特許第6252133号(P6252133)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6252133三次元モデル中の一体空間の確定方法、装置及び画像処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252133
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】三次元モデル中の一体空間の確定方法、装置及び画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   G06F17/50 622C
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-244713(P2013-244713)
(22)【出願日】2013年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-110050(P2014-110050A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2016年8月4日
(31)【優先権主張番号】201210505469.1
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146776
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 昭則
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ユエホォン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ・ルゥジエ
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 進
(72)【発明者】
【氏名】馬場 孝之
(72)【発明者】
【氏名】上原 祐介
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−018328(JP,A)
【文献】 特開2010−186479(JP,A)
【文献】 WANG, Yuehong et al.,AN EFFECTIVE HOLE DETECTION METHOD FOR 3D MODELS,2012 Proceedings of the 20th European Signal Processing Conference(EUSIPCO),IEEE,2012年 8月30日,pp.1940-1944
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
G06T 1/00−19/20
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元モデル中の一体空間を確定するための装置における方法であって、
前記装置が、前記三次元モデル中の各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有し且つ前記凹入空間を含む第一実体セットを認識する第一実体セット認識ステップ;
前記装置が、前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有しないが前記凹入空間を含む第二実体セットを認識する第二実体セット認識ステップ;及び
前記装置が、前記第一実体セット及び前記第二実体セット中の実体及び前記凹入空間を一体空間として確定する一体空間確定ステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第一実体セット認識ステップは、
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、対応する共通平面を第一共通平面として記録する第一共面実体検出サブステップ;
各現在の第一共通平面に対して、前記現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び前記凹入空間の間の接続関係に基づいて、前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体及び前記凹入空間に関連する凸包を計算する凸包計算サブステップ;
前記凸包及び前記凹入空間を比較し、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有するかどうかを確定する凸包比較サブステップ;及び
前記凸包比較サブステップで前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する第一実体追加サブステップを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第二実体セット認識ステップは、
前記三次元モデル中の前記第一実体セット以外の実体から、前記第一実体セット中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、対応する共通平面を第二共通平面として記録する第二共面実体検出サブステップ;
検出された各現在の第二共面実体に対して、前記現在の第二共面実体及び前記凹入空間に関連する現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有するかどうかを判断する交点判断サブステップ;
前記交点判断サブステップで交点が存在すると判断すれば、前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定する交点領域確定サブステップ;及び
前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると確定すれば、前記現在の第二共面実体を前記第二実体セットに追加する第二実体追加サブステップを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記第一実体セット認識ステップは、前記凸包比較サブステップで前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記凹入空間の少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断する頂点判断サブステップを更に含み、
前記第一実体追加サブステップでは、前記頂点判断サブステップで前記少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の方法であって、
前記三次元モデルは、三角形メッシュにより表される、方法。
【請求項6】
三次元モデル中の一体空間を確定するための装置であって、
前記三次元モデル中の各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有し且つ前記凹入空間を含む第一実体セットを認識する第一実体セット認識ユニット;
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有しないが前記凹入空間を含む第二実体セットを認識する第二実体セット認識ユニット;及び
前記第一実体セット及び前記第二実体セット中の実体及び前記凹入空間を一体空間として確定する一体空間確定ユニットを含む、装置
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記第一実体セット認識ユニットは、
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、対応する共通平面を第一共通平面として記録する第一共面実体検出モジュール;
各現在の第一共通平面に対して、前記現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び前記凹入空間の間の接続関係に基づいて、前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体及び前記凹入空間に関連する凸包を計算する凸包計算モジュール;
前記凸包及び前記凹入空間を比較し、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有するかどうかを確定する凸包比較モジュール;及び
前記凸包比較モジュールにより、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する第一実体追加モジュールを更に含む、装置
【請求項8】
請求項6に記載の装置であって、
前記第二実体セット認識ユニットは、
前記三次元モデル中の前記第一実体セット以外の実体かから、前記第一実体セット中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、対応する共通平面を第二共通平面として記録する第二共面実体検出モジュール;
検出された各現在の第二共面実体に対して、前記現在の第二共面実体及び前記凹入空間に関連する現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有するかどうかを判断する交点判断モジュール;
前記交点判断モジュールにより、交点が存在すると判断すれば、前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定する交点領域確定モジュール;及び
前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第二共面実体を前記第二実体セットに追加する第二実体追加モジュールを更に含む、装置
【請求項9】
請求項7に記載の装置であって、
前記第一実体セット認識ユニットは、更に、前記凸包比較モジュールにより、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと判断すれば、前記凹入空間の少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断する頂点判断モジュールを含み、
前記第一実体追加モジュールは、更に、前記頂点判断モジュールにより、前記少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、装置
【請求項10】
請求項6〜9のうちのいずれか1項に記載の装置を含む、画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理分野に関し、さらに具体的には、三次元モデルにおける一体空間を確定する方法、設備(即ち、装置)、及び該設備を含む画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術、CAD(コンピュータ支援設計)技術の発展に伴い、三次元モデルが、ますます、広く用いられている。よって、三次元モデル技術は、広く注目されており、そのうち、モデル分割は、キー技術として、ターゲット検出、部分マッチングを行うなどの分野に応用され得る。モデル分割プロセスでは、三次元モデルにおける凹入空間(例えば、孔)及び実体の間の関係を正確に判定する必要があり、これにより、凹入空間を継続して分割することを防止し、分割後のモデル形状を保持することができる。よって、凹入空間及び実体の間の関係の確定は、モデル分割にとって最も重要である。
【0003】
そのため、従来技術では、凹入空間及び実体の間の関係を分析するための幾つかの技術、例えば、凹入空間及び実体が分割面における閉領域の間の相互包含関係を分析することによって、凹入空間及び実体の包含関係を確定する技術(例えば、2009年7月8日に中国知識産権局へ提出した特許出願第CN101944239A号明細書を参照)が既に提案されている。しかし、従来技術におけるこのような方法は、通常、計算量が大きく、効率が低く、且つ、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体及び該凹入空間の間の包含関係を正確に分析することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、上述のことに鑑み、本発明の目的は、確定された三次元モデルに関する平面、輪郭などの幾何学的情報に基づいて、凹入空間及び実体の間の関係を分析する技術を提供することにあり、これにより、モデル分割時に、凹入空間を含む実体及び該凹入空間を1つの一体空間として確定し、凹入空間に対して更に分割を行うことによって、分割後に正確なモデル形状を保持することができないという問題を避けることができる。該技術は、計算量が低く、効率が高く、且つ、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体及び該凹入空間の間の関係を正確に判定することができ、これにより、モデル分割の合理性及び正確性を更に向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の一側面によれば、三次元モデルにおける一体空間を確定するための方法が提供され、該方法は、三次元モデルにおける各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて該凹入空間と共通する共通平面を有し且つ該凹入空間を含む第一実体セットを認識する第一実体セット認識ステップ;各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて該凹入空間と共通する共通平面を有しないが該凹入空間を含む第二実体セットを認識する第二実体セット認識ステップ;及び、第一実体セット及び第二実体セットにおける実体及び凹入空間を一体空間として確定する一体空間確定ステップを含む。
【0006】
よって、本発明の実施例によれば、三次元モデルにおいて凹入空間と共通する共通平面を有する実体及び該凹入空間の間の関係を簡単且つ効率よく確定することができ、また、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体及び該凹入空間の間の関係を確定することもできるので、モデル分割時に、対応する実体及び凹入空間を1つの一体空間として正確且つ合理的に確定し、これにより、分割後のモデル形状の正確性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例による、三次元モデル中の一体空間を確定するための方法のフローチャートである。
図2図1に示す方法における第一実体セット認識ステップの具体的な処理のフローチャートである。
図3図1に示す方法における第二実体セット認識ステップの具体的な処理のフローチャートである。
図4】凹入空間と共通する共通平面を有する第一類実体を示す図である。
図5】凹入空間と共通する共通平面を有しない第二類実体を示す図である。
図6】本発明の実施例による、三次元モデル中の一体空間を確定するための設備の機能ブロック図である。
図7図6に示す設備における第一実体セット認識ユニットの具体的な機能ブロック図である。
図8図6に示す設備における第二実体セット認識ユニットの具体的な機能ブロック図である。
図9】本発明の実施例に用い得る情報処理設備としてのパーソナルコンピュータの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施例による、三次元モデル中の一体空間を確定するための方法及び設備について説明する。
【0009】
なお、本発明の実施例に用いる例えば平面、輪郭、実体、凹入空間などの幾何学的情報は全て、従来技術を利用することにより取得され得る既知の情報と見なされるので、ここでは、これらの情報の取得方法についての説明を省略する。また、好ましくは、入力される三次元モデルは、三角形メッシュで表すことができる。理解すべきは、入力される三次元モデルは、このようなフォーマットで表すものでなくても、本発明の実施例による技術を応用する前に、従来技術を利用することによって該三次元モデルを、三角形メッシュで表すものに変換することができる。
【0010】
図1に示すように、本発明の実施例による、三次元モデル中の一体空間を確定するための方法は、第一実体セット認識ステップS110、第二実体セット認識ステップS112、及び一体空間確定ステップS114を含んでも良い。
【0011】
第一実体セット認識ステップS110では、三次元モデルにおける各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて該凹入空間と共通する共通平面を有し且つ該凹入空間を含む第一実体セットを認識することができる。第一実体セットに関しては、従来技術による方法(例えば、上述の特許出願第CN101944239A号明細書に記載の方法)を利用することにより確定してもよく、本発明の実施例による方法を利用することにより確定してもよい。
【0012】
次に、図2を参照して、本発明の実施例における第一実体セット認識ステップの詳細な処理フローを詳しく説明する。図2に示すように、第一実体セット認識ステップは、第一共面実体検出サブステップS210、凸包計算サブステップS212、凸包比較サブステップS214、及び第一実体追加サブステップS218を更に含んでも良い。また、好ましくは、第一実体セット認識ステップは、頂点判断サブステップS216を更に含んでも良い。次に、各サブステップの処理をそれぞれ詳しく説明する。
【0013】
第一共面実体検出サブステップS210では、三次元モデルにおける各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて該凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、そして、対応する共通平面を第一共通平面として記録することができる。
【0014】
図4を参照するに、それは、凹入空間と共通する共通平面を有する第一類実体を示す図である。図4には、左から右へ順に三次元モデル、検出された平面、並びに実体及び凹入空間の輪郭図を示している。図4における凹入空間H1について、それと共通する共通平面を有する第一共面実体は、実体E1及びE2であり、且つ、凹入空間H1と、実体E1及びE2との共通平面は全てP1であり、凹入空間H2について、それと共通する共通平面を有する第一共面実体は実体E1及びE2である。次に、凹入空間H1及び実体E2を例とし、両者間の関係を判定する詳細な処理を詳しく説明する。
【0015】
続いて、図2を再び参照するに、凸包計算サブステップS212では、各現在の第一共通平面に対して、現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び凹入空間の間の接続関係に基づいて、該現在の第一共通平面において現在の第一共面実体及び凹入空間に関連する凸包を計算する。
【0016】
好ましくは、第一共面実体検出サブステップS210で検出された第一共面実体の数が1であれば、該実体が凹入空間を含むと確定し、且つ、該実体を第一実体セットに直接追加する。また、第一共面実体検出ステップS210で検出された第一共面実体の数が1より大きければ、凸包計算サブステップS212では、検出された複数の第一共面実体から、三角形メッシュによって凹入空間と接続し得る実体を認識し、且つ、該実体及び凹入空間が現在の第一共通平面における点を利用して凸包を計算する。逆に、第一共面実体が三角形メッシュによって凹入空間と接続することができないと確定すれば、該第一共面実体が該凹入空間を含まないと確定する。
【0017】
図4に示す例では、実体E2及び凹入空間H1が三角形メッシュによって接続され得るので、実体E2及び凹入空間H1がその共通平面P1における点を利用して凸包を計算する。
【0018】
続いて、凸包比較サブステップS214では、計算された凸包及び凹入空間を比較することにより、該凸包及び凹入空間が共通点(common point)を有するかどうかを確定することができる。
【0019】
凸包比較サブステップS214で共通点が存在すると確定すれば、該凸包に対応する第一共面実体が凹入空間を含まないと確定する。また、凸包比較サブステップS214で共通点が存在しないと確定すれば、処理は、ステップS218に進む。
【0020】
第一実体追加サブステップS218では、ステップS214で凸包及び凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、該凸包に対応する第一共面実体が凹入空間を含むことを示し、且つ、該第一共面実体を第一実体セットに追加する。
【0021】
好ましくは、凸包比較サブステップS214の後、且つ、第一実体追加サブステップS218の前に、該方法は、頂点判断サブステップS216を更に含んでも良い。
【0022】
頂点判断サブステップS216では、凸包比較サブステップS214で凸包及び凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、凹入空間の少なくとも1つの頂点が現在の第一共通平面において現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断する。該頂点判断操作を行う理由は、計算された実体及び凹入空間に関連する凸包が、通常、凹入空間の輪郭より大きいから、現在の共通平面における凹入空間の1つの頂点が共通平面において対応する領域に位置するかどうかを判断することにより、実際に凹入空間を含まない実体を誤って第一実体セットに追加するのを避け得ることにある。
【0023】
好ましくは、上述の第一実体追加サブステップS218では、頂点判断サブステップS216で凹入空間の少なくとも1つの頂点が現在の第一共通平面において現在の第一共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、現在の第一共面実体が凹入空間を含むと確定し、そして、それを第一実体セットに追加する。
【0024】
図4に示す例では、計算された凸包及び凹入空間H1が共通点を有しないと確定すれば、凹入空間H1の1つの頂点が現在の第一共通平面P1の実体E2の領域に位置するかどうかを判断する。図4から分かるように、凹入空間H1の頂点が共通平面P1において実体E2に対応する領域に位置するので、実体E2が凹入空間H1を含むと判断し得る。
【0025】
このような方法で、三次元モデルにおいて各凹入空間に関連する第一実体セットをそれぞれ得ることができる。
【0026】
本発明の実施例による第一実体セットの認識方法は、従来技術に比べ、計算量を大幅に減少させることができるので、効率を大幅に向上させることができる。
【0027】
続いて、図1を再び参照するに、第二実体セット認識ステップS112では、各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて凹入空間と共通する共通平面を有しないが該凹入空間を含む第二実体セットを認識することができる。
【0028】
図5に示すように、三次元モデルの実体には、凹入空間(例えば、H1’)と共通する共通平面を有する実体(例えば、実体E1’及びE2’)以外に、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体(例えば、実体E3)も存在し、しかし、上述の処理は、このような実体を考慮していない。図5には、左から右へ順に三次元モデル、検出された平面、並びに凹入空間及び実体の輪郭図を示している。
【0029】
次に、図3を参照して、第二実体セット認識ステップの詳細な処理を詳しく説明する。図3に示すように、第二実体セット認識ステップは、第二共面実体検出サブステップS310、交点判断サブステップS312、交点領域確定サブステップS314、及び第二実体追加サブステップS316を更に含んでもよい。次に、各サブステップの処理をそれぞれ詳しく説明する。
【0030】
第二共面実体検出サブステップS310では、三次元モデル中の上述のように認識された第一実体セット以外の実体から、第一実体セット中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、そして、対応する共通平面を第二共通平面として記録することができる。
【0031】
具体的には、依然として図5を例とし、実体E1’及びE2’が第一実体セット認識ステップS110で認識された第一実体セット中の実体であると確定したとすれば、検出された第二共面実体が実体E3であり、なぜなら、それと実体E1’の共通平面が図5の中間に示す左側の平面であり、且つ、実体E2’との共通平面が図5の中間に示す右側の平面であるからである。
【0032】
続いて、交点判断サブステップS312では、第二共面実体検出サブステップS310で検出された各現在の第二共面実体に対して、現在の第二共面実体及び凹入空間に関連する現在の第二共通平面及び凹入空間が交点を有するかどうかを判断する。
【0033】
好ましくは、凹入空間の輪郭線が現在の第二共通平面を通過し、即ち、凹入空間の輪郭線の端点がそれぞれ現在の第二共通平面の両側に位置すると判断すれば、現在の第二共通平面及び凹入空間の間に交点が存在すると判断する。
【0034】
その後、交点領域確定サブステップS314では、交点判断サブステップS312で現在の第二共通平面及び凹入空間が交点を有すると判断すれば、該交点が現在の第二共通平面において現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定する。
【0035】
続いて、第二実体追加サブステップS316では、交点が現在の第二共通平面において現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると確定すれば、現在の第二共面実体が凹入空間を含むと判断し、そして、現在の第二共面実体を第二実体セットに追加し、さもなければ、現在の第二共面実体が該凹入空間を含まないと判断する。
【0036】
図1を再び参照して、一体空間確定ステップS114では、認識された第一実体セット及び第二実体セットにおける実体及びその対応する凹入空間を一体空間として確定することができる。
【0037】
上述の処理から分かるように、第一実体セット認識ステップ及び第二実体セット認識ステップで、三次元モデルにおいて各凹入空間を含む全ての実体セット、即ち、凹入空間と共通する共通平面を有する実体、及び、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体を見つけ、これにより、従来技術に存在する、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体及び該凹入空間の間の包含関係を確定することができないという問題を解決でき、モデル分割がより合理的になる。
【0038】
また、上に図1乃至図5を参照して、本発明の実施例による三次元モデル中の一体空間を確定するための方法の例を詳しく説明しているが、当業者にとって、図面に示すフローチャートが例示だけであり、且つ、実際の応用及び具体的な要求が異なることに応じて、上述の方法の処理フローをそれ相応に変更しても良いとのことが明白である。例えば、ニーズに応じて、上述の方法における幾つかのステップの実行順序を調整してもよく、或いは、幾つかの処理ステップを省略又は追加しても良い。例えば、図2に示すように、そのうちの頂点判断サブステップS216がドット線フレームで示されおり、これは、該ステップがオプションであることを表す。また、理解すべきは、上述の例示は、本発明を限定するためのものではなく、当業者は、上に示されている原理に基づいて、上述のプロセスに対して適当な変更を行い、他の応用場面に応用させても良い。
【0039】
本発明の実施例による三次元モデル中の一体空間を確定する方法に対応して、本発明の実施例は、さらに、三次元モデル中の一体空間を確定する設備をも提供する。次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施例による三次元モデル中の一体空間を確定するための設備の機能構成例を詳しく説明する。
【0040】
図6に示すように、本発明の実施例による三次元モデル中の一体空間を確定するための設備は、第一実体セット認識ユニット610、第二実体セット認識ユニット612、及び一体空間確定ユニット614を含んでも良い。
【0041】
第一実体セット認識ユニット610は、三次元モデルにおける各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて該凹入空間と共通する共通平面を有し、且つ、該凹入空間を含む第一実体セットを認識することができるように構成されてもよい。
【0042】
具体的には、図7を参照して、第一実体セット認識ユニット610の詳細な機能構成例を説明する。第一実体セット認識ユニット610は、第一共面実体検出モジュール710、凸包計算モジュール712、凸包比較モジュール714、及び第一実体追加モジュール718を更に含んでも良い。好ましくは、第一実体セット認識ユニット610は、頂点判断モジュール716を更に含んでもよい。次に、各モジュールの機能構成例を詳しく説明する。
【0043】
第一共面実体検出モジュール710は、各凹入空間に対して、三次元モデルにおいて凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、そして、対応する共通平面を第一共通平面として記録するように構成されても良い。
【0044】
凸包計算モジュール712は、各現在の第一共通平面に対して、現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び凹入空間の間の接続関係に基づいて、現在の第一共通平面において現在の第一共面実体及び凹入空間に関連する凸包を計算するように構成されても良い。
【0045】
好ましくは、第一共面実体検出モジュール710が検出した第一共面実体の数が1であれば、該第一共面実体が凹入空間を含むと確定し、そして、それを第一実体セットに直接を追加する。また、第一共面実体検出モジュール710が検出した第一共面実体の数が1より大きければ、凸包計算モジュール712は、検出された複数の第一共面実体から、三角形メッシュによって凹入空間と接続することができる実体を認識し、且つ、該実体及び凹入空間が現在の第一共通平面における点を利用して凸包を計算する。逆に、第一共面実体が三角形メッシュによって凹入空間と接続することができないと確定すれば、該第一共面実体が該凹入空間を含まないと確定する。
【0046】
凸包比較モジュール714は、計算された凸包及び凹入空間を比較し、該凸包及び凹入空間が共通点を有するかどうかを確定するように構成されてもよい。
【0047】
第一実体追加モジュール718は、凸包比較モジュール714により、凸包及び凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、凸包に対応する第一共面実体が該凹入空間を含むと確定し、そして、該第一共面実体を第一実体セットに追加するように構成されてもよい。
【0048】
好ましくは、該設備は、頂点判断モジュール716を更に含んでもよく、該モジュールは、凸包比較モジュール714により、凸包及び凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、凹入空間の少なくとも1つの頂点が現在の第一共通平面において現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断するように構成されてもよい。頂点判断モジュール716が行う処理により、実体及び凹入空間の間の関係を確定する正確性をより向上させることができる。
【0049】
この場合、第一実体追加モジュール718は、頂点判断モジュール716により、凹入空間の少なくとも1つの頂点が現在の第一共通平面の現在の第一共面実体の領域に位置すると判断すれば、該第一共面実体が凹入空間を含むと確定し、そして、それを第一実体セットに追加するように構成されても良い。
【0050】
続いて、図6を再び参照して、第二実体セット認識ユニット612は、三次元モデルにおいて凹入空間と共通する共通平面を有しないが該凹入空間を含む第二実体セットを認識するように構成されても良い。第二実体セット認識ユニット612が行う処理により、モデル分割時に、凹入空間と共通する共通平面を有しないが該凹入空間を含む実体及び凹入空間を分割することによって元のモデル形状が崩れることを防止することができる。
【0051】
次に、図8を参照して、第二実体認識ユニット612の詳細な機能構成例を説明する。図8に示すように、第二実体セット認識ユニット612は、第二共面実体検出モジュール810、交点判断モジュール812、交点領域確定モジュール814、及び第二実体追加モジュール816を更に含んでも良い。続いて、各モジュールの機能構成例を詳しく説明する。
【0052】
第二共面実体検出モジュール810は、三次元モデルにおいて第一実体セット認識ユニット610により認識された第一実体セット以外の実体から、第一実体集中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、そして、対応する共通平面を第二共通平面として記録するように構成されても良い。
【0053】
交点判断モジュール812は、第二共面実体検出モジュール810により検出された各現在の第二共面実体に対して、現在の第二共面実体及び凹入空間が交点を有するかどうかを判断するように構成されても良い。
【0054】
好ましくは、交点判断モジュール812により、凹入空間の輪郭線が現在の第二共通平面を通過し、即ち、凹入空間の輪郭線の端点がそれぞれ現在の第二共通平面の両側に位置すると判断すれば、現在の第二共通平面及び凹入空間が交点を有すると判断する。
【0055】
交点領域確定モジュール814は、交点判断モジュール812により、現在の第二共通平面及び凹入空間が交点を有すると判断すれば、該交点が現在の第二共通平面において現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定するように構成されても良い。
【0056】
第二実体追加モジュール816は、交点が現在の第二共通平面において現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると確定すれば、現在の第二共面実体が該凹入空間を含むと確定し、そして、現在の第二共面実体を第二実体セットに追加し、さもなければ、現在の第二共面実体が該凹入空間を含まないと確定するように構成されても良い。
【0057】
図6を再び参照して、一体空間確定ユニット614は、第一実体セット認識ユニット610により認識された第一実体セット、及び、第二実体セット認識ユニット612により認識された第二実体セット中の実体及びその対応する凹入空間を一体空間として確定し、且つ、モデル分割時に、一体空間を1つの単位全体(whole unit)として分割を行うように構成されても良い。
【0058】
理解すべきは、上に説明した設備のブロック図が例示だけであり、本発明を限定するためのものでなく、且つ、当業者が実際の状況に応じて上述のブロック図に対して変更を行ってもよく、例えば、幾つかの機能モジュールを削除し、及び/又は、新しい機能モジュールを追加しても良い。例えば、図7に示す構造ブロック図では、ドット線フレームで示されている頂点判断モジュール716がオプションである。
【0059】
なお、本発明の実施例に記載の三次元モデルにおける一体空間を確定する設備は、上述の方法の実施例に対応するものであるので、設備の実施例に詳しく説明されていない部分については、方法の実施例における対応する位置の紹介を参照することができるので、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0060】
また、理解すべきは、上述の設備を含む画像処理システムも本発明の範囲に属する。
【0061】
上述の三次元モデルにおける一体空間を確定するための方法及び設備の実施例によれば、小さい計算量で2種類の実体(即ち、凹入空間と共通する共通平面を有する実体、及び、凹入空間と共通する共通平面を有しない実体)及び凹入空間の間の関係の確定を実現することができるので、モデル分割処理の効率及び合理性を向上させることができる。
【0062】
また、上述の一連の処理及び設備は、ソフトウェア及び/又はファームウェアにより実現されても良い。ソフトウェア及び/又はファームウェアにより実現される場合、記憶媒体又はネットワークから、専用ハードウェア構造を有するコンピュータ、例えば、図9に示す汎用パーソナルコンピュータ900に、該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、該コンピュータは、各種類のプログラムがインストールされている時に、各種類の機能などを実行させることができる。
【0063】
図9では、中央処理ユニット(CPU)901が、リードオンリーメモリ(ROM)902に記憶されているプログラム、又は、記憶部908からランダムアクセスメモリ(RAM)903にロードされているプログラムに基づいて、各種類の処理を行う。RAM903は、ニーズに応じて、CPU 901が各種類の処理などを実行するときに必要なデータを記憶してもよい。
【0064】
CPU 901、ROM 902及びRAM 903は、バス904を経由して互いに接続される。また、入力/出力インターフェース905もバス904に接続される。
【0065】
入力/出力インターフェース905には、キーボードやマウスなどを含む入力部606;表示器例えばCRT、LCD、スピーカーなどを含む出力部907;ハードディスクなどを含む記憶部908;及び、ネットワーク接続カード例えばLANカード、モデムなどを含む通信部909が接続される。通信部909は、ネットワーク例えばインターネットを経由して通信処理を行う。
【0066】
ドライブ910がニーズに応じて入力/出力インターフェース905に接続されてもよい。また、ニーズに応じて、取り外し可能な媒体911例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどをドライブ910にセットすることにより、その中から読み出したコンピュータプログラムを記憶部908にインストールしてもよい。
【0067】
ソフトウェアにより上述の一連の処理を実現する場合は、ネットワーク例えばインターネット又は記憶媒体例えば取り外し可能な媒体911から、このソフトウェアを構成するプログラムをインストールしてもよい。
【0068】
当業者が理解すべきは、このような記憶媒体は、中にプログラムが記憶されており、ユーザにプログラムを提供するよう装置と独立して配られる図9に示すような取り外し可能な媒体911に限定されない。取り外し可能な媒体911の例としては、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM及びDVDを含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)を含む)、及び半導体メモリを含む。或いは、記憶媒体はROM902、記憶部908に含まれるハードディスクなどであってもよく、それらにはプログラムが記憶されており、且つそれらを含む装置とともにユーザに配られてもよい。
【0069】
なお、上述の一連の処理のステップは、上述の説明の順序に基づいて時間順序に従って自然に実行してもよいが、必ずしも時間順序に基づいて実行する必要がない。幾つかのステップは、並列に又は独立して実行してもよい。
【0070】
また、上述の各実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0071】
(付記1)
三次元モデル中の一体空間を確定するための方法であって、
前記三次元モデル中の各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有し且つ前記凹入空間を含む第一実体セットを認識する第一実体セット認識ステップ;
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有しないが前記凹入空間を含む第二実体セットを認識する第二実体セット認識ステップ;及び
前記第一実体セット及び前記第二実体セット中の実体及び前記凹入空間を一体空間として確定する一体空間確定ステップを含む、方法。
【0072】
(付記2)
付記1に記載の方法であって、
前記第一実体セット認識ステップは、
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、対応する共通平面を第一共通平面として記録する第一共面実体検出サブステップ;
各現在の第一共通平面に対して、前記現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び前記凹入空間の間の接続関係に基づいて、前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体及び前記凹入空間に関連する凸包を計算する凸包計算サブステップ;
前記凸包及び前記凹入空間を比較し、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有するかどうかを確定する凸包比較サブステップ;及び
前記凸包比較サブステップで前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する第一実体追加サブステップを更に含む、方法。
【0073】
(付記3)
付記1に記載の方法であって、
前記第二実体セット認識ステップは、
前記三次元モデル中の前記第一実体セット以外の実体から、前記第一実体セット中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、対応する共通平面を第二共通平面として記録する第二共面実体検出サブステップ;
検出された各現在の第二共面実体に対して、前記現在の第二共面実体及び前記凹入空間に関連する現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有するかどうかを判断する交点判断サブステップ;
前記交点判断サブステップで交点が存在すると判断すれば、前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定する交点領域確定サブステップ;及び
前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると確定すれば、前記現在の第二共面実体を前記第二実体セットに追加する第二実体追加サブステップを更に含む、方法。
【0074】
(付記4)
付記3に記載の方法であって、
前記交点判断サブステップでは、前記凹入空間の輪郭線が前記現在の第二共通平面を通過すれば、前記現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有すると判断する、方法。
【0075】
(付記5)
付記2に記載の方法であって、
前記第一実体セット認識ステップは、前記凸包比較サブステップで前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記凹入空間の少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断する頂点判断サブステップを更に含み、
前記第一実体追加サブステップでは、前記頂点判断サブステップで前記少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、方法。
【0076】
(付記6)
付記2に記載の方法であって、
前記第一共面実体検出サブステップで検出された第一共面実体の数が1であれば、検出された第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、方法。
【0077】
(付記7)
付記2に記載の方法であって、
前記凸包計算サブステップで検出された第一共面実体の数が1より大きければ、検出された複数の第一共面実体から、三角形メッシュによって前記凹入空間と接続され得る実体を認識し、該実体及び前記凹入空間が前記現在の第一共通平面における点を用いて前記凸包を計算する、方法。
【0078】
(付記8)
付記1〜7のうちのいずれか1つに記載の方法であって、
前記三次元モデルは、三角形メッシュにより表される、方法。
【0079】
(付記9)
三次元モデル中の一体空間を確定するための設備であって、
前記三次元モデル中の各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有し且つ前記凹入空間を含む第一実体セットを認識する第一実体セット認識ユニット;
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有しないが前記凹入空間を含む第二実体セットを認識する第二実体セット認識ユニット;及び
前記第一実体セット及び前記第二実体セット中の実体及び前記凹入空間を一体空間として確定する一体空間確定ユニットを含む、設備。
【0080】
(付記10)
付記9に記載の設備であって、
前記第一実体セット認識ユニットは、
前記各凹入空間に対して、前記三次元モデル中の前記凹入空間と共通する共通平面を有する第一共面実体を検出し、対応する共通平面を第一共通平面として記録する第一共面実体検出モジュール;
各現在の第一共通平面に対して、前記現在の第一共通平面に対応する現在の第一共面実体及び前記凹入空間の間の接続関係に基づいて、前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体及び前記凹入空間に関連する凸包を計算する凸包計算モジュール;
前記凸包及び前記凹入空間を比較し、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有するかどうかを確定する凸包比較モジュール;及び
前記凸包比較モジュールにより、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと確定すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する第一実体追加モジュールを更に含む、設備。
【0081】
(付記11)
付記9に記載の設備であって、
前記第二実体セット認識ユニットは、
前記三次元モデル中の前記第一実体セット以外の実体かから、前記第一実体セット中の各実体と共通する共通平面を有する第二共面実体を検出し、対応する共通平面を第二共通平面として記録する第二共面実体検出モジュール;
検出された各現在の第二共面実体に対して、前記現在の第二共面実体及び前記凹入空間に関連する現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有するかどうかを判断する交点判断モジュール;
前記交点判断モジュールにより、交点が存在すると判断すれば、前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置するかどうかを確定する交点領域確定モジュール;及び
前記交点が前記現在の第二共通平面において前記現在の第二共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第二共面実体を前記第二実体セットに追加する第二実体追加モジュールを更に含む、設備。
【0082】
(付記12)
付記11に記載の設備であって、
前記交点判断モジュールは、さらに、前記凹入空間の輪郭線が前記現在の第二共通平面を通過すれば、前記現在の第二共通平面及び前記凹入空間が交点を有すると判断する、設備。
【0083】
(付記13)
付記10に記載の設備であって、
前記第一実体セット認識ユニットは、更に、前記凸包比較モジュールにより、前記凸包及び前記凹入空間が共通点を有しないと判断すれば、前記凹入空間の少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置するかどうかを判断する頂点判断モジュールを含み、
前記第一実体追加モジュールは、更に、前記頂点判断モジュールにより、前記少なくとも1つの頂点が前記現在の第一共通平面において前記現在の第一共面実体に対応する領域に位置すると判断すれば、前記現在の第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、設備。
【0084】
(付記14)
付記10に記載の設備であって、
前記第一共面実体検出モジュールにより検出された第一共面実体の数が1であれば、検出された第一共面実体を前記第一実体セットに追加する、設備。
【0085】
(付記15)
付記10に記載の設備であって、
前記凸包計算モジュールは、更に、検出された第一共面実体の数が1より大きければ、検出された第一共面実体から、三角形メッシュによって前記凹入空間と接続され得る実体を検出し、該実体及び前記凹入空間が前記現在の第一共通平面における点を用いて前記凸包を計算する、設備。
【0086】
(付記16)
付記9〜15のうちのいずれか1つに記載の設備であって、
前記三次元モデルは、三角形メッシュにより表される、設備。
【0087】
(付記17)
画像処理システムであって、
付記9〜16のうちのいずれか1つに記載の、三次元モデル中の一体空間を確定するための設備を含む、画像処理システム。
【0088】
(付記18)
コンピュータに、付記1〜8のうちのいずれか1つに記載の方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
【0089】
(付記19)
付記18に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み出し可能な記録媒体。
【0090】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9