特許第6252180号(P6252180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252180
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】車両用ドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/06 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   B60J5/06 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-2401(P2014-2401)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-131503(P2015-131503A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】丸山 克也
(72)【発明者】
【氏名】久野 宏
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−046271(JP,A)
【文献】 特開昭59−173809(JP,A)
【文献】 実開昭50−058069(JP,U)
【文献】 特開2009−062699(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/065973(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0119548(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側部または後部に設けられたドア開口部の一部領域を開閉するスライドドアと、前記ドア開口部の他の一部領域を前記スライドドアと共に開閉するスイングドアとを備えた車両用ドア構造において、
前記スライドドアを前記スイングドアに対してロックする第1ロック手段と、
前記スイングドアを前記車体に対してロックする第2ロック手段と、
前記スイングドアに対する前記スライドドアのロックを解除する第1ロック解除手段と、
前記スライドドアが全開した状態となって前記スイングドアの外側に位置するときに、前記車体に対する前記スイングドアのロックを解除する第2ロック解除手段と、
前記スライドドアに設けられたハンドルユニットとを備え、
前記ハンドルユニットは、
前記スライドドアの開閉操作及び前記スイングドアの開操作を行うためのハンドル部を有するハンドル本体と、
前記ハンドル部の長手方向に対して平行に設けられた第1回動軸と、
前記ハンドル部の長手方向と直交する方向に対して平行に設けられた第2回動軸とを有し、
前記第1ロック解除手段により前記スイングドアに対する前記スライドドアのロックを解除して、前記スライドドアを開閉動作させるときは、前記第1回動軸及び前記第2回動軸の一方の回動軸を中心にして前記ハンドル部を回動させ、前記第2ロック解除手段により前記車体に対する前記スイングドアのロックを解除して、前記スイングドアを開動作させるときは、前記第1回動軸及び前記第2回動軸の他方の回動軸を中心にして前記ハンドル部を回動させるように構成されており、
前記ハンドル本体は、前記ハンドル部から前記車体の内側に向けて延在するアーム部を有し、
前記アーム部の先端部には、前記他方の回動軸を中心にして前記ハンドル部を回動させたときに、前記スイングドアに設けられ前記第2ロック解除手段の少なくとも一部を構成する部品と係合する突起が設けられており、
前記スライドドアが全開した状態において、前記他方の回動軸を中心にして前記ハンドル部を回動させたときに、前記突起が前記部品と係合し、前記スライドドアが全開していない状態では、前記他方の回動軸を中心にして前記ハンドル部を回動させても、前記突起が前記部品と係合しないことを特徴とする車両用ドア構造。
【請求項2】
前記一方の回動軸は、前記スライドドアのスライド方向と直交する方向に対して平行に設けられ、
前記他方の回動軸は、前記スライドドアのスライド方向に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア構造。
【請求項3】
前記ハンドルユニットは、前記ハンドル部を前記第2回動軸を介して回動可能に支持する支持体を更に有し、
前記支持体は、前記ハンドル本体と一緒に前記第1回動軸を介して回動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドア構造。
【請求項4】
前記第2ロック解除手段は、前記スイングドアに設けられたレバー部材と、前記レバー部材と前記第2ロック手段の可動部とを接続する接続部材とを有し、
前記部品は、前記レバー部材であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の車両用ドア構造。
【請求項5】
前記第2ロック解除手段は、前記突起との接触を検出する接触スイッチと、前記接触スイッチと前記突起との接触が検出されると、前記車体に対する前記スイングドアのロックを解除するように前記第2ロック手段の可動部を駆動する駆動部とを有し、
前記部品は、前記接触スイッチであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の車両用ドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド開閉式のスライドドアとスイング開閉式のスイングドアとを備えた車両用ドア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用ドア構造としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の車両用ドア構造は、後部ドア開口部の前側領域を開閉するスライドドアと、後部ドア開口部の後側領域をスライドドアと共に開閉するスイングドアと、スライドドアの外面に設けられ、スライドドアを開閉操作するためのアウターハンドルと、スイングドアの前縁部に設けられ、スイングドアを開操作するための開ハンドルとを備えている。スライドドアは、スライド機構を介して車体の前後にスライド移動する。スイングドアは、スライドドアと重なった状態において、ヒンジ機構を介して車体に対して回動する。また、車両用ドア構造は、スイングドアが全閉状態であるときに、スイングドアと車体とを連結(ロック)するスイングドア開閉規制機構と、全閉状態のスライドドアとスイングドアとを連結するスライドドア開閉規制機構と、全開状態のスライドドアとスイングドアとを連結するスライド規制機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−46271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、スイングドアと車体とのロックを解除するには、開ハンドルの操作によりスイングドアを開く必要がある。従って、スライドドアを開けてからスイングドアを開ける際には、アウターハンドルを開ハンドルに持ち替える必要があり、作業効率の低下につながる。
【0005】
本発明の目的は、スライドドアを開けてからスイングドアを開ける際の作業効率を向上させることができる車両用ドア構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車体の側部または後部に設けられたドア開口部の一部領域を開閉するスライドドアと、ドア開口部の他の一部領域をスライドドアと共に開閉するスイングドアとを備えた車両用ドア構造において、スライドドアをスイングドアに対してロックする第1ロック手段と、スイングドアを車体に対してロックする第2ロック手段と、スイングドアに対するスライドドアのロックを解除する第1ロック解除手段と、車体に対するスイングドアのロックを解除する第2ロック解除手段と、スライドドアに設けられたハンドルユニットとを備え、ハンドルユニットは、スライドドアの開閉操作及びスイングドアの開操作を行うためのハンドル部を有するハンドル本体と、ハンドル部の長手方向に対して平行に設けられた第1回動軸と、ハンドル部の長手方向と直交する方向に対して平行に設けられた第2回動軸とを有し、第1ロック解除手段によりスイングドアに対するスライドドアのロックを解除して、スライドドアを開閉動作させるときは、第1回動軸及び第2回動軸の一方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させ、第2ロック解除手段により車体に対するスイングドアのロックを解除して、スイングドアを開動作させるときは、第1回動軸及び第2回動軸の他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
このような本発明の車両用ドア構造において、スライドドアを開けてからスイングドアを開けるときは、まず第1回動軸及び第2回動軸の一方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させることで、スイングドアに対するスライドドアのロックを解除してスライドドアを開き、スライドドアが全開状態になると、第1回動軸及び第2回動軸の他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させることで、車体に対するスイングドアのロックを解除してスイングドアを開く。このようにスライドドアを開けてからスイングドアを開ける際に、ハンドル部を持ち替える必要が無いため、作業効率を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、一方の回動軸は、スライドドアのスライド方向と直交する方向に対して平行に設けられ、他方の回動軸は、スライドドアのスライド方向に対して平行に設けられている。
【0009】
このような構成では、スライドドアを開閉動作させるときは、スライドドアのスライド方向と直交する方向(例えばスライドドアの上下方向)に対して平行に設けられた一方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させることで、ハンドル部がスライドドアのスライド方向に沿って回動することになるため、スライドドアの動く方向とハンドル部の操作方向とがほぼ一致するようになる。これにより、ハンドル部の操作性を向上させることができる。
【0010】
また、好ましくは、ハンドルユニットは、ハンドル部を第2回動軸を介して回動可能に支持する支持体を更に有し、支持体は、ハンドル本体と一緒に第1回動軸を介して回動可能である。
【0011】
この場合には、簡単な構造でもって、第1回動軸を中心にしてハンドル部を当該ハンドル部の長手方向と直交する方向に沿って回動させると共に、第2回動軸を中心にしてハンドル部を当該ハンドル部の長手方向に対して平行な方向に沿って回動させることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、ハンドル本体は、ハンドル部から車体の内側に向けて延在するアーム部を有し、アーム部の先端部には、他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させたときに、第2ロック解除手段の少なくとも一部を構成する部品と係合する突起が設けられている。
【0013】
この場合には、他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させると、ハンドル本体の突起が第2ロック解除手段の一部を構成する部品と係合し、車体に対するスイングドアのロックを解除することが可能となる。
【0014】
このとき、好ましくは、第2ロック解除手段は、スイングドアに設けられたレバー部材と、レバー部材と第2ロック手段の可動部とを接続する接続部材とを有し、部品は、レバー部材である。
【0015】
この場合には、他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させると、ハンドル本体の突起がレバー部材を押し込み、これに伴って接続部材がハンドル本体側に引っ張られるため、接続部材を介して第2ロック手段の可動部が動くようになる。従って、車体に対するスイングドアのロックを解除することができる。
【0016】
また、第2ロック解除手段は、突起との接触を検出する接触スイッチと、接触スイッチと突起との接触が検出されると、車体に対するスイングドアのロックを解除するように第2ロック手段の可動部を駆動する駆動部とを有し、部品は、接触スイッチであっても良い。
【0017】
この場合には、他方の回動軸を中心にしてハンドル部を回動させると、ハンドル本体の突起が接触スイッチに接触するため、駆動部により第2ロック手段の可動部が駆動される。従って、車体に対するスイングドアのロックを解除することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スライドドアを開けてからスイングドアを開ける際の作業効率を向上させることができる。これにより、スイングドア開専用のハンドルが不要となり、商品性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る車両用ドア構造の一実施形態を備えた車両を示す側面図である。
図2図1に示したスライドドア及びスイングドアを開く様子を示す斜視図である。
図3図1に示したアウタードアハンドルユニットの詳細構造を示す斜視図である。
図4図1に示したスライドドアロック解除機構の構成をアウタードアハンドルユニットと共に示す概略図である。
図5図3に示したハンドル部をスライドドアの後方に回動させた状態を示す斜視図である。
図6図1に示したスライドドアが全開となってスイングドアと重なった状態を車体の前側から見た図である。
図7図1に示したスイングドアロック解除機構の構成をアウタードアハンドルユニットと共に示す概略図である。
図8図7に示したスイングドアロック解除機構の構成をアウタードアハンドルユニットと共に示す斜視図である。
図9図8に示したハンドル部をスライドドアの上方に回動させた状態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る車両用ドア構造の他の実施形態として、図9に示したスイングドアロック解除機構の変形例を示す図である。
図11】本発明に係る車両用ドア構造の更に他の実施形態として、図9に示したスイングドアロック解除機構の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る車両用ドア構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明に係る車両用ドア構造の一実施形態を備えた車両を示す側面図である。同図において、本実施形態の車両用ドア構造1は、車体2の側部に備えられている。車体2の側部には、前部座席の側方に位置する前部ドア開口部3と、前部座席の後方に設けられた荷室の側方に位置する後部ドア開口部4とが形成されている。前部ドア開口部3は、フロントドア5により開閉される。
【0022】
後部ドア開口部4は、スライド開閉式のスライドドア6とスイング開閉式のスイングドア7とにより開閉される。スライドドア6は、図2(a)に示すように、車体2の前後方向にスライド移動して、後部ドア開口部4の前側領域を開閉するように構成されている。スライドドア6が全開となった状態では、スライドドア6は、図2(b)に示すように、スイングドア7の外側に位置してスイングドア7と重なるようになる。
【0023】
スライドドア6が全開となった状態では、スイングドア7は、図2(c)に示すように、車体2に対して回動して、後部ドア開口部4の後側領域をスライドドア6と共に開閉するように構成されている。
【0024】
スライドドア6の外面部には、アウタードアハンドルユニット8が設けられている。アウタードアハンドルユニット8を操作することにより、スライドドア6及びスイングドア7を開閉させることができる。アウタードアハンドルユニット8については、後で詳述する。スライドドア6の内面部には、インナードアハンドル9が設けられている。インナードアハンドル9を操作することにより、スライドドア6を開閉させることができる。
【0025】
車両用ドア構造1は、スライドドア6を車体2の前後方向にスライド可能に支持するスライド支持機構11A〜11Cと、スイングドア7を車体2に対して回動可能に支持する回動支持機構12とを備えている。
【0026】
スライド支持機構11Aは、車体2の上部に車体2の前後方向に延びるように設けられた上部スライドレール13と、スライドドア6の前端上部に設けられ、スライドドア6の開閉時に上部スライドレール13に案内される案内体14とを有している。スライド支持機構11Bは、車体2の下部に車体2の前後方向に延びるように設けられた下部スライドレール15と、スライドドア6の前端下部に設けられ、スライドドア6の開閉時に下部スライドレール15に案内される案内体16とを有している。
【0027】
スライド支持機構11Cは、スイングドア7の中央部付近にスイングドア7の前後方向に延びるように設けられた中間スライドレール17と、スライドドア6の後端部に設けられ、スライドドア6の開閉時に中間スライドレール17に案内される案内体18とを有している。なお、スイングドア7の前後方向とは、スイングドア7の全閉状態において、車体2及びスライドドア6の前後方向に一致する方向である。
【0028】
回動支持機構12は、車体2の後端部に設けられたリアピラー23とスイングドア7とを回動可能に連結する上下2つのヒンジ24を有している。
【0029】
また、車両用ドア構造1は、スライドドア6の全閉状態において、スライドドア6をスイングドア7に対してロックする全閉スライドドアロック機構25と、スライドドア6の全開状態において、スライドドア6をスイングドア7に対してロックする上下2つの全開スライドドアロック機構26と、スイングドア7の全閉状態において、スイングドア7を車体2に対してロックする上下2つのスイングドアロック機構27とを更に備えている。
【0030】
全閉スライドドアロック機構25は、スライドドア6の後端部に取り付けられたラッチ28と、スイングドア7の前端部に取り付けられ、ラッチ28と係合するストライカー29とからなっている。スライドドア6を全閉状態にすると、ラッチ28とストライカー29とが係合することで、スライドドア6とスイングドア7とがロック状態となる。
【0031】
なお、全閉スライドドアロック機構25によるスライドドア6とスイングドア7とのロックの解除は、アウタードアハンドルユニット8またはインナードアハンドル9によるスライドドア6を開ける操作によって行うことができる。アウタードアハンドルユニット8の操作によるロック解除については、後で詳述する。
【0032】
全開スライドドアロック機構26は、スライドドア6の前端部に取り付けられたラッチ30と、スイングドア7の前端部に取り付けられ、ラッチ30と係合するストライカー31とからなっている。スライドドア6を全開状態にすると、ラッチ30とストライカー31とが係合することで、スライドドア6とスイングドア7とがロック状態となる。
【0033】
なお、全開スライドドアロック機構26によるスライドドア6とスイングドア7とのロックの解除は、アウタードアハンドルユニット8またはインナードアハンドル9によるスライドドア6を閉める操作によって行うことができる。アウタードアハンドルユニット8の操作によるロック解除については、後で詳述する。
【0034】
スイングドアロック機構27は、スイングドア7に取り付けられた閂型のロック部材32と、車体2に取り付けられ、ロック部材32と係合するストライカー33とからなっている。スイングドア7を全閉状態にすると、バネ(図示せず)の付勢力によりロック部材32がスイングドア7から車体2側に突き出てストライカー33と係合することで、スイングドア7と車体2とがロック状態となる。
【0035】
なお、スイングドアロック機構27によるスイングドア7と車体2とのロックの解除は、アウタードアハンドルユニット8によるスイングドア7を開ける操作によって行うことができる(後述)。
【0036】
アウタードアハンドルユニット8は、図3に示すように、L字型のハンドル本体40と、このハンドル本体40を支持する支持体41とを有している。ハンドル本体40は、スライドドア6の上下方向に延在し、スライドドア6の開閉操作を行うと共にスイングドア7の開操作を行うためのハンドル部42と、このハンドル部42の上端部から車体2の内側に向けて延在するアーム部43とからなっている。ハンドル部42は、スライドドア6の外面に設けられている。アーム部43は、スライドドア6の室内側面より車体2の内側まで延在している。アーム部43の先端部の下面には、突起44が設けられている。
【0037】
支持体41は、ハンドル本体40を、スライドドア6の前後方向(スライドドア6のスライド方向)に対して平行に設けられた回動軸45を介してスライドドア6の上下方向に回動可能に支持する。支持体41の下端部には、ハンドル本体40が中立状態(図3参照)にあるときにハンドル部42と当接し、スライドドア6の下方へのハンドル部42の回動を規制するストッパ部46が設けられている。また、支持体41は、スライドドア6の上下方向に対して平行に設けられた回動軸47を介してハンドル本体40と一緒にスライドドア6の前後方向に回動可能である。回動軸47は、スライドドア6の内部でスライドドア6に固定されている。なお、回動軸45は、ハンドル部42の長手方向と直交する方向に対して平行に設けられた軸である。回動軸47は、ハンドル部42の長手方向に対して平行に設けられた軸である。
【0038】
以上の構成により、ハンドル部42は、回動軸47を中心にしてスライドドア6の前後方向に回動可能となると共に、回動軸45を中心にしてスライドドア6の上方に回動可能となる。
【0039】
なお、アウタードアハンドルユニット8は、特に図示はしないが、ハンドル部42を中立状態からスライドドア6の前後方向に回動させたときに、ハンドル部42を中立状態に戻すように付勢するバネと、ハンドル部42を中立状態からスライドドア6の上方に回動させたときに、ハンドル部42を中立状態に戻すように付勢するバネとを有している。
【0040】
また、車両用ドア構造1は、図4に示すように、スライドドアロック機構25,26によるスイングドア7に対するスライドドア6のロックを解除するスライドドアロック解除機構50を更に備えている。
【0041】
スライドドアロック解除機構50は、ロック解除切換部51と、このロック解除切換部51と支持体41とを接続するロック解除用のロッド52と、ロック解除切換部51と全閉スライドドアロック機構25のラッチ28とを接続するケーブル53と、ロック解除切換部51と全開スライドドアロック機構26のラッチ30とを接続するケーブル54とを有している。
【0042】
ロック解除切換部51は、全閉スライドドアロック機構25によるスライドドア6とスイングドア7とのロックの解除と、全開スライドドアロック機構26によるスライドドア6とスイングドア7とのロックの解除とを切り換える。ロック解除用のロッド52は、支持体41の後面の下端部に連結されている(図3参照)。
【0043】
スライドドア6が全閉となっている状態(図1参照)からスライドドア6を開くときは、中立状態のハンドル部42(図3参照)を握って、図5に示すように、回動軸47を中心としてハンドル部42をスライドドア6の後方に回動させる。すると、支持体41がスライドドア6の前方に回動するため、ロッド52が支持体41により引っ張られ、これに伴ってロック解除切換部51及びケーブル53を介して全閉スライドドアロック機構25のラッチ28が引っ張られ、ラッチ28がストライカー29から外れる。その結果、全閉スライドドアロック機構25によるスライドドア6とスイングドア7とのロックが解除される。従って、スライドドア6を車体2の後側に移動させて開くことが可能となる。
【0044】
一方、スライドドア6が全開となっている状態(図2(b)参照)からスライドドア6を閉めるときは、特に図示はしないが、上記と同様に中立状態のハンドル部42を握って、回動軸47を中心としてハンドル部42をスライドドア6の前方に回動させる。すると、支持体41がスライドドア6の後方に回動するため、ロッド52が支持体41により押され、これに伴ってロック解除切換部51及びケーブル54を介して全開スライドドアロック機構26のラッチ30が引っ張られ、ラッチ30がストライカー31から外れる。その結果、全開スライドドアロック機構26によるスライドドア6とスイングドア7とのロックが解除される。従って、スライドドア6を車体2の前側に移動させて閉めることが可能となる。
【0045】
なお、スライドドアロック解除機構50としては、特に上記の構造には限られず、例えば支持体41の後面と全閉スライドドアロック機構25のラッチ28とを接続する全閉ロック解除用ケーブルと、支持体41の前面と全開スライドドアロック機構26のラッチ30とを接続する全開ロック解除用ケーブルとを設けても良い。この場合には、ハンドル部42をスライドドア6の後方に回動させると、全閉ロック解除用ケーブルが引っ張られることで、全閉スライドドアロック機構25によるスライドドア6とスイングドア7とのロックが解除され、ハンドル部42をスライドドア6の前方に回動させると、全開ロック解除用ケーブルが引っ張られることで、全閉スライドドアロック機構26によるスライドドア6とスイングドア7とのロックが解除される。
【0046】
また、車両用ドア構造1は、スイングドアロック機構27による車体2に対するスイングドア7のロックを解除するスイングドアロック解除機構60を更に備えている。スイングドアロック解除機構60は、図6及び図7に示すように、スイングドア7の前部に設けられたレバー部材61と、このレバー部材61とスイングドアロック機構27のロック部材32とを接続するケーブル62とを有している。
【0047】
レバー部材61は、スイングドア7の前後方向に延びている。レバー部材61は、図8に示すように、スイングドア7の前後方向及び上下方向に対して直交するスイングドア7の幅方向に対して平行な回動軸63を介して揺動可能にスイングドア7に支持されている。レバー部材61の前側の一部は、スイングドア7の前面より突出している。そして、レバー部材61は、バネ(図示せず)によって水平となるように付勢されている。スライドドア6が全開している状態では、ハンドル本体40のアーム部43の先端部に設けられた突起44がレバー部材61の前側部分の上面に位置している。ケーブル62は、レバー部材61の後側部分の下面に連結されている。
【0048】
スライドドア6が全開している状態(図2(b)参照)からスイングドア7を開くときは、上記と同様に中立状態のハンドル部42(図8参照)を握って、図9に示すように、回動軸45を中心としてハンドル部42を手前側に引き上げるように回動させる。すると、ハンドル部42が支持体41のストッパ部46から離間し、ハンドル本体40の突起44がバネ(図示せず)の付勢力に抗してレバー部材61の前側部分を下方に押すため、レバー部材61の後側部分が上がるように回動軸63を中心にしてレバー部材61が揺動する。これに伴い、ケーブル62を介してスイングドアロック機構27のロック部材32が引っ張られ、ロック部材32がストライカー33から外れる。その結果、スイングドアロック機構27によるスイングドア7と車体2とのロックが解除される。従って、スイングドア7を手前側に開くことが可能となる。
【0049】
以上のように本実施形態においては、スライドドア6が全閉している状態からスライドドア6及びスイングドア7を順次開くときは、まず回動軸47を中心としてハンドル部42をスライドドア6の後方に回動させることで、スライドドア6を開く。そして、スライドドア6が全開状態になると、回動軸45を中心としてハンドル部42を手前に引き上げるように回動させることで、スイングドア7をスライドドア6と共に開く。このようにアウタードアハンドルユニット8を操作する場合には、ハンドル部42をいちいち持ち替えること無く、スライドドア6及びスイングドア7を順次開くことができる。これにより、スライドドア6を開けてからスイングドア7を開ける際の作業効率を向上させることができる。
【0050】
また、スライドドア6を開くときは、ハンドル部42をスライドドア6の後方に回動させ、スライドドア6を閉じるときは、ハンドル部42をスライドドア6の前方に回動させ、スイングドア7を開くときは、ハンドル部42を手前側に引き上げるように回動させる。つまり、スライドドア6及びスイングドア7が動く方向とハンドル部42を操作する方向とが一致している。従って、アウタードアハンドルユニット8の操作性を高めることができる。
【0051】
図10は、本発明に係る車両用ドア構造の他の実施形態として、図9に示したスイングドアロック解除機構60の変形例を示す図である。同図において、本変形例のスイングドアロック解除機構60は、スイングドア7の前部に設けられた接触スイッチ65と、この接触スイッチ65の出力信号(ON/OFF信号)に応じてスイングドアロック機構27のロック部材32を駆動する駆動部66とを有している。
【0052】
接触スイッチ65は、ハンドル本体40の突起44との接触を検出するセンサである。ハンドル部42が中立状態にあるときは、突起44が接触スイッチ65に接触せず、接触スイッチ65の出力信号はOFFとなる。回動軸45を中心としてハンドル部42を手前側に引き上げるように回動させると、突起44が接触スイッチ65に接触し、接触スイッチ65の出力信号はONとなる。
【0053】
駆動部66は、例えば電磁ソレノイドで構成されている。駆動部66は、接触スイッチ65の出力信号がOFFのときは、ロック部材32をストライカー33に係合させ、接触スイッチ65の出力信号がONになると、ロック部材32をストライカー33から外れる方向に移動させる。なお、駆動部66としては、例えば電動モータとギアまたはボールネジとの組み合わせ等で構成しても良い。
【0054】
このように本実施形態においては、ハンドル部42を手前側に引き上げるように回動させると、ハンドル本体40の突起44が接触スイッチ65に接触し、駆動部66によりロック部材32がストライカー33から外れるようになる。従って、スイングドアロック機構27によるスイングドア7と車体2とのロックを電気的に解除することができる。
【0055】
図11は、本発明に係る車両用ドア構造の更に他の実施形態として、図9に示したスイングドアロック解除機構60の他の変形例を示す図である。同図において、本変形例のスイングドアロック解除機構60は、ハンドル本体40の突起44とスイングドアロック機構27のロック部材32とを直接接続するケーブル68を有している。なお、この場合、突起44は、スライドドア6の内部に配置されている。
【0056】
回動軸45を中心としてハンドル部42を手前側に引き上げるように回動させると、ケーブル68がハンドル本体40側に引っ張られ、ロック部材32がストライカー33から外れるため、スイングドアロック機構27によるスイングドア7と車体2とのロックが解除されることとなる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ハンドル本体40のハンドル部42は、スライドドア6の上下方向(スライドドア6のスライド方向と直交する方向)に延びているが、特にそれには限られず、スライドドア6の前後方向(スライドドア6のスライド方向)に延びていても良い。
【0058】
また、上記実施形態では、ハンドル部42は、スライドドア6を開閉動作させるときは、スライドドア6の上下方向に対して平行な回動軸47を中心にしてスライドドア6の前後方向に回動させ、スイングドア7を開動作させるときは、スライドドア6の前後方向に対して平行な回動軸45を中心にしてスライドドア6を上方に回動させるように構成されているが、特にそのような構成には限られない。例えば、スライドドア6を開閉動作させるときは、ハンドル部をスライドドア6の前後方向に対して平行な回動軸を中心にしてスライドドア6の上下方向に回動させ、スイングドア7を開動作させるときは、ハンドル部をスライドドア6の上下方向に対して平行な回動軸を中心にしてスライドドア6を前後方向に回動させても良い。また、各回動軸を、スライドドア6の上下方向及び前後方向に対して平行な方向または直交する方向に沿った方向ではなく、各方向から傾いた方向となるように設けても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、アーム部43の先端部の下面に突起44を設け、ハンドル部42をスライドドア6の前後方向に対して平行な回動軸45を中心にしてスライドドア6を上方に回動させたときにレバー部材61の前側部分を押すような構成としたが、特にそのような構成には限られない。例えば、ハンドル部42をスライドドア6の上下方向に対して平行な回動軸47を中心にしてスライドドア6を前方に回動させることで、アーム部43の先端部がスライドドア6の後方に回動したときにレバー部材と接触するように、レバー部材を上下方向に配置しても良い。この場合には、突起をアーム部43の先端部の後面に設ければ良い。
【0060】
以上のように、アウタードアハンドルユニット8は、ハンドル部42の長手方向に対して平行な回動軸(第1回動軸)と、ハンドル部42の長手方向と直交する方向に対して平行な回動軸(第2回動軸)とを備えていれば良く、スライドドア6に対する配置、並びにスライドドア6の開閉操作及びスイングドア7の開操作にどちらの軸を利用するかは適宜変更可能である。
【0061】
また、上記実施形態では、アウタードアハンドルユニット8のハンドル本体40の形状をL字型としたが、特にそれには限られず、ハンドル本体の形状をT字型とし、アーム部をハンドル本体の途中に接続しても良い。
【0062】
さらに、上記実施形態では、車両用ドア構造1が車体2の側部に備えられているが、本発明の車両用ドア構造は、車体の後部に備えられたものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…車両用ドア構造、2…車体、4…後部ドア開口部、6…スライドドア、7…スイングドア、8…アウタードアハンドルユニット、25…全閉スライドドアロック機構(第1ロック手段)、26…全開スライドドアロック機構(第1ロック手段)、27…スイングドアロック機構(第2ロック手段)、32…ロック部材(可動部)、40…ハンドル本体、41…支持体、42…ハンドル部、44…突起、45…回動軸(第2回動軸)、47…回動軸(第1回動軸)、50…スライドドアロック解除機構(第1ロック解除手段)、60…スイングドアロック解除機構(第2ロック解除手段)、61…レバー部材(部品)、62…ケーブル(接続部材)、65…接触スイッチ(部品)、66…駆動部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11