【文献】
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【文献】
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【文献】
「合成屋」,ワールド・デストラクション〜導かれし意思〜 コンプリートガイド,日本,株式会社エンターブレイン,2008年11月 6日,第1版,pp.30-35,(全頁の写真及びそれらの説明文を参照。)
【文献】
「ドラゴンハンターUTOPIA」,アプリスタイル,株式会社イースト・プレス,2012年 4月25日,第8巻,p.223,(「お気に入りの装備を鍛え上げろ!」の項を参照。)
【文献】
「KARA☆コレ」,ファミ通mobage,日本,株式会社エンターブレイン,2013年 4月25日,第15巻,p.63,(特に、中盤の「2.合成でカードを強化」の項を参照。)
【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御する情報処理装置であって、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを特定する所持情報とが記憶された記憶装置にアクセス可能な情報処理装置において、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶装置に記憶された所持情報により特定される所持オブジェクトの中から、所定値までの変動値であるパラメータが設定されたベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトとは異なる参照オブジェクトとを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたベースオブジェクトが所定条件を満たす場合、前記記憶装置に記憶されたオブジェクト情報のうち、前記選択手段によって選択された参照オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて、当該ベースオブジェクトの所定値を超える値をランダムに決定し、前記選択手段によって選択されたベースオブジェクトが所定条件を満たさない場合、前記選択手段によって選択された参照オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて、当該ベースオブジェクトの所定値を超えない値を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された値に基づいて、前記ベースオブジェクトのパラメータを設定する設定手段と、
を備える情報処理装置。
前記決定手段は、前記ベースオブジェクトの種別と前記参照オブジェクトの種別が同一である場合に、前記ベースオブジェクトの種別と前記参照オブジェクトの種別とが異なる場合よりも大きな値を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御するコンピュータであって、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを特定する所持情報とが記憶された記憶装置にアクセス可能なコンピュータに、請求項1〜10のいずれかに記載の情報処理装置の各手段を実現させるためのプログラム。
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御する情報処理システムであって、ユーザ端末と、当該ユーザ端末からアクセスされるサーバと、前記ユーザ端末又は前記サーバの何れか一方からアクセスされる記憶装置であり、かつ、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを示す所持情報とが記憶された記憶装置と、を含む情報処理システムにおいて、請求項1〜10のいずれかに記載の情報処理装置の各手段を、前記ユーザ端末又は前記サーバの何れか一方が備えた、情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)第1の実施形態
(1−1)ゲームシステムの構成
以下、情報処理システムの一実施形態として、ゲームシステム1について説明する。
【0011】
図1は、実施形態のゲームシステム1のシステム構成例を示している。
図1に示すように、このゲームシステム1は、ユーザ端末10a,10b,10c,…、および、ゲームサーバ20を含む。各ユーザ端末10a,10b,10cからゲームサーバ20に対しては、例えばインターネットなどの通信網NWを通してアクセス可能である。なお、ゲームシステム1は、情報処理システムの一例である。また、ゲームサーバ20は、情報処理装置の一例である。
各ユーザ端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)、通信機能付き携帯ゲーム機などの通信端末である。以下の説明において、各ユーザ端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、ユーザ端末10と表記する。
【0012】
ゲームサーバ20は、ゲームを実行するサーバである。ゲームサーバ20には、ウェブブラウザによって解釈可能な画像データ(例えばHTML、XMLなどの形式で記述された画像データのことである。本発明の実施形態では、HTMLデータを例として説明する。)を作成可能なプログラムが実装されている。
ユーザ端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるHTMLデータを解釈して表示するウェブブラウザを備えており、ユーザ端末10によるウェブページ上のユーザの操作に基づく要求を、ネットワークを介してゲームサーバ20へ送信し、ゲームサーバ20による処理結果を受信することでゲームの処理を実行する。
通信網NWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、専用回線、または、これらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
【0013】
(1−2)ユーザ端末の構成
図2を参照してユーザ端末10について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、操作入力部15、表示部16、通信インタフェース部17、および、ストレージ18を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
【0014】
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムやデータを読み出して、ユーザ端末10内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ユーザ端末10内の全体の動作を制御する。また、CPU11は、ストレージ18に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM13に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM13は、CPU11による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0015】
例えば、CPU11は、ストレージ18内に記憶されているウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってユーザに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の指定に基づき、通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を、通信インタフェース部17を介して取得し、ウェブブラウザを実行してHTMLデータを解釈する。なお、ユーザ端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてもよい。そのようなプラグインの一例は、米国のアドビシステムズ社によるフラッシュプレイヤである。あるいは、本実施形態でのHTMLデータを、動画および音声の再生機能を備えたHTML5形式としてもよい。
【0016】
ウェブブラウザは、ゲームサーバ20とHTTP(HyperText Transfer Protocol)に従った通信を行う。ウェブブラウザは、操作入力部15等によってウェブページ上のURL(Uniform Resource Locator)または指定対象(例えば、ソフトウェアボタン(以下、単に「ボタン」と表記する。)等)が指定されると、ウェブページの更新のために、その指定結果を含むHTTPリクエストをゲームサーバ20に送信する。ウェブブラウザは、HTTPレスポンスとしてゲームサーバ20からHTMLデータを取得し、解釈して、ウェブページを表示部16に表示する。
【0017】
表示部16は、たとえば、LCD(Liquid Cristal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタを適用した場合、表示部16は、薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示画面に表示する。
【0018】
ユーザ端末10がボタン入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、例えば、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示ボタン、決定ボタン、テンキーなどの複数の指示入力ボタンを備え、各ボタンの押下操作の入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。
ユーザ端末10がタッチパネル入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、主として表示画面に指先あるいはペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。
【0019】
ストレージ18は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される記憶装置である。
【0020】
(1−3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、通信インタフェース部24、および、ストレージ25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のネットワークサーバと同一の構成をとることができる。
【0021】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムやデータを読み出して、ゲームサーバ20内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ゲームサーバ20内の全体の動作を制御する。また、CPU21は、ストレージ25に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM23に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM23は、CPU21による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0022】
例えば、ストレージ25には、クライアントであるユーザ端末10のウェブブラウザとの間でHTTPに従った通信を行ってウェブサービスを提供するプログラムが記憶されている。CPU21は、ストレージ25に記憶されているプログラムをRAM23に展開して、プログラムを実行する。プログラムの実行に伴ってCPU21は、通信インタフェース部24を介してユーザ端末10からHTTPリクエストを取得し、当該HTTPリクエストに応じた処理を実行し、その実行結果を含むHTMLデータ(後述する画像データの一例)をHTTPレスポンスとしてユーザ端末10へ返す。
【0023】
ストレージ25は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される情報記録装置であり、上述したプログラムに加え、データテーブル群70を機能する。データテーブル群70(後述する)は、カードデータテーブル、ユーザデータテーブル、アイテムデータテーブル、所持カードデータテーブル、所持アイテムデータテーブル、および、パラメータデータテーブルを含む。各データテーブルは、適宜CPU21からデータの読み書きのためにアクセスされる。
【0024】
(1−4)本実施形態のゲームの特別合成の処理
本実施形態のゲームシステム1において実行されるゲームは、オブジェクトとしてのカードやアイテムを用いるゲームである。このゲームでは、例えば、ユーザがゲーム上のエリアを探索してカードやアイテムを取得し、あるいはユーザが所持するカードやアイテムを用いて他のユーザやNPC(Non-Player Character)と対戦する。オブジェクトの中には、他のユーザやNPCとの対戦において参照されるパラメータが設定されたオブジェクトが含まれる。なお、オブジェクトは、カードとアイテムに限られるものではなく、ゲームに用いることができる媒体であれば、どのようなものでもよい。
本実施形態のゲームにおいて実行される処理には、合成の処理が含まれる。合成の処理には、通常合成の処理と、特別合成の処理とが含まれる。
通常合成の処理とは、ユーザの所持オブジェクトの中からベースオブジェクトと参照オブジェクトとを選択し、ベースオブジェクトとして選択されたオブジェクトと、参照オブジェクトとして選択されたオブジェクとを合成することで、ベースオブジェクトとして選択されたオブジェクトに設定されたパラメータを所定値以下の範囲内で上昇させる処理である。通常合成が終了すると、参照オブジェクトはユーザの所持オブジェクトから消失する。
特別合成の処理とは、ユーザの所持オブジェクトのうち、所定条件を満たす所持オブジェクトの中からベースオブジェクトを選択し、当該ベースオブジェクトと異なる所持オブジェクトの中から参照オブジェクトを選択し、ベースオブジェクトとして選択されたオブジェクトと、参照オブジェクトとして選択されたオブジェクとを合成することで、ベースオブジェクトとして選択されたオブジェクトに設定されたパラメータを、所定値を超える値に上昇させる処理である。特別合成が終了すると、参照オブジェクトはユーザの所持オブジェクトから消失する。
【0025】
特別合成の処理について、
図4を参照して具体的に説明する。
図4は、特別合成の処理を概念的に説明するための図である。
図4の例では、カードデータテーブルに、ゲームで使用されるカードのカードデータが記憶されており、所持カードデータテーブルに、ユーザが所持する所持カードの所持カードデータが記憶されており、カードA及びBは、所持カードであり、カードAには、上限レベルLまでの変動値であるカードレベルP1が設定されている場合を考える。
はじめに、ユーザの指示に基づいて、所持カードデータテーブルに記憶された所持カードデータに基づいて、ユーザの所持カードの中から、上限レベルLと等しいカードレベルP1が設定されたカードAがベースカードとして選択され、当該ベースカードと異なるカードBが参照カードとして選択される。
次いで、参照カードとして選択されたカードBのカードデータに基づいて、ベースカードとして選択されたカードAの上限レベルLを超える値P2(P2>L)が決定される。値P2は、予め定められた値ではなく、予め定められた上限レベルLを超える値である。つまり、値P2は、ユーザにとって予測困難な値である。
次いで、決定された値P2に基づいて、カードAにパラメータが設定される。これにより、ベースカードとして選択されたカードAのカードレベルが、上限レベルLと等しい値P1から、上限レベルLより大きく、かつ、ユーザにとって予測困難な値P2に上昇する。特別合成が終了すると、参照カードとして選択されたカードBの所持カードデータは、所持カードデータテーブルから削除される。これにより、ユーザの所持カードからベースカードとして選択されたカードBが消失する。
特別合成の処理によれば、カードレベルが上限レベルLに達しているカードをベースカードとして選択し、当該ベースカードとは異なるカードを参照カードとして選択することを条件として、当該ベースカードのカードレベルが、上限レベルLより大きく、かつ、ユーザにとって予測困難な値に変化する。これにより、ユーザの予測を超えてパラメータが上昇するという期待感をユーザに与えることができる。
【0026】
(1−5)データテーブルの構成
次に、ゲームサーバ20のストレージ25に記憶されるカードデータテーブル、ユーザデータテーブル、アイテムデータテーブル、所持カードデータテーブル、所持アイテムデータテーブル、および、パラメータデータテーブルについて、
図5〜
図10を参照して説明する。
【0027】
(i)カードデータテーブル
カードデータテーブルには、本実施形態のゲームで使用されるカードに関する情報が記録されている。
図5にカードデータテーブルの構成例を示す。
図5に示す例では、カードを特定するカードIDごとに、カード名、カード画像、および、カードパラメータのデータが含まれる。
カード名は、カードに表示されるキャラクタの名称を示す文字列である。キャラクタは、仮想の対象物(例えば、人物、動物、乗り物、建物等)であってもよいし、実在する対象物であってもよい。
カード画像は、カードに表示されるキャラクタの画像である。例えば、カード画像は、2次元画像、3次元画像、イラスト画像、および、写真画像等である。
カードパラメータは、レアリティ、属性、コスト、スキル、カードレベル、攻撃力、および、防御力のデータから構成されている。
レアリティは、カードの希少価値を示す指標であり、
図5に示す例では、R1〜R5の順に高くなるように設定されている。
属性は、カードに表示されるキャラクタの属性であり、
図5に示す例ではN1〜N3のいずれかである。
コストは、カードをユーザのカードチームに組み込むときに参照される値である。例えばカードチームによる対戦を行う場合には、カードチームに含まれるカードのコストの総和が所定値以下に制限される。
スキルは、カードを用いてゲームを実行するときに与えられるゲーム上の有利な効果を示す情報であり、
図5に示す例では、SK1〜SK12の様々な効果を備えたスキルが各カードに設定されている。なお、すべてのカードがスキルを備えていなくてもよい。
カードレベルは、ゲームにおけるカードの育成レベルを示す数値パラメータである。カードデータテーブルでは、初期レベル1から上限レベル60までのカードレベルが規定されている。上限レベルは、全てのカードについて同一であってもよいし、カード毎に異なってもよい。上限レベルは、予め決められたカードレベルの上限値(つまり、カードが通常合成によって成長できる限界の値)を示しており、
図4の上限レベルLに相当する。
攻撃力および防御力は、ゲームにおけるカードの能力を示す数値パラメータである。攻撃力および防御力は、カードレベル毎に設定されている。
つまり、カードレベル、攻撃力、および、防御力は、所定値までの変動値であるパラメータである。「所定値までの変動値」とは、「所定値を上限値とする変動値」または「所定値まで上昇可能な変動値」のことである。
【0028】
(ii)ユーザデータテーブル
ユーザデータテーブルには、本実施形態のゲームに登録しているユーザに関する情報が記録されている。
図6にユーザデータテーブルの構成例を示す。
図6に示す例では、ユーザを特定するユーザIDごとに、ユーザ名、ユーザパラメータ、および、実行履歴のデータが含まれる。
ユーザ名は、ユーザの名称を示す文字列である。ユーザ名は、ユーザが任意に決めることができる。
ユーザパラメータは、対戦において参照されるパラメータである。ユーザパラメータは、ユーザレベルおよび体力のデータから構成される。
ユーザレベルは、ゲームにおけるユーザの強さの程度を示す数値パラメータである。ユーザがゲームに登録したときのユーザレベル(初期レベル)は1である。ユーザは、対戦において対戦相手に勝つことで、成長する(ユーザレベルを上昇させる)ことができる。
体力は、ユーザがゲームを進行させる処理(例えば、対戦の処理、通常合成の処理、特別合成の処理)を実行させる際に消費するコストを示す数値パラメータである。ゲームを進行させる処理が実効されると、体力が所定量の分だけ消費される。ユーザ毎に体力の上限値を定めてもよい。体力は、時間の経過によって上限値まで増加(回復)するようにしてもよい。
実行履歴のデータは、プレイ時間および実行回数のデータから構成される。プレイ時間は、ユーザがゲームをプレイした時間の累積値を示すデータである。実行回数は、ユーザが合成の処理(例えば、通常合成の処理、特別合成の処理)を実行した回数の累積値を示すデータである。実行回数が大きなユーザほど、合成の処理を実行することがゲームをプレイする上での動機になっているユーザであると推定される。さらに、プレイ時間に対する実行回数が大きなユーザほど、合成の処理を実行することがゲームをプレイする上でのより大きな動機になっているユーザであると推定される。
【0029】
(iii)アイテムデータテーブル
アイテムデータテーブルには、本実施形態のゲームで使用されるアイテムに関する情報が記録されている。
図7にアイテムデータテーブルの構成例を示す。
図7に示す例では、アイテムを特定するアイテムIDごとに、アイテム名、アイテム画像、効能、および、レアリティのデータが含まれる。
アイテム名は、アイテムの名称を示す文字列である。
アイテム画像は、アイテムの画像である。例えば、アイテム画像は、2次元画像、3次元画像、イラスト画像、および、写真画像等である。
効能は、アイテムを使用したときのゲーム上の効能を示す指標であり、
図7に示す例では、アルファベットA〜Zが効能の種類を示しており、数字1〜9が効能の大きさを示している。
レアリティは、アイテムの希少価値を示す指標であり、
図7に示す例では、R1〜R5の順に高くなるように設定されている。
カードデータテーブルには、特別合成の処理において設定される数値パラメータ(カードレベル)がカードIDに対応付けて記録されている。これに対して、アイテムデータテーブルには、当該数値パラメータは設定されていない。つまり、カードとアイテムとは、ゲームに使用されるオブジェクトであるという観点で共通するが、特別合成の処理において設定される数値パラメータが対応付けられているか否かという観点で異なる。
【0030】
(iv)所持カードデータテーブル
所持カードデータテーブルには、ユーザの所持カードに関する所持カードデータが記録されている。
図8に所持カードデータテーブルの構成例を示す。
図8では1ユーザの分の所持カードデータテーブルを例示するが、所持カードデータテーブルは、ゲームに登録しているすべてのユーザに対応して設けられる。
図8に示す所持カードデータテーブルには、カードIDごとに、シリアル番号、カードレベル、攻撃力、および、防御力のデータが対応付けられて記録されている。シリアル番号は、ユーザにカードが付与された時点で決定される固有の番号である。同一のカードIDのカードに対しても異なるシリアル番号が付される。
カードレベルは、所持カードの育成レベルを示す数値パラメータである。所持カードデータテーブルに記録された所持カードのカードレベルが、カードデータテーブルに記録された当該所持カードのカードIDに対応付けられた上限レベル未満である場合、ユーザは、当該所持カードと、他の所持カードまたは所持アイテムとの通常合成の処理を実行することによって、当該所持カードのカードレベルを当該上限レベルまで上昇(つまり、当該所持カードの限界まで成長)させることができる。一方、所持カードのカードレベルが当該上限レベルと等しい場合、ユーザは、他の所持カードまたは所持アイテムとの特別合成を実行することによって、当該所持カードのカードレベルを、当該上限レベルを超える値に上昇(つまり、当該所持カードの限界を超えて成長)させることができる。
攻撃力および防御力は、対戦において参照される数値パラメータである。所持カードのカードレベルが当該上限レベル以下である場合、所持カードデータテーブルには、カードデータテーブルにおいて当該所持カードのカードレベルに対応する攻撃力および防御力が設定される。一方、所持カードのカードレベルが当該上限レベルより大きい場合、所持カードデータテーブルには、パラメータデータテーブル(後述する)に基づいて攻撃力および防御力が設定される。所持カードデータテーブルの攻撃力が高いほど、対戦において対戦相手に与えるダメージの値は大きくなる。所持カードデータテーブルの防御力が高いほど、対戦において対戦相手から受けるダメージの値は小さくなる。
【0031】
(v)所持アイテムデータテーブル
所持アイテムデータテーブルには、ユーザの所持アイテムに関する情報が記録されている。
図9に所持アイテムデータテーブルの構成例を示す。
図9では1ユーザの分の所持アイテムデータテーブルを例示するが、所持アイテムデータテーブルは、ゲームに登録しているすべてのユーザに対応して設けられる。
図9に示す所持アイテムデータテーブルには、アイテムIDごとに、アイテム名および所持数のデータが対応付けられて記録されている。
アイテム名は、アイテムの名称を示す文字列である。
所持数は、ユーザが所持しているアイテムの数を示すデータである。
【0032】
(vi)パラメータデータテーブル
パラメータデータテーブルには、カードレベルが上限値を超えた場合の攻撃力および防御力を計算するためのデータが記録されている。
図10にパラメータデータテーブルの構成例を示す。
図10に示すパラメータデータテーブルには、特別合成の処理が実行された後(以下「特別合成後」という)のカードレベルと特別合成の処理が実行される前(以下「特別合成前」という)のカードレベル(つまり、上限レベル)との差ごとに、追加攻撃力および追加防御力のデータが含まれる。
図10では1カードIDの分のパラメータデータテーブルを例示するが、パラメータデータテーブルは、カードデータテーブルに含まれる全てのカードIDに対応して設けられる。
追加攻撃力および追加防御力は、それぞれ、特別合成後の攻撃力および防御力を計算するために参照されるデータである。特別合成前の攻撃力および防御力と、特別合成後のカードレベルと特別合成前のカードレベルとの差に対応付けられた追加攻撃力および追加防御力との合計値が、それぞれ、特別合成後の攻撃力および防御力になる。
【0033】
(1−6)特別合成の処理の具体例(
図11)
以下、本実施形態のゲームの処理の具体例について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施形態のゲームの処理を実行しているときにユーザ端末10に表示される画面の一例を示す図である。
図11は、特別合成の処理の一連の表示画面の変化を示している。
図11において、画面P1は、本実施形態のゲームにおいてユーザが処理の要求を行うときにユーザ端末10に表示される画面である。画面P1には、ユーザの指定対象として、ボタンb1(「所持カードを見る」)と、ボタンb2(「所持アイテムを見る」)と、ボタンb3(「対戦」)と、ボタンb4(「通常合成」)と、ボタンb5(「特別合成」)とが設けられる。
ボタンb1は、所持カードの一覧を見るための処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb2は、所持アイテムの一覧を見るための処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb3は、対戦の処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb4は、通常合成の処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb5は、特別合成の処理の要求を行うときに指定されるボタンである。
【0034】
画面P1においてボタンb5(「特別合成」)が指定されると、P2に示すように画面が変化する。画面P2は、ベースカードの選択を受け付けるための画面である。
画面P2には、ユーザの所持カードが一覧表示される。特別合成の条件を満たしていない(例えば、カードレベルが上限レベル未満である)カード(図示する例では、カードKNM2,TED,DSG)については、選択できないように当該カードの画像が構成される。
【0035】
画面P2において、特別合成の条件を満たすカードのいずれか(例えばカードKLM1)が選択されると、P3に示すように画面が変化する。画面P3は、参照カードの選択を受け付けるための画面である。
画面P3には、ユーザの所持カードが一覧表示される。ベースカードとして選択されたカード(図示する例では、カードKLM1)については、選択できないように当該カードの画像が構成される。
【0036】
画面P3において、ベースカードとして選択されたカードとは異なるカードのいずれか(例えばカードKLM2)が選択されると、P4に示すように画面が変化する。画面P4は、特別合成の実行結果を示す画面である。
画面P4には、画面P2において選択されたベースカードおよび画面P3において選択された参照カードの組合せが表示される表示領域101と、ベースカードの特別合成後のカードレベルが表示される表示領域102とが含まれる。
画面P4の例では、表示領域101には、カードKLM1(レベル60/上限レベル60)がベースカードとして選択され、かつ、カードKLM2(レベル1/上限レベル60)が参照カードとして選択されたことが表示されている。表示領域102には、ベースカードとして選択されたカードKLM1の特別合成後のカードレベルが、上限レベル60を超えるレベル62に上昇したことが表示されている。
【0037】
(1−7)情報処理装置が備える機能の概要
次に、上述した本実施形態のゲームを実現するためにゲームサーバ20が備える機能について説明する。
図12は、本実施形態のゲームサーバ20で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図12において、データテーブル群70は、前述したように、カードデータテーブル、ユーザデータテーブル、アイテムデータテーブル、所持カードデータテーブル、所持アイテムデータテーブル、および、パラメータデータテーブルを含む。なお、
図12に示す機能ブロック図に含まれる手段のすべてが本発明に必須の要素とは限らない。例えば、本発明の一態様では、選択手段53、決定手段54、および、設定手段55を備えていればよい。
【0038】
受付手段51は、ユーザの指示に基づいて、ゲームにおける処理の要求を受け付ける機能を備える。本実施形態のゲームにおける処理の要求は、例えば、通常合成の処理の要求、特別合成の処理の要求、および、対戦の処理の要求である。
通常合成の処理の要求は、所持カードのうち、カードレベルが上限レベル未満であるカードの中から選択されたベースカードのカードレベルを当該上限レベル以下の範囲内で上昇させる処理の要求である。通常合成の処理の要求には、当該要求を行ったユーザのユーザIDが含まれる。
特別合成の処理の要求は、所持カードのうち、カードレベルが上限レベルと等しいカードの中から選択されたベースカードのカードレベルを、当該上限レベルを超えるレベルに上昇させる処理の要求である。特別合成の処理の要求には、当該要求を行ったユーザのユーザIDが含まれる。
対戦の処理の要求は、ユーザと、対戦相手(例えば、他のユーザ)とを対戦させるための処理の要求である。対戦の処理の要求には、当該要求を行ったユーザのユーザIDと、対戦相手を特定する情報(例えば、当該他のユーザのユーザID)とが含まれる。
受付手段51の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、ユーザ端末10から、ウェブページ内のボタンに対するユーザの指定に対応する要求を受信する。ゲームサーバ20のCPU21は、受信した要求をRAM23に展開し、RAM23に展開した要求の内容に応じた処理を実行する。
【0039】
選択手段53は、ユーザの指定に基づいて、当該ユーザの所持カードの中から、ベースカードと、参照カードとを選択する機能を備える。
選択手段53によって選択されるベースカードとは、ユーザの所持カードのうち、カードレベルが上限レベルと等しい所持カードの中から選択されたカードであり、特別合成の処理においてカードレベルを上昇させるカードである。
選択手段53によって選択される参照カードとは、ユーザの所持カードのうち、ベースカードとは異なる所持カードの中から選択されたカードであり、特別合成の処理に使用された後に消失するカードである。
選択手段53の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、受付手段51によってRAM23に展開された特別合成の処理の要求に含まれるユーザIDに基づいて、所持カードデータテーブルを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、RAM23に展開された所持カードデータテーブルに含まれる所持カードデータの中から、ユーザの指定に基づいて、ベースカードのシリアル番号と、参照カードのシリアル番号とを選択する。
【0040】
決定手段54は、選択手段53によって選択された参照カードのカードデータに基づいて、選択手段53によって選択されたベースカードの上限レベルを超える値をランダムに決定する機能を備える。
決定手段54の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルにおいて、ベースカードのシリアル番号に対応付けられたカードIDと、参照カードのシリアル番号に対応付けられたカードIDとを特定する。次いで、CPU21は、カードデータテーブルにおいて、ベースカードのカードIDに対応付けられた上限レベルと、参照カードのカードIDに対応付けられたカードパラメータとを特定する。次いで、CPU21は、参照カードのカードパラメータに基づいて、ベースカードの上限レベルを超える値をランダムに決定する。
【0041】
設定手段55は、決定手段54によって決定された値に基づいて、ベースカードのパラメータを設定する機能を備える。
設定手段55の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、決定手段54によって決定された値を、ベースカードのカードIDに対応付けられたカードレベルとして記録することで、所持カードデータテーブルを更新する。これにより、ベースカードのカードレベルが上限レベルを超えるレベルに上昇する(つまり、ベースカードが限界を超えて成長する)。
【0042】
出力手段56は、設定手段55によって設定されたパラメータがベースカードに設定されたことをユーザに提示する機能を備える。
出力手段56の機能は、以下のようにして実現される。
ゲームサーバ20のCPU21は、特別合成の実行結果を示す画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する。次いで、ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、当該表示情報をユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、当該実行結果(つまり、ベースカードのカードレベルが上限レベルを超えるレベルに上昇したこと)をユーザに提示する。
【0043】
ゲーム処理手段52は、受付手段51によって受け付けられたユーザの要求に応じて、様々なゲームの処理を実行する機能を備える。本実施形態のゲームの処理は、適宜設けられてよいが、例えば、対戦の処理、通常合成の処理などである。
【0044】
対戦の処理を実行するゲーム処理手段52の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、対戦の処理の要求を受け付けると、ユーザデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応付けられたユーザデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、所持カードデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応付けられた所持カードデータ(つまり、当該要求を行ったユーザの所持カードデータ、および、対戦相手となる他のユーザの所持カードデータ)を読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、RAM23に展開された所持カードデータに含まれるパラメータ(例えば、当該要求を行ったユーザの所持カードの攻撃力および防御力、ならびに、対戦相手となる他のユーザの所持カードの攻撃力および防御力)に基づいて、対戦結果を決定する。次いで、CPU21は、対戦結果を示す画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し、ユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、対戦結果をユーザに提示する。
【0045】
通常合成の処理を実行するゲーム処理手段52の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、通常合成の処理の要求を受け付けると、ユーザデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応付けられたユーザデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、所持カードデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応付けられた所持カードデータ(つまり、当該要求を行ったユーザの所持カードデータ)を読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、RAM23に展開された所持カードデータに含まれるシリアル番号の中から、ユーザの指示に基づいて、ベースカードして選択するカードのシリアル番号と、参照カードとして選択するカードのシリアル番号を特定する。次いで、CPU21は、参照カードのカードデータに基づいて、ベースカードのカードレベルを上昇させる。次いで、CPU21は、通常合成の実行結果を示す画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し、ユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、通常合成の実行結果をユーザに提示する。
【0046】
(1−8)本実施形態のゲームの処理フロー
次に、本実施形態のゲームの処理フローの一例について、
図13Aおよび
図13Bを参照して説明する。
図13Aおよび
図13Bは、本実施形態の特別合成の処理を示すシーケンスチャートである。なお、各図において、
図11に示した各画面P1〜P4が表示されるステップに各画面の符号を付してある。
【0047】
図13Aにおいて、ユーザ端末10に表示された画面上で所定のボタン(例えば、
図11の画面P1のボタンb5(「特別合成」))をユーザが指定することによって、ユーザ端末10のCPU11は、特別合成の処理の要求を受け付け(S10)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S11)。
【0048】
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザ端末10から、特別合成の処理の要求を受け付けると、カードデータと、所持カードデータと、パラメータデータとを読み出す(S12)。
具体的には、CPU21は、カードデータテーブルから、全てのカードデータを読み出し、所持カードデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応付けられた所持カードデータ(つまり、特別合成の処理の要求を行ったユーザの所持カードの所持カードデータ)を読み出し、パラメータデータテーブルから、全てのパラメータデータを読み出す。
【0049】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S12で読み出された所持カードデータに基づいて、ベースカードの選択を受け付けるためのベースカード選択画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する(S14)。ここで、
図11の画面P2に示すように、CPU21は、所持カードデータのカードレベルがカードデータの上限レベルと等しいカードが選択可能な形式の画像で表示され、所持カードデータのカードレベルがカードデータの上限レベル未満のカードが選択不可能な形式の画像で表示されるように、表示情報を生成する。次いで、CPU21は、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S15)。
【0050】
ユーザ端末10のCPU11は、S15で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいてベースカード選択画面(
図11の画面P2)を生成し、当該画面に含まれる指定対象に対するユーザの指定入力に基づいて、カードレベルが上限レベルと等しい所持カードの中からベースカードの選択を受け付け(S16)、当該ベースカードのシリアル番号をゲームサーバ20へ送信する(S17)。
【0051】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S12で読み出された所持カードデータに基づいて、参照カードの選択を受け付けるための参照カード選択画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S18)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S19)。
【0052】
ユーザ端末10のCPU11は、S19で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて参照カード選択画面(
図11の画面P3)を生成し、当該画面に含まれる指定対象に対するユーザの指定入力に基づいて、ベースカードとして選択されたカード以外の所持カードの中から参照カードの選択を受け付け(S20)、当該参照カードのシリアル番号をゲームサーバ20へ送信する(S21)。
【0053】
ゲームサーバ20のCPU21は、S19で送信されたベースカードのシリアル番号と、S21で送信された参照カードのシリアル番号とを受け付けると、当該ベースカードの上限レベルを超える値をランダムに決定する(S22)。
具体的には、CPU21は、所持カードデータテーブルにおいて、ベースカードのシリアル番号に対応付けられたカードID(つまり、ベースカードのカードID)と、参照カードのシリアル番号に対応付けられたカードID(つまり、参照カードのカードID)とを特定する。次いで、CPU21は、カードデータテーブルにおいて、ベースカードのカードIDに対応付けられた上限レベルと、参照カードのカードIDに対応付けられたカードパラメータとを特定する。次いで、CPU21は、参照カードのカードパラメータに基づいて、ベースカードの上限レベルを超える値をランダムに決定する。決定された値は、ベースカードの特別合成後のカードレベルに相当する。
【0054】
ゲームサーバ20のCPU21は、S22で決定した値に基づいて、ベースカードの特別合成後の攻撃力および防御力を計算する(S23)。
具体的には、CPU21は、特別合成後のカードレベルと特別合成前のカードレベル(つまり、上限レベル)との差を計算する。次いで、CPU21は、パラメータデータテーブルにおいて、特別合成後のカードレベルと特別合成前のカードレベルとの差に対応付けられた追加攻撃力および追加防御力を、所持カードデータテーブルにおいてベースカードのシリアル番号に対応付けられた攻撃力および防御力(つまり、特別合成前の攻撃力および防御力)に加算する。当該追加攻撃力および追加防御力と、当該攻撃力および防御力との合計値は、それぞれ、特別合成後の攻撃力および防御力に相当する。
【0055】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、ベースカードに特別合成後のパラメータを設定する(S24)。
具体的には、CPU21は、S22において決定した特別合成後のカードレベルと、S23において決定した攻撃力および防御力とを、ベースカードのシリアル番号に対応付けて記録することで、所持カードデータテーブルを更新する。
【0056】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルから、参照カードのシリアル番号に対応付けられた所持カードデータを削除する(S26)。これにより、S20で選択された参照カードがユーザの所持カードから消失する。
【0057】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、特別合成の実行結果を示す画面の基となる表示情報を生成し(S28)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S29)。
【0058】
ユーザ端末10のCPU11は、S29で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づく画面を表示部16に表示する(S30)。
S30で表示される画面は、
図11の画面P4に示すように、S16で選択されたベースカードおよびS20で選択された参照カードを示す領域101と、特別合成の実行結果(つまり、ベースカードのカードレベルが上限レベルを超えるレベルに上昇したこと)を示す領域102とを含む。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の特別合成の処理を実行することで、ベースカードのカードレベルは、参照カードのカードデータに基づいて決定される値(予め決められた上限レベルを超えるレベル)に上昇するので、ユーザにとって、特別合成後のカードレベルの予測は困難である。これにより、ユーザの予測を超えてパラメータが上昇するという期待感をユーザに与えることができる。
【0060】
また、本実施形態では、カードレベルが上限レベルと等しいカードがベースカードとして選択可能である。従って、ベースカードの限界を超えて当該ベースカードを成長させるために、特別合成前に通常合成を繰り返し実行して当該ベースカードを限界まで成長させる、というゲーム上の目的をユーザに与えることができる。
【0061】
(1−9)本実施形態の変形例
ゲームサーバ20は、参照カードの種別に基づいて、ベースカードの上限レベルを超える値を決定してもよい。
特に、ゲームサーバ20は、ベースカードのカードIDと参照カードのカードIDが同一である場合に、ベースカードのカードIDと参照カードのカードIDが異なる場合よりも大きな値を決定することが好ましい。
また、ゲームサーバ20は、参照カードのレアリティが高いほど、大きな値を決定することが好ましい。
上記の場合、ベースカードのカードレベルを高く上昇させるためには、カードの種別(カード名、レアリティなど)を考慮して参照カードを選択することが重要になる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0062】
ゲームサーバ20は、参照カードの数に基づいて、ベースカードの上限レベルを超える値を決定してもよい。特に、ゲームサーバ20は、参照カードの数が多いほど大きな値を決定することが好ましい。この場合、ベースカードのカードレベルを高く上昇させるためには、参照カードとして選択するカードの数を考慮することが重要になる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0063】
ゲームサーバ20は、ユーザのゲームの実行履歴に基づいて、上限レベルを超える値を決定してもよい。
特に、ゲームサーバ20は、ユーザのプレイ時間が長いほど大きな値を決定することが好ましい。例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、ログアウトの度に、ユーザデータテーブルに、ユーザのプレイ時間の累積値を記録する。次いで、CPU21は、S24aにおいて、ユーザデータテーブルに記憶された累積値に基づいて、上限レベルを超える値を決定する。この場合、パラメータを高く上昇させるために、より長くプレイするというゲーム上の目的をユーザに与えることができる。
また、ゲームサーバ20は、特別合成の実行回数が多いほど大きな値を決定することが好ましい。例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、S12において、特別合成の処理の要求をユーザ端末10から受け付けた場合、ユーザデータテーブルに当該要求を受け付けた回数の累積値を記録する。次いで、CPU21は、S24aにおいて、ユーザデータテーブルに記録された累積値に基づいて、上限レベルを超える値を決定する。この場合、パラメータを高く上昇させるために、特別合成を繰り返し実行するというゲーム上の目的をユーザに与えることができる。
【0064】
また、ゲームサーバ20は、参照カードのカードデータに基づいて、ベースカードのパラメータを設定する代わりに、参照アイテムとして選択されたアイテムのアイテムデータに基づいて、ベースカードのパラメータを設定してもよい。
例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、S18において、参照アイテムの基となる表示情報を生成する。ユーザ端末10のCPU11は、S20において、当該表示情報に基づいて参照アイテムの選択画面を生成し、当該選択画面に含まれる指定対象に対するユーザの指定入力に基づいて、参照アイテムの選択を受け付ける。次いで、CPU11は、S21において、選択された参照アイテムのアイテムIDをゲームサーバ20へ送信する。ゲームサーバ20のCPU21は、S24aにおいて、所持アイテムデータテーブルにおいて参照アイテムのアイテムIDに対応付けられた効能に基づいて、ベースカードのカードレベルについて、上限レベルを超える値をランダムに決定する。より具体的には、CPU21は、S24aにおいて、カードレベルを上昇させる効能Zを有する強化薬(アイテムID:I0003)および上強化薬(アイテムID:I9999)について、上強化薬(効能:Z9)が参照アイテムとして選択された場合、強化薬(効能:Z1)が参照アイテムとして選択された場合よりも大きな値を決定する。
この変形例は、特別合成において、ベースカードの種別(例えば、カードID)と参照カードの種別とが同一である場合に、ベースカードの種別と参照カードの種別とが異なる場合よりも大きな値を決定するケースにおいて、特に有効である。この変形例では、ベースカードのカードIDと同一のカードIDを有するカードを使用しなくても、ベースカードのカードレベルを高く上昇させることができるので、特別合成において、カードを使用するのか、または、アイテムを使用するのかの判断が求められる。また、アイテムが入手困難なもの(例えば、レアリティが高いもの)である場合には、ユーザには、どのベースカードとどのアイテムとを組み合わせるべきか(つまり、特別合成の処理を実行するために、どのアイテムを使用すべきか)の判断が求められる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0065】
上記の実施形態では、所定条件を満たすベースカードは、カードレベルが上限レベルと等しい所持カードの中から選択されたカードである例について説明したが、所定条件を満たすベースカードはこれに限られない。
【0066】
所定条件を満たすベースカードは、ユーザが特別合成の処理の要求を行う前に、所定のアイテムと組み合わされることによって、特別合成の処理においてベースカードとして選択可能な状態(以下「限界突破状態」という)に進化したカードであってもよい。
例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザの指示に基づいて、カードレベルが上限レベルと等しい所持カードの中から限界突破状態にするカードを選択し、所持アイテムの中から当該カードと組みあわせ可能な所定のアイテムを選択する。次いで、CPU21は、当該カードが当該アイテムと組み合わせられていることを示す情報(例えば、フラグ)を、当該カードのシリアル番号と対応付けて記録することで、所持カードデータテーブルを更新する。そして、特別合成の処理のS14において、CPU21は、所持カードデータに限界突破状態であることが記録されたカードが選択可能な形式の画像で表示され、それ以外のカードが選択不可能な形式の画像で表示されるように、表示情報を生成する。
この場合、ベースカードのカードレベルを、上限レベルを超える範囲に上昇させるためには、ベースカードのカードレベルを上限レベルまで上昇させるのに加えて、特別合成の処理の要求を行う前に、所定のアイテムを入手し、かつ、ベースカードとして選択するカードと当該所定のアイテムとを組み合わせることで、当該カードを限界突破状態にする必要がある。換言すると、ユーザには、特別合成の処理を完了させるために、ベースカードとして選択するカードのカードレベルを上限レベルまで上昇させることに加えて、所定のアイテムを入手することが求められる。また、所定のアイテムが入手困難なもの(例えば、レアリティが高いもの)である場合には、ユーザには、どのカードとどのアイテムとを組み合わせるべきか(つまり、特別合成の処理を実行するために、どのアイテムを使用すべきか)の判断が求められる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0067】
所定条件を満たすベースカードは、レアリティが所定以上であるカードであってもよい。
例えば、ゲームサーバ20のCPU21は、S14において、カードデータのレアリティがR4またはR5であるカードが選択可能な形式の画像で表示され、それ以外のカードが選択不可能な形式の画像で表示されるように、表示情報を生成する。
この場合、ベースカードのカードレベルを、上限レベルを超える範囲に上昇させるためには、レアリティが所定値以上であるカードを所持している必要がある。換言すると、ユーザにとっては、特別合成の処理を完了させるために、レアリティの高いカードのカードレベルを上限レベルまで上昇させることが求められる。
【0068】
上記の実施形態では、S22において、ベースカードの上限レベルを超える値をランダムに決定する例を説明したが、本実施形態は、これに限られるものではない。
【0069】
ゲームサーバ20は、ベースカードのカードレベルの値を変更することなく、ベースカードの攻撃力および防御力について、上限値を超える値をランダムに決定してもよい。つまり、上限値を超える値をランダムに決定するものであれば、決定する値がどのようなデータであってもよい。
【0070】
また、ゲームサーバ20は、ベースカードの上限レベルを超える値として、予め定められた固定値を決定してもよい。
例えば、カードデータテーブルには、特別合成の処理によるカードレベルの上昇幅を示す固定値が、カードIDに対応付けられて記録されている。ゲームサーバ20は、参照カードのカードIDに対応する固定値をベースカードのカードレベルに加算することにより、ベースカードの上限レベルを超える値を決定する。
この変形例は、特別合成の処理を実行できる回数が制限されている(例えば、ベースカードとして選択されるカード毎に制限されている)ケースにおいて、特に有効である。当該ケースによれば、ユーザには、特別合成の処理を実行するために、参照カードとして、どのカードをいくつ使用するのかの判断が求められる。例えば、特別合成の処理回数が5回まで制限されていて、他のカードと比べて固定値が大きいカードを5枚所持している場合、1回の特別合成の処理において5枚のカードを参照カードとして使用するのか、5回の特別合成の処理のそれぞれにおいて1枚のカードを参照カードとして使用するのかの判断が必要となる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0071】
上記の実施形態では、S24において、上限レベルを超えるカードレベルと、当該カードレベルに対応する攻撃力および防御力とを、ベースカードのシリアル番号に対応付けて記録する例を説明したが、本実施形態は、これに限られるものではない。例えば、ゲームサーバ20は、当該カードレベル、攻撃力、および、防御力を、新たなシリアル番号(つまり、特別合成の処理を実行する前の時点で、所持カードデータテーブルにおいてベースカードとして選択されたカードに設定されていたシリアル番号とは異なるシリアル番号)と対応付けて記録してもよい。
【0072】
(2)第2の実施形態
第1の実施形態では、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間でHTTPに従った通信が行われ、ユーザ端末10がゲームサーバ20から取得するHTML文書を解釈することでゲーム画像を表示する、いわゆるブラウザ形式によってゲームが実現される場合について説明したが、本発明はこれに限られない。本実施形態のゲームは、ユーザ端末10がダウンロードしたゲームプログラムを実行することでユーザ端末10が主体的にゲームの処理を実行し、ユーザ端末10とゲームサーバ20の間の送受信処理を抑制した、いわゆるネイティブアプリケーション形式によって実現してもよい。ネイティブアプリケーション形式では、ウェブブラウザを利用せずに、ユーザ端末10のCPU11が画像データを生成することで、表示部16に画面を表示する。
本実施形態では、第1の実施形態のゲームをネイティブアプリケーション形式によって実現する場合の一例について説明する。なお、本実施形態のハードウエア構成は、第1の実施形態と同じ構成でよい。本実施形態のネイティブアプリケーションの形式では、処理のほとんどをユーザ端末10側で行うことを想定しているが、以下で説明しないゲームの処理の一部(例えば、対戦の処理等)については、ゲームサーバ20側で処理を実行し、ゲームサーバ20による処理結果をユーザ端末10へ送信してもよい。
【0073】
本実施形態では、ユーザ端末10がユーザによる所定の操作に基づいて、ゲーム運営者のサーバからゲームプログラムを受信し、受信したゲームプログラムがストレージ18に記憶される。ユーザ端末10によってゲームが起動されると、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間で通信が確立されてログイン処理が行われ、ゲームサーバ20からユーザ端末10へデータテーブル群(カードデータテーブル、ユーザデータテーブル、アイテムデータテーブル、所持カードデータテーブル、所持アイテムデータテーブル、および、パラメータデータテーブル)が送信される。当該データテーブル群は、ユーザ端末10のストレージ18に記憶される。ストレージ18に記憶されたデータテーブル群は、ログインの度に更新される。
所持カードデータテーブルおよび所持アイテムデータテーブルがユーザ端末10において改竄されることを防止するため、ユーザ端末10による所定の処理が終了する度、あるいは、ゲームからログアウトする時点で、ストレージ18に記憶された所持カードデータテーブルがゲームサーバ20へ送信される。ゲームサーバ20では、ユーザ端末10から受信した所持カードデータテーブルと、ストレージ25に記憶された所持カードデータテーブルとを比較し、データの改竄が行われていないことを確認した後に、ユーザ端末10から受信した所持カードデータテーブルに基づいて、ストレージ25に記憶された所持カードデータテーブルを更新する。
【0074】
上述した実施形態では、ユーザ端末10に対する指定入力は、ユーザ端末に対する所定のボタンの押下操作の入力や、タッチパネル機能を備えたユーザ端末に対する表示画面上のタッチ操作の入力であるとしたが、指定入力はこれに限られない。指定入力は、加速度センサを備えたユーザ端末を振ることによる入力、あるいはジェスチャによる入力(ジェスチャ入力)であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えたユーザ端末に対する所定のジェスチャを行うことでユーザ端末がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた操作入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能なユーザ端末の場合には、指定入力は、音声入力により行われてもよい。
【0075】
[発明のまとめ]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。
【0076】
本発明の一態様は、
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御する情報処理装置であって、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを特定する所持情報とが記憶された記憶装置(70)にアクセス可能な情報処理装置において、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶装置(70)に記憶された所持情報により特定される所持オブジェクトの中から、所定値までの変動値であるパラメータが設定されたベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトとは異なる参照オブジェクトとを選択する選択手段(53)と、
前記選択手段(53)によって選択されたベースオブジェクトが所定条件を満たす場合、前記記憶装置(70)に記憶されたオブジェクト情報のうち、前記選択手段(53)によって選択された参照オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて、当該ベースオブジェクトの所定値を超える値を決定する決定手段(54)と、
前記決定手段(54)によって決定された値に基づいて、前記ベースオブジェクトのパラメータを設定する設定手段(55)と、
を備える情報処理装置。
【0077】
「情報処理装置」は、スタンドアローンのゲーム機、あるいはユーザ端末(例えば、携帯端末やパーソナルコンピュータ等)やネットワーク上のサーバなどであってもよい。ゲームの実現形態によって適宜情報処理装置の実体を定義することができる。例えば、ユーザがゲーム機やユーザ端末を操作することで情報処理装置の各部の機能が実現される場合には、ゲーム機やユーザ端末が本発明の情報処理装置に相当する。あるいは、クライアントであるユーザ端末がユーザによる操作入力の受付や画像の表示の機能を有し、情報処理装置の各部の機能が実質的にユーザ端末と通信可能なサーバによって実現される場合には、サーバが本発明の情報処理装置に相当する。
「記憶装置」は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等、如何なる構成のメモリデバイスであってもよい。また、「記憶装置」は、情報処理装置に内蔵されたものであってもよいし、情報処理装置から有線または無線でアクセス可能に構成された外部の装置であってもよい。
「オブジェクト」は、ゲームで用いられるゲーム媒体(例えば、カード、アイテム等)である。
「パラメータ」は、ゲームの実行に際して、オブジェクトの性質の程度を特定するために参照されるデータである。例えば、パラメータは、オブジェクトのレベル、オブジェクトの能力を数値で表す数値パラメータ(一例として、攻撃力および防御力)であってもよいし、オブジェクトの性質を示す非数値パラメータ(一例として、レアリティおよびコスト)であってもよい。
「所定値」は、複数のオブジェクトに共通する値であってもよいし、オブジェクト毎に異なる値であってもよい。
「参照オブジェクト」は、ベースオブジェクトのシリアル番号とは異なるシリアル番号に対応付けられたオブジェクトである。従って、参照オブジェクトは、ベースオブジェクトの種別と同一の種別を有するもの(例えば、ベースカードのカードIDと同一のカードIDを有するカード)であってもよい。また、参照オブジェクトは、パラメータが設定されたオブジェクト(例えば、カード)であってもよいし、パラメータが設定されていないオブジェクト(例えば、アイテム)であってもよい。
「所定条件」とは、ベースカードに設定されたパラメータ(例えば、カードレベル)が所定値(例えば、上限レベル)と等しいことであってもよいし、ベースカードが所定のアイテムと予め(特別合成前に)組み合わせられているカードであることであってもよいし、所定値以上のレアリティを有することであってもよい。
【0078】
ユーザにゲームのプレイを継続させるためには、ゲームへの期待感をユーザに与えることが重要である。しかし、パラメータの値が予め決められた値以下に制限される場合、合成後のパラメータの値の予測は容易であるため、ユーザの予測を超えてパラメータが上昇するという期待感をユーザに与えることはできない。
上記情報処理装置では、特別合成の処理において、参照カードのカードデータに基づいて、ベースカードについて予め決められた所定値を超える値が決定され、ベースカードのパラメータが当該値に上昇する。特別合成後のパラメータの値は予め決められた値以下に制限されないので、特別合成後のパラメータの値の予測は困難である。これにより、ユーザの予測を超えてパラメータが上昇するという期待感をユーザに与えることができる。
【0079】
前記決定手段(54)は、前記参照オブジェクトの種別に基づいて、前記値を決定してもよい。
さらに、前記決定手段(54)は、前記ベースオブジェクトの種別と前記参照オブジェクトの種別が同一である場合に、前記ベースオブジェクトの種別と前記参照オブジェクトの種別とが異なる場合よりも大きな値を決定してもよい。
さらに、前記種別は、前記参照オブジェクトの希少価値を示す指標であり、
前記決定手段(54)は、前記希少価値が高いほど大きな値を決定してもよい。
【0080】
「種別」とは、オブジェクトに関する情報のうち、パラメータ以外の何れかの情報によって特定されるオブジェクトの種類を特定する指標である。例えば、種別は、オブジェクトの希少価値(レアリティ)、属性、コスト、スキル等である。
【0081】
上記の場合、パラメータを高く上昇させるためには、参照カードとして選択するカードの種別が重要になる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0082】
また、前記決定手段(54)は、前記参照オブジェクトの数に基づいて、前記値を決定してもよい。
さらに、前記決定手段(54)は、前記参照オブジェクトの数が多いほど大きな値を決定してもよい。
【0083】
上記の場合、パラメータを高く上昇させるためには、参照カードとして選択するカードの数が重要になる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0084】
また、前記所定条件は、前記所定値のパラメータが設定されていることであってもよい。
【0085】
上記の場合、所定値を超えるパラメータを有するカードを入手するために、カードのパラメータを所定値まで上昇させる(カードを成長させる)ようにプレイするというゲーム上の目的をユーザに与えることができる。
【0086】
また、前記オブジェクは、パラメータが設定された第1オブジェクトと、パラメータが設定されていない第2オブジェクトとを含み、
前記選択手段(53)は、前記所持オブジェクトのうち、前記第2オブジェクトと組み合わせられている第1オブジェクトの中から、前記ベースオブジェクトを選択してもよい。
【0087】
上記の場合、ユーザには、特別合成の処理を完了させるために、ベースカードとして選択するカードのパラメータを所定値まで上昇させることに加えて、所定のアイテムを入手することが求められる。また、所定のアイテムが入手困難なもの(例えば、レアリティが高いもの)である場合には、ユーザには、どのカードとどのアイテムとを組み合わせるべきか(つまり、特別合成の処理を実行するために、どのアイテムを使用すべきか)の判断が求められる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0088】
また、前記決定手段(54)は、ユーザのゲームの実行履歴に基づいて、前記値を決定してもよい。
【0089】
上記の場合、特別合成後のパラメータの値が大きくなるようにプレイするというゲーム上の目的をユーザに与えることができる。
【0090】
前記パラメータは、前記ゲームにおけるオブジェクトの成長度を示すレベルと、前記ゲームにおけるオブジェクトの能力を示す前記レベルに応じた能力値とを含み、
前記記憶装置(70)には、前記所定値を超えるレベルと能力値との関係を示すパラメータ情報が記憶されており、
前記決定手段(54)は、前記ベースオブジェクトの所定値を超えるレベルを決定し、
前記設定手段(55)は、前記記憶装置(70)に記憶されたパラメータ情報に基づいて、前記決定手段(54)によって決定されたレベルに応じた能力値を前記ベースオブジェクトに設定してもよい。
【0091】
本発明の別の態様は、
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御するコンピュータであって、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを特定する所持情報とが記憶された記憶装置(70)にアクセス可能なコンピュータに、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶装置(70)に記憶された所持情報により特定される所持オブジェクトの中から、所定値までの変動値であるパラメータが設定されたベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトとは異なる参照オブジェクトとを選択する機能(53)と、
前記選択されたベースオブジェクトが所定条件を満たす場合、前記記憶装置(70)に記憶されたオブジェクト情報のうち、前記選択された参照オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて、当該ベースオブジェクトの所定値を超える値を決定する機能(54)と、
前記決定された値に基づいて、前記ベースオブジェクトのパラメータを設定する機能(55)と、
を実現させるためのプログラムである。
【0092】
本発明の別の態様は、
オブジェクトのパラメータに基づいてゲームの実行を制御する情報処理システム(1)であって、ユーザ端末(10)と、当該ユーザ端末(10)からアクセスされるサーバ(20)と、前記ユーザ端末(10)又は前記サーバ(20)の何れか一方からアクセスされる記憶装置(70)であり、かつ、オブジェクトに関する情報であるオブジェクト情報と、ユーザが所持する所持オブジェクトを示す所持情報とが記憶された記憶装置(70)と、を含む情報処理システム(1)において、
ユーザの指示に基づいて、前記記憶装置(70)に記憶された所持情報により特定される所持オブジェクトの中から、所定値までの変動値であるパラメータが設定されたベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトとは異なる参照オブジェクトとを選択する選択手段(53)と、
前記選択手段(53)によって選択されたベースオブジェクトが所定条件を満たす場合、前記記憶装置(70)に記憶されたオブジェクト情報のうち、前記選択手段(53)によって選択された参照オブジェクトのオブジェクト情報に基づいて、当該ベースオブジェクトの所定値を超える値を決定する決定手段(54)と、
前記決定手段(54)によって決定された値に基づいて、前記ベースオブジェクトのパラメータを設定する設定手段(55)と、
の各手段を、前記ユーザ端末(10)又は前記サーバ(20)の何れか一方が備えた、情報処理システム(1)である。
【0093】
なお、上記では、本発明の理解を容易にするため、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載しているが、これにより本発明に係る情報処理装置等が図示の態様に限定されるものではない。