特許第6251908号(P6251908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251908
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】放熱フレーム構造及びそれの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20171218BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20171218BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H01L23/36 D
   H01L33/64
   H05K7/20 B
   H01L23/36 C
   H01L23/28 D
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-156733(P2016-156733)
(22)【出願日】2016年8月9日
(65)【公開番号】特開2017-45986(P2017-45986A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2016年8月9日
(31)【優先権主張番号】104128119
(32)【優先日】2015年8月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516240695
【氏名又は名称】▲みん▼辰科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】陳 立夫
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−192462(JP,U)
【文献】 特開2005−353914(JP,A)
【文献】 特開2013−254626(JP,A)
【文献】 特開2000−183406(JP,A)
【文献】 特開2002−176203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 23/28
H01L 33/64
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱フレーム構造において、
一部が発熱体と接触する金属板組立部品と、
前記金属板組立部品と結合することで、前記金属板組立部品を介した前記発熱体からの熱を受けるプラスチック合成物と、
を含み、
前記金属板組立部品は、一部が前記発熱体と接触の第一の金属板と、一部が前記発熱体と接続の第二の金属板とを含み、
前記第一の金属板は、前記発熱体と接触の部分と、囲繞部と、第一の電極部とを含み、
前記囲繞部は、細長い金属板を折り曲げることで、短手方向から見るとき円形であるものに形成されていることを特徴とする放熱フレーム構造。
【請求項2】
前記第一の金属板の前記囲繞部は、細長い金属板を長手方向における両端が重なるように折り曲げることで形成され、且つ前記重なった部分は固定されていることを特徴とする請求項に記載の放熱フレーム構造。
【請求項3】
前記第二の金属板は、L字形となっており、第二の電極部と、第二の電極部と垂直である前記発熱体と接続の部分とを含み、
前記第二の金属板の前記発熱体と接続の部分の面内方向は、前記第一の金属板の前記発熱体と接触の部分の面内方向と平行し、
前記第二の金属板の前記第二の電極部は、前記第一の金属板の囲繞部に囲繞されることを特徴とする請求項に記載の放熱フレーム構造。
【請求項4】
前記プラスチック合成物は、固定溝を有するように形成されることを特徴とする請求項に記載の放熱フレーム構造。
【請求項5】
前記プラスチック合成物は、固定穴を有するように形成されることを特徴とする請求項に記載の放熱フレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱フレーム構造及びそれの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のパッケージ構成では、フレーム型パッケージがあり、それは大電力の発光ダイオードダイをベースに配置してパッケージ成形し、そしてパッケージングした大電力の発光ダイオードをアルミ板に溶接して基本的な放熱をし、次にアルミ板付きの大電力の発光ダイオードを放熱板と結合するものである。ここで、このようなフレーム型パッケージでは、発光ダイオードダイを先に大電力のベースにパッケージングして、導電ペーストにより銅箔表面と接触させ、さらにFR4(エポキシ樹脂ガラス繊維)アルミ板により、導電ペーストと放熱基板の結合で放熱をするようになっている。
【0003】
このようなフレーム型パッケージでは、一般的に体積が小型となるため、通常1〜3Wを選択してパッケージングし、アルミ板の設計を合わせて、より高いワット数に運用している。7Wのライトボードを例にすると、放熱ベースを50mm*30mmのアルミ押し出し筒とした場合、放熱ベースの温度が70℃と高くなったとき、発光ダイオードに明らかな衰弱が発見され、薄暗いとなり、放熱効果が悪いものとなる。
【0004】
放熱効率がより優良の技術として、近年COB(ChipOn Board)パッケージが発展され、従来のフレーム型パッケージと異なり、COBパッケージは、アルミ板に直接に一つ以上のLEDダイをパッケージングし、そしてアルミ板と放熱板とを結合して放熱をするものである。
【0005】
このようなCOBパッケージにおいて、7Wのライトボードを例にすると、放熱ベースを50mm*30mmのアルミ押し出し筒とした場合、温度の上限は75℃であり、まだ放熱効率を向上させる余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、例えば大電力の発光ダイオードである発熱体が動作時の熱エネルギーを効果的に且つ迅速に導出させることができ、より優れた性能、長寿命、小型になり、更に用途の幅広さを増やし、且つ使いやすさが向上の放熱フレーム構造及びそれの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述のような目的を達成するため、本発明の一態様は、放熱フレーム構造において、一部が発熱体と接触する金属板組立部品と、金属板組立部品と結合することで、金属板組立部品を介した発熱体からの熱を受けるプラスチック合成物とを含む。
【0008】
金属板組立部品とプラスチック合成物との両方の熱伝導性の結合により、放熱効果が優越となることに加えて、プラスチック合成物を採用した場合の外観、重量、価格、体積における利点を反映することができる。なお、必要に応じて更に他の放熱手段と結合することもできる。
【0009】
また、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含む金属板組立部品とプラスチック合成物との結合は、少なくともインサート成形により達成される。
【0010】
金属板組立部品とプラスチック合成物とを密接に結合させることで、金属板組立部品とプラスチック合成物との間で媒体を介せずに熱伝導をすることによる完全の接触を達成することにより、熱伝導が迅速であり、放熱が最適な効果に至る。
【0011】
また、本発明の一態様における放熱フレーム構造において、固定手段を有する金型においてインサート成形を行う。
【0012】
金属板組立部品とプラスチック合成物との結合が固定手段を有する金型において行われることで、インサート成形時の圧力が過大となることによる金属板組立部品の例えば変形及び位置ずれにより、熱伝導が不均一となり、放熱効果が下がることを防止することができる。なお、必要に応じて、金型において、例えば熱を導出する放熱手段である他の手段を追加することができる。
【0013】
更に、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含む金属板組立部品は、一部が発熱体と接触の第一の金属板と、一部が発熱体と接続の第二の金属板とを含む。
【0014】
金属板組立部品に少なくもと二つの金属板を含ませることにより、例えば正、負極性を分けてショートを防止することができ、例えばLEDダイである発熱体を直接に金属板に放置して熱伝導をすることができ、更に直接に外用電源のプラグとすることができるとともに、多数の機能を達成し、用途の幅広さを増やすことができる。なお、必要に応じて、放熱板の数を変化させることができる。
【0015】
また、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含む第一の金属板は、発熱体と接触の部分と、囲繞部と、第一の電極部とを含む。
【0016】
前述のように、一つの金属板で多数の機能を達成することができ、更に体積を減らしたことにより、放熱フレーム構造の用途の幅広さが大幅に向上される。なお、第一の金属板は、発熱体と接触の部分と、囲繞部と、第一の電極部とを含むことに限定されず、必要に応じて他の部分を含むことができる。
【0017】
また、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含む第一の金属板の囲繞部は、細長い金属板を長手方向における両端が重なるように折り曲げることで、短手方向から見るとき円形であるものに形成され、且つ前記重なった部分は固定されている。
【0018】
前述のように、第一の金属板を、均一に熱伝導をすることができる形状にさせ、また重なった部分を固定することで、第一の金属板はインサート成形時の過大の圧力の影響を受けて変形しやすくなくなる。なお、均一に熱伝導ができるかぎり、必要に応じて、第一の金属板の形状又は固定方式を変化させることができる。
【0019】
更に、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含む第二の金属板は、L字形となっており、第二の電極部と、第二の電極部と垂直である発熱体と接続の部分とを含み、第二の金属板の発熱体と接続の部分の面内方向は、第一の金属板の発熱体と接触の部分の面内方向と平行し、第二の金属板の第二の電極部は、第一の金属板の囲繞部に囲繞される。
【0020】
第二の金属板は、例えば製品適用の場合に外部電源に接続するプラグとすることができるとともに、発熱体からの熱を快速にプラスチック合成物に伝導することに助力することができる。もちろん必要に応じて第二の金属板の形状を変化させ、異なる部分を設計することで、更なる機能を提供することができる。
【0021】
また、本発明の一態様における放熱フレーム構造が含むプラスチック合成物は、固定溝又は固定穴を有するように形成される。
【0022】
固定溝又は固定穴を用いて他の手段と結合することにより、更に機能を拡張することができる。なお、必要に応じて、プラスチック合成物の外形を変化させることができ、固定溝又は固定穴を形成することのみに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態における放熱フレーム構造の透視図である。
図2】本発明の実施形態における放熱フレーム構造の底面図である。
図3A】本発明の実施形態における放熱フレーム構造において、他の手段と結合して放熱をすることを示す概略図である。
図3B】本発明の実施形態における放熱フレーム構造において、他の手段と結合して放熱をすることを示す概略図である。
図3C】本発明の実施形態における放熱フレーム構造において、他の手段と結合して放熱をすることを示す概略図である。
図3D】本発明の実施形態における放熱フレーム構造において、他の手段と結合して放熱をすることを示す概略図である。
図4図1のA−Aでの断面図である。
図5】本発明の実施形態における金属板組立部品の透視図である。
図6】本発明の実施形態における複数の第一の金属板の折曲げ加工を上面から見た概略図である。
図7】本発明の実施形態における単一の第一の金属板の折曲げ加工を示す概略図である。
図8】本発明の実施形態における放熱フレーム構造の製造のフローチャートである。
図9A】本発明の実施形態における金型と金属板組立部品との結合方式を示す平面図である。
図9B】本発明の実施形態における金型と金属板組立部品との結合方式を示す平面図である。
図10】本発明の実施形態におけるインサート成形が行われる器具の断面図である。
図11】本発明の実施形態におけるプラスチック合成物と金属板組立部品との結合の状況を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態における放熱フレーム構造1の透視図である。
【0026】
図1に示すように、放熱フレーム構造1は、金属板組立部品2と、金属板組立部品2を覆うプラスチック合成物3とを含む。ここで、プラスチック合成物3は、金属板組立部品2を完全に覆うのではなく、例えばLEDダイ(ベアチップ)である発熱体と直接に接触させるために、金属板組立部品2の上面を露出させることで、例えばLEDダイである発熱体からの熱を迅速に金属板組立部品にわたって伝導させるようにしている。
【0027】
金属板組立部品2の材質は、熱伝導性が良好な金属のいずれかにすることができ、例えば銀、銅、金、アルミニウム、タングステン等であってもよいし、熱伝導性が良好な金属を含む合金であってもよい。但し、銅は熱伝導性が金、アルミニウム、タングステン等よりも良好であり、且つ銀よりも安価であるため、金属板組立部品の材質を銅にするのが好ましい。銅とした場合、熱伝導率は例えば390〜401W/mK程度になる。
【0028】
プラスチック合成物3については、熱伝導率が例えば11W/mK程度の熱伝導が良好の材料のいずれかが含まれているようにすることができる。本発明の実施形態においては、プラスチック合成物3に例えばポリカーボネイト樹脂及びカーボンブラック(黒リード)複合材等が含まれているものとする。
【0029】
本発明の実施形態においては、金属板組立部品2とプラスチック合成物3との結合により、例えばLEDダイである発熱体について放熱するものとし、これは金属板組立部品2の熱伝導効果とプラスチック合成物3の結合により、一つの完整の放熱フレームをなし、そしてプラスチック合成物3は外観、重量、価格、体積の変動性の点で金属よりも優れ、二つの結合により、放熱性に損失を与えることなく、放熱フレーム構造1の用途の幅広さを増やすことができるためである。
【0030】
なお、同図において、プラスチック合成物3は、固定溝31及び固定穴32を有するように形成されている。固定溝31は、他の固定部品との結合により固定機能を発揮することに加えて、他の金属部品と接触することにより、更に例えばLEDダイである発熱体からの熱について熱伝導をすることで、放熱効果を向上するために利用されることができる。固定穴32は、例えばライトカバーのための固定穴とされ、且つ固定溝31のように、他の金属部品と接触することにより、更に例えばLEDダイである発熱体からの熱について熱伝導をすることで、放熱効果を向上するために利用されることができる。
【0031】
以下、図1図2図3A図3B図3C及び図3Dを参照して、固定溝31及び固定穴32と他の手段との結合により、放熱効果が更に向上されることについて説明する。
【0032】
図2は、本発明の実施形態における放熱フレーム構造1の底面図である。図3A図3B図3C、及び図3Dは、本発明の実施形態における放熱フレーム構造において、他の手段と結合して放熱をすることを示す概略図である。
【0033】
図1及び図2に示すように、放熱フレーム構造1において、複数の温度テストポイントT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7及びT8を設定する。まず、温度テストポイントT1は、放熱フレーム構造1の上面に設定され、温度テストポイントT2、T3、T4及びT5は、放熱フレーム構造1の側面に設定され、温度テストポイントT2とT5とは反対側に設定され、温度テストポイントT3とT4とは反対側に設定され、T6、T7及びT8は、放熱フレーム構造1の固定溝31及び固定穴32が設けられた表面とは異なる面に設定される。テスト結果及びパラメータは、表1に示されているようである。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示されているように、電力消費量が6.753W、700mAである場合、温度テストポイントT6で測定された温度は94.1℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は85.2℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は76.3℃である。電力消費量が7.92W、800mAである場合、温度テストポイントT6で測定された温度は111.2℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は100.3℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は88.4℃である。電力消費量が9.146W、900mAである場合、温度テストポイントT6で測定された温度は125℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は111.6℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は97.3℃である。電力消費量が10.597W、1000mAである場合、温度テストポイントT6で測定された温度は130.8℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は115.9℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は100℃である。
【0036】
次に、図3Aに示すように、2つの5mm*3.5mm*47mmの方形アルミ柱を固定溝31に挿し込んだ後、電力消費量を9.146W、900mAとした場合、温度テストポイントT6で測定された温度は113.7℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は106.7℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は84.7℃であり、温度が明らかに下がったようになる。
【0037】
更に、図3Bに示すように、3つの45mm*3mmの丸型アルミ柱を固定穴32に挿し込んだ後、電力消費量を9.146W、900mAとした場合、温度テストポイントT6で測定された温度は111.8℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は97.3℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は82.3℃であり、温度も明らかに下がったようになる。
【0038】
また、図3Cに示すように、3つの15mm*3mmの丸型アルミ柱を固定穴32に挿し込んだ後、電力消費量を9.146W、900mAとした場合、温度テストポイントT6で測定された温度は113.7℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は106.1℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は86.3℃であり、温度も明らかに下がったようになる。
【0039】
更に、図3Dに示すように、3つの15mm*3mmの丸型アルミ柱を固定穴32に挿し込んだ後、更に60mm*60mm*0.2mmのアルミ板を加えた後、電力消費量を9.146W、900mAとした場合、温度テストポイントT6で測定された温度は109.2℃であり、温度テストポイントT1で測定された温度は99℃であり、温度テストポイントT5で測定された温度は81℃であり、温度が明らかにより下がったようになる。
【0040】
このように、固定溝31及び固定穴32はいずれも、例えば他の金属部品と接触することにより、更に例えばLEDダイである発熱体からの熱について熱伝導をすることで、放熱効果を向上するために用いられることができる。
【0041】
本発明の実施形態において、プラスチック合成物3は、固定溝31及び固定穴32を有するように形成されるが、これらに限定されず、必要に応じて、プラスチック合成物3の外形を変化させることができる。
【0042】
以下、図4及び5を参照して、本発明の実施形態における金属板組立部品2について更に説明する。
【0043】
図4は、図1のA−Aでの断面図である。図5は、本発明の実施形態における金属板組立部品2の透視図である。
【0044】
図4及び5に示すように、本発明の実施形態における金属板組立部品2は、第一の金属板21及び第二の金属板22を含む。第一の金属板21及び第二の金属板22は、それぞれ必要に応じて異なる形状に形成されて、同一又は異なる機能を提供する。
【0045】
具体的には、図4及び5に示すように、第一の金属板21は、例えばLEDダイである発熱体と直接に接触するための部分211と、均一に熱伝導するための囲繞部212と、第一の電極部213とを含む。なお、図5に示すように、囲繞部212の両端は、それぞれ接続用穴Hを有するように形成される。接続用穴Hについては、後で更に説明する。
【0046】
なお、図4及び5に示すように、第二の金属板22は、L字形となっており、第二の電極部222及び第二の電極部222と垂直の、例えばLEDダイである発熱体と接続の部分221を含むようになっている。
【0047】
前述のように、単一の金属板を用いると、従来の使用方式に戻り、そのLEDをまずアルミ板に溶接し、更に単一の金属板にロックし、且つ追加として正、負極性を外用電源とワイヤボンディングすることが必要となり、単一の金属板に電力が投入された場合、正負電源を加えるとショートになるおそれがある。
【0048】
従って、本発明の実施形態においては、金属板組立部品2に、少なくとも二つの金属板であって、第一の金属板21及び第二の金属板22を含ませることで、例えば正、負極性を分けてショートを防止することができ、そして例えばLEDダイである発熱体を直接に第一の金属板21に放置して熱伝導し、第二の金属板22は、例えば製品適用の場合に外部電源に接続するプラグとすることができるとともに、発熱体からの熱を快速にプラスチック合成物に伝導することに助力することができるため、同時に多数の機能を達成し、用途の幅広さが増やされる。
【0049】
以下、図6〜10を参照して、放熱フレーム構造1の製造工程について説明する。図6は、本発明の実施形態における複数の第一の金属板21の折曲げ加工を上面から見た概略図である。図7は、本発明の実施形態における単一の第一の金属板21の折曲げ加工の概略図である。図8は、本発明の実施形態における放熱フレーム構造1の製造のフローチャートである。図9A及び9Bは、本発明の実施形態における金型4と金属板組立部品2の結合方式を示す平面図である。図10は、本発明の実施形態におけるインサート成形が行われる器具の断面図である。
【0050】
まず、複数の第一の金属板21は、順次に治具完成、ニッケルめっき、局部金めっき、切削、スタンピングにより、図6及び7における最上に示すようなものに形成される。次に、順次に図6及び7における2〜4番目のもので示すように、第一のアーク曲げ、第二の折り曲げ、第三の丸めることを行うことで、短手方向から見るとき実質的に囲繞状であるものに形成され、且つ図6に示すような二つの接続用穴Hを重ねる。最後に、重なった部分の接続用穴Hに対して、リベット等で固定する。
【0051】
なお、第二の金属板22は、順次に治具完成、ニッケルめっき、金めっき、スタンピング、切削、折り曲げ等を経由して、図4及び5に示すようなものに形成される。
【0052】
次に、図8に示す流れに従い、まず図9A及び9Bに示すような固定手段を有する金型4(ステップS1)を用意し、次に前述のように作られた第一の金属板21と第二の金属板22とを金型4内に配置して固定し(ステップS2)、次にプラスチック合成物3を加えて、図10に示すようなもので、インサート成形を行い(ステップS3)、図1に示すような放熱フレーム構造1を形成する。
【0053】
本発明の実施形態において、図9A及び9Bに示すように、固定手段については、金型4において、金属板組立部品2に合わせて複数の固定柱41を架設することで、インサート成形時の圧力が過大となることによる金属板組立部品2の変形及び位置ずれで熱伝導が不均一となることを防止して、放熱効果が下がることを防止するものとしている。しかし、本発明の固定手段は、固定柱を架設することに限定されず、上述の効果を達成できる限り、各々の方式を採用することができる。
【0054】
なお、本発明の実施形態において、第一の金属板21については、重なった部分の接続用穴Hに対してリベット等で固定し、固定が便利で早く、インサート成形の時の過大な圧力を受けて変形しやすいことにもならない。しかし、第一の金属板21の囲繞部212を形成する方式は、上述の効果を達成できる限り、各々の方式を採用することができる。
【0055】
例えば、一体成形に設計してもよい。この場合、いずれの前述のようなリベット等を用いた固定方式の必要がなくても、熱を更に早く、均一に受けることができる。
【0056】
更に、本発明の実施形態において、硬度がプラスチック合成物よりも強く、そして仕上がりの精度の必要から、金型4は、スチール型にすることが好ましい。しかし、上述の効果を達成できる限り、他の材質の金型にしてもよい。
【0057】
前述のように放熱フレーム構造1を形成した後、図5に示すように、第二の金属板22の例えばLEDダイと接続の部分221の面内方向は、與第一の金属板21の例えばLEDダイである発熱体と接触の部分211の面内方向と平行し、且つ第二の金属板22の第二の電極部222は、第一の金属板21の囲繞部212に囲繞される。
【0058】
従って、第二の金属板22は、例えば製品適用の場合に外部電源に接続するプラグとすることができるとともに、発熱体からの熱を快速にプラスチック合成物に伝導することに助力する。もちろん、必要に応じて第二の金属板22の形状を変化させ、異なる部分を設計して、更なる機能を提供することができる。
【0059】
図11は、本発明の実施形態におけるプラスチック合成物と金属板組立部品との結合の状況を示す概略図である。
【0060】
図11に示すように、上述のように放熱フレーム構造1を形成することにより、金属板組立部品2はプラスチック合成物3と途切れなく結合することができ、例えばLEDダイである発熱体により生成の熱を迅速に金属板組立部品2を経由してプラスチック合成物3に伝導し、放熱効果を向上することができる。
【0061】
一般的には、熱伝導又は放熱が必要の場合、二つの物質を接触させ、且つ両者の間の接触面積を増加させて、最適な熱伝導効果に至るために、例えば熱伝導ペースト又は熱伝導パッド等の媒体を用いる。しかし、いずれにしても、やはり媒体を介して熱伝導をしているので、完全の接触の効果を達成することができない。従って、本実施形態における放熱フレーム構造1は、インサート成形により、金属板組立部品2とプラスチック合成物3とを、いずれの媒体を介する必要がないように、完全の接触を達成させて、熱伝導効果を最大に発揮するようにしているため、例えば大電力の発光ダイオードが動作時の熱エネルギーを効果的に且つ迅速に導出することができ、より優れた性能、長寿命、小型になり、更に用途の幅広さを増やし、且つ使いやすさが向上する。
【0062】
なお、前述のように放熱フレーム構造1を形成した後、金属板組立部品2は、異なる金属板であって、第一の金属板21及び第二の金属板22それぞれで、例えばLEDダイである発熱体に例えば直接に放置する位置P1及びワイヤボンディングの位置P2を提供することができる。なお、図1及び11に示すように、前述のように放熱フレーム構造1を形成した後、プラスチック合成物3が金属板組立部品2を完全に覆うのではなく、金属板組立部品の上面を露出させて、例えばLEDダイである発熱体と直接に接触させることで、例えばLEDダイである発熱体からの熱を迅速に金属板組立部品2全体に伝導する。
【0063】
以上の本発明の実施形態によると、例えば大電力の発光ダイオードである発熱体が動作時の熱エネルギーを効果的に且つ迅速に導出することができ、より優れた性能、長寿命、小型になり、更に用途の幅広さを増やし、且つ使いやすさが向上の放熱フレーム構造及びそれの製造方法を提供することができる。
【0064】
以上では、本発明について以上の実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、趣旨の範囲を逸脱しない限り、各々の修飾、変形をすることができる。
[発明の項目]
[項目1]
放熱フレーム構造において、
一部が発熱体と接触する金属板組立部品と、
前記金属板組立部品と結合することで、前記金属板組立部品を介した前記発熱体からの熱を受けるプラスチック合成物と、
を含むことを特徴とする放熱フレーム構造。
[項目2]
前記金属板組立部品と前記プラスチック合成物との結合は、少なくともインサート成形により達成されることを特徴とする項目1に記載の放熱フレーム構造。
[項目3]
前記インサート成形は、固定手段を有する金型において行われることを特徴とする項目2に記載の放熱フレーム構造。
[項目4]
前記金属板組立部品は、一部が前記発熱体と接触の第一の金属板と、一部が前記発熱体と接続の第二の金属板とを含むことを特徴とする項目1に記載の放熱フレーム構造。
[項目5]
前記第一の金属板は、前記発熱体と接触の部分と、囲繞部と、第一の電極部とを含むことを特徴とする項目4に記載の放熱フレーム構造。
[項目6]
前記第一の金属板の前記囲繞部は、細長い金属板を長手方向における両端が重なるように折り曲げることで、短手方向から見るとき円形であるものに形成され、且つ前記重なった部分は固定されていることを特徴とする項目5に記載の放熱フレーム構造。
[項目7]
前記第二の金属板は、L字形となっており、第二の電極部と、第二の電極部と垂直である前記発熱体と接続の部分とを含み、
前記第二の金属板の前記発熱体と接続の部分の面内方向は、前記第一の金属板の前記発熱体と接触の部分の面内方向と平行し、
前記第二の金属板の前記第二の電極部は、前記第一の金属板の囲繞部に囲繞されることを特徴とする項目4に記載の放熱フレーム構造。
[項目8]
前記プラスチック合成物は、固定溝を有するように形成されることを特徴とする項目4に記載の放熱フレーム構造。
[項目9]
前記プラスチック合成物は、固定穴を有するように形成されることを特徴とする項目4に記載の放熱フレーム構造。
[項目10]
項目1〜9のいずれか一項に記載の放熱フレーム構造を製造するための放熱フレーム構造の製造方法。
【符号の説明】
【0065】
1:放熱フレーム構造
2:金属板組立部品
21:第一の金属板
211:第一の金属板の一部
212:囲繞部
213:第一の電極部
22:第二の金属板
222:第二の電極部
221:第二の電極部の一部
3:プラスチック合成物
31:固定溝
32:固定穴
4:金型
41:固定柱
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11