特許第6251845号(P6251845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6251845振動分析を用いてボイラー熱交換器の表面上の堆積物を検出し、モニタリングし、かつ除去するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251845
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】振動分析を用いてボイラー熱交換器の表面上の堆積物を検出し、モニタリングし、かつ除去するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/48 20060101AFI20171211BHJP
   F28G 9/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   F22B37/48 A
   F28G9/00 Z
【請求項の数】26
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-516746(P2017-516746)
(86)(22)【出願日】2015年7月20日
(65)【公表番号】特表2017-521634(P2017-521634A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】US2015041067
(87)【国際公開番号】WO2016014379
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2017年3月24日
(31)【優先権主張番号】14/340,661
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/670,956
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】317008311
【氏名又は名称】インテグレイテッド・テスト・アンド・メジャメント・(アイティーエム)・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・エム・カーラー
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−257321(JP,A)
【文献】 特公平05−010564(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0369549(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0141408(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0150825(US,A1)
【文献】 米国特許第06325025(US,B1)
【文献】 独国特許発明第102013205645(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/48
F23J 3/00
F28G 9/00
F28G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラーシステムであって、
堆積物が形成され得る表面を有する少なくとも1つの熱交換器を有するボイラーと、
高圧流体を前記ボイラーへ運ぶためのランスチューブを有する少なくとも1つの引き込み可能なスートブロワーであって、前記ランスチューブは、前記ボイラーシステム内で振動を生じさせるために前記高圧流体が前記熱交換器の表面に衝突するように前記高圧流体を放出するように構成されている、スートブロワーと、
前記ボイラーシステムに結合された少なくとも1つの振動測定装置であって、前記熱交換器の表面に前記高圧流体を衝突させることによって生じる前記ボイラーシステム内での振動を測定するように構成された、振動測定装置と、
を備えており、
前記ボイラーシステムの測定された振動は、前記熱交換器の表面における堆積物の有無を示すことを特徴とするボイラーシステム。
【請求項2】
前記ボイラーシステムの測定された振動は、堆積物の位置および前記熱交換器の表面上の堆積物の量の少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1に記載のボイラーシステム。
【請求項3】
前記振動測定装置は、前記スートブロワーおよび前記ボイラーの少なくとも一方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のボイラーシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの振動測定装置は、前記ボイラーの外面に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のボイラーシステム。
【請求項5】
少なくとも1つのボイラー支持構造をさらに備えており、前記少なくとも1つのボイラー支持構造から少なくとも1つの熱交換器が吊り下げられており、
前記少なくとも1つの振動測定装置は、前記少なくとも1つのボイラー支持構造に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のボイラーシステム。
【請求項6】
前記ボイラー支持構造は、ハンガーロッド、頭上ビーム、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択されることを特徴とする請求項5に記載のボイラーシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの振動測定装置は、加速度計、変位測定装置、速度測定装置、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載のボイラーシステム。
【請求項8】
ボイラーシステム内に配置された少なくとも1つの熱交換器の表面上の堆積物を検出する方法であって、前記方法は、
ランスチューブを前記少なくとも1つの熱交換器の表面に対して移動させるステップと、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面に前記ランスチューブから放出される高圧流体を衝突させるステップと、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面上における所定の位置で前記高圧流体を衝突させることによって引き起こされる前記ボイラーシステム内の振動を測定するステップと、
前記位置における堆積物の存在を検出するために、測定された振動を分析するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
測定された振動に応答して、前記少なくとも1つの熱交換器の前記位置において前記ランスチューブから放出された高圧流体の流れ特性を制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記流れ特性は、前記ランスチューブから放出される高圧流体の量、高圧流体の流速、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
振動を測定するステップは、複数の位置の各々において前記少なくとも1つの熱交換器の表面に高圧流体を衝突させることによって引き起こされる前記ボイラーシステム内の振動を測定するステップをさらに含み、
測定された振動を分析するステップは、前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の前記複数の位置に高圧流体を衝突させることによって引き起こされる前記ボイラーシステム内の測定された振動を分析するステップをさらに含み、
前記方法は、前記少なくとも1つの熱交換器の表面上に検出された堆積物の位置のマップを生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
検出された堆積物の前記マップに基づいて、前記ランスチューブを前記少なくとも1つの熱交換器の表面に対して移動させると同時に、前記ランスチューブから放出される高圧流体の流れ特性を制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流れ特性は、より少ない堆積量を有する前記少なくとも1つの熱交換器の表面の位置よりも、より多くの堆積量を有する前記少なくとも1つの熱交換器の表面の位置に対して、より大きいことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
振動は、前記ボイラーシステムに結合された少なくとも1つの加速度計で測定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの加速度計は、スートブロワー、ボイラー、および前記少なくとも1つの熱交換器が懸架されているボイラー支持構造の少なくとも1つに結合されていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの加速度計は、前記ボイラーの外面に結合されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの熱交換器の表面に高圧流体を衝突させることにより、前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の前記位置における堆積物の少なくとも一部が除去され、
前記方法は、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面の前記位置において高圧流体を衝突させることによって引き起こされる、第1の時点での第1の振動を測定するステップと、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面の前記位置において高圧流体を衝突させることによって引き起こされる、第2の時点での第2の振動を測定するステップと、
前記位置における前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の堆積物の量の変化を特定するために、前記第1の振動と前記第2の振動とを比較するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の前記位置において測定された振動が大きければ大きいほど、前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の前記位置における堆積物の量も大きくなることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項19】
ボイラーシステムの表面を分析するためのプロセスであって、
前記ボイラーシステム内で振動を発生させる第1の経路でランスチューブをボイラーに通すステップと、
少なくとも1つの熱交換器の表面に前記ランスチューブから放出される高圧流体を衝突させるステップと、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面上における所定の位置で前記高圧流体を衝突させることによって引き起こされる前記ボイラーシステム内の振動を測定するステップと、
前記ボイラーシステム内の振動を示す第1の信号を受信するステップと、
閾値を超える振動に応答して、前記ボイラーの表面上の堆積物の存在を決定するステップと、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項20】
振動が前記閾値を超えた場合に前記ランスチューブの位置を特定するステップと、
振動が前記閾値を超えた場合に前記ランスチューブの位置に基づいて前記ボイラー内の堆積物の位置を決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第1の経路に続いて第2の経路においてランスチューブを前記ボイラーに通すステップと、
少なくとも1つの熱交換器の表面に前記ランスチューブから放出される高圧流体を衝突させるステップと、
前記少なくとも1つの熱交換器の表面上における所定の位置で前記高圧流体を衝突させることによって引き起こされる前記ボイラーシステム内の振動を測定するステップと、
前記ボイラーシステム内の第2の振動を示す第2の信号を受信するステップと、
前記閾値を超える第2の振動に応答して、前記ボイラーの表面上の堆積物の存在を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のプロセス。
【請求項22】
前記第1の経路で特定された前記ボイラー内の堆積物の位置を決定するステップと、
前記第2の経路で特定された前記ボイラー内の堆積物の位置を決定するステップと、
前記第1の経路による堆積物の位置と前記第2の経路による堆積物の位置とを比較するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第1の経路による堆積物の位置が前記第2の経路による堆積物の位置と重なる場合、前記第1の信号を前記第2の信号と比較するステップをさらに含み、
前記第1の信号と前記第2の信号の間の差は、前記ボイラーの表面における堆積物の量の変化を示すことを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
ボイラーシステム内での1つ以上の熱交換器の表面上における1つ以上の堆積物の位置をマッピングする方法であって、
少なくとも1つの熱交換器の表面に対して少なくとも1つのランスチューブを移動させるステップと、
前記少なくとも1つのランスチューブから放出された高圧流体を前記少なくとも1つの熱交換器の表面上の堆積物に衝突させるステップと、
堆積物の存在を特定するために、堆積物に衝突する高圧流体によって引き起こされる前記ボイラーシステム内の反作用力を測定するステップと、
前記ボイラーシステム内の堆積物の位置を特定するステップと、
特定された堆積物の位置に基づいて前記ボイラーシステム内での堆積物のマップを生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのランスチューブは複数のランスチューブであり、かつ前記少なくとも1つの熱交換器の表面は複数の熱交換器の表面であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記反作用力は、閾値を超える前記ボイラーシステム内での振動を引き起こすことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2014年7月25日に出願された米国特許出願第14/340,661号の一部継続出願であり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、ボイラーの付着物または灰の堆積物に関し、特に、振動モニタリングおよび分析を用いてボイラーの熱交換器上の堆積物を検出し、モニタリングし、測定し、かつ/または除去するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製紙工程では、化学的パルプ化により副産物として黒液が生成される。黒液には、リグニンや他の有機物質とともに、蒸解釜でパルプ化する際に木材から分離する無機調理化学物質(inorganic cooking chemicals)が含まれる。黒液はボイラーで燃焼される。ボイラーの2つの主な機能は、パルプ化プロセスに使用される無機調理化学物質を回収すること、および、製紙工場用の蒸気を生成するために黒液の有機部分で化学エネルギーを利用することである。本明細書で使用される用語「ボイラー」は、その過程で熱伝達面に付着する燃料を燃焼させる上部支持ボイラーを含む。
【0004】
蒸気を発生させるべく黒液を燃焼させるために使用されるボイラーの一例としてクラフトボイラーが挙げられる。クラフトボイラーは、蒸気などの加熱された流体を生成するために炉ガスからの放射および対流によって熱を抽出するために、炉内に様々なレベルの熱交換器のバンクを含む。典型的には、炉ガスはまず過熱器バンク内の熱交換器と相互作用し、過熱蒸気を発生させる。続いて炉ガスは、使用蒸気を発生させるために、発生バンク内の熱交換器と相互作用する。発生バンクはまた、ボイラーバンクと称されることもある。最終的に、炉ガスは、低温加熱流体を生成するエコノマイザバンク内の熱交換器と相互作用する。熱交換器のバンクは、熱伝導および伝熱のための熱交換器の表面として機能する複数のチューブで構成されたプラテンの列から構成される。作動中、熱交換器の表面は、黒液などの燃料を燃やすことによって炉室内で発生する灰によって連続的に汚される。ボイラーで燃焼可能な燃料の量は、多くの場合、熱交換器の表面に汚れが付着する速度および付着物の程度によって制限される。熱交換器の表面に堆積した灰を含む付着物は、燃料の燃焼から吸収される熱を減少させ、汚れた熱交換器のバンクの出口蒸気温度を低下させ、ボイラー内の次の熱交換器バンクに入るガス温度を上昇させる。例えば、過熱器バンク内の付着物は、熱交換器から流出する蒸気の温度を低下させ、発生バンクに入る炉ガス温度を上昇させる。発生バンク内の熱交換器の表面は、過熱器およびエコノマイザバンクにおける間隔と比較して比較的狭くなる傾向があり、そのため、過熱器およびエコノマイザバンクの付着物と比較して発生バンク内が汚れる可能性が上昇する。
【0005】
出口蒸気温度が、下流装置で使用するには低すぎる場合、または過熱器バンクの下流に流入する発生バンクなどの下流熱交換器バンクに入る温度が、堆積物の融点を超える場合、付着物は、清掃のためにボイラーの停止を必要とすることがあり、その結果、下流のバンクのガス側の詰まりが引き起こされる。加えて、付着物は、最終的に過熱器バンクのような上流のバンクにも詰まりを引き起こす可能性がある。熱交換器バンクから詰まりを除去するためには、ボイラーでの燃焼プロセスを停止しなければならない。クラフトボイラーは、効率的な運転のために除去する必要がある灰堆積物を含む発生バンク内の付着物の問題に特に敏感であり、なお他の熱交換器バンクも汚れることがある。クラフトボイラーのようなボイラーの熱交換器バンクからの灰堆積物を除去する3つの従来の方法として、1)スートブロー(すす吹き)、2)冷却および吹き込み、および3)水洗が挙げられる。本願は、これら方法のうちの最初のものだけを、つまりスートブローに取り組むものである。
【0006】
スートブローは、スートブロワーのランスのノズルからの蒸気の爆発を使用して灰堆積物で付着物た熱交換器の表面から堆積した灰を吹き飛ばすことを含むプロセスである。スートブローは、さまざまな時間で、作動中の様々な場所にある複数のスートブロワーを用いて、通常のボイラー運転中に略連続的実施される。スートブローは一般的に蒸気を用いて行われる。個々のスートブロワーの蒸気消費量は、典型的には2〜3kg/sであり、最大で4つのスートブロワーを同時に作動できる。典型的なスートブロワーの使用量は、ボイラー全体の蒸気生産量の約3〜7%である。したがって、スートブロー処理は、洗浄されるボイラーによって生成される熱エネルギーを多量に消費する。
【0007】
典型的なスートブロープロセスは、連続スートブローとして公知の手順を利用し、このときスートブロワーは、既定の間隔および既定の順序で動作する。スートブロー処理は、熱交換器の特定の場所に生じ得る付着物の量に関係なく、このペースで実行される。多くの場合、これは、スートブロー処理が多量の蒸気を消費する場合でさえも必ず防止することができない、所定のスートブローシーケンスによって十分に清掃されない熱交換器の領域を詰まらせる。個々のスートブロー工程は付近の灰堆積物の一部を減少させるが、完全に除去されない灰堆積物は長い時間をかけて堆積し続ける。灰堆積物が大きくなるにつれて、スートブローの効果は徐々に低下し、熱伝達率が損なわれる。灰堆積物が特定の閾値に達すると、ボイラー効率が著しく低下するか、または燃焼ガスを炉から放出できなくなり、ボイラーの停止を必要とする別の洗浄プロセスで堆積物を除去しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱交換器の表面およびスートブロワーの振動を含むボイラーシステム内の振動を誘発するために、スートブロワーの高圧蒸気の全エネルギーを使用することが望まれている。ボイラーシステムの振動は、ボイラーの熱交換器の表面からの灰堆積物を検出し、モニタリングし、測定し、かつ/または除去するために使用され、その結果、スートブロワーは最小量の蒸気を使用するようになされ、エネルギーが節約される。個々のスートブロワーを取り囲む灰堆積物の堆積パターンのマップを作成することも望ましい。マップ内の情報は、効率的な使用のためにスートブロー処理の優先順位を調整するために使用されてもよく、かつ一般的に効果的なスートブロー戦略を開発するために使用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、堆積物が形成され得る表面を有する少なくとも1つの熱交換器を有するボイラーを含むボイラーシステムに関する。ボイラーシステムは、高圧流体をボイラーに運搬するためのランスチューブを有する少なくとも1つの引き込み可能なスートブロワーをさらに含む。ランスチューブは、高圧流体が熱交換器の表面に衝突してボイラーシステム内に振動を起こすように構成されている。ボイラーシステムはまた、ボイラーシステムに結合される少なくとも1つの振動測定装置を含み、振動測定装置は、熱交換器の表面または熱交換器の表面上の堆積物に接触する高圧流体によって引き起こされるボイラーシステム内での振動を測定するように構成される。ボイラーシステムの測定された振動は、熱交換器の表面上の堆積物の有無を示す。
【0010】
本発明の別の態様は、ボイラーの少なくとも1つの熱交換器の表面上の堆積物を検出する方法であって、スートブラワーのランスチューブを少なくとも1つの熱交換器の表面に対して移動させるステップと、少なくとも1つの熱交換器の表面にランスチューブから放出される蒸気を衝突させるステップと、を含む方法に関する。この方法は、蒸気を少なくとも1つの熱交換器の表面に衝突させることによって引き起こされるボイラーシステム内の所定の位置での振動を測定するステップと、測定された振動を分析して、その位置における堆積物の存在を検出するステップと、をさらに含む。
【0011】
本発明の別の態様は、ボイラーシステム内の堆積物の位置をマッピングする方法に関する。この方法は、スートブロワーから放出された高圧流体を堆積物に衝突させることによって生成された反作用力に基づいて、熱交換器の表面上の堆積物の位置を特定するステップを含む。続いて、特定された堆積物の位置に基づいて堆積物マップを生成することができる。
【0012】
本発明の別の態様は、ボイラーシステム内の熱交換器の表面から除去された堆積物を検出する方法に関する。この方法は、ボイラーシステムに結合された少なくとも1つの振動測定装置を提供するステップと、熱交換器の表面から堆積物を除去することまたはボイラーシステム内の表面に除去された堆積物が衝突することの少なくとも1つによって引き起こされる振動を検出するステップと、を含み、振動は、振動測定装置によって振動が検出される。この方法は、検出された振動を分析して、堆積物が除去された熱交換器の表面の位置を決定するステップをさらに含む。
【0013】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明の様々な実施形態を示し、上述した本発明の概略的な説明および以下に示す実施形態の詳細な説明とともに、本発明の実施形態を説明するよう機能する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるボイラーシステムの概略図である。
図2】多数のプラテンを支持するハンガーロッド上に配置された多数の加速度計を示す図1に示されたボイラーシステムの一部の上斜視図の拡大詳細図である。
図3】熱交換器のチューブ表面の間に配置された2つのスートブローのランスチューブが図示された、図2では明確にするためにプラテンによって図示された2つの熱交換器のチューブ表面の上斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による振動測定装置からの信号を分析して堆積物の存在を識別するプロセスを示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態によるボイラーシステムの動作中にボイラーシステム内の異なる位置に配置された振動測定装置から収集されたデータからの例示的な出力記録を示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるボイラーシステムの動作中にスートブロワーに配置された振動測定装置から収集されたデータからの例示的な出力記録を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、堆積物20が形成された複数の熱交換器22と、1つ以上の振動測定装置14と、スートブロワー16と、堆積物検出装置18と、集積デバイス30とを含むボイラー12を有するボイラーシステム10の概略図である。
【0016】
本発明の目的のために、用語「ボイラー」12は、燃焼された燃料からの高温ガスと接触する熱交換器において水または他の流体が加熱される密閉容器を意味する。例示的なボイラー12は回収ボイラーである。加熱または気化した流体は、ボイラーベースの発電、加熱処理などを含む様々な処理または加熱用途での使用のために、ボイラー12から放出される。「回収ボイラー」との用語には、パルプ化のための化学物質が回収されるとともに事前処理された木材からの(いくつかの他の有機物質の中で特に)リグニンを含む黒液から改質されるパルプ化のクラフトプロセスの一部であるタイプのボイラー12が含まれる。黒液は燃焼されて熱を発生し、これは通常、従来の蒸気発電施設の場合と同様に処理時にまたは発電時に使用される。回収ボイラーの2つの主な機能は、パルプ化処理で使用される無機調理化学物質を回収すること、および製紙工場用の蒸気をを生成するために黒液の有機部分に化学エネルギーを使用することである。クラフト黒液ボイラーの詳細な説明は米国特許第6,323,442号および第7,341,067号に詳細に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
図2および図3を参照すると、ボイラー12は一連の熱交換器22を備える。熱交換器22は、過熱器バンク、発電バンク、エコノマイザバンク、およびそれらの組み合わせとなるように構成されてもよい。熱交換器22は、表面48を有するチューブ(図3)またはプラテン(図2)から形成される。熱交換器22はそれぞれ、例えば、約20〜100本のチューブを含むことができる。熱交換器の表面48は、上流および/または下流において、以下でより詳細に説明するようにスートブロワー16が熱交換器の表面48に対して移動できるようにする通路50を有する。
【0018】
一実施形態では、ボイラー12は、頭上ビーム34およびハンガーロッド32を含み得るボイラー支持構造で、天井から吊り下げられている。頭上ビーム34は、Iビームを含んでもよい。約30〜100のハンガーロッド32(図2)を、頭上ビーム34からボイラー12を吊り下げるために使用してもよい。より具体的には、ハンガーロッド32は、一端で頭上ビーム34にボルト連結されるか他の方法で結合されてもよく、かつ、直接熱交換器22に結合されても、または反対側の端部でヘッダー36(図2)を介して熱交換器22に結合されてもよい。ハンガーロッド32は、典型的には、約1インチ〜約3インチの範囲の直径と、約2フィート〜約20フィートの範囲の長さとを有する。
【0019】
上述のように、使用中、スラグおよび/または灰堆積物20が熱交換器22の表面48上に形成されることがあり、これはボイラーシステム10の熱性能を低下させることがある。堆積物20の量は、熱交換器の表面48上のさまざまな位置で変化してもよい。
【0020】
ボイラーシステム10は、熱交換器の表面48から堆積物20を洗浄するための1つ以上のスートブロワー16を含む。例えば、ボイラーシステム10は、ボイラー12内において約5〜15フィート離れた複数のスートブロワー16を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「スートブロワー」16は、ユーティリティボイラーまたは回収ボイラーなどの大規模な燃焼デバイスの熱交換器の表面48に対して蒸気、空気、水または他の流体などの高圧流体24の流れを投射するために使用される装置を意味する。一般的に、スートブロワー16は、蒸気などの高圧流体24の供給源(図示せず)と流体連通するランスチューブ26を含む。図2に示すように、各スートブロワー16は、ランスチューブ26を回転させるためのモータ76を含んでもよい。モータ76は、典型的には、モータをフード82に連結する1つ以上のローラ80によってレール78から吊り下げられている。レール78は、以下に詳述するようにランスチューブ26がボイラー12に出入りする際に、モータ76がランスチューブ26とともに移動できるようにする。フード82は、モータ76およびレール78をカバーし、かう典型的には、スートブロワー16を外部支持構造88に結合するための一対のブラケット84などの少なくとも1つの取り付けポイントを提供する。図面効率のために、図2に図示されるスートブロワー16のサブセットのみが、モータ76、レール78、およびフード82を含むものとして示されている。なお当然のことながら、本発明の実施形態では、ボイラーシステム10内のスートブロワー16のすべてがこれらの付加的な構造を含む。
【0021】
本明細書に記載されるスートブロワー16は蒸気を利用するが、本発明はこれに限定されず、スートブロワー16は他の高圧流体24を使用することもできることに留意されたい。本発明の実施形態では、高圧流体24は、約100〜400psiの圧力で供給され得る。各スートブロワー16はまた、スートブロワー16のランスチューブ26の遠位端29において少なくとも1つのノズル28を含む。一実施形態では、各スートブロワー16は、ランスチューブ26の遠位端29において180°離間された2つのノズル28を含む。
【0022】
以下でより詳細に説明するように、引き込み可能なスートブロワー16は、高圧流体24がノズル28から放出される際にランスチューブ26がボイラー12の内部に出入りする(すなわち、周期的に進退する)ように構成される。スートブロワー16のランスチューブ26は、高圧流体24がノズル28から放出される間に回転するように構成されてもよい。
【0023】
ボイラーシステム10はまた、ボイラーシステム10内の振動を測定するためにボイラーシステム10に結合された1つ以上の振動測定装置14を含む。例示的な振動測定デバイス14は、加速度計、変位測定デバイス、速度測定デバイス、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。振動測定装置14は、ハンガーロッド32(図2)、(図3に示される)頭上ビーム34、またはボイラー12(図1)の外面などのボイラー支持構造上のような、もしくはボイラーの屋根38、ペントハウス(図示せず)、スートブロワー16の上など、例えばランスチューブ26、モータ76、レール78、フード82、ブラケット84、または外部支持構造88などのボイラーシステム10における戦略的位置に取り付けられる。振動測定装置14は、熱交換器の表面48の振動またはスートブロワー16の振動などのボイラーシステム10の振れ幅および固有振動数の変化などの振動データを収集する。
【0024】
システムはまた、振動測定装置14のための入力を受け取りかつスートブロワー16の動作を制御できる集積デバイス30と任意に通信する堆積物検出装置18を含む。堆積物検出装置18は、振動測定装置14から受信した振動データを読み取るように、かつスートブロワー16およびランスチューブ26の動作を方向付けるために集積デバイス30に命令を提供するように構成されたソフトウェアを含む。
【0025】
スートブロワー16は、所望の動作特性を回復するために熱交換器の表面48を洗浄するために周期的に作動される。使用時には、スートブロワー16のランスチューブ26が通路50を通って熱交換器の表面48に対して移動される。スートブロワー16は、ノズル28がボイラー12の外側に位置する第1の位置とボイラー12の内側に位置する第2の位置との間で移動するように、ボイラー12に挿入されかつボイラー12から引き出される。スートブロワー16のランスチューブ26上のノズル28が第1の位置と第2の位置との間で移動すると、高圧流体24が第1の位置と第2の位置との間においてノズル28の経路に沿って所定の半径で放出されるように、ノズル28は熱交換器の表面48に隣接して回転する。一実施形態では、第2の位置は最大挿入位置である。スートブロワー16は、ランスチューブ26が通路50を通って移動するとき、熱交換器の表面48に対してほぼ垂直に移動する。
【0026】
典型的には第1の位置と第2の位置との間の移動であるスートブロワー16のボイラー12への移動は、「第1のストローク」または挿入として識別されてもよく、かつ第2の位置と第1の位置との間の移動であるボイラー12からの移動は、「第2のストローク」または抽出として識別されてもよい。一般的にスートブロー方法は、第1の位置と第2の位置との間でスートブロワー16の動作全体を使用するが、部分的な動作が、第1または第2のストロークと判断されてもよい。高圧流体は、通常、第1ストロークと第2ストロークの両方の間に使用される。
【0027】
スートブロワー16が熱伝達面48に隣接して移動する際に、高圧流体24はノズル28の開口を通って放出される。熱交換器の表面48上に蓄積された堆積物20に高圧流体24を衝突させることによって、堆積物20の少なくとも一部を除去する熱的衝撃および機械的衝撃の両方を生じる。それでもなお、ある程度の量の堆積物20が残っている。本明細書で使用される「除去された堆積物」との用語は、スートブロー処理によって除去される堆積物の質量を意味しており、「残留堆積物」は、スートブローサイクル後に熱交換器の表面48上に残る堆積物の質量を意味する。
【0028】
熱交換器の表面48への高圧流体24の衝突は、1つ以上の振動測定装置14によって検出されかつ測定される熱交換器の表面48の振動とその振れ幅および周波数の変化とを引き起こす。熱交換器の表面48への高圧流体24の衝突はまた、1つ以上の振動測定装置14によって検出されかつ測定される、スートブロワー16の振動とその振れ幅および周波数の変化とを引き起こす。本発明の目的のために、「振動」との用語は、弾性体または伝達体の周期的な前後運動を意味する。この振動は、通常、平衡状態に復帰する傾向のある力に対する体部の反応を受けて、平衡状態からの体部の変位の結果である。用語「振れ幅」は、その垂直軸に沿って測定された周期的曲線の最大絶対値を意味する。振動の振れ幅が大きければ大きいほど、振動が伝えるエネルギーは大きくなる。「周波数」との用語は、1秒当たりの振動数を意味する。固有振動数は、外力が加わらない状態でシステムが振動する振動数である。
【0029】
堆積物20の蓄積量が熱交換器表面48上で変化すると、少なくとも以下の3つの事象、つまり1)特定の熱交換器表面48の振動の周波数が変化する事象、2)特定のスートブロワー16の振動の周波数が変化する事象、および3)特定の熱交換器表面48に対してランスチューブ26によって供給される高圧流体24によって加えられる圧力の量が変化する事象、が生じる。熱交換器の表面48、スートブロワー16、または熱交換器の表面48とスートブロワー16の両方の振動を分析して、残留堆積物の存在を検出することができる。特に、高圧流体24によって熱交換器の表面48に伝達される励起エネルギーの量に対する残留堆積物の影響は、熱交換器の表面48の振動振れ幅または周波数の変化として評価できる。同様に、堆積物20と接触する高圧流体24からもたらされるスートブロワー16のランスチューブ26によって反応される励起エネルギーの量に対する残留堆積物の影響は、スートブロワー16で測定された振動振れ幅および/または振動周波数の変化として評価できる。高圧流体24が堆積物と接触することから生じるボイラーシステム10におけるエネルギー励起の量は、熱交換器の表面48上に蓄積される堆積物20の量の直接的な関数であるかまたは直接比例する。言い換えると、ボイラーシステムで測定された振動振れ幅または周波数の変化によって示されるように、熱交換器の表面48またはランスチューブ26におけるエネルギー励起の増加は、その熱交換器の表面48上の堆積物20の蓄積の増加を意味する。
【0030】
ランスチューブ26から熱交換器の表面48および/またはスートブロワー16に放出される高圧流体24から伝達されるエネルギーは、熱交換器の表面48上の堆積物20の高圧流体の流れに垂直な表面積に比例する。堆積物20の表面積は、堆積物20の質量に相互に関連してもよい。ランスチューブ26と堆積物20との間で熱交換器の表面48に伝達されるエネルギーが引き起こすボイラーシステム10で検出された振動は、熱交換器の表面48から堆積物20を除去するためにスートブロワー16が供給する必要がある高圧流体24の量を決定するために使用することができる。本発明の態様は、熱交換器の表面48の堆積物20に接触するスートブロワー16から放出された高圧流体24によってボイラーシステム10に伝達される力によって生成されるボイラーシステム10の振動振れ幅および周波数応答の変化を分析することに関する。したがって、堆積物20の位置および除去を決定するために、エネルギー励起応答の概念が使用される。続いて、測定された振動は、ランスチューブ26におけるノズル28から放出される高圧流体24の量または高圧流体24の流量などの、高圧流体24の流れ特性を制御するために使用されてもよい。
【0031】
本発明の一態様は、ボイラーシステム10の1つ以上の熱交換器の表面48上に堆積物20をマッピングする方法に関する。堆積物マップは、一般的に、ボイラー12内の個々のスートブロワー16の位置と、ボイラー12内の個々のスートブロワー16の経路によって決定される各堆積物20の蓄積プロファイルとを空間的に表現したものである。堆積物マップは、高圧流体24を放出しながら、少なくとも1つの熱交換器の表面に対して少なくとも1つのランスチューブを移動させることによって生成してもよい。高圧流体24は、熱交換器の表面上の堆積物に衝突し、その結果、ボイラーシステム10上に、堆積物の存在を識別するために測定することができる反作用力が生じる。したがって、ボイラー12内へ向けて、設定された進出距離で、ランスチューブ26におけるノズル28を徐々にかつ同時に平行移動させかつ回転することによって、堆積物20を熱交換器の表面48上の複数の位置で検出できる。堆積物が識別された場合、熱交換器の表面48に対するスートブロワー16のランスチューブ26上のノズル28の位置は、ランスチューブ26におけるノズル28の経路に沿って、識別された堆積物20の位置を決定するために使用されてもよい。各スートブロワー16のノズル28の経路に沿って特定された堆積物20の位置は、各スートブロワー16の位置に堆積物20のマップを生成するために使用されてもよい。一実施形態では、反作用力は、スートブロワー16からの高圧流体24によって熱交換器の表面48上の堆積物20に伝達される力によって発生するかまたは高圧流体24が熱交換器表面48上の堆積物20と接触することによって生じるスートブロワー16における反作用力によって発生するボイラーシステム10で測定された振動振れ幅および周波数の変化である。熱交換器の表面上の堆積物を示すボイラーシステム内の他の反作用力を、堆積物マップを生成するために使用してもよい。
【0032】
一実施形態では、マップは、スートブロワー16と、堆積物20が検出された識別済みのスートブロワー16の経路に沿った位置とを特定する表として表すことができる。表はまた、ボイラーシステム10におけるスートブロワー16の相対的な位置を特定してもよい。別の実施形態では、マップは、スートブロワー16の経路に沿った熱交換器の表面48上の1つまたは複数の堆積物20の2次元表現である。別の実施形態では、マップは、複数のスートブロワーの経路に沿った熱交換器の表面48上の1つ以上の堆積物20の3次元表現である。従来のボイラーは、ボイラー12の高さおよび幅にわたって配置された数個から数百個のスートブロワー16のサイズに応じた詳細な堆積物マップ20を得ることができる。連続的な堆積物マップは、熱交換器の表面48が汚れるか清浄されたた場合や堆積物20の相対的な変化が蓄積される場合、あるいは連続したマップ上に位置が示され得る場合に、変更されてもよい。
【0033】
生成されたマップは、堆積物20が形成されないボイラーシステム10内の領域と、スートブロワー16が堆積物を適切に除去する領域と、残留堆積物が残っておりかつ除去するために付加的なスートブロワー16作動させる必要がある領域と、を識別するのを助けることができる。これらのデータは、エネルギー節約のための蒸気消費を低減するかまたは熱交換器の表面48の有効性を向上させるような効率的なスートブロー方式を開発するために使用されてもよい。例えば、スートブロワー16を、定期的に例えば1日に1回、「堆積物20の位置モード」で動作させることができ、収集された情報を、現在の堆積物マップを更新するために使用できる。このマップは、スートブロワー16の効果的かつ効率的な使用のためにスートブロワー16の作動の優先度を調整するために、かつエネルギー節約のための蒸気消費を低減するために、使用されてもよい。
【0034】
図4を参照すると、本発明の実施形態にしたがって振動測定装置14からの信号を分析するためのプロセス100を示すフローチャートが示される。分析プロセス100は、堆積物検出装置18によって実行され得る一連の動作を含む。
【0035】
ブロック102において、熱交換器の表面48上の残留堆積物を示す事象の存在を決定するための閾値が設定される。閾値は、振動測定装置14からの信号を比較できる値またはそうした値の範囲である。本発明の実施形態では、振動測定装置14からの信号の狭い周波数範囲が事象の存在に関して分析される。例えば、閾値は、所定の周波数における振れ幅であってもよく、あるいは計算された二乗平均平方根(RMS)の振れ幅であってもよい。例示的な実施形態では、閾値は、予め定められておりかつ履歴データに基づくものとすることができる。履歴データは、始動直後のようにボイラーが清浄であるときに取得されたデータを含んでもよい。別の実施形態では、閾値は、振動測定装置14からのリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータに基づいて決定される。さらに別の代替案では、閾値は、ボイラーシステムの固有周波数または振れ幅の倍数、特に熱交換面48またはスートブロワー16の倍数として設定される。
【0036】
ブロック104において、振動測定装置14からの信号は、事象の発生を確立するために、閾値を超える信号について分析する。振動測定装置14からの信号は、振動測定装置14の位置におけるボイラーシステム10の振動の周波数、振れ幅、または周波数と振れ幅の両方に対応する。事象は、閾値を超える振動測定装置14からの信号として識別されてもよい。一実施形態では、事象は、統計的分析によって決定されるように、閾値を有意に超える信号である。別の実施形態では、事象は、既定の値またはパーセンテージによって閾値を超える信号である。
【0037】
ブロック106において、ノズル28の位置は、事象の発生時に特定される。一実施形態では、ノズルの位置は、スートブロワー16のストローク中にイベントの発生の時間を記録し、その時間をノズル28の位置と相互関連させることによって、特定してもよい。回転および変位測定センサの使用など、事象の発生時にスートブロワー16のノズル28の位置を特定する他の方法を用いてもよい。
【0038】
ブロック108において、事象の発生時におけるノズルの位置は、潜在的な堆積物の位置として記録される。
【0039】
図4に示す分析プロセス100は、ボイラーシステム内外へのスートブロワー16の各ストロークごとに繰り返されてもよい。一実施形態では、第1のストロークで記録された潜在的な堆積物の位置は、第2のストロークで記録された潜在的な堆積物の位置と比較される。第1のストロークで記録された潜在的な堆積物の位置が、第2のストロークで記録された堆積物の潜在的な位置の付近にあるかまたは同じである場合、その位置における堆積物の存在が確認されたと判断されてもよい。いくつかの実施形態では、スートブロワー16は、途中で、ボイラーシステムへの通り道における同じ螺旋経路に従わなくなる。そのような実施形態では、第1のストロークで記録された堆積物は、第2のストロークに対して記録されないことがある。加えて、挿入中の、放出された高圧流体から生じるスートブロワー16の力は、抜き取り中のスートブロワー16の力とは異なってもよい。したがって、第1のストロークで検出され得る堆積物は、第2のストロークにおいて検出されないことがある。
【0040】
図5は、4つのスートブロワー(A,B,CおよびD)の動作中のボイラーシステムの対向する位置(位置IおよびII)において2つの振動測定装置14を用いて収集された例示的なフィールドデータを示す。位置Iはスートブロワーの進入ポイントと同じボイラー側にあり、場所IIはボイラーの反対側にある。
【0041】
図5の下側の出力記録は、作動中にスートブロワー16の回転を駆動するモータの電流を示す。スパイク53は、モータの回転を開始するのに必要な増大した抵抗によって生じる、領域A,B,C,Dにおけるスートブロワー16の動作中のモータの電流の変化を反映したものである。スートブロワーAから収集されたデータを参照すると、約16470秒を始点として、上方向の矢印52は、熱交換器48の間の領域Aにおけるランスチューブ26の挿入を示し、下方向の矢印54は、ランスチューブ26の引き込みを示す。各矢印52,54の高さは、ボイラー12内のランスチューブ26のノズル28の相対位置を示す。例えば、最も高さが小さい矢印52は、ノズル28が部分的に挿入されたことを示し、下部パネルにおける最も高さが大きい矢印52は、ノズル28がボイラー12に完全に挿入されたことを示す。同様に、最短の高さを有する矢印54は先端が完全に後退されたことを意味し、最大の高さを有する矢印54は完全に挿入されたことを示す。
【0042】
熱交換器の表面48上の堆積物20の除去および/または検出のためにボイラーシステム内をランスチューブが移動する間、振動測定装置14は、位置IおよびIIにおいて、熱交換器の表面48の振れ幅および/または周波数の変化として、熱交換器の表面48の移動を測定する。
【0043】
振れ幅プロファイルA’は、位置Aでのスートブロワーの動作中に、位置Iにおける振動測定装置14によって収集された大きな周波数範囲にわたるRMS振れ幅データを示す。いくつかの弱いスパイク60および強いスパイク62を除けば、プロファイルデータの振れ幅は概して高さにおいて一定である。一定の高さの振れ幅は、スートブロワー16からスプレーされる高圧流体24が熱交換器の表面48に付着した実質的な堆積物と接触していないことを示しており、これは、スートブロワー16が堆積物20を熱交換器48の表面から完全に除去していることを意味すると判断されてもよい。振れ幅データはまた、スートブロワー16の挿入中に減少する傾向があり、抽出の間に増加する傾向がある。特定の理論に拘束されることなく、下向きの傾向は、スートブロワー16が振動測定装置14から離れる方向に移動していることを示唆しており、上向きの傾向は、スートブロワー16が振動測定装置14に向かって移動していることを示唆する。振動測定装置14によって検出された一定の振れ幅は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの閾値を確立するよう使用されてもよい。閾値を下回る振れ幅信号は、堆積物が熱交換器の表面48上に蓄積していないことあるいは堆積物20が効果的に除去されたことを示すことができ、かつ閾値を超える振れ幅信号は、熱交換器の表面48上に効率的に除去されていない残留堆積物20が存在することを示すことができる。したがって、一実施形態では、振動データは、熱交換器の表面48上の堆積物20の存在を示す閾値よりも大きい振れ幅を識別するために分析される。スパイク60,62は閾値よりも大きく、これは熱交換器の表面上に残留する潜在的な堆積物が存在する可能性があることを示している。
【0044】
スパイク60,62は、熱交換器22とスートブロワー16との間の相互作用またはボイラー12の発火速度などの、様々な手段によって時折引き起こされる突発的な衝撃音から生じる異常として判断されてもよい。なおノズル28が共通の位置を通過する間に、所定の期間にわたって繰り返し発生するスパイク60,62は、共通の位置において堆積物20が高く蓄積しているを示してもよい。この場合、スパイク60,62は、こうした特定の位置へ向けて洗浄動作を配向する必要があることを示している。特定の位置に堆積物20がより蓄積しやすいと判断された場合、オペレータは、特定のスートブロワー16で洗浄プロセスの予定を決め、定期的にこれらの位置を洗浄することができ、それによってボイラーシステム10の動作効率を改善することができる。
【0045】
図5に示すように、位置IIにおける振動振れ幅プロファイルA”および振動測定装置14を参照すると、振れ幅プロファイルA”は、わずかな小さなスパイクを除いて、比較的一定であることがわかる。しかしながら、振れ幅プロファイルA”の興味深い態様は、領域IIにおける振動測定装置14が位置Aにおけるボイラー12の反対側に位置することであり、したがって、プロファイルA”の形状がプロファイルA’の形状とほぼ逆になることである。例えば、振れ幅プロファイルA’は凹形であり、一方で振れ幅または周波数プロファイルA”は凸形である。振動測定装置14の位置Iが、ボイラー12のうちスートブロワー16のための挿入ポイントと同じ側におけるボイラー12の領域Aに対応するが、位置IIにおける振動測定装置14は領域Aにおけるボイラー12の反対側に配置されているため、振れ幅プロファイルの形状は異なっている。ボイラー内の位置B,C,Dにおけるスートブロワー16およびそれらのそれぞれの振動振れ幅プロファイル(B’,B”)、(C’,C”)および(D’,D”)に関しても同様である。
【0046】
実際には熱交換器22はいくつかの区画に分割されており、区画はそれぞれ、互いに通信する複数のスートブロワー16および振動測定装置14を有する。各区画内の振動測定デバイス14は、その区画内のすべてのスートブロワー16と通信する。これは、その区画における複数の振動測定装置14のうちの少なくとも1つによって振動信号が確実に拾い上げられるようにするのに役立つ。
【0047】
図5の別の態様には強いスパイク64,66,68,70が存在しており、これらスパイク64,66,68,70は、重要な情報をボイラー12のオペレータに対して明らかしてもよい。まず、これらのスパイク64,66,68,70は、恐らく地震あるいはスートブロワー16に突然何らかの物体が衝突することから生じる異常があったと判断されてもよい。なお、上述したように、スートブロワー16の動作中に所定の期間にわたって同じ位置でこうしたスパイクが繰り返し発生する場合、スパイクは、これらの特定の位置で堆積物20が蓄積しているを示している。スパイク64および66が高い堆積物20が蓄積した結果であると仮定すると、堆積物20を除去するために、その位置において、スートブロワーのランスチューブ26におけるノズル28からの流れ特性を増加させるべきである。例えば、スパイク64および66に関連する熱交換器の表面48の位置は、堆積物20を除去するために、より多くの量の高圧流体24を必要とすることがあり、あるいは、高圧流体24は、増加した流量でまたはより大きな力でそれらの位置で熱交換器表面48に衝突することが必要となることがある。一方で、スパイク68および70はそれぞれ、スートブロワー16のイン・ストロークにおいて一時的にのみ現れ、アウト・ストロークには現れない。これらのデータは、これら2つの位置における潜在的な堆積物が既存のプロトコルによって適切に除去されていることを示唆している。これらのデータはまた、ストローク上のスートブロワー16の経路が、アウトストロークにおけるスートブロワーの経路とわずかに異なること、および経路内で識別された堆積物が、アウトストローク上で識別できないことも示唆できる。
【0048】
図6は、スートブロワー16に結合された振動測定装置14を用いて、特にスートブロワー16を外部支持構造88に取り付けるブラケット84の1つの付近においてスートブロワー16のフード82に取り付けられた振動測定装置14を用いて、収集された例示的なフィールドデータを示す。スパイク90,92,94および96は、堆積物をシミュレートするために熱交換器の表面に取り付けられた試験プレートの存在を示す。これらのデータは、ランスチューブ26の挿入ストローク中に得られたものである。
【0049】
図4図5および図6を参照すると、特定のスートブロワー16によって供給される周波数または高圧流体出力が、それぞれの振動測定値にしたがって調整され得ることに留意されたい。ボイラーのオペレータは、個々のスートブロワー16またはスートブロワー16のグループに関連する領域の熱交換器22における振動の差異を検討することによって、最も多くの堆積物20が蓄積したかまたは付着物が発生しているボイラー12の位置の理解を深めることができる。この情報は、堆積物20を除去するのに必要な高圧流体24の量のみを用いて付着物を低減してボイラー12の効率性を向上させるために、動作周波数または特定のスートブロワー16に供給される高圧流体出力を確立するために使用されてもよい。この情報は、特定の場所における付着物を減らすべく、ボイラー12の状態または構成を調節するために使用されてもよい。例えば、この情報は、付着物を減少させるべくボイラー12のデザインを改善するために、あるいは、付加的なまたは低減された付着物防止機構のためにボイラー12内の位置を特定するために使用されてもよい。
【0050】
堆積物検出装置18(図1)は、振動測定装置からの信号を受け取り、かつ1つまたは複数の熱交換器の表面48上に配置された堆積物20に基づいてスートブロワーのランスチューブ26の動作を任意選択的に制御してもよい。堆積物検出装置18はまた、洗浄を目的としてではなくスートブロワーの過熱を防止する目的で蒸気が使用される場合に、挿入ストロークおよび後退ストロークの洗浄部分の間、および挿入ストロークおよび後退ストロークの冷却部分の間に、熱交換器の表面48に供給される高圧流体24の量または熱交換器の表面48への高圧流体24の流量を制御する。堆積物検出装置18は、一般的に処理ユニットおよびメモリ装置を含む。堆積物検出装置18は、説明されたタスクを実行するようにプログラムされたコンピュータ(図示せず)として実現されてもよい。堆積物検出装置18はまた、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実現されてもよい。メモリは、処理ユニットが本明細書に記載のデータ分析を実行するようにコンピュータが読み込み可能な命令でコード化されてもよい。
【0051】
堆積物検出装置18は、スートブロワー16のストロークを開始および停止させるためにスートブロワーのランスチューブ26に制御信号を提供する集積デバイス30と通信してもよい。したがって、集積デバイス30は、スートブロワー16の各々の使用頻度を制御することができる。集積デバイス30はまた、個々のスートブロワー16またはスートブロワー16のグループがそれらのストロークの特定の位置にある場合を示す信号をデータ取得システム(図示せず)に提供してもよい。例えば、集積デバイス30は、特定のスートブロワー16が所定のストロークを開始する場合および特定のスートブロワー16がそのストロークを終了する場合に、データ取得システムに信号を提供してもよい。さらに、集積デバイス30は、ストロークの挿入部分および後退部分を示してもよい。データ取得システムは、特定のスートブロワー16のストロークの開始時および終了時にあるいはその開始時および終了時の付近で振動測定装置14からの振動測定値を特定するために、特定のスートブロワー16のストロークの開始および終了を示す信号を利用してもよい。次に、堆積物検出装置18は、個々のスートブロワー16または一群のスートブロワー16に関連する振れ幅または周波数データをコントロールするために、統計的手法を実施してもよい。動的加速度、速度、または変位データなどの振動特性は、スートブロワー16の動作に適した周波数またはスートブロワー16の高圧流体24の出力を選択するために使用することができる。
【0052】
データ取得システムは、一般的に、処理ユニットとメモリデバイスとを含む。データ取得システムは、説明されたタスクを実行するようにプログラムされたコンピュータ(図示せず)として実現されてもよい。データ取得システムはまた、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実現されてもよい。メモリは、処理ユニットに本明細書に記載されたデータ分析を実行させるコンピュータが読み込み可能な命令でコード化されてもよい。データ取得システムは、スタンドアロン装置であってもよいし、堆積物検出装置18または集積デバイス30の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、堆積物検出装置18、集積デバイス30、およびデータ取得システムは、単一のユニット内で組み合わされる。堆積物検出装置18および集積デバイス30の位置および構成は、一般的なコンピューティング技術にしたがってフレキシブルなものであることを理解されたい。
【0053】
その測定された性能に基づいて、個々のスートブロワー16またはスートブロワー16のグループに関する周波数または高圧流体24の使用を選択することによって、スートブロワー16によって利用される高圧流体24の量が全体的に低減されて、スートブロワー16の有効性が向上される。この技術は、ボイラーシステム10が同じ高圧流体24の出力に対してより少ない燃料を消費することを可能にするか、または詰まりに起因する(予定された、または予定外の)停止を伴わずに、より長く作動することを可能にするボイラー12の全体的な効率を改善することができる。
【0054】
再び図2を参照すると、別の実施形態では、熱交換器の表面48からの堆積物20の除去を検出するために、振動測定装置14を使用してもよい。1つ以上の振動測定装置14は、例えばボイラーのフロア40において、ハンガーロッド32において、またはボイラーの屋根38において、ボイラー12に結合される。振動測定装置14は、例えば、加速度計を含んでもよい。堆積物20が実質的な質量まで大きくなると、堆積物20は、熱交換器の表面48から放出されることがある(または剥がれ落ちることがある)。この下落した堆積物80は一般的にクリンカーと称される。堆積物20が熱交換器の表面48から離れると、表面から堆積物の塊を下落させることによって熱交換器の表面の反作用力から生じるように、下落した堆積物80が落下する位置における熱交換器の表面48の振動が変化する。このように、ハンガーロッド32またはボイラー屋根38に結合された振動測定装置14が、下落した堆積物80に起因する振動を検出すると、検出された振動は、剥がれ落ちた堆積物80が落下した場所を示す。加えて、下落した堆積物80の落下に応答して振動測定装置14によって測定された振動が大きいほど、落下した堆積物80のサイズが大きくなる。
【0055】
代替的に、振動測定装置14は、堆積物が落下した際に落下した堆積物によって衝撃が与えられるボイラーフロア40またはボイラーシステム内の他の構造物に落下した堆積物80が衝突することによって生じるボイラー構成要素の振動を検出してもよい。落下した堆積物80は妨げられない限りまっすぐ落下する傾向があるので、最も強い振動を検出する振動測定装置14は、剥がれ落ちた堆積物80が落下する熱交換器の表面48の一般的な領域を示す。
【0056】
落下した堆積物80を検出するこの実施形態は、熱交換器の表面48上の堆積物20の蓄積をモニタリングするために、上述の方法とは別にまたは当該方法と組み合わせて使用することができる。例えば、落下した堆積物80が存在することは、熱交換器の表面48上の特定の位置が、熱交換器の表面48上の他の位置よりも早く堆積物20を蓄積することを示すことを示すか、または特定のスートブロワー16が他のスートブロワー16ほど効果的に洗浄していないことを示してもよい。
【0057】
本発明はその特定の実施形態の説明によって例示されており、これら実施形態はかなり詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限したり限定したりするようには意図されていない。本明細書に記載される様々な特徴は、単独で、または任意の組み合わせで用いてもよい。さらなる利点および変更は当業者であれば容易に理解し得るだろう。したがって、より広範な態様における本発明は、例示されかつ説明された特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに例示的な例に限定されない。それゆえ、本願の装置は、概略的な本発明のコンセプトの範囲または趣旨から逸脱することなく、そうした詳細から形成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 ボイラーシステム
12 ボイラー
14 振動測定装置
16 スートブロワー
18 堆積物検出装置
20 堆積物
22 熱交換器
24 高圧流体
26 ランスチューブ
28 ノズル
30 集積デバイス
32 ハンガーロッド
34 頭上ビーム
36 ヘッダー
38 ボイラー屋根
40 ボイラーフロア
48 熱交換器表面
76 モーター
78 レール
80 堆積物
82 フード
84 ブラケット
88 外部支持構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6