特許第6252000号(P6252000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252000
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20171218BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20171218BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
   H01L23/12 J
   H05K1/02 C
   H05K1/02 F
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-143446(P2013-143446)
(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公開番号】特開2015-18857(P2015-18857A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】松本 かおり
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−170493(JP,A)
【文献】 実開昭54−079965(JP,U)
【文献】 特開2002−299529(JP,A)
【文献】 米国特許第05467251(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0096495(US,A1)
【文献】 米国特許第04628407(US,A)
【文献】 特開2002−184915(JP,A)
【文献】 実開昭59−155794(JP,U)
【文献】 特開2008−028254(JP,A)
【文献】 特開平10−093250(JP,A)
【文献】 米国特許第05489752(US,A)
【文献】 特開平09−213853(JP,A)
【文献】 実開昭56−032481(JP,U)
【文献】 特開2010−205995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34−23/473
H01L 23/12−23/15
H05K 1/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱チップを埋設した基板であって、
前記放熱チップは、
前記放熱チップの一方の面の上に実装される電子部品の下面と前記放熱チップの表面との間の空間に、熱伝導剤または熱伝導接着剤を充填する充填用貫通穴と、
前記電子部品の下面とねじの端部が接触する放熱ねじであって前記放熱チップの他方の面とシャーシフレームとを固定する放熱ねじを通す貫通ねじ穴と、
を備えることを特徴とする基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の厚さ方向の熱伝導性に優れた高放熱基板に関するものであり、実装部品が発する熱の放熱を簡易かつ適切に行い得るようにした高放熱基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント基板は、電子部品の高密度実装化に伴い、放熱性の向上や小型軽量・薄型化を図る必要が高まっている。
放熱性に優れたプリント基板として、熱伝導性の高い金属をコア材として用いる金属コア基板が存在する。しかし、基板全体に金属コアが入るため、厚さや重さ、コストの肥大化となるという問題があった。この他にも、基板全体の熱容量が大きくなるため、挿入部品等の実装時にはんだが上がり難いことや、表面実装した電子部品と金属コアとの間に存在する熱伝導性の低い基板材料が、電子部品から金属コアへの熱伝導を妨げる、などの問題があった。
【0003】
上記問題を解決するため、通常のプリント基板の電子部品の直下に、銅やアルミ、又はそれらの合金などの熱伝導性の高い材料(伝熱材)の放熱チップを埋設した基板が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このように放熱チップなどの伝熱材の使用を局所に抑えることで、小型軽量・薄型化を図り、コストや実装性の問題を解決することができる。
更に、放熱チップの埋設された箇所には熱伝導を妨げる材料が存在しないため、電子部品からの熱を、より効率的に基板の裏面側の空間または筐体(シャーシフレーム)に放出することができ、電子部品の温度上昇を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−86717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、挿入実装や面実装にかかわらず、通常、電子部品と基板との間には空間ができるため、電子部品の熱を直接放熱チップに伝えることができないという課題がある。
電子部品と放熱チップとを熱的接続させるには次の課題があった。
課題1:部品実装後に部品下へ熱伝導剤やシートなどを挿入することが出来ない。
課題2:部品実装前に部品底面(もしくは基板表面)へ熱伝導剤を塗布すると、自動はんだ付け時に必要なセルフアライメント効果を阻害し、適正なはんだ接続状態が得られない。このため、機械による自動はんだ付けではなく、人手によるはんだ付けとなってしまう。
【0006】
さらに、部品の製造上のバラつきや放熱チップ部の凹凸などから、電子部品と基板との間の空間の寸法管理は難しく、後から熱伝導剤の量を調整できないため、熱伝導剤が足りない場合は十分に基板面に接触することができないという課題があった。
【0007】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、基板の厚さ方向の熱伝導性に優れた高放熱基板を提供することを目的とする。また、電子部品を実装した後に、電子部品と基板との間に空間が生じる場合であっても、電子部品が発する熱を効率的に伝導させることができる放熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る基板は、放熱チップを埋設した基板であって、前記放熱チップは、前記放熱チップの一方の面の上に実装される電子部品の下面と前記放熱チップの表面との間の空間に、熱伝導剤または熱伝導接着剤を充填する充填用貫通穴と、前記電子部品の下面とねじの端部が接触する放熱ねじであって前記放熱チップの他方の面とシャーシフレームとを固定する放熱ねじを通す貫通ねじ穴とを備えるようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板上に実装した部品下面と基板表面との間に熱伝導剤等を充填することにより、実装部品が発する熱を基板の厚さ方向に効率的に伝導させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1に係る高放熱基板の構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る高放熱基板に電子部品を実装した状態を示す図である。
図3】本発明の実施の形態2に係る電子部品と放熱チップ、およびシャーシフレームとを熱的接続させる構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態3に係る電子部品と放熱チップ、およびシャーシフレームとを熱的接続させる他の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる高放熱基板の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる高放熱基板3の構成を示す断面図である。
図1(a)、(b)に示す高放熱基板3には放熱チップ1が埋設されている。放熱チップ1は、銅やアルミ、又はそれらの合金などの熱伝導性の高い材料(伝熱材)からなり、プリント基板に実装される電子部品等の直下に埋設される。
本実施の形態に係る放熱チップ1には、図1(a)に示す通り、放熱チップ1の上下面を貫通する貫通穴2が設けられている。
また、他の例として、本実施の形態に係る放熱チップ1には、図1(b)に示す通り、放熱チップ1の上下面を貫通する貫通ねじ穴6が設けられている。
【0013】
図2(a)、(b)は、図1(a)、(b)に示した放熱チップ1が各々埋設された高放熱基板3に電子部品7を実装した状態を示す図(断面図)である。
図2(a)の実装状態において、電子部品7を高放熱基板3に実装した後に、高放熱基板3の裏面側の貫通穴2から、熱伝導剤または熱伝導性接着剤などが注入され、電子部品7のパッケージ下面と高放熱基板3の上面の間の空間10には、熱伝導剤または熱伝導性接着剤が充填されている。
このように電子部品7のパッケージ下面と高放熱基板3の上面の間の空間10に、熱伝導剤または熱伝導性接着剤を充填することにより、空間10のバラつきを緩和し電子部品7と放熱チップ1とを熱的に接続させるようにした。これにより電子部品7が発生する熱を高放熱基板3の裏面側に放出し、電子部品7の温度上昇を抑えることができる。
【0014】
また、図2(b)の実装状態においては、電子部品7を高放熱基板3に実装した後に、高放熱基板3の裏面側の貫通ねじ穴6から、放熱チップ1と同等の熱伝導性の高い材料の放熱ねじ9を挿入している。なお、放熱ねじ9により電子部品7のパッケージ下面に接触するよう突き出し量を調節できる。
このように放熱ねじ9を電子部品7のパッケージ下面に接触させることにより、空間10のバラつきを緩和し電子部品7と放熱チップ1とを熱的接続させるようにした。これにより電子部品7が発生する熱を高放熱基板3の裏面側に放出し、電子部品7の温度上昇を抑えることができる。
【0015】
なお、図2(a)、(b)で示した例では、電子部品の直下に放熱チップを埋設したが、高放熱基板とこれを収容する筐体(シャーシフレーム)とが当接する部分にも放熱チップを埋設すれば、電子部品7から発した熱を、電子部品7直下の放熱チップ1→内層の導体パターン→シャーシフレームと当接する放熱チップとを通して、シャーシフレームに効率的に伝えることができる。
【0016】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る電子部品と放熱チップ、およびシャーシフレームとを熱的接続させる構成の一例を示す図である。
図3(a)は、シャーシフレーム11とのねじ止め部分に、貫通穴2を設けた放熱チップ1が埋設された高放熱基板3の構成例を示す図である。
ねじ12およびナット13によりシャーシフレーム11と放熱チップ1を密着させており、より確実な放熱効果を得ることができる。
ただし、本方法は放熱チップ同士の熱的接続を内層の導体パターンに見込んでいるため、放熱チップと内層導体が接する工法、例えばスルーホールめっき14の施された穴への放熱チップ圧入等により製造された高放熱基板に適用することが望ましい。
【0017】
一方、図3(b)は、電子部品7の下の放熱チップ1にシャーシフレーム11が当接する場合の、高放熱基板3の構成例を示す図である。
放熱チップ1とシャーシフレーム11に貫通ねじ穴6が設けられ、高放熱基板7の裏面側から放熱ねじ9が挿入されることで、電子部品7のパッケージ下面からシャーシフレーム11まで直接的に熱を伝えることができ、同時に、高放熱基板3をシャーシフレーム11に固定することが可能である。
またこの時の放熱チップ1の存在意義として、熱容量の増加およびシャーシフレーム11(または基板の裏面側の空間)との接触面積の増加により、放熱性を高めることができる点が挙げられる。
図3に示す構成例においては、シャーシフレーム11がヒートシンクとしての役割を果たすため、放熱チップ1で吸収した熱を効率良く放熱できる。
【0018】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3に係る電子部品と放熱チップ、およびシャーシフレームとを熱的接続させる構成例を示す図である。
図4(c)は、図3(b)におけるシャーシフレーム11の貫通ねじ穴6を貫通穴2に変更し、放熱ねじ9がシャーシフレーム11の裏面側からナット12により固定されている。
このようにナット12によって固定されることで、シャーシフレーム11の穴がねじ穴である必要がなくなり、また、外力や経年による放熱チップ1とシャーシフレーム11との熱的接続の弱化を防ぐことができる。
ただし、図4(c)の構成をシャーシフレーム11の穴がねじ穴である場合と比較すると、放熱ねじ9とシャーシフレーム11との接触面積が減少する点を留意する必要がある。
【0019】
図4(d)は、図3(a)と図3(b)で説明した構成を組み合わせた例で、1つの放熱チップに貫通穴2と貫通ねじ穴6が設けられ、貫通穴2から熱伝導剤または熱伝導性接着剤などを充填する。
貫通ねじ穴6へは放熱ねじが挿入されており、これまでに挙げた実施の形態の中で最も高い放熱性が期待できる構成である。
【0020】
放熱チップの貫通ねじ穴について、目的が筐体との熱的接続と固定のみ(部品側への放熱ねじの突き出し不要)の場合、または放熱ねじの突き出し量の調節が部品実装前に実施できる(裏面側からの調節や筐体への固定が不要の)場合は、非貫通でも良い。
【0021】
以上のように、本発明にかかる高放熱基板と放熱構造は、電子部品から発生した熱を効率的に外部に放熱できる点で有用であり、特に、高発熱の電子部品を実装する放熱構造に適している。
【符号の説明】
【0022】
1 放熱チップ、2 貫通穴、3 高放熱基板、4 導体パターン、5 基板材料、6 貫通ねじ穴、7 電子部品、8 熱伝導剤、熱伝導性接着剤など、9 放熱ねじ、10 電子部品と基板との間の空間、11 シャーシフレーム、12 ねじ、13 ナット、14 スルーホールめっき。
図1
図2
図3
図4