特許第6251768号(P6251768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251768
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】無線装置接近検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 11/06 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   G01S11/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-65892(P2016-65892)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-181177(P2017-181177A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2016年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】516093057
【氏名又は名称】瀚誼世界科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】胡發基
(72)【発明者】
【氏名】林清長
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−192279(JP,A)
【文献】 特開2004−117246(JP,A)
【文献】 特開2013−088286(JP,A)
【文献】 特開平07−311887(JP,A)
【文献】 米国特許第7492251(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00 − G01S 1/68
G01S 5/00 − G01S 5/14
G01S 11/00 − G01S 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号トランスミッターが第一時間間隔をおいて、第一信号と第二信号を同時に発信し、第一信号の信号強度は第二信号の信号強度よりも大きくする、
無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号を受信したとき、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第一範囲内に入ったと判断する、及び、
無線信号レシーバーが、無線信号トランスミッターから発信された第一信号と第二信号を受信し、且つ、第二信号の信号強度が接近閾値を上回っていた場合、無線信号レシーバーは一回のフィードバック信号を無線信号トランスミッターに発信する、
前記フィードバック信号を受信した無線信号トランスミッターは、第二時間間隔をおいて頻度を変えて第二信号を発信する、次いで、
無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターが発信した第一信号と第二信号を受信し、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値を上回っていた場合、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する、
の手順で行われることを特徴とする無線装置接近検知方法。
【請求項2】
無線信号トランスミッターはさらに第三信号を発信するが、この第三信号は、第二信号、第一信号と同時に発信される、或いは、第三信号は第二信号との輪番で、第一信号とともに発信され、無線信号トランスミッターは前記フィードバック信号を受信した後、第二時間間隔をおいて、第二信号と第三信号を同時に、または輪番で発信し、次いで、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っていた場合、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断することを特徴とする、請求項1に記載の無線装置接近検知方法。
【請求項3】
第一信号発射の信号強度は0〜5dBmのレンジ内、第二信号発射の信号強度は−15〜−4dBmのレンジ内、第三信号の信号強度は、第二信号発射の信号強度±3dBm、且つ、−15〜−4dBmのレンジ内とし、このアラーム閾値の受信信号強度は−85〜−92dBmのレンジ内とし、アシスト閾値の受信信号強度は−85〜−92dBmのレンジ内とすることを特徴とする、請求項2に記載の無線装置接近検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置検知方法、特に無線装置の位置と距離を正確に割り出す接近検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線装置の位置と距離を検知する実際の応用技術において、無線装置から発せられた高周波信号の信号強度が強いときは、高周波信号を発射する装置そのもの、または周囲の磁場や障害物の影響で、高周波信号の信号強度と距離の間には何ら対応性や相関性がないことは、図1に示すとおりである。しかし、無線装置から発せられた高周波信号の信号強度が微弱のとき、強度の閾値を設定して高周波信号を選別すると、高周波信号の信号強度と距離の間に相関関係が生じるのは図2に示すとおりであり、もう一歩進めれば、無線装置の位置と距離を判断できるようになるが、高周波信号の信号強度が微弱なので、無線装置が周囲に存在するか、或いはその状態がどんなものかは判断できず、それゆえに、無線装置の信号強度をどのように調整して正確な位置を割り出せるようにするかは、各界で解決が待たれる課題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
本発明は、
無線信号トランスミッターが第一時間間隔をおいて、第一信号と第二信号を同時に発信し、第一信号の信号強度は第二信号の信号強度よりも大きく、第一信号発射の信号強度は0〜5dBmのレンジ内、第二信号発射の信号強度は−15〜−4dBmのレンジ内とする、
無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号を受信したとき、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第一範囲内に入ったと判断する、
無線信号レシーバーが、無線信号トランスミッターから発信された第一信号と第二信号を受信し、且つ、第二信号の信号強度が接近閾値を上回っていた場合、無線信号レシーバーは一回のフィードバック信号を無線信号トランスミッターに発信する、
無線信号トランスミッターは、このフィードバック信号を受信した後、第二時間間隔をおいて頻度を変えて第二信号を発信する、次いで
無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号と第二信号を受信し、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値を上回っていた場合、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する、
という手順で行われることを特徴とする、無線装置接近検知方法を提供する。
【0012】
そのうち、無線信号トランスミッターはさらに第三信号を発信するが、この第三信号は第二信号、第一信号と同時に発信される、或いは、第三信号は第二信号との輪番で、第一信号とともに発信され、無線信号トランスミッターは前記フィードバック信号を受信した後、第二時間間隔をおいて、第二信号と第三信号を同時に、または輪番で発信し、次いで、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っていた場合、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する。
【0013】
設定された時間内において無線信号レシーバーが第二信号または第三信号を受信できなかったときは、無線信号トランスミッターが第二範囲外にあると判断し、その設定時間は5秒とする。
【0014】
第三信号発射の信号強度は、第二信号発射の信号強度±3dBm、且つ、−15〜−4dBmのレンジ内とする。
【0015】
第三信号発射の信号強度は、第二信号発射の信号強度±3dBm、且つ、−15〜−4dBmのレンジ内とする。アシスト閾値の受信信号強度は−85〜−92dBmのレンジ内とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の技術における距離と信号強度の関係。
図2】従来の技術における距離と信号強度の比例関係。
図3参考例における無線装置接近検知方法の流れ図。
図4参考例における無線装置接近検知方法を示す図。
図5別の参考例を示す無線装置接近検知方法の流れ図。
図6別の参考例の無線装置接近検知方法を示す図。
図7】本発明における無線装置接近検知方法の流れ図。
図8】本発明における無線装置接近検知方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図3に示すように、参考例における無線装置接近検知方法の流れ図は以下の手順を踏んで行われる。
S101:無線信号トランスミッターが第一時間間隔をおいて、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する、
S102:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号を受信すると、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第一範囲内に入ったと判断する、
S103:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信すると、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する、及び、
S104:設定された時間内において無線信号レシーバーが第二信号または第三信号のいずれかを受信できなかったとき、無線信号トランスミッターが第二範囲外にあると判定する。
【0018】
参考例における無線装置接近検知方法を示す図である図4に示すように、無線信号トランスミッター100と無線信号レシーバー200の間には一定の距離があり、無線信号トランスミッター100は一定の頻度で、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する。この第三信号は第二信号、第一信号と同時に発信される、或いは、この第三信号は第二信号との輪番で、第一信号とともに発信される。第一信号発射の信号強度は4dBm、第二信号発射の信号強度は−8dBm、第三信号発射の信号強度は−5dBmとする。無線信号レシーバー200から半径10メートルの範囲内を第一範囲300、無線信号レシーバー200から半径3メートルの範囲内を第二範囲400とする。無線信号トランスミッター100が無線信号レシーバー200に向けて接近し、無線信号レシーバー200が無線信号トランスミッター100から発信された信号強度の強い第一信号を受信したとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第一範囲300に入ったと判断する。無線信号レシーバー200が、無線信号トランスミッター100から発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信したとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第二範囲400に入ったと判断する。
【0019】
第二信号を確実に受信して、無線信号トランスミッター100が第二範囲400内に入ったことを確認するため、別の参考例の無線装置接近検知方法は、無線信号レシーバー200に受信時のアラーム閾値を設けて、無線信号トランスミッター100の位置を判断する。図5に示すように、別の参考例を示す無線装置接近検知方法の流れ図は、以下の手順を踏んで行われる。
S201:無線信号トランスミッターが第一時間間隔をおいて、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する、
S202:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号を受信すると、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第一範囲内に入ったと判断する、
S203:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信し、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値を上回っているとき、或いは、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っているとき、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する、及び、
S204:設定された時間内において無線信号レシーバーが第二信号または第三信号のいずれかを受信できなかったとき、無線信号トランスミッターが第二範囲外にあると判定する。
【0020】
別の参考例の無線装置接近検知方法を示す図である図6に示すように、無線信号トランスミッター100と無線信号レシーバー200の間には一定の距離があり、無線信号トランスミッター100は一定の頻度で、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する。この第三信号は第二信号、第一信号と同時に発信される、或いは、この第三信号は第二信号との輪番で、第一信号とともに発信される。第一信号発射の信号強度は4dBm、第二信号発射の信号強度は−8dBm、第三信号発射の信号強度は−5dBmとする。無線信号レシーバー200から半径10メートルの範囲内を第一範囲300、無線信号レシーバー200から半径3メートルの範囲内を第二範囲400とする。アラーム閾値の受信信号強度は−89dBm、アシスト閾値の受信信号強度は−86dBmとする。無線信号トランスミッター100が無線信号レシーバー200に向けて接近し、無線信号レシーバー200が無線信号トランスミッター100から発信された信号強度の強い第一信号を受信したとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第一範囲300に入ったと判断する。無線信号レシーバー200が、無線信号トランスミッター100から発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信したとき、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値を上回っているとき、或いは、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っているとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第二範囲400に入ったと判断する。
【0021】
第二信号を確実に受信して、無線信号トランスミッター100が第二範囲400内に入ったことを確認するため、本発明は無線装置接近検知方法を提供し、無線信号トランスミッター100が信号を発信する際の頻度を変えて、無線信号レシーバー200が無線信号トランスミッター100の位置を容易に判断できるようにする。図7に示すように、本発明における無線装置接近検知方法の流れ図は、以下の手順を踏んで行われる。
S301:無線信号トランスミッターが第一時間間隔をおいて、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する、
S302:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号を受信すると、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第一範囲内に入ったと判断する、
S303:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号と第二信号または第三信号のいずれかを受信し、且つ、第二信号の信号強度が接近閾値を上回っているとき、或いは、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っているとき、無線信号レシーバーは無線信号トランスミッターに対して一回のフィードバック信号を発信する、
S304:フィードバック信号を受信した無線信号トランスミッターは、第二時間間隔をおいて、第二信号及び第三信号を発信する、
S305:無線信号レシーバーは、無線信号トランスミッターから発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信し、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値を上回っているとき、或いは、第三信号の信号強度がアシスト閾値を上回っているとき、無線信号トランスミッターが無線信号レシーバーの第二範囲内に入ったと判断する、及び、
S306:設定された時間内において無線信号レシーバーが第二信号または第三信号のいずれかを受信できなかったとき、無線信号トランスミッターが第二範囲外にあると判定する。
【0022】
本発明における無線装置接近検知方法を示す図である図8に示すように、無線信号トランスミッター100と無線信号レシーバー200の間には一定の距離があり、無線信号トランスミッター100は第一時間間隔の頻度(毎秒1回)で、第一信号、第二信号及び第三信号を同時に発信する。この第三信号は第二信号、第一信号と同時に発信される、或いは、この第三信号は第二信号との輪番で、第一信号とともに発信される。第一信号発射の信号強度4dBm、第二信号発射の信号強度は−8dBm、第三信号発射の信号強度は−5dBmとする。無線信号レシーバー200から半径10メートルの範囲内を第一範囲300、無線信号レシーバー200から半径3メートルの範囲内を第二範囲400とする。アラーム閾値の受信信号強度は−89dBm、アシスト閾値の受信信号強度は−86dBm、接近閾値の受信信号強度は−92dBmとする。無線信号トランスミッター100が無線信号レシーバー200に向けて接近し、無線信号レシーバー200が無線信号トランスミッター100から発信された信号強度の強い第一信号を受信したとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第一範囲300に入ったと判断する。無線信号レシーバー200が、無線信号トランスミッター100から発信された第一信号と第二信号を受信し、且つ、第二信号の信号強度が接近閾値を上回っているとき、すなわち、無線信号トランスミッター100と無線信号レシーバー200との距離が6メートルのとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100に対して一回のフィードバック信号を発信し、このフィードバック信号を受信した無線信号トランスミッター100は、第二時間間隔の頻度(毎秒10回)で、第二信号及び第三信号を発信する。無線信号レシーバー200は、無線信号トランスミッター100から発信された第一信号、及び第二信号または第三信号のいずれかを受信し、且つ、第二信号の信号強度がアラーム閾値の信号強度を上回っているとき、或いは、第三信号の信号強度がアシスト閾値の信号強度を上回っているとき、無線信号レシーバー200は無線信号トランスミッター100が第二範囲400内に入ったと判断する。
図1
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