(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第1インターフェイスであって、IC(Integrated Circuit)タグとして機能する前記第1インターフェイスと、
第2の無線通信方式によって前記情報処理装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、
制御部と、
を備えた通信装置であって、
前記制御部は、
少なくとも、前記通信装置が所属している第1ネットワークであって、中継装置によって形成されているネットワークである前記第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、前記通信装置が接続可能に設定されている第2ネットワークであって、前記情報処理装置と前記通信装置との間で直接に通信を実行するためのネットワークである前記第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報と、を前記第1インターフェイスに記憶する記憶制御手段と、
前記情報処理装置と、前記第1インターフェイスを用いて通信を実行し、少なくとも、前記第1インターフェイスに記憶されている前記第1ネットワーク識別情報と前記第2ネットワーク識別情報を前記情報処理装置に送信する第1の送信手段と、
前記情報処理装置に送信した前記第1ネットワーク識別情報によって識別される第1ネットワークに、前記情報処理装置が所属していない場合に、当該送信した前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記情報処理装置との間の通信を実行する第1の通信実行手段と、
前記情報処理装置に送信した前記第1ネットワーク識別情報によって識別される第1ネットワークに、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記情報処理装置との間の通信を実行する第2の通信実行手段と、
して機能することを特徴とする通信装置。
前記記憶制御手段は、前記通信装置にエラーが発生したことに応じて、前記通信装置にエラーが発生していることを示す情報を前記第1インターフェイスに上書き記憶することを特徴とする請求項2〜12の何れか1項に記載の通信装置。
前記情報処理装置に読み込まれることによって、ネットワーク識別情報によって識別されるネットワークとの間での通信を制御する第1通信制御手段として前記情報処理装置を機能させるオペレーティングシステムプログラムが、前記情報処理装置の記憶部に記憶されており、
前記情報処理プログラムは、前記情報処理装置が所属しているネットワークを識別する所属中ネットワーク識別情報を前記第1通信制御手段から取得する識別情報取得手段として前記情報処理装置をさらに機能させ、
前記第1の通信実行手段は、前記識別情報取得手段によって取得された前記所属中ネットワーク識別情報に対応する情報が、前記通信装置から取得した前記第1ネットワーク識別情報のうちに含まれていない場合に、前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介した前記通信装置との間の通信を前記第1通信制御手段に実行させ、
第2の通信実行手段は、前記識別情報取得手段によって取得された前記所属中ネットワーク識別情報に対応する情報が、前記通信装置から取得した前記第1ネットワーク識別情報のうちに含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介した前記通信装置との間の通信を前記第1通信制御手段に実行させることを特徴とする請求項16または17に記載の情報処理プログラム。
前記情報処理装置に読み込まれることによって、第2通信制御手段として前記情報処理装置を機能させる通信装置制御プログラムが、前記情報処理装置の記憶部に記憶されており、
前記第1の通信実行手段および前記第2の通信実行手段は、前記通信装置との間の通信を実行するための通信実行情報を前記第2通信制御手段に取得させ、
前記第2通信制御手段は、前記通信実行情報に基づいて前記通信装置との間の通信を実行することで、前記通信装置に各種の処理を実行させることを特徴とする請求項16〜18の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、情報処理装置および通信装置が対象データの無線通信を適切に実行し得る技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される通信システムは、通信装置と情報処理装置を備える。通信装置は、第1の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第1インターフェイスであって、IC(Integrated Circuit)タグとして機能する第1インターフェイスと、第2の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、を備えており、情報処理装置は、第1の無線通信方式によって通信装置と通信を実行するための第3インターフェイスと、第2の無線通信方式によって通信装置と通信を実行するための第4インターフェイスと、を備えており、複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を、第1インターフェイスに記憶させる記憶制御手段と、ここで、複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、情報処理装置と通信装置との間で直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報と、が含まれており、第1インターフェイスおよび第3インターフェイスとの間での第1の無線通信方式による通信を実行し、第1インターフェイスに書き込まれている1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を情報処理装置に取得させる識別情報通信手段と、情報処理装置に取得させた1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれていない場合に、当該取得させた接続可能ネットワーク識別情報に含まれる第2ネットワーク識別情報によって識別される第2ネットワークを用いて、第4インターフェイスおよび第2インターフェイスを介して、情報処理装置と通信装置との間での第2の無線通信方式による通信を実行する第1の通信実行手段と、情報処理装置に取得させた1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれている場合に、情報処理装置が所属している第1ネットワークを用いて、第4インターフェイスおよび第2インターフェイスを介して、情報処理装置と通信装置との間での第2の無線通信方式による通信を実行する第2の通信実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
上記の構成によると、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一である場合には、当該同一のネットワークを用いて通信を実行することができる。これにより、ネットワークの切り替えが発生しないため、通信に必要な時間を短縮化することが可能となる。また、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一ではない場合には、通信装置が接続可能なネットワークに切り替えて通信を実行することができる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0007】
本明細書によって開示される通信装置は、第1の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第1インターフェイスであって、IC(Integrated Circuit)タグとして機能する第1インターフェイスと、第2の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、制御部と、を備えた通信装置であって、制御部は、複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を、第1インターフェイスに記憶する記憶制御手段と、ここで、複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、情報処理装置と直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報と、が含まれており、情報処理装置と、第1インターフェイスを用いて通信を実行し、第1インターフェイスに記憶されている1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を情報処理装置に送信する第1の送信手段と、情報処理装置に送信した1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれていない場合に、当該送信した接続可能ネットワーク識別情報に含まれる第2ネットワーク識別情報によって識別される第2ネットワークを用いて、第2インターフェイスを介して情報処理装置との間の通信を実行する第1の通信実行手段と、情報処理装置に送信した1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれている場合に、情報処理装置が所属している第1ネットワークを用いて、第2インターフェイスを介して情報処理装置との間の通信を実行する第2の通信実行手段と、して機能することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によると、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一である場合には、当該同一のネットワークを用いて通信を実行することができる。これにより、ネットワークの切り替えが発生しないため、通信に必要な時間を短縮化することが可能となる。また、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一ではない場合には、通信装置が接続可能なネットワークに切り替えて通信を実行することができる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0009】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、第1インターフェイスに記憶されている、通信装置が接続可能に設定されているネットワークに関する情報を、リアルタイムに更新することができる。ネットワーク状態が変化する場合においても、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0010】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、第1インターフェイスに記憶されている、通信装置が接続可能に設定されているネットワークに関する情報が変更された場合に、変更後の情報を情報処理装置へ送信することができる。ネットワーク状態が変化する場合においても、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0011】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、通信先識別情報を用いることにより、情報処理装置の通信先を通信装置に設定する動作を、情報処理装置に適切に実行させることが可能となる。
【0012】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、第1種のインターフェイスが、NFC規格のICタグとして機能するインターフェイスであるので、情報処理装置を通信装置に近接させるなどの直感的および簡易な操作によって、1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を情報処理装置に取得させることが可能となる。
【0013】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、中継装置を識別するための情報を情報処理装置に取得させることが可能となる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0014】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、通信装置のIPアドレスを情報処理装置に取得させることが可能となる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0015】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、第2ネットワークを識別するための情報を情報処理装置に取得させることが可能となる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0016】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、第2ネットワークに参加するために必要な情報を情報処理装置に取得させることが可能となる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0017】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、通信装置が所属することが可能なネットワークが存在しない場合には、通信装置に接続することができないことを情報処理装置に通知することができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0018】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、通信装置の電源がオフされる場合には、通信装置に接続することができないことを情報処理装置に通知することができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0019】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、通信装置にエラーが発生していることを情報処理装置に通知することができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0020】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、何れの機能を用いた処理も通信装置に実行させることが出来ない場合には、通信装置と情報処理装置との通信を実行させないように制御することができる。これにより、無駄な通信処理が実行されてしまうことを防止することができる。
【0021】
本明細書に記載されている通信装置等によれば、処理指令情報で処理の実行が指示されている機能に、エラーが発生していると判断される場合には、通信装置にエラーが発生していることを示す情報を情報処理装置へ送信することができる。これにより、ユーザが処理の実行を指示した機能がエラーにより使用できないことを、ユーザに報知することが可能となる。
【0022】
本明細書によって開示される情報処理プログラムは、情報処理装置に読込まれる情報処理プログラムであって、情報処理装置は、第1の無線通信方式によって通信装置と通信を実行するための第1インターフェイスと、第2の無線通信方式によって通信装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、を備えており、情報処理プログラムは、通信装置との間の第1の無線通信方式による通信が第1インターフェイスを介して行われた場合に、1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を取得する第1の取得手段と、ここで、1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報は、複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す情報であり、複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、通信装置と直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報が含まれており、第1の取得手段によって取得した1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれていない場合に、取得した接続可能ネットワーク識別情報に含まれる第2ネットワーク識別情報によって識別される第2ネットワークを用いて、第2インターフェイスを介して通信装置との間の通信を実行する第1の通信実行手段と、第1の取得手段によって取得した1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、情報処理装置が所属している第1ネットワークが含まれている場合に、
情報処理装置が所属している第1ネットワークを用いて、第2インターフェイスを介して通信装置との間の通信を実行する第2の通信実行手段と、して情報処理装置を機能させることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によると、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一である場合には、当該同一のネットワークを用いて通信を実行することができる。これにより、ネットワークの切り替えが発生しないため、通信に必要な時間を短縮化することが可能となる。また、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一ではない場合には、通信装置が接続可能なネットワークに切り替えて通信を実行することができる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0024】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、通信先識別情報を用いることにより、情報処理装置の通信先を通信装置に設定する動作を、情報処理装置で適切に実行することが可能となる。
【0025】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、情報処理装置が所属しているネットワークを、オペレーティングシステムプログラムを介して適切に取得することができる。
【0026】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、通信装置制御プログラムに、各種の処理を適切に実行させることが可能となる。
【0027】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、通信装置の種類が、通信装置制御プログラムが非対応の種類である場合には、通信装置に接続することができないことを示す画像を情報処理装置の表示部に表示させることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0028】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、情報処理装置が所属しているネットワークと通信装置が所属しているネットワークが同一ではない場合には、通信装置が接続可能なネットワークに切り替えて通信を実行することができる。これにより、情報処理装置と通信装置との通信を適切に実行することが可能となる。
【0029】
本明細書に記載されている情報処理プログラム等によれば、第1種のインターフェイスが、NFC規格のICタグとして機能するインターフェイスであるので、情報処理装置を通信装置に近接させるなどの直感的および簡易な操作によって、1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を情報処理装置に取得させることが可能となる。
以下に、開示例を列挙する。
[開示例1]
情報処理装置および通信装置を備える通信システムであって、
前記通信装置は、第1の無線通信方式によって前記情報処理装置と通信を実行するための第1インターフェイスであって、IC(Integrated Circuit)タグとして機能する前記第1インターフェイスと、第2の無線通信方式によって前記情報処理装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、を備えており、
前記情報処理装置は、前記第1の無線通信方式によって前記通信装置と通信を実行するための第3インターフェイスと、前記第2の無線通信方式によって前記通信装置と通信を実行するための第4インターフェイスと、を備えており、
複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、前記通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を、前記第1インターフェイスに記憶させる記憶制御手段と、
ここで、前記複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、前記情報処理装置と前記通信装置との間で直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報と、が含まれており、
前記第1インターフェイスおよび第3インターフェイスとの間での前記第1の無線通信方式による通信を実行し、前記第1インターフェイスに書き込まれている前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を前記情報処理装置に取得させる識別情報通信手段と、
前記情報処理装置に取得させた前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれていない場合に、当該取得させた接続可能ネットワーク識別情報に含まれる前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第4インターフェイスおよび前記第2インターフェイスを介して、前記情報処理装置と前記通信装置との間での前記第2の無線通信方式による通信を実行する第1の通信実行手段と、
前記情報処理装置に取得させた前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第4インターフェイスおよび前記第2インターフェイスを介して、前記情報処理装置と前記通信装置との間での前記第2の無線通信方式による通信を実行する第2の通信実行手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
[開示例2]
第1の無線通信方式によって情報処理装置と通信を実行するための第1インターフェイスであって、IC(Integrated Circuit)タグとして機能する前記第1インターフェイスと、
第2の無線通信方式によって前記情報処理装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、
制御部と、
を備えた通信装置であって、
前記制御部は、
複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、前記通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を、前記第1インターフェイスに記憶する記憶制御手段と、
ここで、前記複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、前記情報処理装置と直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報と、が含まれており、
前記情報処理装置と、前記第1インターフェイスを用いて通信を実行し、前記第1インターフェイスに記憶されている前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を前記情報処理装置に送信する第1の送信手段と、
前記情報処理装置に送信した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれていない場合に、当該送信した接続可能ネットワーク識別情報に含まれる前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記情報処理装置との間の通信を実行する第1の通信実行手段と、
前記情報処理装置に送信した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記情報処理装置との間の通信を実行する第2の通信実行手段と、
して機能することを特徴とする通信装置。
[開示例3]
前記制御部は、前記通信装置が接続するネットワークを設定する設定手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記通信装置が接続可能に設定されている1つ以上のネットワークに変更が発生したことに応じて、変更後の接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を前記第1インターフェイスに上書き記憶することを特徴とする開示例2に記載の通信装置。
[開示例4]
変更後の前記接続可能ネットワーク識別情報の1つ以上を前記記憶制御手段が前記第1インターフェイスに上書き記憶したことに応じて、前記第1インターフェイスに記憶されている変更後の前記接続可能ネットワーク識別情報を前記情報処理装置へ送信する第2の送信手段として前記制御部がさらに機能することを特徴とする開示例3に記載の通信装置。
[開示例5]
前記複数のネットワーク識別情報の各々には、前記通信装置を通信先として設定するために必要な通信先識別情報が含まれていることを特徴とする開示例2〜4の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例6]
前記第1インターフェイスは、NFC(Near Field Communication)規格の前記ICタグとして機能し、
前記第1の送信手段は、前記NFC規格の通信を実行することを特徴とする開示例2〜5の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例7]
前記記憶制御手段は、前記第1ネットワーク識別情報を前記接続可能ネットワーク識別情報として前記第1インターフェイスに記憶する場合には、前記中継装置を識別するための情報を前記接続可能ネットワーク識別情報に含ませることを特徴とする開示例2〜6の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例8]
前記記憶制御手段は、前記第1ネットワーク識別情報を前記接続可能ネットワーク識別情報として前記第1インターフェイスに記憶する場合には、前記通信装置のIPアドレスを識別するための情報を前記接続可能ネットワーク識別情報に含ませることを特徴とする開示例7に記載に記載の通信装置。
[開示例9]
前記記憶制御手段は、前記第2ネットワーク識別情報を前記接続可能ネットワーク識別情報として前記第1インターフェイスに記憶する場合には、前記第2ネットワークを識別するための情報を前記接続可能ネットワーク識別情報に含ませることを特徴とする開示例2〜8の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例10]
前記記憶制御手段は、前記第2ネットワーク識別情報を前記接続可能ネットワーク識別情報として前記第1インターフェイスに記憶する場合には、前記第2ネットワークに参加するために必要な情報を前記接続可能ネットワーク識別情報に含ませることを特徴とする開示例9に記載に記載の通信装置。
[開示例11]
前記記憶制御手段は、前記通信装置が接続可能に設定されているネットワークが存在しない場合には、前記通信装置が所属することが可能なネットワークが存在しないことを示す接続可能ネットワーク識別情報を前記第1インターフェイスに記憶することを特徴とする開示例2〜10の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例12]
前記通信装置の電源をオフにする電源オフ指示の入力を受け付ける受付手段として前記制御部がさらに機能し、
前記記憶制御手段は、前記受付手段が前記電源オフ指示を受け付けたことに応じて、前記通信装置と通信することができないことを示す情報を、前記第1インターフェイスに記憶することを特徴とする開示例2〜11の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例13]
前記記憶制御手段は、前記通信装置にエラーが発生したことに応じて、前記通信装置にエラーが発生していることを示す情報を前記第1インターフェイスに上書き記憶することを特徴とする開示例2〜12の何れか1項に記載の通信装置。
[開示例14]
前記通信装置には、各種の処理を実行するための複数種類の機能が備えられており、
前記記憶制御手段は、前記複数種類の機能の全ての機能が使用することができないエラーが発生したことに応じて、前記通信装置にエラーが発生していることを示す情報を前記第1インターフェイスに上書き記憶することを特徴とする開示例13に記載の通信装置。
[開示例15]
前記第1の通信実行手段または前記第2の通信実行手段によって、前記複数種類の機能のうちの何れか1種類の機能を用いた処理の実行を指示する処理指令情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記複数種類の機能のうち、使用することができないエラーが発生している機能の種類に、前記処理指令情報によって指示されている処理で用いられる機能の種類が含まれている場合に、前記通信装置にエラーが発生していることを示す情報を前記第1の通信実行手段または前記第2の通信実行手段によって前記情報処理装置へ送信する第3の送信手段と、
して前記制御部がさらに機能することを特徴とする開示例14に記載の通信装置。
[開示例16]
情報処理装置に読込まれる情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置は、第1の無線通信方式によって通信装置と通信を実行するための第1インターフェイスと、第2の無線通信方式によって前記通信装置と通信を実行するための第2インターフェイスと、を備えており、
前記情報処理プログラムは、
前記通信装置との間の前記第1の無線通信方式による通信が前記第1インターフェイスを介して行われた場合に、1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報を取得する第1の取得手段と、
ここで、前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報は、複数種類のネットワークの各々を示す複数のネットワーク識別情報のうち、前記通信装置が接続可能に設定されているネットワークを示す情報であり、
前記複数のネットワーク識別情報には、中継装置によって形成されているネットワークである第1ネットワークを識別する第1ネットワーク識別情報と、前記通信装置と直接に通信を実行するためのネットワークである第2ネットワークを識別する第2ネットワーク識別情報が含まれており、
前記第1の取得手段によって取得した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれていない場合に、前記取得した接続可能ネットワーク識別情報に含まれる前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記通信装置との間の通信を実行する第1の通信実行手段と、
前記第1の取得手段によって取得した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介して前記通信装置との間の通信を実行する第2の通信実行手段と、
して前記情報処理装置を機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
[開示例17]
前記複数のネットワーク識別情報の各々には、前記通信装置を通信先として設定するために必要な通信先識別情報が含まれており、
前記第1の通信実行手段および前記第2の通信実行手段は、前記情報処理装置の通信先を前記通信先識別情報に基づいて前記通信装置に設定することにより、前記情報処理装置との間の通信を実行することを特徴とする開示例16に記載の情報処理プログラム。
[開示例18]
前記情報処理装置に読み込まれることによって、ネットワーク識別情報によって識別されるネットワークとの間での通信を制御する第1通信制御手段として前記情報処理装置を機能させるオペレーティングシステムプログラムが、前記情報処理装置の記憶部に記憶されており、
前記情報処理プログラムは、前記情報処理装置が所属しているネットワークを識別する所属中ネットワーク識別情報を前記第1通信制御手段から取得する識別情報取得手段として前記情報処理装置をさらに機能させ、
前記第1の通信実行手段は、前記識別情報取得手段によって取得された前記所属中ネットワーク識別情報に対応する情報が、前記通信装置から取得した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報のうちに含まれていない場合に、前記接続可能ネットワーク識別情報に含まれる前記第2ネットワーク識別情報によって識別される前記第2ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介した前記通信装置との間の通信を前記第1通信制御手段に実行させ、
第2の通信実行手段は、前記識別情報取得手段によって取得された前記所属中ネットワーク識別情報に対応する情報が、前記通信装置から取得した前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報のうちに含まれている場合に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスを介した前記通信装置との間の通信を前記第1通信制御手段に実行させることを特徴とする開示例16または17に記載の情報処理プログラム。
[開示例19]
前記情報処理装置に読み込まれることによって、第2通信制御手段として前記情報処理装置を機能させる通信装置制御プログラムが、前記情報処理装置の記憶部に記憶されており、
前記第1の通信実行手段および前記第2の通信実行手段は、前記通信装置との間の通信を実行するための通信実行情報を前記第2通信制御手段に取得させ、
前記第2通信制御手段は、前記通信実行情報に基づいて前記通信装置との間の通信を実行することで、前記通信装置に各種の処理を実行させることを特徴とする開示例16〜18の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
[開示例20]
前記通信装置には複数の種類が存在しており、
前記第2通信制御手段は、複数種類の前記通信装置の少なくとも一部の種類の通信装置を制御することが可能とされており、
前記第1の取得手段が取得する前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報には、前記通信装置の種類を示す通信装置種類識別情報が含まれており、
前記情報処理プログラムは、
前記第2通信制御手段が制御することが可能な通信装置の種類の1つ以上を示す制御可能種類情報を、前記第2通信制御手段から取得する第2の取得手段と、
前記通信装置種類識別情報で示される前記通信装置の種類が、前記第2の取得手段によって取得された前記制御可能種類情報で示される前記通信装置の種類の1つ以上のうちに含まれていない場合に、前記通信装置に接続することができないことを示す画像を前記情報処理装置の表示部に表示させる表示制御手段と、
して前記情報処理装置をさらに機能させることを特徴とする開示例19に記載の情報処理プログラム。
[開示例21]
前記中継装置によって形成されている前記第1ネットワークは複数存在しており、
前記情報処理プログラムは、
前記情報処理装置が過去に所属したことのある所属済み第1ネットワークに関する情報であって、前記所属済み第1ネットワークに前記情報処理装置を所属させるために用いられる所属情報を、記憶部に記憶する記憶制御手段と、
前記第1の取得手段によって取得された前記1つ以上の接続可能ネットワーク識別情報によって識別される1つ以上のネットワークの中に、前記情報処理装置が所属している前記第1ネットワークが含まれていない場合に、前記記憶部に前記所属情報が記憶されている場合には、前記所属情報によって識別される所属済み第1ネットワークを用いて、前記第2インターフェイスおよび前記所属済み第1ネットワークを形成している中継装置を介して、前記通信装置との間の通信を実行する第3の通信実行手段と、
して前記情報処理装置をさらに機能させることを特徴とする開示例16〜20の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
[開示例22]
前記第1インターフェイスは、NFC(Near Field Communication)規格の無線通信方式による通信のためのインターフェイスであり、
前記第1の取得手段は、前記NFC規格の通信を実行することを特徴とする開示例16〜21の何れか1項に記載の情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(ネットワーク10の構成)
図1は、ネットワーク10の構成を示すブロック図である。ネットワーク10は、情報処理装置100、MFP51および52、第1アクセスポイント501、第2アクセスポイント502、を備えている。ここで、MFPとは、印刷機能、スキャン機能、コピー機能を備える多機能周辺装置(Multifunction Peripheralとも称す)を示す。
【0032】
情報処理装置100のNFC通信I/F112は、NFC(Near Field Communicationの略)方式の無線通信153を介して、MFP51のNFC通信I/F36と通信を行うことができる。本実施例では、ISO/IEC21481又は18092の国際標準規格に基づいて、NFC方式に従った無線通信が実行される。
【0033】
情報処理装置100の無線LAN_I/F105は、インフラストラクチャーモードの無線通信151および154を介して、MFP51の無線LAN_I/F34と通信することができる。また、無線LAN_I/F105は、インフラストラクチャーモードの無線通信152を介して、MFP52と通信することができる。また、無線LAN_I/F105は、WiFi Direct(以下、WFDと記載する)方式の無線通信155を介して、MFP51の無線LAN_I/F34と直接に通信を行うことができる。すなわち情報処理装置100は、WFD方式に従って、MFP51との接続を確立することによって、WFDネットワークを構築することができる。WFDでは、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に基づいて、無線通信が実行される。また、情報処理装置100のブルートゥース(登録商標。以下同様。)通信I/F113は、ブルートゥース方式の無線通信156を介して、MFP51のブルートゥース通信I/F40と通信を行うことができる。
【0034】
第1アクセスポイント501および第2アクセスポイント502の各々は、SSID(Service Set Identifierの略)を有している。SSIDは、第1アクセスポイント501および第2アクセスポイント502の各々を識別するための名前である。情報処理装置100は、プリントアプリケーション121を実行することで、印刷要求やスキャン要求を、無線LAN_I/F105を用いた通信やブルートゥース通信I/F113を用いた通信によって、MFP51および52に送信することができる。
【0035】
(情報処理装置100の構成)
情報処理装置100は、例えば携帯電話や携帯端末装置などの携帯型の装置である。情報処理装置100は、表示手段102、タッチパネル103、入力I/F104、無線LAN_I/F105、NFC通信I/F112、ブルートゥース通信I/F113、CPU(Central Processing Unitの略)106、ROM(Read Only Memoryの略)107、RAM(Random Access Memoryの略)108、記憶部109、などを備えており、これらは入出力ポート110を介して互いに接続されている。
【0036】
表示手段102は、CPU106から出力される画信号を受信し、受信した画信号に基づく画像を表示する。表示手段102としては、例えばLCDや、有機ELパネルなどを用いることができる。タッチパネル103は透明な部材により形成され、表示手段102の表面を覆うようにして配設されている。タッチパネル103は、ユーザの指などによりタッチされた位置を検出し、検出した位置情報をCPU106へ出力する。入力I/F104は、例えば操作ボタンである。
【0037】
NFC通信I/F112は、NFC方式の無線通信153を実行するためのインターフェイスである。NFC方式の無線通信153を確立するためには、通信設定のための各種の情報(例:IPアドレス、SSIDなど)は不要である。無線LAN_I/F105は、無線LAN方式の無線通信151、152、155を実行するためのインターフェイスである。無線LAN方式の無線通信151、152、155の通信可能な距離は、NFC方式の無線通信153の通信可能な距離よりも大きい。また、無線LAN方式の無線通信151、152、155の通信速度は、NFC方式の無線通信153の通信速度よりも速い。ブルートゥース通信I/F113は、ブルートゥース方式の無線通信156を実行するためのインターフェイスである。
【0038】
CPU106は、記憶部109に記憶されるプログラムを実行する。RAM108はCPU106の処理に必要な情報を一時的に記憶する。記憶部109は、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、CPU106が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部109には、画像データや、文書データなどが記憶可能である。また記憶部109は、アクセスポイント接続履歴情報を記憶することが可能である。アクセスポイント接続履歴情報は、情報処理装置100が過去に接続したことのあるアクセスポイントを識別するための情報(例:SSID)である。
【0039】
また記憶部109は、プログラム120を記憶している。プログラム120は、プリントアプリケーション121、接続モジュール122、および、オペレーティングシステム124(以下、OS124と記載する)を含んでいる。CPU106は、プログラム120に従って処理を実行する。ここで以降、プリントアプリケーション121、接続モジュール122やOS124など、プログラムを実行するCPU106のことを、単にプログラム名でも記載することにする場合がある。例えば「プリントアプリケーション121は」という記載は、「プリントアプリケーション121を実行するCPU106は」を意味する場合がある。
【0040】
プリントアプリケーション121は、情報処理装置100からMFP51やMFP52等へ印刷要求やスキャン要求を送信する処理などを、CPU106に実行させるためのアプリケーションである。印刷要求は、MFP51やMFP52等に印刷処理を実行させるための情報である。スキャン要求は、MFP51やMFP52等にスキャン処理を実行させるための情報である。
【0041】
接続モジュール122は、情報処理装置100を無線通信を介して各種ネットワークに接続する処理を実行するプログラムである。接続モジュール122は、プリントアプリケーション121などの各種のアプリケーションに呼び出されて実行されるプログラムであってもよい。すなわち、ユーザに近い機能を提供する上位アプリケーション(例:プリントアプリケーション121)に対して、接続モジュール122は、通信機能を提供する下位アプリケーションとして機能してもよい。
【0042】
OS124は、プリントアプリケーション121等に共通して利用される、基本的な機能を提供するプログラムである。OS124は、無線LAN_I/F105、NFC通信I/F112、ブルートゥース通信I/F113に無線通信を実行させるためのプログラム等を含んでいる。またOS124は、各種のハードウェアが取得した情報を各プログラムが取得するための、もしくは、各プログラムが各種ハードウェアに指示をするためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供するプログラムでもある。
【0043】
(MFP51の構成)
MFP51の構成について説明する。MFP51は、CPU32、記憶部33、無線LAN_I/F34、NFC通信I/F36、ブルートゥース通信I/F40、ボタン入力部38、パネル39、プリンタ19、スキャナ20、を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート43を介して互いに通信可能とされている。
【0044】
CPU32は、記憶部33に記憶されるプログラム21を実行する。記憶部33は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスクの略)、CPU
32が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部33は、プログラム21を記憶する。プログラム21は、OS29等を含んでいる。
【0045】
無線LAN_I/F34は、インフラストラクチャーモードの無線通信154および157、および、WFD方式の無線通信155を実行するためのインターフェイスである。ブルートゥース通信I/F40は、ブルートゥース方式の無線通信156を実行するためのインターフェイスである。
【0046】
NFC通信I/F36は、いわゆる近距離無線通信のためのNFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信153を実行するためのインターフェイスである。NFC方式は、例えば、ISO/IEC21481又は18092の国際標準規格に基づく無線通信方式である。NFC通信を実行するためのI/Fの種類として、NFCフォーラムデバイス(NFC Forum Device)と呼ばれるI/Fと、NFCフォーラムタグ(NFC Forum Tag)と呼ばれるI/Fと、が知られている。NFC通信I/F36は、NFCフォーラムタグであり、NFC規格(即ちISO/IEC21481又は18092)のICタグとして機能する。
【0047】
NFC通信I/F36は、記憶部37を備えている。記憶部37は、CPU32から供給される送信情報を外部機器(例えば情報処理装置100)に送信するために、当該送信情報を長期間に亘って格納するためのメモリである。記憶部37は、不揮発性メモリであってもよい。NFC通信I/F36は、RF通信モードおよびシリアル通信モードを使用することが可能である。RF通信モードでは、送信情報を外部機器に送信することができる。シリアル通信モードでは、CPU32から記憶部37へ送信情報を送信することができる。
【0048】
記憶部37に記憶される送信情報の内容の一例を示す。送信情報は、送信情報識別情報、通信実行情報、装置種類識別情報、装置ステータス情報、接続可能ネットワーク識別情報、等を含んでいる。送信情報識別情報は、送信情報が、プリントアプリケーション121に使用される情報であることを示すための情報である。送信情報識別情報は、予め定められた文字列であってもよい。通信実行情報は、送信情報が、無線通信の設定を行うための情報であることを示す情報である。通信実行情報は、予め定められた文字列であってもよい。装置種類識別情報は、MFP51の装置種類を識別するための情報である。装置種類識別情報は、MFP51のモデル名であってもよい。装置ステータス情報は、MFP51の装置状態を示す情報である。装置ステータス情報に含まれる情報の一例としては、MFP51で発生しているエラーの内容、プリンタ19のインク残量、などが挙げられる。
【0049】
接続可能ネットワーク識別情報は、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在するか否かを示す情報である。また接続可能ネットワーク識別情報は、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在する場合には、接続可能に設定されているネットワークを識別するための情報として機能する。「MFP51が接続可能に設定されているネットワーク」とは、例えば、MFP51の接続設定が「接続可」に設定されているネットワークである。接続設定は、記憶部33に記憶されていてもよい。接続設定は、インフラストラクチャーモード、WFD方式、ブルートゥース方式の各々に対して設定可能であってもよい。接続設定はユーザによって行われてもよいし、CPU32によって自動的に行われてもよい。例えば、MFP51が接続可能なネットワークが、インフラストラクチャーモードによる無線通信によって形成されるネットワークのみである場合には、インフラストラクチャーモードの接続設定が「接続可」に設定され、WFD方式およびブルートゥース方式の接続設定が「接続不可」に設定されてもよい。接続設定が「接続可」に設定されている状態は、無線LAN_I/F34を利用したインフラストラクチャーモードでの無線通信機能が有効に設定されている状態や、無線LAN_I/F34を利用したWFD方式での無線通信機能が有効にされている状態、ブルートゥース通信I/F40を使用した無線通信機能が有効に設定されている状態であってもよい。
【0050】
接続可能ネットワーク識別情報は、以下に示す第1〜第5ネットワーク識別情報のうちの少なくとも何れか1つを含んでいてもよい。また、第1〜第4ネットワーク識別情報の各々には、MFP51と通信を実行するために必要な通信先識別情報が含まれていてもよい。
【0051】
第1ネットワーク識別情報は、インフラストラクチャーモードの無線通信154によって形成されているネットワークを識別する情報である。第1ネットワーク識別情報には、インフラストラクチャーモードの無線通信154を用いてMFP51に接続するための通信先識別情報(例:第1アクセスポイント501のSSID)が含まれている。また第1ネットワーク識別情報には、MFP51を識別するための通信先識別情報(例:MFP51のノード名)が含まれている。
【0052】
第2ネットワーク識別情報は、WFD方式の無線通信155によって形成されているネットワークを識別する情報である。第2ネットワーク識別情報には、MFP51にWFD方式の無線通信155で接続するための通信先識別情報が含まれている。このような通信先識別情報の一例としては、WFDネットワークのSSID、暗号化方式、及び、パスワード等が挙げられる。暗号化方式、及び、パスワードは、WFDネットワークにおいて、機器の認証、データの暗号化等を実行するための情報である。
【0053】
第3ネットワーク識別情報は、ブルートゥース方式の無線通信156によって形成されているネットワークを識別する情報である。第3ネットワーク識別情報には、MFP51にブルートゥース方式の無線通信156で接続するための通信先識別情報が含まれている。このような通信先識別情報の一例としては、MACアドレスが挙げられる。
【0054】
第4ネットワーク識別情報は、無線LAN方式の無線通信157によって形成されているネットワークを識別する情報である。第4ネットワーク識別情報には、第2アクセスポイント502に接続するための通信先識別情報(例:第2アクセスポイント502のSSID)、および、MFP51にアクセスするための通信先識別情報(例:MFP51のノード名)が含まれている。
【0055】
第5ネットワーク識別情報は、MFP51が接続することが可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す情報である。第5ネットワーク識別情報は、所定の文字列であってもよい。
【0056】
ボタン入力部38は、MFP51の各機能を実行するためのキーである。ボタン入力部38は、タッチパネルとして、パネル39と一体に構成されていてもよい。パネル39は、MFP51の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、記憶部33に記憶されている画像データを用いて印刷処理を実行する部位である。スキャナ20は、原稿を読み取るスキャン処理を実行して、スキャンデータを生成する部位である。なおMFP52も、MFP51と同様の構成を備えているが、図面の簡略化のため、
図1への図示を省略している。
【0057】
(MFP51が実行する処理;
図5〜
図7)
続いて、
図5〜
図7を参照して、本実施例のMFP51が実行する処理について説明する。本実施形態の説明例では、インフラストラクチャーモードの無線通信154と157のうち、インフラストラクチャーモードの無線通信154を使用する設定がMFP51に行われている場合を説明する。
【0058】
S405においてCPU32は、MFP51の初期化処理を実行する。初期化処理では、例えば、記憶部33に記憶されている接続設定に従って無線通信を確立してもよい。S410においてCPU32は、NFC通信I/F36内の記憶部37に記憶されている送信情報の書き換え処理を実行する。
【0059】
図7を用いて、送信情報の書き換え処理の内容を説明する。S510においてCPU32は、無線LAN_I/F34およびブルートゥース通信I/F40に状態を問い合わせる。S515においてCPU32は、無線LAN_I/F34およびブルートゥース通信I/F40から、応答情報を受信したか否かを判断する。否定判断される場合(S515:NO)にはS515へ戻り、肯定判断される場合(S515:YES)にはS520へ進む。
【0060】
S520においてCPU32は、無線LAN_I/F34を使用可能なように、MFP51が設定されているか否かを判断する。例えば、無線LAN_I/F34から使用可能状態であることを示す応答情報を受信するとともに、無線通信154または155の少なくとも一方によって形成されているネットワークの接続設定が「接続可」に設定されている場合には、無線LAN_I/F34が使用可能なように設定が行われていると判断してもよい。肯定判断される場合(S520:YES)には、S530へ進む。
【0061】
S530においてCPU32は、使用可能な設定が行われている無線通信の種類を判断する。具体的には、WFD方式の無線通信155およびインフラストラクチャーモードの無線通信154の両方が使用可能な設定が行われているか、またはインフラストラクチャーモードの無線通信154のみが使用可能な設定が行われているか、を判断する。両方式の無線通信が使用可能な設定が行われている場合(S530:WFDおよびインフラストラクチャー)には、S540へ進む。
【0062】
S540においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に、第1ネットワーク識別情報(すなわち、インフラストラクチャーモードの無線通信154を識別する情報)と、第2ネットワーク識別情報(すなわち、WFD方式の無線通信155を識別する情報)と、を含ませる。第1および第2ネットワーク識別情報の内容については、説明済みであるため、ここでは説明を省略する。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶する。そして、送信情報の書き換え処理を終了する。
【0063】
一方、インフラストラクチャーモードの無線通信154のみが使用可能な設定が行われている場合(S530:インフラストラクチャー)には、S535へ進む。S535においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に、第1ネットワーク識別情報(すなわち、インフラストラクチャーモードの無線通信154を識別する情報)を含ませる。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶する。そして、送信情報の書き換え処理を終了する。
【0064】
一方、S520において否定判断される場合(S520:NO)には、S522へ進む。S522においてCPU32は、ブルートゥース通信I/F40を使用可能な設定が行われているか否かを判断する。例えば、ブルートゥース通信I/F40から使用可能状態であることを示す応答情報を受信するとともに、無線通信156の接続設定が「接続可」に設定されている場合には、ブルートゥース通信I/F40が使用可能な設定が行われていると判断してもよい。肯定判断される場合(S522:YES)には、S523へ進む。S523においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に、第3ネットワーク識別情報(すなわち、ブルートゥース方式の無線通信156を識別する情報)を含ませる。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶する。そして、送信情報の書き換え処理を終了する。
【0065】
一方、S522において否定判断される場合(S522:NO)には、S525へ進む。S525においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に、第5ネットワーク識別情報(すなわち、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す情報)を含ませる。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶する。そして、送信情報の書き換え処理を終了する。
【0066】
図5のS413においてNFC通信I/F36は、RF通信モードコマンドを受信したか否かを判断する。RF通信モードコマンドは、NFC方式の無線通信153を開始することを命令する情報である。RF通信モードコマンドの受信は、通信先の装置に備えられているNFC通信I/Fが、MFP51に備えられているNFC通信I/F36を中心とする所定距離内に近接することによって開始される。所定距離は、例えば10cm程度であってもよい。否定判断される場合(S413:NO)にはS415へ進む。
【0067】
S415においてCPU32は、後述するS437またはS440で検出したMFP51のエラーが解消しているかを判断する。エラーが解消していれば(S415:YES)、CPU32は、NFC通信I/F36内の記憶部37に記憶されていたエラー内容を含む装置ステータス情報を含んだ送信情報を、新たな送信情報に書き換える書き換え処理を実行する(S416)。書き換え処理の内容は、
図7を用いて説明済みであるため、ここでは説明を省略する。CPU32は、S416の処理が終わると、処理をS420に移行する。また、S415においてエラーが解消していないと判断される場合(S415:NO)、CPU32は、S420に処理を移行する。
【0068】
一方、S413において肯定判断される場合(S413:YES)には、S417へ進む。S417においてNFC通信I/F36は、記憶部37に記憶されている送信情報を、NFC方式の無線通信153を介して、RF通信モードを使用して通信先の装置へ送信する。
【0069】
S420においてCPU32は、電源をオフにする指示の入力が受け付けられたか否かを判断する。当該指示は、ボタン入力部38に備えられている不図示の電源ボタンが押下されることによって、入力が受け付けられてもよい。肯定判断される場合(S420:YES)には、S450へ進む。S450においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に、第5ネットワーク識別情報(すなわち、MFP51が接続することが可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す情報)を含ませる。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶する。S455においてCPU32は、MFP51の電源をオフする処理を実行する。そしてフローを終了する。
【0070】
一方、S420において否定判断される場合(S420:NO)には、S422へ進む。S422においてCPU32は、後述するS437またはS440で検出したエラー状態が継続しているかを判断する。肯定判断される場合(S422:YES)にはS413へ処理が戻り、否定判断される場合(S422:NO)にはS425へ処理が移行する。これにより、MFP51のエラー状態が継続している期間中には、エラー情報を含む送信情報が記憶部37に記憶されている状態を維持することが可能となる。
【0071】
S425においてCPU32は、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが変更されたか否かを判断する。当該判断は、例えば、記憶部33に記憶されている接続設定の内容が変更されたか否かを監視することで行われてもよい。否定判断される場合(S425:NO)にはS435へ進み、肯定判断される場合(S425:YES)にはS430へ進む。
【0072】
S430においてCPU32は、NFC通信I/F36内の記憶部37に記憶されていた古い送信情報を、変更後の接続設定に対応している新たな送信情報に書き換える書き換え処理を実行する。書き換え処理の内容は、
図7を用いて説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0073】
具体動作例として、インフラストラクチャーモードおよびWFD方式の無線通信が接続可能とされている第1の接続設定から、インフラストラクチャーモードの無線通信のみが接続可能とされている第2の接続設定に、S425において変更される場合を説明する。第1の接続設定では、インフラストラクチャーモード、WFD方式、ブルートゥース方式の各々の接続設定は、「接続可」、「接続可」、「接続不可」とされている。従って、S430で書き換えられる前の送信情報内の接続可能ネットワーク識別情報には、第1および第2ネットワーク識別情報が含まれている。一方、第2の接続設定では、インフラストラクチャーモード、WFD方式、ブルートゥース方式の各々の接続設定は、「接続可」、「接続不可」、「接続不可」とされている。従って、S430で書き換えられた後の送信情報内の接続可能ネットワーク識別情報には、第1ネットワーク識別情報のみが含まれている。
【0074】
S432においてCPU32は、書き換え後の送信情報を通信先の装置に送信する送信処理を実行するか否かを判断する。例えば、直近に送信情報を通信先の装置へ送信(S417)した時点からから予め定められた所定時間内に、送信情報の書き換えが実行された場合には、送信された送信情報の内容をユーザが確認したことに応じて接続設定が変更された場合であると判断し、送信処理を実行してもよい。否定判断される場合(S432:NO)にはS435へ進み、肯定判断される場合(S432:YES)にはS434へ進む。
【0075】
S434においてCPU32は、記憶部37に記憶されている送信情報を、NFC方式の無線通信153を介して、RF通信モードを使用して通信先の装置へ送信する送信処理を実行する。当該送信処理は、前述したRF通信モードコマンドを受信することなく実行されてもよい。すなわち、通信先の装置がNFC通信I/F36に近接するという動作が行われることなく、当該送信処理が実行されてもよい。当該送信処理は、例えば、NFC通信I/F36を再起動することによって行われてもよい。
【0076】
S435においてCPU32は、処理指令情報を情報処理装置100から受信したか否かを判断する。処理指令情報は、印刷処理やスキャン処理などの各種の機能のうち、何れか1種類の機能を用いた処理の実行を、MFP51に対して指示するための情報である。処理指令情報の内容が、MFP51に印刷機能を用いた処理を実行させる内容である場合には、処理指令情報には印刷データが含まれていてもよい。否定判断される場合(S435:NO)にはS413へ戻り、肯定判断される場合(S435:YES)にはS437へ進む。
【0077】
S437においてCPU32は、処理指令情報で処理の実行が指示されている機能に、エラーが発生しているか否かを判断する。例えば、処理指令情報の内容が、MFP51に印刷機能を用いた処理を実行させる内容である場合には、プリンタ19にエラーが発生しているか否かを判断する。
【0078】
S437において否定判断される場合(S437:NO)には、S439へ進む。S439においてCPU32は、受信した処理指令情報に基づいて各種の処理の実行を開始する。例えば、処理指令情報が印刷処理を指示している場合には、印刷データを用いた印刷処理をプリンタ19に実行させる。また例えば、処理指令情報がスキャン処理を指示している場合には、スキャン処理をスキャナ20に実行させる。S440においてCPU32は、実行中の処理についてエラーが発生したかを判断する。S440において否定判断される場合(S440:NO)には、CPU32は、S442においてその処理が完了したかを判断する。S442において否定判断される場合(S442:NO)には、S440に戻り、S442において肯定判断される場合(S442:YES)には、S413へ戻る。
【0079】
一方、S440において肯定判断される場合(S440:YES)、または、S437において肯定判断される場合(S437:YES)には、S444へ進む。S444においてCPU32は、エラーが発生したことを示すエラー報知情報を情報処理装置100へ送信する。エラー報知情報は、S435において処理指令情報を受信した無線通信経路を用いて、情報処理装置100へ送信されてもよい。情報処理装置100は、エラー報知情報を受信することに応じて、発生したエラー内容を示す文字列を表示手段102に表示させてもよい。
【0080】
S445においてCPU32は、エラー情報を含んだ送信情報を、記憶部37に上書き記憶するか否かを判断する。具体的には、プリントアプリケーション121によって処理を実行させることが可能な機能の全て(例:印刷機能およびスキャン機能)にエラーが発生している場合には、エラー情報を含んだ送信情報を上書き記憶すると判断される。このようなエラーが発生する場合の一例としては、MFP51の電源や駆動回路の故障などが発生した場合が挙げられる。また、プリントアプリケーション121によって処理を実行させることが可能な機能のうちの一部(例:印刷機能またはスキャン機能のいずれか一方)のみにエラーが発生している場合には、エラー情報を含んだ送信情報を上書き記憶しないと判断される。なお、この場合は、情報処理装置100がMFP51に対してプリンタ19を用いた印刷機能を実行させたいのかスキャナ20を用いたスキャン機能を実行させたいのかが確認できるまで、機能が実行できないことを情報処理装置100に伝えることできないタイプのエラーが発生している場合であるとも言える。
【0081】
S445における判断は、エラーの重大度に応じて行われるとしてもよい。例えば、重度のエラーである場合にはエラー情報を含んだ送信情報を記憶部37に上書き記憶すると判断し、軽度のエラーである場合にはエラー情報を含んだ送信情報を上書き記憶しないと判断してもよい。重度のエラーは、物理的に処理が実行できない状態となるエラーである。重度のエラーの一例としては、プリンタ19を構成するプリントヘッドの故障や、スキャナ20を構成する原稿用紙の搬送部の故障などが挙げられる。軽度のエラーの一例としては、記録用紙切れやインク切れなどが挙げられる。エラーの重大度の判断は、記憶部33に記憶されているエラー分類情報に基づいて行われてもよい。エラー分類情報は、例えば、MFP51において発生し得るエラー種別毎に重度のエラーまたは軽度のエラーが割り当てられている情報であってもよい。
【0082】
S445において否定判断される場合(S445:NO)にはS413へ戻り、肯定判断される場合(S445:YES)にはS446へ進む。S446においてCPU32は、送信情報を新たに生成する。具体的には、CPU32は、生成される送信情報に含まれる装置ステータス情報に、MFP51で発生しているエラーの内容を含ませる。そしてCPU32は、生成した送信情報を、シリアル通信モードを用いて記憶部37に上書き記憶し、S413へ戻る。
【0083】
(情報処理装置100のCPU106が実行する処理)
図2〜
図4を参照して、本実施例の情報処理装置100のCPU106が実行する処理について説明する。例として、MFP51に情報処理装置100を近接させる場合の動作を説明する。S110においてCPU106は、NFC方式の無線通信153を介して、MFP51から送信情報を受信したか否かを判断する。否定判断される場合(S110:NO)にはS110へ戻り、肯定判断される場合(S110:YES)にはS112へ進む。
【0084】
S112においてCPU106は、MFP51がエラー状態にあるかを判断する。当該判断は受信した送信情報に含まれる装置ステータス情報に、MFP51で発生しているエラー内容が含まれるか否かによって行われてもよい。肯定判断される場合(S112:YES)には、S113に進む。S113においてプリントアプリケーション121は、エラー画像を表示手段102に表示する。そしてS110へ戻る。かかる場合のエラー画像の一例としては、「MFPでエラーが発生しているため、MFPのエラーを解消してから再度情報処理装置をMFPにタッチしてください。」という文字列が挙げられる。プリントアプリケーション121によって処理を実行させることが可能なMFP51の機能の全て(例:印刷機能およびスキャン機能)にエラーが発生している場合、もしくは、MFP51に重度のエラーが発生している場合には、情報処理装置100はMFP51と通信したとしても、MFP51の機能を利用することができない。かかる場合、MFP51と通信を行うために無線通信を切り替える処理が無駄となる。そのため、本実施形態では、MFP51が機能を実行できないような重度のエラー状態にある場合には、無線通信の切り替えを行わない。
【0085】
S112において否定判断される場合(S112:NO)には、S115へ進む。S115においてCPU106は、プリントアプリケーション121を起動する。プリントアプリケーション121の起動は、OS124によって行われてもよい。プリントアプリケーション121の起動は、受信した送信情報に含まれている送信情報識別情報に基づいて、OS124によって行われてもよい。送信情報識別情報は、前述の通り、送信情報がプリントアプリケーション121に使用される情報であることを示す情報である。また、起動対象となるアプリケーションが複数存在する場合には、複数のアプリケーションの各々を示す画像を表示手段102に表示させるとともに、何れか1つのアプリケーションの選択を受け付けてもよい。
【0086】
S120においてプリントアプリケーション121は、S110で受信した送信情報によって、無線通信の接続が指示されているか否かを判断する。当該判断は、受信した送信情報に、通信実行情報が含まれているか否かによって行われてもよい。否定判断される場合(S120:NO)には、S125へ進む。S125においてプリントアプリケーション121は、S110で受信した送信情報が、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在することを示す情報であるか否かを判断する。送信情報に第5ネットワーク識別情報が含まれていない場合には、当該送信情報は、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在することを示す情報であると判断される(S125:YES)。よって、プリントアプリケーション121を終了する。一方、送信情報に第5ネットワーク識別情報が含まれている場合には、当該送信情報は、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す情報であると判断される(S125:NO)。よって、S170へ進む。
【0087】
S170においてプリントアプリケーション121は、エラー画像を表示手段102に表示する。エラー画像の一例としては、「情報処理装置をMFPにタッチさせたまま、MFPの電源をオンするか、無線設定をオンして下さい。」という文字列が挙げられる。そしてS110へ戻る。
【0088】
一方、S120において肯定判断される場合(S120:YES)には、S140へ進む。S140においてプリントアプリケーション121は、接続モジュール122を起動する。接続モジュール122の動作内容については後述する。S145においてプリントアプリケーション121は、プリントアプリケーション121の対応モデル情報および対応無線通信情報を、接続モジュール122に通知する。対応モデル情報は、プリントアプリケーション121によって制御することが可能な装置の種類を示す情報である。対応無線通信情報は、プリントアプリケーション121が使用することが可能な無線通信の種類(例:WFD方式の無線通信、ブルートゥース方式の無線通信など)を示す情報である。OS124がアンドロイド(登録商標)OSである場合には、プリントアプリケーション121と接続モジュール122との間の通信は、インテントを用いて実行されてもよい。
【0089】
S147においてプリントアプリケーション121は、接続モジュール122から返信情報を受信したか否かを判断する。否定判断される場合(S147:NO)にはS147へ戻り、肯定判断される場合(S147:YES)にはS150へ進む。
【0090】
S150においてプリントアプリケーション121は、何れかの方式の無線通信を用いて、MFP51と通信することが可能であるか否かを判断する。当該判断は、接続モジュール122から受信した返信情報の内容に基づいて行われてもよい。例えば、返信情報として通信実行情報(S275)を受信した場合には、インフラストラクチャーモードの無線通信が使用可能であると判断してもよい。また例えば、返信情報としてWFD方式の無線通信に関する通信先識別情報(S316)を受信した場合には、WFD方式の無線通信が使用可能であると判断してもよい。また例えば、返信情報としてブルートゥース設定情報(S336)を受信した場合には、ブルートゥース方式の無線通信が使用可能であると判断してもよい。また例えば、返信情報として通信不可情報(S225)を受信した場合には、何れの方式の無線通信も使用不可能であると判断してもよい。否定判断される場合(S150:NO)にはS170へ進み、肯定判断される場合(S150:YES)にはS155へ進む。
【0091】
S155においてプリントアプリケーション121は、処理指令情報を作成する。処理指令情報の内容については、S435において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0092】
S160においてプリントアプリケーション121は、処理指令情報を、接続モジュール122によって形成された無線通信を介して、MFP51へ送信する。そしてプリントアプリケーション121は終了する。
【0093】
(接続モジュール122の動作)
図3および
図4を用いて、S140で起動される接続モジュール122の動作を説明する。S210において接続モジュール122は、対応モデル情報および対応無線通信情報を、プリントアプリケーション121から受信したか否かを判断する。否定判断される場合(S210:NO)にはS210へ戻り、肯定判断される場合(S210:YES)にはS215へ進む。
【0094】
S215において接続モジュール122は、MFP51が、プリントアプリケーション121によって制御可能な装置であるか否かを判断する。当該判断は、S110で受信した送信情報に含まれている装置種類識別情報が示すMFP51の装置種類が、対応モデル情報が示すプリントアプリケーション121によって制御することが可能な装置の種類に含まれているか否かによって行われてもよい。否定判断される場合(S215:NO)には、S225へ進む。S225において接続モジュール122は、何れの無線通信も使用不可であることを示す通信不可情報を、プリントアプリケーション121へ送信する。そして接続モジュール122は終了する。
【0095】
一方、S215において肯定判断される場合(S215:YES)には、S220へ進む。S220において接続モジュール122は、MFP51が無線通信を実行することができる状態であるか否かを判断する。当該判断は、S110で受信した送信情報に、第5ネットワーク識別情報(すなわち、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す情報)が含まれているか否かによって行われてもよい。肯定判断される場合(S220:YES)にはS240へ進み、否定判断される場合(S220:NO)にはS225へ進む。
【0096】
S240において接続モジュール122は、インフラストラクチャーモードの無線通信154を使用可能なように、MFP51が設定されているか否かを判断する。当該判断は、S110で受信した送信情報に、第1ネットワーク識別情報(すなわち、インフラストラクチャーモードの無線通信154を識別する情報)が含まれているか否かによって行われてもよい。肯定判断される場合(S240:YES)には、S245へ進む。
【0097】
S245において接続モジュール122は、情報処理装置100が現在接続中のアクセスポイントのSSIDを、OS124から取得する。S250において接続モジュール122は、MFP51が現在接続中のアクセスポイントと、情報処理装置100が現在接続中のアクセスポイントとが、同一であるか否かを判断する。当該判断は、MFP51の接続先として設定されているアクセスポイントのSSIDと、情報処理装置100が現在接続中のネットワークのSSIDと、が同一であるか否かによって行われてもよい。MFP51の接続先として設定されているアクセスポイントのSSIDは、S110で受信した送信情報内の第1ネットワーク識別情報に含まれている通信先識別情報から取得してもよい。肯定判断される場合(S250:YES)にはS265へ進み、否定判断される場合(S250:NO)にはS255へ進む。
【0098】
S255において接続モジュール122は、接続切り替えをすることができる切替用アクセスポイントが存在するか否かを判断する。例えば、記憶部109に記憶されているアクセスポイント接続履歴情報に登録されているアクセスポイントであって、無線LAN_I/F105の通信圏内に存在するアクセスポイントを検索することによって、切替用アクセスポイントの有無を判断してもよい。複数のアクセスポイントが検出された場合には、直近に接続したことのあるアクセスポイントを切替用アクセスポイントとして選択してもよい。否定判断される場合(S255:NO)にはS300へ進み、肯定判断される場合(S255:YES)にはS260へ進む。なお、切替用アクセスポイントとして、S110で受信した送信情報に含まれる接続可能ネットワーク識別情報に含まれる通信先識別情報によって示されるSSIDに対応したアクセスポイントを、アクセスポイント接続履歴情報から検索してもよい。
【0099】
S260において接続モジュール122は、無線LAN_I/F105の接続先を、切替用アクセスポイントに切り替える。
【0100】
S265において接続モジュール122は、MFP51のIPアドレスを取得する。例えば、第1ネットワーク識別情報に含まれているMFP51のノード名をブロードキャストし、MFP51のIPアドレスを受信するとしてもよい。
【0101】
S270において接続モジュール122は、MFP51との間で、インフラストラクチャーモードの無線通信151および154を確立する。S275において接続モジュール122は、プリントアプリケーション121へ通信実行情報を送信する。通信実行情報は、MFP51との間のインフラストラクチャーモードの無線通信151および154を実行するために用いられる情報である。通信実行情報は、例えば、第1アクセスポイント501のSSID、MFP51のモデル名、MFP51のIPアドレス、などを含んでいてもよい。そして、接続モジュール122は終了する。
【0102】
一方、S240またはS255において否定判断される場合(S240:NOまたはS255:NO)には、S300へ進む。S300において接続モジュール122は、WFD方式の無線通信155を使用可能なように、MFP51が設定されているか否かを判断する。当該判断は、S110で受信した送信情報に、第2ネットワーク識別情報(すなわち、WFD方式の無線通信155を識別する情報)が含まれているか否かによって行われてもよい。肯定判断される場合(S300:YES)には、S305へ進む。
【0103】
S305において接続モジュール122は、使用する通信方式を、WFD方式の無線通信155へ切り替える。S310において接続モジュール122は、WFD方式の無線通信155を使用するための通信先識別情報を、S110で受信した送信情報に含まれている第2ネットワーク識別情報から読み出す。
【0104】
S313において接続モジュール122は、MFP51との間で、WFD方式の無線通信155を確立する。S316において接続モジュール122は、プリントアプリケーション121へWFD方式の無線通信に関する通信先識別情報を送信する。そして、接続モジュール122は終了する。
【0105】
一方、S300において否定判断される場合(S300:NO)には、S320へ進む。S320において接続モジュール122は、ブルートゥース方式の無線通信156を使用可能なように、MFP51が設定されているか否かを判断する。当該判断は、S110で受信した送信情報に、第3ネットワーク識別情報(すなわち、ブルートゥース方式の無線通信156を識別する情報)が含まれているか否かによって行われてもよい。否定判断される場合(S320:NO)にはS225へ進み、肯定判断される場合(S320:YES)にはS325へ進む。
【0106】
S325において接続モジュール122は、使用する通信方式を、ブルートゥース方式の無線通信156へ切り替える。S333において接続モジュール122は、MFP51との間で、ブルートゥース方式の無線通信156を確立する。S336において接続モジュール122は、プリントアプリケーション121へブルートゥース設定情報を送信する。ブルートゥース設定情報には、MACアドレスが含まれている。そして、接続モジュール122は終了する。
【0107】
(効果)
情報処理装置100が現在接続中のアクセスポイントとMFP51が現在接続中のアクセスポイントとが同一である場合(S250:YES)には、当該同一のアクセスポイントを介してインフラストラクチャーモードの無線通信を実行することができる(S270)。これにより、ネットワークの切り替え処理(例:S305、S325)が発生しないため、通信に必要な時間を短縮化することが可能となる。また、情報処理装置100が現在接続中のアクセスポイントとMFP51が現在接続中のアクセスポイントとが同一ではない場合(S250:NO)には、MFP51が接続可能に設定されている他の通信方式に切り替えて(S305、S325)、通信を実行することができる。これにより、情報処理装置100とMFP51との通信を適切に実行することが可能となる。
【0108】
MFP51が接続可能なネットワークを規定している設定内容が変更(S425:YES)されることに応じて、NFC通信I/F36の記憶部37に記憶されている送信情報に含まれている接続可能ネットワーク識別情報の内容を、変更後の設定内容に書き換えることができる(S430)。すなわち、記憶部37に記憶されている、MFP51が接続可能なネットワークを規定している設定内容を、リアルタイムに更新することができる。これにより、MFP51が接続可能なネットワークを規定している設定が変化する場合においても、情報処理装置100とMFP51との通信を適切に実行することが可能となる。
【0109】
NFC通信I/F36の記憶部37に記憶されている送信情報に含まれている接続可能ネットワーク識別情報の内容が変更されたことに応じて(S425:YES)、変更後の接続可能ネットワーク識別情報を含んでいる送信情報を、MFP51から情報処理装置100へ送信することができる(S434)。これにより、常に最新の接続可能ネットワーク識別情報を情報処理装置100に保持させることができるため、情報処理装置100とMFP51との通信を適切に実行することが可能となる。
【0110】
MFP51と通信を実行するために必要な通信先識別情報を含んでいる送信情報を、MFP51から情報処理装置100に送信することができる(S417、S110)。これにより、通信先識別情報を用いてMFP51と通信を実行開始する処理(S265、S310、S325)を、情報処理装置100に適切に実行させることが可能となる。具体的には、第1アクセスポイント501のSSIDおよびMFP51のIPアドレスを用いて、情報処理装置100に、MFP51との間のインフラストラクチャーモードの無線通信151および154を確立させることができる(S270)。また、WFDネットワークのSSID、暗号化方式、及び、パスワード等を用いて、情報処理装置100に、MFP51との間のWFD方式の無線通信155を確立させることができる(S313)。
【0111】
情報処理装置100はNFC通信I/F112を備えており、MFP51はNFC通信I/F36を備えている。これにより、情報処理装置100をMFP51に近接させるなどの直感的および簡易な操作によって、接続可能ネットワーク識別情報を含んだ送信情報を、情報処理装置100に取得させることが可能となる(S417、S110)。
【0112】
MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しない場合には、MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しないことを示す第5ネットワーク識別情報を、記憶部37に上書き記憶させることができる(S525またはS450)。これにより、MFP51に無線通信を介して接続することができないことを情報処理装置100へ報知し(S110)、情報処理装置100の表示手段102に表示させることができる(S170)ため、ユーザの利便性を高めることができる。MFP51が接続可能に設定されているネットワークが存在しない場合の例としては、MFP51の全ての無線通信が使用不可に設定されている場合(S522:NO)や、MFP51の電源がオフされている場合(S420:YES)が挙げられる。また、NFC通信I/F36は、ICタグとして機能するため、MFP51の電源がオフにされた後においても、情報処理装置100が近接することに応じて送信情報を情報処理装置100へ送信することができる。従って、MFP51の電源をオフする時(S420:YES)に、第5ネットワーク識別情報を含んだ送信情報を記憶部37に上書き記憶(S450)させることにより、MFP51の電源がオフ状態であるためにMFP51に無線通信を介して接続することができないことを、MFP51の電源がオフにされた後においても情報処理装置100へ報知することが可能となる。
【0113】
プリントアプリケーション121によって処理を実行させることが可能な機能の全てにエラーが発生している場合(S445:YES)には、何れの機能を用いた処理もMFP51に実行させることが出来ない場合であるため、情報処理装置100がMFP51との通信を開始する処理は無駄な処理となる。従ってこの場合には、MFP51で発生しているエラーの内容を含んでいる送信情報を、記憶部37に上書き記憶することができる(S446)。これにより情報処理装置100は、MFP51がエラー状態にあることを認識することができるため(S112:YES)、MFP51との通信を開始するという無駄な処理が実行されてしまうことを防止することができる。
【0114】
プリントアプリケーション121によって処理を実行させることが可能な機能のうちの一部のみにエラーが発生している場合(S445:NO)には、処理指令情報を情報処理装置100から受信し(S435:YES)、処理指令情報によって処理の実行が指示されている機能に、エラーが発生しているか否かを確認する必要がある。従ってこの場合には、MFP51で発生しているエラーの内容を含んでいる送信情報を、記憶部37に上書き記憶させないとすることができる(S445:NO)。これにより情報処理装置100は、MFP51との通信を開始することができるため(S112:NO)、処理指令情報をMFP51に送信することが可能となる。そして、処理指令情報で処理の実行が指示されている機能に、エラーが発生していると判断される場合には(S437:YES)、エラー報知情報を情報処理装置100へ送信(S444)することができる。これにより、ユーザが処理の実行を指示した機能がエラーにより使用できないことを、ユーザに報知することが可能となる。
【0115】
接続モジュール122は、上位アプリケーションであるプリントアプリケーション121に呼び出されることで起動することができる(S115)。そして接続モジュール122は、無線通信の接続処理を実行し(S210〜S336)、接続結果を示す情報をプリントアプリケーション121に返信することができる(S275、S225、S316、S336)。これにより、接続モジュール122を複数の上位アプリケーションで共用することが可能となるため、上位アプリケーションの機能の簡略化を図ることが可能となる。
【0116】
MFP51の種類が、プリントアプリケーション121が非対応の種類である場合には(S215:NO)、MFP51に無線接続することができないことを示す画像を情報処理装置100の表示手段102に表示させることができる(S150:NO、S170)。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0117】
接続モジュール122は、MFP51が現在接続中のアクセスポイントと情報処理装置100が現在接続中のアクセスポイントとが同一ではない場合には(S250:NO)、切替用アクセスポイントに切り替えて無線通信を実行することができる(
S260)。例えば、MFP51が第2アクセスポイント502に接続中であり、情報処理装置100が第1アクセスポイント501に接続中である場合には、接続モジュール122は、無線LAN_I/F105の接続先を、第2アクセスポイント502に切り替えることができる(S260)。これにより、無線通信152および157を介して、情報処理装置100とMFP51とが通信することができる。よって、ネットワーク10に冗長性を持たせることが可能となる。
【0118】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0119】
(変形例)
本実施形態では、WFD方式の無線通信を、ブルートゥース方式の無線通信よりも優先して使用する場合を説明したが、この形態に限られない。ブルートゥース方式の無線通信を、WFD方式の無線通信よりも優先してもよい。この場合、S240またはS255において否定判断される場合(S240:NOまたはS255:NO)には、S320へ進めばよい。そして、S320において否定判断される場合(S320:NO)には、S300へ進むとすればよい。
【0120】
本実施形態では、情報処理装置100と通信する「通信装置」の一例として、MFP51を用いて説明したが、この形態に限られない。「通信装置」は、ラベルプリンタ、スキャナ、コピー機、携帯端末、PC、サーバ等であってもよい。
【0121】
接続モジュール122が、情報処理装置100が現在接続中のネットワークのSSIDをOS124から取得するタイミングは、S245のタイミングに限られない。例えば、接続モジュール122が起動されるタイミングで取得してもよい。
【0122】
S450において、接続可能ネットワーク識別情報に、第5ネットワーク識別情報を含ませる形態に限られない。MFP51の電源がオフであることを示す情報を含ませてもよい。
【0123】
S112で行われる判断処理は、プリントアプリケーション121で行われる形態に限られず、接続モジュール122で行われてもよい。この場合、接続モジュール122は、S220において、S112で行われる判断処理を追加的に実行してもよい。
【0124】
S530において、WFD方式の無線通信155のみが使用可能な設定が行われているかを判断してもよい。そして、WFD方式の無線通信155のみが使用可能な設定が行われている場合には、第2ネットワーク識別情報を含んだ送信情報を、記憶部37に上書き記憶してもよい。
【0125】
インフラストラクチャーモードの無線通信157を使用する設定がMFP51に行われていてもよい。この場合、S535やS540において、第1ネットワーク識別情報に代えて、第4ネットワーク識別情報(すなわち、インフラストラクチャーモードの無線通信157を識別する情報)を、接続可能ネットワーク識別情報に含ませればよい。
【0126】
第1アクセスポイント501とMFP51との間の通信や、第2アクセスポイント502とMFP52との間の通信は、無線または有線のどちらで行ってもよい。
【0127】
情報処理装置100は、メモリカードなどの外部メモリを接続可能な構成としてもよい。そして、記憶部109に代えて、外部メモリへ各種データを記憶する構成としてもよい。
【0128】
上記の実施例では、情報処理装置100のCPU106が記憶部109内のプログラム120(即ちソフトウェア)を実行することによって、
図2〜
図4の各処理が実現される。これに代えて、
図2〜
図4の各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0129】
MFP51は、通信装置の一例である。NFC方式は、第1の無線通信方式の一例である。NFC通信I/F36は、第1インターフェイスの一例である。インフラストラクチャーモード、WFD方式、ブルートゥース方式は、第2の無線通信方式の一例である。無線LAN_I/F34またはブルートゥース通信I/F40は、第2インターフェイスの一例である。NFC通信I/F112は、第3インターフェイスの一例である。無線LAN_I/F105およびブルートゥース通信I/F113は、第4インターフェイスの一例である。S525、S535、S540を実行するCPUは、記憶制御手段の一例である。無線通信154は、第1ネットワークの一例である。無線通信155および無線通信156は、第2ネットワークの一例である。S417を実行するCPUは、識別情報通信手段の一例である。S305またはS325を実行するCPUは、第1の通信実行手段の一例である。CPU32は、制御部の一例である。アクセスポイント501は、中継装置の一例である。S417を実行するCPUは、第1の送信手段の一例である。S305またはS325を実行するCPUは、第1の通信実行手段の一例である。S265を実行するCPUは、第2の通信実行手段の一例である。S425を実行するCPUは、設定手段の一例である。S434を実行するCPUは、第2の送信手段の一例である。SSID、MFP51のノード名、MACアドレスなどは、通信先識別情報の一例である。ノード名は、通信装置のIPアドレスを識別するための情報の一例である。パスワード、暗号化方式などは、第2ネットワークに参加するために必要な情報の一例である。第5ネットワーク識別情報は、通信装置が所属することが可能なネットワークが存在しないことを示す接続可能ネットワーク識別情報の一例である。S245を実行するCPUは、識別情報取得手段の一例である。プリントアプリケーション121は、通信装置制御プログラムの一例である。装置種類識別情報は、通信装置種類識別情報の一例である。対応モデル情報は、制御可能種類情報の一例である。S170を実行するCPUは、表示制御手段の一例である。S260を実行するCPUは、第3の通信実行手段の一例である。
【0130】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。