップT12、ステップT13及びステップT14に概略的に表されているように、端末デバイスは続いてVC3上のチャネル状態を測定し、基地局へ報告する。VC3について実行されるステップT12、ステップT13、及びステップT14は、前の反復でVC2について実行されたステップT7、ステップT8、及びステップT9と同様であり、ステップT7、ステップT8、及びステップT9から理解されるであろう。
【0197】
ステップT15で、基地局は、VC3上のチャネル状態が、端末デバイスの必要を所望のレベルの性能でサポートするのに許容できるかどうか判定する。この例では、基地局は、報告されたVC3についてのチャネル状態から、例えば、VC3上のチャネル状態がVC1より悪く、又はかろうじて良いにすぎないために、チャネル性能は十分に良好にはならないはずであると判定するものと想定されている。
【0198】
ステップT11からステップT15までに対応するステップの更なる反復は、異なる仮想キャリアについての順次に報告されるチャネル状態は移動局を新しい仮想キャリア周波数位置へ移動させるに値しないと基地局が判定し続ける限り(又は全ての可能な周波数位置が考察されるまで)繰り返される。
図17に表されている処理は、何回かのこれらの反復が行われ、基地局が、報告された仮想キャリアVCN−1についてのチャネル状態から、この仮想キャリアについてのチャネル性能もやはり、例えば、VCN−1上のチャネル状態がVC1より悪く、又はかろうじて良いにすぎないために、十分に良好にはならないはずであると判定した後の時点から続く。
【0199】
よって、ステップT6及びステップT11と同様に、ステップT16で、基地局は、測定されるべき次の仮想キャリア、この例では仮想キャリアVCN上でのアップリンクリソース割り振りの指示を伝達する。この割り振りは、端末デバイスが現在チューニングされている仮想キャリアVCN−1上で送信される。
【0200】
ステップT7からステップT9及びステップT11からステップT14と同様に、移動局は続いてその送受信機を仮想キャリアVCNに合わせてチューニングし(ステップT17)、仮想キャリアVCN上のチャネル状態を測定し(ステップT18)、これらのチャネル状態について基地局に報告する(ステップT19)。
【0201】
ステップT20で、ステップT5、ステップT10、及びステップT15に対応するやり方で、基地局は、VCN上のチャネル状態が、端末デバイスの必要を所望のレベルの性能でサポートするのに許容できるかどうか判定する。この例では、基地局は、報告されたVCNについてのチャネル状態は十分であり、端末デバイスを仮想キャリアVCNへ移動させた方が有利になるはずであると判定するものと想定されている。上記のように、端末デバイスを新しい仮想キャリアへ移動させた方が有利であるとみなされるチャネル状態の閾値は、目下の実装形態に依存する。場合によっては、基地局は、端末デバイスのための来るべきスケジューリング要件を考慮し、新しい仮想キャリアが、事前定義された性能要件を満たしつつこれらの要件もサポートし得ると判定される場合には、端末デバイスを新しい仮想キャリアへ移動させることを決定し得る。場合によっては、基地局は単に、新しい仮想キャリアが、現在使用中の仮想キャリアについてのチャネル状態よりもある閾値量だけ良い測定チャネル状態と関連付けられる場合に、端末デバイスを新しい仮想キャリアへ移動させるように構成され得る。
【0202】
実際上端末デバイスを仮想キャリアVC1から仮想キャリアVCNへ移動させた方が有利であると判定すると、基地局はこのことを端末デバイスへ伝達し得る。
図17の例では、これは実際上、基地局が端末デバイスへ、異なる仮想キャリア上の測定チャネル状態を報告するために端末デバイスによって使用されるべき当該仮想キャリア上でのアップリンクリソースの割り振りを送信しないことによって、暗黙的に移動局へ伝達される。代わりに、
図17の手法によれば、基地局は単にステップT21に進んで、端末デバイスに、ダウンリンクリソース割り振りのための従来の技法に従って(例えば、端末デバイスが現在チューニングされている仮想キャリアVCNと関連付けられる物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上のシグナリングを用いて)VCN上のダウンリンクリソース割り振りを提供する。更に、ステップT22で、基地局は、(例えば、端末デバイスが現在チューニングされている仮想キャリアVCNと関連付けられる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上のシグナリングを用いて)仮想キャリアVCN上で移動局へ対応するユーザプレーンデータを伝達する。よって、ステップT21及びステップT22は、仮想キャリアVCN上の通常の仮想キャリアダウンリンク動作を表し、端末デバイスは、この移動がVCN上でのチャネル状態の改善の結果として端末デバイスについての動作の改善を提供すると基地局が判定した結果として、実際上、仮想キャリアVC1から仮想キャリアVCNへ移動されている。
【0203】
原理上、最初の仮想キャリアVC1が偶然、利用可能な最良の仮想キャリアである場合もあり得るはずである。この場合には、端末デバイスは、新しい仮想キャリア周波数位置のいずれかがVC1に優る改善を表すものであると基地局によって判定されることなく、上述のように全ての可能な仮想キャリア周波数位置を反復し得るはずである。この場合には、チャネル状態の改善を伴う仮想キャリアが見つからないままで、代替の仮想キャリアが考察された後で、又は代替の仮想キャリアの一部分が考察された後で、基地局は単に、端末デバイスに、仮想キャリアVC1上で引き続き動作するためにVC1に合わせて再チューニングするよう命令し得る(又は、端末デバイスは、全ての他の仮想キャリア周波数位置を測定した後で自動的にVC1に合わせて再チューニングするように構成されてもよいはずである)。
【0204】
よって、
図17には、低減ケイパビリティ端末デバイスをある仮想キャリア周波数位置から別の仮想キャリア周波数位置へ移動させるべきか否かを基地局が判定するのを支援するために、低減ケイパビリティ端末デバイスが、ある範囲の異なる周波数位置についてのチャネル状態を推定するための別の手法を表すものである。
【0205】
この場合もやはり、
図17に表されている手法には、本発明の他の実施形態に従って様々な改変が加えられ得ることが理解されるであろう。
【0206】
例えば、
図17には、アップリンクリソースが(ステップT2、ステップT6、ステップT11、及びステップT16で)チャネル状態報告ごとに順次に割り振られる一実施形態が概略的に表されている。この手法での各測定及び報告は、ある程度まで、LTEタイプの無線通信ネットワークにおける物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上の個々のチャネル状態メジャメントを報告するための従来の技法を模倣している。しかし、LTEタイプの無線通信ネットワークは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上のチャネル状態報告もサポートしており、本発明の他の実施形態は、個々のメジャメント状態を報告するためにこの手法を模倣し得る。よって、いくつかの例示的実施形態では、仮想キャリアごとの個々のチャネル状態メジャメントから導出された情報を報告するためのアップリンクリソースが、端末デバイスが接続されているに間保持される物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)と関連付けられるリソース上で伝達され得るはずである。この場合には、基地局がチャネル状態のメジャメントごとに個々のアップリンクリソース割り振りを提供する必要はない。即ち、いくつかの実施形態によれば、
図17に表されているステップT6、ステップT11、及びステップT16に対応するいかなるステップも行われなくてよい。代わりに、個々のチャネル状態メジャメントを報告するためのアップリンクリソースは、PUCCH上でのチャネル状態報告の一般的技法に従って前もって確保され得る。これらの場合には、端末デバイスが次のチャネル状態の測定に移るべきかどうか判定することを可能にする異なる技法があってもよい。例えば、
図17では、端末デバイスは、T6のようにアップリンク割り振りメッセージを受信したことに基づいて、端末デバイスが再チューニングし、別の測定チャネル状態を行うべきであると判定するが、他の例では、端末デバイスは、単に、
図17のステップT1に対応するダウンリンクリソース割り振りを受信するまで、異なる仮想酸シーケンス(virtual acid sequence)上のチャネル状態測定を続けるように構成され得る。
【0207】
いくつかの実施形態によれば、仮想キャリアチャネル状態が測定される順序は異なり得る。例えば、各仮想キャリアが相対的に狭い間隔で配置されており、基地局が、ある仮想キャリアが不良なチャネル状態を有すると認める場合、基地局は端末デバイスに、周波数が隣接していない仮想キャリアに合わせて再チューニングするよう命令し得るはずである。
【0208】
更に、これは
図16に表されている本実施形態にも該当するが、いくつかの例によれば、端末デバイスは、必ずしも事前定義された仮想キャリア位置と関連付けられるとは限らないある範囲の周波数位置についてのチャネル状態を測定するように構成され得るはずである。例えば、移動端末は、無線通信システムの全動作帯域幅にわたって様々な周波数位置におけるチャネル状態を測定し得るはずである。例えば、可能な仮想キャリア周波数位置に対応する他の位置における予測チャネル状態を、補間法/補外法を用いて生成することができる。
【0209】
上述の本実施形態には、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、多様な改変が加えられ得ることが理解されるであろう。
【0210】
更に、本発明の実施形態はLTEモバイル無線ネットワークに言及して記述されているが、本発明は、GSM、3G/UMTS、CDMA2000などといった他の形態のネットワークにも適用され得ることが理解されるであろう。MTC端末という用語は、ここで使用する場合、ユーザ機器(UE)、モバイル通信デバイス、端末デバイスなどで置き換えることができる。更に、基地局という用語はeNodeBと区別なく使用されているが、これらのネットワークエンティティの間に機能的な差異はないことを理解すべきである。
【0211】
以上、無線通信システムにおいてチャネル状態に関するフィードバックを提供するための装置及び方法を説明した。無線通信システムは、システム周波数帯域幅にまたがる周波数を用いて複数の端末デバイスと通信するように構成された基地局を含み、少なくとも1台の端末デバイスは、システム周波数帯域幅より狭く、システム周波数帯域幅内にある制限された周波数帯域幅のみを用いて基地局からダウンリンク送信を受信するように構成された周波数可変送受信機を含む低減ケイパビリティ端末デバイスである。基地局は低減ケイパビリティ端末デバイスへ、低減ケイパビリティ端末デバイスが異なる周波数についてのチャネル状態を測定すべきであることを指示するための構成シグナリングを送信する。端末デバイスはそれに応答して、端末デバイスの送受信機を、システム周波数帯域幅内の制限された周波数帯域幅についての異なる周波数位置に合わせて順次にチューニングし、対応する複数のチャネル状態のメジャメントを提供するために、異なる周波数位置におけるチャネル状態のメジャメントを行う。低減ケイパビリティ端末デバイスは、チャネル状態のメジャメントから導出された情報を基地局へ伝達するように構成される。この情報は、異なる周波数位置についての測定チャネル状態の指示、又は、その対応するチャネル状態のメジャメントが事前定義された選択基準を満たす1つ以上の周波数位置の指示を含み得る。基地局はその後、端末デバイスから受信された情報を考慮して、端末デバイスのためのダウンリンク送信をスケジュールする。
【0212】
本発明のその他の個々の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、各請求項に明示的に記載されている組み合わせ以外の組み合わせとして独立請求項の特徴と組み合わされ得ることが理解されるであろう。
【0213】
[参照文献]
[1]ETSI TS 122 368 V10.530 (2011-07) / 3GPP TS 22.368 version 10.5.0 Release 10)
[2]英国特許出願GB1101970.0
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