特許第6252185号(P6252185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6252185
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】定着装置および定着方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   G03G15/20 530
【請求項の数】20
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-4580(P2014-4580)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-132733(P2015-132733A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 崇史
(72)【発明者】
【氏名】大西 淳
(72)【発明者】
【氏名】高野 正人
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−053414(JP,A)
【文献】 実開昭60−115265(JP,U)
【文献】 特開昭63−148285(JP,A)
【文献】 実開平01−125467(JP,U)
【文献】 特開2009−175590(JP,A)
【文献】 特開平01−101574(JP,A)
【文献】 特開平05−313505(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0051826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 15/00
G03G 15/16
G03G 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される記録媒体上に形成されているトナー画像を、前記記録媒体に定着させる定着ローラーと、
前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより下流側に配置され、前記記録媒体の搬送方向先端と接触することによって、前記定着により前記定着ローラーに巻き付いた前記記録媒体を、前記定着ローラーから分離する分離部材と、
前記記録媒体の搬送方向先端が前記定着ローラーから分離された直後において、前記記録媒体の搬送に干渉しない退避位置に、前記分離部材を移動させる退避機構と、を有し、
前記退避機構は、前記分離部材を第1速度および第2速度で順次移動させるよう構成されており、
前記第1速度は、前記記録媒体の搬送速度と同期し、前記第2速度は、前記搬送速度より早くなるように設定されている
ことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記分離部材は、前記退避位置に移動する際、前記記録媒体を前記記録媒体の搬送方向にガイドすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記退避機構は、前記退避位置に前記分離部材を移動させるため、前記分離部材を往復動させる往復動機構あるいは前記分離部材を揺動させる揺動機構を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記往復動機構は、クランク機構を有し、
前記分離部材は、ピストンとして機能し、前記クランク機構によって駆動されて、往復動することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項5】
前記揺動機構は,軸支された基端を有し揺動自在であるアームを有し、
前記分離部材は、前記基端の逆側に位置する前記アームの先端に連結されており、前記アームによって駆動されて、揺動することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項6】
前記分離部材は、可撓性を有するブラシ状部材あるいはフィルム状部材を有し、前記定着ローラーに接触するように配置されて、前記記録媒体の搬送方向先端と接触することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項7】
前記分離部材は、前記ブラシ状部材を有し、
前記定着装置は、前記ブラシ状部材を清掃する清掃部を、さらに有することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記分離部材は、前記定着ローラーから離間して配置される爪部材を有し、
前記定着装置は、
前記記録媒体の搬送方向先端と接触する前記爪部材の先端と、前記定着ローラーとの間の離間距離を検出する離間距離検出部と、
前記記録媒体の厚みに応じて、前記離間距離を調整する離間距離調整部と、をさらに有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項9】
前記離間距離検出部は、撮像素子あるいは前記定着ローラーに接触するプローブを有することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項10】
前記プローブは、前記定着ローラーに接触する先端と、前記先端の逆側に位置しかつ揺動自在に軸支されている基端と、前記先端と前記基端との間に位置し、前記分離部材が軸支されて一体化されている中間部と、を有し
前記離間距離検出部は、前記プローブの前記基端の位置を検出する位置検出部を有する
ことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項11】
前記離間距離調整部は、前記プローブの前記中間部を、軸支点を中心に揺動させるアクチュエータを有し、
前記アクチュエータは、ピエゾ素子を有することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
【請求項12】
前記離間距離調整部は、
前記分離部材の前記先端に設けられ、前記定着ローラーの温度に対応して加温されている高圧エアーを前記定着ローラーに向かって噴射する高圧エアー噴射部と、
前記分離部材の前先端が前記定着ローラーに近接する方向に、前記分離部材の基端を付勢する押圧部材と、
を有することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
【請求項13】
前記分離部材の先端における、前記高圧エアー噴射部が設けられている噴射面は、湾曲しており、前記噴射面の曲率は、前記定着ローラーの曲率と同一である
ことを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
【請求項14】
前記分離部材は、前記記録媒体の搬送方向先端を捕捉する捕捉部を有することを特徴とする請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項15】
前記捕捉部による捕捉は、前記記録媒体の搬送方向先端を突き指すこと、吸着すること、あるいは、把持することに基づいていることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
【請求項16】
前記退避機構は、前記記録媒体の搬送方向下流側の方向に、前記分離部材を移動させることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項17】
前記分離部材を移動させるタイミングを決定するタイミング調整部を、さらに有する
ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項18】
前記記録媒体の搬送方向先端を検出する先端検出部を、さらに有し、
前記タイミング調整部は、前記記録媒体の搬送方向先端を検出することに基づいて、前記タイミングを決定することを特徴とする請求項17に記載の定着装置。
【請求項19】
前記先端検出部は、前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより上流側に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の定着装置。
【請求項20】
搬送される記録媒体上に形成されているトナー画像を、定着ローラーによって前記記録媒体に定着させた後で、前記定着により前記定着ローラーに巻き付いた前記記録媒体の搬送方向先端を、前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより下流側に配置された分離部材と接触させて、前記定着ローラーから分離する分離ステップと、
前記記録媒体の搬送方向先端が前記定着ローラーから分離された直後において、退避機構によって前記記録媒体の搬送に干渉しない退避位置に、前記分離部材を移動させる退避ステップと、を有し、
前記退避ステップにおいて、前記分離部材は、第1速度および第2速度で順次移動させており、
前記第1速度は、前記記録媒体の搬送速度と同期し、前記第2速度は、前記搬送速度より早くなるように設定されている
ことを特徴とする定着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および定着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真複写機やカラープリンター等のデジタル印刷機のニーズとして、多様なメディアへの出力対応が求められている。中でも、薄紙(厚みが非常に薄く、剛度が極端に低い記録媒体)への出力要望が強く、良好な品質でユーザーに提供できれば、高価値となり、差別化につながる。
【0003】
しかし、薄紙が定着ローラーを通過する際の大きな課題の1つとして、定着ローラーへの巻き付き問題が存在する。例えば、定着ローラーに巻き付いている薄紙と定着ローラーとの間に、爪部材(分離部材)を確実に潜り込ませて、定着ローラーから薄紙を分離するためには、大きな押圧力を爪部材に付加することが必要であるが、これにより、爪部材が定着ローラー表面を傷つける恐れがある。また、定着ローラー表面の傷を防ぐために、爪部材に付加する押圧力を低下させると、薄紙と定着ローラーとの間に爪部材を潜り込める確率が低下し、分離不良によりジャムが発生する虞がある。
【0004】
一方、定着ローラーから分離した記録媒体に接触して回転しながら、記録媒体を搬送経路下流側へとガイドする回転部材を有し、記録媒体の種類に応じて、記録媒体と回転部材との接触圧を常時適切な範囲内に設定するものがある(例えば、特許文献1参照。)。記録媒体は、回転部材によってガイドされ、爪部材が適用されていないため、定着されたトナー画像に爪部材による引っ掻き傷が発生することが回避され、また、記録媒体と回転部材との接触圧を常時適切な範囲内に設定されるため、記録媒体に回転部材の痕跡(ガイド痕)が残ることが抑制される。
【0005】
また、記録媒体の搬送方向先端と接触する爪部材の先端と、定着ローラーとの間の離間距離を、記録媒体の厚みに応じて調整することで、記録媒体の厚みが変化しても、分離不良によるジャム発生を回避しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−145900号公報
【特許文献2】特開2012−189648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、出力される記録媒体が薄紙であり剛度が低い場合、特許文献1に記載の技術においては、記録媒体が回転部材に接触せず搬送不良が発生し、ジャムが発生する虞がある。また、特許文献2に記載の技術においては、爪部材は、定着ローラーの軸方向(長手方向)に沿って、複数並置されているため、分離が成功した爪部材と、分離が失敗した爪部材とが混在する可能性があり、分離に失敗した爪部材が記録媒体の搬送に干渉することで、搬送不良が発生し、ジャムが発生する虞がある。
【0008】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、記録媒体の厚みにかかわらず、定着ローラーに巻き付いた記録媒体を定着ローラーから分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制し得る定着装置および定着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)搬送される記録媒体上に形成されているトナー画像を、前記記録媒体に定着させる定着ローラーと、
前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより下流側に配置され、前記記録媒体の搬送方向先端と接触することによって、前記定着により前記定着ローラーに巻き付いた前記記録媒体を、前記定着ローラーから分離する分離部材と、
前記記録媒体の搬送方向先端が前記定着ローラーから分離された直後において、前記記録媒体の搬送に干渉しない退避位置に、前記分離部材を移動させる退避機構と、を有し、
前記退避機構は、前記分離部材を第1速度および第2速度で順次移動させるよう構成されており、
前記第1速度は、前記記録媒体の搬送速度と同期し、前記第2速度は、前記搬送速度より早くなるように設定されている
ことを特徴とする定着装置。
【0011】
(2)前記分離部材は、前記退避位置に移動する際、前記記録媒体を前記記録媒体の搬送方向にガイドすることを特徴とする上記(1)に記載の定着装置。
【0013】
)前記退避機構は、前記退避位置に前記分離部材を移動させるため、前記分離部材を往復動させる往復動機構あるいは前記分離部材を揺動させる揺動機構を有することを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載の定着装置。
【0014】
)前記往復動機構は、クランク機構を有し、
前記分離部材は、ピストンとして機能し、前記クランク機構によって駆動されて、往復動することを特徴とする上記()に記載の定着装置。
【0015】
)前記揺動機構は,軸支された基端を有し揺動自在であるアームを有し、
前記分離部材は、前記基端の逆側に位置する前記アームの先端に連結されており、前記アームによって駆動されて、揺動することを特徴とする上記()に記載の定着装置。
【0016】
)前記分離部材は、可撓性を有するブラシ状部材あるいはフィルム状部材を有し、前記定着ローラーに接触するように配置されて、前記記録媒体の搬送方向先端と接触することを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載の定着装置。
【0017】
)前記分離部材は、前記ブラシ状部材を有し、
前記定着装置は、前記ブラシ状部材を清掃する清掃部を、さらに有することを特徴とする上記()に記載の定着装置。
【0018】
)前記分離部材は、前記定着ローラーから離間して配置される爪部材を有し、
前記定着装置は、
前記記録媒体の搬送方向先端と接触する前記爪部材の先端と、前記定着ローラーとの間の離間距離を検出する離間距離検出部と、
前記記録媒体の厚みに応じて、前記離間距離を調整する離間距離調整部と、をさらに有することを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載の定着装置。
【0019】
)前記離間距離検出部は、撮像素子あるいは前記定着ローラーに接触するプローブを有することを特徴とする上記()に記載の定着装置。
【0020】
10)前記プローブは、前記定着ローラーに接触する先端と、前記先端の逆側に位置しかつ揺動自在に軸支されている基端と、前記先端と前記基端との間に位置し、前記分離部材が軸支されて一体化されている中間部と、を有し
前記離間距離検出部は、前記プローブの前記基端の位置を検出する位置検出部を有する
ことを特徴とする上記()に記載の定着装置。
【0021】
11)前記離間距離調整部は、前記プローブの前記中間部を、軸支点を中心に揺動させるアクチュエータを有し、
前記アクチュエータは、ピエゾ素子を有することを特徴とする上記(10)に記載の定着装置。
【0022】
12)前記離間距離調整部は、
前記分離部材の前記先端に設けられ、前記定着ローラーの温度に対応して加温されている高圧エアーを前記定着ローラーに向かって噴射する高圧エアー噴射部と、
前記分離部材の前先端が前記定着ローラーに近接する方向に、前記分離部材の基端を付勢する押圧部材と、
を有することを特徴とする上記(10)に記載の定着装置。
【0023】
13)前記分離部材の先端における、前記高圧エアー噴射部が設けられている噴射面は、湾曲しており、前記噴射面の曲率は、前記定着ローラーの曲率と同一である
ことを特徴とする上記(12)に記載の定着装置。
【0024】
14
前記分離部材は、前記記録媒体の搬送方向先端を捕捉する捕捉部を有することを特徴とする上記()〜(13)のいずれか1項に記載の定着装置。
【0025】
15)前記捕捉部による捕捉は、前記記録媒体の搬送方向先端を突き指すこと、吸着すること、あるいは、把持することに基づいていることを特徴とする上記(14)に記載の定着装置。
【0026】
16)前記退避機構は、前記記録媒体の搬送方向下流側の方向に、前記分離部材を移動させることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の定着装置。
【0027】
17)前記分離部材を移動させるタイミングを決定するタイミング調整部を、さらに有する
ことを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の定着装置。
【0028】
18)前記記録媒体の搬送方向先端を検出する先端検出部を、さらに有し、
前記タイミング調整部は、前記記録媒体の搬送方向先端を検出することに基づいて、前記タイミングを決定することを特徴とする上記(17)に記載の定着装置。
【0029】
19)前記先端検出部は、前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより上流側に配置されていることを特徴とする上記(18)に記載の定着装置。
【0030】
20)搬送される記録媒体上に形成されているトナー画像を、定着ローラーによって前記記録媒体に定着させた後で、前記定着により前記定着ローラーに巻き付いた前記記録媒体の搬送方向先端を、前記記録媒体の搬送経路における前記定着ローラーより下流側に配置された分離部材と接触させて、前記定着ローラーから分離する分離ステップと、
前記記録媒体の搬送方向先端が前記定着ローラーから分離された直後において、退避機構によって前記記録媒体の搬送に干渉しない退避位置に、前記分離部材を移動させる退避ステップと、を有し、
前記退避ステップにおいて、前記分離部材は、第1速度および第2速度で順次移動させており、
前記第1速度は、前記記録媒体の搬送速度と同期し、前記第2速度は、前記搬送速度より早くなるように設定されている
ことを特徴とする定着方法。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る定着装置および定着方法によれば、分離部材は、定着ローラーに巻き付いた記録媒体の搬送方向先端と接触し、定着ローラーから記録媒体の搬送方向先端を分離した直後において、退避機構によって記録媒体の搬送に干渉しない退避位置に移動させられる。したがって、記録媒体が薄く剛度が低いため、分離部材が記録媒体の分離に失敗した場合であっても、分離部材が記録媒体の搬送に干渉することで引き起こされる搬送不良が回避される。また、分離部材は、退避位置に移動する際、記録媒体を記録媒体の搬送方向にガイドすることが可能であるため、記録媒体をガイドする別体の回転部材を必要とせず、記録媒体が薄く剛度が低い場合に回転部材と記録媒体とが接触しないことで引き起こされる搬送不良や、回転部材の痕跡(ガイド痕)が残ることが回避される。つまり、記録媒体の厚みにかかわらず、定着ローラーに巻き付いた記録媒体を定着ローラーから分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制し得る定着装置および定着方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施の形態1に係る画像形成装置を説明するための概略断面図である。
図2図1に示される定着装置を説明するための概略断面図である。
図3図2に示される分離部材による用紙の分離を説明するための拡大図である。
図4図2に示される分離部材の退避動作を説明するための拡大図である。
図5】実施の形態1に係る定着方法を説明するためのフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る変形例1を説明するための拡大図である。
図7】実施の形態1に係る変形例2を説明するための拡大図である。
図8】実施の形態1に係る変形例3を説明するための拡大図である。
図9】実施の形態1に係る変形例4を説明するための拡大図である。
図10】実施の形態1に係る変形例5を説明するための拡大図である。
図11】実施の形態2に係る定着装置を説明するための概略側面図である。
図12図11に示される離間距離調整部を説明するための拡大図である。
図13】実施の形態2に係る定着方法を説明するためのフローチャートである。
図14】実施の形態2に係る変形例1説明するための概略側面図である。
図15】実施の形態2に係る変形例2説明するための概略側面図である。
図16】実施の形態2に係る変形例3を説明するための概略側面図である。
図17】実施の形態2に係る変形例4を説明するための概略側面図である。
図18図17に示される分離部材の拡大図である。
図19】実施の形態2に係る変形例5を説明するための概略側面図である。
図20】実施の形態2に係る変形例6を説明するための概略側面図である。
図21】実施の形態2に係る変形例7を説明するための概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置を説明するための概略断面図である。
【0035】
実施の形態1に係る画像形成装置100は、例えば、受信した印刷ジョブの内容に従って印刷処理を実行するタンデム型のカラープリンターであり、図1に示されるように、制御部110、記憶装置112、通信インターフェース114,116、操作表示部118、画像形成部120、転写部130、定着装置140および用紙搬送部190を有する。
【0036】


制御部110は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、画像形成装置100の各機能は、それに対応するプログラムを制御部110が実行することにより発揮される。
【0037】
記憶装置112は、ROM、RAMおよびHDDが適宜組み合されて構成されている。ROMは、各種プログラムおよび各種データを保存する読取り専用の記憶装置である。RAMは、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する高速のランダムアクセス記憶装置である。HDDは、各種プログラムや各種データを保存する大容量のランダムアクセス記憶装置である。
【0038】
通信インターフェース114は、所謂LANボードからなる通信部であり、ネットワークを経由してコンピュータに接続し、印刷ジョブ等のデータの送受信を実行するための通信機能を画像形成装置100に追加する拡張装置である。ネットワークは、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber−Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続する構内情報通信網(LAN:Local Area Network)、LAN同士を専用線で接続した広域情報通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ等の各種のネットワークからなる。ネットワークプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である。
【0039】
通信インターフェース116は、コンピュータと直接接続され、印刷ジョブ等のデータの送受信を実行するための通信部であり、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインタフェースや、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1284等のパラレルインタフェースが、適用される。必要に応じて、2.4GHz帯の電波を利用するBluetooth(登録商標)等による無線通信や、無線LANのアドホックモードを適用することも可能である。
【0040】
操作表示部118は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)およびキーボードから構成され、プリントジョブの進行状況、エラーの発生状況、現在変更可能な設定などを、ユーザーに提示するために使用される出力手段と、文字入力、各種設定、スタート指示等の各種指示(入力)をユーザーが行うために利用される入力手段とを兼ねている。キーボードは、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー等からなる複数のキーを有する。
【0041】
画像形成部120は、トナーを使用する電子写真プロセスを利用し、記録媒体である用紙Pに画像を形成するために使用され、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット122、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット124、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット126、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット128を有する。画像形成部120の各ユニット122、124、126および128、は、感光体ドラム、帯電部、光書込部、現像装置およびクリーニング部をそれぞれ有する。
【0042】
感光体ドラムは、有機光導電体(Organic Photo Conductor:OPC)を含むポリカーボネイト等の樹脂からなる感光層を有しており、所定の速度で回転するように構成されている。帯電部は、感光体ドラムの周囲に配置されるコロナ放電極からなり、生成されるイオンによって感光体ドラムの表面を帯電させる。光書込部は、走査光学装置が組み込まれており、入力される画像データに基づいて、帯電された感光体ドラムを露光することにより、露光された部分の電位を低下させ、画像データに対応する電荷パターン(静電潜像)を形成する。
【0043】
現像装置は、形成された静電潜像を現像し、トナーによって可視化する。つまり、画像形成ユニット122、124、126および128の感光体ドラムに、イエロー色、マゼンタ色、シアン色および黒色に対応するトナー画像(モノクロ画像)を、それぞれ形成することが可能である。クリーニング部は、後述の中間転写ベルト132にトナー画像が転写された後において、感光体ドラムの表面に残留したトナーや外添剤などの残留物を掻き取る(除去する)ことにより、表面状態を良好に維持するために使用される。
【0044】
転写部130は、中間転写ベルト132、駆動ローラー134、従動ローラー136および2次転写ローラー138を有する。中間転写ベルト132は、駆動ローラー134および従動ローラー136により巻回され、走行可能に支持されている。中間転写ベルト132には、画像形成ユニット122、124、126および128において形成された各色のトナー画像(モノクロ画像)が、逐次転写される(1次転写される)。これにより、イエロー色、マゼンタ色、シアン色および黒色の各層が重畳したトナー画像(カラー画像)が形成される。
【0045】
2次転写ローラー138は、中間転写ベルト132の外側に配置され、中間転写ベルト132を介して駆動ローラー134と対向するに位置決めされる。搬送されて来た用紙Pは、2次転写ローラー138と中間転写ベルト132との間(ニップ部)を通過する際、2次転写ローラー138によって中間転写ベルト132に向かって押圧されることにより、トナー画像が転写される(2次転写される)。
【0046】
定着装置140は、転写部130より用紙搬送方向下流側に位置し、用紙Pに転写されたトナー画像を定着するために使用され、伝熱ベルト142、加熱ローラー144、定着ローラー146、加圧ローラー148、分離部材150、退避機構160およびセンサー159を有する。
【0047】
伝熱ベルト142は、加熱ローラー144および定着ローラー146により巻回され、走行可能に支持されている。加熱ローラー144は、ヒーターを内蔵しており、伝熱ベルト142を加熱するために使用される。定着ローラー146は、加圧ローラー148に対向して配置される。加圧ローラー148は、伝熱ベルト142が巻回されている定着ローラー146との間を用紙Pが通過可能に配置され、かつ用紙Pを押圧可能に設定されている。
【0048】
搬送されて来た用紙Pは、定着ローラー146と加圧ローラー148との間(ニップ部)を通過する際、定着ローラー146に巻回されている伝熱ベルト142による熱および加圧ローラー148による圧力(押圧力)が加えられ、画像を構成するトナーを溶融することで、用紙Pにトナー画像が定着させられる。
【0049】
分離部材150は、定着装置140より用紙搬送方向下流側に位置し、用紙Pの先端(搬送方向先端)LEと接触することによって、定着により定着ローラー146に巻き付いた用紙Pを、定着ローラー146から分離するために使用される。
【0050】
退避機構160は、用紙Pの先端LEが定着ローラー146から分離された直後において、用紙Pの搬送に干渉しない退避位置に、分離部材150を移動させるために使用される。なお、分離部材150は、退避位置に移動する際、用紙Pを用紙搬送方向にガイドする機能も有している。
【0051】
分離部材150は、上記のように、定着ローラー146に巻き付いた用紙Pの先端LEと接触し、定着ローラー146から用紙Pの先端LEを分離した直後において、退避機構160によって用紙Pの搬送に干渉しない退避位置に移動させられる。したがって、用紙Pが薄く剛度が低いため、分離部材150が用紙Pの分離に部分的に失敗した場合であっても、分離部材150が用紙Pの搬送に干渉することで引き起こされる搬送不良が回避される。また、分離部材150は、退避位置に移動する際、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることが可能であるため、用紙Pをガイドする別体の回転部材を必要とせず、用紙Pが薄く剛度が低い場合に回転部材と用紙Pとが接触しないことで引き起こされる搬送不良や、回転部材の痕跡(ガイド痕)が残ることが回避される。つまり、用紙Pの厚みにかかわらず、定着ローラー146に巻き付いた用紙Pを定着ローラー146から分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0052】
センサー159は、例えば、用紙搬送方向上流側に向かって突出した接触子を有する接触式センサーであり、定着ローラー146より用紙搬送方向上流側に位置する。センサー159の接触子は、搬送されて来た用紙Pの先端LEが接触することで、用紙Pを検出する。したがって、センサー159は、用紙Pの先端LEを検出する先端検出部である。
【0053】
センサー159よる用紙先端検出情報は、制御部110に入力され、退避機構160を駆動し、分離部材150を移動(揺動)させるタイミングを決定するために利用される。つまり、制御部110は、分離部材150を移動させるタイミングを決定するタイミング調整部を有する。
【0054】
用紙搬送部190は、給紙部191、レジストローラー196および排紙ローラー198を有する。
【0055】
給紙部191は、用紙Pを収容している給紙カセット192、送り出しローラー193およびさばきローラー194を有する。送り出しローラー193およびさばきローラー194は、給紙カセット192から用紙Pを一枚ずつ搬送経路Rに送り出す。用紙Pの有無は、図示しないセンサーにより検出され、例えば、用紙Pが給紙カセット192にセットされていない場合や、印字中に用紙Pが無くなった場合には、ユーザーに知らせるため、その旨のメッセージが操作表示部118に表示される。
【0056】
レジストローラー196は、給紙部191と転写部130との間の搬送経路Rに配置され、給紙部191から給紙された用紙Pを、転写部130に向かって搬送するために使用される。排紙ローラー198は、定着装置140より搬送方向下流側に配置され、トナー画像が定着された用紙Pを装置外に排出するために使用される。
【0057】
なお、符号Rは、表裏が反転した用紙Pを、給紙部191と転写部130との間の搬送経路Rに戻して、用紙Pの両面に画像を形成するために使用される第2の搬送経路である。
【0058】
次に、定着装置140の分離部材150および退避機構160を詳述する。
【0059】
図2は、図1に示される定着装置を説明するための概略断面図、図3は、図2に示される分離部材による用紙の分離を説明するための拡大図、図4は、図2に示される分離部材の退避動作を説明するための拡大図である。
【0060】
分離部材150は、図2に示されるように、退避機構160に連結される基部152と、基部152から突出する複数の棒状突起体からなるブラシ状部材154からなり、分離イニシャル位置に配置される。分離イニシャル位置は、ブラシ状部材154の先端が、定着ローラー146(伝熱ベルト142)に微加圧で接触し、かつ、定着ローラー146と加圧ローラー148との間を通過して画像が定着された用紙Pの先端LEと接触する位置である。なお、図2には、退避位置に移動した分離部材150の一例を、一点鎖線で示している。
【0061】
したがって、ブラシ状部材154の先端は、図3および図4に示されるように、定着により定着ローラー146に巻き付いた用紙Pの先端LEと接触することで、定着ローラー146から用紙Pを分離することが可能である。なお、ブラシ状部材154は、定着ローラー146(伝熱ベルト142)の表面を傷つけない柔らかい可撓性の材料から形成される。
【0062】
退避機構160は、分離部材150を分離イニシャル位置から退避位置に移動させるため、分離部材150を揺動させる揺動機構を有する。実施の形態1において、揺動機構は、軸支された揺動自在のアーム162を有する。アーム162は、分離部材150の基部152が揺動自在に連結されている先端164と、先端164の逆側に位置しかつ軸支された基端166とを有する。なお、符号165および167は、先端164および基端166の軸支点を示している。
【0063】
したがって、分離部材150が先端164に連結されたアーム162を、軸支点167を中心として、定着ローラー146から離間する方向に揺動させることによって、アーム162の先端164に連結された分離部材150は、分離イニシャル位置から退避位置に移動することになる。この際、ブラシ状部材154は、用紙Pの先端LEを支持(保持)しているため、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることになる。
【0064】
また、軸支点167を中心としてアーム162を用紙搬送方向に旋回させる際、分離部材150の基部152を、アーム162の先端164を中心として、用紙搬送経路Rから離間する方向に揺動させることによって、用紙搬送経路Rとの干渉が避けられ、かつ、ブラシ状部材154が用紙Pの先端LEから円滑に分離されることになる。
【0065】
分離部材150を分離イニシャル位置から退避位置に移動させる形態は、上記構成に限定されず、例えば、分離部材150自体を直接旋回させることで分離イニシャル位置から退避位置に移動させることも可能である。
【0066】
退避機構160を駆動し、分離部材150を移動(揺動)させるタイミングは、搬送されて来た用紙Pを検出したセンサー159からの用紙先端検出情報と、用紙搬送速度とに基づいて、制御部110によって決定される。例えば、用紙先端検出から数ms後に、退避機構160が駆動される。この際、分離部材150の移動開始までに遅れ時間要素が影響すると考えられる。そのため、弾性部材等で弾性エネルギーを貯めておき、駆動開始直後に貯めていたエネルギーを解放し、退避機構160(分離部材150)の初期加速度を増幅し、遅れ時間の影響をなくことが好ましい。
【0067】
退避機構160は、分離部材150を第1速度、その後第2速度で順次移動(揺動)させるよう構成されている。第1速度は、分離部材150(ブラシ状部材154)が、用紙Pの先端LEと接触した直後の速度であり、用紙Pの搬送速度と同期している。したがって、第1速度の期間においては、分離部材150(ブラシ状部材154)と用紙Pとの接触が維持される。第2速度は、用紙Pの搬送速度より早い速度である。これにより、用紙搬送経路Rとの干渉を確実に避け、かつ、ブラシ状部材154からの用紙Pの先端LEの分離を促進することが可能である。
【0068】
なお、退避位置に配置された分離部材150は、用紙Pが通過すると、退避機構160によって逆方向に駆動され、分離イニシャル位置に復帰させられる。
【0069】
次に、実施の形態1に係る定着方法を説明する。
【0070】
図5は、実施の形態1に係る定着方法を説明するためのフローチャートである。なお、図5に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、記憶装置112にプログラムとして記憶されており、制御部110によって実行される。
【0071】
実施の形態1に係る定着方法においては、送り出しローラー193およびさばきローラー194が起動され、給紙カセット192に収容されている用紙Pが、搬送経路Rに送り出され、そして、搬送経路Rに給紙された用紙Pは、レジストローラー196によって転写部130に向かって搬送される(ステップS11)。
【0072】
一方、画像形成ユニット122、124、126および128において、印刷ジョブの内容に従って、イエロー色、マゼンタ色、シアン色および黒色に対応するトナー画像(モノクロ画像)がそれぞれ形成される(ステップS12)。そして、トナー画像は、中間転写ベルト132に逐次転写(1次転写)され、これにより、イエロー色、マゼンタ色、シアン色および黒色の各層が重畳したトナー画像(カラー画像)が形成され、そして、2次転写ローラー138にさらに転写(2次転写)される(ステップS13)。
【0073】
2次転写ローラー138と中間転写ベルト132との間(ニップ部)を通過してトナー画像が転写された用紙Pは、定着装置140に向かって搬送されると、センサー159によって用紙Pの先端LEが検出され、用紙先端検出情報は制御部110に入力される(ステップS14)。トナー画像が転写された用紙Pは、定着ローラー146と加圧ローラー148との間(ニップ部)を通過し、その際、定着ローラー146に巻回されている伝熱ベルト142による熱および加圧ローラー148による圧力(押圧力)が加えられ、画像を構成するトナーを溶融することで、用紙Pにトナー画像が定着させられる(ステップS15)。
【0074】
その後、定着により定着ローラー146に巻き付いた用紙Pの先端LEが、分離イニシャル位置に配置されている分離部材150のブラシ状部材154と接触することで、図3および図4に示されるように、用紙Pが定着ローラー146から分離される(ステップS16)。
【0075】
そして、用紙Pの先端LEが定着ローラー146から分離された直後において、用紙Pの搬送速度と同期した第1速度、その後、搬送速度より早い速度である第2速度で、分離部材150が退避機構160によって分離イニシャル位置から退避位置に移動させられる(ステップS17)。
【0076】
詳しくは、分離部材150が先端164に連結されたアーム162を、軸支点167を中心として、定着ローラー146から離間する方向に揺動させることによって、アーム162の先端164に連結された分離部材150は、用紙搬送方向の下流側に第1速度および第2速度で順次移動するように駆動される。この際、分離部材150のブラシ状部材154は、用紙Pの先端LEを支持(保持)しているため、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることになる。
【0077】
また、用紙搬送経路Rとの干渉を避け、かつ、ブラシ状部材154を用紙Pの先端LEから分離するため、第1速度の期間において、分離部材150の基部152が、軸支点165を中心として、用紙搬送経路Rから離間する方向に揺動する(図4参照)。その後、退避位置に配置された分離部材150は、用紙Pが通過すると、退避機構160によって逆方向に駆動され、分離イニシャル位置に復帰させられる。
【0078】
トナー画像が定着された用紙Pは、排紙ローラー198によって装置外に排出される(ステップS18)。
【0079】
実施の形態1に係る定着方法においては、上記のように、定着ローラー146から用紙Pの先端LEを分離した直後において、退避機構160によって用紙Pの搬送に干渉しない退避位置に分離部材150が移動させられる。したがって、用紙Pが薄く剛度が低いため、分離部材150が用紙Pの分離に部分的に失敗した場合であっても、分離部材150が用紙Pの搬送に干渉することで引き起こされる搬送不良が回避される。また、分離部材150は、退避位置に移動する際、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることが可能であるため、用紙Pをガイドする別体の回転部材を必要とせず、用紙Pが薄く剛度が低い場合に回転部材と用紙Pとが接触しないことで引き起こされる搬送不良や、回転部材の痕跡(ガイド痕)が残ることが回避される。つまり、用紙Pの厚みにかかわらず、定着ローラー146に巻き付いた用紙Pを定着ローラー146から分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0080】
次に、実施の形態1に係る変形例1〜5を順次説明する。
【0081】
図6は、実施の形態1に係る変形例1を説明するための拡大図である。
【0082】
分離部材150は、基部152から突出する複数の棒状突起体からなるブラシ状部材154を有する形態に限定されず、図6に示されるように、基部152から突出するフィルム状部材170を有することも可能である。なお、フィルム状部材170は、定着ローラー146(伝熱ベルト142)の表面を傷つけない柔らかい可撓性の材料から形成される。
【0083】
図7は、実施の形態1に係る変形例2を説明するための拡大図である。
【0084】
退避機構160は、揺動機構を利用する形態に限定されず、例えば、図7に示される往復動機構を適用することも可能である。往復動機構は、クランク173、コネクティングロッド174およびガイド175を有するクランク機構172によって構成される。
【0085】
クランク173は、回転自在であり、コネクティングロッド174の基端が軸支される。コネクティングロッド174の先端は、分離部材150の基部152に軸支される。ガイド175は、分離部材150がスライド自在に設定されている。したがって、分離部材150は、ピストンとして機能し、クランク173が回転すると、コネクティングロッド174を介して、駆動され、ガイド175に沿って往復動することになる。
【0086】
図8は、実施の形態1に係る変形例3を説明するための拡大図である。
【0087】
分離部材150の基部152は、アーム162の先端164に揺動自在に連結する形態に限定されず、アーム162の先端164に固定することも可能である。この場合、アーム162が2軸を有するように構成される。
【0088】
アーム162の2軸化は、例えば、図8に示されるように、軸支点167に基端166が連結された基端側アーム部162Bに、分離部材150の基部152が固定された先端側アーム部162Aを軸支することによって達成される。なお、符号177は、先端側アーム部162Aの軸支点を示している。
【0089】
したがって、軸支点167を中心として基端側アーム部162Bを用紙搬送方向に旋回させる際、先端側アーム部162Aが軸支点177を中心として用紙搬送経路Rから離間する方向に揺動させる(折り畳む)ことが可能である。分離部材150の基部152は先端側アーム部162Aに固定されているため、分離部材150は、同伴されて用紙搬送経路Rから離間する方向に揺動することになる。つまり、変形例3においても、用紙搬送経路Rとの干渉を避け、かつ、ブラシ状部材154を用紙Pの先端LEから分離することが可能である。
【0090】
図9および図10は、実施の形態1に係る変形例4および変形例5を説明するための拡大図である。
【0091】
分離部材150は、複数の棒状突起体からなるブラシ状部材154を有し、トナーTが付着する可能性があるため、ブラシ状部材154を清掃する清掃部179を備えて、ブラシ状部材154からトナーTを分離することが好ましい。清掃部179の構成は特に限定されないが、例えば、図9に示されるように、静電気を利用してトナーを吸着する静電ブラシ部材を適用したり、図10に示されるように、エアーを吸引する際に、トナーを同伴させるエアー吸引装置を適用したりすることが可能である。なお、清掃部179は、用紙Pの搬送に干渉しないよう、例えば、分離部材150の退避位置の近傍に配置される。
【0092】
以上のように、実施の形態1に係る定着装置および定着方法においては、用紙の厚みにかかわらず、定着ローラーに巻き付いた用紙を定着ローラーから分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制し得ることが可能である。
【0093】
次に、実施の形態2を説明する。
【0094】
図11は、実施の形態2に係る定着装置を説明するための概略側面図、図12は、図11に示される離間距離調整部を説明するための拡大図である。
【0095】
実施の形態2は、図11に示されるように、定着ローラー246から離間して配置される分離部材250と、分離部材250と定着ローラー246(伝熱ベルト242)との間の離間距離Sを検出する離間距離検出部260と、離間距離Sを調整する離間距離調整部270と、を有する点で、定着ローラー146(伝熱ベルト142)に接触するように配置される分離部材150を有する実施の形態1と概して異なる。なお、以後において、実施の形態1と同様の機能を有する部材については類似する符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0096】
分離部材250は、後述されるプローブ261に連結される基部252と、基部252から突出する爪部材254と、を有し、分離イニシャル位置に配置される。分離イニシャル位置は、爪部材254の先端255が、伝熱ベルト242が巻回されている定着ローラー246から所定の離間距離Sを保つ位置である。所定の離間距離Sは、適用される用紙Pの厚み等を考慮して適宜設定される値である。
【0097】
離間距離検出部260は、退避機構としての機能を兼用し、プローブ261、磁石267およびホール素子268,269を有する。プローブ261は、退避機構(揺動機構)のアームとしての機能を有し、定着ローラー246(伝熱ベルト242)と接触する先端262と、先端262の逆側に位置する基端265と、先端262と基端265との間に位置する中間部263と、を有する。
【0098】
先端262の接触面は、定着ローラー246(伝熱ベルト242)の表面が傷つかないよう、円柱の表面のような滑らかな湾曲状に加工されている。中間部263は、軸支点264を中心に分離部材250の基部252を揺動自在に軸支しており、分離部材250が一体化されている。基端265は、軸支点266を中心に旋回自在に軸支されている。
【0099】
磁石267は、プローブ261の基端265の軸支点266を中心に揺動されるように、プローブ261の基端265に配置されている。ホール素子268,269は、磁石267の揺動に基づく磁界の変化により、磁石267の位置を検出するように構成されている。つまり、磁石267およびホール素子268,269は、プローブ261の基端265の位置を検出する位置検出部を構成している。
【0100】
分離部材250はプローブ261(中間部263)と一体化されており、また、プローブ261の先端は定着ローラー246と接触しているため、プローブ261の基端265の位置を検出することにより、分離部材250の爪部材254の先端255と定着ローラー246との間の離間距離Sを算出することが可能である。
【0101】
離間距離調整部270は、ピエゾ素子(圧電素子)からなるアクチュエータ272を有する。アクチュエータ272は、分離部材250の基部252の軸支点264と、爪部材254の先端255との間の部位に当接しており、厚みを変位させ、軸支点264を中心に分離部材250を揺動させることで、図12に示されるように、離間距離Sが変更される。したがって、離間距離調整部270は、用紙Pの厚みに応じて離間距離Sを調整することによって、用紙Pの厚みが変更されたとしても、爪部材254の先端255が定着ローラー246表面に接触して傷けることを抑制することが可能である。
【0102】
定着ローラー246の偏心成分や熱膨張により、離間距離Sが変化することが想定される。これは、例えば、初期段階で定着ローラー246の1周分のプロフィールを記憶させ、リアルタイムで検出値と記憶値との差分を0にする制御を施すことで対処することが可能である。
【0103】
次に、実施の形態2に係る定着方法を説明する。
【0104】
図13は、実施の形態2に係る定着方法を説明するためのフローチャートである。なお、図13に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、実施の形態2に係る画像形成装置の記憶装置にプログラムとして記憶されており、実施の形態2に係る画像形成装置の制御部によって実行される。また、用紙を供給するステップS21から用紙Pの先端LEを検出するステップS24およびトナー画像が定着された用紙Pを排出するステップS29は、実施の形態1に係る定着方法のステップS11〜ステップS14およびステップS18と略一致しており、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0105】
ステップS24においてトナー画像が転写された用紙Pの先端LEが検出されると、分離イニシャル位置に配置されている分離部材250の爪部材254と、伝熱ベルト242が巻回されている定着ローラー246と、の間の離間距離Sが、用紙Pの厚みに応じて調整される(ステップS25)。
【0106】
離間距離Sは、分離部材250が一体化されているプローブ261の基端265の位置を、離間距離検出部260が検出することに基づいて算出される。離間距離Sの調整は、図12に示されるように、アクチュエータ272の厚みを変位させ、軸支点264を中心に分離部材250を揺動させることで実行される。例えば、アクチュエータ272が収縮して厚みが減少すれば、離間距離Sが小さくなり、アクチュエータ272が伸張して厚みが増加すれば、離間距離Sが大きくなる。
【0107】
一方、先端が検出された用紙Pは、定着ローラー246と加圧ローラーとの間(ニップ部)を通過し、その際、定着ローラー246に巻回されている伝熱ベルト242による熱および加圧ローラーによる圧力(押圧力)が加えられ、トナーを溶融することで、用紙Pにトナー画像が定着させられる(ステップS26)。
【0108】
その後、用紙Pの厚みに応じて調整された離間距離Sを有する爪部材254の先端255が、定着により定着ローラー246に巻き付いた用紙Pの先端LEと接触させることで、用紙Pが定着ローラー246から分離される(ステップS27)。
【0109】
そして、用紙Pの先端LEが定着ローラー246から分離された直後において、分離部材250が、退避位置に移動させられる(ステップS28)。
【0110】
詳しくは、分離部材250が一体化されたプローブ261を、プローブ261の基端265の軸支点266を中心として定着ローラー246から離間する方向に揺動させることによって、分離部材250は、用紙搬送方向の下流側に移動するように駆動される。この際、分離部材250の爪部材254は、用紙Pの先端LEを引っ掛けて、用紙Pの先端LEを支持(保持)することで、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることになる。
【0111】
また、用紙搬送経路との干渉を避け、かつ、分離部材250の爪部材254を用紙Pの先端LEから分離するため、第1速度の期間において、分離部材250の基部252が、軸支点264を中心として、用紙搬送経路から離間する方向に揺動する。その後、退避位置に配置された分離部材250は、用紙Pが通過すると、退避機構としての機能を兼用する離間距離検出部260によって逆方向に駆動され、分離イニシャル位置に復帰させられる。
【0112】
実施の形態2に係る定着方法においても、上記のように、定着ローラー246から用紙Pの先端LEを分離した直後において、退避機構を兼ねる離間距離検出部260によって分離部材250が用紙Pの搬送に干渉しない退避位置に移動させられる。したがって、用紙Pが薄く剛度が低いため、分離部材250が用紙Pの分離に部分的に失敗した場合であっても、分離部材250が用紙Pの搬送に干渉することで引き起こされる搬送不良が回避される。また、分離部材250は、退避位置に移動する際、用紙Pを用紙搬送方向にガイドすることが可能であるため、用紙Pをガイドする別体の回転部材を必要とせず、用紙Pが薄く剛度が低い場合に回転部材と用紙Pとが接触しないことで引き起こされる搬送不良や、回転部材の痕跡(ガイド痕)が残ることが回避される。つまり、用紙Pの厚みにかかわらず、定着ローラー246に巻き付いた用紙Pを定着ローラー246から分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0113】
次に、実施の形態2に係る変形例1〜7を順次説明する。
【0114】
図14は、実施の形態2に係る変形例1説明するための概略側面図である。
【0115】
離間距離検出部260におけるプローブ261の基端265の位置検出は、磁石267およびホール素子268,269を利用する形態に限定されず、図13に示されるように、変位センサー274を利用することも可能である。変位センサー274は、例えば、光学式(レーザフォーカス)であり、プローブ261の基端にレーザーを照射し、反射光を三角測量の原理で測定することで、プローブ261の基端の位置が検出される。
【0116】
図15は、実施の形態2に係る変形例2説明するための概略側面図である。
【0117】
離間距離検出部260は、プローブ261の基端265の位置検出に基づいて離間距離Sを検出する形態に限定されず、図15に示されるように、撮像素子(カメラ)276を適用することも可能である。この場合、爪部材254の先端255と伝熱ベルト242が巻回されている定着ローラー246との間を撮像して得られたデータを画像解析することによって、離間距離Sが検出される。
【0118】
図16は、実施の形態2に係る変形例3を説明するための概略側面図である。
【0119】
離間距離調整部270は、アクチュエータ272が収縮して厚みが減少すれば離間距離Sが大きくなり、アクチュエータ272が伸張して厚みが増加すれば離間距離Sが小さくなるように構成することも可能である。これは、図16に示されるように、爪部材254に対し、基部252における軸支点264よりさらに離れた遠位部位253と、アクチュエータ272とを、ワイヤー278で連結することによって達成される。
【0120】
例えば、アクチュエータ272が収縮して厚みが減少すれば、アクチュエータ272に連結されたワイヤー278によって、遠位部位253は、アクチュエータ272に向かって軸支点264を中心に揺動する。これにより、軸支点264を介して逆側に位置する爪部材254は、定着ローラー246から離れる方向に揺動し、離間距離Sが大きくなる。一方、アクチュエータ272が伸張して厚みが増加すれば、アクチュエータ272に連結されたワイヤー278によって、遠位部位253は、アクチュエータ272から離れる方向に軸支点264を中心に揺動する。これにより、軸支点264を介して逆側に位置する爪部材254は、定着ローラー246に向かう方向に揺動し、離間距離Sが小さくなる。
【0121】
図17は、実施の形態2に係る変形例4を説明するための概略側面図、図18は、図17に示される分離部材の拡大図である。
【0122】
離間距離調整部270は、アクチュエータ272を利用する形態に限定されず、図17および図18に示されるように、高圧エアー噴射部280および押圧部材283によって構成することも可能である。
【0123】
高圧エアー噴射部280は、分離部材250の爪部材254の先端255に設けられ、高圧エアー(圧縮空気)281を、伝熱ベルト242が巻回されている定着ローラー246に向かって噴射するため使用される。高圧エアーCAは、定着ローラー246(伝熱ベルト242)の温度に対応して加温されており、定着ローラー246(伝熱ベルト242)の温度に干渉しないように設定されている。
【0124】
押圧部材283は、例えば、バネ部材等の弾性体からなり、爪部材254に対し、基部252における軸支点264よりさらに離れた遠位部位253に連結されており、遠位部位253を付勢するように設定されている。付勢方向は、遠位部位253が定着ローラー246から離間する方向、つまり、軸支点264を介して逆側に位置する爪部材254が、定着ローラー246に向かって揺動する方向である。
【0125】
この場合、高圧エアーCAの噴射によって生じる反動の力と、押圧部材283の付勢力とのバランスによって、分離部材250の爪部材254と、伝熱ベルト242が巻回されている定着ローラー246と、の間の離間距離Sが決定される。したがって、用紙Pの厚みに応じ、高圧エアーCAの噴射圧を調整することによって、離間距離Sを適正な値に設定することが可能である。
【0126】
離間距離Sを調整する制御因子は、高圧エアーCAの噴射圧に限定されず、押圧部材283の付勢力や、高圧エアーCAの噴射面積を適用することも可能である。なお、離間距離Sを精度良く制御する観点から、高圧エアー噴射部280の噴射面282は、湾曲しており、その曲率が、定着ローラー246の曲率と同一であることが好ましい。
【0127】
図19図20および図21は、実施の形態2に係る変形例5、変形例6および変形例7を説明するための概略側面図である。
【0128】
爪部材254による分離機能およびガイド機能を向上させるため、図19〜21に示されるように、用紙Pの先端LEを捕捉する捕捉部285,286,287を有することも可能である。
【0129】
図19に示される捕捉部285は、爪部材254の先端255を尖った形状にすることにより構成される。用紙Pの先端LEの捕捉は、爪部材254の先端255によって突き指されることにより達成される。
【0130】
図20に示される捕捉部286は、爪部材254の先端255から分岐した爪部256に粘着剤288を配置することにより構成される。用紙Pの先端LEの捕捉は、爪部材254の先端255に用紙Pの先端LEが接触することで生じた用紙Pにおける湾曲した部位に、粘着剤288が接触して吸着することで達成される。用紙Pにおける湾曲した部位の吸着は、粘着剤288を利用する形態に限定されず、静電気やエアー吸引を適用することも可能である。
【0131】
図21に示される捕捉部287は、爪部材254の先端255に配置される可動式のグリッパ257,258によって構成される。用紙Pの先端LEの捕捉は、グリッパ257,258によって把持されることで達成される。
【0132】
以上のように、実施の形態2に係る定着装置および定着方法においては、定着ローラーから離間して配置される分離部材を利用することによって、定着ローラーに接触するように配置される分離部材を利用する実施の形態1と同様に、記録媒体の厚みにかかわらず、定着ローラーに巻き付いた記録媒体を定着ローラーから分離する際の分離不良および搬送不良を回避し、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0133】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、画像形成装置は、カラープリンターに限定されず、モノクロプリンターや、コピー機能、プリンタ機能およびスキャン機能を有するMFP(Multi−Function Peripheral)に適用することも可能である。また、画像形成装置の定着装置に、エラー分離機構を組み合わせることも可能である。この場合、用紙の先端が定着ローラーから分離される際、先端と定着ローラーとの間に形成される隙間にエアーを噴射することで分離性能がさらに向上する。
【符号の説明】
【0134】
100 画像形成装置、
110 制御部、
112 記憶装置、
114,116 通信インターフェース、
118 操作表示部、
120 画像形成部、
122,124,126,128 画像形成ユニット、
130 転写部、
132 中間転写ベルト、
134 駆動ローラー、
136 従動ローラー、
138 2次転写ローラー、
140 定着装置、
142,242 伝熱ベルト、
144 加熱ローラー、
146,246 定着ローラー、
148 加圧ローラー、
150 分離部材、
152 基部、
154 ブラシ状部材、
159 センサー、
160 退避機構、
162 アーム、
162A 先端側アーム部、
162B 基端側アーム部、
164 先端、
165 軸支点、
166 基端、
167 軸支点、
170 フィルム状部材、
172 クランク機構、
173 クランク、
174 コネクティングロッド、
175 ガイド、
177 軸支点、
179 清掃部、
190 用紙搬送部、
191 給紙部、
192 給紙カセット、
193 送り出しローラー、
194 さばきローラー、
196 レジストローラー、
198 排紙ローラー、
250 分離部材、
252 基部、
253 遠位部位、
254 爪部材、
255 先端、
256 爪部、
257,258 グリッパ、
260 離間距離検出部(退避機構)、
261 プローブ、
262 先端、
263 中間部、
264 軸支点、
265 基端、
266 軸支点、
267 磁石、
268,269 ホール素子、
270 離間距離調整部、
272 アクチュエータ、
274 変位センサー、
276 撮像素子(カメラ)、
278 ワイヤー、
280 高圧エアー噴射部、
282 噴射面、
283 押圧部材、
285,286,287 捕捉部、
288 粘着剤、
CA 高圧エアー(圧縮空気)、
LE 用紙搬送方向先端、
P 用紙(記録媒体)、
,R 用紙搬送経路、
S 離間距離、
T トナー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21