特許第6251905号(P6251905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251905
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】車両前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20171218BHJP
   B60R 19/24 20060101ALI20171218BHJP
   B60R 19/38 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   B62D25/08 D
   B60R19/24 N
   B60R19/38 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-65228(P2014-65228)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-186969(P2015-186969A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】井田 拓良
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−256171(JP,A)
【文献】 特開2006−168539(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0115664(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
B60R 19/24
B60R 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に設けられるエンジンと、前記エンジンの車両前方側に設けられて燃料が流通するデリバリーパイプとを備えた車両前部構造であって、
前記デリバリーパイプの車両前方側に設けられるアッパーバーと、前記アッパーバーの車両前方側かつ車両下方側に設けられるバンパーリンフォースと、前記バンパーリンフォースの車両下方側かつ車両後方側で、かつ前記アッパーバーの車両前方側に設けられるバンパービームと、前記アッパーバーと前記バンパーリンフォースとを連結する第一の連結部材と、前記バンパービームと前記第一の連結部材とを連結する第二の連結部材とを備え、
前記第一の連結部材と前記第二の連結部材との接合部が、前記アッパーバーの車両下方側かつ車両前方側であって、前記バンパーリンフォースの車両上方側かつ車両後方側に位置し、衝撃荷重により外れる
ことを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
前記第一の連結部材または前記第二の連結部材の少なくとも一方が、車両後方側へ向かって車両上方側へ傾斜する傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記第二の連結部材が、車両後方側に開口する切り欠き部を有し、前記切り欠き部にボルトを通して前記第一の連結部材と接合される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前部構造に関し、詳細には、車両前方側からの衝突時における燃料の流出を防止する車両前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は多数の部材から形成されており、例えば、車両前方部の、骨格部品としてのアッパーフレーム、フロントサイドメンバ、バンパービーム、およびフロントクロスメンバ、外板部品としてのフロントフードやバンパー、骨格部品に連結されて外板部品を支持する支持部材としてのアッパーバーやバンパーリンフォースなどが備えられている。
【0003】
これら車両前方部に備えられた種々の部材は、車両前方側から障害物と衝突した際に変形することにより、衝突による荷重(衝撃荷重)を吸収するようになっている。このように、衝撃荷重を吸収することにより、乗員等の安全を確保すると共に、車両前方部にエンジンを搭載する自動車においては、エンジンの前方側に配設される部材の変形によってエンジン等の損傷を防止している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4958753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、車両前方部にエンジンを搭載する自動車においては、変形した部材がエンジンに燃料を供給するためのデリバリーパイプと干渉し、デリバリーパイプが損傷することがある。デリバリーパイプが損傷することによって、燃料が流出してしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、車両前方側からの衝突時において、部材の変形によって衝撃を吸収すると共にデリバリーパイプの損傷を回避して燃料の流出を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する第一の発明に係る車両前部構造は、車両前部に設けられるエンジンと、前記エンジンの車両前方側に設けられて燃料が流通するデリバリーパイプとを備えた車両前部構造であって、前記デリバリーパイプの車両前方側に設けられるアッパーバーと、前記アッパーバーの車両前方側かつ車両下方側に設けられるバンパーリンフォースと、前記バンパーリンフォースの車両下方側かつ車両後方側で、かつ前記アッパーバーの車両前方側に設けられるバンパービームと、前記アッパーバーと前記バンパーリンフォースとを連結する第一の連結部材と、前記バンパービームと前記第一の連結部材とを連結する第二の連結部材とを備え、前記第一の連結部材と前記第二の連結部材との接合部が、前記アッパーバーの車両下方側かつ車両前方側であって、前記バンパーリンフォースの車両上方側かつ車両後方側に位置し、衝撃荷重により外れることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する第二の発明に係る車両前部構造は、第一の発明に係る車両前部構造において、前記第一の連結部材または前記第二の連結部材の少なくとも一方が、車両後方側へ向かって車両上方側へ傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第三の発明に係る車両前部構造は、第一または第二の発明に係る車両前部構造において、前記第二の連結部材が、車両後方側に開口する切り欠き部を有し、前記切り欠き部にボルトを通して前記第一の連結部材と接合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第一の発明に係る車両前部構造によれば、車両に対して車両前方側から障害物が衝突した際に、障害物がバンパーリンフォースと接触すると、バンパーリンフォースおよび第一の連結部材が車両後方側へ押し込まれるように変形する。このとき、第一の連結部材と第二の連結部材との接合部は衝撃荷重によって外され、バンパーリンフォースおよび第一の連結部材だけが車両後方側へ移動することとなる。そして、第一の連結部材と第二の連結部材との接合部が、アッパーバーの車両下方側かつ車両前方側であって、バンパーリンフォースの車両上方側かつ車両後方側に位置しているので、第一の連結部材は、第二の連結部材に干渉しながら車両後方側へ移動することとなり、第二の連結部材との干渉によって、第一の連結部材における車両後方側の端部すなわちアッパーバーとの連結部が車両上方側へ押し上げられる。よって、アッパーバーは、デリバリーパイプよりも車両上方側へ押し上げられることになるので、アッパーバーとデリバリーパイプとの干渉を回避することができる。つまり、車両前方からの衝突時に、デリバリーパイプが損傷することによる燃料の流出を防ぐことができる。
【0011】
第二の発明に係る車両前部構造によれば、車両に対して車両前方から障害物が衝突した際に、第一の連結部材と第二の連結部材とが傾斜面で当接することにより、第一の連結部材における車両後方側すなわちアッパーバーとの連結部が車両上方側へ押し上げられるように変形しやすいので、アッパーバーを確実に車両上方側へ押し上げることができる。すなわち、アッパーバーとデリバリーパイプとの損傷を回避して、デリバリーパイプが損傷することによる燃料の流出を確実に防ぐことができる。
【0012】
第三の発明に係る車両前部構造によれば、車両後方側に開口する切り欠き部にボルトを通して第一の連結部材と第二の連結部材とを接合するだけなので、第一の連結部材と第二の連結部材との衝撃荷重によって外れる(着脱可能な)接合を簡易な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1に係る車両前部構造を示す概略斜視図である。
図2A】衝突前の実施例1に係る車両前部構造の車両幅方向略中央部(バンパーリンフォースステーとフードロックステーとの接合部)を示す部分断面図である。
図2B】衝突後の実施例1に係る車両前部構造の車両幅方向略中央部(バンパーリンフォースステーとフードロックステーとの接合部)を示す部分断面図である。
図3A】衝突前の実施例1に係る車両前部構造におけるバンパーリンフォースステーとフードロックステーとの接合部を示す説明図である。
図3B】衝突後の実施例1に係る車両前部構造におけるバンパーリンフォースステーとフードロックステーとの接合部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る車両前部構造の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1に係る車両前部構造について、図1から図3Bを参照して説明する。
【0016】
本実施例に係る車両前部構造は、車両1が車両前方側から障害物100と衝突した際に、エンジン10の図示しないシリンダ部に燃料を供給するためのデリバリーパイプ11が損傷しないようにするものであり、デリバリーパイプ11の損傷を回避することによって衝突時における燃料の流出を防止するものである(図1参照)。
【0017】
本実施例に係る車両前部構造を備えた車両1は、フロント部(車両前方部)に駆動源であるエンジン10を備え、エンジン10の前方側に図示しないフロントフード(エンジンフード)を支持するアッパーバー12と、図示しないバンパーを支持するバンパービーム13と、バンパービーム13を補強するバンパーリンフォース14とを備えている。
【0018】
アッパーバー12は、図示しない骨格部品である左右一対のアッパーフレームを連結する部材であり、エンジン10におけるデリバリーパイプ11と略同じ高さにおいて車両幅方向に延設されている。図2Aに示すように、アッパーバー12は、車両上方側(図2Aにおける上方側)に位置して車両前後方向(図2Aにおける左右方向)に延びる上壁部21と、上壁部21における車両前方側(図2Aにおける左方側)の端縁部から車両下方側(図2Aにおける下方側)へ延びる前壁部22と、上壁部21における車両後方側(図2Aにおける右方側)の端縁部から車両下方側へ延びて前壁部22と対向配置される後壁部23とから構成され、車両下方側が開口した略コ字形状の開断面で形成されている。
【0019】
バンパービーム13は、図示しない骨格部品である左右一対のサイドメンバを連結する部材であり、アッパーバー12の車両下方側かつ車両前方側であってバンパーリンフォース14の車両下方側かつ車両後方側に位置して図示しないバンパーと略同じ高さにおいて車両幅方向に延設されている。バンパービーム13は、当接された二つの分割ビーム部材30a,30bが溶着されて成り、中空状に形成されている。
【0020】
バンパービーム13の車両前方側に位置する分割ビーム部材(第一分割ビーム部材)30aは、車両前方側に位置して車両上下方向に延びる前壁部31aと、前壁部31aにおける車両上方側の端縁部から車両後方側へ延びる上壁部32aと、前壁部31aにおける車両下方側の端縁部から車両後方側へ延びる下壁部33aと、上壁部32aにおける車両後方側の端縁部から車両上方側へ延びる上合わせ部34aと、下壁部33aにおける車両後方側の端縁部から車両下方側へ延びる下合わせ部35aとから構成され、中央の前壁部31aが車両前方側へ突出した断面略ハット形状で形成されている。
【0021】
バンパービーム13の車両後方側に位置する分割ビーム部材(第二分割ビーム部材)30bは、第一分割ビーム部材30aと車両前後方向に対称となるように構成される。すなわち、第二分割ビーム部材30bは、車両後方側に位置して車両上下方向に延びる後壁部31bと、後壁部31bにおける車両上方側の端縁部から車両前方側へ延びる上壁部32bと、後壁部31bにおける車両下方側の端縁部から車両前方側へ延びる下壁部33bと、上壁部32bにおける車両前方側の端縁部から車両上方側へ延びる上合わせ部34bと、下壁部33bにおける車両前方側の端縁部から車両下方側へ延びる下合わせ部35bとから構成され、中央の後壁部31bが車両後方側へ突出した断面略ハット形状で形成されている。
【0022】
バンパーリンフォース14は、バンパービーム13と図示しない支持部材を介して連結される部材であり、アッパーバー12の車両前方側かつ車両下方側であってバンパービーム13の車両上方側かつ車両前方側において車両幅方向に延設されている。バンパーリンフォース14は、車両上方側に位置して車両前後方向に延びる上壁部41と、上壁部41における車両前方側の端縁部から車両下方側へ延びる前壁部42と、上壁部41における車両後方側の端縁部から車両下方側へ延びる後壁部43と、前壁部42における車両下方側の端縁部から車両前方側へ延びる前フランジ部44と、後壁部43における車両下方側の端縁部から車両後方側へ延びる後フランジ部45とから構成され、上壁部41が車両上方側へ突出した略ハット形状の開断面で形成されている。
【0023】
また、アッパーバー12およびバンパーリンフォース14の車両幅方向略中央部には、アッパーバー12とバンパーリンフォース14とを連結するバンパーリンフォースステー(第一の連結部材)15が備えられている(図1参照)。バンパーリンフォースステー15は、図2Aに示すように、一端(車両前方側の端部)がバンパーリンフォース14の後壁部43に溶着されて車両後方側へ向かって車両上方側に傾斜して延びる傾斜部(傾斜面)51と、傾斜部51の他端(車両後方側の端部)から車両上方側に延びてアッパーバー12の前壁部22に当接して溶着される当接部52とから構成され、断面略へ字形状で形成されている。
【0024】
また、バンパービーム13における車両幅方向略中央部すなわちバンパーリンフォースステー15に対応する位置には、図示しないフロントフードを閉扉した際にロックする図示しないロック機構を設けるためのフードロックステー(第二の連結部材)16が備えられている(図1参照)。フードロックステー16は、図2Aに示すように、車両上下方向に延びてバンパービーム13における第二分割ビーム部材30bの後壁部31bと当接して溶着される当接部61と、当接部61における車両上方側の端縁部から車両後方側へ向かって車両上方側に傾斜して延びてバンパーリンフォースステー15の傾斜部51と当接して接合される接合部(傾斜面)62とから構成され、断面略へ字形状で形成されている。
【0025】
ここで、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16との接合は、通常時には固定される一方で車両衝突時に解除され得るものであり、本実施例においては、ボルト17およびナット18による機械的締結手段を採用している。
【0026】
具体的には、図3Aに示すように、バンパーリンフォースステー15の傾斜部51にボルト17を挿通するための挿通孔51aを形成すると共に、フードロックステー16の当接部62にボルト17を挿通可能かつ車両後方側(図3Aにおける右方側)へ開口する切り欠き部(切り欠き状の穴)62aを形成している。そして、バンパーリンフォースステー15の挿通孔51aおよびフードロックステー16の切り欠き部62aにボルト17を挿通させ、挿通させたボルト17の先端側からナット18をねじ込むことにより、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16とを固定している。
【0027】
このように、フードロックステー16の切り欠き部62aにボルト17を挿通させてバンパーリンフォースステー15とフードロックステー16とを固定しているので、車両衝突時すなわちバンパーリンフォースステー15に車両前方側(図3Aにおける左方側)からの衝撃荷重が作用した場合には、バンパーリンフォースステー15が車両後方側へ押し込まれると共に、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16とを固定していたボルト17がフードロックステー16の切り欠き部62aから車両後方側へ抜け、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16との固定が解除されるようになっている。
【0028】
もちろん、本発明における締結手段は、本実施例のように、挿通孔51aと切り欠き部62aとにボルト17を通してナット18を締め付けてなるものに限定されない。例えば、ボルト17およびナット18の代わりにリベットなど種々の締結手段を採用することができ、また、ボルトおよびナットやリベット等の締結手段を用いずに傾斜部51の傾斜に沿った方向のみに摺動可能な係合部を設けることにより、車両上下方向の移動を制限しつつ、車両前方側からの衝撃荷重が作用した際には、係合部が摺動することにより、接合が解除されるようにしても良い。
【0029】
また、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16との接合部は、アッパーバー12の車両下方側かつ車両前方側であって、バンパーリンフォースステー15の車両上方側かつ車両後方側に位置させる。このような配置とすることにより、後述する衝突時の動作において、バンパーリンフォースステー15の車両後方側の端部すなわち当接部52が車両上方側へ押し上げられ、アッパーバー12が同様に車両上方側へ押し上げられるように変形させることができる。
【0030】
本発明の実施例1に係る車両前部構造における衝突時の動作について、図1から図3Bを参照して説明する。
【0031】
車両1に対して車両前方側から障害物100が衝突した際には、障害物100はバンパーリンフォース14と接触してバンパーリンフォース14に衝撃荷重が伝達し、バンパーリンフォース14は車両後方側へ押し込まれるように変形する(図1および図2A参照)。
【0032】
このとき、バンパーリンフォース14と連結されたバンパーリンフォースステー15は、挿通孔51aを介して取り付けられたボルト17およびナット18と共に車両後方側へ押し込まれる(図3Aおよび図3B参照)。そして、フードロックステー16の切り欠き部62aは、衝撃荷重の伝達方向と同じ車両後方側へ開口しているので、ボルト17は、切り欠き部62a内を車両後方側すなわち開口部へ向けて摺動する。よって、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16との締結は解除される。
【0033】
つまり、車両前方側からの衝撃荷重によってバンパーリンフォース14が車両後方へ押されるように変形すると、バンパーリンフォースステー15が車両後方へ移動する一方で、バンパーリンフォースステー15とフードロックステー16との接合が解除される(外れる)。
【0034】
バンパーリンフォースステー15は、フードロックステー16との接合が解除されても、傾斜部51がフードロックステー16の接合部62と接触した状態である。よって、バンパーリンフォースステー15は、衝撃荷重によって車両後方側へ押されて移動すると、フードロックステー16の接合部62との接触(干渉)によって、車両後方側の端部すなわち当接部52が車両上方側へ押し上げられるようにして車両後方側へ移動する(図2B参照)。
【0035】
つまり、バンパーリンフォースステー15の当接部52と溶着されたアッパーバー12は、バンパーリンフォースステー15の挙動によって、車両上方側へ押し上げられるように車両後方へ移動する。なお、バンパーリンフォースステー15が車両上方側へ押し上げられるようにして車両後方側へ移動し易くするためには、バンパーリンフォースステー15の傾斜部51またはフードロックステー16の接合部62の少なくとも一方が、車両後方側へ向かって車両上方側へ傾斜する傾斜面であれば良い。
【0036】
アッパーバー12は、アッパーバー12と同程度の車両高さ位置に設置されたエンジン10におけるデリバリーパイプ11よりも車両上方に押し上げられた状態で車両後方へ移動するので、アッパーバー12がその後方に設置されたエンジン10のデリバリーパイプ11に接触することはない。
【0037】
以上のようにして、本実施例に係る車両前部構造によれば、車両1に対して車両前方から障害物100が衝突した際に、アッパーバー12は車両上方へ押し上げられるように車両後方へ押し込まれるので、アッパーバー12と同程度の車両高さ位置に設置されたデリバリーパイプ11との接触、すなわち、デリバリーパイプ11の損傷を回避することができる。つまり、車両前方からの衝突時に、デリバリーパイプ11が損傷することによる燃料の流出を確実に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 車両
10 エンジン
11 デリバリーパイプ
12 アッパーバー
13 バンパービーム
14 バンパーリンフォース
15 バンパーリンフォースステー(第一の連結部材)
16 フードロックステー(第二の連結部材)
17 ボルト
18 ナット
100 障害物
図1
図2A
図2B
図3A
図3B