特許第6252148号(P6252148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6252148太陽電池のI−Vカーブ計測装置、I−Vカーブ計測方法、太陽電池のパワーコンディショナ及び、太陽光発電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252148
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】太陽電池のI−Vカーブ計測装置、I−Vカーブ計測方法、太陽電池のパワーコンディショナ及び、太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/67 20060101AFI20171218BHJP
   H01L 31/04 20140101ALI20171218BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20171218BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   G05F1/67 A
   H01L31/04
   H02J3/38
   H02J3/46
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-254577(P2013-254577)
(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-114739(P2015-114739A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(72)【発明者】
【氏名】中井 琢也
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−334260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/67
H01L 31/04
H02J 3/38
H02J 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の取得期間中における太陽電池の発電電力を取得する電力取得手段と、
直近の取得期間に取得された発電電力の最大値に相関する値を最新の閾値として記憶する閾値記憶手段と、
前記電力取得手段によって新たに取得された前記発電電力の値と、前記閾値記憶手段に記憶された閾値の大小を比較判定する比較手段と、
前記比較手段によって前記新たに取得された発電電力の値が前記閾値より大きいと判定された場合に、前記太陽電池のI−Vカーブを計測するI−Vカーブ計測手段と、
を備えることを特徴とする太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項2】
前記新たに取得された前記発電電力の最大値に相関する値を記憶する最大値記憶手段と、
前記閾値記憶手段に記憶された閾値と、前記最大値記憶手段に記憶された値の大小を比較判定する最大値比較手段と、
前記最大値比較手段により、前記最大値記憶手段に記憶された値が、前記閾値記憶手段に記憶された閾値より大きいと判断されたときには該発電電力の最大値に相関する値を、前記最大値比較手段により、前記最大値記憶手段に記憶された値が、前記閾値記憶手段に記憶された閾値以下と判断されたときには該閾値を、新たな閾値として設定する閾値設定手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項3】
前記発電電力の最大値に相関する値は、前記発電電力の最大値に係数を乗算して得られる値であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項4】
前記係数を、前記取得期間が属する季節に応じて変更することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項5】
前記I−Vカーブ計測手段は、前記取得期間内で、最初に、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値を超えたと判定された場合に、前記太陽電池のI−Vカーブを計測することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽電池のI−Vカーブ計
測装置。
【請求項6】
前記I−Vカーブ計測手段は、前記取得期間内で、最初に、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値を超えたと判定されて以降、その際の前記発電電力のピーク値より大きなピーク値が所定回数計測された場合に、再度I−Vカーブの計測を行い、計測結果を更新することを特徴とする請求項5に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項7】
前記取得期間中における所定時までに、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値より大きいと一度も判定されない場合には、警告を発することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項8】
前記I−Vカーブ計測手段により計測されたI−Vカーブが正常か異常かを判定し、異常と判定された場合には警告を発することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項9】
前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段の少なくとも一つを可搬性の筺体内に収納したことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項10】
前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段と、前記最大値記憶手段と、前記最大値比較手段と、前記閾値設定手段のうちの少なくとも一つを可搬性の筺体内に収納したことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置における、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段のうちの少なくとも一つと、DC/DCコンバータと、インバータと、を含むことを特徴とする太陽光発電システムのパワーコンディショナ。
【請求項12】
請求項2に記載の太陽電池のI−Vカーブ計測装置における、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段と、前記最大値記憶手段と、前記最大値比較手段と、前記閾値設定手段のうちの少なくとも一つと、DC/DCコンバータと、インバータと、を含むことを特徴とする太陽光発電システムのパワーコンディショナ。
【請求項13】
太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュールからの出力をDC/DCコンバータによって昇圧するとともにインバータによって直流電力を交流電力に変換して出力する太陽電池のパワーコンディショナと、
請求項1から10までのいずれか一項に記載のI−Vカーブ計測装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項14】
太陽電池モジュールと、
請求項11または12に記載の太陽電池のパワーコンディショナと、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項15】
所定の取得期間中における太陽電池モジュールの発電電力を計測し、
前記取得期間より前の期間中に計測された前記発電電力の最大値に相関する値を閾値とし、
前記取得期間に新たに計測された前記発電電力が前記閾値より大きいと判定された場合
に、前記太陽電池モジュールのI−Vカーブを計測することを特徴とする太陽光発電システムにおけるI−Vカーブ計測方法。
【請求項16】
前記取得期間における前記太陽電池モジュールの発電電力の最大値に相関する値を記憶し、
前記取得期間における前記太陽電池モジュールの発電電力の最大値に相関する値とその時点における前記閾値とを比較し、前記発電電力の最大値に相関する値が前記閾値より大きければ該発電電力の最大値に相関する値を、前記発電電力の最大値に相関する値が前記閾値以下であれば該閾値を、新たな閾値として設定することを特徴とする請求項15に記載の太陽光発電システムにおけるI−Vカーブ計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池のI−V特性を点検可能な太陽電池のI−Vカーブ計測装置、太陽電池のI−Vカーブ計測機能を有する太陽電池のパワーコンディショナまたは、それらを備えた太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、一般に、太陽電池からの直流電力を、パワーコンディショナによって系統に連系した商用周波数の交流電力に変換するとともに、変換後の交流電力を、商用電力系統に接続されている家庭内負荷に供給する一方で、交流電力が家庭内負荷の消費電力を上回る場合には余剰電力を系統側へ逆潮流することが可能なシステムになっている。また、太陽電池で発電された電力を、負荷に供給することなく、その全量について系統側へ逆潮流するシステムも見られる。
【0003】
この太陽光発電システムにおいては、システム自体をフィールドに設置した状態で、太陽光発電システムの出力異常を判断するための計測装置が設けられる場合がある。この計測装置は、太陽電池の直流電圧に対応した直流電流を測定し、これから図10に示すような、直流電流と直流電圧との関係のカーブ(以下、I−Vカーブともいう。)を計測し、計測結果を表示器に表示させ、検査者がこの表示を確認することで太陽光発電システムが正常か異常かを判断するものである。
【0004】
このようなシステムの例としては、通信装置を介して表示器付のカーブトレース装置を有する遠方監視制御装置に、各太陽電池アレイに対応する直流電圧検出値及び直流電流検出値を同期して入力し、カーブトレース装置によりI−Vカーブ並びに日射強度検出値に基く日射強度カーブを作成し、作成したカーブを、前記表示器に表示させるようにした太陽光発電システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
しかしながら、図11に示すように、I−Vカーブの計測時の天候によって、取得されるI−Vカーブが全く異なってしまうが、上記の技術では、日射強度が閾値を越えていればI−Vカーブを計測するため、陰や雲といった各々の設置環境の違いを考慮することができず、太陽光発電システムの不具合でなく、設置環境の不具合を評価してしまう虞があった。また、計測には日射強度を必要とするため、日射計の不具合や設置環境の相違による誤差が生じる虞があった。また、システム毎に、モジュール、PCS、ケーブル長等の構成が異なるため、個体差が発生し、日射条件を同一としても発電条件が同一とならない場合があった。さらに、日射強度の所定値を閾値とするため、閾値の値が適切でない場合には、不要なI−Vカーブ計測を行ったり、必要なI−Vカーブ計測が行われなかったりする虞があった。
【0006】
また、一定間隔でI−Vカーブの計測が行われる屋外太陽電池性能評価システムも知られているが、I−Vカーブの計測中は太陽光発電を停止する必要があり、I−Vカーブの計測により平均的な発電効率が低下する虞があるため、I−Vカーブを計測するタイミングは少ないほど好ましい。従って、一定のタイミングでI−Vカーブの計測を行うのではなく、太陽光発電の発電量が充分に大きくなるような条件を満たすタイミングを選んで、I−Vカーブの計測を行うことで、計測時の条件を揃えることができるとともに、無駄な計測を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2011/104882号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来技術に鑑みて発明されたものであり、その目的は、I−Vカーブの計測を行う条件を揃えるとともに、無駄な計測を抑制することで、より精度よく、効率的に太陽電池のI−Vカーブの計測が可能となる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、所定の取得期間中における太陽電池の発電電力を取得し、
直近の取得期間に取得された発電電力の最大値に相関する値を最新の閾値とし、
新たに取得された前記発電電力値が前記閾値より大きいと判定された場合に、前記太陽電池のI−Vカーブを計測するようにしたことを最大の特徴とする。
【0010】
より詳しくは、太陽電池の発電電力を取得する電力取得手段と、
直近の取得期間に取得された発電電力の最大値に相関する値を最新の閾値として記憶する閾値記憶手段と、
前記電力取得手段によって新たに取得された前記発電電力の値と、前記閾値記憶手段に記憶された閾値の大小を比較判定する比較手段と、
前記比較手段によって前記新たに取得された発電電力の値が前記閾値より大きいと判定された場合に、前記太陽電池のI−Vカーブを計測するI−Vカーブ計測手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
すなわち本発明は、直近の取得期間において、以前に取得された太陽電池の発電電力の最大値に相関する値を閾値とし、新たに取得された太陽電池の発電電力の値が閾値より大きくなった場合に、そのタイミングでI−Vカーブを計測する。
【0012】
これによれば、太陽電池が過去最大程度の電力を発電可能な条件、例えば快晴の状況が整った場合に、I−Vカーブの計測を行うことが可能となる。よって、I−Vカーブ計測における条件をある程度以上の好条件に揃えることができ、I−Vカーブの評価の精度を向上させることができる。また、曇りや障害物の陰などで正確なI−Vカーブの計測が困難な場合には計測が行われる可能性を低減できるので、無駄な計測を抑制でき、I−Vカーブ計測の効率を向上させることができる。また、I−Vカーブ計測の際には太陽電池による発電は停止されるので、無駄な計測を抑制することで太陽光発電システムとしての発電効率を向上させることができる。さらに、日射強度を直接に測定する必要がないために、日射計を必要とせず、システムのコストダウンを推進することができる。
【0013】
なお、上記において取得期間とは、例えば数日から六カ月程度の期間であってもよい。また、取得期間はさらに長期間、例えば一年間、四年間、九年間などの期間でもよい。仮に取得期間を一カ月とした場合には、基本的には、月毎に、前月以前の発電電力の最大値として設定された閾値と、当月内の発電電力とを比較し、前月以前の発電電力の最大値をさらに当月の発電電力が上回った場合に、I−Vカーブを計測することができる。また、上記において、直近の取得期間とは、現在の取得期間の前の期間を示す。例えば取得期間が一カ月の場合は、前月以前ということでもよいし、三ヵ月以上前などより前の期間としてもよい。また、取得期間は例えば一週間としてもよく、その場合の直近の取得期間は一週間以上前の期間としてもよいし、三週間以上前などより前の期間としても構わない。ここで、期間の始期は適宜設定されていることが前提である。例えば、その年の1月1日、年度初めの4月1日、あるいは、複数年前の1月1日、複数年前の4月1日、さらには、
システムの稼働開始の月の前月の1日などである。上記における取得期間及び、直近の取得期間は、I−Vカーブ計測の目的などに応じ、適宜決定すればよい。
【0014】
また、上記において、新たに取得された発電電力の値とは、現在の取得期間中に取得された発電電力の値を意味するが、必ずしもリアルタイムで取得された発電電力の値を意味しない。I−Vカーブの計測環境が著しく変化しない範囲で適宜変更が可能である。例えば数秒〜15分程度前に取得された値であっても構わない。
【0015】
ここで、本発明においては、前記直近の取得期間中に取得された発電電力の最大値に相関する値を、閾値として閾値記憶手段に記憶する。すなわち、直近の取得期間に発電電力の最大値として設定された閾値と、当月内の発電電力とをそのまま比較することでは、I−Vカーブ計測手段が好適なタイミングで太陽電池のI−Vカーブを計測することが困難な場合に、発電電力の最大値に相関する適切な値を閾値とするとよい。そうすれば、I−Vカーブ計測手段が好適なタイミングで太陽電池のI−Vカーブを計測可能なように、閾値を予め調整することが可能である。この発電電力の最大値に相関する値は、発電電力の最大値が増加すれば増加し、減少すれば減少するような値が望ましい。より詳細には、例えば、最大値に係数を乗じた値や、最大値に一定値を増減させたような値であってもよい。
【0016】
なお、本発明は、上記の発電電力の最大値に相関する値を導入した趣旨から逸脱しない限り、逆に、直近の取得期間の発電電力の最大値として設定された閾値と、当月内の発電電力に相関する値とを比較することを含む。このことでも、直近の取得期間における発電電力の最大値に相関する値を閾値にし、新たに取得された発電電力と比較する場合と同様に、I−Vカーブ計測手段が好適なタイミングで太陽電池のI−Vカーブを計測可能なような調整をすることが可能である。ここでいう発電電力に相関する値も、新たに取得した発電電力の値が増加すれば増加し、減少すれば減少するような値が望ましい。例えば、発電電力の値に係数を乗じた値や、一定値を増減させたような値であってもよい。さらに、本発明において、閾値と、新たに取得された発電電力の値または、その値に相関する値とを比較する際に、両者に対して、等価な変換を加えてから比較しても良いことは当然である。
【0017】
また、本発明においては、前記新たに取得された前記発電電力の最大値に相関する値を記憶する最大値記憶手段と、
前記閾値記憶手段に記憶された閾値と、前記最大値記憶手段に記憶された値の大小を比較判定する最大値比較手段と、
前記最大値比較手段により、前記最大値記憶手段に記憶された値が、前記閾値記憶手段に記憶された閾値より大きいと判断されたときには該発電電力の最大値に相関する値を、前記最大値比較手段により、前記最大値記憶手段に記憶された値が、前記閾値記憶手段に記憶された閾値以下と判断されたときには該閾値を、新たな閾値として設定する閾値設定手段と
をさらに備えるようにしてもよい。これによれば、現在の取得期間を含めた過去の期間の発電電力の最大値に相関する値が閾値になるよう、閾値を常に更新することが可能である。
【0018】
本発明では、閾値記憶手段には、直近の取得期間に取得された発電電力の最大値に相関する値が最新の閾値として記憶されており、最大値記憶手段には新たに取得された発電電力の最大値に相関する値を記憶しておき、最大値比較手段ではこの両者を比較するようにしている。従って、より確実に、現在の取得期間を含めた過去の期間の発電電力の最大値に相関する値が閾値になるよう、閾値を常に更新することが可能である。
【0019】
また、本発明においては、前記相関する値とは、上述のように、前記発電電力の最大値に係数を乗算して得られた値であってもよい。その他、前記発電電力の最大値に定数を加減して得られた値であってもよい。また、一次関数、二次関数、指数関数、対数関数などの他の演算を行って得られた値であってもよい。
【0020】
また、本発明においては、前記係数を、前記取得期間が属する季節に応じて変更するようにしてもよい。ここで季節とは、所定の地域において一年を天候の推移にしたがって分けた場合のそれぞれの区切りを意味する。そして、季節に応じて係数を変更するとは、例えば所定の地域の日射量や温度の推移を係数としたり、太陽光発電の最大電力点の推移や、最大電力点における発電電力の推移を係数としたりすることが考えられる。例えば、前記相関する値が、前記発電電力の最大値に係数を乗算して得られる値である場合に、夏に向かう季節においては、取得期間中の発電電力が、取得期間の前の期間の閾値より大きくなる可能性が高い。しかしながら、冬に向かう季節においては、取得期間中の発電電力が、取得期間の前の期間の閾値より大きくなる可能性は低い。よって、夏から冬に向かう季節においては係数を小さく設定し、冬から夏に向かう季節においては係数を大きく設定してもよい。例えば、夏から冬に向かう季節においては係数を0.8〜1.0の範囲で設定し、冬から夏に向かう季節においては係数を1.0〜1.3の範囲で設定してもよい。
【0021】
また、本発明においては、前記I−Vカーブ計測手段は、前記取得期間内で、最初に、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値を超えたと判定された場合に、前記太陽電池のI−Vカーブを計測するようにしてもよい。これによれば、自動的に取得期間内のI−Vカーブの計測を1回以下に制限することが可能である。
【0022】
さらに、前記I−Vカーブ計測手段は、前記取得期間内で、最初に、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値を超えたと判定されて以降、その際の前記発電電力のピーク値より大きなピーク値が所定回数計測された場合に、再度I−Vカーブの計測を行い、計測結果を更新するようにしてもよい。そうすれば、発電電力が明らかに大きくなる傾向がある取得期間においては、複数回のI−Vカーブの計測を許容し、より大きな発電電力が得られる条件においてI−Vカーブの計測を行うことができる。なお、ここで所定回数とは、2〜3回であってもよい。
【0023】
また、本発明においては、前記取得期間中における所定時までに、前記比較手段によって前記発電電力が前記閾値より大きいと一度も判定されない場合には、警告を発するようにしてもよい。これによれば、I−Vカーブの計測が自動的には一度も行われないような取得期間においては、手動でI−Vカーブの計測を行うことが可能となる。
【0024】
また、本発明においては、前記I−Vカーブ計測手段により計測されたI−Vカーブが正常か異常かを判定し、異常と判定された場合には警告を発するようにしてもよい。これによれば、より早急に、I−Vカーブの異常の原因を除去することが可能になる。
【0025】
また、本発明は、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段の少なくとも一つを可搬性の筺体内に収納してもよい。
【0026】
また、本発明は、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段と、前記最大値記憶手段と、前記最大値比較手段と、前記閾値設定手段のうちの少なくとも一つを可搬性の筺体内に収納してもよい。
【0027】
また、本発明は、上記の太陽電池のI−Vカーブ計測装置における、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段のうちの少なくとも一つと、DC/DCコンバータと、インバータと、を含むことを特徴とする太陽光発電
システムのパワーコンディショナであってもよい。
【0028】
また、本発明は、上記の太陽電池のI−Vカーブ計測装置における、前記電力取得手段と、前記閾値記憶手段と、前記比較手段と、前記I−Vカーブ計測手段と、前記最大値記憶手段と、前記最大値比較手段と、前記閾値設定手段のうちの少なくとも一つと、DC/DCコンバータと、インバータと、を含むことを特徴とする上記の太陽光発電システムのパワーコンディショナであってもよい。
【0029】
また、本発明は、太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュールからの出力をDC/DCコンバータによって昇圧するとともにインバータによって直流電力を交流電力に変換して出力する太陽電池のパワーコンディショナと、
上記のI−Vカーブ計測装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システムであってもよい。
【0030】
また、本発明は、太陽電池モジュールと、
上記の太陽電池のパワーコンディショナと、
を備えることを特徴とする太陽光発電システムであってもよい。
【0031】
また、本発明は、所定の取得期間中における太陽電池モジュールの発電電力を計測し、
前記取得期間より前の期間中に計測された前記発電電力の最大値に相関する値を閾値とし、
前記取得期間に新たに計測された前記発電電力が前記閾値より大きいと判定された場合に、前記太陽電池モジュールのI−Vカーブを計測することを特徴とする太陽光発電システムにおけるI−Vカーブ計測方法であってもよい。
【0032】
また、上記のI−Vカーブ計測方法において、前記取得期間における前記太陽電池モジュールの発電電力の最大値に相関する値を記憶し、
前記取得期間における前記太陽電池モジュールの発電電力の最大値に相関する値とその時点における前記閾値とを比較し、前記発電電力の最大値に相関する値が前記閾値より大きければ該発電電力の最大値に相関する値を、前記発電電力の最大値に相関する値が前記閾値以下であれば該閾値を、新たな閾値として設定するようにしてもよい。
【0033】
なお、上記した課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することが可能である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、I−Vカーブの計測を行う条件を揃えるとともに、無駄な計測を抑制することで、より精度よく、または効率的に太陽電池のI−Vカーブの計測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施例1における太陽光発電システムの概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施例1におけるI−Vカーブ計測ルーチンのフローチャートである。
図3】本発明の実施例1における閾値設定ルーチンのフローチャートである。
図4】本発明の実施例1におけるI−Vカーブ計測ルーチン及び、閾値設定ルーチンを実行することにより、実際のI−Vカーブの計測がどのように行われるかについて説明するための図である。
図5】本発明の実施例2における太陽光発電システムの概略構成を示す図である。
図6】本発明の実施例2における太陽光発電システムの概略構成の第2の態様を示す図である。
図7】本発明の実施例2における太陽光発電システムの概略構成の第3の態様を示す図である。
図8】本発明の実施例3における太陽光発電システムの概略構成を示す図である。
図9】本発明の実施例4における太陽光発電システムの概略構成を示す図である。
図10】I−Vカーブの例を示す図である。
図11】I−Vカーブの計測時の天候によって、取得されるI−Vカーブが全く異なることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。
【0037】
<実施例1>
図1には、本実施例における太陽光発電システム1の概略構成を示す。太陽光発電システム1には太陽電池モジュール2が設けられている。実際のシステムにおいては、この太陽電池モジュール2が複数個直列に繋がった太陽電池ストリング(不図示)がさらに並列に複数連結されることで太陽電池アレイ(不図示)が構成されている。太陽電池モジュール2は電力変換部3に接続されており、太陽電池モジュール2の出力が電力変換部3に入力される。また、太陽電池モジュール2は電力取得手段の一例である電力取得部4に接続されている。太陽電池モジュール2の出力は図示しない電力計測部で計測された後、計測値が電力取得部4に入力される。電力取得部4では、太陽電池モジュール2の出力電力をリアルタイムで取得する。
【0038】
電力変換部3は所謂パワーコンディショナを含んでおり、太陽電池モジュール2から出力される電圧を昇圧するとともに直流電力を交流電力に変換する。電力変換部3の出力は電力負荷部8に接続されている。この電力負荷部8としては、系統、コンデンサ、電子負荷などが考えられる。また、図1に破線で示すように、電力変換部3で生成された交流電力が、電力取得部4に入力されるようにしてもよい。電力取得部4で取得された電力値は比較手段及び最大値比較手段の一例である電力比較部5に入力される。電力比較部5では、入力された発電電力値と、後述の電力記憶部6に記憶されている閾値の大小が比較判定される。
【0039】
そして、電力比較部5に入力された発電電力値が閾値より大きい場合には、I−Vカーブ計測手段の一例であるI−Vカーブトレース部7によって、I−Vカーブが計測される。なお、閾値は、例えば一カ月といった一定期間内は一定値に維持される。以下、この一定期間のことを計測単位期間とも呼ぶ。この計測単位期間は取得期間に相当する。そして、計測単位期間内で計測された発電電力の最大値がその期間における閾値より大きい場合には、閾値記憶手段及び最大値記憶手段の一例である電力記憶部6には、その最大値が新たな閾値として記憶されるようになっている。
【0040】
このように、本実施例においては、一定期間の発電電力の最大値を閾値として記憶するので、概略晴れた日の条件を閾値として設定することができ、太陽電池モジュールの設置環境に応じた最適な閾値を設定することができる。また、本実施例では、日射強度を測定する必要がないので日射計を設ける必要がない。よって、システムのコストダウンを促進することが可能となる。
【0041】
また、本実施例においては、太陽光発電システムの初期状態ではなくランニング状態での閾値設定となるので、例えば、屋根の何れの面に太陽電池モジュールが設置されているかといった条件を考える必要がない。
【0042】
図2には、本実施例におけるI−Vカーブ計測ルーチンを示す。本ルーチンは、I−Vカーブの計測を実施するタイミングを決定するルーチンであり、太陽光発電システム1の稼働中は定期的に図示しないCPUによって実行されるルーチンである。本ルーチンが実行されると、まず、S101においては図示しない電力計測部によって太陽電池モジュール2の発電電力が計測され、電力取得部4により計測された太陽電池モジュール2の発電電力が取得される。S101の処理が終了するとS102に進む。
【0043】
S102においては、S101で計測された発電電力が予め設定されている閾値より大きいかどうかが判定される。ここで、発電電力が閾値以下であると判定された場合にはI−Vカーブが計測されるタイミングではないと判断され、S101の処理の前に戻る。一方、S102において発電電力が閾値より大きいと判定された場合には、I−Vカーブが計測されるタイミングであると判断されるので、S103に進む。そして、S103においては、I−Vカーブの計測が実施される。S103の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
【0044】
次に、図3には、本実施例における閾値設定ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンは、前述のI−Vカーブ計測ルーチンで用いられる閾値を設定するルーチンであり、I−Vカーブ計測ルーチンとは独立に、太陽光発電システムの稼働中は図示しないCPUによって定期的に実行されるルーチンである。本ルーチンが実行されると、まず、S201において図示しない電力計測部によって太陽電池モジュール2の発電電力が計測され、電力取得部4により発電電力が取得される。S201の処理が終了するとS202に進む。
【0045】
S202においては、電力取得部4において取得された発電電力が、電力記憶部6に記憶された記憶発電電力より大きいかどうかが、電力比較部5において比較される。S202において、電力取得部4で計測された発電電力が、電力記憶部6に記憶された記憶発電電力より大きいと判定された場合には、S203に進む。一方、S202において、電力取得部4で取得された発電電力が、電力記憶部6に記憶された記憶発電電力以下であると判定された場合には、S201の処理の前に戻る。
【0046】
S203においては、計測された発電電力が電力記憶部6に新たな記憶発電電力として記憶される。これにより、記憶発電電力は常に当該計測単位期間中のそれまでの発電電力の最大値を示すこととなる。S203の処理が終了するとS204に進む。S204においては、計測開始からの経過時間が、設定された一定時間すなわち計測単位期間より長いかどうかが判定される。ここで、計測開始からの経過時間が計測単位期間より長いと判定された場合には、S205に進む。一方、計測開始からの経過時間が計測単位期間以下であると判定された場合には、S201の処理の前に戻る。
【0047】
S205においては、記憶発電電力が閾値より大きいか否かが判定される。ここで、記憶発電電力が閾値より大きいと判定された場合には閾値を更新するためにS206に進む。一方、記憶発電電力が閾値以下である場合には、次の計測単位期間中も同じ閾値を用いると判断されるため、S207に進む。
【0048】
S206においては、閾値の値をこの時点で電力記憶部6に記憶されている記憶発電電力で置き換える。S206の処理が終了するとS207に進む。S207においては、電力記憶部6に記憶されている記憶発電電力をリセットする。S207が終了すると本ルーチンを一旦終了する。本ルーチンによって閾値としては、当該計測単位期間以前の期間と当該計測単位期間において計測された発電電力の中で最大の値が設定されることになる。なお、S204からS206までの処理を実行するCPUは、本実施例において閾値設定
手段に相当する。
【0049】
このように、本実施例では、閾値設定ルーチンによって、次の計測単位期間で用いられる閾値が、当該計測単位期間以前の期間と、当該計測単位期間の中で最大の発電電力に設定される。そして、I−Vカーブ計測ルーチンの実行によって、設定されている閾値より発電電力が大きい場合に、I−Vカーブが計測される。よって、I−Vカーブが計測される際の環境を、最大の発電電力が得られるような環境に限定することができるので、I−Vカーブの計測精度を向上させることができる。また、計測精度が低くなるような環境での無駄なI−Vカーブの計測が行われることを抑制できる。
【0050】
図4は、I−Vカーブ計測ルーチン及び、閾値設定ルーチンを実行することにより、実際のI−Vカーブの計測がどのように行われるかについて説明するための図である。図4において、計測単位期間は一カ月とし、月毎に閾値の更新が行われると仮定している。図4(a)のグラフは、例えば3月中の発電電力の計測結果を示す。閾値設定ルーチンにより、3月中の発電電力の最大値が閾値に設定される。図4(b)のグラフは、4月中の発電電力の計測結果を示す。4月中は、3月に設定された閾値より発電電力が大きくなったタイミングでI−Vカーブが計測される。また、4月中の発電電力の最大値が5月分の閾値に設定される。
【0051】
なお、上記の実施例においては、閾値は、基本的に前の計測単位期間における発電電力の最大値に設定されるが、閾値の設定の仕方はこれに限られない。例えば、前の計測単位期間における発電電力の最大値に係数を乗じる、定数を加減するなど、適切な演算を加えた値にしてもよい。また、演算の内容に季節による要因を付加してもよい。例えば、閾値を前の計測単位期間における発電電力の最大値に係数を乗じたものとする場合には、3月〜7月など、徐々に日射量が増加する季節は、係数を1.0〜1.3の範囲にし、8月〜2月など、徐々に日射量が減少する季節には、例えば、0.8〜1.0の範囲とする等、係数を1.0以下にしてもよい。
【0052】
逆に、閾値と比較する現在の計測単位期間における発電電力に係数を乗じるようにしても同じ効果が得られる。例えば、3月〜7月など、徐々に日射量が増加する季節は、現在の計測単位期間における発電電力に係数を0.8〜1.0の範囲にし、8月〜2月など、徐々に日射量が減少する季節には、例えば、1.0〜1.3の範囲とする等、係数を1.0以上にしてもよい。
【0053】
さらに、閾値に対する係数は、当該計測単位期間中の太陽電池モジュール2や電力変換部3の出力に基づいて決定してもよい。例えば、前の計測単位期間に比較して平均発電電力が変化している場合には、その変化に比例して増減してもよい。また、閾値に対する係数は、太陽光発電システム1の構成及び検出したい故障種類に応じて決定してもよい。例えば、太陽電池ストリングが10セット用いられているシステムの場合、1セットが壊れれば、発電電力は9/10になる。従って、このような場合の、太陽電池ストリングの故障を検出したい場合には、係数を0.9±αに設定してもよい。この場合にも、閾値と比較する現在の計測単位期間における発電電力に例えば約1.1の係数を乗じるようにしても同じ効果が得られることは当然である。
【0054】
また、図4(b)では、取得された発電電力が4月の閾値を超えた場合に、I−Vカーブの計測が行われるようになっているが、実際には、このことが生じるのは計測単位期間に属する日の正午前後の時間帯であると考えられる。これに関して本実施例では、閾値または取得された発電電力のいずれかに適切な係数を乗じた上で両者を比較してもよいので、例えば、計測単位期間に属する日の10時頃の時間帯の低い発電電力に適切な係数を乗じた上で閾値と比較し、I−Vカーブ計測の実行/不実行を判断するといったことも可能
になる。
【0055】
なお、ここでは閾値に乗算する係数の設定を例に挙げ、具体例を説明しているが、同様の考え方を、閾値に加減する定数に適用しても構わないし、他の数式による演算を行う場合には、その中の係数や加減定数に適用しても構わない。
【0056】
また、上記の実施例におけるI−Vカーブ計測ルーチンでは、当該計測単位期間において計測発電電力が閾値より大きければ何度でもI−Vカーブの計測が行われることになるが、これに制限を設定してもよい。例えば、一の計測単位期間では一回のみと設定してもよい。より具体的には、計測単位期間において最初に発電電力が閾値を超えた場合に、I−Vカーブの計測を行い、それ以降は同一計測単位期間中はI−Vカーブの計測を行わないようにすればよい。
【0057】
また、上記の実施例では、I−Vカーブトレース部7は、計測単位期間において、最初に発電電力が閾値を超えて以降、その際の発電電力のピーク値より大きなピーク値が所定回数計測された場合に、再度I−Vカーブの計測を行うようにしてもよい。そうすれば、より高い発電電力が得られる条件におけるI−Vカーブを計測することができる。所定回数とは2〜3回であってもよい。その際、複数回行ったI−Vカーブの計測結果を全て、当該計測単位期間の計測結果として残しておいてもよいし、逐一計測結果を更新し、最も高い発電電力が得られる条件におけるI−Vカーブのみを当該計測単位期間の計測結果としてもよい。
【0058】
また、上記の実施例においては、計測単位期間における所定時までに、発電電力が閾値より大きいと判定されることが一度もなく、I−Vカーブの計測が行われない場合には、警告を発するようにしてもよい。具体的には、I−Vカーブの計測が行われていない旨を表示してもよいし、音や光で警告を発しても良い。
【0059】
また、上記の実施例においては、計測されたI−Vカーブが正常か異常かを判定し、異常と判定された場合には警告を発するようにしてもよい。例えば、前の計測単位期間で計測されたI−Vカーブと、今回の計測単位期間で計測されたI−Vカーブとにおける、最大動作点における電流値及び電圧値、短絡電流、開放電圧のうちの少なくとも一つを比較し、相違が規定値より大きい場合には警告を発するなどとしてもよい。警告の内容はI−Vカーブが異常である旨を表示してもよいし、音や光で警告を発しても良い。
【0060】
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。本実施例においては、太陽光発電システムにおいて、I−Vカーブの計測に関わる構成をパワーコンディショナ内に構成した例について説明する。
【0061】
図5には、本実施例における太陽光発電システム11を示す。太陽光発電システム11において、太陽電池モジュール12は実施例1における太陽電池モジュール2と同等のものである。本実施例では太陽電池モジュール12に、パワーコンディショナ13が接続されている。このパワーコンディショナ13は、電力変換部としてのDC/DCコンバータ13a及びインバータ13bを有している。太陽電池モジュール12の直流出力電圧は、DC/DCコンバータ13aにより昇圧され、インバータ13bによって直流電力が交流電力に変換される。
【0062】
インバータ13bから出力された交流電力は、パワーコンディショナ13の出力として、電力系統18に供給される。また、太陽電池モジュール12の出力は、図示しない電力計測部によって計測され、その計測値が電力取得部14に入力されている。ここでは図5
に破線で示したように、インバータ13bの出力が電力取得部14に入力されるようにしてもよい。また、電力取得部14は、電力比較部15、電力記憶部16へ電気的に直列に接続されている。また、パワーコンディショナ13に入力される前の太陽電池モジュール12の出力は、I−Vカーブトレース部17に接続されており、また、I−Vカーブトレース部17は電力比較部15と電気的に接続されている。
【0063】
電力取得部14、電力比較部15、電力記憶部16、I−Vカーブトレース部17の作用自体は、実施例1における電力取得部4、電力比較部5、電力記憶部6、I−Vカーブトレース部7の作用と同等であるので、ここでは説明を省略する。本実施例によれば、通常の太陽光発電システムのパワーコンディショナに対して、I−Vカーブの計測機能を付加することができる。
【0064】
なお、本実施例におけるパワーコンディショナは、上記のように、電力変換部としてのDC/DCコンバータ13a及びインバータ13bの他、電力取得部14、電力比較部15、電力記憶部16、I−Vカーブトレース部17を含むように構成してもよいが、これらの全てを含む態様に限定するものではない。例えば、図6に示すように、パワーコンディショナ33が、DC/DCコンバータ13a及びインバータ13b、電力取得部14、I−Vカーブトレース部17を含むように構成してもよい。この場合、電力取得部14とI−Vカーブトレース部17とをインバータ13bに付加した形にしても構わない。
【0065】
また、例えば、図7に示すように、パワーコンディショナ43が、DC/DCコンバータ13a及びインバータ13b、電力取得部14、電力比較部15、I−Vカーブトレース部17を含むように構成してもよい。この場合、電力取得部14、電力比較部15及びI−Vカーブトレース部17をインバータ13bに付加した形にしても構わない。
【0066】
<実施例3>
次に、実施例3について説明する。本実施例においては、I−Vカーブの計測機能をパワーコンディショナとは独立させてハンディタイプのI−Vカーブ計測装置に組み込んだ例について説明する。
【0067】
図8には、本実施例における太陽光発電システム21を示す。太陽電池モジュール22は、実施例1における太陽電池モジュール2と同等のものである。本実施例では太陽電池モジュール22に、電力変換部であるパワーコンディショナ23が接続されている。このパワーコンディショナ23は、DC/DCコンバータ23aとインバータ23bとを含んでいる。パワーコンディショナ23の出力は電力系統28に供給される。また、太陽電池モジュール22出力は、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29内に導入されている電力取得部24、電力比較部25、電力記憶部26、I−Vカーブトレース部27へ電気的に接続されている。なお、図8中に破線で示すように、パワーコンディショナ23の出力がハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29内の電力取得部24、電力比較部25、電力記憶部26、I−Vカーブトレース部27へ電気的に接続されるようにしてもよい。
【0068】
また、本実施例では太陽電池モジュール22とI−Vカーブトレース部27とが電気的に接続されており、太陽電池モジュール22の出力は、パワーコンディショナ23及び電力取得部24に入力される前の段階でI−Vカーブトレース部27へも入力される。また、I−Vカーブトレース部27は電力比較部25と電気的に接続されている。電力取得部24、電力比較部25、電力記憶部26、I−Vカーブトレース部27は、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29としてまとめられており、太陽電池モジュール22の点検者が現場に持ち込み、太陽電池モジュール22の出力端子と、あるいはそれに加えてパワーコンディショナ23の出力端子にI−Vカーブ計測装置29の入力端子を接続することで使用可能となる。このハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29は、太陽電池モジュ
ール22の出力端子と、パワーコンディショナ23の出力端子に接続されたまま放置され、例えば、1年経過後に結果を確認するようにしてもよい。
【0069】
電力取得部24、電力比較部25、電力記憶部26、I−Vカーブトレース部27の作用自体は、実施例1における電力取得部2、電力比較部5、電力記憶部6、I−Vカーブトレース部7の作用と同等であるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
以上、説明したとおり、本実施例においては、電力取得部24、電力比較部25、電力記憶部26、I−Vカーブトレース部27により、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29を構成し、太陽電池モジュール22及びパワーコンディショナ23を含むシステムに着脱可能に取り付けて、太陽電池モジュール22のI−Vカーブの計測を行うことが可能である。
【0071】
なお、本発明においては、いずれの構成をパワーコンディショナや、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置に組み込むかという点について様々な組み合わせが考えられ、システム全体としての利便性に応じて適宜決定すればよい。この組み合わせについては上記の実施例の記載に限定する趣旨ではない。また、太陽電池モジュール22の出力を計測し計測値を電力取得部24に入力するためのセンサの役割を負う図示しない電力計測部を、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29内に含めるように構成してもよいし、ハンディタイプのI−Vカーブ計測装置29には含めないように構成してもよい。
【0072】
<実施例4>
次に、実施例4について説明する。本実施例においては、電力比較部の出力が通信部に入力されており、通信部から通信を介してデータ記憶部にデータを送信する例について説明する。
【0073】
図9には、本実施例における太陽光発電システム51の概略構成を示す。図1で説明した、太陽光発電システム1との相違点は、電力比較部5の出力が電力記憶部ではなく通信部56に電気的に接続されている点である。そして、通信部56は、閾値記憶手段及び最大値記憶手段の一例であり、太陽光発電システム51における他の構成とは離隔してネットワーク上に配置されたデータ記憶部59との間で、有線通信または無線通信によるデータの授受が可能となっている。本実施例におけるデータ記憶部59は、通信部56とともに、閾値記憶手段及び最大値記憶手段を構成するものの一例であり、図1に示した電力記憶部6と同等の機能を有する。
【符号の説明】
【0074】
1、11、21、51・・・太陽光発電システム
2、12、22・・・太陽電池モジュール
3・・・電力変換部
4、14、24・・・電力取得部
5、15、25・・・電力比較部
6、16、26・・・電力記憶部
7、17、27・・・I−Vカーブトレース部
13、23、33、43・・・パワーコンディショナ
13a、23a・・・DC/DCコンバータ
13b、23b・・・インバータ
29・・・I−Vカーブ計測装置
56・・・通信部
59・・・データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11