特許第6252122号(P6252122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252122
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20171218BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20171218BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20171218BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H01L29/80 F
   H01L29/80 H
   H01L21/28 301B
   H01L29/50 M
   H01L29/06 301F
   H02M3/28 T
【請求項の数】10
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-235278(P2013-235278)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-95600(P2015-95600A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146776
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 昭則
(72)【発明者】
【氏名】西森 理人
(72)【発明者】
【氏名】吉川 俊英
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−034282(JP,A)
【文献】 特開2008−243848(JP,A)
【文献】 特開2013−074279(JP,A)
【文献】 特開2012−109492(JP,A)
【文献】 特開2008−243943(JP,A)
【文献】 特開2008−112868(JP,A)
【文献】 特開2013−120854(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0082336(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/142937(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/28
H01L 29/06
H01L 29/417
H01L 29/778
H01L 29/812
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に形成された素子分離領域と、
前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ドレイン電極の上部には、前記ドレイン電極の周囲の四方に張出しているドレインフィールドプレートが設けられており、
前記ドレインフィールドプレートは、前記素子分離領域の上において、空間を介して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記素子分離領域の上における前記ドレイン電極の周囲には、前記空間に代えて絶縁層が形成されており、
前記絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板はシリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に、Ar、H、He、N、F、Mg、Zn、Oのうちのいずれかの元素を含むイオンをイオン注入することにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部を除去することにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ドレイン電極の周囲における前記素子分離領域を除く領域には絶縁層が形成されており、
前記ドレインフィールドプレートは、前記絶縁層の上に形成されているものであって、
前記ドレイン電極の周囲に形成されている絶縁層のうち、前記素子分離領域の上に形成されている絶縁層の膜厚は、前記素子分離領域を除く領域の上に形成されている絶縁層の膜厚よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート電極は、ゲートフィンガーと前記ゲートフィンガーを接続するゲートフィンガー接続部とを有しており、
前記ゲートフィンガーは、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されており、
前記ゲートフィンガー接続部は、前記素子分離領域の上に形成されていることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の半導体層は、AlGaNを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から8のうちのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層、第2の半導体層を順次エピタキシャル成長により形成する工程と、
第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に素子分離領域を形成する工程と、
前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層において、ソース電極及びドレイン電極が形成される領域に開口部を形成する工程と、
前記開口部に金属膜を形成することによりソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記ドレイン電極は、前記素子分離領域の上の一部にも形成されており、
前記素子分離領域の上の絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが前記ドレイン電極の周囲の四方に張出して形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体であるGaN、AlN、InNまたは、これらの混晶からなる材料等は、広いバンドギャップを有しており、高出力電子デバイスまたは短波長発光デバイス等に用いられている。このうち、高出力電子デバイスとしては、電界効果型トランジスタ(FET:Field effect transistor)、特に、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)に関する技術が開発されている。このような窒化物半導体を用いたHEMTは、大電流、高電圧、低オン抵抗動作が実現可能であることから、高出力・高効率増幅器、大電力スイッチングデバイス等に用いられる。
【0003】
例えば、窒化物半導体であるGaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きく、高い破壊電界強度を有している。このため、GaNは、高電圧動作、かつ、高出力を得る電源用の半導体デバイスの材料として極めて有望である。
【0004】
また、上述したHEMTとしては、GaNを電子走行層、AlGaNを電子供給層として用いたHEMTがある。GaNを電子走行層、AlGaNを電子供給層として用いたHEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。このように発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極差により、電子走行層には高濃度の2次元電子ガス(2DEG:two dimensional electron gas)が生じる。そのため、高効率のスイッチ素子、電気自動車用等の高耐圧電力デバイスとして期待されている。近年では基板コストを低減するため、低コストのSi基板上に窒化物半導体により形成されるHEMTを成長する技術の研究がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−359256号公報
【特許文献2】特許第3740744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Si基板等の基板の上に窒化物半導体により電子走行層及び電子供給層を成長させてHEMTを形成した場合、基板が導電性を有していると、窒化物半導体層に強い電界が印加される。この場合、特に、ドレイン電極の端部には、電位変位が大きいため、最も強い電界がかかり、ドレイン電極端において破壊等が生じやすく、信頼性の低下を招いていた。
【0007】
よって、Si基板等の基板の上に窒化物半導体により形成された半導体装置において、ドレイン電極端において破壊等が生じることのない、信頼性の高い半導体装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態の一観点によれば、基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に形成された素子分離領域と、前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、前記ドレイン電極の上部には、前記ドレイン電極の周囲の四方に張出しているドレインフィールドプレートが設けられており、前記ドレインフィールドプレートは、前記素子分離領域の上において、空間を介して形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に形成された素子分離領域と、前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、前記ドレイン電極の周囲には絶縁層が形成されており、前記絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層、第2の半導体層を順次エピタキシャル成長により形成する工程と、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に素子分離領域を形成する工程と、前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層において、ソース電極及びドレイン電極が形成される領域に開口部を形成する工程と、前記開口部に金属膜を形成することによりソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記ドレイン電極は、前記素子分離領域の上の一部にも形成されており、前記素子分離領域の上の絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが前記ドレイン電極の周囲の四方に張出して形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の半導体装置によれば、窒化物半導体により形成された半導体装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】半導体装置の上面図
図2】半導体装置の断面図
図3】第1の実施の形態における半導体装置の上面図
図4】第1の実施の形態における半導体装置の断面図
図5】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1)
図6】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2)
図7】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(3)
図8】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(4)
図9】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(5)
図10】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(6)
図11】半導体装置におけるドレイン電圧Vd−ドレイン電流Idの特性図
図12】第2の実施の形態における半導体装置の上面図
図13】第2の実施の形態における半導体装置の断面図
図14】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1)
図15】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2)
図16】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(3)
図17】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(4)
図18】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(5)
図19】第2の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(6)
図20】第3の実施の形態における半導体装置の上面図
図21】第3の実施の形態における半導体装置の断面図
図22】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(1)
図23】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(2)
図24】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(3)
図25】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(4)
図26】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(5)
図27】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(6)
図28】第3の実施の形態における半導体装置の製造方法の工程図(7)
図29】第4の実施の形態におけるディスクリートパッケージされた半導体デバイスの説明図
図30】第4の実施の形態における電源装置の回路図
図31】第4の実施の形態における高出力増幅器の構造図
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
最初に、半導体装置であるHEMTにおいて、ドレイン電極端に生じる破壊について、図1及び図2に基づき説明する。図1及び図2に示す構造のHEMTは、Si基板の上に窒化物半導体を結晶成長させることにより形成したものである。尚、図2(a)は、図1における一点鎖線1A−1Bにおいて切断した断面図であり、図2(b)は、図1における一点鎖線1C−1Dにおいて切断した断面図である。
【0015】
図1及び図2に示す構造のHEMTは、Si等の基板910の上に、バッファ層911が形成されており、バッファ層911の上に、電子走行層921及び電子供給層922が積層して形成されている。バッファ層911は、AlN、AlGaN等により形成されており、電子走行層921は、i−GaN等により形成されており、電子供給層922は、i−AlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層921と電子供給層922との界面近傍における電子走行層921において、2DEG921aが生成される。
【0016】
また、電子供給層922及び電子走行層921の一部には、Ar等のイオン注入をすることにより素子分離領域940a及び940bが形成されており、このように形成された素子分離領域940a及び940bにより素子ごとに分離されている。
【0017】
また、電子供給層922の上には、ゲート電極931、ソース電極932、ドレイン電極933が形成されている。具体的には、中央部分にドレイン電極933が形成されており、このドレイン電極933の両側の各々にソース電極932が形成されている。即ち、2つのソース電極932の間にドレイン電極933が形成されている。ゲート電極931の一部であるのゲートフィンガー931aは、ドレイン電極933とソース電極932との間に、各々形成されている。ゲート電極931は、このように形成された2つのゲートフィンガー931aと、2つのゲートフィンガー931aを接続するためのゲートフィンガー接続部931bとを有している。尚、ソース電極932及びドレイン電極933は細長い長方形の形状で形成されており、ともに長手方向が略同一の方向となるように形成されている。
【0018】
尚、電子供給層922の上に形成されているゲート電極931におけるゲートフィンガー931a、ソース電極932、ドレイン電極933は、一方の素子分離領域940aの上から他方の素子分離領域940bの上に延びるように形成されている。また、ゲート電極931におけるゲートフィンガー接続部931bは、一方の素子分離領域940aの上に形成されている。
【0019】
このような構造の半導体装置においては、Si等の基板910にボロン(B)等の不純物元素がドープされp型となっている低抵抗な基板が用いられる場合がある。また、成膜の際の加熱や熱処理において、電子走行層921に含まれるGaが基板910まで拡散し、拡散したGaがSi等の基板910においては不純物元素となるため、基板910の抵抗が低くなる場合がある。このように、基板910における抵抗が低いと、ドレイン電極933の端部において電界集中が生じ、ドレイン電極933に高電圧を印加した場合にドレイン電極933の端部近傍において破壊が生じてしまう。特に、GaN及びAlGaN等の窒化物半導体においては、比較的高い電圧が印加される場合があり、比較的高い電圧が印加された場合には、素子分離領域940aの上に形成されているドレイン電極933の端部においても破壊が生じてしまう。尚、図1は、HEMTの構造の一部を示したものであり、このような構造のものが繰り返されていてもよい。
【0020】
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について、図3及び図4に基づき説明する。尚、図4(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bにおいて切断した断面図であり、図4(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dにおいて切断した断面図である。
【0021】
本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、Si等の基板10の上に、バッファ層11が形成されており、バッファ層11の上に、第1の半導体層である電子走行層21及び第2の半導体層である電子供給層22が積層して形成されている。バッファ層11は、AlN、AlGaN等により形成されており、電子走行層21は、i−GaN等により形成されており、電子供給層22は、i−AlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。尚、基板10にSi基板を用いることは、低コスト化の観点から好ましい。
【0022】
また、電子供給層22及び電子走行層21の一部には、Ar等のイオン注入をすることにより素子分離領域40a及び40bが形成されており、このように形成された素子分離領域40a及び40bにより素子ごとに分離されている。
【0023】
また、電子供給層22の上には、ゲート電極31、ソース電極32、ドレイン電極33が形成されている。具体的には、中央部分にドレイン電極33が形成されており、このドレイン電極33の両側の各々にソース電極32が形成されている。即ち、2つのソース電極32の間にドレイン電極33が形成されている。ゲート電極31の一部であるのゲートフィンガー31aは、ドレイン電極33とソース電極32との間に各々形成されている。ゲート電極31は、このように形成された2つのゲートフィンガー31aと、2つのゲートフィンガー31aを接続するためのゲートフィンガー接続部31bとを有している。尚、ソース電極32及びドレイン電極33は細長い長方形の形状で形成されており、ともに長手方向が略同一の方向となるように形成されている。
【0024】
本実施の形態においては、ドレイン電極33には、ドレイン電極33の端部において上部が周囲の四方に張出しているドレインフィールドプレート33aが設けられている。即ち、本実施の形態においては、素子分離領域40aの上におけるドレイン電極33の端部においてもドレインフィールドプレート33aが設けられている。尚、図3及び図4においては、ドレインフィールドプレート33aは、ドレイン電極33の周囲の電子供給層22等の上に形成された絶縁層50の上に形成されている構造を示しているが、絶縁層50が形成されていない構造のものであってもよい。即ち、図3及び図4においては、素子分離領域40a及び電子供給層22等の上におけるドレイン電極33の周囲には絶縁層50が設けられており、この絶縁層50の上にドレインフィールドプレート33aが設けられている構造のものである。しかしながら、本実施の形態は、絶縁層50が形成されている領域が空間となるように、ドレインフィールドプレート33aを形成してもよい。言い換えるならば、素子分離領域40a及び電子供給層22等から空間を介して、ドレインフィールドプレート33aが形成されていてもよい。
【0025】
また、電子供給層22の上に形成されているゲート電極31におけるゲートフィンガー31a、ソース電極32、ドレイン電極33は、一方の素子分離領域40aの上から他方の素子分離領域40bの上に延びるように形成されている。また、ゲート電極31におけるゲートフィンガー接続部31bは、一方の素子分離領域40aの上に形成されている。
【0026】
本実施の形態における半導体装置においては、上述したドレインフィールドプレート33aを設けることにより、ドレイン電極33に高電圧が印加された場合においても、ドレイン電極33の端部において生じる破壊を抑制することができる。特に、素子分離領域40aの上に形成されているドレイン電極33の端部にける破壊を抑制することができる。尚、図3は、HEMTの構造の一部を示したものであり、このような構造のものが繰り返されていてもよい。
【0027】
また、ドレイン電極33は、好ましい実施の形態として素子分離領域40a及び40bの上にも形成されている場合について説明した。しかしながら、ドレイン電極33は、電子供給層22の上に形成されているものであって、ドレイン電極33の周囲の絶縁層50の上において、四方に張り出すようにドレインフィールドプレート33aが形成されている構造のものであってもよい。
【0028】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図5図9に基づき説明する。
【0029】
最初に、図5に示すように、Si等により形成された基板10の上に、窒化物半導体によりバッファ層11、電子走行層21、電子供給層22をエピタキシャル成長により形成する。尚、図5(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図5(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0030】
基板10は、Si以外にも、SiC、サファイア、GaN等により形成されたものであってもよい。バッファ層11、電子走行層21、電子供給層22は、エピタキシャル成長により形成されている。例えば、バッファ層11、電子走行層21、電子供給層22は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)により形成することができる。尚、本実施の形態においては、MOCVDの場合について説明する。
【0031】
バッファ層11は、AlN及びAlGaN等により形成されている。バッファ層11を形成する際の原料ガスとしては、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニア(NH)が用いられる。バッファ層11は、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給し、エピタキシャル成長させることにより形成する。
【0032】
電子走行層21は、膜厚が約1μmのGaNにより形成されている。電子走行層21を形成する際の原料ガスとしては、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0033】
電子供給層22は、膜厚が約20nmのAl0.2Ga0.8Nにより形成されている。電子供給層22を形成する際の原料ガスとしては、TMA、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。
【0034】
次に、図6に示すように、電子供給層22及び電子走行層21の一部に素子分離領域40a及び40bを形成する。尚、図6(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図6(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0035】
具体的には、電子供給層22の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことにより、素子分離領域40a及び40bが形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域の開口部における電子供給層22及び電子走行層21の一部に、アルゴン(Ar)等のイオンをイオン注入することにより半絶縁化させて不活性領域を形成する。このように形成された不活性領域により、素子分離領域40a及び40bを形成する。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去される。尚、イオン注入することにより不活性領域を形成することのできる元素としては、Ar以外には、水素(H)、ヘリウム(He)、窒素(N)、フッ素(F)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、酸素(O)等が挙げられる。
【0036】
次に、図7に示すように、電子供給層22の上に、絶縁層50を形成する。具体的には、電子供給層22の上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)により、厚さ約100nmのSiN(窒化シリコン)を成膜することにより絶縁層50を形成する。絶縁層50としては、SiN以外にはSiO(酸化シリコン)を用いてもよい。尚、図7(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図7(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0037】
次に、図8に示すように、絶縁層50において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部50aを形成する。尚、図8(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図8(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0038】
具体的には、絶縁層50の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層50を電子供給層22の表面が露出するまで除去する。これにより、絶縁層50において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部50aを形成する。この後、不図示のレジストパターンを有機溶剤等により除去する。
【0039】
次に、図9に示すように、絶縁層50における開口部50aにソース電極32及びドレイン電極33を形成する。尚、図9(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図9(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0040】
具体的には、再度、絶縁層50及び電子供給層22の表面に塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この際形成されるレジストパターンは、ソース電極32、ドレイン電極33及びドレインフィールドプレート33aが形成される領域に開口部を有している。具体的には、ドレイン電極33が形成される領域において、ドレイン電極33を形成するために絶縁層50に形成された開口部50aよりも大きな開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着によりTi/Alからなる金属積層膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりソース電極32及びドレイン電極33が形成される。この際成膜されるTi/Alからなる金属積層膜は、Ti膜が約100nm、Al膜が約300nmを積層形成したものである。また、この後、約600℃の温度でRTA(Rapid thermal anneal)を行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33をオーミックコンタクトさせる。
【0041】
このように形成されるドレイン電極33の周囲には、絶縁層50の上に、ドレインフィールドプレート33aが形成されている。即ち、ドレイン電極33は、電子供給層22と接している下部よりも上部の方が広く形成されており、ドレイン電極33の上部であって、絶縁層50の上に形成されている部分がドレインフィールドプレート33aとなる。よって、本実施の形態における半導体装置においては、ドレイン電極33の周囲には、上部において張出しているドレインフィールドプレート33aが形成されている。
【0042】
次に、図10に示すように、絶縁層50において、ゲート電極31が形成される領域に開口部を形成し、形成された開口部にゲート電極31を形成する。尚、図10(a)は、図3における一点鎖線3A−3Bで切断した断面に対応する工程図であり、図10(b)は、図3における一点鎖線3C−3Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0043】
具体的には、絶縁層50の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ゲート電極31が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層50を電子供給層22の表面が露出するまで除去する。この際、電子供給層22の一部を除去することにより、ゲートリセスを形成してもよい。この後、真空蒸着によりNi/Auからなる金属積層膜を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりゲート電極31が形成される。このように形成されるゲート電極31は、ソース電極32とドレイン電極33との間に形成されるゲートフィンガー31aとゲートフィンガー31a同士を接続するゲートフィンガー接続部31bとを有している。この際成膜されるNi/Auからなる金属積層膜は、Ni膜が約50nm、Au膜が約300nmを積層形成したものである。
【0044】
以上の工程により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
【0045】
次に、本実施の形態における半導体層と図1及び図2に示される構造の半導体装置におけるドレイン電圧Vdとドレイン電流Idとの関係を図11に示す。図11において11Aは本実施の形態における半導体装置の特性であり、11Bは図1及び図2に示される構造の半導体装置の特性である。図11に示されるように、本実施の形態における半導体装置は、図1及び図2に示される構造の半導体装置よりも、ブレイクダウンする電圧、即ち、耐圧を向上させることができる。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、素子分離領域がエッチングにより形成されている構造のものである。
【0047】
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について、図12及び図13に基づき説明する。尚、図13(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図であり、図13(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dにおいて切断した断面図である。
【0048】
本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、Si等の基板10の上に、バッファ層11が形成されており、バッファ層11の上に、第1の半導体層である電子走行層21及び第2の半導体層である電子供給層22が積層して形成されている。バッファ層11は、AlN、AlGaN等により形成されており、電子走行層21は、i−GaN等により形成されており、電子供給層22は、i−AlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。
【0049】
また、電子供給層22及び電子走行層21の一部をドライエッチング等により除去することにより、素子分離領域140a及び140bが形成されており、このように形成された素子分離領域140a及び140bにより素子ごとに分離されている。
【0050】
また、電子供給層22の上には、ゲート電極31におけるゲートフィンガー31a、ソース電極32、ドレイン電極33が形成されている。具体的には、中央部分にドレイン電極33が形成されており、このドレイン電極33の両側の各々にソース電極32が形成されている。即ち、2つのソース電極32の間にドレイン電極33が形成されている。ゲート電極31の一部であるのゲートフィンガー31aは、ドレイン電極33とソース電極32との間に各々形成されている。ゲート電極31は、このように形成された2つのゲートフィンガー31aと、2つのゲートフィンガー31aを接続するためのゲートフィンガー接続部31bとを有している。尚、ソース電極32及びドレイン電極33は細長い長方形の形状で形成されており、ともに長手方向が略同一の方向となるように形成されている。
【0051】
本実施の形態においては、ドレイン電極33には、ドレイン電極33の端部において上部が周囲の四方に張出しているドレインフィールドプレート33aが設けられている。例えば、ドレインフィールドプレート33aは、ドレイン電極33の周囲の電子供給層22の上に形成されている絶縁層150の上に形成されている。尚、本実施の形態においては、素子分離領域140aの上におけるドレイン電極33の端部においてもドレインフィールドプレート33aが設けられている。
【0052】
尚、電子供給層22の上に形成されているゲート電極31におけるゲートフィンガー31a、ソース電極32、ドレイン電極33は、一方の素子分離領域140aの上から他方の素子分離領域140bの上に延びるように形成されている。また、ゲート電極31におけるゲートフィンガー接続部31bは、一方の素子分離領域140aの上となる電子走行層21の上に形成されている。
【0053】
本実施の形態における半導体装置においては、上述したドレインフィールドプレート33aを設けることにより、ドレイン電極33に高電圧が印加された場合においても、ドレイン電極33の端部において生じる破壊を抑制することができる。
【0054】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図14図19に基づき説明する。
【0055】
最初に、図14に示すように、Si等により形成された基板10の上に、窒化物半導体によりバッファ層11、電子走行層21、電子供給層22をエピタキシャル成長により形成する。尚、図14(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図14(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0056】
基板10は、Si以外にも、SiC、サファイア、GaN等により形成されたものであってもよい。バッファ層11、電子走行層21、電子供給層22は、MOCVDまたはMBEによるエピタキシャル成長により形成することができる。尚、本実施の形態においては、MOCVDの場合について説明する。
【0057】
バッファ層11は、AlN及びAlGaN等により形成されている。バッファ層11を形成する際の原料ガスとしては、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニア(NH)が用いられる。バッファ層11は、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0058】
電子走行層21は、膜厚が約1μmのGaNにより形成されている。電子走行層21を形成する際の原料ガスとしては、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0059】
電子供給層22は、膜厚が約20nmのAl0.2Ga0.8Nにより形成されている。電子供給層22を形成する際の原料ガスとしては、TMA、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。
【0060】
次に、図15に示すように、電子供給層22及び電子走行層21の一部に素子分離領域140a及び140bを形成する。尚、図15(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図15(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0061】
具体的には、電子供給層22の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことにより、素子分離領域140a及び140bが形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、電子供給層22及び電子走行層21の一部を除去する。このように、電子供給層22及び電子走行層21の一部を除去することにより、素子分離領域140a及び140bが形成される。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去される。
【0062】
次に、図16に示すように、電子供給層22の上に、絶縁層150を形成する。具体的には、電子供給層22の上に、CVDにより、厚さ約100nmのSiN(窒化シリコン)を成膜することにより絶縁層150を形成する。このように、絶縁層150を成膜することにより、素子分離領域140a及び140bには絶縁層150が埋め込まれる。尚、図16(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図16(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0063】
次に、図17に示すように、絶縁層150において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部を形成する。尚、図17(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図17(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0064】
具体的には、絶縁層150の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層150を電子供給層22の表面が露出するまで除去する。これにより、絶縁層150において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部150aを形成する。この後、不図示のレジストパターンを有機溶剤等により除去する。
【0065】
次に、図18に示すように、絶縁層150における開口部150aにソース電極32及びドレイン電極33を形成する。尚、図18(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図18(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0066】
具体的には、再度、絶縁層150及び電子供給層22の表面に塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この際形成されるレジストパターンは、ソース電極32、ドレイン電極33及びドレインフィールドプレート33aが形成される領域に開口部を有している。具体的には、ドレイン電極33が形成される領域において、ドレイン電極33を形成するために絶縁層150に形成された開口部150aよりも大きな開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着によりTi/Alからなる金属積層膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりソース電極32及びドレイン電極33が形成される。このように形成されるドレイン電極33の周囲には、絶縁層150の上に、ドレインフィールドプレート33aが形成されている。即ち、ドレイン電極33は、電子供給層22と接している下部よりも上部の方が広く形成されており、ドレイン電極33の上部において、絶縁層150の上に形成されている部分がドレインフィールドプレート33aとなる。よって、本実施の形態においては、ドレイン電極33の周囲には、上部において張出しているドレインフィールドプレート33aが形成される。この際成膜されるTi/Alからなる金属積層膜は、Ti膜が約100nm、Al膜が約300nmを積層形成したものである。また、この後、約600℃の温度でRTAを行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33をオーミックコンタクトさせる。
【0067】
次に、図19に示すように、絶縁層150において、ゲート電極31が形成される領域に開口部を形成し、形成された開口部にゲート電極31を形成する。尚、図19(a)は、図12における一点鎖線12A−12Bで切断した断面に対応する工程図であり、図19(b)は、図12における一点鎖線12C−12Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0068】
具体的には、絶縁層150の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ゲート電極31が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層150を電子供給層22の表面が露出するまで除去する。この際、電子供給層22の一部を除去することにより、ゲートリセスを形成してもよい。この後、真空蒸着によりNi/Auからなる金属積層膜を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりゲート電極31が形成される。このように形成されるゲート電極31は、ソース電極32とドレイン電極33との間に形成されるゲートフィンガー31aとゲートフィンガー31a同士を接続するゲートフィンガー接続部31bとを有している。この際成膜されるNi/Auからなる金属積層膜は、Ni膜が約50nm、Au膜が約300nmを積層形成したものである。
【0069】
以上の工程により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0070】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、素子分離領域がエッチングにより形成されている構造のものである。
【0071】
(半導体装置)
本実施の形態における半導体装置について、図20及び図21に基づき説明する。尚、図21(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図であり、図21(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dにおいて切断した断面図である。
【0072】
本実施の形態における半導体装置であるHEMTは、Si等の基板10の上に、バッファ層11が形成されており、バッファ層11の上に、第1の半導体層である電子走行層21及び第2の半導体層である電子供給層22が積層して形成されている。バッファ層11は、AlN、AlGaN等により形成されており、電子走行層21は、i−GaN等により形成されており、電子供給層22は、i−AlGaN等により形成されている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。
【0073】
また、電子供給層22及び電子走行層21の一部には、Ar等のイオン注入をすることにより素子分離領域40a及び40bが形成されており、このように形成された素子分離領域40a及び40bにより素子ごとに分離されている。
【0074】
また、電子供給層22の上には、ゲート電極31、ソース電極32、ドレイン電極33が形成されている。具体的には、中央部分にドレイン電極33が形成されており、このドレイン電極33の両側の各々にソース電極32が形成されている。即ち、2つのソース電極32の間にドレイン電極33が形成されている。ゲート電極31の一部であるのゲートフィンガー31aは、ドレイン電極33とソース電極32との間に各々形成されている。ゲート電極31は、このように形成された2つのゲートフィンガー31aと、2つのゲートフィンガー31aを接続するためのゲートフィンガー接続部31bとを有している。尚、ソース電極32及びドレイン電極33は細長い長方形の形状で形成されており、ともに長手方向が略同一の方向となるように形成されている。
【0075】
本実施の形態においては、ドレイン電極33には、ドレイン電極33の端部において上部が周囲に張出しているドレインフィールドプレート33b及び33cが設けられている。具体的には、ドレインフィールドプレート33b及び33cは、電子供給層22の上に形成されている絶縁層250の上に設けられている。このため、素子分離領域40aの上におけるドレイン電極33の端部においてもドレインフィールドプレート33bが設けられている。
【0076】
本実施の形態においては、絶縁層250は、素子分離領域40a及び40bの上に形成される絶縁層250aと、素子分離領域40a及び40b以外の領域の電子供給層22の上に形成される絶縁層250bとにより形成されている。更に、素子分離領域40a及び40bの上に形成される絶縁層250aは、素子分離領域40a及び40b以外の領域の電子供給層22の上に形成される絶縁層250bよりも薄く形成されている。具体的には、絶縁層250aの膜厚は、絶縁層250bの膜厚の半分以下の膜厚で形成されており、例えば、絶縁層250aの膜厚が約50nm、絶縁層250bの膜厚が約100nmとなるように形成されている。よって、素子分離領域40aにおいては、絶縁層250bよりも薄い絶縁層250aの上にドレインフィールドプレート33bが形成されているため、ドレインフィールドプレート33bは、ドレインフィールドプレート33cよりも低い位置に形成される。このように、絶縁層250bの厚さを薄くすることにより、より電界を緩和させることができる。一方、素子分離領域40a及び40bが形成されていない領域においては、コラプスを低減するため、ドレインフィールドプレート33cを高い位置に形成する必要があり、絶縁層250bの厚さをある程度厚くする必要がある。
【0077】
尚、電子供給層22の上に形成されているゲート電極31におけるゲートフィンガー31a、ソース電極32、ドレイン電極33は、一方の素子分離領域40aの上から他方の素子分離領域40bの上に延びるように形成されている。また、ゲート電極31におけるゲートフィンガー接続部31bは、一方の素子分離領域40aの上に形成されている。
【0078】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図22図28に基づき説明する。
【0079】
最初に、図22に示すように、Si等により形成された基板10の上に、窒化物半導体によりバッファ層11、電子走行層21、電子供給層22をエピタキシャル成長により形成する。尚、図22(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図22(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0080】
基板10は、Si以外にも、SiC、サファイア、GaN等により形成されたものであってもよい。バッファ層11、電子走行層21、電子供給層22は、MOCVDまたはMBEによるエピタキシャル成長により形成することができる。尚、本実施の形態においては、MOCVDの場合について説明する。
【0081】
バッファ層11は、AlN及びAlGaN等により形成されている。バッファ層11を形成する際の原料ガスとしては、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニア(NH)が用いられる。バッファ層11は、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0082】
電子走行層21は、膜厚が約1μmのGaNにより形成されている。電子走行層21を形成する際の原料ガスとしては、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。
【0083】
電子供給層22は、膜厚が約20nmのAl0.2Ga0.8Nにより形成されている。電子供給層22を形成する際の原料ガスとしては、TMA、TMG、アンモニアが用いられ、これらの原料ガスをMOCVDのチャンバー内に所定量供給しエピタキシャル成長させることにより形成する。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21において、2DEG21aが生成される。
【0084】
次に、図23に示すように、電子供給層22及び電子走行層21の一部に素子分離領域40a及び40bを形成する。尚、図23(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図23(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0085】
具体的には、電子供給層22の上に、フォトレジストを塗布し露光装置による露光、現像を行なうことにより、素子分離領域40a及び40bが形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない開口部における電子供給層22及び電子走行層21の一部に、アルゴン(Ar)等のイオンをイオン注入することにより半絶縁化させて不活性領域を形成する。このように形成された不活性領域により、素子分離領域40a及び40bを形成する。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去される。尚、イオン注入することにより不活性領域を形成することのできる元素としては、Ar以外には、水素(H)、ヘリウム(He)、窒素(N)、フッ素(F)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、酸素(O)等が挙げられる。
【0086】
次に、図24に示すように、電子供給層22の上に、絶縁層250を形成する。具体的には、電子供給層22の上に、CVDにより、厚さ約100nmのSiN(窒化シリコン)を成膜することにより絶縁層250を形成する。尚、図24(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図24(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0087】
次に、図25に示すように、素子分離領域40a及び40bの上を除く領域にレジストパターン261を形成し、素子分離領域40a及び40bの上の絶縁層250の厚さを薄くすることにより、素子分離領域40a及び40bの上に絶縁層250aを形成する。尚、図25(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図25(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0088】
具体的には、絶縁層250の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、絶縁層250を介した素子分離領域40a及び40bの上に開口部を有するレジストパターン261を形成する。この後、フッ素を含むエッチングガスを用いてRIE等によるドライエッチングを行なうことにより、レジストパターン261が形成されていない領域における絶縁層250の厚さを約50nmとなるまで除去し絶縁層250aを形成する。尚、絶縁層250において、絶縁層250a以外の領域の絶縁層を絶縁層250bと記載する場合がある。この後、不図示のレジストパターンを有機溶剤等により除去する。
【0089】
次に、図26に示すように、絶縁層250において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部250cを形成する。尚、図26(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図26(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0090】
具体的には、絶縁層250の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層250を電子供給層22の表面が露出するまで除去する。これにより、絶縁層250において、ソース電極32及びドレイン電極33が形成される領域に開口部250cを形成する。この後、不図示のレジストパターンを有機溶剤等により除去する。
【0091】
次に、図27に示すように、絶縁層250における開口部250cにソース電極32及びドレイン電極33を形成する。尚、図27(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図27(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0092】
具体的には、再度、絶縁層50及び電子供給層22の表面に塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、不図示のレジストパターンを形成する。この際形成されるレジストパターンは、ソース電極32、ドレイン電極33及びドレインフィールドプレート33b及び33cが形成される領域に開口部を有している。具体的には、ドレイン電極33が形成される領域に、ドレイン電極33を形成するために絶縁層250に形成された開口部250cよりも大きな開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、真空蒸着によりTi/Alからなる金属積層膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりソース電極32及びドレイン電極33が形成される。このように形成されるドレイン電極33の周囲には、絶縁層250の上に、ドレインフィールドプレート33b及び33cが形成されている。即ち、ドレイン電極33は、電子供給層22と接している下部よりも上部の方が広く形成されており、ドレイン電極33の上部において、絶縁層50の上に形成されている部分がドレインフィールドプレート33b及び33cとなる。
【0093】
本実施の形態においては、素子分離領域40a及び40bの上の絶縁層250aの上にドレインフィールドプレート33bが形成されている。また、素子分離領域40a及び40bを除く領域の上の絶縁層250bの上にドレインフィールドプレート33cが形成されている。この際成膜されるTi/Alからなる金属積層膜は、Ti膜が約100nm、Al膜が約300nmを積層形成したものである。また、この後、約600℃の温度でRTAを行なうことにより、ソース電極32及びドレイン電極33をオーミックコンタクトさせる。
【0094】
次に、図28に示すように、絶縁層50において、ゲート電極31が形成される領域に開口部を形成し、形成された開口部にゲート電極31を形成する。尚、図28(a)は、図20における一点鎖線20A−20Bで切断した断面に対応する工程図であり、図28(b)は、図20における一点鎖線20C−20Dで切断した断面に対応する工程図である。
【0095】
具体的には、絶縁層250a及び250bの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ゲート電極31が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域における絶縁層250bを電子供給層22の表面が露出するまで除去する。この際、電子供給層22の一部を除去することにより、ゲートリセスを形成してもよい。この後、真空蒸着によりNi/Auからなる金属積層膜を成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属積層膜をレジストパターンとともにリフトオフにより除去する。これにより、残存する金属積層膜によりゲート電極31が形成される。このように形成されるゲート電極31は、ソース電極32とドレイン電極33との間に形成されるゲートフィンガー31aとゲートフィンガー31a同士を接続するゲートフィンガー接続部31bとを有している。この際成膜されるNi/Auからなる金属積層膜は、Ni膜が約50nm、Au膜が約300nmを積層形成したものである。
【0096】
以上の工程により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0097】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
【0098】
本実施の形態における半導体デバイスは、第1から第3の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図29に基づき説明する。尚、図29は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1から第3の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
【0099】
最初に、第1から第3の実施の形態において製造された半導体装置をダイシング等により切断することにより、GaN系の半導体材料のHEMTの半導体チップ410を形成する。この半導体チップ410をリードフレーム420上に、ハンダ等のダイアタッチ剤430により固定する。
【0100】
次に、ゲート電極411をゲートリード421にボンディングワイヤ431により接続し、ソース電極412をソースリード422にボンディングワイヤ432により接続し、ドレイン電極413をドレインリード423にボンディングワイヤ433により接続する。尚、ボンディングワイヤ431、432、433はAl等の金属材料により形成されている。尚、本実施の形態におけるゲート電極411はゲート電極パッドであり、第1から第3の実施の形態におけるゲート電極31と接続されている。同様に、ソース電極412はソース電極パッドでありソース電極32と接続されており、ドレイン電極413はドレイン電極パッドでありドレイン電極33と接続されている。
【0101】
次に、トランスファーモールド法によりモールド樹脂440による樹脂封止を行なう。このようにして、GaN系の半導体材料を用いたHEMTのディスクリートパッケージされている半導体デバイスを作製することができる。
【0102】
また、本実施の形態における電源装置及び高周波増幅器は、第1から第3の実施の形態における半導体装置のいずれかを用いた電源装置及び高周波増幅器である。
【0103】
図30に基づき、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置460は、高圧の一次側回路461、低圧の二次側回路462及び一次側回路461と二次側回路462との間に配設されるトランス463を備えている。一次側回路461は、交流電源464、いわゆるブリッジ整流回路465、複数のスイッチング素子(図30に示す例では4つ)466及び一つのスイッチング素子467等を備えている。二次側回路462は、複数のスイッチング素子(図30に示す例では3つ)468を備えている。図30に示す例では、第1から第3の実施の形態における半導体装置を一次側回路461のスイッチング素子466及び467として用いている。尚、一次側回路461のスイッチング素子466及び467は、ノーマリーオフの半導体装置であることが好ましい。また、二次側回路462において用いられているスイッチング素子468はシリコンにより形成される通常のMISFET(metal insulator semiconductor field effect transistor)を用いている。
【0104】
また、図31に基づき、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器470は、例えば、携帯電話の基地局用パワーアンプに適用してもよい。この高周波増幅器470は、ディジタル・プレディストーション回路471、ミキサー472、パワーアンプ473及び方向性結合器474を備えている。ディジタル・プレディストーション回路471は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー472は、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ473は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。図31に示す例では、パワーアンプ473は、第1から第3の実施の形態における半導体装置を有している。方向性結合器474は、入力信号や出力信号のモニタリング等を行なう。図31に示す回路では、例えば、スイッチの切り替えにより、ミキサー472により出力信号を交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路471に送出することが可能である。
【0105】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0106】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に形成された素子分離領域と、
前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、
前記素子分離領域の上において、空間を介して前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記素子分離領域の上における前記ドレイン電極の周囲には、前記空間に代えて絶縁層が形成されており、
前記絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記基板はシリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に、Ar、H、He、N、F、Mg、Zn、Oのうちのいずれかの元素を含むイオンをイオン注入することにより形成されていることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5)
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部を除去することにより形成されていることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6)
前記ドレイン電極の周囲における前記素子分離領域を除く領域には絶縁層が形成されており、
前記ドレインフィールドプレートは、前記絶縁層の上に形成されているものであって、
前記ドレイン電極の周囲に形成されている絶縁層のうち、前記素子分離領域の上に形成されている絶縁層の膜厚は、前記素子分離領域を除く領域の上に形成されている絶縁層の膜厚よりも薄く形成されていることを特徴とする付記1から5のうちのいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記絶縁層は、窒化シリコン、または、酸化シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から6のうちのいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に形成された素子分離領域と、
前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ドレイン電極の周囲には絶縁層が形成されており、前記絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記9)
前記ゲート電極は、ゲートフィンガーと前記ゲートフィンガーを接続するゲートフィンガー接続部とを有しており、
前記ゲートフィンガーは、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されており、
前記ゲートフィンガー接続部は、前記素子分離領域の上に形成されていることを特徴とする付記1から8のうちのいずれかに記載の半導体装置。
(付記10)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から9のうちのいずれかに記載の半導体装置。
(付記11)
前記第2の半導体層は、AlGaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から10のうちのいずれかに記載の半導体装置。
(付記12)
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層、第2の半導体層を順次エピタキシャル成長により形成する工程と、
第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に素子分離領域を形成する工程と、
前記第2の半導体層及び前記素子分離領域の上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層において、ソース電極及びドレイン電極が形成される領域に開口部を形成する工程と、
前記開口部に金属膜を形成することによりソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記ドレイン電極は、前記素子分離領域の上の一部にも形成されており、
前記素子分離領域の上の絶縁層の上には、前記ドレイン電極の一部となるドレインフィールドプレートが形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記基板は、シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成する工程は、
前記開口部を有する絶縁層の上に、前記ドレイン電極を形成するために前記絶縁層に設けられた開口部よりも大きな開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンが形成されている面に金属膜を成膜する工程と、
前記レジストパターンの上に成膜されている金属膜をリフトオフに除去する工程と、
を含むものであることを特徴とする付記12または13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部に、Ar、H、He、N、F、Mg、Zn、Oのうちのいずれかの元素を含むイオンをイオン注入することにより形成されていることを特徴とする付記12から14のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記素子分離領域は、第2の半導体層及び第1の半導体層の一部を除去することにより形成されていることを特徴とする付記12から14のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記絶縁層を形成する工程の後、
前記素子分離領域の上に形成されている前記絶縁層の厚さを薄くする工程を含むものであることを特徴とする付記12から16のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)
付記1から11のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記19)
付記1から11のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
【符号の説明】
【0107】
10 基板
11 バッファ層
21 電子走行層(第1の半導体層)
21a 2DEG
22 電子供給層(第2の半導体層)
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
33a ドレインフィールドプレート
33b、33c ドレインフィールドプレート
40a、40b 素子分離領域
50 絶縁層
250 絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図30
図31