特許第6252107号(P6252107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252107
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/44 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   B65H3/44 340Z
   B65H3/44 K
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-226502(P2013-226502)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-86046(P2015-86046A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 哲也
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−221970(JP,A)
【文献】 特開2004−91058(JP,A)
【文献】 特開2008−68996(JP,A)
【文献】 特開2005−96911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H1/00−3/68、7/00−7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像形成を行う画像形成部と,
用紙を収容する複数の収容部と,
前記複数の収容部のそれぞれから用紙を給紙する複数の給紙部と,
前記複数の給紙部のうちの1つにて給紙された用紙を前記画像形成部に搬送する搬送部と,
前記複数の給紙部のそれぞれに対応し,給紙された用紙を前記搬送部より上流側の位置で検知する複数の検知部と,
制御部と,
を備え,
前記制御部は,
前記複数の給紙部のうちの1つで給紙動作を行う際に,他の前記給紙部でも給紙動作を行う同時給紙処理と,
前記同時給紙処理の開始後,前記複数の検知部の検知結果に基づいて,前記複数の収容部のうちの1つを前記画像形成部に搬送される用紙を供給する実行収容部に決定する決定処理と,
前記決定処理にて決定された前記実行収容部から給紙された用紙を前記搬送部によって前記画像形成部に搬送し,前記実行収容部以外の前記収容部の前記給紙部の給紙動作を停止する搬送処理と,
を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記決定処理にて,前記同時給紙処理による給紙動作を開始した後,規定時間が経過した後の前記各検知部の検知結果に基づいて,前記実行収容部を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記決定処理にて,前記規定時間が経過するまでに用紙を検知した前記検知部が複数ある場合に,前記画像形成部までの搬送距離が短い前記収容部ほど,前記実行収容部となる優先度が高いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載する画像形成装置において,
前記各収容部が開閉されたことを検知する複数の開閉検知部を備え,
前記制御部は,
前記決定処理にて,前記規定時間が経過するまでに用紙を検知した前記検知部が複数ある場合に,前記開閉検知部にて開閉されたことが検知された前記収容部が,前記開閉検知部にて開閉されたことが検知されていない前記収容部よりも,前記実行収容部となる優先度が高いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1つに記載する画像形成装置において,
前記規定時間は,前記収容部ごとに設定された時間であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1つに記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記決定処理にて,前記複数の収容部のうち前記実行収容部となる優先度が最も高い前記収容部の前記検知部が用紙を検知した場合,前記規定時間の経過を待たずに当該収容部を前記実行収容部に決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記決定処理にて,前記同時給紙処理による給紙動作を開始した後,前記複数の収容部のうち,前記検知部が用紙を最初に検知した前記収容部を,前記実行収容部に決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記決定処理にて前記実行収容部を決定し,前記搬送処理にて前記実行収容部から給紙された用紙を前記画像形成部に向けて搬送した後の,次の用紙の給紙時に,再度,前記同時給紙処理を実行し,
当該再度の前記同時給紙処理の実行に伴って,再度,前記決定処理および前記搬送処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
1つのジョブの処理開始から規定量の画像形成が行われるまで,給紙の度に前記同時給紙処理を実行し,前記同時給紙処理の実行の度に前記決定処理および前記搬送処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載する画像形成装置において,
前記複数の収容部のうちの少なくとも1つが開閉されたことを検知する第2開閉検知部を備え,
前記制御部は,
前記第2開閉検知部にて前記複数の収容部のうちの少なくとも1つが開閉されたことが検知されていることを条件として,前記同時給紙処理を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載する画像形成装置において,
前記制御部は,
前記同時給紙処理にて,給紙動作を行う前に,前記複数の検知部のいずれかにて用紙が検知されているか否かを判断し,用紙を検知している前記検知部に対応する前記給紙部の給紙動作を行わないことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像形成装置に関する。さらに詳細には,複数の給紙トレイを備える画像形成装置の給紙制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,複数の給紙トレイを備える画像形成装置が実用化されている。複数の給紙トレイを備える画像形成装置の,給紙制御に関する技術としては,例えば特許文献1に,画像形成部から離れた位置にある給紙トレイを使用する場合に給紙ローラの回転速度を速め,どの給紙トレイを使用しても同じタイミングで画像形成を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−120216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来の技術には,次のような問題があった。すなわち,複数の給紙トレイを備える画像形成装置では,特定の給紙トレイの指定が無いジョブを実行する場合に,用紙が有る給紙トレイの中から,画像形成部に用紙を供給する給紙トレイである実行給紙トレイを決定する。この用紙の有無の判断を,実行給紙トレイの候補となる給紙トレイについて順次に行うと,生産性の悪化が懸念される。
【0005】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,複数の給紙トレイを備えた画像形成装置であって,生産性の悪化を低減できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた画像形成装置は,用紙に画像形成を行う画像形成部と,用紙を収容する複数の収容部と,前記複数の収容部のそれぞれから用紙を給紙する複数の給紙部と,前記複数の給紙部のうちの1つにて給紙された用紙を前記画像形成部に搬送する搬送部と,前記複数の給紙部のそれぞれに対応し,給紙された用紙を前記搬送部より上流側の位置で検知する複数の検知部と,制御部とを備え,前記制御部は,前記複数の給紙部のうちの1つで給紙動作を行う際に,他の前記給紙部でも給紙動作を行う同時給紙処理と,前記同時給紙処理の開始後,前記複数の検知部の検知結果に基づいて,前記複数の収容部のうちの1つを前記画像形成部に搬送される用紙を供給する実行収容部に決定する決定処理と,前記決定処理にて決定された前記実行収容部から給紙された用紙を前記搬送部によって前記画像形成部に搬送し,前記実行収容部以外の前記収容部の前記給紙部の給紙動作を停止する搬送処理とを実行することを特徴としている。
【0007】
本明細書に記載の画像形成装置は,複数の収容部とそれぞれに対応する複数の給紙部とを有し,同時給紙処理にて,複数の給紙部で同時に給紙動作を行う。そして,各給紙部から給紙された用紙をそれぞれ対応する検知部にて検知する。そして,決定処理にて,各検知部の検知結果に基づいて,画像形成部に用紙を供給する実行収容部を決定する。さらに,搬送処理にて,実行収容部から用紙を搬送し,実行収容部以外の収容部の給紙動作を停止する。なお,同時給紙処理では,複数の給紙部で同時に給紙動作を実行すればよく,給紙動作の開始タイミングは,同じであっても異なっていてもよい。また,実行収容部は,例えば,最初に用紙を検知した検知部に対応する収容部としてもよいし,検知部が用
紙を検知した収容部の中から所定の優先順に従って決定してもよい。なお,優先順は,例えば,用紙の搬送距離の短い順,エラー発生率の低い順,給紙トレイの使用率の低い順に基づいて決定するとよい。また,同時給紙処理(および同時給紙処理に伴って実行される決定処理,搬送処理)は,用紙1枚の給紙の度に行ってもよいし,電源投入後の最初の給紙時やジョブの最初の給紙時等に限定して行ってもよい。
【0008】
すなわち,本明細書に記載の画像形成装置では,複数の給紙部で同時に給紙動作を行い,各検知部の検知結果に基づいて,1つの収容部を実行収容部に決定して用紙を画像形成部に搬送し,他の給紙部の給紙動作を停止する。従って,複数の収容部にて用紙の有無を順次に判断する手順と比較して,早期の実行収容部の決定が期待できる。
【0009】
また,前記制御部は,前記決定処理にて,前記同時給紙処理による給紙動作を開始した後,規定時間が経過した後の前記各検知部の検知結果に基づいて,前記実行収容部を決定するとよい。給紙動作の開始から規定時間を経過した後の,各検知部の検知結果に基づいて実行収容部を決定することで,最初に用紙を検知した収容部に加え,規定時間内に用紙を検知した収容部を含めた中で実行収容部を決定することができ,より好適な実行収容部の決定が期待できる。
【0010】
また,前記制御部は,前記決定処理にて,前記規定時間が経過するまでに用紙を検知した前記検知部が複数ある場合に,前記画像形成部までの搬送距離が短い前記収容部ほど,前記実行収容部となる優先度が高いとよい。画像形成部までの搬送距離が短い収容部を優先的に実行収容部に決定することで,画像形成をより早期に開始でき,生産性の向上が期待できる。
【0011】
また,本明細書に開示される画像形成装置は,前記各収容部が開閉されたことを検知する複数の開閉検知部を備え,前記制御部は,前記決定処理にて,前記規定時間が経過するまでに用紙を検知した前記検知部が複数ある場合に,前記開閉検知部にて開閉されたことが検知された前記収容部が,前記開閉検知部にて開閉されたことが検知されていない前記収容部よりも,前記実行収容部となる優先度が高いとよい。開閉されたことが検知されている収容部は,用紙が補給された可能性が高い。そのため,用紙無しエラーの発生可能性が低いので,実行収容部として好ましい。なお,収容部が開閉されたとは,本体に対して閉状態であった収容部が一旦開状態とされ,その後再び閉状態とされたことを意味する。つまり,開閉検知部は,例えば,開状態から閉状態への変化を検知すればよい。また,ここでの検知の対象となる開閉は,該当する収容部について,前回の給紙動作の後,または,給紙動作を開始する前の所定時間の間,または,電源の投入から初めての給紙動作までの間,のいずれかの間に開閉検知部にて検知されたものとするとよい。
【0012】
また,前記規定時間は,前記収容部ごとに設定された時間であるとよい。規定時間として許容できる長さは,検知部の配置や給紙部の構成によって異なる。規定時間が収容部ごとに設定されることで,収容部ごとに適正な時間まで実行収容部の決定を待つことができ,より好適な実行収容部の決定が期待できる。規定時間は,例えば,給紙部から検知部までの搬送にかかる時間を基準として設定すればよい。
【0013】
また,前記制御部は,前記決定処理にて,前記複数の収容部のうち前記実行収容部となる優先度が最も高い前記収容部の前記検知部が用紙を検知した場合,前記規定時間の経過を待たずに当該収容部を前記実行収容部に決定するとよい。優先度が最も高い収容部の検知部にて用紙が検知された場合は,規定時間を待つまでもなく実行収容部をその収容部に決定できる。そのため,規定時間の待機を省き,直ぐに実行収容部を決定することで,当該収容部以外の収容部について無駄な給紙動作を回避できる。
【0014】
また,前記制御部は,前記決定処理にて,前記同時給紙処理による給紙動作を開始した後,前記複数の収容部のうち,前記検知部が用紙を最初に検知した前記収容部を,前記実行収容部に決定するとよい。少なくとも1つの検知部が用紙を検知すれば,直ぐに実行収容部が決定できるため,画像形成をより早期に開始でき,生産性の向上が期待できる。
【0015】
また,前記制御部は,前記決定処理にて前記実行収容部を決定し,前記搬送処理にて前記実行収容部から給紙された用紙を前記画像形成部に向けて搬送した後の,次の用紙の給紙時に,再度,前記同時給紙処理を実行し,当該再度の前記同時給紙処理の実行に伴って,再度,前記決定処理および前記搬送処理を実行するとよい。実行収容部を決定した後の次の給紙時にも,同時給紙処理を再度実行し,その結果に応じて,再度実行収容部を決定する。これにより,先の同時給紙処理にて最適な収容部に決定できなくても,後の同時給紙処理によって,よりよい収容部を実行収容部に決定できる可能性が高まる。
【0016】
また,前記制御部は,1つのジョブの処理開始から規定量の画像形成が行われるまで,給紙の度に前記同時給紙処理を実行し,前記同時給紙処理の実行の度に前記決定処理および前記搬送処理を実行するとよい。1つのジョブが完了するまで給紙の度に同時給紙処理を実行すると,給紙動作の回数が多くなる。一方で,同時給紙処理を多く実行するほど,最適な収容部が実行収容部に決定される可能性が高まる。そのため,規定量の画像形成が行われるまで同時給紙処理を行い,それ以降は同時給紙処理を行わないことで,給紙制御の煩雑化を抑制しつつ最適な実行給紙ユニットの決定が期待できる。
【0017】
また,本明細書に開示される画像形成装置は,前記複数の収容部のうちの少なくとも1つが開閉されたことを検知する第2開閉検知部を備え,前記制御部は,前記第2開閉検知部にて前記複数の収容部のうちの少なくとも1つが開閉されたことが検知されていることを条件として,前記同時給紙処理を実行するとよい。いずれかの収容部が開閉された場合には,開閉された収容部にて用紙が補給された可能性が高い。そのため,同時給紙処理を実行し,これに伴って実行収容部を決定し直す方が好ましい。なお,第2開閉検知部は,開閉された収容部を特定できてもよいし,特定できなくてもよい。特定できる場合は,前述した開閉検知部と兼ねてもよい。
【0018】
また,前記制御部は,前記同時給紙処理にて,給紙動作を行う前に,前記複数の検知部のいずれかにて用紙が検知されているか否かを判断し,用紙を検知している前記検知部に対応する前記給紙部の給紙動作を行わないとよい。既に給紙済みの給紙ユニットについて再度給紙すると,用紙が搬送部まで到達してしまうおそれがある。そのため,そのような給紙ユニットは,給紙対象外として給紙しない方が好ましい。特に,給紙部によって一旦給紙し始めた用紙を収容部に戻す構成を有していない場合には,本構成が好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,複数の給紙トレイを備えた画像形成装置であって,生産性の悪化を低減できる画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態にかかるプリンタの概略構成を示す断面図である。
図2】プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図3】給紙をリトライする例を示すタイミングチャートである。
図4】給紙処理の手順を示すフローチャートである。
図5】実行トレイ決定処理の第1の形態の手順を示すフローチャートである。
図6】第1の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図7】第1の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図8】第1の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図9】第1の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図10】第1の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図11】実行トレイ決定処理の第2の形態の手順を示すフローチャートである。
図12】第2の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
図13】第2の形態の給紙動作の例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,本発明にかかる画像形成装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式のモノクロプリンタに本発明を適用したものである。
【0022】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100は,図1に示すように,電子写真方式によりシートに画像を印刷する画像形成部10を備えている。画像形成部10は,シート上にトナー像を形成するプロセス部5と,シート上の未定着のトナー像をシートに定着させる定着部8とを有している。なお,本形態のプロセス部5は,モノクロ印刷が可能な構成である。また,プリンタ100の機内には,シートの経路である搬送路11が形成されている。図1中では,搬送路11を一点鎖線で示している。
【0023】
プリンタ100は,印刷用のシートを収容可能な複数の給紙トレイである,第1トレイ12と,第2トレイ13と,第3トレイ14とを有している。図1に示すように,いずれも画像形成部10より下方で,上から第1トレイ12,第2トレイ13,第3トレイ14の順に,積み重ねられて配置されている。つまり,第1トレイ12は,画像形成部10に最も近いため搬送距離が短く,第3トレイ14は,画像形成部10から最も遠い。第1トレイ12と,第2トレイ13と,第3トレイ14とは,収容部の一例である。
【0024】
以下では,第1トレイ12と,第2トレイ13と,第3トレイ14とを区別する必要がない場合には,単に,給紙トレイとする。これらの給紙トレイはいずれも,プリンタ100に対して開閉可能に設けられており,プリンタ100は,給紙トレイごとに開閉状態を検知できる。例えば,後述するシートセンサの回動片の位置によって,給紙トレイが開けられたことを検知可能である。
【0025】
プリンタ100は,図1に示すように,各給紙トレイからシートを機内へ給紙するための構成を有している。プリンタ100は,第1トレイ12から給紙するための,メインモータ21と,第1給紙ローラ22と,第1電磁クラッチ23とを有している。第1給紙ローラ22の回転軸は,第1電磁クラッチ23を介して,メインモータ21に接続されている。つまり,メインモータ21の回転中に第1電磁クラッチ23を連結すれば,第1給紙ローラ22にメインモータ21の回転力が伝達されて,第1給紙ローラ22が回転する。一方,第1電磁クラッチ23を解放すれば,メインモータ21の回転の有無に関わらず,第1給紙ローラ22への回転力の伝達は遮断される。
【0026】
第2トレイ13と第3トレイ14にも,第1トレイ12と同様の構成が設けられている。つまり,第2トレイ13には,第2給紙ローラ25と第2電磁クラッチ26とが設けられている。また,第3トレイ14には,第3給紙ローラ28と第3電磁クラッチ29とが設けられている。なお,メインモータ21は,全給紙トレイで共用される。各給紙ローラと電磁クラッチとの組が,それぞれ対応する給紙トレイの給紙部の一例である。
【0027】
さらに,図1に示すように,プリンタ100は,搬送路11に沿ってシートを搬送するための複数の搬送ローラ対を有している。具体的には,シート搬送方向について,プロセス部5から上流方向へ順に,レジストローラ対51と,第1搬送ローラ対52と,第2搬送ローラ対53と,第3搬送ローラ対54とを有している。これらのローラ対51〜54は,電磁クラッチ23,26,29の状態とは独立して回転制御される。そして,これらのローラ対51〜54の協働により,給紙トレイのいずれかから機内へ給紙されたシートは,搬送路11に沿ってプロセス部5へと搬送される。これらのローラ対51〜54は,搬送部の一例である。
【0028】
以下では,印刷用のシートを画像形成部10に供給する過程のうち,給紙トレイから対応する搬送ローラ対までを「給紙」,対応する搬送ローラ対から画像形成部10までを「搬送」として区別する。つまり,プリンタ100では,各電磁クラッチの連結および解放によって,印刷用のシートの給紙動作が制御される。一方,搬送動作は,各電磁クラッチによって制御されない。
【0029】
また,プリンタ100は,搬送路11上のシートの有無を検知する複数のシートセンサである,第1シートセンサ56と,第2シートセンサ57と,第3シートセンサ58とを有している。第1シートセンサ56は,第1給紙ローラ22より下流側,かつ,第1搬送ローラ対52より上流側の位置にてシートの有無を検知する。第2シートセンサ57は,第2給紙ローラ25より下流側,かつ,第2搬送ローラ対53より上流側の位置にてシートの有無を検知する。
【0030】
第3シートセンサ58は,第3給紙ローラ28より下流側,かつ,第3搬送ローラ対54より上流側の位置にてシートの有無を検知する。プリンタ100は,さらに,レジストローラ対51と第1搬送ローラ対52との間にてシートの有無を検知するレジストセンサ59を有している。第1シートセンサ56と第2シートセンサ57と第3シートセンサ58とは,検知部の一例である。
【0031】
プリンタ100は,各シートセンサとして,例えば,回動片を有する光透過式センサを有している。そして,各シートセンサは,回動片が中央位置でオフとなり,そのオフ位置を中心に両側の回動位置にてオンとなることにより,各給紙トレイの開状態をも検知する。つまり,各シートセンサは,給紙トレイが閉状態でシートを検知していない場合にオフであり,給紙トレイが閉状態でシートを検知している場合と,給紙トレイが開状態とのいずれでもオンとなる。
【0032】
従って,プリンタ100は,主電源が入っている間は,各シートセンサによって,その給紙トレイが開状態か閉状態かを判断可能である。そして,プリンタ100は,給紙トレイの閉状態から開状態への変化,または,開状態から閉状態への変化に基づいて,その給紙トレイが開閉されたことを検知できる。各シートセンサは,開閉検知部の一例であり,第2開閉検知部の一例でもある。なお,シートセンサとは別に,各給紙トレイの開閉状態の変化を検知できる構成を備えていてもよい。
【0033】
なお,プリンタ100では,いずれの給紙トレイにも収容されているシートの有無を検知する構成は備えられていない。そのため,プリンタ100では,給紙動作を行ってもシートがシートセンサにて検知されなかった場合に,その給紙トレイがシート無しであると判断している。その際,電磁クラッチのすべり等による給紙ミスを,シート無しと誤判断しないようにリトライする。例えば,3回を限度に給紙動作を繰り返す。リトライは,電磁クラッチへの電力の供給を一旦オフし,所定の時間経過後,再びオンすることによって行われる。
【0034】
[プリンタの電気的構成]
続いて,プリンタ100の電気的構成について説明する。プリンタ100は,図2に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(不揮発性RAM)34と,ASIC35とを含むコントローラ30を備えている。また,プリンタ100は,画像形成部10と,操作パネル40と,ネットワークインターフェース37と,USBインターフェース38とを備え,これらがコントローラ30に電気的に接続されている。さらに,前述したメインモータ21と,3つの電磁クラッチ23,26,29と,3つのシートセンサ56,57,58とを備え,これらがコントローラ30に電気的に接続されている。
【0035】
ROM32には,プリンタ100を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは,データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0036】
ネットワークインターフェース37は,ネットワークを介して通信を行うためのハードウェアである。USBインターフェース38は,USBケーブル等を介して接続された装置と通信を行うためのハードウェアである。また,操作パネル40は,例えば,液晶ディスプレイおよびボタン群を備え,ユーザに向けた各種の表示を行うとともに,ユーザによる指示入力を受け付ける。
【0037】
CPU31は,制御部の一例である。なお,コントローラ30が制御部であってもよいし,ASIC35が制御部であってもよい。なお,図2中のコントローラ30は,CPU31等,プリンタ100の制御に利用されるハードウェアを纏めた総称であって,実際にプリンタ100に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0038】
[単一の給紙トレイからの給紙動作]
続いて,プリンタ100において,画像形成部10へシートを供給するための給紙動作について説明する。シートを供給する給紙トレイが印刷ジョブにて指定されている場合には,プリンタ100は,指定されている給紙トレイから給紙するための構成だけを駆動させる。例えば,第1トレイ12から給紙する場合には,以下のように動作する。なお,第2トレイ13または第3トレイ14から給紙する場合の動作は,第1トレイ12から給紙する場合の動作とほぼ同様である。
【0039】
第1トレイ12から給紙する場合,プリンタ100は,第1電磁クラッチ23を解放した状態でメインモータ21を回転させる。なお,プリンタ100は,給紙動作を行っていない時には,いずれの電磁クラッチも解放している。そして,メインモータ21を回転させたままで,第1電磁クラッチ23を連結して,第1給紙ローラ22を回転させる。第1給紙ローラ22の回転によって,第1トレイ12に収容されているシートのうち,最上部の1枚が第1トレイ12から引き出される。引き出されたシートの先端部が第1シートセンサ56の検知位置に到達すると,第1シートセンサ56の検知信号がオフからオンに変化する。プリンタ100は,第1電磁クラッチ23を連結した後,予め決めた時間が経過しても第1シートセンサ56がオンとならなかった場合には,給紙動作をリトライする。
【0040】
引き出されたシートは,第1シートセンサ56によって検知された後も,第1給紙ローラ22によって給紙され,シートの先端部が第1搬送ローラ対52に至る。シートは,その先端部が第1搬送ローラ対52に挟まれた後は,第1搬送ローラ対52およびレジストローラ対51によって搬送され,プロセス部5に供給される。つまり,プリンタ100は,第1シートセンサ56によってシートが検知された後,第1搬送ローラ対52に至るまでの所定の搬送時間が経過したら,第1電磁クラッチ23を解放して第1給紙ローラ22の回転を停止させる。
【0041】
[同時給紙動作]
続いて,印刷ジョブにて特定の給紙トレイが指定されていない場合における,プリンタ100の給紙動作について説明する。プリンタ100は,シートを供給する給紙トレイの指定がない印刷ジョブを受け付けた際,所定の条件を満たす場合には,後述する同時給紙動作を実行して,実行トレイを決定する。実行トレイとは,画像形成部10に搬送される用紙を供給する給紙トレイのことであり,複数の給紙トレイのうちの1つが実行トレイに決定される。実行トレイは,実行収容部の一例である。
【0042】
同時給紙動作とは,複数の給紙トレイからの給紙動作を同時に実行する給紙動作である。プリンタ100は,同時給紙動作を実行した後,各シートセンサによる検知結果に基づいて,実行トレイを決定する。一方,所定の条件を満たさない場合には,前回の印刷にて使用した給紙トレイを実行トレイに決定する。同時給紙動作を実行するか否かを決定する所定の条件には,例えば,電源投入後の最初の印刷,印刷ジョブの最初の印刷,給紙トレイの開閉後の最初の印刷,の各条件が利用される。
【0043】
プリンタ100は,例えば,電源投入後の最初の印刷ジョブの印刷にて,その先頭ページから予め決めた先頭規定ページまでの印刷時には,1ページごとに同時給紙動作を実行する。あるいは,プリンタ100は,例えば,印刷ジョブの印刷を開始するごとに,その先頭ページから予め決めた先頭規定ページまでの印刷時には,1ページごとに同時給紙動作を実行する。なお,先頭規定ページは1でもよいし,2以上でもよい。
【0044】
また,例えば,プリンタ100は,複数の給紙トレイのうちの少なくとも1つがユーザによって開閉された後,予め決めた開閉規定ページまでの印刷時には,1ページごとに同時給紙動作を実行する。なお,開閉規定ページは,各給紙トレイで共通の値としてもよいし,給紙トレイごとに異なる値としてもよい。プリンタ100では,給紙トレイごとに開閉されたことを検知できるので,開閉された給紙トレイに対応する値を開閉規定ページとできる。また,開閉規定ページは1でもよいし,2以上でもよい。
【0045】
次に,同時給紙動作について説明する。同時給紙動作を開始すると,プリンタ100は,複数の給紙トレイにて同時に給紙動作を実行する。さらに,各給紙トレイのシートセンサの検知結果に基づいて,シートセンサにてシートが検知された給紙トレイのうちから実行トレイを決定するトレイ決定処理を実行する。なお,既にシートセンサにてシートが検知されている給紙トレイが有れば,その給紙トレイの給紙動作は実行しないで,トレイ決定処理の対象としてもよい。そして,実行トレイとして決定した給紙トレイからシートを給紙して画像形成部10へシートを供給し,それ以外の給紙トレイの給紙動作を停止する。トレイ決定処理については後述する。
【0046】
一方,同時給紙動作を実行した後,いずれの給紙トレイのシートセンサにてもシートが検知されなかった場合には,前述した単一の給紙トレイからの給紙動作の場合と同様にリトライする。具体的には,図3のタイムチャートに示すように,連結時刻t1にて,3つの電磁クラッチ23,26,29を同時に連結させる。そして,連結時刻t1から所定の規定時間haが経過しても,いずれのシートセンサ56,57,58にてもシートが検知されない場合には,各電磁クラッチ23,26,29を一旦解放する。
【0047】
そして,各電磁クラッチ23,26,29を一旦解放した後,所定の解放時間hbが経過したら,再び各電磁クラッチ23,26,29を連結する。各電磁クラッチを3回連結してもシートが検知されなかった場合には,いずれの給紙トレイにもシートが収容されていないと判断する。従って,前述した単一の給紙トレイからの給紙動作の場合とほぼ同じタイミングであるエラー時刻teにて,シート無しエラーが検出される。
【0048】
プリンタ100のように複数の給紙トレイを備える装置において,各給紙トレイで順番に給紙動作を行うと,先順に給紙動作を開始した給紙トレイにシートが無ければ,その給紙トレイの動作のリトライを待ってから次の給紙トレイの給紙動作を開始することになる。つまり,各給紙トレイのシートの有無を順に判断する構成では,シートが供給されるまでに長時間を要する場合があり得る。これに対し,プリンタ100は,同時給紙動作を実行するので,各給紙トレイを1つずつ順にリトライする例に比較して短時間で,シート無しエラーを報知できる。
【0049】
なお,規定時間haは,正常にシートが給紙された場合に,電磁クラッチを連結してからシートセンサにてシートが検知されるまでに掛かる時間と同程度またはそれより少し長い時間である。図3では,各給紙トレイで,規定時間haを同じ長さの時間としたが,給紙トレイごとに異なる時間としてもよい。規定時間haは,各給紙トレイにおける給紙動作の開始から,対応する搬送ローラ対にシートが至るまでの時間より短くなるように決定されるとよい。このようにすれば,2枚以上のシートが搬送ローラ対に到達することによるジャムの発生は抑制される。プリンタ100は,例えば,給紙ローラの位置とシートセンサの検知位置との距離や,給紙ローラの給紙速度等に応じて,給紙トレイごとの規定時間haを予め決めて記憶している。また,解放時間hbも,給紙トレイごとに異なる時間としてもよい。
【0050】
[トレイ決定処理]
続いて,トレイ決定処理について説明する。プリンタ100は,トレイ決定処理として,(A)優先使用順トレイ決定処理と,(B)早期検知順トレイ決定処理との2種類の処理のいずれかを実行する。プリンタ100は,この2種類とも備えていてもよいし,片方のみ備えていてもよい。2種類とも備えている場合には,ユーザ設定等によっていずれか一方が選択されて実行される。
【0051】
(A)優先使用順トレイ決定処理は,各給紙トレイ間に優先順が設けられる場合に実行される。優先使用順トレイ決定処理を実行した場合,プリンタ100は,複数の給紙トレイにシートが収容されていれば,その優先順に従って,実行トレイを決定する。優先順に基づいて実行トレイを決定すれば,より好適な給紙トレイを実行トレイに決定できる。
【0052】
優先順は,各種の優先度に基づいて,最も優先度の高いものから順に1つの順序に決定される。優先度の高い順としては,例えば,画像形成部10までの搬送距離が短い順,給紙エラー発生率の低い順,トレイ使用率の低い順が挙げられる。画像形成部10までの搬送距離が短い順とすれば,画像形成部10までシートが到達するのにかかる時間が短く,画像形成をより早期に開始できるので,生産性の向上が期待できる。また,給紙エラー発生率の低い順とすれば,給紙中のエラー発生の可能性が低いので,生産性の向上が期待できる。また,トレイ使用率の低い順とすれば,複数の給紙トレイをできるだけ均一に使用することになり,給紙トレイ間での消耗の程度の格差を小さくすることが期待できる。また,開閉が検知された給紙トレイを優先するとしてもよい。開閉が検知された給紙トレイでは,シートが補充された可能性が高い。
【0053】
なお,優先順は,予め決めた1つの優先度に基づいて決定してもよいし,複数の優先度を組み合わせてもよい。例えば,第1の優先度として搬送距離を適用し,第1の優先度にて複数の給紙トレイが該当する場合に,第2の優先度として給紙エラー発生率を適用する構成であってもよい。また,ユーザ設定に基づいて優先順を決定するとしてもよい。
【0054】
(B)早期検知順トレイ決定処理は,生産性を優先する場合に実行される。早期検知順トレイ決定処理を実行した場合,プリンタ100は,各給紙トレイのうち,最も早期にシートが検知された給紙トレイを実行トレイに決定する。この処理によれば,実行トレイを早期に決定できるので,生産性の高い処理が期待できる。
【0055】
[給紙処理]
[第1の形態]
続いて,前述した同時給紙動作およびトレイ決定処理を実行するための給紙処理の第1の形態の手順について,図4のフローチャートを参照して説明する。本形態の給紙処理は,トレイ決定処理として,(A)優先使用順トレイ決定処理を実行する。この給紙処理は,給紙トレイが指定されていない印刷ジョブを受け付け,給紙を開始する条件が整ったことを契機に,CPU31によって実行される。
【0056】
プリンタ100は,給紙処理を開始すると,まず,今回の印刷が印刷ジョブの先頭部分であるか否かを判断する(S101)。例えば,先頭ページから予め決められた先頭規定ページ以内の印刷に該当するか否かを判断する。印刷ジョブの先頭部分ではないと判断した場合は(S101:NO),いずれかの給紙トレイが開閉されたか否かを判断する(S102)。例えば,給紙トレイの開閉が検知されてから開閉規定ページ以内の印刷に該当するか否かを判断する。
【0057】
給紙トレイが開閉されていないと判断した場合は(S102:NO),前回の印刷にて使用した給紙トレイを実行トレイに決定する(S103)。さらに,S103にて決定した実行トレイから給紙し,シートを画像形成部10へ搬送して(S105),給紙処理を終了する。プリンタ100は,画像形成部10によって,この給紙処理で供給されたシートに印刷する。
【0058】
一方,印刷ジョブの先頭部分であると判断した場合(S101:YES),あるいは,いずれかの給紙トレイが開閉されたと判断した場合(S102:YES)には,給紙トレイのうちから実行トレイを決定する実行トレイ決定処理を実行する(S107)。
【0059】
次に,S107にて実行される実行トレイ決定処理の手順について,図5のフローチャートを参照して説明する。プリンタ100は,実行トレイ決定処理を開始すると,まず,給紙トレイの優先順を決定する(S201)。優先順は,例えば,画像形成部10までの搬送距離が短い順,エラー発生率の低い順,使用率の低い順等に基づいて,プリンタ100にて決定してもよいし,ユーザによる設定に基づいて決定してもよい。
【0060】
そして,S201にて優先順1位に決定した給紙トレイのシートセンサがオンとなっているか否かを判断する(S203)。プリンタ100では,後述するように,シートセンサがオンとなるところまでシートを給紙した後に給紙動作を停止する場合がある。そのため,このページの印刷のための給紙動作を開始する前にすでにシートセンサがオンとなっている場合がある。優先順1位の給紙トレイのシートセンサがオンとなっていれば,その給紙トレイを実行トレイとすればよい。
【0061】
そこで,優先順1位の給紙トレイのシートセンサが初めからオンとなっている場合には(S203:YES),優先順1位の給紙トレイの給紙動作を開始し(S204),優先順1位の給紙トレイを実行トレイに決定して(S205),実行トレイ決定処理を終了する。
【0062】
一方,優先順1位の給紙トレイのシートセンサがオンとなっていない場合には(S203:NO),シートセンサがオフとなっている給紙トレイの給紙動作を開始する(S207)。つまり,複数の給紙トレイのうち,シートセンサがオフとなっている給紙トレイにて,それぞれの電磁クラッチを連結し,給紙ローラの回転を開始する。つまり,S207の実行前にすでにシートセンサがオンとなっている給紙トレイがあれば,その給紙トレイの給紙動作は行わない。このようにすれば,既にシートセンサの位置まで給紙されているシートをさらに進めることはないので好ましい。
【0063】
そして,優先順1位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されたか否かを判断する(S208)。つまり,S207による給紙動作の開始後,優先順1位の給紙トレイのシートセンサの検知信号が,オフからオンへ変化したか否かを判断する。優先順1位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されたと判断した場合には(S208:YES),優先順1位以外のトレイのうち給紙動作を行っている給紙トレイの給紙動作を停止し(S209),優先順1位の給紙トレイを実行トレイに決定して(S205),実行トレイ決定処理を終了する。
【0064】
優先順1位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されていないと判断した場合には(S208:NO),タイムアウトしたか否かを判断する(S210)。つまり,S207において給紙動作を開始してから,所定の規定時間ha(図3参照)が経過したか否かを判断する。タイムアウトしていないと判断した場合には(S210:NO),S208に戻って,優先順1位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されたか否かを判断する。
【0065】
優先順1位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されないまま,タイムアウトしたと判断した場合には(S210:YES),優先順1位以外の他の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されているか否かを判断する(S211)。そして,他の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されていると判断した場合には(S211:YES),シートが検知されている給紙トレイのうち優先順の最も高い給紙トレイを実行トレイに決定する(S212)。
【0066】
すなわち,S212では,優先順2位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されていれば,優先順2位の給紙トレイを実行トレイに決定する。優先順2位の給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されていなければ,優先順3位の給紙トレイを実行トレイに決定する。さらに,実行トレイ以外のトレイの給紙動作を停止し(S213),実行トレイ決定処理を終了する。
【0067】
一方,いずれの給紙トレイのシートセンサにてもシートが検知されていないと判断した場合には(S211:NO),すべての給紙トレイの給紙動作を停止する(S214)。さらに,リトライ回数に1を加算する(S215)。そして,リトライ回数が3より小さいか否かを判断する(S216)。つまり,3回を限度に給紙動作を実行する。なお,プリンタ100は,この実行トレイ決定処理の実行開始時にリトライ回数を0とする。
【0068】
リトライ回数が3より小さいと判断した場合には(S216:YES),S207に戻って,給紙動作をリトライする。すなわち,図3にて説明したように,所定の解放時間hbを待って,再び電磁クラッチを連結する。そして,いずれの給紙トレイのシートセンサにてもシートが検知されないままで,リトライ回数が3になったと判断した場合には(S216:NO),給紙エラーとして(S217),実行トレイ決定処理を終了する。
【0069】
図4に戻り,S107の実行トレイ決定処理の後,給紙エラーであったか否かを判断する(S108)。図5のS217から戻った場合は,給紙エラーであったと判断し(S108:YES),シート無しのエラー報知をして(S109),給紙処理を終了する。
【0070】
一方,図5のS205またはS213から戻った場合は,実行トレイの決定に成功しているので,給紙エラーではない。給紙エラーではないと判断した場合は(S108:NO),決定した実行トレイから,画像形成部10へシートを搬送し(S105),給紙処
理を終了する。つまり,図5のS204またはS207にて開始された給紙動作によって給紙されたシートは,さらに搬送され,画像形成部10に供給されて印刷される。なお,印刷ジョブに次のページがあれば,次のシートを供給するために,再び給紙処理が実行される。全ページの印刷が終了したら,印刷ジョブの処理を終了する。
【0071】
[第1の形態の実施例]
続いて,前述した第1の形態の給紙処理を実行した場合の実施例を,図6図10のタイミングチャートを参照して説明する。これらの図は,図4のS101またはS102にてYESとなり,図5の実行トレイ決定処理へ進んだ後の,各電磁クラッチと各シートセンサとの信号の変化を示している。なお,これらの図は,いずれも,給紙トレイの優先順が,高い方から第1トレイ12,第2トレイ13,第3トレイ14の順の例である。
【0072】
図6図10は,優先順1位のシートセンサがオフであったため,S207へ進んで同時給紙動作を実行した場合の例である。図6図8の例は,同時給紙動作の開始時にシートセンサがオンとなっている給紙トレイがなく,時刻t1に3つの電磁クラッチをすべて連結して,3つの給紙トレイにて同時に給紙動作を開始した例である。なお,電磁クラッチの信号をオフからオンに変化させると,その電磁クラッチが連結され,対応するトレイにて給紙動作が開始される。
【0073】
図6の例は,時刻t1に給紙動作を開始した後,時刻t2に第1シートセンサ56にてシートが検知された場合のタイミングチャートである。時刻t2は,時刻t1から規定時間ha(図3参照)以内である。第1トレイ12は,優先順1位の給紙トレイであるので,この時刻t2の時点で,第1トレイ12が実行トレイに決定される。従って,時刻t2の後,実行トレイとならなかった第2トレイ13と第3トレイ14との給紙動作は停止される。実行トレイとなった第1トレイ12の給紙動作は,所定の搬送時間だけ継続され,時刻t3に停止される。給紙されたシートは,時刻t3の後,前述したように第1搬送ローラ対52等によって画像形成部10へ搬送される。なお,時刻t4は,第1シートセンサ56の検知位置をシートの後端が通過する時刻である。
【0074】
図7の例は,時刻t1に給紙動作を開始した後,規定時間haが経過した時刻t5までに,第1トレイ12の第1シートセンサ56にてシートが検知されなかった場合のタイミングチャートである。その代わり,時刻t1と時刻t5との間の時刻t6に,第3トレイ14の第3シートセンサ58にてシートが検知されている。従って,優先順は低いけれども,時刻t5までに唯一シートが検知されたトレイなので,第3トレイ14が実行トレイに決定される。従って,第1トレイ12と第2トレイ13との給紙動作は,時刻t5に停止される。第3トレイ14の給紙動作は,図6の例における第1トレイ12と同様に,時刻t7まで所定の搬送時間だけ継続される。また,シートは,時刻t8にて,第3シートセンサ58を通過する。なお,搬送時間はトレイごとに異なる時間でもよいし,同じ時間でもよい。
【0075】
図8の例は,時刻t1に給紙動作を開始した後,時刻t9に第3トレイ14の第3シートセンサ58にてシートが検知され,その後,時刻t1から規定時間ha以内の時刻t10に第1トレイ12の第1シートセンサ56にてさらにシートが検知された例である。時刻t9にシートが検知された第3トレイ14は,優先順1位の給紙トレイではないので,規定時間haが経過するまで給紙動作は継続される。そして,時刻t10に優先順1位の第1トレイ12にてシートが検知されたことにより,第1トレイ12が実行トレイに決定される。実行トレイとならなかった第2トレイ13と第3トレイ14との給紙動作はt10以後は停止されるが,第3シートセンサ58はオンのままとなる。
【0076】
図9は,例えば,図8の続きであり,第3シートセンサ58がオンのままとなっている状態で同時給紙動作を実行した場合の例である。第3トレイ14は,優先順1位のシートセンサではないので,第3トレイ14以外の第1トレイ12と第2トレイ13との給紙動作を時刻t1に開始する。第3シートセンサ58がオンとなっているので,第3トレイ14の給紙動作は開始しない。そして,図8の例のように,時刻t1から規定時間ha以内の時刻t11に第1トレイ12の第1シートセンサ56にてシートが検知されたため,第1トレイ12が実行トレイに決定され,第1トレイ12から給紙される。なお,規定時間ha以内に第1シートセンサ56も第2シートセンサ57もオンとならなかった場合は,シートが検知されている第3トレイ14が実行トレイに決定される。
【0077】
図10は,第1の形態の給紙処理にて連続給紙する場合のタイミングチャートの例である。複数ページの印刷ジョブの場合,図4のS101にて,印刷ジョブの始めから先頭規定ページ以内と判断した場合には,実行トレイ決定処理を繰り返す。図10は,1枚目のシートでは,図7の例と同様に,第3トレイ14を実行トレイに決定し,2枚目のシートでは,図8の例と同様に,第1トレイ12を実行トレイに決定した場合の例である。
【0078】
印刷ジョブの始めから先頭規定ページ以内の給紙動作で実行トレイ決定処理を繰り返すので,例えば,1回目の連結時に第1電磁クラッチ23のすべり等によって,第1トレイ12からの給紙に失敗した場合でも,1枚目は別の給紙トレイから給紙できる。従って,生産性が高い。さらに,2枚目には給紙ミスがなければ,優先順の高い第1トレイ12から給紙されるので,優先順の高い給紙トレイを優先使用できる。
【0079】
以上,詳細に説明したように,第1の形態のプリンタ100は,複数の給紙トレイごとに,各給紙トレイから給紙する複数の給紙ローラと,各給紙トレイから給紙されたシートの有無を検知する複数のシートセンサとを有し,給紙トレイの指定がない印刷ジョブの印刷時には,各給紙トレイから同時に給紙動作を行う。そして,各シートセンサの検出結果に基づいて,画像形成部10へ搬送されるシートを供給する実行トレイを決定する。さらに,実行トレイに決定された給紙トレイから,シートを画像形成部10へ搬送する。一方,実行トレイに決定された給紙トレイ以外の給紙トレイの給紙動作を停止する。従って,給紙トレイ内のシートの有無の判断を,複数の給紙トレイにて同時に実行することができ,各給紙トレイを順次に判断する場合に比較して生産性の向上が期待できる。
【0080】
[第2の形態]
続いて,第2の形態のプリンタ100における給紙処理の手順について,図11のフローチャートを参照しつつ説明する。第2形態の給紙処理では,トレイ決定処理の方法として,前述した(B)早期検知順トレイ決定処理を実行する。第2の形態の給紙処理は,第1の形態の給紙処理と比較して,実行トレイ決定処理(図4のS107)の内容が異なるのみであり,給紙処理(図4)の手順は同様である。第1の形態と同じ処理については,同じ符号を付して説明を省略する。
【0081】
第2の形態のプリンタ100は,実行トレイ決定処理を開始すると,まず,既にシートセンサがオンとなっている給紙トレイがあるか否かを判断する(S301)。前述の例のように,同時給紙動作を行うと,実行トレイ以外の給紙トレイからも,シートが給紙される場合があるため,シートセンサがオンのままとなっている可能性がある。
【0082】
本形態では既にシートセンサがオンとなっている給紙トレイがあると判断した場合には(S301:YES),シートセンサがオンとなっている給紙トレイを実行トレイに決定する(S302)。そして,実行トレイの給紙動作を開始して(S303),実行トレイ決定処理を終了する。なお,既にシートセンサがオンとなっている給紙トレイが複数ある場合には,予め決めた優先順に従って1つの給紙トレイに決定する。
【0083】
一方,既にシートセンサがオンとなっている給紙トレイがないと判断した場合には(S301:NO),全ての給紙トレイの給紙動作を開始する(S305)。そして,いずれかの給紙トレイのシートセンサにてシートが検知されたか否かを判断する(S307)。
【0084】
いずれの給紙トレイのシートセンサでもシートが検知されていないと判断した場合は(S307:NO),タイムアウトか否かを判断する(S210)。さらに,第1の形態と同様に,給紙動作をリトライする(S214,S215,S216)。そして,リトライによってもシートが検知されなかった場合には(S216:NO),給紙エラーとして(S217),実行トレイ決定処理を終了する。
【0085】
一方,3回までの給紙動作の間に,いずれかの給紙トレイにてシートが検知された場合には(S307:YES),シートが検知された給紙トレイを実行トレイに決定する(S309)。さらに,実行トレイ以外の給紙トレイの給紙動作を停止し(S213),実行トレイ決定処理を終了する。
【0086】
[第2の形態の実施例]
続いて,前述した第2の形態の給紙処理を実行した場合の実施例を,図12図13のタイミングチャートを参照して説明する。
【0087】
図12の例は,処理の開始時にオンとなっているシートセンサが無く,S301でNOとなってS305に進んだ例である。つまり,時刻t1に3つの電磁クラッチをすべて連結して,3つの給紙トレイにて同時に給紙動作を開始した例である。そして,3つのシートセンサのうち,第3シートセンサ58が最初にオンとなったので,第3トレイ14が実行トレイに決定される。なお,2枚目として,同時給紙動作を再び実行し,第1シートセンサ56が最初にオンとなり,第1トレイ12から給紙する例を示している。
【0088】
図13の例は,処理の開始時に第3シートセンサ58がオンとなっている例である。この例では,S301にてYESであることから,シートセンサがオンとなっていない第1トレイ12と第2トレイ13との給紙動作は開始されない。そして,第3トレイ14が実行トレイに決定され,時刻t1に第3トレイ14からの給紙動作が開始される。
【0089】
以上,詳細に説明したように,第2の形態のプリンタ100によっても,給紙トレイ内のシートの有無の判断を,複数の給紙トレイにて同時に実行することで,画像形成部10へ搬送されるシートを供給する実行トレイを早期に決定することができる。これにより,生産性の向上が期待できる。特に,第2の形態では,早期にシートが検出された給紙トレイが優先的に実行トレイに決定されるため,第1の形態と比較して生産性が高い。一方,第1の形態では,優先順に基づいて実行トレイが決定されるため,第2の形態と比較して給紙トレイの適切な使用が期待できる。
【0090】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,プリンタに限らず,複写機,FAX等,画像形成機能を備えるものであれば適用可能である。また,電子写真方式に限らず,インクジェット方式のプリンタにも適用可能である。また,モノクロプリンタに限らず,カラープリンタにも適用可能である。
【0091】
また,例えば,同時給紙動作には,正確に同時ではない動作も含まれる。つまり,S207やS305の給紙動作は,複数の給紙トレイにての給紙動作の開始が同時のものに限らず,同時に動作されている時間を含んでいればよい。例えば,先行して動作を開始した給紙トレイの規定時間haの期間内に,次の給紙トレイの給紙動作を開始するとしてもよい。あるいは,1つの給紙トレイを動作させた後,そのリトライ期間中に他の給紙トレイを動作させてもよい。
【0092】
また,上記の各形態では,1つのメインモータと3つの電磁クラッチによって,3つの給紙トレイのそれぞれの給紙動作を行うとしたが,この構成に限るものではない。例えば,モータは共通でなくてもよい。また,例えば,給紙トレイは,3つに限らず,複数備えていればよい。そして,給紙トレイごとに,給紙動作を開始または停止できればよく,電磁クラッチを利用するものに限らない。
【0093】
また,例えば,給紙トレイの開閉を検知する構成を備えていなくてもよい。あるいは,いずれかのトレイが開閉されたことのみ検知し,開閉されたトレイを特定できない構成であってもよい。例えば,いずれかのトレイ開閉後に,ユーザによるスタートボタン押下を受け付けたら,動作を再開するプリンタであれば,スタートボタンの押下に基づいてトレイが開閉されたと判断することができる。この場合,開閉されたトレイをユーザが特定してもよいし,特定できない構成であってもよい。このような構成も,第2開閉検知部の一例である。
【0094】
また,例えば,図4のS101,S102はなくてもよいし,いずれか一方だけでもよい。例えば,給紙するごとに毎回,実行トレイ決定処理を実行するとしてもよい。あるいは,印刷ジョブの開始から1ページ目だけで実行トレイ決定処理を実行し,2ページ目以降は実行しないとしてもよい。また,電源投入時から最初の印刷ジョブにて実行トレイ決定処理を実行したら,いずれかの給紙トレイが開閉されるまで実行しないとしてもよい。
【0095】
また,例えば,第1の形態にて,図5のS203の判断を行わず,S207にて全ての給紙トレイにて給紙動作を開始してもよい。また,例えば,第2の形態にて,図11のS301の判断はしなくてもよい。つまり,処理の開始時におけるシートセンサのオン・オフ状態に関わらず,まず全ての給紙トレイにて給紙動作を開始してもよい。例えば,給紙し始めたシートを給紙トレイへバックさせる構成を有していれば,全ての給紙トレイにて毎回給紙動作を実行してもかまわない。
【0096】
また,例えば,第1の形態にて,図5のS208の判断を行わないとしてもよい。動作開始からタイムアウトまで待って,シートが検知された全ての給紙トレイのうちから,優先順に基づいて実行トレイを決定してもよい。また,図5図11における,S210にてタイムアウトとなるまでの規定時間haは,給紙トレイごとに構成等に応じて異なっていてもよい。その場合には,トレイごとにタイムアウトの判断をしてもよいし,規定時間haの最も長い給紙トレイのタイムアウトにてタイムアウトと判断するとしてもよい。
【0097】
また,例えば,リトライを含む給紙動作の回数は3に限らない。また,例えば,各給紙トレイに,収容されているシートの有無を検知する構成を有していてもかまわない。
【0098】
また,実施の形態に開示されている処理は,単一のCPU,複数のCPU,ASICなどのハードウェア,またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 画像形成部
12,13,14 第1〜第3トレイ
21 メインモータ
22,25,28 第1〜第3給紙ローラ
23,26,29 第1〜第3電磁クラッチ
31 CPU
52 第1〜第3搬送ローラ対
56 第1〜第3シートセンサ
100 プリンタ
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