特許第6252145号(P6252145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252145
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】車両の構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20171218BHJP
   B60R 19/52 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   B60K11/04 K
   B60R19/52 M
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-253606(P2013-253606)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-110399(P2015-110399A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】水田 大哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 航一
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−236504(JP,A)
【文献】 特開2012−086726(JP,A)
【文献】 特開2008−049815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04
B60R 19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前面の外周部に沿って設けられたサイドグリルと、車体内部に設けられた冷却部と、前記サイドグリルから流入する空気を前記冷却部へ導くダクトとを備える車両において、前記サイドグリルは車体前面の車幅方向中央位置よりも車幅方向外側寄りの位置に設けられ、前記冷却部は前記サイドグリルよりも車幅方向中央側に設けられる、車両の構造であって、
前記ダクトは、
車幅方向外側の側面に設けられた、前記流入する空気を前記冷却部へ導く第1ガイド、及び前記流入する空気を前記側面と連続する、前記側面に対して垂直な垂直面側へ導く第2ガイドと、
前記垂直面の前記サイドグリル側に設けられた、前記第2ガイドにより導かれた空気を車幅方向内側の側面方向へ導く第3ガイドと
を備えるものであり、
前記第2ガイドは、前記第1ガイドに対して前記第3ガイド側の位置に設けられており、
前記第3ガイドは、前記サイドグリル側が前記ダクトの開口を狭くする側へ延びる形状の面を有する、前記垂直面の前記サイドグリル側の端部であることを特徴とする車両の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドグリルと冷却部とそのサイドグリルから流入する空気をその冷却部へ導くダクトとを備える車両の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体前面の外周部に沿って設けられた開口部から流入する空気を、車体内部に設けられた冷却部(例えばオイルクーラ、インタークーラ等)へ導くダクトを備える車両が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両がそれである。この特許文献1には、中央開口部を介して取り入れた車両前方からの走行風を、エンジンルーム内に設けられたインタークーラへ導く為のダクトを設ける車体前部構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−49815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の搭載要件や衝突要件などを考慮した車両の設計上、車体前面の正面位置(車幅方向中央位置)よりも側面寄りの位置(車幅方向外側寄りの位置)に開口部やダクトを設け、冷却部をサイドグリルよりも車幅方向中央側に設ける(冷却部の位置をダクトの車幅方向外側の側面よりも車幅方向中央側にオフセットする)場合がある。つまり、車幅方向外側寄りの位置に設けた開口部(例えば、サイドグリルと称す)を介して空気(走行風)を取り入れる場合がある。このような場合、車両前方から当たった空気は車体前面(正面)からボディラインに沿って流れる。そして、サイドグリルのところではボディ接線方向に空気は流れ易いので、この空気の一部がサイドグリルの車幅方向外側の端部からダクトへ向かって流入し、そのダクトにより冷却部方向へガイドされる。このとき、冷却部の幅方向外側から内側へ向かうような空気の流れとなることから、冷却部に対する水平方向の流れが発生し、水平方向の流れによってダクト内で空気流れが渦巻く可能性がある。このような渦が発生すると、発生した渦流れにより車両外部からダクトに向かって空気が流れ難くなる為、冷却部への空気流量が減って冷却部の冷却効率が低下する恐れがある。尚、上述したような課題は未公知である。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、冷却部がサイドグリルよりも車幅方向中央側に設けられる場合に、冷却部の冷却効率の低下を抑制することができる車両の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 車体前面の外周部に沿って設けられたサイドグリルと、車体内部に設けられた冷却部と、前記サイドグリルから流入する空気を前記冷却部へ導くダクトとを備える車両において、前記サイドグリルは車体前面の車幅方向中央位置よりも車幅方向外側寄りの位置に設けられ、前記冷却部は前記サイドグリルよりも車幅方向中央側に設けられる、車両の構造であって、(b) 前記ダクトは、車幅方向外側の側面に設けられた、前記流入する空気を前記冷却部へ導く第1ガイド、及び前記流入する空気を前記側面と連続する、前記側面に対して垂直な垂直面側へ導く第2ガイドと、(c) 前記垂直面の前記サイドグリル側に設けられた、前記第2ガイドにより導かれた空気を車幅方向内側の側面方向へ導く第3ガイドとを備えるものであり、(d) 前記第2ガイドは、前記第1ガイドに対して前記第3ガイド側の位置に設けられており、(e) 前記第3ガイドは、前記サイドグリル側が前記ダクトの開口を狭くする側へ延びる形状の面を有する、前記垂直面の前記サイドグリル側の端部である
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、サイドグリルから流入した空気の一部は、第1ガイドによって直接的に冷却部へ誘導され、冷却部へ直接的に向かう空気流れ(風)が発生する。このような冷却部へ直接的に向かう風は、冷却部に対する水平方向の流れを発生させ、それによってダクト内で渦を発生させる可能性がある。つまり、第1ガイドを備えることは、冷却部に対する水平方向の流れを発生させ、ダクト内で渦を発生させる要因となる。このような問題に対して、第2ガイドと第3ガイドとが設けられることで、サイドグリルから流入した空気の別の一部は、第2ガイドによって第3ガイドへ誘導され、且つ第3ガイドによって車幅方向内側の側面方向へ誘導されて、上記冷却部へ直接的に向かう風による水平方向の流れに対向する、水平方向の空気流れ(風)が発生させられる。そして、上記冷却部へ直接的に向かう風による水平方向の流れと、それとは逆向きの水平方向の流れとが相互に相殺する方向に衝突し合うことで、渦の発生が抑制される。このように、渦の発生が抑制されると、車両外部からダクトに向かう空気の流入が妨げられ難くされて、冷却部への空気流入量の低下が抑制される。よって、冷却部がサイドグリルよりも車幅方向中央側に設けられる場合に、冷却部の冷却効率の低下を抑制することができる。
【0008】
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の構造において、前記第1ガイドは、前記サイドグリルから流入する空気の流れ方向を前記冷却部側へ向けるような、前記サイドグリル側が車幅方向外側へ延びる形状の面を有し、前記第2ガイドは、前記サイドグリルから流入する空気の流れ方向を前記垂直面側へ向けるような、前記垂直面側程その垂直面から離れる勾配となる形状の面を有し、前記第3ガイドは、前記第2ガイドからの空気の流れを前記車幅方向内側の側面方向へ向けるような、前記サイドグリル側が前記ダクトの開口を狭くする側へ延びる形状の面を有する、前記垂直面の前記サイドグリル側の端部である。このようにすれば、サイドグリルから流入した空気の一部は、第1ガイドによって直接的に冷却部へ適切に誘導され、サイドグリルから流入した空気の別の一部は、第2ガイドによって第3ガイドへ適切に誘導され、且つ第3ガイドによって車幅方向内側の側面方向へ適切に誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。
図2】車両の上方から見たときの、冷却部に取り付けられた状態のダクトを示す平面図である。
図3】車両の前方から見たときの、冷却部に取り付けられた状態のダクトを示す正面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図3のB−B断面図である。
図6図3のC−C断面図である。
図7図3のダクトの正面図に対して、車幅方向外側から見た斜視図であり、ダクト内における空気の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、好適には、例えば前記車両は、エンジンを走行用駆動力源として走行する自動車、電動機を走行用駆動力源として走行する電機自動車、エンジン及び電動機などを走行用駆動力源として走行するハイブリッド車両、又は、燃料電池車などである。
【0011】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であって、車両10の前方部分を上方から見たときの車両内の一部を示す平面図である。図1において、車両10は、車体12と、車体12前面の外周部12aに沿って設けられたサイドグリル14と、車体内部12bに設けられた冷却部16と、車体内部12bに設けられた、サイドグリル14から流入する空気を冷却部16へ導くダクト18とを備えている。
【0013】
車両10は、例えば走行用駆動力源としてエンジン及び/又は電動機などを備え、動力伝達装置を介して走行用駆動力源の動力を駆動輪へ伝達して走行する、公知の自動車である。車体12前面の外周部12aは、例えばバンパ本体やフェンダーパネル等の外装部材である。車体内部12bは、例えばフ−ド(ボンネット)に覆われた車体12前方の空間であり、エンジンを収容する場合にはエンジンルームと称されるものである。
【0014】
サイドグリル14は、例えば車体12前方側から見た正面視において開口しており、車体内部12bに空気を取り入れる公知の開口部である。本実施例では、このサイドグリル14は、車体12前面の車幅方向中央位置(正面位置)よりも車幅方向外側寄りの位置(側面寄りの位置)に設けられている。
【0015】
冷却部16は、例えば公知のオイルクーラ、インタークーラ等である。本実施例では、この冷却部16は、サイドグリル14よりも車幅方向中央側に設けられている。つまり、冷却部16の設置位置は、ダクト18の車幅方向外側の側面18a(以下、外側側面18aという)の位置よりも車幅方向中央側にオフセットされている。
【0016】
このように構成された車両10の構造においては、車両10の前進走行中は、図1の矢印Aaに示すように、車体12前方から風が当たる。車体12前方から当たった空気は、図1の矢印Abに示すように、車体12前面(正面)からボディライン(外周部12a)に沿って流れる。この空気は、図1の矢印Acに示すように、サイドグリル14のところでは、ボディ接線方向に流れ易い。その為、この空気の一部は、図1の矢印Adに示すように、サイドグリル14の車幅方向外側の端部からダクト18へ向かって流入する。ダクト18へ流入した空気は、そのダクト18により冷却部16方向へガイドされる(導かれる)。
【0017】
図2は、図1と同様に車両10の上方から見たときの、冷却部16に取り付けられた状態のダクト18を示す平面図である。図3は、車両10の前方から見たときの、冷却部16に取り付けられた状態のダクト18を示す正面図である。図2,3において、ダクト18は、サイドグリル14から流入する空気を取り入れるように、サイドグリル14側がそのサイドグリル14に沿って開口している。又、ダクト18は、冷却部16に直接的に締結されており、取り入れた空気を冷却部16側へ排出するように、冷却部16の空気取入口(不図示)に対向する冷却部16側が開口している。
【0018】
図4は、図3のA−A断面図である。図3,4において、ダクト18は、丸囲み部分Baに示すように、外側側面18aに設けられた、サイドグリル14を介して流入する空気を冷却部16へ導く第1ガイド20を備えている。第1ガイド20は、例えばサイドグリル14から流入する空気の流れ方向(例えば矢印Ad)を冷却部16側へ向けるような(冷却部16へ直接的にガイドするような)、サイドグリル14側が車幅方向外側へ延びる形状の面を有している。従って、サイドグリル14の車幅方向外側の端部からダクト18へ流入した空気の一部は、図1の矢印Aeに示すように、第1ガイド20により冷却部16方向へガイドされる(導かれる)。このように、冷却部16は、空気流入点(例えばダクト18の外側側面18a)に対して、車幅方向中央側にオフセットされている。本実施例では、第1ガイド20は、外側側面18aの上部から中央部の位置に(すなわちサイドグリル14の上部から中央部に対向する位置)に設けられている。尚、ここでの上部の位置とは、車両10の上方側を上とした場合(図3の上方を上とした場合)の位置である。
【0019】
上述したように冷却部16が空気流入点に対してオフセットされているので、第1ガイド20によって冷却部16へ直接的にガイドされた空気の流れは、冷却部16に対する水平方向流れ(破線の矢印Aeh)を発生させる。その分、冷却部16に対する垂直方向流れ(破線の矢印Aev)は減少させられる。ここで、冷却部16に対する水平方向流れは、ダクト18内に渦を発生させることがある。このような渦は車体12外部(サイドグリル14)からダクト18への空気流入の妨げとなる為、冷却部16への空気流入量が更に低下させられ、冷却部16の冷却効率が低下させられる恐れがある。
【0020】
そこで、本実施例では、ダクト18は、図3の丸囲み部分Bbに示すように、外側側面18aに設けられた、サイドグリル14を介して流入する空気を外側側面18aと連続する垂直面であるダクト18の底面18b側へ導く第2ガイド22と、図3の丸囲み部分Bcに示すように、底面18bのサイドグリル14側に設けられた、第2ガイド22により導かれた空気をダクト18の車幅方向内側の側面18c(以下、内側側面18cという)方向へ導く第3ガイド24とを備えている。
【0021】
図5は、図3のB−B断面図である。図5において、第2ガイド22は、丸囲み部分Bbに示すように、例えばサイドグリル14から流入する空気の流れ方向(例えば矢印Ad)を底面18b側へ向けるような、底面18b側程その底面18bから離れる勾配となる形状の面を有している。従って、サイドグリル14の車幅方向外側の端部からダクト18へ流入した空気の一部は、図5の矢印Afに示すように、第2ガイド22により底面18b方向へガイドされる(導かれる)。本実施例では、第2ガイド22は、外側側面18aの下部の位置に(すなわちサイドグリル14の下部の位置、第1ガイド20よりも下方の位置)に設けられた、下向きの勾配を有する滑り台(下向き滑り台、下降滑り台)である。従って、第2ガイド22は、ダクト18へ流入した空気の一部に、下向き流れ(+水平流れ)を発生させる。
【0022】
図6は、図3のC−C断面図である。図6において、第3ガイド24は、丸囲み部分Bcに示すように、例えば第2ガイド22からの空気の流れ(例えば矢印Af)を内側側面18c方向(ダクト18の上方)へ向けるような(第2ガイド22からの空気の流れを上方へ巻き上げるような)、サイドグリル14側がダクト18の開口を狭くする側へ延びる形状の面を有する、底面18bのサイドグリル14側の端部である。従って、第2ガイド22よって導かれた空気は、図6の矢印Ag,Ahに示すように、第3ガイド24によりダクト18の上方へ導かれる。本実施例では、第3ガイド24は、底面18bのサイドグリル14側に設けられた、上向き滑り台(巻き上げ滑り台)である。従って、第3ガイド24は、第2ガイド22よって導かれた空気に対して、巻き上げ効果を生み、巻き上げによる上向きベクトルを発生させる。この際、外気流によって(すなわち車体12の外気によるシールド効果によって)、巻き上げられた空気のダクト18外への漏れが抑制乃至回避される。
【0023】
図7は、図3のダクト18の正面図に対して、車幅方向外側から見た、ダクト18の斜視図であり、ダクト18内における空気の流れを説明する図である。図7において、サイドグリル14から流入した空気の一部は、矢印Aeに示すように、第1ガイド20によって直接的に冷却部16方向へ適切に誘導される。又、サイドグリル14から流入した空気の別の一部は、矢印Afに示すように、第2ガイド22によって第3ガイド24方向へ適切に誘導される。又、第2ガイド22によって第3ガイド24方向へ誘導された空気は、矢印Agに示すように、第3ガイド24によって内側側面18c方向へ適切に誘導される。そして、第3ガイド24によって内側側面18c方向へ誘導された空気は、矢印Ahに示すように、ダクト18の形状に沿いながら、第1ガイド20によって直接的に冷却部16方向へ誘導される空気流れのうちの水平方向流れ(図4の破線の矢印Aeh参照)に対向する逆回転流れを発生させる。このように、ダクト18内では、サイドグリル14から流入した空気の一部は、第1ガイド20によって直接的に冷却部16方向へ誘導される一方で、その流入した空気の別の一部は、第2ガイド22及び第3ガイド24を介すことによって冷却部16へ直接誘導される空気とは逆向きの水平流れを有した風を発生させる。これにより、●印Cに示すダクト18の上部において、冷却部16へ直接誘導される空気の水平方向流れと、それとは逆の水平方向流れとが衝突し合うことで、水平方向流れ(水平ベクトル)がキャンセルされ(相殺され)、(すなわち冷却部16へ直接誘導される風と、滑り台を介して誘導される逆向きの風とが、互いにキャンセル方向に衝突し、)渦の発生が抑制されて、冷却部16への流入効率低下(流入量低下)が抑制される。
【0024】
上述のように、本実施例によれば、サイドグリル14から流入した空気の一部は、第1ガイド20によって直接的に冷却部16へ誘導され、冷却部16へ直接的に向かう空気流れ(風)が発生する。このような冷却部16へ直接的に向かう風は、冷却部16に対する水平方向の流れを発生させ、それによってダクト18内で渦を発生させる可能性がある。つまり、第1ガイド20を備えることは、冷却部16に対する水平方向の流れを発生させ、ダクト18内で渦を発生させる要因となる。このような問題に対して、第2ガイド22と第3ガイド24とが設けられることで、サイドグリル14から流入した空気の別の一部は、第2ガイド22によって第3ガイド24へ誘導され、且つ第3ガイド24によって内側側面18c方向へ誘導されて、冷却部16へ直接的に向かう風による水平方向の流れに対向する、水平方向の空気流れ(風)が発生させられる。そして、冷却部16へ直接的に向かう風による水平方向の流れと、それとは逆向きの水平方向の流れとが相互に相殺する方向に衝突し合うことで、渦の発生が抑制される。このように、渦の発生が抑制されると、車両10外部からダクト18に向かう空気の流入が妨げられ難くされて、冷却部16への空気流入量の低下が抑制される。よって、冷却部16がサイドグリル14よりも車幅方向中央側に設けられる場合に、冷却部16の冷却効率の低下を抑制することができる。
【0025】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0026】
例えば、前述の実施例では、第1ガイド20は外側側面18aの上部から中央部の位置に設けられ、第2ガイド22は第1ガイド20の下方に設けられ、第3ガイドは底面18bに設けられたが、この態様に限らない。例えば、第1ガイド20は外側側面18aの下部から中央部の位置に設けられ、第2ガイド22は第1ガイド20の上方に設けられ、第3ガイド24はダクト18の上面に設けられても良い。又、第1ガイド20は外側側面18aの中央部の位置に設けられ、第2ガイド22は第1ガイド20の上方及び下方に設けられ、第3ガイド24はダクト18の上面及び底面18bに設けられても良い。又、第3ガイド24は底面18bの端部であったが、底面18bの中央部分に上向き滑り台が設けられても良い。
【0027】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0028】
10:車両
12:車体
12a:外周部
12b:車体内部
14:サイドグリル
16:冷却部
18:ダクト
18a:車幅方向外側の側面
18b:底面(垂直面)
18c:車幅方向内側の側面
20:第1ガイド
22:第2ガイド
24:第3ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7