特許第6252005号(P6252005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252005
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】吸収性物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20171218BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   A61F13/15 380
   A61F13/15 351A
   A61F13/514 400
   A61F13/514 320
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-148319(P2013-148319)
(22)【出願日】2013年7月17日
(65)【公開番号】特開2015-19724(P2015-19724A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 裕喜
(72)【発明者】
【氏名】杉山 勝彦
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0105443(US,A1)
【文献】 米国特許第06649808(US,B1)
【文献】 特開2004−337385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
A61L15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃領域および後身頃領域および股下領域を有するカバーシートと、このカバーシートに接合される液不透過性のバックシートと、このバックシートに接合される液透過性のトップシートと、このトップシートと前記バックシートとの間に配される吸収体とを具え、前記バックシートに図柄およびマーカーが印刷された吸収性物品の製造方法であって、
前記バックシートの連続体に前記図柄と共に印刷された、当該バックシートの連続体を一定間隔毎に切断する際の基準となる前記マーカーの通過を光学的に検出するステップと、
前記マーカーの光学的検出に基づき、前記バックシートの連続体を切断するステップと、を具え、
前記マーカーが前記バックシートの左右両側且つ前記股下領域に印刷されていることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
【請求項2】
前記光学的に検出するステップは、カラーセンサーによって行われ、
前記マーカーの色相は、前記図柄の色相と異なることを特徴とする請求項に記載の吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄およびマーカーが印刷された液不透過性のバックシートと、液透過性のトップシートとの間に吸収体を配した吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に乳幼児などを対象とした使い捨ておむつには、衣服と同じように表面の色などの他に柄やキヤラクターなどが印刷され、利用者や着用者が楽しく使えるような工夫がなされている。例えば、使い捨ておむつのカバーシートの内側に液不透過性のバックシートを配し、このバックシートの表面に図柄を印刷し、カバーシートを介してバックシートの表面の図柄を視認できるようにしたものが特許文献1などで知られている。また、色付きの不織布や柄などを印刷した液不透過性の不織布を使い捨ておむつのカバーシートとして使用したものや、カバーシ−トの表面にキャラクターなどの図柄を直接印刷したものなども周知である。
【0003】
このような使い捨ておむつを製造する場合、カバーシートやバックシートの連続体にあらかじめ所定間隔毎に上述した図柄を印刷しておき、これを引き出しながら一定間隔で切断して使い捨ておむつの製造ラインに供給することが一般的である。このため、カバーシートやバックシートの連続体を図柄の位置に合わせて正確に切断する必要があり、そのためのマーカーが図柄と共にカバーシートやバックシートの連続体に印刷されている。そしてこのマーカーを光学的なセンサーを用いて検出し、これに基づいてカバーシートやバックシートの連続体の切断位置を制御する技術が特許文献2などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−284430号公報
【特許文献2】特許第4246020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2に開示された従来のマーカーは、高速で移動するシートの連続体の幅方向一端側(左右何れか一方)にあらかじめ印刷され、このマーカーが通過する領域と対向するようにセンサーを配置する必要がある。従って、シートの連続体の幅方向他端側にマーカーが印刷されたシートの連続体を用いる必要が生じた場合、このシートの連続体を180°反転させた状態でセンサーを通過させるか、あるいはセンサーの取り付け位置を変更しなければならない。結果として、マーカーの印刷位置に応じて製造ラインの一部を変更する必要が生じたり、マーカーの印刷位置を図柄に関係なく規定したりしなければならず、図柄の選択自由度が低下する不具合を招く。
【0006】
このような不具合を回避する一つの手段として、図柄の印刷位置を検出できるイメージセンサーを用い、画像処理によってシートの連続体の切断位置を決定する方法も知られている。しかしながら、この方法は単なる光学センサーを利用することができる引用文献1,2に開示された方法よりも画像処理のための撮像装置を含む高価な設備を新たに組み入れる必要が生ずる。
【0007】
本発明の目的は、高価な撮像装置などを使用することなく、しかも製造ラインの改造や変更を伴うことなく、図柄が印刷されたバックシートの連続体を正確に切断することができるようにした吸収性物品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による吸収性物品は、カバーシートと、このカバーシートに接合される液不透過性のバックシートと、このバックシートに接合される液透過性のトップシートと、これらバックシートとトップシートとの間に配される吸収体とを具えている。カバーシートは、前身頃領域および後身頃領域および股下領域を有し、バックシートには図柄およびマーカーが印刷され、このマーカーがバックシートの左右両側に印刷されている。
【0009】
本発明が意図する図柄とは、人物,動物,植物,乗り物,食べ物,道具,衣服,玩具,建築物,自然の造形物,星座,神話や昔話の登場人物,アニメーションキャラクターなどの絵または写真や、文字、記号、図形、模様およびこれらの組み合わせを含む。さらに、背景やこれらの色相などの相違も包含される。
【0010】
また、本発明が意図するマーカーは、センサーが光学的に認識できる輪郭形状を有していれば良く、文字,記号,図柄およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。左右両側のマーカーが同じ文字,記号,図柄であっても、異なる文字,記号,図柄であってもよい。
【0011】
本発明による吸収性物品において、マーカーを股下領域に位置させることが有効である。この場合、マーカーを吸収体が接する側のバックシートの面に印刷し、このマーカーが尿との接触により変色するインジケーターを兼ねるものであってよい。また、マーカーをバックシートの幅方向全域に亙って印刷することも可能である。
【0012】
マーカーをバックシートに関して左右対称に印刷するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、バックシートの連続体が表裏どちら向きであっても、吸収性物品の製造ラインに配されたセンサーと対向する側のマーカーによって、バックシートの連続体の切断位置を正確に設定することができる。
【0014】
マーカーを股下領域に位置させた場合、前身頃領域や後身頃領域に位置する図柄との位置的な干渉を無くすことができるため、図柄の大きさなどの自由度をより増大させることができる。また、マーカーが着用者の股下領域に位置するように、着用者に対して吸収性物品を装着させることにより、このマーカーを着用者に対する吸収性物品の適切な装着位置の目安として利用することができる。さらに、この吸収性物品を乳幼児用のおむつに適用し、このおむつの左右に関連付けて左右で異なる文字や記号あるいは図柄をマーカーとした場合、左右のマーカーを知育目的としても利用することができる。特に、マーカーを吸収体が接する側のバックシートの面に印刷し、このマーカーを尿との接触により変色するインジケーターとして兼用させた場合、マーカーの変色に基づいて吸収性物品の交換時期を簡単に判断することができる。
【0015】
マーカーをバックシートの幅方向全域に亙って印刷した場合、吸収性物品の製造ラインに配されたセンサーの位置の自由度が高まり、その位置調整が極めて簡単となる。
【0016】
マーカーをバックシートに関して左右対称に印刷した場合、バックシートの連続体が表裏どちら向きであっても、吸収性物品の製造ラインに配されたセンサーの位置を調整し直す必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による吸収性物品をパンツ型使い捨ておむつに応用した一実施形態の外観を表す立体投影図である。
図2図1に示したおむつを展開して分解状態で表す立体投影図である。
図3図1に示したおむつに用いられるバックシートの連続体の平面図である。
図4】本発明による吸収性物品をパンツ型使い捨ておむつに応用した他の一実施形態の外観を表す立体投影図である。
図5図4に示したおむつを展開して分解状態で表す立体投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による吸収性物品の実施形態について、図1図5を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、本発明の精神に帰属する他の吸収性物品にも応用することが可能である。
【0019】
本発明をパンツ型使い捨ておむつに応用した第1の実施形態の外観を図1に示し、これを破断展開して分解状態にて図2に示し、これに用いられるバックシートの連続体の外観を図3に示す。本実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ(以下、単におむつと記述する場合がある)10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを有する。また、着用時に前身頃領域10Fと後身頃領域10Rとで着用者のウエストの部分を取り囲むウエスト周り開口部10Wが形成されている。同様に、前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rの下端部と股下領域10Cとで着用者の両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lが形成されている。
【0020】
本実施形態におけるおむつ10は、外側から順にカバーシート11と、バックシート12と、吸収体13と、着用者の肌に触れるトップシート14とを順に重ねて接合したものである。股下領域10Cと共におむつ10の前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rを画成するカバーシート11の左右両側縁部が相互に接合されて閉じ合わせ部10Jを形成している。これにより、先のウエスト周り開口部10Wと、両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lとが画成され、カバーシート11の股下領域10Cの左右両側には、それぞれ脚周り開口部10Lとなる半円弧状をなす一対の切欠き部11cが形成されている。本実施形態におけるカバーシート11は、外側のアウターカバーシート11oと、このアウターカバーシート11oに接合されるインナーカバーシート11iとを含む。液不透過性のバックシート12は、このインナーカバーシート11iに接合され、先の吸収体13は、このバックシート12と液透過性のトップシート14との間に配され、この吸収体13を介してトップシート14がバックシート12に接合される。良好な手触りを得るために薄い不織布にて形成されるアウターカバーシート11oとインナーカバーシート11iとの間には、脚周りギャザーを形成するための糸ゴム15,16と、ウエスト周りギャザーを形成するための糸ゴム17とがそれぞれ伸長状態で接合されている。
【0021】
本実施形態における液不透過性のバックシート12の外側面(インナーカバーシート11iとの接合面)の前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rには、前後で異なる図柄A,Bがバックシート12の幅方向のほぼ全域に亙って形成されている。この場合、先のカバーシート11を通してこれらの図柄A,Bを外側から認識することができる。
【0022】
図3に示すように、おむつ10の製造にあたっては、あらかじめ図柄A,BがマーカーMと共に印刷されたバックシートの連続体12wを正確に切断して個々のバックシート12を得る必要がある。このため、おむつ10の製造ラインに配されたセンサーによってマーカーMの位置を検出し、この検出情報に基づいて図3中の二点鎖線で示した切断線12Cにてバックシートの連続体12wをほぼ一定間隔毎に切断するようにしている。本実施形態では、バックシート12の外側面の股下領域10Cには、製造時にこのバックシートの連続体12wを切断線12C(図3中の二点鎖線)に沿って切断する際の基準となるマーカーMがその左右両側に形成されている。本実施形態におけるマーカーMは、バックシート12の幅方向に関して左右対称に一直線状をなして形成されているが、先にも延べたように、任意の文字や図柄ならびにこれらの組み合わせを適宜採用し得るものである。本実施形態のように、マーカーMを外見的に目立つおむつ10の前身頃領域10Fや後身頃領域10Rではなく、股下領域10Cに形成したことにより、図柄A,Bのデザインの自由度を高めることができる。また、マーカーMを股下領域10Cに印刷したことにより、着用者に対するおむつ10の前後方向の着用位置の目安としてマーカーMを利用しておむつ10の適切な装着状態を容易に確認することができ、着用者の装着感を良好に維持することが可能である。しかしながら、本発明においては、マーカーMをバックシート12の前身頃領域10Fや後身頃領域10Rに形成することを排除するものではなく、また左右のマーカーMがバックシート12の幅方向に関して対称でなくてもかまわない。この場合、左右のマーカーMからバックシートの連続体12wの長手方向に沿った切断線12Cまでの距離が異なるため、これに応じてマーカーMの検出後のバックシートの連続体12wに対する切断タイミングを変更する必要が生ずる。
【0023】
本実施形態では、図柄A,Bをバックシート12の幅方向ほぼ全域に形成しているため、マーカーMの通過を検出するためのセンサーが図柄A,BをマーカーMと誤認識しないようにする必要がある。このようなセンサーの誤認識を高価な画像処理技術ではなく、単なるセンサーによって識別することができるように、マーカーMの色相として図柄A,Bの色相と異なる色相のものを採用することが有効である。これにより、安価なカラーセンサーを用いた場合でもマーカーMのみを正確に認識することが可能となる。より具体的には、カラーセンサーによるマーカーMの検出領域(図3中の斜線領域)に図柄Aを印刷する場合、このマーカーMの検出領域に印刷される図柄A,Bの色相をマーカーMの色相と異ならせることができさえすればよい。この場合におけるマーカーMと図柄A,Bとの色相の相違は、複数の特定の波長の光の割合を光学的に検出するカラーセンサーにて識別可能な程度であればよく、従って比較的似たような色相であっても問題がないこともある。なお、マーカーMの検出領域に位置する図柄A,Bの一部がカラーセンサー22によって認識不可能な大きさ、つまり検知できないような寸法形状の場合には、この領域における図柄A,Bの色相をマーカーMの色相と同一にしても問題はない。
【0024】
図3に示すように、上述した実施形態はバックシートの連続体12wの幅方向左側にカラーセンサーが配された製造ラインを対象としている。しかしながら、バックシートの連続体12wの幅方向右側にカラーセンサーを配した製造ラインや、バックシートの連続体12wを180度裏返して搬送する必要がある製造ラインにおいても、マーカーMの検出を行うことが可能である。その理由は、マーカーMがバックシートの連続体12wの左右両側に印刷されているためであり、本発明においては製造ラインにおけるカラーセンサーの位置などをほとんど調整する必要がなくなるという利点がある。
【0025】
吸収体13は、マット状をなすフラッフパルプ中にSAP(Super Absorbent Polymer:高吸水性ポリマー)を分散させ、これをティシュで包み込んだものが一般的である。吸収体13は、前身頃領域10Fから股下領域10Cを通って後身頃領域10Rまで延在するように配されている。本実施形態における吸収体13は、その長手方向中央部に位置する股下領域10Cの幅が細くくびれた砂時計の如き輪郭形状を有している。
【0026】
本実施形態における液透過性のトップシート14の左右両側縁部には、液不透過性のサイドシート18が接合され、左右のサイドシート18の内側端縁部には、立体ギャザーを形成するための糸ゴム19が伸張状態で接合されている。
【0027】
なお、このようなおむつ10の製造手順に関しては、特許文献1や特許文献2または特開2001−346825号公報などで周知であり、本発明の趣旨からも逸脱してしまうので、その説明を省略する。
【0028】
本発明が対象とするおむつ10の構造は、上述したようなものに限定されるわけではなく、特許請求の範囲に規定された吸収性物品の構成を含むおむつでありさえすれば、どのような構造であってもよい。例えば、展開型の使い捨ておむつなどであっても本発明を適用可能である。また、上述したマーカーMおよび図柄A,Bをカバーシート11の他にバックシート12の内側面(吸収体13が載せられる面)に印刷することも可能である。
【0029】
このような本発明の他の実施形態について、図4および図5を参照しながら説明するが、展開型使い捨ておむつ自体の詳細な構造はすでに周知であるので、以下においては本発明に関係する部分についてのみ説明する。従って、先の実施形態と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明を省略する。
【0030】
本実施形態における展開型使い捨ておむつの使用状態における外観を図4に示し、これを展開した状態の分解図を図5に示す。本実施例におけるカバーシート11の後身頃領域10Rの左右両側縁部には、着用時に前身頃領域10Fの左右両側縁部に重ね合わせてこれらをつなぎ、切欠き部11cによって脚周り開口部10Lを形成し得る左右一対のファスニングテープ20が接合されている。このファスニングテープ20は、前身頃領域10Fのカバーシート11上に接合されたフロントパッチシート21に対して繰り返し剥離可能に接合される。また、カバーシート11の後身頃領域10Rの上端部には、カバーシート11の幅方向に沿って延在し、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート22が接合されている。
【0031】
バックシート12の内側面(吸収体13と接する面)には、先の実施形態と同様な図柄A,BとマーカーMとが印刷されている。本実施形態におけるマーカーMは、バックシート12の幅方向全域に亙り連続した一直線状をなすものであり、着用者の尿との接触により変色するインジケーターとして兼用させるための塗料を含む。このようなインジケーター自体は、特開2009−232987号公報や特開2010−194124号公報などで周知であり、水分やpHの変化によって色相が例えば暖色系の黄色から寒色系の青色に変化するものである。従って、バックシートの連続体12wを切断するためのマーカーMとしては、尿との接触により変化する前の色相が利用される。
【0032】
本実施形態のように、マーカーMをバックシート12の幅方向全域に形成した場合、これを検出するためのカラーセンサーの幅方向に沿った位置を図柄A,Bとの関係に応じて誤認識を生じないような任意の位置に設定することができる。また、先の実施形態と同様に、マーカーMが着用者の股下領域に位置するように、着用者に対しておむつ10を着用させることにより、このマーカーMを着用者に対するおむつ10の適切な装着位置の目安として利用することができる。特に、展開型のおむつ10の場合にはトップシート14を通してバックシート12に印刷されたマーカーMを見ることも可能であるので、おむつ10の着用時に着用者の股下部に対してマーカーMの位置合わせをより正確に行うことができる。
【0033】
このように、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
【符号の説明】
【0034】
A,B 図柄
M マーカー
10 使い捨ておむつ
10F 前身頃領域
10R 後身頃領域
10C 股下領域
10W ウエスト周り開口部
10L 脚周り開口部
10J 閉じ合わせ部
11 カバーシート
11c 切欠き部
11o アウターカバーシート
11i インナーカバーシート
12 バックシート
12w バックシートの連続体
12C 切断線
13 吸収体
14 トップシート
15〜17 糸ゴム
18 サイドシート
19 糸ゴム
20 ファスニングテープ
21 フロントパッチシート
22 弾性シート
図1
図2
図3
図4
図5