特許第6251799号(P6251799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6251799
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】ローラブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20171211BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20171211BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20171211BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20171211BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171211BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20171211BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   G09G3/20 680H
   G09G3/3225
   G09F9/30 365
   G09F9/00 304Z
   G09F9/30 310
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   H04N5/66 103
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-249206(P2016-249206)
(22)【出願日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0076583
(32)【優先日】2016年6月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】ジョンキュ・パク
(72)【発明者】
【氏名】チョンソン・カン
(72)【発明者】
【氏名】キョンチャン・パク
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−36994(JP,A)
【文献】 特開平10−63209(JP,A)
【文献】 特開2005−249828(JP,A)
【文献】 特開2009−53649(JP,A)
【文献】 特開2008−157996(JP,A)
【文献】 特開2016−130853(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0241002(US,A1)
【文献】 特開2006−113504(JP,A)
【文献】 特開2000−19980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00−9/46
G02F1/133−1/1334
1/1339−1/1341
1/1347
G03B21/132
21/56−21/64
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取り及び巻き出し可能な軟性表示パネルと、
一側終端が前記軟性表示パネルの一側終端に固定され、前記軟性表示パネルと共に巻き取り及び巻き出されるバックカバーと、
前記軟性表示パネル及び前記バックカバーとの間で、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーのうち、いずれか一つに固定された軟性磁石と
を含むローラブル表示装置。
【請求項2】
前記軟性磁石は、複数に分割され、
前記隣接する軟性磁石間の間隔、前記軟性磁石の磁力強度、及び前記軟性磁石の配置密度のうち、少なくとも何れか一つは位置に応じて異なる請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項3】
一端が前記軟性表示パネルの他側終端に接続され、他端が前記バックカバーの他側終端に接続された第1弾性部材をさらに含み、
前記第1弾性部材は、
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとの巻き取り及び巻き出しの際、前記軟性表示パネルの他側終端と前記バックカバーの他側終端との間の長さ偏差に対応して弾性変形される請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項4】
前記第1弾性部材は、
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き取られる時に、前記長さ偏差の増加に対応して引っ張られ、前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き出される時に前記長さ偏差の減少に対応して復元される請求項3に記載のローラブル表示装置。
【請求項5】
前記バックカバーの他側終端に固定された荷重バーをさらに含み、
前記第1弾性部材の他端は、 前記荷重バーに接続された請求項3に記載のローラブル表示装置。
【請求項6】
前記軟性表示パネルの他側終端に固定された補助バーをさらに含み、
前記第1弾性部材の一端は、 前記補助バーに接続された請求項3に記載のローラブル表示装置。
【請求項7】
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き取り及び巻き出されるパネルローラをさらに含む請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項8】
前記軟性表示パネルの一側終端及び前記バックカバーの一側終端に固定され、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーが巻き取り及び巻き出されるパネルローラと、
前記軟性表示パネルの他側終端に接続した弾性構造体とをさらに含み、
前記弾性構造体は、
予め指定された位置に固定された固定ベース部材と、
前記固定ベース部材にスライディング可能に締結され、一端が前記軟性表示パネルと前記バックカバーとの間で前記軟性表示パネルの他側終端に固定されたスライダと、
一端が前記固定ベース部材と接続され、他端が前記スライダと接続されて、前記スライダのスライディング方向に沿って弾性変形される第2弾性部材とを含み、
前記第2弾性部材は、
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとの巻き取り及び巻き出しの際、前記軟性表示パネルの他側終端と前記バックカバーの他側終端との間の長さ偏差に対応して弾性変形される請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項9】
前記軟性表示パネルは、表示領域が画定された前面及び前面と反対になる背面を有し、軟性表示パネルの背面方向に巻き取られ(Outer rolling)、
前記長さ偏差は、前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き取られるほど増加し、前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き出されるほど減少し、
前記長さ偏差の増加に対応して、前記スライダは下降し、前記第2弾性部材は圧縮され、
前記長さ偏差の減少に対応して、前記第2弾性部材は復元され、前記スライダは上昇する請求項8に記載のローラブル表示装置。
【請求項10】
前記軟性表示パネルは、表示領域が画定された前面及び前面と反対になる背面を有し、軟性表示パネルの前面方向に巻き取られ(Inner rolling)、
前記長さ偏差は、前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き取られるほど増加し、前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き出されるほど減少し、
前記長さ偏差の増加に対応して、前記第2弾性部材は復元され、前記スライダは上昇し、
前記長さ偏差の減少に対応して、前記スライダは下降し、前記第2弾性部材は圧縮される請求項8に記載のローラブル表示装置。
【請求項11】
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとの巻き取り及び巻き出し方向と並べた方向に伸びたバックカバーの側辺のエッジに備えられ、前記軟性表示パネルの前面エッジと前記軟性表示パネルの側面とを取り囲む支持構造体をさらに含む請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項12】
前記支持構造体は、
前記軟性表示パネルを間に置いて、前記バックカバーと対向するフロントボディーと、
前記フロントボディーと前記バックカバーとの間に配置されたミドルボディーを含み、
前記フロントボディーは、
超弾性形状記憶合金(Superelastic Nitinol Alloy)を含む請求項11に記載のローラブル表示装置。
【請求項13】
前記支持構造体は、
分割された複数のセグメントを含み、
前記複数のセグメントは、
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとの巻き取り及び巻き出し方向と並べた方向に沿って配列された請求項11に記載のローラブル表示装置。
【請求項14】
少なくとも一部領域で、前記隣接するセグメントの間に備えられて、前記隣接するセグメントを互いに接続する第3弾性部材をさらに含む請求項13に記載のローラブル表示装置。
【請求項15】
前記軟性表示パネルと前記バックカバーとが巻き取り及び巻き出されるパネルローラと、
前記パネルローラを内部に収容する収納部とをさらに含み、
前記収納部は、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部空間を開放し、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーが引入及び引出されるスロットとを含み、
前記スロットを画定する切断面のうち、前記軟性表示パネルの引入及び引出しの際に前記軟性表示パネルに接触される切断面は、予め設定された曲率を有する請求項1に記載のローラブル表示装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、互いに異なる厚さを有する第1部分及び第2部分を含み、
前記第1部分は、
前記スロットを画定する切断面のうち、前記軟性表示パネルの引入及び引出しの際に前記軟性表示パネルに接触される前記切断面と隣接した領域であり、前記第2部分より厚い請求項15に記載のローラブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するに伴い、ユーザと情報との間の接続媒体である表示装置の市場が大きくなっている。これにより、有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)及びプラズマ表示装置(Plasma Display Panel:PDP) などのような表示装置の使用が増加しつつある。
【0003】
その中で有機発光ダイオード表示装置は、自発光素子であるから、バックライトが必要な液晶表示装置に比べて消費電力が低く、より薄く製作することができる。また、有機発光ダイオード表示装置は、視界角が広く応答速度が速いという長所がある。有機発光ダイオード表示装置は、大画面量産技術水準まで工程技術が発展し、液晶表示装置と競争しながら市場を拡大している。
【0004】
有機発光ダイオード表示装置のピクセルは、自発光素子である有機発光(Organic Light Emitting Diode:以下、「OLED」とする)を含む。有機発光ダイオード表示装置は、発光材料の種類、発光方式、発光構造、駆動方式などによって多様に分けられる。有機発光ダイオード表示装置は、発光方式によって蛍光発光、りん光発光に分けられ、発光構造によって前面発光(Top Emission)構造と背面発光(Bottom Emission)構造とに分けられる。また、有機発光ダイオード表示装置は、駆動方式によってPMOLED(Passive Matrix OLED)とAMOLED(Active Matrix OLED)とに分けられる。
【0005】
最近、フレキシブル表示装置が商用化された。フレキシブル表示装置は、プラスチックOLEDの形成された表示パネルの画面上に入力映像を再現できる。プラスチックOLEDは、曲がることができるプラスチック基板上に形成される。フレキシブル表示装置は、多様なデザインの具現が可能であり、携帯性と耐久性に長所がある。フレキシブル表示装置は、ベンダブル(Bendable)表示装置、フォーダブル(Folderable)表示装置、ローラブル(Rollable)表示装置など、多様な形態により具現化される。このようなフレキシブル表示装置は、スマートフォンとタブレットPCのようなモバイル機器だけでなく、TV、自動車ディスプレイ、ウェアラブル機器などに適用されることができ、その応用分野が拡大している。
【0006】
ローラブル表示装置は、必要に応じて表示パネルを巻くことができ、開くことができる。巻くか、または開く動作を容易に行い、デザイン的に改善された審美感を提供するために、表示パネルは、相対的に薄い厚さ及び軽い自重を有することが好ましい。ただし、表示パネルが薄くて軽くなるにつれて、物理的耐久性は低下する。これにより、表示パネルは、提供される外力により損傷しやすく、これは製品の信頼性及び製品の安定性を低下させる。そのため、これを改善するための努力が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、軟性表示パネルの剛性を補強しながらも、軟性表示パネルの巻き取り、巻き出し動作を容易にすることができるローラブル表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるローラブル表示装置は、巻き取り及び巻き出し可能な軟性表示パネルと、一側終端が前記軟性表示パネルの一側終端に固定され、前記軟性表示パネルと共に巻き取り及び巻き出されるバックカバーと、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーとの間で、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーのうち、いずれか一つに固定された軟性磁石とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるローラブル表示装置を概略的に示した図である。
図2図1に示すピクセルを概略的に示した構成図である。
図3図1に示すピクセル内の回路構成図の一例を示す図である。
図4】モジュール化された軟性表示パネルの構造を示した図である。
図5】本発明によるローラブル表示装置の使用例を説明するための図である。
図6】本発明によるローラブル表示装置の使用例を説明するための図である。
図7】本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
図8】本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
図9】本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
図10】本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
図11】本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
図12】本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置を示す斜視図である。
図13】本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
図14】本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置を示す斜視図である。
図15】弾性構造体の構造及び動作を説明するための図である。
図16】本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
図17】本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
図18】本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
図19】本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
図20】本発明の第3の実施形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
図21】本発明の第3の実施形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
図22】本発明の第3の実施形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
図23】本発明の第3の実施形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
図24】本発明の第4の実施形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を説明する。明細書全体にわたって同じ参照番号は、実質的に同一の構成要素を意味する。以下の説明において、本発明に関する公知技術や構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明で使用される構成要素の名称は、明細書作成の容易さを考慮して選択されたものであり、実際の製品の部品名称とは異なることがある。複数の実施の形態を説明する際、実質的に同一の構成要素については、冒頭で代表的に説明し、他の実施の形態においては、省略することができる。複数の実施の形態を説明するにあたって、同じ構成要素については、冒頭で代表的に説明し、他の実施の形態では省略できる。
【0011】
第1、第2などのように、序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は、前記用語により限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
【0012】
本発明による表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal display,LCD)、電界放出表示装置(Field Emission display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma display Panel,PDP)、有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting display,OLED)、電気泳動表示素子(Electrophoresis,EPD)、量子点表示装置(Quantum Dot display;QDD)などの表示装置に基づいて具現される。以下、説明の便宜のために、ローラブル表示装置が有機発光ダイオード((Organic Light Emitting Diode:以下、OLEDとする)素子を含む場合を例に挙げて説明する。
【0013】
図1は、本発明によるローラブル表示装置を概略的に示した図である。図2は、図1に示すピクセルを概略的に示した構成図である。図3は、図1に示すピクセル内の回路構成図の一例を示す図である。図4は、モジュール化された軟性表示パネルの構造を示した図である。
【0014】
図1を参照すると、本発明によるローラブル表示装置10は、ディスプレイ駆動回路、軟性表示パネル100を含む。
【0015】
ディスプレイ駆動回路は、データ駆動回路12、ゲート駆動回路14及びタイミングコントローラ16を含み、入力映像のビデオデータ電圧を軟性表示パネル100のピクセルに書き込む。データ駆動回路12は、タイミングコントローラ16から入力されるデジタルビデオデータRGBをアナログガンマ補償電圧に変換して、データ電圧を発生する。データ駆動回路12から出力されたデータ電圧は、データ配線D1〜DMに供給される。ゲート駆動回路14は、データ電圧に同期されるゲート信号をゲート配線G1〜GNに順次供給して、データ電圧が書き込まれる軟性表示パネル100のピクセルを選択する。
【0016】
タイミングコントローラ16は、ホストシステム19から入力される垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNC、データイネーブル信号(Data Enable,DE)、メインクロックMCLKなどのタイミング信号を受け取って、データ駆動回路12とゲート駆動回路14との動作タイミングを同期させる。データ駆動回路12を制御するためのデータタイミング制御信号は、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock,SSC)、ソース出力イネーブル信号(Source Output Enable,SOE)などを含む。ゲート駆動回路14を制御するためのゲートタイミング制御信号は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse,GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock,GSC)、ゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable,GOE)などを含む。
【0017】
ホストシステム19は、テレビシステム、セットトップボックス、ナビゲーションシステム、DVDプレーヤー、ブルーレイプレーヤー、個人用コンピュータ(PC)、ホームシアターシステム、フォーンシステム(Phone system)のうち、何れか一つにより具現化される。ホストシステム19は、スケーラー(scaler)を内蔵したSOC(System on chip)を含んで、入力映像のデジタルビデオデータRGBを軟性表示パネル100に表示するのに適したフォーマットに変換する。ホストシステム19は、デジタルビデオデータと共にタイミング信号(Vsync,Hsync,DE,MCLK)をタイミングコントローラ16に送信する。
【0018】
軟性表示パネル100のピクセルアレイは、データ配線D1〜Dm(mは、正の整数)とゲート配線G1〜Gn(nは、正の整数)により画定されたピクセル領域に形成されたピクセルを含む。ピクセルの各々は、自発光素子であるOLEDを含む。
【0019】
図2をさらに参照すると、軟性表示パネル100には、多数のデータ配線Dと多数のゲート配線Gとが交差し、この交差領域ごとにピクセルがマトリックス形態で配置される。ピクセルの各々は、OLED、OLEDに流れる電流量を制御する駆動薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」とする)DT、駆動TFT(DT)のゲート-ソース間の電圧をセッティングするためのプログラミング部SCを含む。
【0020】
プログラミング部SCは、少なくとも一つ以上のスイッチTFTと、少なくとも一つ以上のストレージキャパシタを含むことができる。スイッチTFTは、ゲート配線Gからのゲート信号に応答してターンオンすることによって、データ配線Dからのデータ電圧をストレージキャパシタの一側電極に印加する。駆動TFT(DT)は、ストレージキャパシタに充填された電圧の大きさに応じて、OLEDに供給される電流量を制御して、OLEDの発光量を調節する。OLEDの発光量は、駆動TFT(DT)から供給される電流量に比例する。このようなピクセルは、高電位電圧源EVDDと低電位電圧源EVSSに接続されて、図示しない電源発生部から各々高電位電源電圧と低電位電源電圧を受ける。ピクセルを構成するTFTは、pタイプまたはnタイプにより具現される。また、ピクセルを構成するTFTの半導体層は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または酸化物を含むことができる。OLEDは、アノード電極ANO、カソード電極CAT、及びアノード電極ANOとカソード電極CATとの間に介在された有機化合物層を含む。アノード電極ANOは、駆動TFT(DT)と接続される。
【0021】
図3をさらに参照すると、ピクセルは、6T(Transistor)1C(Capacitor)から構成される。ただし、本発明のピクセル構成が6T 1C構造に限定されるものではない。すなわち、本発明は、駆動TFTを利用してOLEDに流れる電流を調節する方式を使用するすべてのOLEDピクセル構造を含むことができる。
【0022】
以下、ピクセルに含まれたTFTがpタイプであることを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、nタイプなどで形成されても良い。TFTは、タイプに応じて、ソース電極とドレン電極の位置が異なるから、以下の説明では、これを第1電極と第2電極と名付けることにする。
【0023】
第1TFT(T1)は、第1aゲート配線GL1aに接続したゲート電極、第1データ配線DL1に接続した第1電極、及びストレージキャパシタCstgの一端に接続した第2電極を含む。第1TFT(T1)は第1aゲート信号SCAN1に応答して、第1データ配線DL1を介して供給されるデータ電圧をストレージキャパシタCstg に伝達する役割を果たす。
【0024】
第2TFT(T2)は、第1bゲート配線GL1bに接続したゲート電極、駆動TFT(DT)のゲート電極に接続した第1電極、及び駆動TFT(DT)の第2電極に接続した第2電極を含む。第2TFT(T2)は、第1bゲート信号SCAN2に応答して、駆動TFT(DT)のゲート電極とソース電極ノードをダイオードコネクション状態にする役割を果たす。
【0025】
第3TFT(T3)は、第1cゲート配線GL1cに接続したゲート電極、基準電圧配線VREFに接続した第1電極、及びストレージキャパシタCstgの一端に接続した第2電極を含む。第3TFT(T3)は、第1cゲート信号EMに応答して、ストレージキャパシタCstgの一端に基準電圧Vref(または補償電圧)を供給する役割を果たす。
【0026】
第4TFT(T4)は、第1cゲート配線GL1cに接続したゲート電極、駆動TFT(DT)の第2電極に接続した第1電極、及び有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続した第2電極を含む。第4TFT(T4)は、第1bゲート信号SCAN2に応答して、有機発光ダイオードOLEDに駆動電流を伝達し、これを発光させる役割を果たす。
【0027】
第5TFT(T5)は、第1bゲート配線GL1bに接続したゲート電極、基準電圧配線VREFに接続した第1電極、及び有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続した第2電極を含む。第5TFT(T5)は、第1bゲート信号SCAN2に応答して、有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に基準電圧Vrefを供給する役割を果たす。
【0028】
駆動TFT(DT)は、ストレージキャパシタCstgの他端に接続したゲート電極、第1電源(または高電位電圧源)EVDDに接続した第1電極、第4TFT(T4)の第1電極に接続した第2電極を含む。駆動TFT(DT)は、ストレージキャパシタCstgから供給されたデータ電圧に応答してターンオンし、有機発光ダイオードOLEDに供給する駆動電流を生成する。
【0029】
有機発光ダイオードOLEDは、第4TFT(T4)の第2電極に接続したアノード電極、及び第2電源(または低電位電圧源)EVSSに接続したカソード電極を含む。有機発光ダイオードOLEDは、第4TFT(T4)を介して伝達された駆動電流に対応して光を発光する。
【0030】
図4をさらに参照すると、軟性表示パネル100は、タイミングコントローラ(図1の16)、データ駆動回路12、ゲート駆動回路14等(ホストシステム(図1の19)及び電源発生部等は図示しない)と電気的に接続及び接続されモジュール化される。
ゲート駆動回路14は、GIP方式で軟性表示パネル100上に形成される。すなわち、軟性表示パネル100を容易に巻き取り及び巻き出すために、表示領域AAの左側、右側または左右側共にGIP(Gate In Panel)方式でゲート駆動回路14を形成することが好ましい。ただし、これに限定されない。
【0031】
データプリント回路基板(Printed Circuit Board、以下、「PCB」とする)20は、第1接続部材25を介して軟性表示パネル100と電気的に接続される。第1接続部材25は、データ駆動回路12が実装されたCOF(Chip On Film)であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1接続部材25は、TCP(Tape Carrier Package)方式で具現されて、データPCB20と軟性表示パネル100とを電気的に接続させることができる。
【0032】
データPCB20は、第2接続部材35を介してコントロールボード30と接続される。第2接続部材35は複数であり得る。コントロールボード30には、タイミングコントローラ16などが実装される。第2接続部材35は、FFC(Flexible Flat Cable)でありうが、これに限定されるものではない。コントロールボード30は、ホストシステム(図1の19)、電源発生部などと接続ケーブルを介して接続される。
【0033】
図5及び図6は、本発明によるローラブル表示装置の使用例を説明するための図である。
【0034】
図5を参照すると、モジュール化された軟性表示パネル(以下、軟性表示パネルと略記する)100は、入力映像が具現化される表示領域を含む。ユーザは、表示領域を介して軟性表示パネル100から出力される情報を認知できる。軟性表示パネル100の前面は、表示領域が画定された軟性表示パネル100の一面を意味する。これに対し、軟性表示パネル100の背面は、ユーザが表示領域を認識できない、軟性表示パネル100の前面と反対になる方向の一面を意味する。
【0035】
軟性表示パネル100は、巻き取り、巻き出しが可能である。すなわち、軟性表示パネルには、所定の軟性が付与されて、巻くか(rollingまたはwinding )、開く(unrollingまたはunwinding)動作が容易に繰り返し的に行われることができる。軟性表示パネル100は、軟性表示パネル100の前面方向に巻き取られる(Inner rolling)ことができ、軟性表示パネル100の背面方向に巻き取られる(Outer rolling)こともできる。以下、説明の便宜のために、別の限定がない限り、軟性表示パネルが背面方向に巻き取られる場合を例に挙げて説明する。
【0036】
図6を参照すると、軟性表示パネル100の状態変化(巻き取り及び巻き出し)は、ユーザにより直接的に提供される物理的な外力によったものであり得る。例えば、ユーザは、軟性表示パネル100の一端を把持し、これに力を提供して軟性表示パネル100の状態変化を具現できる(図6の(a))。
【0037】
軟性表示パネル100の状態変化は、予め設定された特定信号に応答して、制御部を介して制御されることであり得る。すなわち、軟性表示パネル100の状態変化は、選択された駆動装置及び駆動回路などにより制御される。
【0038】
軟性表示パネル100は、パネルローラ150のような器具物の周りに沿って巻き取られることができる。パネルローラ150は、略円筒形の形状を有することができる。すなわち、パネルローラ150の断面形状は円形であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、パネルローラ150は、軟性表示パネル100の巻き取りが容易な形状であれば、如何なる形状でも具現される。パネルローラ150は、モータのような駆動装置により駆動される。駆動装置は、チューブラーモータ(Tubular Motor)でありえ、この場合、駆動装置は、パネルローラ150内に備えられることができる。ただし、これに限定されるものではない。駆動装置は、制御部からの信号に同期して、電気エネルギーを機械エネルギーに転換でき、機械エネルギーをパネルローラ150に提供できる。軟性表示パネル100は、パネルローラ150に連動して巻き取られ、巻き出される。
【0039】
図示していないが、軟性表示パネル100は、駆動装置から提供された機械エネルギーに同期して、ガイドレールに沿って巻き取られることができる。ガイドレールは、螺旋形状(またはコイル形状)を有することができる。軟性表示パネル100は、ガイドレールの軌跡に沿ってガイドされる。ガイドレールに沿って巻き取られた状態の軟性表示パネル100は、面対面が互いに当接せずに所定の間隔が離隔されるように備えられる。したがって、巻き取るとき、軟性表示パネル100の面対面の間から発生できる衝突、干渉を最小化できる。
【0040】
ローラブル表示装置は、パネルローラ150またはガイドレールが固定された状態で軟性表示パネル100が昇降する形態で具現されることができ、軟性表示パネル100の一端が固定された状態でパネルローラ150またはガイドレールが昇降する形態で具現される。
【0041】
図7ないし図11は、本発明によるローラブル表示装置の構造を説明するための図である。
【0042】
図7を参照すると、本発明によるローラブル表示装置は、軟性表示パネル100及び軟性表示パネル100の背面に備えられたバックカバー200を含む。
【0043】
軟性表示パネル100は、巻かれるか、または開かれて、第1状態及び第2状態を維持できる。第1状態は、軟性表示パネル100が巻き取られた状態を意味する。第1状態は、軟性表示パネル100の表示領域が外部に露出しないから、ユーザが外部で表示領域を認識できない状態であり得る。第1状態は、表示装置がオフ(OFF)になって、入力映像が具現されない状態であり得る。
【0044】
第2状態は、軟性表示パネル100が巻き取られた状態を意味する。第2状態において、軟性表示パネル100は、略フラット(flat)な形状を維持できる。第2状態は、ユーザが外部で軟性表示パネル100の表示領域を認知し必要な情報の提供を受けることができる状態であり得る。第2状態は、表示装置がオン(ON)になって、入力映像が具現される状態であり得る。
【0045】
必要に応じて、軟性表示パネル100は、第1状態から第2状態に、及び第2状態から第1状態に変化できる。
【0046】
バックカバー200は、軟性表示パネル100の背面を支持し、軟性表示パネル100の剛性を補強する。バックカバー200をさらに具備することによって、軟性表示パネル100の物理的耐久性を向上させることができる。バックカバー200は、軽く、かつ高い強度を有する物質を含むことができる。例えば、バックカバー200は、GFRP(Glass Fiber Reinforced plastics)、CFRP(Carbon Fiber Reinforced plastics)、アルミニウム、プラスチックのうち、いずれか一つで形成される。
【0047】
バックカバー200の一端は、軟性表示パネル100の一端に固定される。すなわち、バックカバー200及び軟性表示パネル100の巻き取りが始まる領域でバックカバー200と軟性表示パネル100の一側終端は固定される。これは、バックカバー200と軟性表示パネル100の一側終端が固定されて、互いの動きが拘束、制限されることを意味する。
【0048】
バックカバー200は、軟性表示パネル100と対応する大きさ及び形状を有することができる。バックカバー200の大きさ及び形状は、軟性表示パネル100の自由な変形を拘束、制限しない範囲内で選択される。
【0049】
図8の(a)及び(b)を参照すると、軟性表示パネル100とバックカバー200とが一つの中心軸を基準に巻き取られる場合、軟性表示パネル100とバックカバー200との間で回転軸からの巻き取り半径r1、r2の差による長さ偏差Dが発生する。
図8の(c)を参照すると、接着剤を介して全体面が相互固定されたバックカバー200と軟性表示パネル100とが巻き取られる場合、上述の長さ偏差に起因して、バックリング(buckling)、剥離(delamination)、クラック(crack)現象が発生できる。これは、コンパクト(compact)なデザインを有するローラブル表示装置を具現する時にさらに問題になることができる。すなわち、軟性表示パネル100及びバックカバー200の長さが一定であると仮定する時、巻き取り半径が減るほど巻き取り回数は増加し、巻き取り回数が増加するほど長さ偏差はさらに大きくなる。バックカバー200と軟性表示パネル100とが単純接着された状態では、長さ偏差が大きくなるほど、バックリング、剥離、クラックなどが発生する確率が増加するから問題になる。
【0050】
図9を参照すると、本発明は、上述の問題点を解決するために、軟性表示パネル100及びバックカバー200の間に備えられる軟性磁石250をさらに含む。軟性磁石250は、所定の軟性が付与されて、軟性表示パネル100の巻き取り、巻き出し時に巻き取られ、巻き出される。
【0051】
軟性磁石250は、ゴム磁石であり得る。ゴム磁石は、弾力性と柔軟性を有し、加工が容易であるという長所を有する。軟性磁石250は、軟性表示パネル100及び/またはバックカバー200と対応する大きさ及び形状を有することができる。軟性磁石250の大きさ及び形状は、軟性表示パネル100の自由な変形を拘束、制限しない範囲内で選択される。
【0052】
軟性磁石250は、軟性表示パネル100及びバックカバー200のうち、いずれか一つに固定される。軟性磁石250がバックカバー200に固定された場合、軟性磁石250は、軟性磁石250と軟性表示パネル100との間の引力により、軟性表示パネル100にスライディング(slidingまたはslipping)可能に接触される。
【0053】
例えば、軟性表示パネル100がOLED素子を含む場合、軟性表示パネル100には、OLEDの内部に浸透する水分または酸素を遮断するためのFSM(Face Seal Material)層がさらに備えられることができる。FSM層は、インバー(invar)を含むことができる。インバーは、熱膨張係数の低い鉄(Fe)、ニッケル(Ni)合金である。したがって、軟性磁石250は、軟性磁石250とFSM層との間の引力により軟性表示パネル100にスライディング可能に接触される。
【0054】
軟性磁石250が軟性表示パネル100に固定された場合、軟性磁石250は、軟性磁石250とバックカバー200との間の引力により、バックカバー200にスライディング可能に接触される。この場合、バックカバー200は、金属、プラスチック磁石などから形成されることができ、剛性を有する部材に金属及びプラスチック磁石などが付着された構造で形成されることもできる。
【0055】
複数のレイヤーを有する軟性表示パネル100の場合、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出しの際に特定レイヤーに発生できる損傷を防止するために、中立面(neutral plane)の位置を選択的に制御する。中立面の位置が設定された状態で、軟性表示パネル100に軟性磁石250を固定させると、軟性表示パネル100の中立面が変化して、前記特定レイヤーに望まない損傷が発生できる。これを防止するために、軟性磁石250は、バックカバー200に固定されることが好ましくあり得る。以下、説明の便宜のために、軟性磁石250がバックカバー200に固定され、バックカバー200に固定された軟性磁石250が軟性表示パネル100にスライディング可能に接触された場合を例に挙げて説明する。
【0056】
以下、図10をさらに参照して、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出し動作に応じる軟性表示パネル100及びバックカバー200間の相互動作関係を説明する。
【0057】
図10をさらに参照すると、軟性表示パネル100は、巻き取られ(丸1)ながら軟性磁石250が固定されたバックカバー200の表面に沿って、第1方向にスライディング(丸2)される。すなわち、軟性表示パネル100は、その一側終端がバックカバー200の一側終端に固定された状態で巻き取られるから、巻き取り程度に応じて軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が発生する。長さ偏差の増加に対応して、軟性表示パネル100は、軟性磁石250が固定されたバックカバー200の表面に沿って、第1方向にスライディングされる(図10の(a))。
【0058】
軟性表示パネル100は、巻き出され(丸3)ながら軟性磁石250が固定されたバックカバー200の表面に沿って、第2方向にスライディング(丸4)される。すなわち、軟性表示パネル100は、その一側終端がバックカバー200の一側終端に固定された状態で巻き出されるから、巻き取り程度に応じて軟性表示パネル100とバックカバー200との間に発生した長さ偏差が順次減少する。長さ偏差の減少に対応して、軟性表示パネル100は、軟性磁石250が固定されたバックカバー200の表面に沿って、第2方向にスライディングされる(図10の(b))。
【0059】
本発明の好ましい実施の形態は、軟性磁石250をさらに具備することによって、軟性表示パネル100とバックカバー200とが互いに分離されないように拘束しながら、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出し動作に連動して、軟性表示パネル100がバックカバー200上においてスライディングされるように誘導できる。すなわち、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出し動作により、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が増感し、長さ偏差を補償するために、軟性表示パネル100は、軟性磁石250が固定されたバックカバー200の表面に沿ってスライディングされる。したがって、本発明の好ましい実施の形態は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し時に発生する長さ偏差を補償することで、バックリング、剥離、クラックなどの不良を防止できる。
【0060】
反面、軟性表示パネル100とバックカバー200の長さ偏差を補償するために、軟性表示パネル100とバックカバー200を各々駆動する別のローラを備える方案を考慮することができる。ただし、このような方案は、ローラを同期化させるのに相当な難しさがあり、多数のローラを具備することによって、コンパクトなデザインを有する表示装置の具現が困難な問題点などがある。これとは異なり、本発明の好ましい実施の形態は、軟性磁石250だけを利用して軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差を補償できるから、製品の信頼性及び安定性を確保しながらもコンパクトなデザインを具現したローラブル表示装置を提供できる。
【0061】
図11を参照すると、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出しの際、軟性表示パネル100は、軟性磁石250上においてスライディングされる。ただし、軟性磁石250の磁力が強い場合、所定の軟性が付与された軟性表示パネル100は、軟性磁石250の表面に沿ってスライディングされずに、軟性磁石250から局部的に浮き上がる不良が発生できる。これは、大面積のローラブル表示装置においてさらに問題になる。反対に、軟性磁石250の磁力が弱い場合、バックカバー200は、軟性表示パネル100から分離離隔されることによって、軟性表示パネル100の背面を支持し、軟性表示パネル100の剛性を補強する本然の機能を行うことができなくなる。
【0062】
軟性磁石250の磁力は、上述の問題点を考慮して適切に選択される。例えば、軟性磁石250の磁力は、磁力線の方向と間隔、軟性磁性の厚さを考慮して選択される。軟性磁石250の磁力は、その位置に応じて漸進的に変化できるように選択される。
【0063】
軟性表示パネル100には、複数の軟性磁石250が分割されて備えられることができる。位置によって、隣接する軟性磁石250の間隔は、互いに異なることができる。例えば、隣接する軟性磁石250の間隔は、強い磁力が求められない領域に比べて強い磁力が求められる領域において狭くあり得る。位置によって、配置された軟性磁石250の磁力は互いに異なりうる。すなわち、強い磁力が求められない領域に比べて 強い磁力が求められる領域には、相対的に強い磁力を有する軟性磁石250が備えられることができる。例えば、強い磁力が求められない領域は、等方性ゴム磁石が備えられ、強い磁力が求められる領域は、異方性ゴム磁石が備えられることができる。位置によって、備えられる軟性磁石250の配置密度は異なりうる。例えば、軟性磁石250の配置密度は、強い磁力が求められない領域に比べて強い磁力が求められる領域において高くあり得る。
【0064】
以下、添付された図面を参照して、軟性表示パネル100が軟性磁石250から局部的に浮き上がる不良及び軟性表示パネル100が軟性磁石250から分離離隔される不良を防止するための実施の形態を説明する。
【0065】
<第1の実施の形態>
【0066】
以下、図12及び図13を参照して、本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置を説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置を示す斜視図である。図13は、本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
【0067】
図12を参照すると、本発明の第1の実施の形態によるローラブル表示装置は、パネルローラ150、軟性表示パネル100、バックカバー200、軟性磁石250、及び第1弾性部材300を含む。
【0068】
パネルローラ150は、略円筒形の形状を有することができる。すなわち、パネルローラ150の断面形状は円形であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、パネルローラ150は、軟性表示パネル100の巻き取りが容易な形状であれば、いかなる形状でも具現される。
【0069】
パネルローラ150には、コントロールボード30を収容することができる内部空間が設けられることができる。内部空間には、コントロールボード30を固定させることができる固定構造物がさらに備えられることができる。固定構造物は、パネルローラ150の内側に備えられて、コントロールボード30を固定させることによって、コントロールボード30の離脱を防止し、他の構造物との衝突を防止できる。これは、パネルローラ150の内部でコントロールボード30の動きが拘束、制限されうることを意味する。コントロールボード30がパネルローラ150の内部に内蔵される場合、空間活用度を向上させることができ、外部で認識されないから、ユーザにすっきりした審美感を与えることができるという利点がある。
【0070】
ただし、これに限定されるものではなく、コントロールボード30は、パネルローラ150の外側に備えられることができる。この場合、コントロールボードは、パネルローラ150に固定された軟性表示パネル100の一側に反対になる他側に備えられることができる。コントロールボード30がパネルローラ150の外部に備えられる場合、パネルローラ150の厚さを減らすことができるから、コンパクトなデザインを有するローラブル表示装置を提供できるという利点がある。
【0071】
パネルローラ150の内部空間には、パネルローラ150を駆動する駆動部が備えられることができる。駆動部は、チューブラーモータ(tubular motor)であり得るが、これに限定されるものではない。駆動部は、別途の外部電源または内蔵バッテリーなどのような電源生成部に接続されて、電源の供給を受けることができる。パネルローラ150は、駆動部から回転力を受けて回転運動を行うことができる。軟性表示パネル100及びバックカバー200は、パネルローラ150の回転運動に連動して、パネルローラ150の周りに沿って巻き取り及び巻き出される。
【0072】
軟性表示パネル100は、入力映像が具現される表示領域を含む。表示領域は、軟性表示パネル100の少なくとも一部領域に画定される。表示領域は、多数のピクセルを含む。図面では、軟性表示パネル100の平面形状が略長方形の形状を有する場合を例に挙げて示したが、これに限定されるものではない。軟性表示パネル100の平面形状は、円形を含む異型(free form)形状であり得る。
【0073】
軟性表示パネル100は、パネルローラ150の周りに沿って巻き取り、巻き出される。バックカバー200は、軟性表示パネル100の背面方向に備えられて、軟性表示パネル100を支持する。バックカバー200は、軟性表示パネル100と共にパネルローラ150の周りに沿って巻き取り、巻き出される。
【0074】
軟性表示パネル100及びバックカバー200の巻き取りが始まる領域において、バックカバー200の一側終端と軟性表示パネル100の一側終端とは互いに固定される。これは、軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200一側終端とが固定されて、互いの動きが拘束、制限されうることを意味する。
【0075】
固定された軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200の一側終端とは、パネルローラ150に固定される。軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200の一側終端とが固定されたパネルローラ150の一領域は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取りが始まる領域である。このために、軟性表示パネル100の一側終端とパネルローラ150との間またはバックカバー200の一側終端とパネルローラ150との間には、これらを固定するための接着部材あるいは固定部材などがさらに備えられることができる。
【0076】
軟性磁石250は、軟性表示パネル100と対向するバックカバー200の一面に固定される。軟性磁石250は、軟性表示パネル100とバックカバー200との間に備えられて、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し時に発生する長さ偏差に対応したスライディング動作を導く。
【0077】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150から巻き出される場合、軟性磁石250の磁力により軟性表示パネル100のスライディングが円滑でなく、軟性表示パネル100がバックカバー200の表面上から局部的に浮き上がる不良が発生できる。これを防止するために、本発明の第1の実施の形態は、第1弾性部材300をさらに含む。
【0078】
第1弾性部材300は、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して変形できる。長さ偏差は、軟性表示パネル100が第2状態にある場合に、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端の位置を基準として、前記基準から外れた程度(または大きさ)を意味する。
例えば、第1弾性部材300は、引張りバネであり得る。引張りバネは、軟性表示パネル100とバックカバー200の長さ偏差が増加する場合、これに対応して引っ張られ、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が減少する場合、これに対応して弾性復元できる。
【0079】
第1弾性部材300の一端は、バックカバー200の他側終端に接続される。一例として、軟性表示パネル100の他側終端には、荷重バー310(weighting bar)がさらに備えられることができ、第1弾性部材300の一端は、荷重バー310に固定されうる。荷重バー310は、所定の荷重を有する。
【0080】
荷重バー310は、把持(grip)が容易な形状を有することができる。すなわち、荷重バー310は、ユーザの把持器具物として機能できる。本発明は、荷重バー310を具備することによって、巻き取り動作を容易にするための把持領域を提供できる。パネルローラ150が固定された状態で軟性表示パネル100がロールダウンされる場合を仮定すると、巻き取られた軟性表示パネル100は、荷重バー310の自重によりフラット(flat)な状態を維持できる。これは、荷重バー310が所定の荷重を有することによって、巻き取られた軟性表示パネル100を重力方向に引く力が軟性表示パネル100に提供されうることを意味する。所定の荷重を有する荷重バー310が軟性表示パネル100の他側終端に備えられることによって、他の外力が提供されない限り、巻き取られた軟性表示パネル100の動きが拘束、制限される。
【0081】
第1弾性部材300の他端は、軟性表示パネル100の他側終端に接続される。一例として、軟性表示パネル100の他側終端には、補助バー320(auxiliary bar)がさらに備えられることができ、第1弾性部材300の他端は、補助バー320に固定される。補助バー320は、所定の剛性を有する。第1弾性部材300が軟性表示パネル100の他側終端に直接固定された場合、軟性表示パネル100には、第1弾性部材300の復原力に起因した応力が提供されて、損傷が発生できる。本発明の第1の実施の形態は、補助バー320をさらに具備することによって、軟性表示パネル100に提供される応力を分散、緩和させて、軟性表示パネル100の損傷を最小化できるという利点を有する。
【0082】
図13をさらに参照すると、第1弾性部材300は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し動作に連動して、一定範囲内で弾性変形される。
【0083】
軟性表示パネル100とバックカバー200がパネルローラ150の周りに沿って巻き取られる場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第1方向(例えば、+Z方向)にスライディングされる。軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りに沿って巻き取られるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次大きくなる。第1弾性部材300は、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、順次引っ張られる(図13の(a)→(b)→(c))。
【0084】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りから巻き出される場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第2方向(例えば、-Z方向)にスライディングされる。
【0085】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150から巻き出されるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次減少する。第1弾性部材300は、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、順次復元される(図13の(c)→(b)→(a))。これは、第1弾性部材300の復原力により、軟性表示パネル100を引く力が軟性表示パネル100に提供されうることを意味する。
【0086】
本発明の第1の実施の形態は、第1弾性部材300をさらに具備することによって、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出しの際、軟性表示パネル100の円滑なスライディング動作を可能にする。これにより、本発明の第1の実施の形態は、軟性表示パネル100が軟性磁石250から局部的に浮き上がる不良を防止できる。
【0087】
<第2の実施の形態>
【0088】
以下、図14ないし図19を参照して、本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置を説明する。図14は、本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置を示す斜視図である。図15は、弾性構造体の構造及び動作を説明するための図である。
【0089】
図14ないし図19は、本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
【0090】
図14を参照すると、本発明の第2の実施の形態によるローラブル表示装置は、パネルローラ150、軟性表示パネル100、バックカバー200、軟性磁石250、及び弾性構造体400を含む。
【0091】
パネルローラ150は、概略円筒形の形状を有することができる。すなわち、パネルローラ150の断面形状は、円形であり得る。ただし、これに限定されるものではなく、パネルローラ150は、軟性表示パネル100の巻き取りが容易な形状であれば、いかなる形状でも具現される。
【0092】
パネルローラ150には、コントロールボード30を収容することができる内部空間が設けられることができる。内部空間には、コントロールボード30を固定させることができる固定構造物がさらに備えられることができる。固定構造物は、パネルローラ150の内側に備えられてコントロールボード30を固定させることによって、コントロールボード30の離脱を防止し、他の構造物との衝突を防止できる。これは、パネルローラ150の内部でコントロールボード30の動きが拘束、制限されうることを意味する。ただし、これに限定されるものではなく、図示のように、コントロールボード30は、パネルローラ150の外側に備えられることができる。この場合、コントロールボードは、パネルローラ150に固定された軟性表示パネル100の一側に対向する他側に備えられることができる。
【0093】
パネルローラ150の内部空間には、パネルローラ150を駆動する駆動部が備えられることができる。駆動部は、チューブラーモータであり得るが、これに限定されるものではない。駆動部は、別途の外部電源または内蔵バッテリーなどのような電源生成部に接続されて、電源の供給を受けることができる。パネルローラ150は、駆動部から回転力を受けて回転運動を行うことができる。軟性表示パネル100及びバックカバー200は、パネルローラ150の回転運動に連動して、パネルローラ150の周りに沿って巻き取り及び巻き出される。
【0094】
軟性表示パネル100は、入力映像が具現される表示領域を含む。表示領域は、軟性表示パネル100の少なくとも一部領域に画定される。表示領域は、多数のピクセルを含む。図面では、軟性表示パネル100の平面形状が略長方形形状を有する場合を例に挙げて示したが、これに限定されるものではない。軟性表示パネル100の平面形状は、円形を含む異型(free form)形状であり得る。
【0095】
軟性表示パネル100は、パネルローラ150の周りに沿って巻き取り、巻き出される。バックカバー200は、軟性表示パネル100の背面方向に備えられて、軟性表示パネル100を支持する。バックカバー200は、軟性表示パネル100と共にパネルローラ150の周りに沿って巻き取り、巻き出される。
【0096】
軟性表示パネル100及びバックカバー200の巻き取りが始まる領域で、バックカバー200の一側終端と軟性表示パネル100の一側終端とは、互いに固定される。これは、軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200一側終端とが固定されて、互いに動きが拘束、制限されうることを意味する。
【0097】
固定された軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200の一側終端とは、パネルローラ150に固定される。軟性表示パネル100の一側終端とバックカバー200の一側終端とが固定されたパネルローラ150の一領域は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取りが始まる領域である。このために、軟性表示パネル100の一側終端とパネルローラ150との間またはバックカバー200の一側終端とパネルローラ150との間には、これらを固定するための接着部材あるいは固定部材などがさらに備えられることができる。
【0098】
軟性磁石250は、軟性表示パネル100と対向するバックカバー200の一面に固定される。軟性磁石250は、軟性表示パネル100とバックカバー200との間に備えられて、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し時に発生する長さ偏差に対応したスライディング動作を導く。
【0099】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150から巻き出される場合、軟性磁石250の磁力により軟性表示パネル100のスライディングが円滑でなく、軟性表示パネル100がバックカバー200の表面上から局部的に浮き上がる不良が発生できる。これを防止するために、本発明の第2の実施の形態は、弾性構造体400をさらに含む。
【0100】
図15をさらに参照すると、弾性構造体400は、固定ベース部材401、スライダ410、第2弾性部材420を含む。弾性構造体400は、複数であり得る。複数の弾性構造体400は、所定の間隔が離隔されて備えられることができる。弾性構造体400の数及び/または隣接する弾性構造体400の間隔は、軟性表示パネル100とバックカバー200の大きさ及び自重、第2弾性部材420の許容荷重などを考慮して選択される。弾性構造体400は、軟性表示パネル100の円滑なスライディングを導く。
【0101】
固定ベース部材401は、壁の共に動かない固定体501に固定される。すなわち、固定ベース部材401は、壁面、地面など任意の予め指定された位置に固定されて、動きが拘束される。例えば、固定ベース部材401は、壁に固定されたフレーム503に締結される。固定ベース部材401は、スライダ410がスライディング可能に締結されるガイド溝403を含む。ガイド溝403は、Z軸方向に延びるように備えられて、スライダ410のスライディング方向をガイドできる。
【0102】
スライダ410は、ガイド部411及び締結部415を含む。ガイド部411及び締結部415は、スクリューのような締結部材を介して互いに固定される。
【0103】
ガイド部411は、固定ベース部材401にZ軸方向へ移動可能に締結される。ガイド部411は、ガイド溝403に移動可能に引入されるガイド突起413を含む。ガイド突起413は、ガイド溝403に引入されて、ガイド溝403の延長方向に沿って移動できる。これは、スライダ410の動きがガイド溝403の延長方向に制限されることを意味する。
【0104】
締結部415の一端は、軟性表示パネル100とバックカバー200との間に配置され、軟性表示パネル100に固定される。これは、スライダ410と軟性表示パネル100が接続されて、互いに連動されることを意味する。
【0105】
締結部415の他端には、データPCB20が固定される。この場合、締結部415の一端に固定された軟性表示パネル100と締結部415の他端に固定されたデータPCB20とが互いに連動されるから、軟性表示パネル100とデータPCB20とを接続する第1接続部材25の損傷を防止できるという利点がある。データPCB20と接続するコントロールボード30は、固定体501の一側に固定される。
【0106】
第2弾性部材420は、Z軸方向に沿って弾性変形できるように備えられることができる。例えば、第2弾性部材420は、ガイド部411から-Z軸方向に突出した突出部414に移動及び変形可能に締結される。突出部414は、固定ベース部材401に備えられた引入溝404に引入及び引出し可能に締結される。引入溝404は、固定ベース部材401のある一領域で突出部414と対応する位置に形成され、Z軸方向に陥没した溝形状を有することができ、Z軸方向に貫通したホール形状を有することができる。図示していないが、第2弾性部材420が突出部414から離脱するのを防止するために、突出部414及び/または引入溝404のある一領域にはストッパ(stopper)がさらに備えられることができる。ストッパは、引入溝404から突出部414が完全に離脱しないように突出部414の動きを制限する。
【0107】
第2弾性部材420は、提供される外力によりスライダ410が-Z軸方向にスライディングされる場合に圧縮される。第2弾性部材420は、スライダ410に提供される外力が解除される場合、弾性復元される。このとき、スライダ410は、第2弾性部材420から弾性力を受けて、+Z軸方向にスライディングされる。
図16及び図17は、Outer rollingの場合、ローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。図18及び図19は、Inner rollingの場合、ローラブル表示装置の動作状態を説明するための図である。
【0108】
図16及び図17を参照すると、ローラブル表示装置は、 Outer rolling方式により具現化される。弾性構造体400は、第2弾性部材420を含み、第2弾性部材420は、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して変形される。長さ偏差は、軟性表示パネル100が第2状態にある場合に、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端の位置を基準とし、前記基準から外れた程度(または大きさ)を意味する。
一例として、第2弾性部材420は、圧縮スプリングであり得る。圧縮スプリングは、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が増加する場合、これに対応して圧縮され、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が減少する場合、これに対応して弾性復元される。すなわち、第2弾性部材420は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し動作に連動して、一定範囲内で弾性変形される。
【0109】
具体的に、軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りに沿って巻き取られる(丸1)場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第1方向(-Z方向)にスライディング(丸2)される。軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りに沿って巻き取られるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次大きくなる。軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、スライダ410は順次下降(丸3)し、これに連動して第2弾性部材420は、順次圧縮(丸4)される(図16)。
【0110】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りから巻き出される(丸1')場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第2方向(+Z方向)にスライディング(丸2')される。軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150から巻き出されるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次減少する。軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、スライダ410は、順次上昇(丸3')し、第2弾性部材420は、順次復元(丸4')される。これは、第2弾性部材420の復原力により、スライダ410が上昇し、これに連動して軟性表示パネル100を引く力が軟性表示パネル100に提供されることを意味する(図17)。
【0111】
図18及び図19を参照すると、ローラブル表示装置は、Inner rolling方式により具現化される。弾性構造体400は、第2弾性部材420を含み、第2弾性部材420は、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して変形できる。一例として、第2弾性部材420は、圧縮スプリングであり得る。圧縮スプリングは、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が増加する場合、これに対応して弾性復元され、軟性表示パネル100とバックカバー200との間の長さ偏差が減少する場合、これに対応して圧縮される。すなわち、第2弾性部材420は、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出し動作に連動して、一定範囲内で弾性変形される。
【0112】
具体的に、軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りに沿って巻き取される(丸1)場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第2方向(+Z方向)にスライディング(丸2)される。軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りに沿って巻き取られるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次大きくなる。軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、スライダ410は順次上昇(丸3)し、第2弾性部材420は復元(丸4)される。これは、第2弾性部材420の復原力により、スライダ410が上昇し、これに連動して軟性表示パネル100を引く力が軟性表示パネル100に提供されることを意味する(図18)。
【0113】
軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150の周りから巻き出される(丸1')場合、軟性表示パネル100は、軟性磁石250を間に置いて、バックカバー200の表面に沿って第1方向(-Z方向)にスライディング(丸2')される。軟性表示パネル100とバックカバー200とがパネルローラ150から巻き出されるほど、軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差が順次減少する。軟性表示パネル100の他側終端とバックカバー200の他側終端との間の長さ偏差に対応して、スライダ410は順次下降(丸3')し、これに連動して、第2弾性部材420は順次圧縮(丸4')される(図19)。
【0114】
本発明の第2の実施の形態は、弾性構造体400をさらに具備することによって、軟性表示パネル100とバックカバー200の巻き取り及び巻き出しの際、軟性表示パネル100の円滑なスライディング動作を可能にする。これにより、本発明の第2の実施の形態は、軟性表示パネル100が軟性磁石250から局部的に浮き上がる不良を防止できる。
【0115】
<第3の実施の形態>
【0116】
以下、図20ないし図23を参照して、本発明の第3の実施の形態によるローラブル表示装置を説明する。図20ないし図23は、本発明の第3の実施の形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。図20及び図22は、AR領域を拡大示す図である。
【0117】
図20及び図21を参照すると、本発明の第3の実施の形態によるローラブル表示装置は、支持構造体700をさらに含む。支持構造体700は、バックカバー200の側辺のエッジに備えられる。側辺は、軟性表示パネル100とバックカバー200とが巻き取り及び巻き出される方向と並べた方向(Z軸方向)に伸びた辺を意味する。
【0118】
支持構造体700とバックカバー200の結合により設けられた内部空間には、軟性表示パネル100の側辺が引入される。すなわち、支持構造体700は、軟性表示パネル100の前面エッジと軟性表示パネル100の側面を取り囲むように備えられる。これにより、軟性表示パネル100の離脱を防止できる。これは、軟性表示パネル100の動きが軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出し方向に制限されることを意味する。
【0119】
支持構造体700は、フロントボディー701と、ミドルボディー705を含む。フロントボディー701は、軟性表示パネル100を間に置いて、バックカバー200と対向配置される。ミドルボディー705は、フロントボディー701とバックカバー200との間に配置されて、フロントボディー701をバックカバー200に固定させる。フロントボディー701、ミドルボディー705、バックカバー200は、一体に形成されることができ、各々分離形成された後に互いに締結されることもできる。
【0120】
フロントボディー701、ミドルボディー705、バックカバー200は、同じ物質から形成されることができ、フロントボディー701、ミドルボディー705、バックカバー200のうち、少なくとも一つは、他の一つと異なる物質から形成される。
【0121】
フロントボディー701は、超弾性形状記憶合金(Superelastic Nitinol Alloy)を含むことができる。超弾性形状記憶合金は、軟性表示パネル100の巻き取りの際に弾性係数が低くなり、軟性表示パネル100と共に巻き取りが容易である。また、軟性表示パネル100の巻き出しの際、弾性係数が大きくなって復原力が優秀であるから、軟性表示パネル100と共にフラットな状態を維持することが容易である。
【0122】
図22をさらに参照すると、支持構造体700は、n(nは、2以上の整数)個に分割されたセグメント702から構成される。各セグメント702は、巻き取り方向(Z軸方向)と交差する方向(x軸方向)に伸びたバー(bar)形状を有することができる。セグメント702は、巻き取り方向(z軸方向)に沿って配列される。本発明の第3の実施の形態は、セグメント形態で分割された支持構造体700を具備することによって、軟性表示パネル100の離脱を防止しながらも、軟性表示パネル100の巻き取り及び巻き出し動作が制限されずに円滑に行われるようにすることができる。
【0123】
図23のAをさらに参照すると、少なくとも一部領域で、隣接するセグメント702a、702bの間には、第3弾性部材707が備えられることができる。第3弾性部材707は、隣接するセグメント702a、702bを接続する。例えば、第3弾性部材707の一端は、隣接するセグメント702a、702bのうち、いずれか一つに接続され、他端は隣接するセグメント702a、702bのうちの他の一つに接続される。第3弾性部材707は、隣接するセグメント702a、702b間の間隔に対応して弾性運動できる。第3弾性部材707は、引張りバネであり得るが、これに限定されるものではない。
【0124】
さらに具体的に述べると、隣接するセグメント702a、702b間の間隔は、軟性表示パネル100が第2状態から第1状態に変化するほど狭くなる。すなわち、隣接するセグメント702a、702b間の間隔は、軟性表示パネル100が巻き取られるほど広くなり、軟性表示パネル100が巻き出されるほど狭くなる。
【0125】
軟性表示パネル100が第1状態にある場合、第3弾性部材707は、本来の状態を維持できる。これは、第3弾性部材707に外力が提供されないことを意味する。軟性表示パネル100が第2状態にある場合、第3弾性部材707は、弾性変形される。これは、提供された外力により、第3弾性部材707が引っ張られていることを意味する。このとき、第3弾性部材707には、本来の状態を維持するための復原力が作用する。
本発明の好ましい実施の形態は、互いに隣接するセグメント702a、702bを第3弾性部材707を利用して接続させることによって、軟性表示パネル100が第1状態から第2状態に変わる場合、あるいは第2状態にある場合に、隣接するセグメント702a、702bが容易にフラットな状態を有するか、または維持するようにすることができる。これは、軟性表示パネル100が第1状態から第2状態に変わる場合、あるいは第2状態にある場合に、隣接するセグメント702a、702bの間に正確なアラインメント(align)が可能であることを意味できる。
【0126】
図23の(b)及び(c)をさらに参照すると、すべてのセグメント702が少なくとも一つの第3弾性部材707を利用して接続される。ただし、これに限定されるものではなく、第3弾性部材707は、ある一部領域の隣接するセグメント702の間にのみ備えられることができる。ある一部領域は複数であっても良く、複数の一部領域は空間的に互いに分離される。
【0127】
<第4の実施形態>
【0128】
以下、図24を参照して、本発明の第4の実施の形態によるローラブル表示装置を説明する。図24は、本発明の第4の実施の形態によるローラブル表示装置を説明するための図である。
【0129】
図24を参照すると、ローラブル表示装置は、ハウジング600を有する収納部を含む。ハウジング600は、収納部の外形を決定する。ハウジング600の内部には、パネルローラ150を収容することができる内部空間が設けられる。ハウジング600の内部空間には、パネルローラ150を固定させることができる固定構造物がさらに備えられることができる。
【0130】
ハウジング600は、内部空間を開放するスロット600aをさらに含む。スロット600aは、ハウジング600において開放された一領域を意味し、軟性表示パネル100が引入、引出される入口として機能する。スロット600aは、軟性表示パネル100が容易に引入、引出しできる予め設定された幅及び長さを有することができる。
【0131】
ハウジング600は、円筒形を有するように形成されて、その断面が円形であり得るが、これに限定されるものではない。ハウジング600は、その内部空間にパネルローラ150のような構造物を十分に収容することができる形状であれば、いかなる形状であっても具現される。
【0132】
パネルローラ150に巻き取り及び巻き出される軟性表示パネル100は、スロット600aを介して外部に出てきたり内部に入っていく。このとき、軟性表示パネル100には、スロット600aを画定する切断面のうち、少なくとも一部との衝突及び摩擦による損傷が発生できる。
【0133】
本発明の第4の実施の形態は、スロット600aを画定する切断面のうち、軟性表示パネル100の引入及び引出しの際軟性表示パネル100と接触される切断面601が所定の曲率を有するように形成する。これにより、本発明の第4の実施の形態は、軟性表示パネル100の引入及び引出しの際、軟性表示パネル100とハウジング600の切断面601とが衝突して、軟性表示パネル100に損傷が発生するのを防止できるという利点を有する。
【0134】
収納部は、局部的剛性構造を有する。すなわち、本発明の第4の実施の形態は、提供される外力に脆弱なハウジング600の少なくとも一部領域を他の領域に対して厚く形成することによって、ハウジング600が割れるか、曲がるか、または歪む不良を防止できる。ハウジング600の一部領域に提供される外力は、軟性表示パネル100の引入及び引出しの際、軟性表示パネル100がハウジング600に接触されながらハウジング600に提供する圧縮、曲がり、ねじりなどの外力であり得る。
【0135】
ハウジング600は、互いに異なる厚さを有する第1部分P1(portion)と、第2部分P2を含む。第1部分P1は、スロット600aを画定する切断面のうち、軟性表示パネル100と接触される切断面601と隣接した一部領域である。第1部分P1は、軟性表示パネル100の引入及び引出しの際、軟性表示パネル100を介して提供される外力に脆弱な領域である。第2部分P2は、軟性表示パネル100による外力に脆弱でない領域である。
【0136】
局部的剛性構造は、第1部分P1の厚さt1を第2部分P2の厚さt2に比べて厚く形成することによって具現できる。本発明の第4の実施の形態は、局部的剛性構造を具備することによって、軟性表示パネル100を介して提供される圧縮、曲げ、ねじりなどの外力により、ハウジング600が割れるか、曲がるか、または歪む不良を防止できる。
【0137】
以上説明した内容を介して当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正することができるである。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【要約】
【課題】軟性表示パネルの剛性を補強しながらも、軟性表示パネルの巻き取り、巻き出し動作を容易にする。
【解決手段】本発明のローラブル表示装置は、巻き取り及び巻き出し可能な軟性表示パネルと、一側終端が前記軟性表示パネルの一側終端に固定され、前記軟性表示パネルと共に巻き取り及び巻き出されるバックカバーと、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーとの間で、前記軟性表示パネル及び前記バックカバーのうち、いずれか一つに固定された軟性磁石とを含む。
【選択図】図9
図1
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